JP2008111188A - プリント配線板用の銅箔 - Google Patents
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Abstract
【課題】 微細回路加工工程時や多層化成形時等に優れた樹脂と銅箔の接着性を発現する銅箔を提供する。
【解決手段】 銅箔のRz3.7μm以下の表面を予め3次元架橋したシリコーンオリゴマで処理した銅箔であり、さらにシランカップリング剤で処理することが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 銅箔のRz3.7μm以下の表面を予め3次元架橋したシリコーンオリゴマで処理した銅箔であり、さらにシランカップリング剤で処理することが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、銅張積層板の製造方法及びそれを用いたプリント配線板、多層プリント配線板に関する。
銅張積層板は、樹脂を含浸した基材(以下、プリプレグと称す)を所定枚数積層してその片面又は両面に銅箔を配置して平行熱盤で加熱加圧成形して製造する。このようにして成形した銅張積層板は、エッチング等により回路加工を施し、そのままプリント配線板として使用される場合と、このプリント配線板を内層基板としてこの両側にさらにプリプレグを積層しその外側に金属箔を配置して平行熱盤で加熱加圧し、多層プリント配線板を形成する場合がある。
一般に銅箔が樹脂と接する面は、樹脂との接着性を向上させる目的で、数μm程度の凸凹形状に粗化された形状となっており、さらには防錆処理や場合によってはカップリング剤等で処理されている。
パーソナルコンピュータや携帯電話等の情報端末機器に搭載されるプリント配線板には、MPUを搭載するプラスチックパッケージや各種モジュール用途のプリント配線板を中心に大容量の情報を高速に処理することが求められており、信号処理の高速化や低伝送損失化が必要になっている。そして、これらの大容量の情報を処理するためプリント配線板の配線密度も高密度化が進み、さらには表層に1〜4層程度のビルドアップ層を形成し、直径0.2mm以下の小径IVHが付いた多層プリント配線板が主流となりつつあり、これまで以上の微細配線が要求されるようになった。具体的には、樹脂材料として、高速処理のために低誘電率(低εr)材料が、低伝送損失化のために低誘電正接(低tanδ)材料が、そして高多層品やMPU回りのパッケージ分野では優れた接続信頼性を確保するために高Tg材料が要求されている。一方、使用する銅箔も絶縁層間距離の確保やインピーダンスコントロールの重要性から、粗化形状が小さくなっている(ロープロファイル化)。
低誘電率樹脂や低誘電正接樹脂は極性基が非常に少なく、また、高Tg樹脂は硬くて脆い特性を有する等により、いずれの樹脂材料とも銅箔との接着性が低下する傾向にある。また、銅箔粗化面のロープロファイル化により、この傾向はさらに助長されている。このような接着性の低さは、今後ますます必要となるライン/スペース=30μm/30μm以下の微細回路加工時や多層化成形時の銅箔のラインスイミングやライン剥離、断線等により顕在化し、さらにはプリント配線板としての耐熱性の低下にも直接影響する。
銅箔と樹脂の接着性を向上させる手法としては、特開平5−51433号公報や特開平5−271386号公報のように樹脂材料による改良があるが、樹脂組成が限定されるため誘電特性の向上や高Tg化が困難となる。また、特開昭54−48879号公報のようなカップリング剤等による銅箔処理が以前から行なわれてきたが、ここ数年使用され始めている低誘電率樹脂材料のような極性基の少ない樹脂系や高Tg樹脂材料のような硬くて脆い樹脂系では市販のカップリング剤で処理した程度の樹脂との化学的結合の強化では従来のFR−4材の接着性よりも劣り、銅箔のロープロファイル化とも相俟って、ますます低下する傾向を示している。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、高密度化に対応する微細回路加工工程時や多層化成形時等に優れた樹脂と銅箔の接着性を発現する銅張積層板の製造方法及びそれを用いたプリント配線板、多層プリント配線板を提供するものである。
本発明は、基材に樹脂を含浸し加熱、乾燥して得られるプリプレグを少なくとも1枚以上積層し、さらにその両面若しくは片面に銅箔を配置し加熱、加圧して銅張積層板を製造する方法において、予め3次元架橋させたシリコーンオリゴマで処理した銅箔を用いる銅張積層板の製造方法である。そして、予め3次元架橋させたシリコーンオリゴマが分子内に含有するシロキサン単位として、(1)3官能性(RSiO3/2)或いは4官能性(SiO4/2)シロキサン単位を1種類以上含有する、(2)2官能性(R2SiO2/2)と4官能性(SiO4/2)、(3)3官能性(RSiO3/2)と4官能性(SiO4/2)、(4)2官能性(R2SiO2/2)と3官能性(RSiO3/2)、(5)2官能性(R2SiO2/2)と3官能性(RSiO3/2)及び4官能性(SiO4/2)からなると好ましい銅張積層板の製造方法であり、また、シリコーンオリゴマが分子内に含有する4官能性(SiO4/2)シロキサン単位が全体の15mol%以上であると好ましい銅張積層板の製造方法である。さらに、シリコーンオリゴマで処理する際に,シランカップリング剤を併用、若しくはシリコーンオリゴマで処理した後,シランカップリング剤で処理すると好ましい銅張積層板の製造方法である。そして、本発明は、上記で得られた銅張積層板を回路加工して得られたプリント配線板である。また、プリント配線板を内層基材として用いた多層配線板である。
