JPH08309918A - 銅張積層板とそれを用いたプリント回路板およびこれらの製法 - Google Patents

銅張積層板とそれを用いたプリント回路板およびこれらの製法

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JPH08309918A
JPH08309918A JP7122587A JP12258795A JPH08309918A JP H08309918 A JPH08309918 A JP H08309918A JP 7122587 A JP7122587 A JP 7122587A JP 12258795 A JP12258795 A JP 12258795A JP H08309918 A JPH08309918 A JP H08309918A
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JP
Japan
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adhesive
copper foil
base material
coupling agent
copper
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JP7122587A
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English (en)
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Ataru Yokono
中 横野
Haruki Yokono
春樹 横野
Masahiro Miama
昌宏 美甘
Ryoichi Narishima
良一 成島
Takuya Iida
拓也 飯田
Yasuhiro Endou
安浩 遠藤
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Nippon Denkai Co Ltd
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Nippon Denkai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】銅箔に粗化処理を施さなくとも、銅箔と絶縁層
とが強固に接着した銅張積層板の提供にある。 【構成】積層基材の片面または両面に銅箔が積層接着さ
れた銅張積層板において、(a)前記銅箔上に下式〔1〕
(但し、式中Qは過酸化物硬化性樹脂組成物と反応する
官能基、RはQとケイ素原子とを連結する結合基、X,
Y,Zはケイ素原子に結合する加水分解性の基または水
酸基を表す)で示されるシランカップリング剤、また
は、チオール系カップリング剤よりなる接着性下地を介
し、(b)過酸化物硬化性樹脂組成物からなる接着剤によ
り積層基材が接着されているか、または、過酸化物硬化
性樹脂組成物からなり接着剤を兼ねた積層基材が直接接
着されている銅張積層板にある。 【化15】 QRSiXYZ …〔1〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銅張積層板とそれを用い
たプリント回路板およびこれらの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器、電子機器に用いられるプリン
ト回路板用銅張積層板は銅箔を積層基材に接着して製造
される。
【0003】積層基材としては紙にフェノール樹脂を含
浸した紙基材フェノール樹脂プリプレグ、ガラス布にエ
ポキシ樹脂組成物を含浸したガラス布基材エポキシ樹脂
プリプレグが一般に用いられている。ガラス布やアラミ
ド繊維布にポリイミド樹脂やビスマレイミド樹脂、特殊
な低誘電率性樹脂を含浸したプリプレグ、さらにはアル
ミ板などの金属板の表面に絶縁樹脂層を形成した積層基
材も実用に供されている。
【0004】また、ポリエステルフィルムやポリイミド
フィルムも積層基材として用いられ、これらは折曲げ性
が必要なフレキシブルプリント回路板やLSI実装用T
ABテープなどの製造に供されている。
【0005】ガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグは銅
箔と直接接着して銅張積層板とする。紙基材フェノール
樹脂プリプレグは接着剤により銅箔と間接的に接着して
銅張積層板とする。接着剤としては、例えば日本特許第
713,780号に記載されたブチラール−フェノール
樹脂系接着剤がある。
【0006】銅箔と積層基材、接着剤との接着力はファ
ンデァワールス力や水素結合などの二次結合力とアンカ
ー効果とに由来するとされている。アンカー効果は銅箔
表面の凹凸構造に樹脂が機械的に固着する現象で、凹凸
が大きいほど高い接着力が得られる。二次結合力は大き
なものではなく、アンカー効果の寄与が大きいとされて
いる。
【0007】銅張積層板に用いられる銅箔は主に電解銅
箔であり、製箔、粗化、防錆処理の各工程を経て製造さ
れる。製箔は高濃度の硫酸銅水溶液から電気分解により
回転陰極上に析出させた銅箔を連続的に引剥がして行わ
れる。この銅箔(未粗化箔)は表面の凹凸が小さく必要
な接着力が得られないので、低濃度の硫酸銅水溶液から
電気分解により微小な粒子(粗化粒子)を凸部に形成す
る粗化が行われる。
【0008】なお、この粗化は通常の電気分解よりも高
い電流密度で行われ、水素ガスの発生を伴う不安定な工
程なので粗化粒子の析出量や形状の制御に困難がある。
【0009】また、製箔よりも高速で処理を行うので、
連続的に製箔と粗化を行うことは困難である。粗化され
た銅箔(粗化箔)にはクロメート処理などにより防錆を
目的とする被覆層が形成される。
【0010】また、プリント回路板に要求される多様な
特性を満足するため、各種合金からなる被覆層を形成す
ることも行われている。なお、光沢のある面はシャイニ
ー面(S面)、積層基材と接着される光沢のない面はマ
ット面(M面)と呼ばれる。
【0011】一方、圧延銅箔は電解銅箔よりも結晶粒界
が少なく耐折曲げ性に優れるので、主としてフレキシブ
ルプリント回路板用の銅張積層板に使用されている。
【0012】また、無酸素銅を用いたものは電気特性が
優れているので音響機器に適していると云われ、少量が
ガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板に用いられてい
る。圧延銅箔は電解銅箔に比べて表面の凹凸が小さく、
接着力を得るための粗化が難しいので、銅張積層板の製
造に供される量は電解銅箔に比べて著しく少ない。
【0013】プリント回路板は銅張積層板に所定の回路
を作製して製造される。回路はエッチングレジストによ
り回路銅箔を保護した銅張積層板から不要な銅箔をエッ
チングにより除去して作製されるのが一般的である。
【0014】また、複数のプリント回路板を積層基材に
より接着することにより多層プリント回路板が製造され
る。多層プリント回路板では銅箔のS面と積層基材との
接着力が必要であるが、S面は凹凸に乏しく十分な接着
力が期待できないので、微細な針状物を形成する黒化処
理が行われている。
【0015】しかし、これらの針状物は酸化銅や亜酸化
銅であるため、後工程のメッキ工程などで使用される強
酸性の薬品に侵され易く、その結果、銅箔と積層基材と
の剥離を招き、多層プリント回路板の信頼性が低下する
と云う問題がある。
【0016】電子機器の小型・軽量化を目的として、回
路銅箔のファインパターン化が強く望まれている。例え
ば、TABテープの分野では30μmの線幅が要求され
ている。
【0017】一方、現在一般に使用されている厚さ18
μmの銅箔で工業的に実現可能な回路銅箔の線幅は10
0μmである。これは積層基材中に埋没した凸部と粗化
粒子の除去に長時間を要し、エッチングが過剰となるた
めである。そこで、従来に比べて表面粗さの小さな銅箔
が提案され一部で実用化されている。
【0018】しかし、銅箔と積層基材との接着力が低い
ため、一般に採用されるには至っていない。これは銅箔
の凹凸に由来するアンカー効果が減少するためである。
即ち、アンカー効果に基づく従来の接着技術では、接着
力と線幅とは本質的に両立し得ない。
【0019】銅箔と積層基材との接着力はシランカップ
リング剤処理により増大することが知られている。例え
ば、特公昭60−15654号公報には、クロメート処
理を施した電解銅箔にシランカップリング剤処理を行う
ことが述べられている。これによれば、シランカップリ
ング剤の加水分解により生じるシラノール基はクロメー
ト処理層表面の水酸基と縮合して化学結合を形成する。
【0020】一方、シランカップリング剤のアミノ基な
どの官能基は積層基材や接着剤と反応して化学結合を形
成する。即ち、シランカップリング剤処理を行うことに
より銅箔と積層基材、接着剤とに間接的に化学結合が形
成され、接着力が増大するとされている。この点につい
て本発明者らの評価結果を表1に示す。
【0021】なお、以下、JIS−B−0601に規定
された中心線平均粗さを表面粗さ(Ra)と称する。ま
た、引剥がし強さは銅箔を積層基材から引剥がすのに要
する力で、接着力の目安である。
【0022】
【表1】
【0023】表面粗さの小さい場合にはシランカップリ
ング剤処理の効果は殆どないことが分かる。即ち、十分
な接着力を得るためには表面の凹凸が重要なことが明ら
かである。
【0024】化学結合が形成されていると考えらるにも
かかわらず接着力増大の効果が小さいのは、生成された
化学結合の量が十分でないか、接着界面における基材樹
脂のじん性が十分でないことによるものであろう。例え
ば、積層基材に用いられるエポキシ樹脂組成物は、一般
にビスフェノールA型エポキシ樹脂と硬化剤とを部分的
に反応させて得られたBステージと呼ばれる半硬化物
で、シランカップリング剤と反応するエポキシ基の数は
多くない。
【0025】また、本発明者らは積層基材から分離した
エポキシ樹脂組成物を硬化して作製したフィルムについ
て機械特性の測定を試みたが、伸びが殆どなかった。ブ
チラール−フェノール樹脂系接着剤についても同様であ
った。即ち、これらの樹脂組成物の硬化物は比較的強度
はあるものの、伸びに欠け、じん性に乏しく、このた
め、強力な接着力が得られないものと推定される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】従来技術による銅箔と
積層基材との接着では銅箔表面の凹凸が必要不可欠のも
のであった。このため、従来の技術による銅張積層板を
用いたプリント回路板では、 (1)回路形成のためのエッチングにおいて、積層基材
中に埋没した凸部と粗化粒子の除去に長時間を要し、エ
ッチングが過剰となるため線幅100μm以下の細線化
が困難で、ファインパターン化の隘路となる。
【0027】(2)黒化処理の針状物は酸化銅、亜酸化
銅であるため、後工程であるメッキ工程などで使用され
