JP5495513B2 - 動物用排泄物処理材 - Google Patents

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Description

本発明は、粒状の動物用排泄物処理材に関し、特に、有機質繊維材料廃棄物粉砕物を含有する粒状芯部及び該粒状芯部の少なくとも一部を覆う被覆層部を備える乾燥被覆粒状物であって、該乾燥被覆粒状物に塩化カルシウム含有活性炭化物を配合した粒状の動物用排泄物処理材に関する。
動物用の粒状の排泄物処理材、特に屋内での粒状の排泄物処理材は、砂、ベントナイト、ゼオライト等の無機質材料や、コーヒー液抽出残渣、茶殻、製紙用パルプ、パルプスラッジなどの有機質廃材に吸水性樹脂を配合して小塊状又は粒状に成形し、製造されている(特許文献1、特許文献2)。
しかし、尿の吸収能力やアンモニア成分の吸収能力については更なる改善が求められているのが、現状である。
一方、塩化ビニルの単独重合体あるいは塩化ビニルを主体とする共重合体などの塩化ビニル系樹脂は、それ自体での優れた耐化学薬品性、耐候性等の特性に加えて、可塑材、無機質充填剤、繊維強化剤等の種々の添加剤と混合することにより、広範囲の物理的、化学的特性を有する高分子材料に変換できるという特性のため、広く応用されてきている。
塩化ビニル系樹脂製品の内、各種パイプや農業用フィルム等は一部再利用されているものの、それ以外の塩化ビニル系樹脂廃材については、粉砕されて埋立処理されることが圧倒的に多かった。その理由の一つには、塩化ビニル系樹脂廃材の燃焼に際して、腐食性の塩化水素ガスが発生して燃焼炉を損傷しがちであり、場合によりダイオキシン等の含塩素有害物の発生のおそれもあるという問題がある。
しかしながら、塩化ビニル系樹脂廃材を含むプラスチック廃材の埋立処理は埋立地の制約ならびに土地の劣質化の問題があり、できるだけ避けることが望ましい。
そこで、埋立処理に回る塩化ビニル系樹脂廃材の量を減少させ、有効利用する方法として、ある種の塩化ビニル系樹脂廃材を原料として、カルシウム成分が除去された活性炭等としても有用な、粉粒状炭化物を効率的に製造する方法が提案されているが(特許文献3)、塩化カルシウム成分の除去コスト、塩化ビニル系樹脂廃材の処理量の増加に伴う、その炭化物等の有効利用の開発が緊急の課題となっている現状である。
特開平6−315330号公報 特開平6−237661号公報 特開2005−206423号公報
これまでにも、排尿時のアンモニア臭の発生を抑制する目的で、粒状動物用排泄物処理材に活性炭を配合することも提案されている。しかし、単に活性炭を配合するのみでは、吸水能力が不足し、さらに、アンモニア臭の発生を抑制する点でも十分なものではなく、アンモニア臭の除去、十分な吸水能力の維持の点で満足できる粒状の動物用排泄物処理材はこれまで得られていなかった。
本発明は、特殊な炭化物を粒状の動物用排泄物処理材、特にその処理材の粒状芯部に配合することにより、上記の問題点を解決することを目的としている。
本発明者らは、粒状の動物用排泄物処理材について、アンモニア臭の除去、十分な吸水能力の維持の観点から種々研究を重ねた結果、塩化カルシウムを含有する特殊な活性炭化物を使用することにより、上記の問題点を解消でき、優れた性能を有する粒状の動物用排泄物処理材が得られることを見出した。
上記塩化カルシウムを含有する特殊な活性炭化物は、炭酸カルシウムを含む建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材を、不活性なガス雰囲気下で550〜800℃で加熱処理を実施することにより製造することができる。
さらに、本発明者らは、上記の塩化カルシウムを含有する特殊な活性炭化物が微生物の増殖抑制効果も有することを発見した。
本発明者らは、これらの発見に基づき、アンモニア臭の除去効果、微生物の増殖抑制効果、十分な吸水性能等を有する粒状の動物用排泄物処理材を完成させたものである。
本発明は、アンモニア臭の除去効果、十分な吸水性能を有する粒状の動物用排泄物処理材を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
(1)有機質繊維材料廃棄物及粉砕物及び接着性を有する材料を含有する粒状芯部並びに該粒状芯部の少なくとも一部を覆い接着性を有する材料を含有する被覆層部を備える乾燥被覆粒状物であって、該乾燥被覆粒状物に塩化カルシウム含有活性炭化物を配合したことを特徴とする粒状の動物用排泄物処理材。
(2)前記塩化カルシウム含有活性炭化物を乾燥被覆粒状物の粒状芯部及び/又は被覆層部に配合したことを特徴とする上記(1)に記載の粒状の動物用排泄物処理材。
(3)前記塩化カルシウム含有活性炭化物が、建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材を加熱、炭化処理して得られるものであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の粒状の動物用排泄物処理材。
(4)前記塩化カルシウム含有活性炭化物において、塩化カルシウムの含有量が30〜60質量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の粒状の動物用排泄物処理材。
(5)前記塩化カルシウム含有活性炭化物の配合量が、乾燥被覆粒状物全体に対し5〜75質量%配合されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粒状の動物用排泄物処理材。
(6)前記接着性を有する材料が、接着剤及び/又は吸水性樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粒状の動物用排泄物処理材。
(7)前記接着性を有する材料が、100マイクロメートル以下の粒度の吸水性樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粒状の動物用排泄物処理材。(8)前記有機質繊維材料廃棄物粉砕物が、衛生用品廃材粉砕物若しくはプラスチック廃材粉砕物又はプラスチック廃材粉砕物及び衛生用品廃材粉砕物であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の粒状の動物用排泄物処理材。
