JP5500308B2 - 圧電素子およびこれを用いた圧電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子に関し、さらに詳しくは、圧電ポンプなどの圧電装置への実装が容易な圧電素子に関する。また、本発明は、前記圧電素子を用いた圧電装置に関する。
近時、小型で高精度のポンプ、ブロア、ファンなどの駆動源として、圧電素子が用いられている。そして、この用途の圧電素子としては、比較的低い電圧で駆動でき、圧電素子の中央部で大きな変位量を得ることができ、さらに経時的に特性が劣化しないものが求められている。
これらの要求を満たすものとして、たとえば、特許文献1(WO2008/007634)に開示された、圧電ポンプの駆動源用の圧電素子がある。
図10および図11に、特許文献1に開示された圧電素子400を示す。ただし、図10は斜視図、図11は分解斜視図である。
圧電素子400は、複数の圧電体層101a〜101hが積層されてなる圧電体101を備える。圧電体101の表面には、第1端子111、第2端子112、第3端子113が並んで形成されている。
最上層の圧電体層101aの表面には、矩形のグランド電極121が形成されている。グランド電極121は、第2端子112に引き出されている。
その次の圧電体層101bの表面には、中央部に円形の中心電極124が形成され、その周囲に環状の周辺電極125が形成されている。中心電極124は、第3端子113に引き出され、周辺電極125は、第1端子111に引き出されている。
その次の圧電体層101cの表面には、矩形のグランド電極121が形成されている。グランド電極121は、第2端子112に引き出されている。
その次の圧電体層101dの表面には、中央部に円形の中心電極124が形成され、その周囲に環状の周辺電極125が形成されている。中心電極124は、第3端子113に引き出され、周辺電極125は、第1端子111に引き出されている。
その次の圧電体層101eの表面には、矩形のグランド電極121が形成されている。グランド電極121は、第2端子112に引き出されている。
その次の圧電体層101fの表面には、中央部に円形の中心電極124が形成され、その周囲に環状の周辺電極125が形成されている。中心電極124は、第1端子111に引き出され、周辺電極125は、第3端子113に引き出されている。
その次の圧電体層101gの表面には、矩形のグランド電極121が形成されている。グランド電極121は、第2端子112に引き出されている。
その次の圧電体層101hの表面には、中央部に円形の中心電極124が形成され、その周囲に環状の周辺電極125が形成されている。中心電極124は、第1端子111に引き出され、周辺電極125は、第3端子113に引き出されている。また、圧電体層101hの裏面には、矩形のグランド電極121が形成されている。そして、そのグランド電極121は、第2端子112に引き出されている。
なお、従来の圧電素子400は、上下両表面に、それぞれ、グランド電極121が露出しているが、上下両表面に、それぞれ、電極の形成されていない圧電体層を積層し、グランド電極121が露出しないように構成することも可能である。
かかる構造からなる圧電体101は、たとえば、導電ペーストなどにより必要な電極(グランド電極121、中心電極124、周辺電極125)が形成された、圧電体層101a〜101hを形成するための圧電性グリーンシートを積層し、加圧し、焼成するなどの方法により形成される。また、第1端子111、第2端子112、第3端子113は、たとえば、焼成後の圧電体101の表面に、導電ペーストを焼付けるなどの方法により形成される。
圧電素子400は、たとえば、図12(A)、(B)に示すように、第1端子111、第2端子112、第3端子113に、直流電圧を印加することにより分極される。なお、図12(A)、(B)は、それぞれ、圧電素子400の分極工程を示す説明図であり、図12(B)は図12(A)の一点鎖線X‐X部分を示す。なお、図12(B)においては、分極方向をわかり易く示すため、幅方向に対して、高さ方向を拡大して示している。
図12(A)に示すように、第1端子111にマイナス電圧、第2端子112にグランド電圧、第3端子113にプラス電圧が印加される。この結果、図12(B)に示すように、圧電素子400を構成する圧電体層101a〜101hは、それぞれ、図中、矢印で示す方向に分極される。図12(B)からわかるように、各圧電体層101a〜101hは、中心部分と周辺部分とにおいて、分極方向が逆になっている。また、中心電極124、周辺電極125の、第1端子111、第3端子113への引き出し方が異なるため、圧電体層101a〜101dと圧電体層101e〜101hとにおいて、分極の繰返し順序が異なっている。
このような構造からなり、かつ分極された圧電素子400は、たとえば、圧電ポンプなどの圧電装置の駆動源として用いられる。図13(A)、(B)に、圧電素子400を駆動源に用いた圧電ポンプ500を示す。なお、図13(A)は斜視図、図13(B)は断面図であり、図13(B)は図13(A)の一点鎖線Y‐Y部分を示す。
圧電ポンプ500は、ポンプ本体131を備える。ポンプ本体131には、中空のポンプ室131aと、ポンプ室131aの上方を開口した開口部131bと、ポンプ室131aにつながる2つの孔131c、131dとが形成されている。
そして、開口部131bは、ダイヤフラム132により塞がれ、ダイヤフラム132に圧電素子400が接着固定されている。