る強酸性の薬品に侵され易く、銅箔と積層基材との剥離
を招き、多層プリント回路板の信頼性が低下する。
【0028】(3)電解銅箔表面の凹凸により、高周波
信号ではエネルギー損失や波形の乱れが大きくなる。
【0029】などの問題点があった。
【0030】また、電解銅箔の製造においては、表面の
凹凸の形状制御と粗化粒子の制御技術が発達してきた
が、 (1)作業マージンが狭隘化し、生産性が低下する。
【0031】(2)凹凸による厚みの不均一はしわ発
生、カール発生など不良の要因となる。
【0032】(3)凹凸で表面がざらついているため異
物が付着し易い。
【0033】などの問題点があった。
【0034】本発明者らは以上の技術的背景に鑑み、銅
箔と積層基材との接着技術について鋭意検討を行ってき
た。即ち、前述した問題はいずれも銅箔表面の凹凸に起
因するものであることから、こうした凹凸によらない高
い接着力の発現を検討してきた。凹凸構造を必要としな
い接着方法によれば、従来使用されなかった未粗化箔を
プリント回路板用の銅張積層板の製造に供することがで
きる。このことにより、製箔における凹凸形状の制御
と、粗化における粗化粒子の制御とが不要となり、製造
歩留まりが大幅に改善されると予想される。
【0035】また、表面粗さの極めて小さな銅箔を銅張
積層板の製造に供することが可能となり、過剰なエッチ
ングを行う必要がなくなることからファインパターンの
形成が容易になる。従って、粗化が難しいため用途が制
限されていた圧延銅箔を銅張積層板に用いることが容易
になるばかりでなく、アルミホイルやポリエステルフィ
ルムを支持体とする極薄銅箔も使用できる。
【0036】アンカー効果によらずに高い接着力を得る
ためには、銅箔と基材樹脂との間に強力な化学的な結合
が必須である。しかるに、シランカップリング剤処理で
は化学結合を形成しているとされるにもかかわらず、十
分な接着力は得られない。これは、実際には化学結合が
十分に形成されていないこと、積層基材や接着剤の強靭
さが十分でないことが原因と推定される。
【0037】エポキシ樹脂組成物を用いた積層基材につ
いては、エポキシ樹脂組成物がBステージ化されている
ため、シランカップリング剤と反応し得るエポキシ基が
少なく、シランカップリング剤と化学結合しにくいもの
と推定される。
【0038】また、先に述べたように機械強度の測定が
困難なほど伸びが極めて小さく、外力による接着界面の
変形に耐え得ないものと推定される。ブチラール−フェ
ノール樹脂系接着剤も同様に脆いものであった。
【0039】そこで本発明者らは、機械的強度が大き
く、かつ、伸びの大きな強靱な樹脂を用い、しかもシラ
ンカップリング剤と十分に化学結合を形成させることが
できれば、高い接着力が得られると考えた。
【0040】本発明の目的は、強靭、かつ、反応性に富
む接着剤により、銅箔と積層基材とが強固に接着された
銅張積層板とそれを用いたプリント回路板およびこれら
の製法を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0042】(1) 積層基材の片面または両面に銅箔
が積層接着された銅張積層板において、 a.前記銅箔上に一般式〔1〕
【0043】
【化13】 QRSiXYZ …〔1〕 (但し、式中Qは過酸化物硬化性樹脂組成物と反応する
官能基、RはQとケイ素原子とを連結する結合基、X,
Y,Zはケイ素原子に結合する加水分解性の基または水
酸基を表す)で示されるシランカップリング剤、また
は、チオール系カップリング剤よりなる接着性下地を介
し、 b.過酸化物硬化性樹脂組成物からなる接着剤により積
層基材が接着されているか、または、過酸化物硬化性樹
脂組成物からなり接着剤を兼ねた積層基材が直接接着さ
れている、ことを特徴とする銅張積層板。
【0044】(2) 前記チオール系カップリング剤が
一般式〔2〕
【0045】
【化14】 T(SH)n …〔2〕 (但し、Tは芳香環,脂肪族環,複素環,脂肪族鎖であ
り、nは2以上の整数)で示されるチオール系カップリ
ング剤である前記銅張積層板。
【0046】使用される銅箔の厚さとしては3〜500
μmが望ましい。好ましくは、5〜150μmがよい。
銅箔の種類は粗化箔、未粗化箔のいずれでもよく、ま
た、接着される面はS面でもM面でもよい。また、圧延
銅箔も粗化品、未粗化品共に使用できる。いずれを用い
ても銅箔と積層基材とが強固に接着した銅張積層板を得
ることができるので、銅箔選択の自由度が大きい。
【0047】しかし、本発明が最もその効果を発揮する
のは、従来、実用に供されていない未粗化箔への適用で
ある。未粗化箔の表面粗さは、S面では0.10〜0.3
5μm、M面では0.10〜2.00μmである。また、
圧延銅箔では両面とも0.10〜0.15μmである。な
お、高周波回路に使用するプリント回路板には、表面粗
さが0.35μm以下、好ましくは0.20μm以下のも
のが求められている。
【0048】銅箔の接着面に、B,Al,P,Zn,T
i,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Ag,In,
Zr,Sn,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Pb,T
a,W,Ir,Ptから選ばれる1種以上の元素を含む
被覆層を形成することができる。上記の被覆層は金属ま
たは合金の他、酸化物、水酸化物および水和物を含んで
いてもよい。また、上記の被覆層は一層でも、二層以上
からなる複合層でもよい。
【0049】上記被覆層を構成する合金としては、例え
ば、Cu−Zn,Ni−Zn,Ni−Sn,Ni−C
u,Pd−P,Ni−P、Zn−Mo、Ni−Co−M
o、Sn−Zn、Zn−W、Zn−Cr、Cr−Mo、
Co−Mo、In−Zn等がある。なお、Cuを含む合
金の場合のCu含有率は1〜95重量%、好ましくは6
0〜95重量%がよい。また、Niを含む合金の場合は
Ni含有率が1〜95重量%、好ましくは60〜95重
量%がよい。
【0050】また、高周波回路に用いる銅箔では、被覆
層を構成する金属は非磁性金属が好ましく、例えば、P
d、または、PdとPd以外の元素(例えば、P)との
合金でPd含有率が1〜99重量%、好ましくは60〜
95重量%がよい。更にまた、合金層として複合金属層
が用いられるが、その場合の下地側がPd−P合金、表
面側がCu−Zn合金がよい。
【0051】また、特公昭60−15654号公報に示
されるクロメート処理により、Crの酸化物、水酸化
物、水和物からなる被覆層を形成してもよい。
【0052】銅箔の表面に形成するこれら被覆層の厚さ
は5μm以下、好ましくは0.01〜5μmがよい。こ
れらは電気めっき、化学めっき、蒸着めっき、スパッタ
リング、浸漬処理等により形成できる。
【0053】発明者らは、前記一般式〔1〕で示される
シランカップリング剤、または、一般式〔2〕で示され
るチオール系カップリング剤が、銅箔および過酸化物硬
化性樹脂の双方と強固な結合を形成して、上記銅箔と接
着層とが強固に接着していることを見出した。即ち、シ
ランカップリング剤においてはメトキシ基、エトキシ基
などの加水分解性の基が加水分解によりシラノール基
(Si−OH)となり、これが銅箔表面と反応して強固
な結合を形成していること、官能基Qが接着剤である過
酸化物硬化性樹脂と結合していることである。また、チ
オール系カップリング剤においてはチオール基が銅箔お
よび過酸化物硬化性樹脂に強固に結合していることであ
る。
【0054】一般式〔1〕で示されるシランカップリン
グ剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(β−メトキシエトキシ) シラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−アミノエ
チル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(β
−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−フェニルアミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン等があり、これらの1
種以上を用いることができる。
【0055】なお、シランカップリング剤において、官
能基Qとケイ素原子とを結合する結合基Rの大きさと化
学構造は接着力にほとんど影響しないが、Rの炭素数は
2〜30が好ましい。シランカップリング剤は溶解性を
はじめ作業性,接着剤との反応性等により選択される。
【0056】また、このほかシランカップリング剤プラ
イマとして市販されているものを用いることもできる。
このようなものには、X−12−413、X−12−4
14(信越化学工業)、AP−133、Y−5106、
Y−5254、APZ−6601(日本ユニカー)など
がある。
【0057】上記シランカップリング剤またはプライマ
の添加方法には表面塗布法と内部添加法がある。表面塗
布法では、シランカップリング剤またはプライマを水ま
たは有機溶剤に溶かして銅箔表面に塗布、乾燥(80〜
120℃)する。水または有機溶剤に対し0.01〜5
重量%使用するのが好ましい。
【0058】内部添加法ではシランカップリング剤また
はプライマを接着剤の調製に際して過酸化物、充填剤等
と共に過酸化物硬化性樹脂に添加混合する。この方法で
は、樹脂に対し1〜5重量%の添加が好ましい。
【0059】また、前記一般式〔2〕で示されるチオー
ル系カップリング剤は、2個以上のチオール基を分子内
に有する化合物で、チオール基の他に過酸化物硬化性樹
脂と結合する官能基を有していてもよい。反応性の点か
らは、チオール基がトリアジン環に直接結合した構造の
ものが好ましい。脂肪族炭化水素に結合するチオール基
は反応性に富むために保存安定性に問題があり、芳香族
環においては複数のチオール基を導入することが難し
く、また、著しく高価なものとなるためあまり好ましく
ない。
【0060】このようなチオール系カップリング剤とし
ては、例えば、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−
トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−メチルアミノ
−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−
エチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメル
カプト−6−プロピルアミノ−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジメルカプト−6−イソプロピルアミノ−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−ブチル
アミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト
−6−イソブチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジメルカプト−6−ジメチルアミノ−1,3,5−ト
リアジン、2,4−ジメルカプト−6−ジエチルアミノ
−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−
ジプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ
メルカプト−6−ジイソプロピルアミノ−1,3,5−ト
リアジン、2,4−ジメルカプト−6−ジブチルアミノ
−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−
アリルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメル
カプト−6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジメルカプト−6−フェニルアミノ−1,3,5
−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−p−トリル
アミノ−1,3,5−トリアジン、N,N'−ビス(2,4−
ジメルカプト−1,3,5−トリアジニル)エチレンジア
ミン、2,4−ジメルカプト−6−ヒドロキシエチルア
ミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−
6−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリア
ジン、2,4−ジメルカプト−6−アクリロイルアミノ
−1,3,5−トリアジン等がある。なお、以上の化合物
の代わりに、これらのモノナトリウム塩またはモノカリ
ウム塩などの金属塩を用いてもよい。
【0061】これらのチオール系カップリング剤は、シ
ランカップリングと同様に使用される。これらに大きな
優劣はないが、チオール系カップリング剤は金属そのも
の、即ち、銅または各種金属、合金による被覆層、シラ
ンカップリング剤は防錆被覆層として用いられるクロメ
ート処理などの金属酸化物、水酸化物、水和物を含む被
覆層との接着に適している。
【0062】過酸化物硬化性樹脂組成物に用いる過酸化
物としては、プレス温度で熱分解によりラジカルを発生
する有機化合物を用いる。発生したラジカルにより分子
間が架橋され三次元化することにより不溶不融の硬化物
となる。
【0063】好ましい過酸化物は、1分間でその半量が
分解する温度(1分間半減温度)が150〜180℃の
ものであり、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン、ベンゾイルペ
ルオキシド、2,4−ジクロルジベンゾイルペルオキシ
ド、t−ブチルヒドロペルオキシド、1,1−ビス−t
−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、n−ブチル−4,4'−ビス−t−ブチルペルオキ
シバレレート、ジ−(t−ブチルペルオキシ)−m−ジ−
イソプロピルベンゼン等があり、過酸化物硬化性樹脂1
00重量部に対して、1〜5重量部加えればよい。
【0064】接着剤となる過酸化物硬化性樹脂組成物に
は、上記過酸化物によって硬化する樹脂を用いる。これ
らの樹脂としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプ
レンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、
シス−1,4結合型ブタジエンゴム、シンジオタクチッ
ク−1,2結合型ポリブタジエン、エチレンプロピレン
コポリマ(EPM)、エチレンプロピレンジエンターポ
リマ(EPDM)、エチレンブテンコポリマ(EB
M)、エチレンブテンジエンターポリマ(EBDM)、
プロピレンブテンコポリマ(PBM)、プロピレンブテ
ンジエンターポリマ(PBDM)、ブタジエンアクリロ
ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム、クロロ
プレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン
(CSM)、ウレタンゴム(U)、多硫化ゴム(T)、
シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、四フッ
化エチレンとプロピレンとのコポリマ、アクリルゴム
(ACM)、エピクロルヒドリンホモポリマ(CO)、
エピクロルヒドリンとエチレンオキシドとのコポリマ
(ECO)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエ
ーテルコポリマ、プロピレンオキサイド−アリルグリシ
ジルエーテルコポリマ、プロピレンオキサイド−エピク
ロルヒドリン−アリルグリシジルエーテルターポリマ、
エチレンアクリルゴム、無水マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸等に基づく不飽和結合を有する
不飽和ポリエステル樹脂、アクリロイル基、メタクリロ
イル基等に基づく不飽和結合を有するエポキシ−アクリ
レート樹脂、ウレタン−アクリレート樹脂、ポリエーテ
ル−アクリレート樹脂、多価アルコール−アクリレート
樹脂、アルキッド−アクリレート樹脂、ポリエステル−
アクリレート樹脂、スピロアセタール−アクリレート樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、ジアリルテトラブロムフ
タレート樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート樹脂、ポリエン−ポリチオール樹脂等がある。こ
れらの樹脂は1種以上用いることができる。
【0065】また、各種液状ゴム、例えば、各種液状ポ
リブタジエン、液状スチレンブタジエンゴム、液状アク
リロニトリルブタジエンゴム、液状クロロプレンゴム、
液状イソプレンゴム、ジシクロペンタジエン系炭化水素
樹脂やポリノルボルネンも使用できる。
【0066】更に、モノマも添加使用できる。例えば、
N,N'−m−フェニレンビスイミド等の各種マレイミド
化合物、トリアリルイソシアヌレート、トリメタクリル
イソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアク
リルホルマール、トリスエポキシプロピルイソシアヌレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、N,N’−メチレ
ンビスアクリルアミド、N,N’−m−フェニレンビス
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、3
−クロロ2−オキシプロピルメタクリレート等が挙げら
れる。
【0067】上記の化合物中、熱安定性の面からポリエ
チレン,エチレン−α−オレフィンコポリマ,エチレン
−α−オレフィンジエンターポリマが好ましい。
【0068】ポリエチレン,エチレン−α−オレフィン
コポリマには不飽和結合がほとんど存在しないので、必
要に応じて前記の各種液状ゴムや架橋性モノマのように
適切な不飽和結合を有するモノマ,オリゴマ,ポリマを
共架橋剤として配合することにより硬化性を改善するこ
とができる。これらの配合量は上記ポリマ100重量部
に対して0.1〜50重量部である。
【0069】エチレン−α−オレフィンジエンターポリ
マはジエンに基づく不飽和結合を分子内に含むので過酸
化物により容易に硬化するが、同様に適切な不飽和結合
を有するモノマ,オリゴマ,ポリマを共架橋剤として添
加することができる。
【0070】エチレン−α−オレフィンジエンターポリ
マにはエチレンプロピレンジエンターポリマ(EPD
M),エチレンブテンジエンターポリマ(EBDM)等
がある。EPDM,EBDMは共に絶縁性に優れ、特に
耐コロナ性、耐トラッキング性が優れている点からも本
発明の接着剤に適している。
【0071】EPDMとしては、JIS−K−6300
で規定するムーニー粘度ML1+4(100℃)が5〜1
10、エチレン含量が45〜85重量%、ジエン含量が
2〜25重量%のものが好ましい。ジエン成分としては
ジシクロペンタジエン(DCPD)、1,4−ヘキサジ
エン、エチリデンノルボルネン(ENB)等が使用でき
るが、DCPDとENBが好ましい。
【0072】EBDMとしては、ムーニー粘度ML1+4
(100℃)が1〜50、メルトフローレート(190
℃)1.5〜25、エチレン含量が55〜95重量%、
ジエン含量が2〜35重量%が好ましい。なお、EPD
Mと同様にジエン成分としてはDCPD、1,4−ヘキ
サジエン、ENB等が使用できるが、DCPDとENB
が好ましい。
【0073】本発明で用いられる接着剤は、積層基材と
の接着性の改良を目的とし、高分子物質、または、高分
子物質からなる相溶化剤や改質剤を配合することができ
る。
【0074】例えば、ビスフェノールA系、ビスフェノ
ールF系、ノボラック系、臭素化ビスフェノールA系、
臭素化ノボラック系、脂環式系等の各種エポキシ樹脂、
シアン酸エステル系樹脂、クマロン−インデン樹脂、水
素添加ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸
樹脂等のロジンとその誘導体、石油樹脂、メラミン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン
系樹脂、重合可能な官能基をもつ高分子量モノマ、該高
分子量モノマと低分子量モノマとのグラフトコポリマ、
グリシジルメタクリレートとエチレンとの共重合体およ
びビニルアセテートとのターポリマ、ポリオレフィンと
コポリエステル組成物、無水マレイン酸変性ポリオレフ
ィン組成物、プロピレンオキサイド・エピクロルヒドリ
ン・アリルグリシジルエーテルターポリマ等のポリエー
テル系ゴム、プロピレンオキサイドゴム、多硫化ゴム、
フッ素ゴム、四フッ化エチレンプロピレンゴム、クロル
スルフォン化ポリエチレンゴム、エチレンアクリルゴ
ム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリイソプレン、
ポリイソブチレン、IPN(相互侵入高分子網目)を形
成するブレンドエラストマ、例えば、ポリスチレン/ポ
リブチレンIPN、フェノール樹脂やエポキシ樹脂と液
状ゴムやアクリルゴムとのIPN、架橋したシリコーン
ゴム、エチレンアクリルゴム、ニトリルブタジエンゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム
等のエラストマラテックスを含有するエポキシ樹脂のI
PN等が用いられる。
【0075】重合可能な官能基を末端に持つ高分子量モ
ノマとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタ
クリレート、ポリブチルアクリレート、シリコーン等の
高分子の末端にカルボキシル基、メタクリロイル基、ヒ
ドロキシアルキル基、エポキシ基等の官能基を有してい
るものが好適に用いられる。上記高分子モノマとグラフ
ト共重合する低分子量モノマとしてはアクリル酸エステ
ル,酢酸ビニル,スチレン,ビニルピリジン等のビニル
モノマが好適に用いられる。
【0076】上記相溶化剤または改質剤の添加割合は接
着剤100重量部に対して、通常、1〜60重量部、好
ましくは5〜30重量部である。これらの添加により、
銅箔と積層基材とを強固に接着することができる。
【0077】また、チタン系、アルミキレート系の各種
カップリング剤から選ばれる1種以上の化合物や界面活
性剤の1重量部以下を添加できる。
【0078】本発明の接着剤は、フィルム型、シート
型、水溶液型、エマルジョン型、溶剤型等いずれの形態
でも使用可能である。フィルム型、シート型の場合には
銅箔と積層基材との積層時に供給してもよいし、予め銅
箔または積層基材にラミネートしておいてもよい。水溶
液型、エマルジョン型、溶剤型の場合には銅箔または積
層基材上に塗布,乾燥して接着剤を形成する。
【0079】積層基材としては、紙基材フェノール樹
脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材ポリエステル樹脂、ガ
ラス布基材エポキシ樹脂、ガラス布基材ポリイミド樹
脂、ガラス布基材フッ素樹脂、ガラス布基材エポキシ変
性ビスマレイミド樹脂、ガラス布基材変性シアン酸エス
テルレジン、アラミド繊維布基材ポリイミド、アラミド
繊維布基材シアン酸エステル樹脂、アラミド繊維布基材
エポキシ樹脂、アラミド繊維布基材低誘電率樹脂、アラ
ミド繊維布基材フッ素樹脂等の各種プリプレグがある。
【0080】また、異種のプリプレグを用いて銅張積層
板を構成することも一般的に行われており、例えば、芯
材に紙またはガラス不織布基材エポキシ樹脂を用い、そ
の両面にガラス布基材エポキシ樹脂を配したものが、一
般にコンポジット銅張積層板として知られている。
【0081】なお、エポキシ系樹脂、シアン酸エステル
系樹脂、ポリイミド系樹脂等では基本分子構造中に架橋
可能な不飽和結合を含有させることも可能である。ま
た、不飽和結合を含有し、前記樹脂と相溶性のよいポリ
マを混合して用いることも可能である。このような樹脂
に過酸化物を添加した樹脂組成物を使用した積層基材は
本発明の接着剤と同等の機能を有するので、銅箔と強固
に接着し、接着剤は不要である。
【0082】また、積層基材がポリエステルフィルムま
たはポリイミドフィルム等の薄いフィルムであってもよ
い。さらに、アルミニウム板や鋼板、あるいはその表面
に絶縁用の樹脂を形成したものも使用できる。
【0083】また、必要に応じ、各種アミン−ケトン
系、各種芳香族第2級アミン系、各種フェノール系、各
種ポリフェノール系、各種ベンツイミダゾール系、各種
ジチオカルバミン酸塩系、各種チオウレア系、亜燐酸
系、有機チオ酸系、ワックス系等の老化防止剤等も添加
される。老化防止剤の含有量は前記接着剤100重量部
に対し、0.01〜5重量部配合するのが好ましい。
【0084】本発明の効果を損なわない範囲において、
フィラとしてアルミナ、アタパルジャイト、カオリンク
レー、カーボンブラック、グラファイト、微粉けい酸、
けい酸カルシウム、けい藻士、酸化マグネシウム、酸化
チタン、酸化鉄、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、スレート粉、セリナイト、石英粉、含水シリカ、
溶融シリカ、ボロンナイトライド、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、タルク、長石粉、二酸化モリブデン、
バライト、蛭石、ホワイティング、マイカ、ロウ石クレ
ー、石膏等の無機系充填剤、あるいはフェノール樹脂マ
イクロバルン、ポリイミドマイクロバルン、木粉、有機
繊維粉等の有機充填剤を添加することができる。
【0085】また、炭素繊維、金属繊維、ウィスカ、ホ
ウ素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリエステル
繊維、ビニロン繊維、ポリアミド繊維を使用することが
できる。これらはフィラメント、フィラメントヤーン、
チョップドファイバ、ステープルファイバ、パルプ、ス
パナイズドヤーン、クロス、不織布等の形態で積層基材
中に配してもよい。
【0086】また、各種顔料、石油系のパラフィン系
油、ナフテン系油、芳香族系油等の軟化剤、更に、水酸
化アルミニウム、水和石膏、ほう酸亜鉛、明ばん石、赤
燐粉末、ハロゲン化有機化合物と三酸化アンチモンの混
合物等の難燃剤を添加することができる。
【0087】本発明の銅張積層板は、シランカップリン
グ剤やチオール系カップリング剤により形成された銅箔
の接着性下地の表面に、接着剤により積層基材が接着さ
れているか、または、接着剤を兼ねた積層基材が接着さ
れている構造を有するものであれば、その層構成は特に
限定しない。
【0088】また、絶縁基板中に導体回路が形成されて
いてもよい。この導体回路は本発明で使用される銅箔か
ら形成されたものでも、従来の方法による銅箔であって
もよい。
【0089】更にまた、銅張積層板にはステンレス箔、
アルミニウム箔、ニッケル箔等の抵抗層が設けられてい
てもよく、上記抵抗層は本発明で用いられる接着方式を
用いて絶縁層に積層接着されたものであってもよい。そ
の他、シリコン基板、ガリウム系基板、ガラス基板、セ
ラミック基板、ベリリヤ、黒鉛、ボロンナイトライド、
紙類等からなる絶縁基板、または、鉄板(けい素鋼板、
ステンレス板)、アルミニウム板、チタン板等の金属基
板も絶縁層を形成して使用できる。
【0090】前記の積層接着の条件は、通常、100〜
250℃、1〜30MPa、5〜90分間の条件から選
択するのがよいが、これに限定されるものではない。
【0091】本発明による接着力は、銅箔が破壊するほ
ど強固なものである。即ち、シランカップリング剤また
はチオール系カップリング剤で処理した銅箔と積層基材
とを本発明の接着剤を用いて接着することにより、引剥
し強さで5kN/m以上にも達する強力な接着力が得ら
れる。本発明で接着剤として用いる樹脂は、機械的強度
が大きく、かつ、伸びの大きな強靱な樹脂であり、外力
による変形に追従し得る接着界面が実現された結果、こ
のような強力な接着力が得られるのである。
【0092】本発明により各種用途の銅張積層板、プリ
ント回路板、多層プリント回路板を提供することができ
る。
【0093】
【作用】本発明において、銅箔と積層基材とを強固に接
着しているのは、一種類の材料によるのではなく、銅
箔、シランカップリング剤またはチオール系カップリン
グ剤、接着剤の過酸化物硬化性樹脂組成物による相乗効
果によるものである。
【0094】シランカップリング剤またはチオール系カ
ップリング剤は、銅箔と反応して接着性下地を形成す
る。この下地と接着剤を構成する過酸化物硬化性樹脂組
成物とが化学結合を形成することにより強力な接着力が
得られる。これによって、未粗化箔や圧延銅箔に対して
も強力な接着力を付与することができるので、銅箔の粗
化を特に必要としない。その結果、製造工程が短縮で
き、銅箔製造の歩留まりも向上できる。
【0095】また、プリント回路板のエッチングによる
回路形成時の粗化粒子による銅残りがなくなり、プリン
ト板製造の歩留まり向上に寄与することができる。
【0096】また、接着剤を塗布する場合にも銅箔の平
滑面上に塗布できるので塗膜の厚さを従来の1/2〜1
/5に低減できる。さらに、銅箔の平滑化に伴い、異物
の付着、製造時のしわやカールの発生が少なくなり、使
い勝手がよく、高品質の銅箔を提供できる。
【0097】プリント回路板のエッチングによる回路形
成における限界線幅は、従来の銅箔の100μm幅に対
して、20μm幅(18μm厚)も可能で、プリント回
路板のファインパターン化に大きく寄与できる。
【0098】さらに、本発明の過酸化物硬化性樹脂は、
本質的に絶縁性が優れ、低誘電率であり、耐トラッキン
グ性にも優れている。特に、表裏共に平滑な面を有する
圧延銅箔を用いた銅張積層板は、高周波信号の波形歪が
小さく、高周波用回路板として最適である。
【0099】
【実施例】まず、使用する接着剤の製造例について説明
する。
【0100】〔製造例 1〕エチレンブテンジエンター
ポリマ(三井石油化学工業製、品番:K−9720)を
ベースポリマとし、表2の配合に従って過酸化物硬化性
樹脂組成物からなる接着剤イを作製した。
【0101】上記ベースポリマ32重量部を90℃に設
定した内容積50mlのミキサー中において30rpm
で混練した。ペレット状の樹脂が溶融して塊状となった
ところで、フィラとして含水シリカ(日本シリカ工業
製、品番:Nipsil VN3)8重量部を徐々に添
加し、透明感のある均一な塊状とした。ここまでの作業
に混練開始から7分間を要した。
【0102】さらに過酸化物としてα,α'−ビス(t−
ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン(日本油脂
製:パープチルP)0.32重量部を添加して、3分間
混練した。得られた透明感のある白色の塊状物をステン
レス製鏡板に挾み、厚さ2mm程度の板状にプレスし
た。さらに、120℃に設定した二本ロール圧延機で圧
延してフィルム状の接着剤イを得た。
【0103】なお、接着剤の厚さは、以下の製造例をと
おし全て50μmとした。
【0104】〔製造例 2〜7〕表2の配合に従ってフ
ィルム状の接着剤ロ〜トを製造例1と同様にして製造し
た。
【0105】〔製造例 8〜11〕表2の配合に従っ
て、トリアリルイソシアヌレート(日本化成製:TAI
C)を用いた他は製造例1と同様にしてフィルム状の接
着剤チ〜ルを製造した。但し、TAICはフィラである
Nipsil VN3の8重量部に混合して加えた。
【0106】〔製造例 12〜17〕表2の配合に従っ
て、TAICの代わりに液状ポリブタジエン(日本曹達
製:Nisso−PB B−3000)を用いた他は製
造例1と同様にしてフィルム状の接着剤ヲ〜レを製造し
た。但し、Nisso−PB B−3000はフィラの
Nipsil VN3の8重量部に混合して加えた。
【0107】
【表2】
【0108】〔製造例 18〕表3の配合に従って、K
−9720の代わりにエチレン−α−オレフィンコポリ
マ(三井石油化学工業製、品番:タフマーA−408
5)を用いた他は製造例1と同様にしてフィルム状の接
着剤ソを得た。
【0109】〔製造例 19〕パープチルPを0.96
重量部用いた他は製造例18と同様にしてフィルム状の
接着剤ツを得た。
【0110】〔製造例 20〜29〕K−9720の代
わりにタフマーA−4085を用いた他は、製造例8〜
7と同様にしてフィルム状の接着剤ネ〜ヤを得た。
【0111】
【表3】
【0112】〔製造例 30〕表4に従ってK−972