本発明において、粒状の動物用排泄物処理材は、吸着剤として塩化カルシウム含有活性炭化物を使用することにより、吸水性とともに除湿効果も有し、アンモニア臭の除去効果、微生物の増殖を抑制する効果を発揮する。
さらに、一般に、建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材等の塩化ビニル系樹脂廃材は、粉砕されて埋め立て処理されることが多かったが、本発明によると、従来、再使用されずに埋め立て処理されていた建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材を塩化カルシウム含有活性炭化物とし、該活性炭化物を粒状の動物用排泄物処理材の原料として、有効に活用することができ、しかも、この活性炭化物の配合により、適度に除湿機能を有し、吸水性、アンモニア臭の除去能力、微生物の増殖抑制能力を有する安定した廉価な粒状の動物用排泄物処理材を提供することができる。
本発明において、粒状の動物用排泄物処理材は、塩化カルシウム含有活性炭化物、有機質繊維材料廃棄物粉砕物、前記有機質繊維材料廃棄物粉砕物より少量の接着性を有する材料及び必要に応じ殺菌作用を有する物質を含有して、1ミリメートル以上の粒度を有する粒状芯部を形成し、この粒状芯部の少なくとも一部表面を覆う、紙粉及び接着性を有する材料を含有する被覆層部を備えた乾燥被覆粒状物が形成される。
本発明において、排泄物処理材の表面に形成される被覆層部は、排泄に使用された後に、排泄物を吸収し排泄物処理材の粒子相互が付着又は結着して、塊状物を形成させるために設けられるものである。
〈塩化カルシウム含有活性炭化物の製造〉
本発明において、配合剤として使用される塩化カルシウム含有活性炭化物は、以下の特許願2007−332497に記載された製造方法で製造するのが好ましい。
すなわち、本発明で、原料として使用する建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材は、塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、光遮蔽材及び炭酸カルシウムを含む樹脂塑性物を裏紙(ベース紙)に塗布して得られる塩化ビニル系壁紙の廃材である。
このような建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材の代表的な組成例としては、質量基準で、塩化ビニル系樹脂(塩化ビニルの単独重合体および/または塩化ビニルを主体とする共重合体)20〜40%、可塑剤10〜20%、安定剤1〜2%、光遮蔽材2〜10%、炭酸カルシウム15〜35%、裏紙20〜30%である。
次に、建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材は、必要に応じて、好ましくは破片の長径が60mm以下となるように寸法調整し、回転炉、固定床炉、又は流動床炉等を使用して、550〜800℃、好ましくは550〜700℃、より好ましくは600〜700℃の温度で加熱処理される。
その際の雰囲気は窒素ガス等の実質的に不活性ガス雰囲気とするが、2容量%以下であれば酸素の混入は許容できる。処理時間は、熱伝導の速度に依存するが、一般的には1〜2時間であり、炭化物の温度が設定温度に到達した時点で加熱処理を終了させ、目的とする活性炭化物を得ることができる。
ここで、上記加熱処理の際の反応について説明する。
加熱炉に装入された廃材が200℃から350℃に加熱されると、廃材中の塩化ビニル樹脂から塩化水素が脱離する。脱離した塩化水素は廃材中の炭酸カルシウムと反応して、水溶性の塩化カルシウムとなって固定される。塩化水素が脱離した塩化ビニル樹脂由来のピッチ状物質は、可塑剤とともに溶融して裏紙に含浸し一体化する。
さらに、300℃から500℃にかけては熱分解と縮重合が進行し、最終的に550〜800℃の範囲で粉粒状の炭化物となる。この炭化物には、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタンなどの無機物が残留する。
この炭化処理は、1回の加熱処理のみで実施することができ、この処理物を室温まで冷却することにより活性炭化物が得られる。
上記のようにして得られる活性炭化物の代表的な性状を挙げると粒径が15mm以下の粉粒体状であり、塩化カルシウム含有活性炭化物中での塩化カルシウムの含有量は、アンモニア吸着の観点からは30〜60質量%の範囲が好適である。
上記の方法で得られた塩化カルシウム含有活性炭化物の本発明処理材への配合量は、乾燥被覆粒状物全体に対し5〜75質量%配合されていることが好ましく、該範囲であれば吸水性、アンモニア臭除去及び微生物の増殖抑制効果が達成できる。
〈粒状の動物用排泄物処理材の製造〉
本発明で使用する有機質繊維材料廃棄物粉砕物は、壁紙廃材粉砕物、薄葉紙廃材粉砕物
、衛生用紙廃材粉砕物、トイレットペーパー廃材粉砕物、ティッシュペーパー廃材粉砕物、化粧紙廃材粉砕物、ちり紙廃材粉砕物、紙綿廃材粉砕物、紙タオル廃材粉砕物、紙おむつ廃材粉砕物、動物用紙おむつ廃材粉砕物、生理用ナプキン廃材粉砕物、汗パッド廃材粉砕物、尿パッド廃材粉砕物、便座シート廃材粉砕物、新聞紙屑粉砕物、雑誌屑粉砕物、バフ粉、機械パルプ廃材、化学パルプ廃材、セミケミカルパルプ廃材、綿状パルプ廃材、木材パルプ廃材、古紙パルプの粉砕物、紙粉、フラッフパルプ、吸水性繊維廃材、不織布廃材、吸水性樹脂を含む紙粉、製本時に発生する紙粉、不織布製造時に発生する紙粉、製紙工程において発生する紙粉若しくは衛生材料製造時に発生する紙粉、ラミネート紙廃材粉砕物、ラミネート紙の印刷屑、ラミネート紙の端屑、ダンボール屑、新聞屑、製紙スラッジ、パルプスラッジ、たばこフィルター規格外品、たばこ用包装紙規格外品、合成樹脂繊維廃材粉砕物、木材屑粉砕物、鉋屑粉砕物、木粉、家屋の解体材粉砕物、新築廃材粉砕物、チタン紙廃材粉砕物、焙煎コーヒー豆の抽出残渣、茶殻、野菜屑、焼酎滓、使用済み切符粉砕物若しくはパンチ屑、又はこれら二以上を含む混合物とすることができる。本発明において、廃材は、規格外の製品若しくは汚れの付着等による不良品又は使用済みの廃棄物を意味する。屑は用途に用いられ又は廃品として廃棄された廃棄物を意味する。
本発明では、造粒物が崩壊しないように、造粒物には接着性を有する材料が混合される。その接着性を有する材料としては、接着剤若しくは吸水性樹脂又はこれら二以上の混合物が使用される。吸水性樹脂としては、100マイクロメートル以下の粒度のものが好ましく用いられる。