本発明の銅張積層板の製造方法により得られる銅張積層板、プリント配線板、多層プリント配線板は、加熱時及び塩酸処理後の銅箔接着性に優れるため微細回路加工性が向上しロープロファイルの銅箔の使用も可能となる。
以下、本発明について詳述する。本発明で用いられる銅箔は、金属箔張り積層板や多層印刷配線板を製造する際に用いられるものであれば、その組成や形状等は特に制限されず、通常積層板に用いられている5〜200μmのものを使用できる。また、ニッケル、ニッケル−リン、ニッケル−スズ合金、ニッケル−鉄合金、鉛、鉛−スズ合金等を中間層とし、この両面に0.5〜15μmの銅層と10〜300μmの銅層を設けた3層構造の複合箔あるいはアルミニウムと銅箔を複合した複合箔を用いることができる。予め3次元架橋させたシリコーンオリゴマで処理される銅箔の表面状態や処理状態は特に制限はなく、粗化表面にシランカップリング剤等を含んだ表面処理剤で処理されたものでもかまわないが、粗化表面にシリコーンオリゴマと反応できる水酸基等が存在するとより好ましく、また粗化形状が小さい(ロープロファイル)系ではその効果を発現しやすい。
ここでシリコーンオリゴマとは、重合体の中でシロキサン単位の重合度が2〜70程度のものをいう。2官能性、3官能性、4官能性シロキサン単位のR2SiO2/2、RSiO3/2、SiO4/2は、それぞれ次のような構造を意味する。
ここで、Rは同じか又は別な有機基であり、具体的にメチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基等を例示することができる。
銅箔に処理されるシリコーンオリゴマは、予め3次元架橋しておりその分子量や骨格等に特に制限はない。粗化表面もしくは表面の水酸基等と反応する官能基は特に制限はないが、アルコキシル基やシラノール基等が一般的であり好ましい。また、シリコーンオリゴマは分子内に2官能性や3官能性或いは4官能性シロキサン単位を1種類以上含有していることが好ましく、更には4官能性シロキサン単位がシリコーンオリゴマ全体の15mol%以上であるとより好ましい。
シリコーンオリゴマの処理液や処理条件等の銅箔への処理方法は特に制限されないが、銅箔に対する付着量は0.01重量%〜10.00重量%の範囲が好ましい。0.01重量%未満では界面接着性向上の効果は得にくく,10.00重量%以上では耐熱性等が低下する。また、銅箔に処理する際の処理液は、シリコーンオリゴマに加えて各種溶剤やシランカップリング剤等を含めた添加剤を配合してもよい。シランカップリング剤としては、一般にエポキシシラン系、アミノシラン系、カチオニックシラン系、ビニルシラン系、アクリルシラン系、メルカプトシラン系及びこれらの複合系等が任意の付着量で多々用いられる。更に、上記処理液で処理した銅箔の表面にシランカプリング剤を処理してもよく、その際のシランカップリング剤の種類や処理条件は特に限定しないが、シランカップリング剤の付着量は5.00重量%以下が好ましい。
本発明で用いる銅張積層板用の樹脂は特に限定されず、例えばエポキシ樹脂系、ポリイミド樹脂系、トリアジン樹脂系、フェノール樹脂系、メラミン樹脂系、これら樹脂の変性系等が用いられる。また、これらの樹脂は2種類以上を併用してもよく、必要に応じて各種溶剤溶液としてもかまわない。溶剤としては、アルコール系、エーテル系、ケトン系、アミド系、芳香族炭化水素系、エステル系、ニトリル系等どのようなものでもよく、数種類を併用した混合溶剤を用いることもできる。
硬化剤としては、従来公知の種々のものを使用することができ、例えば樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、フェノールノボラックやクレゾールノボラック等の多官能性フェノール等をあげることができる。しばしば、樹脂と硬化剤との反応等を促進させる目的で促進剤が用いられる。促進剤の種類や配合量は特に限定するものではなく、例えばイミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が用いられ、2種類以上を併用してもよい。