0の代わりにエチレンプロピレンジエンターポリマ(三
井石油化学製:三井EPT3045)を用いた他は、製
造例1と同様にしてフィルム状の接着剤マを得た。
【0113】〔製造例 31〕表4に従ってK−972
0の代わりにシンジオタクチック−1,2−ポリブタジ
エン(日本合成ゴム製:JSR RB830)を用いた
他は、製造例1と同様にしてフィルム状の接着剤ケを得
た。
【0114】〔製造例 32〕表4に従ってK−972
0の代わりにスチレンブタジエンゴム(日本合成ゴム
製:JSR1502)を用いた他は、製造例1と同様に
してフィルム状の接着剤フを得た。
【0115】〔製造例 33〕表4に従ってK−972
0の代わりにニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン製:
T4632)を用いた他は、製造例1と同様にしてフィ
ルム状の接着剤コを得た。
【0116】〔製造例 34〕表4に従ってK−972
0の代わりにポリブタジエンゴム(日本ゼオン製:BR
1220)を用いた他は、製造例1と同様にしてフィル
ム状の接着剤エを得た。
【0117】〔製造例 35〕表4に従ってK−972
0の代わりにポリイソプレンゴム(クラレ製:クラプレ
ンIR−10)を用いた他は、製造例1と同様にしてフ
ィルム状の接着剤テを得た。
【0118】
【表4】
【0119】〔製造例 36〕表5に従ってTAICの
代わり2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジ
ン(三協化成製:ジスネット−F)0.32重量部を用
いた他は、製造例8と同様にしてフィルム状の接着剤ア
を得た。
【0120】〔製造例 37〕パープチルPを0.96
重量部用いた他は、製造例36と同様にしてフィルム状
の接着剤サを得た。
【0121】〔製造例 38〕パープチルPの代わりに
パーヘキシン25Bを用いた他は、製造例36と同様に
してフィルム状の接着剤キを得た。
【0122】〔製造例 39〕パープチルPの代わりに
パーヘキシン25Bを用いた他は、製造例37と同様に
してフィルム状の接着剤ユを得た。
【0123】〔製造例 40〕ジスネット−Fの代わり
にジスネット−DB〔三協化成製:6−ジ(n−ブチル)
アミノ−2,4−ジメルカプト−1,3,5−トリアジ
ン〕0.35重量部を用いた他は製造例36と同様にし
てフィルム状の接着剤メを得た。
【0124】〔製造例 41〕ジスネット−Fの代わり
にジスネット−DBを用いた他は製造例37と同様にし
てフィルム状の接着剤ミを得た。
【0125】〔製造例 42〕ジスネット−Fの代わり
にジスネット−DBを用いた他は製造例38と同様にし
てフィルム状の接着剤シを得た。
【0126】〔製造例 43〕ジスネット−Fの代わり
にジスネット−DBを用いた他は製造例39と同様にし
てフィルム状の接着剤ヱを得た。
【0127】〔製造例 44〕パープチルPを用いなか
った他は製造例36と同様にしてフィルム状の接着剤ヒ
を得た。
【0128】〔製造例 45〕ジスネット−Fの代わり
にシランカップカップリング剤であるS−330を用い
た他は製造例36と同様にしてフィルム状の接着剤モを
得た。
【0129】
【表5】
【0130】次に、使用する銅箔の製造例について説明
する。
【0131】〔製造例 46〕表6に従って銅箔Aを作
製した。硫酸銅水溶液の電気分解により銅をチタン製回
転陰極上に析出させ、厚さ35μmの未粗化箔を作製し
た。次いで、これらの未粗化箔のM面に銅の微細な粒子
(粗化粒子)を析出させる粗化処理を行い、粗化箔を得
た。なお、粗化粒子の析出は硫酸銅水溶液を限界電流密
度以上で電気分解して行なった。
【0132】以上の作業は実機を用いて行い、M面の表
面粗さは未粗化箔が1.0、粗化箔は1.6であった。
【0133】上記粗化箔を10cm×12cmに整形
し、室温で6N塩酸に1分間浸漬して表面の酸化物を除
去、流水で十分に洗浄したものを直ちにクロメート処理
を行った。重クロム酸ナトリウム水和物2.2gを純水
1リットルに溶解して調製した処理液中で、M面を陽極
に向けて電流密度0.15A/dm2で4秒間、室温で電
気分解した。流水で十分洗浄した後、直ちにシランカッ
プリング剤処理を行った。
【0134】シランカップリング剤(チッソ石油化学
製:S−330)1gを純水1リットルに溶解して調製
した処理液に室温で10秒間浸漬し、60℃の熱風で1
分間乾燥した。
【0135】上記の処理を行った粗化箔は10cm×5
cmの大きさに整形した。
【0136】〔製造例 47〕シランカップリング剤処
理を行わなかった他は製造例46と同様にして銅箔Bを
作製した。
【0137】〔製造例 48〕銅箔として未粗化箔を用
いた他は製造例46と同様にして銅箔Cを作製した。
【0138】〔製造例 49〕シランカップリング剤と
してγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(チッ
ソ石油化学製:S−810)を用いた他は製造例48と
同様にして銅箔Dを作製した。
【0139】〔製造例 50〕シランカップリング剤と
してγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チ
ッソ石油化学製:S−510)を用いた他は製造例48
と同様にして銅箔Eを作製した。
【0140】〔製造例 51〕シランカップリング剤と
してビニルトリメトキシシラン(チッソ石油化学製:S
−210)を用いた他は製造例48と同様にして銅箔F
を作製した。
【0141】〔製造例 52〕シランカップリング剤を
用いなかった他は製造例48と同様にして銅箔Gを作製
した。
【0142】〔製造例 53〕M面の代わりに未粗化箔
のS面に対してクロメート処理とシランカップリング剤
とを行った他は製造例46と同様にして銅箔Hを作製し
た。なお、S面の表面粗さは0.3であった。
【0143】〔製造例 54〕クロメート処理を行う前
にS面にNi−Mo−Coめっきを行った他は製造例5
3と同様にして銅箔Iを得た。なお、Ni−Mo−Co
めっきは、硫酸ニッケル、硫酸モリブデン、硫酸コバル
トからなるめっき液を調製し、3.5A/dm2の電流密
度で4秒間めっきして行った。
【0144】Cu−Znめっきはシアン化銅、シアン化
亜鉛なるめっき液を作製し、0.5A/dm2の電流密度
で30秒間めっきした。
【0145】〔製造例 55〕クロメート処理を行う前
にS面にCu−Znめっきを行った他は製造例53と同
様にして銅箔Jを得た。なお、Cu−Znめっきはシア
ン酸銅、シアン化亜鉛からなるめっき液を調製し、0.
5A/dm2の電流密度で30秒間めっきした。
【0146】〔製造例 56〕シランカップリング剤を
用いなかった他は製造例53と同様にして銅箔Kを得
た。
【0147】〔製造例 57〕厚さ18μmの未粗化箔
と粗化箔を製造例46と同様にして製造した。未粗化箔
の表面粗さは0.6、粗化箔の表面粗さは1.2であっ
た。未粗化箔のM面に製造例47と同様にしてクロメー
ト処理とシランカップリング剤処理とを行い、銅箔Lを
作製した。
【0148】〔製造例 58〕シランカップリング剤を
用いなかった他は製造例57と同様にして銅箔Mを得
た。
【0149】〔製造例 59〕厚さ18μmの未粗化箔
のS面に製造例53と同様にしてクロメート処理とシラ
ンカップリング剤処理とを行い、銅箔Nを得た。
【0150】〔製造例 60〕厚さ18μmの粗化箔の
M面に製造例53と同様にしてクロメート処理とシラン
カップリング剤処理とを行い、銅箔Oを得た。
【0151】〔製造例 61〕シランカップリング剤を
用いなかった他は製造例60と同様にして銅箔Pを得
た。
【0152】
【表6】
【0153】〔製造例 62〕表7に従って銅箔Qを作
製した。製造例58に用いた厚さ18μmの未粗化箔を
10cm×12cmに整形し、室温で6N塩酸に1分間
浸漬して表面の酸化物を除去、流水で十分に洗浄し、水
分を拭き取りメタノールですすいで、60℃の熱風で1
分間乾燥した。
【0154】チオール系カップリング剤としてジスネッ
ト−Fの5gをテトラヒドロフラン(和光純薬製:試薬
特級品)1リットルに溶解して調製した処理液に、上記
の銅箔を室温で30秒間浸漬し、60℃の熱風で1分間
乾燥した。
【0155】〔製造例 63〕チオール系カップリング
剤処理を行う前にNi−Pめっきを行った他は、製造例
62と同様にして銅箔Rを得た。
【0156】なお、Ni−Pめっきは硫酸ニッケル、ホ
ウ酸、亜りん酸からなるめっき液を調製し、5A/dm
2の電流密度で30秒間行った。めっきは塩酸で表面の
酸化物を除去した未粗化箔のS面に行った。めっき終了
後、速やかにチオール系カップリング剤処理を行い銅箔
Rを得た。
【0157】〔製造例 64〕Ni−Pめっきの代わり
にPdめっきを行った他は製造例63と同様にして銅箔
Sを得た。Pdめっきは市販のめっき液(高純度化学
製)を用い5A/dm2の電流密度で30秒間行った。
【0158】〔製造例 65〕ジスネット−Fの代わり
にジスネット−DBを用いた他は製造例62と同様にし
て銅箔Tを得た。
【0159】〔製造例 66〕ジスネット−Fの代わり
にジスネット−DBを用いた他は製造例63と同様にし
て銅箔Uを得た。
【0160】〔製造例 67〕ジスネット−Fの代わり
にジスネット−DBを用いた他は製造例64と同様にし
て銅箔Vを得た。
【0161】〔製造例 68〕ジスネット−Fを用いな
かった他は製造例63と同様にして銅箔Wを得た。
【0162】
【表7】
【0163】〔従来例 1〕M面にクロメート処理を行
い、次いでシランカップリング剤のS−330による処
理を行った厚さ35μmの粗化箔(銅箔A)を用いて銅
張積層板を作製した。
【0164】積層基材にはガラス布基材エポキシ樹脂プ
リプレグ(日立化成工業製、商品名:E−67,厚さ
0.2mm)を用いた。積層基材8枚と前記銅箔Aとを
168℃,5MPaで1時間プレスして一体化した。但
し、銅箔AのM面が積層基材に面するようにした。
【0165】この銅張積層板の銅箔の引剥し強さをJI
S−C6481に準じて測定した。引剥し強さは銅箔と
積層基材との接着力の目安となる。銅張積層板の銅箔面
を紙やすり(1000番)で研磨後、1mm幅の銅箔以
外の不要な銅箔を除去して試験片とした。なお、不要な
銅箔の除去は、1mm幅の接着テープをエッチングレジ
スト膜として塩化銅エッチング法により行った。
【0166】常態、塩酸浸漬後(濃度18%,室温,1
時間浸漬)並びに加熱後(熱風乾燥機中,180℃,4
8時間放置)の各試験片について、引剥し強さの測定結
果を表8に示す。
【0167】常態の引剥し強さは2kN/mであった。
なお、JIS規格(C6485)に定める規格値は1.
4kN/mであるが、市場で流通しているものは2kN
/mと大きくこの値を超えている。
【0168】〔従来例 2〕シランカップリン剤処理を
行わない他は従来例1と同様にして銅張積層板を作製し
た。引剥し強さを表8に示す。常態の引剥し強さは1.