具体的には、例えばα澱粉等の糊剤やポリアクリル酸ナトリウム等の高吸水性樹脂がある。このような接着性を有する材料として機能する糊剤等の接着性を有する材料としては、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉、デキストリン、各α化した澱粉などの澱粉類、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース又はアルギン酸ナトリウムを使用することができ、又はこれら二以上を組み合わせて使用することができる。また、その他の接着性を有する材料としては、高吸水性樹脂、ビニルエステル、ベントナイト、プルラン、カゼイン又はゼラチンなどがあり、これらは、単独で使用されるか、又はこれら2種以上を混合して使用される。
また、アルコール溶解性の接着性を有する材料としては、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はポリビニルピロリドン(PVP)などがあり、この場合も同様に、単独で使用されるか、又はこれら2種以上を混合して使用することができる。ゼラチン等のゲル化剤及びポリビニルアルコールは、5ミリメートル以下の粒度の被造粒材料の粒子のしっかりした造粒物を形成できるので好ましい。本発明において、接着性を有する材料として、ローストビンガム,タラガム、グアーガム又はキサンタンガムなどの増粘剤がある。これら増粘剤は、単独で又は吸水性樹脂又は接着性を有する材料又は吸水性樹脂及び接着性を有する材料と共に接着性を有する材料として使用することができる。
本発明では、被造粒組成物に接着性を有する材料を含有させているので、比較的短時間で硬い造粒物とすることができる。この場合、被造粒組成物に対し接着性を有する材料の量は、1〜10質量%の範囲内の量で混合することができる。この場合、接着性を有する材料は、有機質繊維材料廃棄物粉砕物の量に応じて、上記の範囲内で増減させることができる。
このように接着性を有する材料を造粒用の組成物に含有させる場合、接着性を有する材料の含有量が多いほど硬い造粒物とすることができる。接着性を有する材料が吸水性樹脂であるときは、吸水性樹脂は、吸水して膨張する性質を有するので、吸水して粒子の崩壊を避けるために、粒状物に含まれる吸水性樹脂の量を少なくするのが好ましく、吸水性樹脂の配合割合は、例えば、前記造粒用の組成物に対し、5質量%以下とされるが、1質量%以下とするのが好ましい。
本発明では、塩化カルシウム含有活性炭化物が微生物増殖抑制効果を有するので、殺菌作用を有する物質の配合は必ずしも必要ではないが、必要に応じ、黴の発生を防止して、長期間に亙って保存することができるように、粒状物中に、殺菌作用を有する物質を加えることもできる。
この場合、殺菌作用を有する物質としては、殺菌剤、防黴剤若しくは防腐剤又は殺菌剤、防黴剤及び防腐剤の中の二以上の混合物がある。このような殺菌作用を有する物質は、例えば、食品の保存及び殺菌に使用される食品用の保存料及び殺菌料であるのが好ましい。
このような殺菌作用を有する物質としては、例えば、有機酸、ソルビン酸又はその塩、プロピオン酸又はその塩、ヒノキチオール並びに安息香酸又はその塩などの殺菌剤、防腐剤及び防黴剤を使用することができ、この他に抗菌剤を使用することができる。具体的には、以上の他に、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル若しくは食塩、又はこれら2種以上の混合物がある。
本発明において、造粒物又は被覆粒状物が衛生的に安全なものであり、又は、触って、さらさらした感触を与えるものであり、さらに、黴や不快な臭いを発生しないものとするために、造粒物又は被覆粒状物は、水分が12質量%以下、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは、8質量%以下になるように乾燥されるのが好ましい。この乾燥された造粒物又は被覆粒状物は、粉塵等を発生させないために、造粒物又は被覆粒状物用の造粒物は1ミリメートル以上の粒度を有する粒状物に形成されるのが好ましい。
本発明の粒状の動物用排泄物処理材は、粒状芯部に弱い吸水性を保有させて、排泄物処理材の吸水を主として被覆層部で行わせ、排泄物処理材の保水を、主として粒状芯部で行わせることができる。この場合、被覆層部に吸水性樹脂を配合した被覆粒状物の粒状の排泄物処理材は、排泄時に濡れ、互いに接する濡れた被覆粒状物の粒子同士は、吸水性樹脂を介して接着して凝塊を形成する。このとき、被覆層部における吸水性樹脂の含有量が5質量%以下であると、排泄時に濡れて形成された排泄物処理材粒子の接着により形成された凝塊であっても水中で分散させることができる。また、芯部において吸水性樹脂を使用しないか、又は使用しても、吸水性樹脂の量を少なくすると、吸水時における芯部の膨潤による体積の増加を少なくでき、造粒物の破壊及び凝塊の破壊を避けることができるので好ましい。
被覆層部において、吸水性樹脂は、その一部を糊剤その他の接着剤等の接着性を有する材料で代えることができる。被覆層部の吸水性樹脂含有量を少なくし糊剤等の水溶性又は親水性の接着剤の量を多くすると、濡れたときの粒状の排泄物処理材の粒子相互の接着を強くし、接着後の水中での分散機能を大きくすることができる。
本発明において、吸水性樹脂は、乾式又は湿式の分級処理により分離された吸水性樹脂に富む分離産物を使用することができる。この場合、乾式処理により分離された吸水性樹脂に富む分離産物は、湿式処理により分離された吸水性樹脂に富む分離産物に比して、吸水能が損なわれずに保有されるので、使用する上で好ましい。
粒状の芯部内に水溶性の接着材が含有されているときは、該芯部表面を水で濡らすと、該芯部内の接着材が表面に拡散して被覆層部の紙粉を芯部表面に接着させることとなって被覆層の被着を安定させ、乾燥後の被覆層の剥離を防止することができるので好ましい。
本発明において、造粒用組成物には、造粒に先立って造粒に必要な水が混合される。造粒は、例えば、比較的高水分で造粒するスクリュー式押出し造粒装置、比較的低水分で造