本発明で用いる銅箔を配置した銅張積層板のプレス条件は特に制約はなく、一般に樹脂が溶融した後硬化可能な温度・時間で、使用する基材に溶融した樹脂が含浸する圧力等であればよい。具体的には、通常温度は、130〜180℃の範囲で、場合によっては100〜250℃の範囲で、また圧力は、通常0.5〜6MPaの範囲で、場合によっては0.1〜20MPaの範囲で、プレス機の能力、目的の積層板の厚さ等により適宜選択される。
以上で述べた本発明によれば、銅箔に予め適度に3次元架橋したシリコーンオリゴマで処理するため銅張積層板や多層プリント配線板にした場合に、従来の薄くてリジッドな銅箔/樹脂の接着層に対して、適度に3次元架橋したシリコーンオリゴマ層が効率よく銅箔/樹脂の界面でクッション的な役割をはたし、界面に発生する歪みを緩和させ、樹脂が本来有している優れた接着性を引き出すことができる。この傾向は、ロープロファイル化した面でも同様である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
撹拌装置、コンデンサ及び温度計を備えたガラスフラスコに、テトラメトキシシランを40g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.47g、蒸留水を18.9g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は20であった(GPCによる数平均分子量から換算、以下同じ)。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
撹拌装置、コンデンサ及び温度計を備えたガラスフラスコに、テトラメトキシシランを40g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.47g、蒸留水を18.9g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は20であった(GPCによる数平均分子量から換算、以下同じ)。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
(実施例2)
実施例1と同様に、トリメトキシメチルシランを40g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.53g、蒸留水を15.8g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は15であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
実施例1と同様に、トリメトキシメチルシランを40g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.53g、蒸留水を15.8g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は15であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
(実施例3)
実施例1と同様に、ジメトキシジメチルシランを34g、テトラメトキシシランを8g、メタノールを98g配合した溶液に、酢酸を0.60g、蒸留水を14.0g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は28であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
実施例1と同様に、ジメトキシジメチルシランを34g、テトラメトキシシランを8g、メタノールを98g配合した溶液に、酢酸を0.60g、蒸留水を14.0g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は28であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
(実施例4)
実施例1と同様に、ジメトキシジメチルシランを20g、テトラメトキシシランを25g、メタノールを105g配合した溶液に、酢酸を0.60g、蒸留水を17.8g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は30であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
実施例1と同様に、ジメトキシジメチルシランを20g、テトラメトキシシランを25g、メタノールを105g配合した溶液に、酢酸を0.60g、蒸留水を17.8g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は30であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
(実施例5)
実施例1と同様に、トリメトキシメチルシランを20g、テトラメトキシシランを22g、メタノールを98g配合した溶液に、酢酸を0.52g、蒸留水を18.3g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は25であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