また、孔131cには流入側の逆止弁133が取り付けられ、孔131dには流出側の逆止弁134が取り付けられている。流入側の逆止弁133は、外部からポンプ室131aへの流体の流入は許容するが、逆方向への流出は阻止するように機能する。流出側の逆止弁133は、ポンプ室131aから外部への流体の流出は許容するが、逆方向の流入は阻止するように機能する。
また、ポンプ本体131の上面には、3つの金属端子部材141、142、143が固定されている。そして、金属端子部材141は圧電素子400の第1端子111に、金属端子部材142は第2端子112に、金属端子部材143は第3端子113に、それぞれ、導電ペースト、はんだなどの接合材により接続されている。なお、図13(A)においては、接合材の図示を省略している。
図14(A)〜(C)に、圧電ポンプ500の駆動状態を示す。なお、図14(A)〜(C)は、それぞれ説明図であり、図14(B)、(C)は、図14(A)の圧電素子400の一点鎖線Z‐Z部分を示す。なお、図14(B)においては、圧電素子400を構成する圧電体層101a〜101hの伸長、収縮をわかり易く示すため、幅方向に対して、高さ方向を拡大して示している。
図14(A)、(B)に示すように、圧電素子400は、圧電ポンプ500を駆動するにあたり、駆動電源である交流電源の一方の端子を、金属端子部材142を経由して第2端子112に接続し、交流電源の他方の端子を、金属端子部材141を経由して第1端子111と、金属端子部材143を経由して第3端子113とに接続している。なお、交流電源は、正弦波を発生させるものには限られず、矩形波などを発生させるものであってもよい。
圧電素子400の圧電体101を構成する圧電体層101a〜101hは、図12(B)に示すように分極されているため、交流が印加されると、ある時点において、たとえば、図14(B)の矢印に示すように、部分的に伸長または収縮する。たとえば、この時点においては、圧電体層101a〜101dの中央部は収縮し、その周囲の周辺部は伸長する。一方、圧電体層101e〜101dの中央部は伸長し、その周囲の周辺部は収縮する。この結果、圧電素子400は、図14(C)において斜線矢印で示すように、中央部が下方向に屈曲変位し、周辺部が上方向に屈曲変位する。
そして、交流電源の極性が変わると、圧電素子400は、図14(B)、(C)に示したのとは逆の挙動を示す。すなわち、圧電体層101a〜101dの中央部は伸長し、その周囲の周辺部は収縮し、圧電体層101e〜101dの中央部は収縮し、その周囲の周辺部は伸長する。そして、圧電素子400は、中央部が上方向に屈曲変位し、周辺部が下方向に屈曲変位する。
交流電圧が印加され、圧電素子400が、これらの挙動を繰り返すことにより、図13(A)、(B)に示す圧電ポンプ500は、流体が孔131cからポンプ室131aに流入され、さらに、ポンプ室131aに流入された流体が孔131dから外部に流出される。
以上の構成からなる従来の圧電素子400は、圧電体101が圧電体層101a〜101hに多層化して構成され、かつ各圧電体層101a〜101hが中心部分と周辺部分とにおいて逆方向に分極されているため、比較的低い電圧で駆動することができ、かつ圧電素子400の中央部で大きな変位量を得ることができる。したがって、この圧電素子400を駆動源に用いた圧電装置(圧電ポンプ500など)は、小さな消費電力で、効率よく機能する。
また、従来の圧電素子400は、使用に際して、同一の層に形成された中心電極124と周辺電極125との間のエレクトロマイグレーションが防止されており、経時的に特性が劣化しないという特長も備えている。すなわち、使用に際して、同一の層に形成された中心電極と周辺電極との電位が異なると、一定期間の使用の後に、中心電極と周辺電極との間でエレクトロマイグレーションが起こり、両者間が短絡して、特性が劣化する、あるいは、圧電素子が壊れてしまうおそれがあるという問題があった。特に、中心電極、周辺電極の主成分に、Agを用いた場合に、この問題は大きかった。
これに対し、圧電素子400は、使用の際には、図14(A)、(B)に示すように、交流電源の、一方の端子が第2端子112に接続され、他方の端子が第1端子111および第3端子113に接続され、第1端子111と第3端子113とは常に同電位になっている。この結果、圧電素子400内の全ての中心電極124と周辺電極125とは常に同電位になっており、同一の層に形成された中心電極124と周辺電極125との間のエレクトロマイグレーションが発生することはなく、両者間が短絡することがない。圧電素子400は、エレクトロマイグレーションに起因して、経時的に特性が劣化することや、壊れてしまうことがない。
WO2008/007634
上述したとおり、特許文献1(WO2008/007634)に開示された従来の圧電素子400は、比較的低い電圧で駆動でき、圧電素子の中央部で大きな変位量を得ることができ、さらに経時的に特性が劣化しないという、優れた特長を備えている。
しかしながら、圧電素子400には、圧電ポンプなどの圧電装置の駆動源として使用する場合に、第1端子111、第2端子112、第3端子113の3つの端子の全てに交流電源(駆動電源)の端子を接続しなければならず、圧電装置の設計自由度が妨げられる、圧電装置の製造が煩雑になるという問題があった。