粒するディスクペレッター等のディスク型押出し造粒装置、ロール式押出し造粒装置又はラム式押出し造粒装置により造粒することができる。スクリュー式押し出し造粒装置により造粒する場合は、造粒用組成物には、25乃至50質量%の水が含有されるように水が混合されるが、ディスクペレッター等のディスク型押出し造粒装置やロール式押し出し造粒装置により造粒する場合は、造粒用組成物には、その10乃至25質量%の水を含有させることで充分である。
造粒に必要な水は、被造粒組成物に外部から水を添加して行われるが、含水吸水性樹脂を使用することもでき、その場合には、含水吸水性樹脂に含有されている水の分だけ、被造粒混合物への外部からの水の供給量を減らすことができる。
このような含水吸水性樹脂を含有した被造粒混合物は、含水吸水性樹脂が押出し造粒工程における潤滑剤として機能し、また、該含水吸水性樹脂は、脱水後の吸水能により、粒状の排泄物処理材中で吸水機能及び/又は保水機能を発揮するので好ましい。
本発明において、粒状の排泄物処理材の吸水能力及び保水能力を大きくする場合には、含水吸水性樹脂の他に吸水性樹脂を芯部に配合することができる。
造粒用組成物に含有させる吸水性樹脂は造粒時に潤滑作用を発揮するが、含水吸水性樹脂に含有される吸水性樹脂も潤滑作用を発揮するので、造粒用組成物の吸水性樹脂の含有量は、潤滑作用を行うように、例えば、造粒用組成物に対して1質量%以下、好ましくは、0.1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下とすることができる。
このように、芯部における吸水性樹脂の配合量が少ない粒状の排泄物処理材は、排泄時に濡れて粒子の被覆層部で相互が接着して凝塊を形成した場合、排泄時に濡れても、芯部の膨潤が小さいために、排泄物処理材粒子の形状が安定し、これにより安定した凝塊を形成できるので好ましい。
本発明において、衛生用品の廃材から回収される吸水性樹脂は、不良品の衛生用品や衛生用品の製造工程から排出される衛生用品の裁断屑等の廃棄物から、まず、プラスチックを分離し、次いで、乾式分級処理によりパルプと分離されたものであり、少量のプラスチック及びパルプを含み、乾式で分離されるために吸水能は損なわれておらず、粒状の排泄物処理材の素材として好ましい。
本発明において、粒状の排泄物処理材が使用時に尿等で濡れた粒子同士を付着させて塊状とさせるために、尿等で濡れて付着し合うような性質を有する被覆層部を、造粒物の表面の少なくとも一部を覆って形成する。このような被覆層部は、従来の粒状の排泄物処理材において、尿等で濡れて付着し合うような性質を有する表面層を形成する材料により形成することができる。
本発明においては、このような表面層と同等の被覆層部を形成するために、被覆材料として、吸水性樹脂及び/又は接着性を有する材料が使用され、紙粉と共に使用される。
本発明において、粒状の排泄物処理材の被覆層部は、被覆層部に混合された着色されている紙粉により着色することができる。このように粒状の排泄物処理材が着色されると、顔料や染料が、定着等により紙粉に固定又は結合されて、紙粉から容易に溶出しなくなるので、使用時に濡れた粒状の排泄物処理材に、動物や人が接触しても処理材の色が付くことがなくなり、手足の汚れがなくなる。
本発明において、被覆組成物は、紙粉、着色されている紙粉及び接着性を有する材料を包含する。ここで、被覆組成物に使用される紙粉としては、衛生用紙の製造工程から排出される規格外の衛生用紙廃材又は衛生用紙の裁断屑などがある。
このような被覆組成物に使用される紙粉は、薄葉紙、薄葉紙廃材、衛生用紙、衛生用紙廃材、トイレットペーパー用紙、トイレットペーパー廃材、ティッシュペーパー用紙、ティッシュペーパー廃材、化粧紙用紙、化粧紙廃材、ちり紙用紙、ちり紙廃材、紙綿、紙綿
廃材、紙タオル、紙タオル廃材、便座シート廃材、新聞用紙、新聞紙屑、雑誌屑、バフ粉、機械パルプ、機械パルプ廃材、化学パルプ、化学パルプ廃材、セミケミカルパルプ、セミケミカルパルプ廃材、綿状パルプ、綿状パルプ廃材、木材パルプ、木材パルプ廃材、古紙パルプ、セルロース系再生繊維、セルロース系再生繊維廃材、セルロース系半合成繊維、セルロース系半合成繊維廃材、パルプ、吸水性繊維廃材、パルプ廃材、綿、綿廃材、合成繊維若しくは合成繊維廃材の粉砕物、又はフラッフパルプ、吸水性樹脂を含む紙粉、製本時に発生する紙粉、不織布製造時に発生する紙粉、製紙工程において発生する紙粉若しくは衛生材料製造時に発生する紙粉又はこれら二以上の粉砕物の混合物などがある。
これらは何れも、0.5ミリメートル以下の粒度、好ましくは、0.35ミリメートル以下の粒度、さらに好ましくは0.25ミリメートル以下の粒度、さらに好ましくは0.1ミリメートル以下の粒度の粉状物に粉砕されて芯部又は被覆層部の形成に使用される。着色されている紙粉は、紙粉を形成する紙粉の原料を、着色した後に粉砕して作ることができ、また、紙粉を着色して作ることができる。前記の被覆組成物に使用される紙粉は、有機質材料として芯部にも使用可能である。
本発明において、造粒された粒状物粒子に含まれる有機質材料の固有の色調を隠すために、又は、造粒された粒状物粒子の色調を整えて、外観を良くするために、顔料や染料等の着色性物質で着色されている紙粉を配合した被覆組成物を、造粒により形成された粒状物の上に散布等により付着させて、芯部を形成する造粒された粒子の上に被覆層部を形成することができる。
被覆層部を形成する場合、着色されている紙粉の使用量は、着色が不均一にならない量であり、例えば、濃い着色を希望するときは、被覆組成物中の着色されている紙粉の含有率は20質量%乃至10質量%とすることができるが、着色されている紙粉は、他の素材に比して高価であるから、芯部の色を隠す程度で使用することが好ましい。被覆組成物中の着色されている紙粉の含有率は、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、よりに好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下とすることができる。赤、茶、緑及び青等の色の場合は比較的少ない量で足りる。本発明においては、造粒された粒状物を均一に着色するために、予め着色されている紙粉を配合した被覆組成物により、有色の造粒物を被覆して、着色されている紙粉の配合量を求めておくのが好ましい。