実施例1と同様に、トリメトキシメチルシランを20g、テトラメトキシシランを22g、メタノールを98g配合した溶液に、酢酸を0.52g、蒸留水を18.3g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は25であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
(実施例6)
実施例1と同様に、ジメトキシジメチルシランを10g、トリメトキシメチルシランを10g、テトラメトキシシランを20g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.52g、蒸留水を16.5g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は23であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
実施例1と同様に、ジメトキシジメチルシランを10g、トリメトキシメチルシランを10g、テトラメトキシシランを20g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.52g、蒸留水を16.5g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン繰り返し単位の平均は23であった。このシリコーンオリゴマ溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
(実施例7)
実施例4で得られたシリコーンオリゴマ溶液に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A−187、日本ユニカー株式会社製商品名)とメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
実施例4で得られたシリコーンオリゴマ溶液に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A−187、日本ユニカー株式会社製商品名)とメタノールを加えて、固形分1重量%の処理液を作製した。
次に、実施例1〜7で作製した処理液を、厚さ18μmの電解銅箔の粗化面(粗さ:Ra(中心線平均粗さ)0.8μm、Rz(十点平均粗さ)3.7μm)に塗布後、120℃で加熱乾燥してシリコーンオリゴマを粗化表面に付着させた銅箔を得た。シリコーンオリゴマの付着量は0.10重量%であった。
(実施例8)
実施例4で処理した銅箔の粗化表面(粗さ:Ra0.8μm,Rz3.7μm)に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A−187、日本ユニカー株式会社製商品名)を固形分で0.5重量%、酢酸を0.5重量%含有する処理液を塗布し、120℃で加熱乾燥した銅箔を得た。シランカプリング剤の付着量は0.06重量%であった。
実施例4で処理した銅箔の粗化表面(粗さ:Ra0.8μm,Rz3.7μm)に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A−187、日本ユニカー株式会社製商品名)を固形分で0.5重量%、酢酸を0.5重量%含有する処理液を塗布し、120℃で加熱乾燥した銅箔を得た。シランカプリング剤の付着量は0.06重量%であった。
(実施例9)
実施例4で作製した処理液を、予め粗化面にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A−187、日本ユニカー株式会社製商品名)が0.05重量%付着した厚さ18μmの電解銅箔の粗化面(粗さ:Ra0.8μm,Rz3.7μm)に塗布後、120℃で加熱乾燥してシリコーンオリゴマを粗化表面に付着させた銅箔を得た。シリコーンオリゴマの付着量は0.05重量%であった。
実施例4で作製した処理液を、予め粗化面にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A−187、日本ユニカー株式会社製商品名)が0.05重量%付着した厚さ18μmの電解銅箔の粗化面(粗さ:Ra0.8μm,Rz3.7μm)に塗布後、120℃で加熱乾燥してシリコーンオリゴマを粗化表面に付着させた銅箔を得た。シリコーンオリゴマの付着量は0.05重量%であった。
(実施例10)
実施例4で作製した処理液を、厚さ18μmの電解銅箔の粗化面(粗さ:Ra0.2μm、Rz2.1μm)に塗布後、120℃で加熱乾燥した銅箔を得た。シリコーンオリゴマの付着量は0.09重量%であった。
実施例4で作製した処理液を、厚さ18μmの電解銅箔の粗化面(粗さ:Ra0.2μm、Rz2.1μm)に塗布後、120℃で加熱乾燥した銅箔を得た。シリコーンオリゴマの付着量は0.09重量%であった。