すなわち、図14(A)、(B)に示すように、圧電素子400においては、第1端子111と第3端子113とに、交流電源から常に同電位の電圧が印加されるにもかかわらず、第1端子111と第3端子113との間には第2端子112が存在するため、第1端子111と第3端子113とに、別々に交流電源の端子を接続しなければならなかった。そのため、圧電素子400を駆動源として使用するポンプなどの圧電装置において、設計自由度が妨げられる、製造が煩雑になるという問題があった。
本発明は、上述した従来の圧電素子の有する課題を解決するためになされたものであり、その手段として本発明の圧電素子は、複数の圧電体層が積層されてなる圧電体と、圧電体の圧電体層の層間に、1層おきに形成された、複数のグランド電極と、圧電体の圧電体層の層間のうち、グランド電極が形成されていない層間に、それぞれ、その中央部に形成された、複数の中心電極と、圧電体の圧電体層の層間のうち、中心電極が形成された層間に、それぞれ、中心電極を囲むように形成された、複数の周辺電極とを備え、圧電体の表面には、第1端子、第2端子、第3端子、第4端子、第5端子が、順に並んで形成され、グランド電極が、第3端子に引き出されるとともに、圧電体を、圧電体層の積層方向の中央の層間面で2分割し、一方を第1部分、他方を第2部分とした場合に、第1部分に形成された中心電極が、第4端子に引き出され、第2部分に形成された周辺電極が、第1端子および第4端子に引き出され、第1部分に形成された周辺電極が、第2端子および第5端子に引き出され、第2部分に形成された中心電極が、第2端子に引き出されるか、または、第1部分に形成された中心電極が、第2端子に引き出され、第2部分に形成された周辺電極が、第2端子および第5端子に引き出され、第1部分に形成された周辺電極が、第1端子および第4端子に引き出され、第2部分に形成された中心電極が、第4端子に引き出されるようにした。
圧電体への分極は、第3端子をグランドに接続するとともに、第1端子および第4端子の少なくとも一方にプラス電圧を印加し、第2端子および第5端子の少なくとも一方にマイナス電圧を印加するか、または、第1端子および第4端子の少なくとも一方にマイナス電圧を印加し、第2端子および第5端子の少なくとも一方にプラス電圧を印加しておこなうことができる。この結果、圧電体を構成する圧電体層のうち、グランド電極と、中心電極および周辺電極とで挟まれた圧電体層は、中心部分と周辺部分とにおいて、逆方向に分極される。
また、圧電体の圧電体層の層間相互における電気的接続は、たとえば、圧電体層を貫通して形成された孔に導電性物質を充填して形成した充填ビアによりおこなうことができる。
なお、充填ビアにより、2層以上の圧電体層を介して離隔した層間相互において電気的接続をはかる場合には、隣接する圧電体層のそれぞれに形成された充填ビアを、圧電体層の積層方向に透視した場合に、相互にずらして形成するようにしても良い。この場合には、充填ビアが積層方向に連続して形成されることに起因する圧電体の変形を防止することができる。
また、充填ビアにより、隣り合わない層間の電気的接続をはかる場合には、途中の層間に中継電極を形成することができ、それらの中継電極が、複数からなり、圧電体層の積層方向に透視した場合に重なっている場合には、それらの中継電極を、2種以上の形状からそれぞれ選択して形成するか、同一形状のものを相互にずらして形成するか、同一形状のもの回転して形成するようにしてもよい。この場合には、各中継電極を形成することにより発生する段差を、圧電体を圧電体層の積層方向に透視した場合に分散して配置することができ、中継電極を形成したことに起因する圧電体の変形を防止することができる。
また、本発明の圧電素子は、ポンプ、ブロア、ファンなどの圧電装置の駆動源として、圧電装置本体に実装して使用することができる。この場合には、交流電源の一方の端子を、圧電素子の第3端子に接続し、交流電源の他方の端子を、圧電素子の第1端子および第2端子の両方、または、圧電素子の第4端子および第5端子の両方に接続すればよい。
また、交流電源の端子と第1端子ないし第5端子との接続は、金属端子部材を介しておこない、第1端子ないし第5端子の表面の、金属端子部材が接触する部分には、充填ビアを形成しないようにしてもよい。この場合には、充填ビアに金属端子部材が接触することに起因する、充填ビア、圧電体などの破損や傷つきを防止することができる。
本発明の圧電素子は、上述した構成としたため、圧電装置への実装が容易であり、圧電装置の設計自由度が向上し、圧電装置の製造も容易になる。すなわち、本発明の圧電素子は、交流電源の一方の端子を、圧電素子の第3端子に接続し、交流電源の他方の端子を、圧電素子の第1端子および第2端子の両方、または、圧電素子の第4端子および第5端子の両方に接続すればよく、従来よりも接続を簡略化することが可能であり、最低2カ所に接続すれば使用することができる。