着色されている紙粉の粒度は、粉砕コストの許す限りで、細かい方が、着色した色の均一化が行われるので好ましい。例えば、被覆組成物中の着色されている紙粉の粒度は、0.35mm以下の粒度とすることが好ましく、また、0.25mm以下の粒度とするのがより好ましく、0.1mm以下の粒度とするのがさらに好ましい。
本発明において、粒状の排泄物処理材は、5ミリメートル以下の粒度のプラスチック材料の粉体又は有機質材料廃棄物の粉体を含む造粒物表面が、被覆層部又は着色された被覆層部で覆われているので、プラスチック材料の粉体及び/又は有機質材料廃棄物の粉体に特有の薄茶等の色を隠すことができ、粒状の排泄物処理材の使用時における、例えば室内の調度との調和、衛生感、使用者の好み及び色彩雰囲気等に
応じることが可能なり、また、粒状の排泄物処理材の多色化を可能にすることができる。
本発明において、造粒により形成された粒子は造粒時の水分を含有しており、被覆組成物は、その表面に散布等により供給されて、粒状物の表面に付着して被覆層部を形成する。
本発明において、造粒により形成された粒状物への被覆組成物の散布により、被覆材料中に含まれている着色されている紙粉は、造粒により形成された粒子表面に付着して、粒状の排泄物処理材を望む色調に均一に着色する。本発明において、造粒された粒状物は、被造粒混合物の素材の有機質材料の色調を有するが、該造粒された粒状物を、前記素材が本来有する色調とは異なる色調に着色されている紙粉を含有する被覆組成物で被覆すると
、造粒された粒子は、前記造粒物の素材が本来有する色調とは異なる色調を有する着色されている紙粉により着色されるので、造粒物の素材とは異なる色調に着色することができる。したがって、粒状の排泄物処理材の色調を、例えば、青色及びその他使用時に周囲の環境に馴染む色調、又は顧客の好みの色調にすることができる。
本発明において、着色されている紙粉は、例えば、顔料又は染料その他の着色剤で着色されており、紙粉及び吸水性樹脂と混合して被覆組成物を形成する。本発明において、被覆組成物により形成される被覆層部は、粒状の排泄物処理材の外層部を形成するものであって、粒状の排泄物処理材が尿で濡れたときに、粒状の排泄物処理材の粒子同士を結合する作用を有するものである。本発明において、粒状の排泄物処理材の粒子が、夫々の被覆層部を介して、互いが容易に結着するように、例えば、接着機能を有する物質、即ち接着性を有する材料を、被覆組成物に配合することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の態様の例を説明するが、本発明は、以下の説明及び例示によって何等制限されるものではない。
図1は、本発明の一実施例の粒状の動物用排泄物処理材を製造する工程の概略を示す工程図である。
図1に基づいて説明すると、本願の製造ラインの前半は、粒状芯部(コア部)を形成するラインと被覆層部(コーティング部)のラインとの2つのラインに分かれ、(17)以降で1つの製造ラインとなる。
(10)と(11)からコア部原材料を投入し、(A)、(B)の破砕機、粉砕機でスクリーン目30mm粉砕する。
(C)は紙おむつの分級機で、紙おむつを(10)から投入するときは、(A)のラインを通って(C)の分級ラインに入り、プラスチックを主とする材料、フラッフパルプ及び高吸水性樹脂材料に分級される。有機質繊維材料廃棄物の原料に紙おむつを使用する場合は、コア部に上記プラスチックを主とする材料を用い、上記フラッフパルプ及び高吸水性樹脂材料は後で加工され、コーティング部に使用される。
(A)と(B)で30mmスクリーン目を通った材料は(12)のミキサーに入る。
(12)のミキサーに、(13)の材料ホッパーから、粉砕されている材料と潤滑剤とが入り、(12)のミキサーでコア部材料が混合されて、(15)の押出し造粒部に送られる。
(14)は加水装置で、材料に水分を加えて押出し造粒し易いように加水され、(15)から出た造粒物は、(16)の加水篩機ラインで水分調整されて、(17)〜(20)のコーティング部に送られる。(17)では、(16)から造粒物の導入に合わせて、(1)〜(8)からコーティング材料が送られてくる。
(1)〜(8)のコーティングラインでは、(1)と(2)でスクリーン目(0.3mm)を通して粉砕された紙粉が(8)のミキサー部に送られ、(3)〜(6)のコーティング材料が一定の配合比で(7)のミキサー部で混合された後、(8)のミキサー部に送られ、そこで、さらに、紙粉と混合された後(17)に一定量供給される。
(17)〜(20)で、コア部にコーティング材料が被覆されて(21)の篩機で製品検査基準に調整された後、乾燥機(22)に送られて水分調整され、(23)、(24)の製品ホッパーを経て、(25)の篩機で再度製品検査を行い、(26)の袋詰め機で商品化される。
例1.
本例において、塩化カルシウム含有活性炭化物として、炭酸カルシウムを含む建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材を加熱、炭化処理して得られるものを用いた。
一般的な塩化ビニル系壁紙は、塩化ビニル系樹脂層及び紙層がそれぞれ0.5mm程度、0.1mm程度の厚さを有し、その質量基準の組成は以下のとおりである。
塩化ビニル系ポリマー 20〜40%
可塑剤 10〜20%
安定剤 1〜2%
光遮蔽材 2〜10%
炭酸カルシウム 15〜35%
裏紙 20〜30%
本例の原料としては、塩化ビニル系樹脂31質量%、炭酸カルシウム23質量%等を含む建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材を30mm以下に粉砕したものを外熱式回転炉(内容積:15リットル、材質:SUS316、LPGバーナー加熱)を用い、前記原料0.5kgを予め窒素で置換した炉に投入し炉内の対象物の温度が600℃になるまで加熱した。所定温度に到達するまで、2時間を要した。その後、加熱を停止、炉外より空冷し、室温まで冷却後、内容物を回収して、15mm以下の粉粒状の活性炭化物0.22kgを得た。
ここで得られた塩化カルシウム含有活性炭化物の質量組成は以下のとおりであるが、熱処理時の状況や原料の壁紙の相違により、塩化カルシウム含有量等その組成比は多少変動する。
また、塩化カルシウム含有活性炭化物中での塩化カルシウムの含有量は、アンモニア吸着の観点からは30〜60質量%の範囲が好適である。
炭化物 29%
塩化カルシウム 42%
二酸化チタン 13%
炭酸カルシウム 14%
その他無機物質 2%
例2.