4kN/mで、シランカップリング剤の効果は0.6k
N/mであった。
【0169】〔実施例 1〕過酸化物硬化性樹脂組成物
からなる接着剤イを用いた他は、従来例1と同様にして
銅張積層板を作製した。なお、接着剤イはエチレンジエ
ンブテンターポリマをベースポリマとし、過酸化物を含
有することから、プレス時の高温でラジカル反応により
ベースポリマが架橋,硬化する特性を有する、銅箔Aの
M面が接着剤イに面するように銅箔A,接着剤イ,積層
基材を積層した。引剥し強さを表8に示す。なお、「剥
離せず」は、銅箔と接着剤とが強力に接着していて引剥
し強さを測定できないことを示す。
【0170】本発明者らの経験では、引剥し強さが3〜
4kN/m程度の場合には銅箔の剥離は可能なので、
「剥離せず」と記載した試験片の引剥し強さは5kN/
m以上と推定される。
【0171】常態および加熱後の試験片で銅箔が接着剤
から剥離せず、本発明のシランカップリング剤処理と過
酸化物硬化性樹脂組成物からなる接着剤を用いた銅張積
層板は、従来のものに比べて飛躍的に接着力が向上して
いることが分かった。また、同じく塩酸浸漬後の試験片
の引剥し強さは5.1kN/mであった。
【0172】〔比較例 1〕接着剤イの代わりに接着剤
トを用いた他は実施例1と同様にして銅張積層板を作製
した。接着剤トは過酸化物を含まないので、プレス時に
ベースポリマが架橋,硬化することがない。引剥し強さ
を表8に示す。過酸化物を含まず、接着剤のベースポリ
マが架橋しない場合には十分な接着力が得られなかっ
た。
【0173】〔比較例 2〕シランカップリング剤処理
を行わない他は実施例1と同様にして銅張積層板を作製
した。引剥し強さを表8に示す。シランカップリング剤
処理がない場合には十分な接着力が得られなかった。
【0174】実施例1、比較例1,2から、実施例1の
銅張積層板の強力な接着力は、シランカップリング剤に
より形成された接着性下地と過酸化物硬化性樹脂組成物
からなる接着剤との相乗効果によることが明らかであ
る。
【0175】
【表8】
【0176】〔実施例 2〕M面にクロメート処理とシ
ランカップリング剤処理とを行った厚さ35μmの未粗
化箔(銅箔C)を用いた他は実施例1と同様にして銅張
積層板を作製した。
【0177】なお、上記未粗化箔のM面の表面粗さは
1.0であった。引剥し強さを表9に示す。
【0178】実施例1のものと同様に強い接着力を示し
た。本発明によれば未粗化箔と粗化箔とで接着力の差は
認められない。
【0179】〔実施例 3〕シランカップリング剤とし
てS−330の代わりにS−810を用いた他は実施例
2と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さを表
9に示す。実施例2と同様に強い接着力を示した。
【0180】〔実施例 4〕シランカップリング剤とし
てS−330の代わりにS−510を用いた他は実施例
2と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さを表
9に示す。実施例2と同様に強い接着力を示した。
【0181】〔実施例 5〕シランカップリング剤とし
てS−330の代わりにS−210を用いた他は実施例
2と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さを表
9に示す。実施例2と同様に強い接着力を示した。
【0182】〔比較例 3〕接着剤を用いない他は実施
例2と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さを
表9に示す。
【0183】接着剤を用いた場合に比べ接着力は弱く、
JISに定める引剥し強さの規格値すら満足しないもの
であった。なお、従来例1との比較から、引剥し強さに
ついての粗化の効果は0.7kN/mで、本発明の接着
剤を用いない場合には粗化が不可欠なことが分かる。
【0184】
【表9】
【0185】〔実施例 6〕S面にクロメート処理とシ
ランカップリング処理とを施した厚さ35μmの未粗化
箔(銅箔H)を用いた他は、実施例2と同様にして銅張
積層板を作製した。但し、S面が接着剤に面するように
した。引剥し強さを表10に示す。凹凸の少ないS面を
用いても強い接着力が得られた。
【0186】〔実施例 7〕クロメート処理とシランカ
ップリング処理を行う前にNi−Mo−Coめっきを行
った厚さ35μmの未粗化箔(銅箔I)を用いた他は実
施例6と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さ
を表10に示す。実施例6と同様に強い接着力が得られ
た。
【0187】〔実施例 8〕クロメート処理とシランカ
ップリング処理を行う前にCu−Znめっきを行った厚
さ35μmの未粗化箔(銅箔J)を用いた他は実施例6
と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さを表1
0に示す。実施例6と同様に強い接着力が得られた。
【0188】〔比較例 4〕接着剤を用いない他は実施
例6と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さを
表10に示す。
【0189】接着剤を用いた場合に比べ接着力は弱く、
JISに定める引剥し強さの規格値すら満足しないもの
であった。
【0190】
【表10】
【0191】〔従来例 3〕積層基材に紙基材フェノー
ル樹脂プリプレグ(日立化成工業製:437F,厚さ
0.2mm)を用いて銅張積層板を作製した。なお、M
面にクロメート処理とシランカップリング剤S−330
処理を行った厚さ35μm粗化箔(銅箔A)のM面に、
さらに、ブチラール−フェノール樹脂系接着ワニス(日
立化成ポリマー製:VP−67)を100μmの厚さに
塗布し、室温で1時間乾燥後、120℃,3分間加熱し
て用いた。その接着剤被膜厚さは27μmであった。
【0192】銅箔Aと積層基材とを168℃,15MP
aで1時間プレスして一体化した。但し、銅箔Aの接着
剤塗布面が積層基材に面するようにした。これの引剥し
強さを表11に示す。
【0193】常態の引剥し強さは2.1kN/mであ
る。JIS−C6481に定める規格値は1.4kN/
mであるが、市販汎用品は2.0kN/mと大きいもの
である。
【0194】〔実施例 9〕ブチラール−フェノール樹
脂系接着ワニスの代わりに前記接着剤イを用いた他は、
従来例3と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強
さを表11に示す。
【0195】常態の引剥し強さは2.3kN/m、塩酸
浸漬後で2.1kN/m、加熱後でも1.7kN/mと十
分満足できる接着力を示した。
【0196】〔比較例 5〕接着剤イを用いない他は、
実施例9と同様にして紙基材銅張積層板を作製した。引
剥し強さを表11に示す。接着剤イを用いた場合に比べ
接着力は著しく弱く、JIS規格値を満足しないもので
あった。
【0197】
【表11】
【0198】〔実施例 10〕M面にクロメート処理と
シランカップリング剤処理とを行った厚さ35μmの未
粗化箔(銅箔C)を用いた他は実施例9と同様にして接
着剤イを用いて銅張積層板を作製した。引剥し強さを表
12に示す。未粗化箔を用いても粗化箔を用いた場合と
同様に強い接着力が得られた。
【0199】〔実施例 11〜15〕表12従って接着
剤ロ〜ヘを用いて実施例10と同様にして銅張積層板を
作製した。引剥し強さを表12に示す。過酸化物として
パープチルP,パーヘキシン25Bのいずれを用いても
強い接着力が得られた。
【0200】〔比較例 6〕接着剤を用いない他は実施
例10と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さ
を表12に示す。接着剤を用いた場合に比べ接着力は弱
く、JIS規格値すら満足しないものであった。
【0201】なお、従来例3との比較から引剥し強さに
ついての粗化の効果は0.8kN/mで、本発明の接着
剤を用いない場合、即ち、従来のブチラール−フェノー
ル樹脂系接着剤を用いる接着方法では、粗化が不可欠で
あることが分かる。
【0202】
【表12】
【0203】〔実施例 16〕S面にクロメート処理と
シランカップリング剤処理とを施した厚さ35μmの未
粗化箔(銅箔H)を用いた他は、実施例10と同様にし
て銅張積層板を作製した。但し、S面が接着剤に面する
ようにした。引剥し強さを表13に示す。凹凸の少ない
S面を用いているにもかかわらず、M面を凌駕する強い
接着力が得られた。
【0204】〔比較例 7〕接着剤を用いない他は実施
例16と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さ
を表13に示す。接着剤を用いたものに比べ接着力は著
しく弱い。
【0205】
【表13】
【0206】〔実施例 17〕S面にクロメート処理と
シランカップリング剤処理とを行った厚さ18μmの未
粗化箔(銅箔N)を用いた他は実施例1と同様にして銅
張積層板を作製した。但し、S面が接着剤に面するよう
にした。引剥し強さを表14に示す。凹凸の少ないS面
を用いても強い接着力が得られた。
【0207】〔実施例 18〜28〕表14従って接着
剤ロ〜レを用いた他は実施例17と同様にして銅張積層
板を作製した。引剥し強さを表14に示す。共架橋剤を
含む接着剤チ〜レを用いた場合、接着剤リを除き実施例
17に比べて塩酸浸漬後,加熱後の引剥し強さが向上
し、共架橋剤の効果があることが分かった。
【0208】
【表14】
【0209】〔実施例 29〜40〕エチレン−α−オ
レフィンコポリマ(三井石油化学工業製:タフマーA−
4085)をベースポリマとする接着剤ソ〜ヤを用いた
他は実施例17〜28と同様にして銅張積層板を作製し
た。引剥し強さを表15に示す。飽和の樹脂をベースポ
リマとして用いても、実施例17〜28と同様に強い接
着力が得られた。また、実施例32を除いては、実施例
19〜28と同様に共架橋剤により塩酸浸漬後,加熱後
の引剥し強さが向上することが分かった。
【0210】
【表15】
【0211】〔実施例 41〕M面にクロメート処理と
シランカップリング剤処理とを行った厚さ18μmの未
粗化箔(銅箔L)を用いた他は実施例2と同様にして銅
張積層板を作製した。引剥し強さを表16に示す。厚さ
35μmの未粗化箔(銅箔C)のM面と同様に強い接着
力が得られた。
【0212】〔実施例 42〜48〕接着剤イの代わり
に接着剤ソ〜テを用いた他は実施例41と同様にして銅
張積層板を作製した。引剥し強さを表16に示す。いず
れの接着剤を用いた場合も実施例41と同様に強い接着
力が得られた。
【0213】
【表16】
【0214】〔実施例 49〜56〕S面にクロメート
処理とシランカップリング剤処理とを行った厚さ18μ
mの未粗化箔(銅箔N)を用いた他は実施例41〜48
と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さを表1
7に示す。いずれも強い接着力が得られた。
【0215】
【表17】
【0216】〔実施例 57〜67〕積層基材としてシ
アン酸エステル系化合物、ビスマレイミド系化合物およ
びエポキシ樹脂とがガラス布に含浸されたBTレジンプ
リプレグ(三菱ガス化学工業製、品番:CCL−H81
0,厚さ0.1mm)を用いて銅張積層板を作製した。
【0217】銅箔はS面にクロメート処理とシランカッ
プリング剤処理とを行った厚さ18μmの未粗化箔(銅
箔N)を用い、接着剤には実施例1と同じく接着剤イを
用いた。BTレジンプリプレグは16枚用い、銅箔およ
び接着剤をその上に積層後、圧力1MPaで100℃,
10分間プレスした後、プレス圧力を4MPaまで上昇