本発明の第1実施形態にかかる圧電素子100を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかる圧電素子100の分解斜視図である。 図3(A)、(B)は、それぞれ、本発明の第1実施形態にかかる圧電素子100を製造する際の分極工程を示す説明図であり、図3(B)は図3(A)の一点鎖線S‐S部分を示す。 図4(A)は、図1〜図3に示した圧電素子100を駆動源に使用した、本発明の第1実施形態にかかる圧電装置である圧電ポンプ200を示す斜視図である。図4(B)は、圧電ポンプ200を示す断面図であり、図4(A)一点鎖線T‐T部分を示す。 図5(A)は、本発明の第1実施形態にかかる圧電ポンプ200において、第1端子11および第2端子12と金属端子部材41との接続部分を示した部分平面図である。また、図5(B)、(C)は、それぞれ、変形例である。 図6(A)〜(C)は、それぞれ、本発明の第1実施形態にかかる圧電ポンプ200の使用状態を示す説明図であり、図6(B)、(C)は図6(A)の一点鎖線U‐U部分にかかる圧電素子100を示す。 第1実施形態にかかる圧電素子100の変形例を示す部分断面図である。 図8(A)〜(C)は、それぞれ、第1実施形態にかかる圧電素子100の変形例を示す部分断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる圧電素子300を示す斜視図である。 従来の圧電素子400を示す斜視図である。 従来の圧電素子400の分解斜視図である。 図12(A)、(B)は、それぞれ、従来の圧電素子400を製造する際の分極工程を示す説明図であり、図12(B)は図12(A)の一点鎖線X‐X部分を示す。 図13(A)は、図10〜図12に示した従来の圧電素子400を駆動源に使用した、従来の圧電ポンプ500を示す斜視図である。図13(B)は、従来の圧電ポンプ500を示す断面図であり、図13(A)の一点鎖線Y‐Y部分を示す。 図14(A)〜(C)は、それぞれ、従来の圧電ポンプ500の使用状態を示す説明図であり、図14(B)、(C)は図14(A)の一点鎖線Z‐Z部分にかかる圧電素子400を示す。
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
[第1実施形態]
図1および図2に、本発明の第1実施形態にかかる圧電素子100を示す。ただし、図1は斜視図、図2は分解斜視図である。
圧電素子100は、複数の圧電体層1a〜1jが積層されてなる圧電体1を備える。圧電体1には、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする、圧電性セラミックスを用いることができる。
圧電体1の表面、すなわち最上層に積層された圧電体層1aの表面には、第1端子11、第2端子12、第3端子13、第4端子14、第5端子15が並んで形成されている。また、これらの端子とは離れた部分に、ダミー端子16が形成されている。第1端子11、第2端子12、第3端子13、第4端子14、第5端子15、ダミー端子16は、それぞれ、圧電体層1aを貫通して形成された孔に導電性物質を充填して形成された充填ビアを経由して、圧電体1の内部と接続されている。なお、図においては、見易さのために、充填ビア(図において黒い点で示されているもの)に符号を付していないが、以下の記述において、接続関係を適宜説明する。なお、本実施形態においては、各接続部分において接続の信頼性を上げるために、それぞれ2つの充填ビアを用いて接続をはかっている。しかしながら、各接続部分の接続は、1つの充填ビアを用いておこなってもよい。
そして、次の圧電体層1bの表面には、中央部にやや大きい円形のグランド電極21が形成され、その周囲に環状のダミー電極22が形成されている。グランド電極21は、圧電体層1bの一辺に沿って、引き出し電極21aが形成されている。また、その圧電体層1bの一辺に沿って、引き出し電極21aの一方側に隣接して中継電極23aと23bとが、引き出し電極21aの他方側に隣接して中継電極23cと23dとが、それぞれ形成されている。そして、圧電体層1aに形成された充填ビアを介して、中継電極23aは第1端子11に、中継電極23bは第2端子12に、引き出し電極21aは第3端子13に、中継電極23cは第4端子14に、中継電極23dは第5端子15に、ダミー電極22はダミー端子16に、それぞれ、接続されている。
そして、次の圧電体層1cの表面には、中央部に円形の中心電極24が形成され、その周囲に環状の周辺電極25が形成されている。中心電極24は、圧電体層1cの一辺に沿って、引き出し電極24aが形成されている。また、周辺電極25は、圧電体層1cの引き出し電極24aが形成されたのと同じ辺に沿って、引き出し電極24aを間に挟んで、2つの引き出し電極25aと25bが形成されている。さらに、引き出し電極24aと引き出し電極25aとの間には、グランド中継電極26が形成されている。さらに、引き出し電極25aの、グランド中継電極26とは反対側に隣接して、中継電極23eが形成されている。この結果、圧電体層1cの一辺には、中継電極23e、引き出し電極25a、グランド中継電極26、引き出し電極24a、引き出し電極25bが、順に形成されていることになる。さらに、圧電体層1cの表面の、中継電極23eが形成されている部分と対角線上の部分に、中継電極23fが形成されている。そして、圧電体層1bに形成された充填ビアを介して、中継電極23eは中継電極23aに、引き出し電極25aは中継電極23bに、グランド中継電極26は引き出し電極21aに、引き出し電極24aは中継電極23cに、引き出し電極25bは中継電極23dに、中継電極23fはダミー電極22に、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層1dは、上述した圧電体層1bと同じ電極パターンを備えており、圧電体層1dの表面には、グランド電極21、引き出し電極21a、ダミー電極22、中継電極23a、23b、23c、23dが、それぞれ形成されている。