図1に示す粒状の排泄物処理材製造装置を使用して、塩化カルシウム含有活性炭化物として、例1で製造された炭化物を使用した。
〈粒状芯部(コア部)の製造〉
塩化カルシウム含有活性炭化物44.6質量部、壁紙廃材粉砕物(スクリーン目3mm粉砕)51.8質量部、接着材としてポリアクリル酸ナトリウム3.6質量部及び水を23.5重量部を混合槽に加えて混合して被造粒用混合物を製造した。混合物の水分含有率は約19質量%であった。この被造粒用混合物を、ディスク型押出し式造粒装置のディスクペレッター(株式会社ダルトン社製)に供給し、厚さ25mmで口径が4mmのダイスを通して回転ロールにより押し出し、直径が4mmで長さが10mmの粒子(水分含有率約19質量%)に造粒した。押出し造粒された円柱状の造粒物は、上段の篩の目開きが10mmで、下段の篩の目開きが4mmの円型篩分け装置(株式会社ダルトン社製)の上段篩上に供給され、10mm以上の粒度の粒子及び4mm以下の粒度の粒子が篩分けにより除去された。ここで除去された10mm以上の粒度の粒子及び4mm以下の粒度の粒子は、混合槽の貯槽に送られ再度造粒に供された。篩分けにより10mm以上の粒度の粒子及び4mm以下の粒度の粒子が除去された造粒物を、円型篩分け装置(株式会社ダルトン社製)に供給し、その篩(篩の目開き:2mm)上で造粒物に水を噴霧した。水が噴霧された造粒物は、水分含有率が約22〜24質量%であり、ベルトコンベヤにより、円型コーティング装置(株式会社ダルトン社製)の振動板上に供給された。
〈被覆層部(コーティング部)の製造〉
本例においては、被覆組成物として以下の組成を有するものを使用し、紙粉以外は粉砕
粒度50mmアンダーで混合粉砕した。
紙粉(スクリーン目0.35mm粉砕) 58.8質量部
ポリアクリル酸ナトリウム 17.6質量部
カルボキシメチルセルロース 5.9質量部
ポリアクリルアミド 11.8質量部
タピオカ澱粉 5.9質量部
円型コーティング装置において、造粒物83質量部(乾燥ベース)に対し、被覆組成物が17質量部(乾燥ベース)となるように被覆組成物を散布した。本例においては、被覆組成物によるコーティング工程は8基の円型コーティング装置を直列に配置して行った。
このように、8基の円型コーティング装置を直列に配置することにより、被覆部に配合された接着機能を有する物質が表面に拡散して、被覆組成物の被着が確実なものとすることができる。本例において、最終のコーティング工程において、被覆粒状物の表面の毛羽立ちを抑えるために、コーティング処理された被覆粒状物に水が噴霧された。水が噴霧された被覆粒状物は、熱風乾燥装置に送られ、水分含有率が10質量%以下になるまで、100℃以上の温度で熱風乾燥された。熱風乾燥された乾燥被覆粒状物は、一時商品ホッパーに入れられて、室温にまで熱調整された。室温に熱調整された乾燥被覆粒状物は、商品規格に合うように、上段の篩の目開きが10mmで、下段の篩の目開きが4mmの円型篩分け装置(株式会社ダルトン社製)の上段篩上に供給され、商品規格に適するように、比較的大きい粒子及び細かい粒子を篩分けて分離し、主として、直径4.2mm、長さ10mmの粒子を集めて、包装装置に送られて袋詰めして、猫のトイレ用の砂とした。
本例で作製された猫のトイレ用の砂300gを、湿度85%の状態で5日間放置した後、その質量を測定したところ303gとなっており、本例の猫のトイレ用の砂が吸湿性を有するものであることが確認できた。
更に、上記吸湿後の猫のトイレ用の砂に対して、室内において、35℃の温度で20倍に希釈したアンモニア水50mlを加えたが、非常に吸水性及び脱臭性が良好であり、室内にアンモニア臭を感じなかった。
また、従来の猫のトイレ用の砂と同様に結着して固まり、濡れている箇所の識別が容易であった。
この猫のトイレ用の砂を市販の猫用トイレ(W430×D310×H135)に深さ7cmになるように敷き、猫でテストした。猫は慣れるにつれて、問題なく排尿及び排便をするようになった。使用後は、尿で濡れた部分を廃棄するのも簡単であり、部屋には尿の臭いが殆ど感じられなかった。
例3.
例2の事例において、コア部、コーティング部の組成をそれぞれ以下のとおりに変更した以外は例2のとおりに実施した。
〈コア部の製造〉
塩化カルシウム含有活性炭化物 60.2質量部
紙おむつ分級後粉砕物(スクリーン目3mm粉砕) 39.8質量部
〈コーティング部の製造〉
紙粉(スクリーン目0.30mm粉砕) 52.9質量部
ポリアクリル酸ナトリウム 17.6質量部
ポリアクリルアミド 11.8質量部
デキストリン 5.9質量部
タピオカ澱粉 11.8質量部
上記材料のうち、紙粉以外のポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、デキストリン及びタピオカ澱粉は粉砕粒度40μmアンダーで混合粉砕を行なった。
本例で作製された猫のトイレ用の砂300gを、湿度85%の状態で5日間放置した後、その質量を測定したところ304gとなっており、本例の猫のトイレ用の砂が吸湿性を有するものであることが確認できた。
更に、上記吸湿後の猫のトイレ用の砂に対して、室内において、35℃の温度で20倍に希釈したアンモニア水50mlを加えたが、非常に吸水性及び脱臭性が良好であり、室内にアンモニア臭を感じなかった。
また、従来の猫のトイレ用の砂と同様に結着して固まり、濡れている箇所の識別が容易であった。
この猫のトイレ用の砂を市販の猫用トイレ(W430×D310×H135)に深さ7cmになるように敷き、猫でテストした。猫は慣れるにつれて、問題なく排尿及び排便をするようになった。使用後は、尿で濡れた部分を廃棄するのも簡単であり、部屋には尿の臭いが殆ど感じられなかった。
例4.