すると共に185℃まで昇温し同温度で1時間保持し銅
張積層板を作製した。銅箔の引剥し強さを表18に示
す。いずれの場合も強い接着力のものが得られた。
【0218】〔比較例 8〕接着剤を用いない他は実施
例57と同様にして銅張積層板を作製した。引剥し強さ
を表18に示す。接着剤を用いたものに比べ接着力は著
しく弱い。
【0219】
【表18】
【0220】〔実施例 68〕S面にクロメート処理と
シランカップリング剤処理とを行った厚さ18μmの未
粗化箔(銅箔N)と接着剤チとを用いて、表19に示す
ポリイミドフィルム/接着剤/銅箔の三層構造の銅張ポ
リイミドフィルムのテープを作製した。このテープは液
晶表示素子とその駆動回路の接続や、高密度実装が要求
されるASIC素子のプリント基板への接続用に使用さ
れるTAB技術に適用されるものである。
【0221】但し、本実施例では、接着剤チを100℃
で、静加重により厚さ20μmのフィルムに延伸して使
用した。この接着剤を厚さ25μmのポリイミドフィル
ム(デュポン製、商品名:カプトン)に重ね、次いで、
銅箔のS面が上記接着剤に接するように重ねて180
℃,3Mpaで一体化し、銅張ポリイミドフィルムとし
た。
【0222】上記の銅張ポリイミドフィルムについて引
剥がし強さの測定を試みたが、銅箔を引剥すことはでき
なかった。
【0223】本発明の接着剤を用いることにより、表面
の凹凸が少ないS面を用いた銅張ポリイミドフィルムを
製造することができる。これは微細配線の形成とともに
高周波回路用に好適である。
【0224】〔実施例 69〜77〕接着剤チの代わり
に接着剤リ〜レを用いた他は実施例68と同様にして、
表19に示す銅張ポリイミドフィルムを作製した。引剥
がし強さの測定を試みたが、実施例68と同様に銅箔を
引剥すことはできなかった。
【0225】〔比較例 9〕接着剤チとポリイミドフィ
ルムの代わりにデユポン社製アクリル樹脂系接着剤付ポ
リミドフィルム(パイララックスLFO110)を用い
て銅張ポリイミドフィルムを作製した。引剥がし強さを
表19に示すが、本発明の接着剤を用いたものに比べて
低いものであった。
【0226】
【表19】
【0227】〔実施例 78〕実施例1の銅張積層板の
表面(S面)を化学研磨液(三菱ガス化学製、商品名:
CPB−60)に、40℃,20秒間浸漬し、表面を清
浄にした。水洗後、クロメート処理液とシランカップリ
ング剤(S−330)により処理した。この銅張積層板
に接着剤イを重ね、次いでチオール系カップリング剤で
あるジスネット−FでS面を処理した厚さ18μmの銅
箔Qを積層し、実施例1の条件でプレスして銅張積層板
を作製した。なお、接着に用いた面はS面である。チオ
ール系カップリング剤で処理した銅箔Qの引剥がし強さ
を表20に示す。
【0228】シランカップリング剤の代わりにチオール
系カップリング剤を用いた場合も強い接着力が得られ
た。
【0229】また、この銅箔を260℃の半田浴に60
秒間浸漬しても、銅箔の剥離やふくれ等の異常は認めら
れなかった。
【0230】以上のことから、チオール系カップリング
剤は、銅箔表面の金属銅そのものと接着剤とを強固に接
着することが分かった。
【0231】〔実施例 79〜83〕銅箔Qの代わりに
銅箔R〜Vを用いた他は実施例78と同様にして銅張積
層板を作製した。引剥がし強さを表20に示す。実施例
78と同様に強い接着力が得られた。
【0232】〔比較例 10〕チオール系カップリング
剤による処理を行わなかった他は、実施例78と同様に
して銅張積層板を作製した。引剥がし強さを表20に示
す。処理を行わなかったことにより接着力は著しく低い
ものであった。
【0233】
【表20】
【0234】〔実施例 84〕シランカップリング剤を
添加した過酸化物硬化性樹脂組成物からなる接着剤モ
と、S面にNi−Pめっきとクロメート処理を行ない、
シランカップリング剤処理を行なわない厚さ18μmの
未粗化箔(銅箔W)とを厚さ0.2mmのケイ素鋼板の
片面に張り合わせ、180℃,3MPaで一体化してメ
タルコア銅張積層板を作製した。但し、ケイ素鋼板は表
面を紙ヤスリ(2000番)で研磨し、クロメート処理
液に室温で10秒間浸漬する前処理を施した。
【0235】上記メタルコア銅張積層板の引剥し強さは
引剥すことができないほど大きかった。更に、このメタ
ルコア銅張積層板の銅箔面(M面)にチオール系カップ
リング剤を含む接着剤アを重ね、次いで銅箔WのS面が
接着剤に面するように重ねて、同一条件でプレスした。
【0236】このメタルコア銅張積層板の上層の銅箔の
引剥し強さを表21に示す。また、これを260℃の半
田浴に60秒間浸漬したが異常は全く認められなかっ
た。
【0237】〔実施例 85〜91〕接着剤アの代わり
に接着剤サ〜ヱを用いた他は実施例84と同様にしてメ
タルコア銅張積層板を作製した。引剥がし強さを表21
に示す。実施例85と同様に強い接着力が得られた。
【0238】〔比較例 11〕接着剤アの代わりに過酸
化物を含まない接着剤ヒを用いた他は実施例84と同様
にしてメタルコア銅張積層板を作製した。引剥がし強さ
を表21に示す。実施例84のものに比べ著しく接着力
の弱いものであった。
【0239】
【表21】
【0240】以上詳述したように本発明は、従来のよう
な黒化処理は不要となり、生産工程の合理化に大きく寄
与するものである。
【0241】〔実施例 92〕実施例28の接着剤を用
い、銅箔と接着剤と積層基材の組合せで両面銅張積層板
を作成した。積層基材のガラス布基材エポキシ樹脂プリ
プレグを2枚積層したものの両面に接着剤を重ね、その
上に銅箔のS面が接着剤に接するよう重ねてプレスし一
体化して両面銅張積層板とした。
【0242】上記の両面銅張積層板を用いて両面プリン
ト回路板を作成した。両面銅張積層板を化学研磨液(三
菱ガス化学製,CPB−60)に40℃で20秒間浸漬
し、油分や酸化物を除去して清浄な表面とした。水洗,
乾燥後、ネガ型ドライフィルムのH−N240−40
(日立化成工業製,厚さ40μm)を、120℃,0.
2MPaで片面にラミネートした。
【0243】これにネガフィルムをマスクとし、ドライ
フィルムに紫外光を照射して光硬化した。紫外光の未露
光部の未硬化部を希薄な炭酸ナトリウム水溶液で溶解,
除去し、最小線幅が40μmである回路パターンを有す
るエッチングレジストを形成した。
【0244】次に、塩化銅エッチング法によりエッチン
グレジストで被覆されていない銅箔を除去し、回路パタ
ーンを形成した。この回路銅箔の断面形状を観察したと
ころ、線幅40μmの部分では積層基材に接する下部で
39μm、上部で32μmであった。
【0245】次いで、この回路を形成した両面プリント
回路板を用いて4層の多層プリント回路板を作製した。
【0246】上記両面プリント回路板をクロメート処理
液に室温で10分間浸漬する前処理を施した。次いでシ
ランカップリング剤処理液に浸漬し、乾燥した。これに
接着剤フィルムを重ね、その上に前記のプリプレグを2
枚、接着剤フィルムを順次重ねて、さらに回路形成面を
下にして両面プリント回路板を重ねて、前記と同様の条
件でプレスして一体化した。この4層の多層プリント回
路板を260℃の半田浴に60秒間浸漬したが、異常は
全く認められなかった。
【0247】
【発明の効果】本発明は、前記カップリング剤と銅箔と
の化学結合により形成された接着性下地と、過酸化物硬
化性樹脂とにより強力な接着力が得られることから、従
来使用できなかった未粗化箔を用いた銅張積層板を提供
することができる。また、粗化が困難な圧延銅箔に対し
ても強固な接着力が付与でき、圧延銅箔の銅張積層板へ
の利用が可能となる。
【0248】平滑な銅箔の使用は異物の付着、製造時の
しわの発生が少なく、高品質の銅張積層板を提供でき
る。特に、接着剤として用いるエチレン−α−オレフィ
ンジエンターポリマは耐トラッキング性に優れており、
従来のブチラール−フェノール系接着剤における耐トラ
ッキング性向上のための、無機系添加剤やメラミン類の
添加が不要となり、これら添加剤による銅箔の滑りの悪
さや接着剤の塗布むらが改善され、作業性と品質を向上
することができる。
【0249】また、本発明の接着剤は、フィルム化も容
易で銅箔の接着面へ積層,加圧することで接着可能なこ
とから、塗布に比べて銅張積層板の生産性を向上するこ
とができる。
【0250】また、エッチングによるプリント回路板の
回路形成時における銅残りがなくなるため、検査工程が
簡略化され、歩留り向上とファインパターン化に大きく
寄与する。粗化処理しない接着面が平滑な銅箔を用いた
本発明の銅張積層板は、エッチングによる回路加工の限
界と云われる線間距離100μm幅に対し、20μm幅
(18μm厚)の回路加工が可能である。
【0251】更に、銅箔のS面にも積層基材を強力に接
着できることから、多層プリント回路板の製造に際し
て、従来から行なわれてきた黒化処理が不要となり、製
造工程を大幅に合理化できる。更にまた、銅箔と積層基
材との界面に酸化銅や亜酸化銅が存在しないので、耐薬
品性にも優れている。
【0252】また、表裏共に平滑面の銅箔が使用でき、
高周波信号のエネルギー損失や波形の乱れを小さくでき
るので、今後の高周波用プリント回路基板の展開に大き
く寄与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成島 良一 茨城県下館市下江連1226番地 日本電解株 式会社下館工場内 (72)発明者 飯田 拓也 茨城県下館市下江連1226番地 日本電解株 式会社下館工場内 (72)発明者 遠藤 安浩 茨城県下館市下江連1226番地 日本電解株 式会社下館工場内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層基材の片面または両面に銅箔が積層
    接着された銅張積層板において、 a.前記銅箔上に一般式〔1〕 【化1】 QRSiXYZ …〔1〕 (但し、式中Qは過酸化物硬化性樹脂組成物と反応する
    官能基、RはQとケイ素原子とを連結する結合基、X,
    Y,Zはケイ素原子に結合する加水分解性の基または水
    酸基を表す)で示されるシランカップリング剤、また
    は、チオール系カップリング剤よりなる接着性下地を介
    し、 b.過酸化物硬化性樹脂組成物からなる接着剤により積
    層基材が接着されているか、または、過酸化物硬化性樹
    脂組成物からなり接着剤を兼ねた積層基材が直接接着さ
    れている、ことを特徴とする銅張積層板。
  2. 【請求項2】 前記チオール系カップリング剤が一般式
    〔2〕 【化2】 T(SH)n …〔2〕 (但し、Tは芳香環,脂肪族環,複素環,脂肪族鎖であ
    り、nは2以上の整数)で示されるチオール系カップリ
    ング剤である請求項1に記載の銅張積層板。
  3. 【請求項3】 前記過酸化物硬化性樹脂組成物がポリエ
    チレンまたはエチレン−α−オレフィンコポリマ、ある
    いはエチレン−α−オレフィンジエンターポリマをベー
    スポリマとする請求項1または2に記載の銅張積層板。
  4. 【請求項4】 前記銅箔の接着面にB,Al,P,Z
    n,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Ag,
    In,Zr,Sn,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,P
    b,Ta,W,Ir,Ptから選ばれる1種以上の元素
    を含む金属,合金,酸化物,水酸化物および水和物から
    選ばれる1種以上からなる被覆層を有する請求項1,2
    または3に記載の銅張積層板。
  5. 【請求項5】 前記積層基材が無機または有機の繊維か