そして、圧電体層1cに形成された充填ビアを介して、中継電極23aは中継電極23eに、中継電極23bは引き出し電極25aに、引き出し電極21aはグランド中継電極26に、中継電極23cは引き出し電極24aに、中継電極23dは引き出し電極25bに、ダミー電極22は中継電極23fに、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層1eは、上述した圧電体層1cと同じ電極パターンを備えており、圧電体層1eの表面には、中心電極24、引き出し電極24a、周辺電極25、引き出し電極25a、25b、グランド中継電極26、中継電極23e、23fが、それぞれ形成されている。そして、圧電体層1dに形成された充填ビアを介して、中継電極23eは中継電極23aに、引き出し電極25aは中継電極23bに、グランド中継電極26は引き出し電極21aに、引き出し電極24aは中継電極23cに、引き出し電極25bは中継電極23dに、中継電極23fはダミー電極22に、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層1fは、上述した圧電体層1b、1dと同じ電極パターンを備えており、圧電体層1fの表面には、グランド電極21、引き出し電極21a、ダミー電極22、中継電極23a、23b、23c、23dが、それぞれ形成されている。そして、圧電体層1eに形成された充填ビアを介して、中継電極23aは中継電極23eに、中継電極23bは引き出し電極25aに、引き出し電極21aはグランド中継電極26に、中継電極23cは引き出し電極24aに、中継電極23dは引き出し電極25bに、ダミー電極22は中継電極23fに、それぞれ、接続されている。
そして、次の圧電体層1gの表面には、上述した圧電体層1c、1eと同様に、中心電極24、引き出し電極24a、周辺電極25、引き出し電極25a、25b、グランド中継電極26、中継電極23e、23fが、それぞれ形成されているが、圧電体層1c、1eとは、一部の電極において配置が異なっている(形成されている順番が異なっている)。すなわち、圧電体層1gの一辺においては、引き出し電極25a、引き出し電極24a、グランド中継電極26、引き出し電極25b、中継電極23eが、順に形成されている。そして、圧電体層1fに形成された充填ビアを介して、引き出し電極25aは中継電極23aに、引き出し電極24aは中継電極23bに、グランド中継電極26は引き出し電極21aに、引き出し電極25dは中継電極23cに、中継電極23eは中継電極23dに、中継電極23fはダミー電極22に、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層1hは、上述した圧電体層1b、1d、1fと同じ電極パターンを備えており、圧電体層1hの表面には、グランド電極21、引き出し電極21a、ダミー電極22、中継電極23a、23b、23c、23dが、それぞれ形成されている。そして、圧電体層1gに形成された充填ビアを介して、中継電極23aは引き出し電極25aに、中継電極23bは引き出し電極24aに、引き出し電極21aはグランド中継電極26に、中継電極23cは引き出し電極25bに、中継電極23dは中継電極23eに、ダミー電極22は中継電極23fに、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層1iは、上述した圧電体層1gと同じ電極パターンを備えており、圧電体層1iの表面には、中心電極24、引き出し電極24a、周辺電極25、引き出し電極25a、25b、グランド中継電極26、中継電極23e、23fが、それぞれ形成されている。そして、圧電体層1hに形成された充填ビアを介して、引き出し電極25aは中継電極23aに、引き出し電極24aは中継電極23bに、グランド中継電極26は引き出し電極21aに、引き出し電極25bは中継電極23cに、中継電極23eは中継電極23dに、中継電極23fはダミー電極22に、それぞれ、接続されている。
次の圧電体層1jは、上述した圧電体層1b、1d、1f、1hと同じ電極パターンを備えており、圧電体層1jの表面には、グランド電極21、引き出し電極21a、ダミー電極22、中継電極23a、23b、23c、23dが、それぞれ形成されている。そして、圧電体層1iに形成された充填ビアを介して、中継電極23aは引き出し電極25aに、中継電極23bは引き出し電極24aに、引き出し電極21aはグランド中継電極26に、中継電極23cは引き出し電極25bに、中継電極23dは中継電極23eに、ダミー電極22は中継電極23fに、それぞれ、接続されている。
この結果、圧電体1は、圧電体層1a〜1jの積層方向の中央である、圧電体層1eと1fとの層間面を界にして、上側半分の第1部分1A(圧電体層1a〜1e)に形成された中心電極24が、第4端子14に接続され、下側半分の第2部分1B(圧電体層1f〜1j)に形成された周辺電極25が、第1端子11と、第4端子14とに接続される。また、第1部分1Aに形成された周辺電極25が、第2端子12と、第5端子15とに接続され、第2部分1Bに形成された中心電極24が、第2端子12に接続される。また、圧電体1に形成された全てのグランド電極21が、第3端子13に接続される。さらに、圧電体1に形成された全てのダミー電極22が、ダミー端子16に接続される。
なお、各電極の引き出し方を変更することにより、第1部分1Aに形成された中心電極24を、第2端子12に接続し、第2部分1Bに形成された周辺電極25を、第2端子12と、第5端子15とに接続し、第1部分1Aに形成された周辺電極25を、第1端子11と、第4端子14とに接続し、第2部分1Bに形成された中心電極24を、第4端子14に接続するようにしてもよい。