例2の事例において、コア部、コーティング部の組成をそれぞれ以下のとおりに変更した以外は例2のとおりに実施した。
〈コア部の製造〉
塩化カルシウム含有活性炭化物 72.3質量部
印刷工場発生パフ粉(スクリーン目3mm粉砕) 6.0質量部
綿布(スクリーン目4mm粉砕) 3.6質量部
ポリエステル系糸くず (スクリーン目3mm粉砕) 6.0質量部
紙おむつ分級後粉砕物(スクリーン目3mm粉砕) 12.1質量部
〈コーティング部の製造〉
紙粉(スクリーン目0.30mm粉砕) 35.3質量部
綿糸糸くず粉砕物(スクリーン目0.30mm粉砕) 17.7質量部
ポリアクリル酸ナトリウム 17.6質量部
カルボキシメチルセルロース 17.6質量部
馬鈴薯澱粉 11.8質量部
上記材料のうち、紙粉及び綿糸糸くず粉砕物以外のポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、馬鈴薯澱粉は粉砕粒度30μmアンダーで混合粉砕を行なった。
本例で作製された猫のトイレ用の砂300gを、湿度85%の状態で5日間放置した後、その質量を測定したところ304gとなっており、本例の猫のトイレ用の砂が吸湿性を有するものであることが確認できた。
更に、上記吸湿後の猫のトイレ用の砂に対して、室内において、35℃の温度で20倍に希釈したアンモニア水50mlを加えたが、非常に吸水性及び脱臭性が良好であり、室内にアンモニア臭を感じなかった。
また、従来の猫のトイレ用の砂と同様に結着して固まり、濡れている箇所の識別が容易であった。
この猫のトイレ用の砂を市販の猫用トイレ(W430×D310×H135)に深さ7cmになるように敷き、猫でテストした。猫は慣れるにつれて、問題なく排尿及び排便をするようになった。使用後は、尿で濡れた部分を廃棄するのも簡単であり、部屋には尿の臭いが殆ど感じられなかった。
例5.
例2の事例において、コア部、コーティング部の組成をそれぞれ以下のとおりに変更した以外は例2のとおりに実施した。
〈コア部の製造〉
塩化カルシウム含有活性炭化物 84.4質量部
ラミネート紙廃材(スクリーン目3mm粉砕) 3.6質量部
トリムロス(紙おむつ廃材・スクリーン目4mm粉砕) 6.0質量部
パルプ不織布廃材(スクリーン目3mm粉砕) 6.0質量部
ポリアクリル酸ナトリウム 2.4質量部
〈コーティング部の製造〉
綿糸糸くず粉砕物(スクリーン目0.30mm粉砕) 35.3質量部
紙粉(スクリーン目0.30mm粉砕) 17.6質量部
カルボキシメチルセルロース 35.3質量部
ポリアクリルアミド 11.8質量部
上記材料のうち、カルボキシメチルセルロース及びポリアクリルアミドは粉砕粒度30μmアンダーで混合粉砕を行なった。
本例で作製された猫のトイレ用の砂300gを、湿度85%の状態で5日間放置した後、その質量を測定したところ305gとなっており、本例の猫のトイレ用の砂が吸湿性を有するものであることが確認できた。
更に、上記吸湿後の猫のトイレ用の砂に対して、室内において、35℃の温度で20倍に希釈したアンモニア水50mlを加えたが、非常に吸水性及び脱臭性が良好であり、室内にアンモニア臭を感じなかった。
また、従来の猫のトイレ用の砂と同様に結着して固まり、濡れている箇所の識別が容易であった。
この猫のトイレ用の砂を市販の猫用トイレ(W430×D310×H135)に深さ7cmになるように敷き、猫でテストした。猫は慣れるにつれて、問題なく排尿及び排便をするようになった。使用後は、尿で濡れた部分を廃棄するのも簡単であり、部屋には尿の臭いが殆ど感じられなかった。
例6.
〈アンモニアガス吸着性能比較試験〉
(1)石炭系活性炭5wt%入り猫砂
テドラーバッグガス量(L) 5 10 20
初期ガス濃度(ppm) 99 100 100
注入直後ガス濃度(ppm) 50 60 62
2時間後ガス濃度(ppm) 1.5 3.5 5.0
5時間後ガス濃度(ppm) 1.0 2.0 3.5
(2)塩化カルシウム含有活性炭化物5wt%入り猫砂
テドラーバッグガス量(L) 5 10 20
初期ガス濃度(ppm) 98 98 98
注入直後ガス濃度(ppm) 50 55 60
2時間後ガス濃度(ppm) 1.0 1.5 3.0
5時間後ガス濃度(ppm) 0.2未満 0.5 1.0
(3)ブランク
テドラーバッグガス量(L) 5 10 20
初期ガス濃度(ppm) 98 100 92
注入直後ガス濃度(ppm) 97 100 92
2時間後ガス濃度(ppm) 85 92 85
5時間後ガス濃度(ppm) 83 90 83
本実験例からも、塩化カルシウム含有活性炭化物配合猫砂が、従来の活性炭配合猫砂に比べて優れたアンモニアガス吸着効果を有することが伺える。
特に、5時間経過後のアンモニアガス濃度を見てみると、いずれのテドラーバッグガス量(L)においても、本願発明の塩化カルシウム含有活性炭化物配合猫砂は石炭系活性炭配合猫砂に比べて約1/4程度のアンモニアガス濃度まで減少しており、その除去能力の
差が明確に示された結果となっている。
なお、上記アンモニアガス吸着性能比較試験の評価試験方法は以下のとおりである。
(評価試験方法)
試料質量 :猫砂 100.0g(塩化カルシウム含有活性炭化物5wt%)
対象物質 :アンモニア
試験容器 :5L,10L,20L テドラーバッグ
ガス測定方法:ガス検知管 (株)ガステック No.3La(50〜100ppm)
No.3L(0.2ppm〜30pp
m)
温湿度測定 :(株)佐藤計量器製作所製 気温湿度計SK−L200THIIα
試験室湿度及び温度 :恒温恒湿室設定値(相対湿度80±10%、室温23±1℃)
操作概要
・100ppmアンモニアガスの調製
高濃度アンモニアガスを作成する。次に、5L,10L,20Lのテドラーバッグを用意し、恒温恒湿室内の調湿された空気を各テドラーバッグに5L,10L,20L注入する。このテドラーバッグにアンモニアガス濃度が100ppmになるように高濃度アンモニアガスを注入する。このとき高濃度アンモニアガスを注入する分だけ各バッグから空気を抜いておく。操作終了後各テドラーバッグのアンモニアガス濃度をガス検知管で測定する。
・試験用テドラーバッグの調整
5L,10L,20Lのテドラーバッグに切り込みを入れ温湿度測定用のセンサーを差し込む。漏れがないように、テープで切込みを塞ぐ。次に試料を充填するための切込みを入れ、そこから猫砂100.0gを直接テドラーバッグに充填し、テープで切れ込みを塞ぐ。
その後、テドラーバッグ内の空気を抜き真空状態とする。これを試験用テドラーバッグとする。
・試験の開始
試験用テドラーバッグに上記の調整したアンモニアガスを移し入れる。
移し換え直後、2時間後、5時間後の試験用テドラーバッグのアンモニアガス濃度をガス検知管で測定する。
例7.