    らなる布または不織布に熱硬化性樹脂を含む積層基材で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の銅張積層板。
  6. 【請求項6】 前記積層基材がポリイミドフィルムまた
    はポリエステルフィルムである請求項1〜4のいずれか
    に記載の銅張積層板。
  7. 【請求項7】 積層基材の片面または両面に銅箔を積層
    接着してなる銅張積層板の製法において、 a.前記銅箔上に一般式〔1〕 【化3】 QRSiXYZ …〔1〕 (但し、式中Qは過酸化物硬化性樹脂組成物と反応する
    官能基、RはQとケイ素原子とを連結する結合基、X、
    Y、Zはケイ素原子に結合する加水分解性の基または水
    酸基を表す)で示されるシランカップリング剤、また
    は、チオール系カップリング剤を含む接着性下地を形成
    し、 b.前記接着性下地の表面に、過酸化物硬化性樹脂組成
    物からなる接着剤を介して積層基材を積層するか、また
    は、過酸化物硬化性樹脂組成物からなり接着剤を兼ねた
    積層基材を直接積層し、 c.次いで、加圧,加熱することを特徴とする銅張積層
    板の製法。
  8. 【請求項8】 前記チオール系カップリング剤が一般式
    〔2〕 【化4】 T(SH)n …〔2〕 (但し、Tは芳香環,脂肪族環,複素環,脂肪族鎖であ
    り、nは2以上の整数)で示されるチオール系カップリ
    ング剤である請求項7に記載の銅張積層板の製法。
  9. 【請求項9】 積層基材の片面または両面に銅箔を積層
    接着してなる銅張積層板の製法において、 a.前記銅箔上に一般式〔1〕 【化5】 QRSiXYZ …〔1〕 (但し、式中Qは過酸化物硬化性樹脂組成物と反応する
    官能基、RはQとケイ素原子とを連結する結合基、X、
    Y、Zはケイ素原子に結合する加水分解性の基または水
    酸基を表す)で示されるシランカップリング剤、また
    は、一般式〔2〕 【化6】 T(SH)n …〔2〕 (但し、Tは芳香環,脂肪族環,複素環,脂肪族鎖であ
    り、nは2以上の整数)で示されるチオール系カップリ
    ング剤と、 過酸化物硬化性樹脂組成物との混合組成物からなる接着
    剤を介して積層基材を積層するか、または、前記混合組
    成物を含む積層基材を積層し、 b.次いで、加圧,加熱することを特徴とする銅張積層
    板の製法。
  10. 【請求項10】 前記過酸化物硬化性樹脂組成物がポリ
    エチレンまたはエチレン−α−オレフィンコポリマ、ま
    たは、エチレン−α−オレフィンジエンターポリマをベ
    ースポリマとする請求項7,8または9に記載の銅張積
    層板の製法。
  11. 【請求項11】 前記銅箔の接着面にB,Al,P,Z
    n,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Ag,
    In,Zr,Sn,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,P
    b,Ta,W,Ir,Ptから選ばれる1種以上の元素
    を含む金属,合金,酸化物,水酸化物および水和物から
    選ばれる1種以上からなる被覆層を形成する請求項7〜
    10のいずれかに記載の銅張積層板の製法。
  12. 【請求項12】 前記過酸化物硬化性樹脂組成物からな
    る接着剤としてフィルム状のものを用いる請求項7,
    8,10,11のいずれかに記載の銅張積層板の製法。
  13. 【請求項13】 前記過酸化物硬化性樹脂組成物からな
    り接着剤を兼ねた積層基材としてフィルム状のものを用
    いる請求項7,8,10,11のいずれかに記載の銅張
    積層板の製法。
  14. 【請求項14】 前記シランカップリング剤または前記
    チオール系カップリング剤と、過酸化物硬化性樹脂組成
    物との混合組成物からなる接着剤としてフィルム状のも
    のを用いる請求項9に記載の銅張積層板の製法。
  15. 【請求項15】 前記シランカップリング剤または前記
    チオール系カップリング剤と、過酸化物硬化性樹脂組成
    物との混合組成物からなり接着剤を兼ねた積層基材とし
    てフィルム状のものを用いる請求項9に記載の銅張積層
    板の製法。
  16. 【請求項16】 積層基材に回路銅箔が1層以上積層接
    着されたプリント回路板において、 a.前記回路銅箔の少なくとも1層が一般式〔1〕 【化7】 QRSiXYZ …〔1〕 (但し、式中Qは過酸化物硬化性樹脂組成物と反応する
    官能基、RはQとケイ素原子とを連結する結合基、X、
    Y、Zはケイ素原子に結合する加水分解性の基または水
    酸基を表す)で示されるシランカップリング剤、また
    は、チオール系カップリング剤より形成された接着性下
    地を介し、 b.過酸化物硬化性樹脂組成物からなる接着剤により積
    層基材が接着されているか、または、過酸化物硬化性樹
    脂組成物からなり接着剤を兼ねた積層基材が直接接着さ
    れている、ことを特徴とするプリント回路板。
  17. 【請求項17】 前記チオール系カップリング剤が一般
    式〔2〕 【化8】 T(SH)n …〔2〕 (但し、Tは芳香環,脂肪族環,複素環,脂肪族鎖であ
    り、nは2以上の整数)で示されるチオール系カップリ
    ング剤である請求項16に記載のプリント回路板。
  18. 【請求項18】 前記過酸化物硬化性樹脂組成物がポリ
    エチレン,エチレン−α−オレフィンコポリマまたはエ
    チレン−α−オレフィンジエンターポリマをベースポリ
    マとする請求項16または17に記載のプリント回路
    板。
  19. 【請求項19】 前記銅箔の接着面にB,Al,P,Z
    n,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Ag,
    In,Zr,Sn,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,P
    b,Ta,W,Ir,Ptから選ばれる1種以上の元素
    を含む金属,合金、酸化物、水酸化物および水和物から
    選ばれる1種以上からなる被覆層を有する請求項16,
    17または18に記載のプリント回路板。
  20. 【請求項20】 前記積層基材が無機または有機の繊維
    からなる布または不織布に熱硬化性樹脂を含む積層基材
    である請求項16〜19のいずれかに記載のプリント回
    路板。
  21. 【請求項21】 前記積層基材がポリイミドフィルムま
    たはポリエステルフィルムである請求項16〜19のい
    ずれかに記載のプリント回路板。
  22. 【請求項22】 積層基材に回路銅箔が積層接着された
    プリント回路板の製法において、 a.銅箔上に一般式〔1〕 【化9】 QRSiXYZ …〔1〕 (但し、式中Qは過酸化物硬化性樹脂組成物と反応する
    官能基、RはQとケイ素原子とを連結する結合基、X、
    Y、Zはケイ素原子に結合する加水分解性の基または水
    酸基を表す)で示されるシランカップリング剤、また
    は、チオール系カップリング剤を含む接着性下地を形成
    し、 b.前記接着性下地の表面に、過酸化物硬化性樹脂組成
    物からなる接着剤を介して積層基材を積層するか、また
    は、過酸化物硬化性樹脂組成物からなり接着剤を兼ねた
    積層基材を直接積層し、 c.次いで、加圧,加熱することにより前記銅箔と積層
    基材とを接着して銅張積層板を作製し、 d.前記銅張積層板の銅箔面に所望の回路パターンのエ
    ッチングレジスト膜を被覆し、 e.前記エッチングレジスト膜で被覆されていない銅箔
    部をエッチングにより除去して回路を形成することを特
    徴とするプリント回路板の製法。
  23. 【請求項23】 前記チオール系カップリング剤が一般
    式〔2〕 【化10】 T(SH)n …〔2〕 (但し、Tは芳香環,脂肪族環,複素環,脂肪族鎖であ
    り、nは2以上の整数)で示される請求項22に記載の
    プリント回路板の製法。
  24. 【請求項24】 積層基材に回路銅箔が積層接着された
    プリント回路板の製法において、 a.銅箔上に一般式〔1〕 【化11】 QRSiXYZ …〔1〕 (但し、式中Qは過酸化物硬化性樹脂組成物と反応する
    官能基、RはQとケイ素原子とを連結する結合基、X、
    Y、Zはケイ素原子に結合する加水分解性の基または水
    酸基を表す)で示されるシランカップリング剤、また
    は、一般式〔2〕 【化12】 T(SH)n …〔2〕 (但し、Tは芳香環,脂肪族環,複素環,脂肪族鎖であ
    り、nは2以上の整数)で示されるチオール系カップリ
    ング剤と、 過酸化物硬化性樹脂組成物との混合組成物からなる接着
    剤を介して積層基材を積層するか、または、前記混合組
    成物からなり接着剤を兼ねた積層基材を直接積層し、 b.次いで、加圧,加熱することにより前記銅箔と積層
    基材とを接着して銅張積層板を作製し、 c.前記銅張積層板の銅箔面に所望の回路パターンのエ
    ッチングレジスト膜を被覆し、 d.前記エッチングレジスト膜で被覆されていない銅箔
    部をエッチングにより除去して回路を形成することを特
    徴とするプリント回路板の製法。
  25. 【請求項25】 前記過酸化物硬化性樹脂組成物がポリ
    エチレン,エチレン−α−オレフィンコポリマまたはエ
    チレン−α−オレフィンジエンターポリマをベースポリ
    マとする請求項22,23または24に記載のプリント
    回路板の製法。
  26. 【請求項26】 前記銅箔の接着面にB,Al,P,Z
    n,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Ag,
    In,Zr,Sn,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,P
    b,Ta,W,Ir,Ptから選ばれる1種以上の元素
    を含む金属,合金、酸化物、水酸化物および水和物から
    選ばれる1種以上からなる被覆層を有する請求項22〜
    25のいずれかに記載のプリント回路板の製法。
  27. 【請求項27】 前記過酸化物硬化性樹脂組成物からな
    る接着剤としてフィルム状のものを用いる請求項22,
    23,25,26のいずれかに記載のプリント回路板の
    製法。
  28. 【請求項28】 前記過酸化物硬化性樹脂組成物からな
    り接着剤を兼ねた積層基材としてフィルム状のものを用
    いる請求項22,23,25,26のいずれかに記載の
    プリント回路板の製法。
  29. 【請求項29】 前記シランカップリング剤またはチオ
    ール系カップリング剤と、過酸化物硬化性樹脂組成物と
    の混合組成物からなる接着剤としてフィルム状のものを
    用いる請求項24に記載のプリント回路板の製法。
  30. 【請求項30】 前記シランカップリング剤またはチオ
    ール系カップリング剤と、過酸化物硬化性樹脂組成物と
    の混合組成物からなり接着剤を兼ねた積層基材としてフ
    ィルム状のものを用いる請求項24に記載のプリント回
    路板の製法。
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