かかる構造からなる圧電体1は、たとえば、表面に導電ペーストが塗布されて、必要な端子(第1端子11、第2端子12、第3端子13、第4端子14、第5端子15、ダミー端子16)、必要な電極(グランド電極21、引き出し電極21a、ダミー電極22、中心電極24、引き出し電極24a、中継電極23a、23b、23c、23d、23e、23f、周辺電極25、引き出し電極25a、25b、グランド中継電極26)が形成され、また貫通して形成された孔に導電ペーストが充填されて、必要な充填ビアが形成された、圧電体層1a〜1jを形成するための圧電性グリーンシートを作成し、これらを積層し、加圧し、所定のプロファイルで焼成するなどの方法により形成される。
図3(A)、(B)は、圧電素子100の分極工程を示す説明図であり、図3(B)は図3(A)の一点鎖線S‐S部分を示す。なお、図3(B)においては、分極方向をわかり易く示すため、幅方向に対して、高さ方向を拡大して示している。
圧電素子100の分極においては、図3(A)、(B)に示すように、第3端子13をグランドに接続したうえで、第1端子11、第4端子14にプラス電圧、第2端子12、第5端子15にマイナス電圧を印加する。プラス電圧は、たとえば30V〜50Vの範囲から選択され、マイナス電圧は、たとえば−50V〜−30Vの範囲から選択され、印加する時間は、たとえば1秒〜120秒間である。なお、ダミー端子16は、分極工程には用いない。なお、印加するプラス電圧とマイナス電圧とを逆にし、第1端子11、第4端子14にマイナス電圧、第2端子12、第5端子15にプラス電圧を印加するようにしてもよい。
この結果、図3(B)に示すように、圧電素子1を構成する圧電体層1b〜1iは、それぞれ、図中、矢印で示す方向に分極される。なお、最上層の圧電体層1aと最下層の圧電体層1jは分極されない。
図3(B)からわかるように、各圧電体層1b〜1iは、中心部分と周辺部分とにおいて、分極方向が逆になっている。また、第1部分1Aに形成された中心電極24と、第2部分1Bに形成された周辺電極25とが、第1端子11と第4端子14とに接続され、第1部分1Aに形成された周辺電極25と、第2部分1Bに形成された中心電極24とが、第2端子12と第5端子15とに接続されているため、第1部分1Aの圧電体層1b〜1eと、第2部分1Bの圧電体層1f〜1iとにおいて、分極の繰返し順序が異なっている。
このような構造からなり、かつ分極された圧電素子100は、たとえば、圧電ポンプなどの圧電装置の駆動源として用いられる。図4(A)、(B)に、圧電素子100を駆動源に用いた、本発明の第1実施形態にかかる圧電ポンプ200を示す。なお、図4(A)は斜視図、図4(B)は断面図であり、図4(B)は図4(A)の一点鎖線T‐T部分を示す。
圧電ポンプ200は、ポンプ本体31を備える。ポンプ本体31には、中空のポンプ室31aと、ポンプ室31aの上方を開口した開口部31bと、ポンプ室31aにつながる2つの孔31c、31dとが形成されている。
そして、開口部31bは、ダイヤフラム32により塞がれ、ダイヤフラム32に圧電素子100が接着固定されている。
また、孔31cには流入側の逆止弁33が取り付けられ、孔31dには流出側の逆止弁34が取り付けられている。流入側の逆止弁33は、外部からポンプ室31aへの流体の流入は許容するが、逆方向への流出は阻止するように機能する。流出側の逆止弁34は、ポンプ室31aから外部への流体の流出は許容するが、逆方向の流入は阻止するように機能する。
また、ポンプ本体31の上面には、2つの金属端子部材41、42が固定されている。そして、金属端子部材41は圧電素子100の第1端子11と第2端子12とに、金属端子部材42は第3端子13に、それぞれ、導電ペースト、はんだなどの接合材により接続されている。一方、第4端子14と第5端子15とには、金属端子部材は接続されない。(なお、図4(A)においては、接合材の図示を省略している。)。
図5(A)に、金属端子部材41と、第1端子11および第2端子12との接続状態を示す。金属端子部材41は、第1端子11と第2端子12の両方に、部分的に接触している。このとき、金属端子部材41は、第1端子11と第2端子12の充填ビア(図において黒い点で示されているもの)が形成された部分には接触しないことが好ましい。金属端子部材41が充填ビアに接触することに起因して、充填ビア、圧電体1などが破損したり傷ついたりするのを防止するためである。そして、図において、鎖線で囲んだ部分に、導電ペーストなどの接合材が付与されて、第1端子11および第2端子12と金属端子部材41とが接続されている。
図5(B)、(C)に、第1端子11および第2端子12と、金属端子部材41との接続についての変形例を示す。図5(B)に示すように、金属端子部材41は、一方の端子、たとえば、第2端子12とのみ接触するようにし、他方の端子である第1端子11とは、接合材で接続するようにしてもよい。あるいは、図5(C)に示すように、金属端子部材41は、両方の端子、第1端子11および第2端子12のいずれとも接触しないようにし、これらとは接合材で接続するようにしてもよい。