〈アンモニアガス吸着能力に対する湿度の影響試験〉
(アンモニア吸着量)
(1)塩化カルシウム含有活性炭化物5wt%入り猫砂(乾燥状態)
アンモニア濃度(ppm) アンモニア吸着量(mg/g)
0.2 0.0002
0.4 0.0035
(2)塩化カルシウム含有活性炭化物5wt%入り猫砂(湿度80%)
アンモニア濃度(ppm) アンモニア吸着量(mg/g)
0.2 0.0029
0.5 0.0061
本実験例からは、塩化カルシウム含有活性炭化物配合猫砂が、極度に乾燥した状態に比べ、通常の室内環境に近い状態での使用の方が優れたアンモニアガス吸着効果を有することが伺える。
具体的には、アンモニア濃度0.2ppmにおける湿度80%でのアンモニア吸着量は、絶乾燥状態での吸着量の10倍以上であり、アンモニア濃度0.5ppmでも2倍弱の
アンモニア吸着量を示している。
この結果からも、吸湿作用を有する塩化カルシウムの存在が、アンモニアの吸着量にも影響を与えていることが推測される。
例8.
〈微生物増殖抑制効果試験〉
塩化カルシウム含有活性炭化物の殺菌性について、以下の条件で試験を行なった。
1)測定法 シェーク法
2)試験菌 大腸菌
3)シェーク条件 温度 25±5℃
回転数 100rpm以上
時間 1時間
4)菌数測定法 測定用培地 標準寒天培地
培養温度 35℃
培養時間 48時間
測定 各希釈系列の希釈液を1mLシャーレに入れ、標
準寒天培地で混釈平板を作成する(同一希釈液に
つき各2枚作成)。
(試験結果)
試験液の生菌数(個/mL) 滅菌率(%)
振とう前 振とう後
塩化カルシウム含有活性炭化物 n1 2.1×10 5.9×10
n2 2.0×10 4.9×10
n3 2.1×10 5.2×10
平均 2.1×10 5.3×10 74.8ブランク n1 2.1×10 2.1×10
n2 2.0×10 2.1×10
n3 2.1×10 2.1×10
平均 2.1×10 2.1×10
上記の試験結果から、殺菌性について、本願発明で使用する塩化カルシウム含有活性炭化物の有効性が確認できた。
なお、滅菌率は、次式により算出した。
滅菌率(%)=(1−B/A)×100
A:振とう前の試験液1mLあたりの生菌数の平均
B:振とう後の試験液1mLあたりの生菌数の平均
以上のとおり、本発明の粒状の動物用排泄物処理材は、有機質繊維材料廃棄物及び接着性を有する材料を含有する粒状芯部並びに該粒状芯部の少なくとも一部を覆い接着性を有する材料を含有する被覆層部を備える乾燥被覆粒状物であって、前記粒状芯部に塩化カルシウム含有活性炭化物を配合したことを特徴とするものであり、上記の構成により適度に除湿機能を有し、吸水性、アンモニア臭の除去能力、微生物の増殖抑制能力に優れた動物用排泄物処理材とすることができたものである。
具体的な塩化カルシウム含有活性炭化物の効果は、
1)水分吸収後、微生物増殖抑制効果を発揮し、抗菌剤が不要ないしは低減可能である。
2)除湿機能を有することから、室内での除湿材としての機能を有する。また、処理材コーティング部が吸収した尿成分を該炭化物配合コア部へ速やかに吸収し、吸収機能を長
時間持続させることが可能となる。
3)室内の湿分の存在下で、より有効にアンモニア吸着効果を発揮する。
また、それ以外にも、
4)本発明は、再利用や他の用途への活用が困難であることからほとんど埋め立て処分されていた塩化ビニル系壁紙を回収して、粒状の動物用排泄物処理材の原料として有効に活用することが可能となり、廉価な粒状の排泄物処理材を提供でき、産業上に資するところが大きいものである。
本発明の一実施例の粒状の排泄物処理材を製造する工程の概略を示す概略の工程図である。
符号の説明
1〜2 (株)ホーライ社製粉砕機
3〜6 各材料のホッパー
7 材料混合ミキサー
8 材料混合ミキサー
9 ポリマー分級機
10〜11 コア部材料投入口及び定速ベルトコンベアー
A,B (株)フジテックス社コーディネイト破砕機
C 紙おむつ分級機
12 材料攪拌ミキサー
13 材料ホッパー(左右切換可能)
14 加水装置
15 押出し造粒装置
16 加水篩機装置
17〜20 円型式コーティング機
21 ジャイロ式篩機
22 乾燥機
23,24 製品ホッパー
25 円型式篩機
26 袋詰め機
適度に除湿機能を有し、吸水性、アンモニア臭の除去能力、微生物の増殖抑制能力を有する安定した廉価な粒状の動物用排泄物処理材を提供することができる。

Claims (5)

  1. 有機質繊維材料廃棄物粉砕物及び接着性を有する材料を含有する粒状芯部並びに該粒状芯部の少なくとも一部を覆い接着性を有する材料を含有する被覆層部を備える乾燥被覆粒状物であって、該乾燥被覆粒状物に建築物内装用塩化ビニル系壁紙廃材を加熱、炭化処理して得られ、塩化カルシウムの含有量が30〜60質量%である塩化カルシウム含有活性炭化物を乾燥被覆粒状物全体に対し5〜75質量%配合したことを特徴とする粒状の動物用排泄物処理材。
  2. 前記塩化カルシウム含有活性炭化物を乾燥被覆粒状物の粒状芯部及び/又は被覆層部に配合したことを特徴とする請求項1に記載の粒状の動物用排泄物処理材。
  3. 前記接着性を有する材料が、接着剤及び/又は吸水性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒状の動物用排泄物処理材。
  4. 前記接着性を有する材料が、100マイクロメートル以下の粒度の吸水性樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の粒状の動物用排泄物処理材。
  5. 前記有機質繊維材料廃棄物粉砕物が、衛生用品廃材粉砕物若しくはプラスチック廃材粉砕物又はプラスチック廃材粉砕物及び衛生用品廃材粉砕物であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の粒状の動物用排泄物処理材。
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