(比較例1)
実施例1〜実施例9で使用した粗化面が未処理の厚さ18μm電解銅箔(粗さ:Ra0.8μm,Rz3.7μm)を用いた。
実施例1〜実施例9で使用した粗化面が未処理の厚さ18μm電解銅箔(粗さ:Ra0.8μm,Rz3.7μm)を用いた。
(比較例2)
実施例10で使用した粗化面が未処理の厚さ18μm電解銅箔(粗さ:Ra0.2μm,Rz2.1μm)を用いた。
実施例10で使用した粗化面が未処理の厚さ18μm電解銅箔(粗さ:Ra0.2μm,Rz2.1μm)を用いた。
(比較例3)
銅箔として、粗化面に実施例9で使用したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A−187、日本ユニカー株式会社製商品名)が0.1重量%付着した厚さ18μmの電解銅箔(粗さ:Ra0.8μm,Rz3.7μm)を用いた。
銅箔として、粗化面に実施例9で使用したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A−187、日本ユニカー株式会社製商品名)が0.1重量%付着した厚さ18μmの電解銅箔(粗さ:Ra0.8μm,Rz3.7μm)を用いた。
(比較例4)
シリコーンオリゴマ処理液のかわりに,エポキシ変性シリコーンオイル(KF101、信越化学工業株式会社製商品名)を固形分で1.0重量%含有する溶液を作製し、この処理液を厚さ18μmの電解銅箔の粗化面(粗さ:Ra0.8μm、Rz3.7μm)に塗布後、120℃で加熱乾燥してシリコーンオイルを粗化表面に付着させた銅箔を得た。シリコーンオイルの付着量は0.20重量%であった。
シリコーンオリゴマ処理液のかわりに,エポキシ変性シリコーンオイル(KF101、信越化学工業株式会社製商品名)を固形分で1.0重量%含有する溶液を作製し、この処理液を厚さ18μmの電解銅箔の粗化面(粗さ:Ra0.8μm、Rz3.7μm)に塗布後、120℃で加熱乾燥してシリコーンオイルを粗化表面に付着させた銅箔を得た。シリコーンオイルの付着量は0.20重量%であった。
以下に示すエポキシ樹脂ワニスを厚さ0.2mmのガラス布(坪量210g/m2)に含浸後、140℃で5〜10分加熱乾燥して樹脂分41重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ4枚を重ね、その両側に実施例1〜10、比較例1〜4で得られた銅箔を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100重量部
(エポキシ当量:530)
ジシアンジアミド 4重量部
2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.5重量部
上記化合物をメチルエチルケトン及びエチレングリコールモノメチルエーテル(50重量%)に溶解し、不揮発分70重量%のワニスを作製した。
(エポキシ当量:530)
ジシアンジアミド 4重量部
2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.5重量部
上記化合物をメチルエチルケトン及びエチレングリコールモノメチルエーテル(50重量%)に溶解し、不揮発分70重量%のワニスを作製した。
得られた両面銅張積層板について、常態、150℃及び塩酸処理後の銅箔接着性と耐熱性を評価した。その結果を表1に示す。
試験片はすべて銅箔を1mm巾のラインにエッチングしたものを使用した。各条件での銅箔の接着性は引張試験により評価した。銅箔ラインの端部を試験機のチャックに固定し、90°方向の引き剥がし強さを測定した。引張速度は50mm/分とした。150℃での測定は,試験片を引張試験機付属の高温槽に5分放置後に行った。塩酸処理は、30℃の18重量%の塩酸水溶液に30分浸漬した。
以上の結果から、次のことが分かる。比較例1、2は銅箔の粗化面が未処理の状態であり、比較例1は、比較例2より表面粗さが大きい銅箔を使用した場合であり、表面粗さが小さい比較例2より接着性が大きい。また、未処理の場合塩酸処理後の接着性が低下する。比較例3は、銅箔の粗化面にシランカップリング剤処理を行ったものであり、同じ銅箔の比較例1と比べ接着性は高くなっている。一方、本発明の予め3次元架橋させたシリコーンオリゴマで処理した銅箔を用いた実施例は、シランカップリング処理した比較例3に比べ、常態、150℃、塩酸処理後のいずれの場合でも接着性が高い。また、実施例10の表面粗さの小さい銅箔を用いた場合でも、良好な接着性を示す。この様に実施例1〜10は、常態の接着性が高く、150℃時及び塩酸処理後の接着性の劣化が少ない。
Claims (2)
- 銅箔のRz3.7μm以下の表面を予め3次元架橋したシリコーンオリゴマで処理した銅箔。
- さらにシランカップリング剤で処理したことを特徴とする請求項1に記載の銅箔。
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