図6(A)〜(C)に、圧電ポンプ200の駆動状態を示す。なお、図6(A)〜(C)は、それぞれ説明図であり、図6(B)、(C)は、図6(A)の圧電素子100の一点鎖線U‐U部分を示す。なお、図6(B)においては、圧電素子100を構成する圧電体層1a〜1jの伸長、収縮をわかり易く示すため、幅方向に対して、高さ方向を拡大して示している。
図6(A)、(B)に示すように、圧電素子100は、圧電ポンプ200を駆動するにあたり、駆動電源である交流電源の一方の端子を、金属端子部材42を経由して第3端子13に接続し、交流電源の他方の端子を、金属端子部材41を経由して第1端子11および第2端子12に接続している。交流電源としては、たとえば、1V〜20Vの交流を発生させるものが用いられる。なお、交流電源は、正弦波を発生させるものには限られず、矩形波などを発生させるものであってもよい。
圧電素子100の圧電体1を構成する圧電体層1a〜1jは、図3(B)に示すように分極されている(ただし、最上層の圧電体層1aと最下層の圧電体層1jは分極されていない)。そのため、交流が印加されると、ある時点において、たとえば、図6(B)の矢印に示すように、部分的に伸長または収縮する。たとえば、この時点においては、圧電体層1b〜1eの中央部は収縮し、その周囲の周辺部は伸長する。一方、圧電体層1f〜1iの中央部は伸長し、その周囲の周辺部は収縮する。この結果、圧電素子100は、図6(C)において斜線矢印で示すように、中央部が下方向に屈曲変位し、周辺部が上方向に屈曲変位する。
そして、交流電源の極性が変わると、圧電素子100は、図6(B)、(C)に示したのとは逆の挙動を示す。すなわち、圧電体層1b〜1eの中央部は伸長し、その周囲の周辺部は収縮し、圧電体層1f〜1iの中央部は収縮し、その周囲の周辺部は伸長する。そして、圧電素子100は、中央部が上方向に屈曲変位し、周辺部が下方向に屈曲変位する。
交流電圧が印加され、圧電素子100が、これらの挙動を繰り返すことにより、図4(A)、(B)に示す圧電ポンプ200は、流体が孔31cからポンプ室31aに流入され、さらに、ポンプ室31aに流入された流体が孔31dから外部に流出される。
本実施形態にかかる圧電素子100は、圧電体1が圧電体層1a〜1jに多層化して構成され、かつ各圧電体層1b〜1iが中心部分と周辺部分とにおいて逆方向に分極されているため、比較的低い電圧で駆動することができ、かつ圧電素子100の中央部で大きな変位量を得ることができる。したがって、圧電素子100を駆動源に用いた、本実施形態にかかる圧電ポンプ200は、小さな消費電力で、効率よく機能する。また、同一の層に形成された中心電極24と周辺電極25とには、常に同電位が印加されるため、両者間でエレクトロマイグレーションが発生することはなく、両者間が短絡することがない。
そして、圧電素子100は、2つの金属端子部材41、42を接続するだけで駆動でき、従来のように3つの金属端子部材を接続しなくてもよいため、実装が容易である。また、圧電素子100を駆動源に用いた圧電ポンプ200も、設計自由度が向上し、製造も容易になっている。
以上、第1実施形態にかかる、圧電素子100、および圧電素子100を駆動源に用いた圧電ポンプ200について説明した。しかしながら、本発明は上記内容に限定されることはなく、発明の主旨に沿って、種々の変更をなすことができる。
たとえば、圧電素子100は、図2などに示すように、第1部分1Aを圧電体層1a〜1eの5層、第2部分1Bも圧電体層1f〜1jの5層で構成しているが、層数はこれらには限られず、層数を増減することができる。たとえば、層数を増やす場合には、第1部分1Aについては、圧電体層1bと圧電体層1cとを組合せにし、所望の組合せ数を、たとえば、圧電体層1aの下に追加すればよく、第2部分1Bについては、圧電体層1fと圧電体層1gとを組合せにし、所望の組合せ数を、たとえば、圧電体層1eの下に追加すればよい。
また、図2に示すように、たとえば、複数の中継電極23a、中継電極23eを、交互に、充填ビアにより積層方向に接続する場合に、充填ビアを、積層方向に透視した場合の同じ位置に重ねて形成するのではなく、図7に示すように、相互にずらして形成してもよい。この場合には、充填ビアが積層方向に連続して形成されることに起因する圧電体1の変形を防止することができる。
また、中継電極の形状、形成位置についても、画一的に同一形状のものを上下に積層するのではなく、図8(A)に示すように、たとえば、矩形の中継電極23g、円形の中継電極23h、矩形の中継電極23i、円形の中継電極23jを積層したり、図8(B)に示すように、ある形状のもの、たとえば、矩形のものを一定の角度ずつ回転させた中継電極23k〜23nを積層したり、図8(C)に示すように、ある形状のもの、たとえば矩形のものを水平方向にずらせた中継電極23o〜23rを積層するようにしてもよい。この場合には、各中継電極を形成することにより発生する段差が、同じ位置に積み重なり、圧電体の表面に大きな段差が発生することを防止することができるため、中継電極を形成したことに起因する圧電体の変形を防止することができる。
また、本実施形態にかかる圧電ポンプ200は、図6(A)、(B)に示すように、駆動電源である交流電源の一方の端子を第3端子13に接続し、交流電源の他方の端子を第1端子11および第2端子12に接続しているが、交流電源の他方の端子は、第1端子11および第2端子12に代えて、第4端子14および第5端子15に接続するようにしてもよい。
さらに、圧電素子100を駆動源に用いる圧電装置は、圧電ポンプには限られず、圧電ブロアや圧電ファンなどであってもよい。
[第2実施形態]
図9に、本発明の第2実施形態にかかる圧電素子300を示す。ただし、図9は斜視図である。
第1実施形態にかかる圧電素子100では、圧電体1の内部において、圧電体層1a〜1iに形成した充填ビアを経由して、層間の電気的接続をおこなっている(図1および図2参照)。
これに対し、第2実施形態にかかる圧電素子300では、図9に示すように、充填ビアに代えて、圧電体1の側面を含んで形成された第1端子51、第2端子52、第3端子53、第4端子54、第5端子55、ダミー端子56を経由して、層間の電気的接続をおこなうようにした。これにともない、図示しないが、各圧電体層に形成された、グランド接続電極、中継電極、引き出し電極は、それぞれ、各圧電体層の辺に接するように形成されている。第2実施形態にかかる圧電素子300の他の構成は、第1実施形態にかかる圧電素子100と同じである。
このように、本発明においては、層間の電気的接続を、充填ビアに代えて、圧電体1の側面に形成された端子を経由しておこなうこともできる。
1:圧電体
1a〜1j:圧電体層
11、51:第1端子
12、52:第2端子
13、53:第3端子
14、54:第4端子
15、55:第5端子
21:グランド電極
21a:引き出し電極
22:ダミー電極
23a〜23r:中継電極
24:中心電極
24a:引き出し電極
25:周辺電極
25a:引き出し電極
26:グランド中継電極
31:ポンプ本体
31a:ポンプ室
31b:開口
31c、31d:孔
32:ダイヤフラム
33、34:逆止弁
41、42:金属端子部材
100、300:圧電素子
200:圧電ポンプ(圧電装置)

Claims (8)

  1. 複数の圧電体層が積層されてなる圧電体と、
    前記圧電体の前記圧電体層の層間に、1層おきに形成された、複数のグランド電極と、
    前記圧電体の前記圧電体層の層間のうち、前記グランド電極が形成されていない層間に、それぞれ、その中央部に形成された、複数の中心電極と、
    前記圧電体の前記圧電体層の層間のうち、前記中心電極が形成された層間に、それぞれ、前記中心電極を囲むように形成された、複数の周辺電極と、を備えた圧電素子であって、
    前記圧電体の表面には、第1端子、第2端子、第3端子、第4端子、第5端子が、順に並んで形成され、
    前記グランド電極が、前記第3端子に引き出されるとともに、
    前記圧電体を、前記圧電体層の積層方向の中央の層間面で2分割し、一方を第1部分、他方を第2部分とした場合に、
    前記第1部分に形成された前記中心電極が、前記第4端子に引き出され、前記第2部分に形成された前記周辺電極が、前記第1端子および前記第4端子に引き出され、前記第1部分に形成された前記周辺電極が、前記第2端子および前記第5端子に引き出され、前記第2部分に形成された前記中心電極が、前記第2端子に引き出されているか、または、前記第1部分に形成された前記中心電極が、前記第2端子に引き出され、前記第2部分に形成された前記周辺電極が、前記第2端子および前記第5端子に引き出され、前記第1部分に形成された前記周辺電極が、前記第1端子および前記第4端子に引き出され、前記第2部分に形成された前記中心電極が、前記第4端子に引き出されている圧電素子。
  2. 前記圧電体を構成する前記圧電体層のうち、前記グランド電極と、前記中心電極および前記周辺電極とで挟まれた圧電体層が、中心部分と周辺部分とにおいて、逆方向に分極されている、請求項1に記載された圧電素子。
  3. 前記圧電体の前記圧電体層の層間相互における電気的接続が、前記圧電体層を貫通して形成された孔に導電性物質を充填して形成された、充填ビアを経由しておこなわれている、請求項1または2に記載された圧電素子。
  4. 前記充填ビアにより、2層以上の前記圧電体層を介して離隔した層間相互において電気的接続をはかるにあたり、隣接する前記圧電体層のそれぞれに形成された前記充填ビアが、前記圧電体層の積層方向に透視した場合に、相互にずらして形成されている、請求項3に記載された圧電素子。
  5. 前記充填ビアにより、隣り合わない層間の電気的接続をはかるにあたり、途中の層間に中継電極が形成され、当該中継電極は、複数からなり、前記圧電体層の積層方向に透視した場合に重なっており、かつ、当該複数の中継電極は、それぞれ、2種以上の形状からそれぞれ選択されて形成されているか、同一形状のものが相互にずらされて形成されているか、同一形状のものが回転されて形成されている、請求項3または4に記載された圧電素子。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載された圧電素子を、駆動源として、圧電装置本体に実装した圧電装置であって、
    交流電源の一方の端子が、前記圧電素子の前記第3端子に接続され、
    前記交流電源の他方の端子が、前記圧電素子の前記第1端子および前記第2端子の両方、または、前記圧電素子の前記第4端子および前記第5端子の両方に接続されている圧電装置。
  7. 前記交流電源の端子と前記第1端子ないし前記第5端子との接続は、金属端子部材を介しておこなわれ、前記第1端子ないし前記第5端子の表面の、前記金属端子部材が接触する部分には、前記充填ビアが形成されていない、請求項6に記載された圧電装置。
  8. 前記圧電装置が圧電ポンプである、請求項6または7に記載された圧電装置。
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