JP2004175638A - 塩素含有熱可塑性樹脂を用いた活性炭の製造方法 - Google Patents

塩素含有熱可塑性樹脂を用いた活性炭の製造方法 Download PDF

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範義 角田
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Abstract

【課題】PVCを代表とする塩素含有熱可塑性樹脂から比表面積が高い活性炭を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の活性炭の製造方法は、原料として脱塩素化率が90%以上に脱塩素化された塩素含有熱可塑性樹脂を用い、前記塩素含有熱可塑性樹脂を、酸化性ガス雰囲気中で加熱保持することにより酸化する酸化工程、前記酸化された塩素含有熱可塑性樹脂を、不活性ガス雰囲気中で加熱保持することにより、炭化物を得る炭化工程、前記炭化物と賦活剤とを混合し、不活性ガス雰囲気中で加熱保持し活性炭を得るアルカリ賦活工程の順に処理を施すことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ塩化ビニル等の塩素含有熱可塑性樹脂から、比表面積の高い活性炭を得るための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride:PVC)は、透明性がよく、耐候性、耐薬品性、耐水性に優れるため、農業分野ではハウス栽培用のビニルフィルム(以下「農ビ」という)として多く利用されている。そのため、農ビの廃棄量は非常に多く、豊橋市だけでも年間1000トンもの量が廃棄されている。このうち半分程度は土木用シートや日用雑貨としてマテリアルリサイクルされているが、焼却すると塩化水素ガスやダイオキシンなどが発生し危険なため、残りの半分は埋め立て処理にまわされている。しかし、現状では新たな埋立て用地の確保が困難となっており、農ビを安全に処理するリサイクル技術の開発が望まれている。
【0003】
そこで、廃棄されたPVCを活性炭として再利用する技術が検討されている。例えば、塩ビ廃棄物を脱塩酸炉で約350℃で約10分間加熱処理し、脱塩酸したものを炭化炉に投入し、毎分10〜30℃の昇温速度で、炭化温度600〜750℃に達せしめ、同温度で約30分間保持して炭化物を製造し、この炭化物を適当な粒度範囲に粉砕したものをロータリキルンに投入し、水蒸気を用いて800〜900℃で賦活することによって、活性炭を取得する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術によれば、PVCから発生する塩化水素ガスを回収すると共に、活性炭を製造することができる。
【0004】
【特許文献1】
特公昭50−39428号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題及び発明の効果】
しかしながら、この従来技術によれば、得られた活性炭の比表面積は、400m/g〜460m/gと低い。
【0006】
そこで、本発明の目的は、PVCを代表とする塩素含有熱可塑性樹脂から比表面積が高い活性炭を製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明の活性炭の製造方法は、原料として脱塩素化率90%以上に脱塩素化された塩素含有熱可塑性樹脂を用い、前記塩素含有熱可塑性樹脂を、酸化性ガス雰囲気中で加熱保持することにより酸化する酸化工程、前記酸化された塩素含有熱可塑性樹脂を、不活性ガス雰囲気中で加熱保持することにより、炭化物を得る炭化工程、前記炭化物と賦活剤とを混合し、不活性ガス雰囲気中で加熱保持し活性炭を得るアルカリ賦活工程の順に処理を施すことを特徴とする。
【0008】
通常、PVCに限らず、ポリ塩化ビニリデンやポリエチレン、ポリプロピレンといった熱可塑性樹脂をそのまま炭化すると、易黒鉛性炭素が生成してしまう。ここでいう易黒鉛性炭素とは、黒鉛化処理により黒鉛になりやすい炭素のことで、結晶子が黒鉛に類似して乱層構造を取り、層平面が平行・等間隔に積み重なってほぼ同方向に並んでいるので、わずかな原子移動で層面が消失し黒鉛になりうるものである。このような易黒鉛性炭素に賦活を行っても、結晶性が高いため空隙ができにくく、結果的に活性炭の比表面積が増加しない。
【0009】
しかしながら、この活性炭の製造方法によれば、炭化工程の前に酸化工程を行うので、塩素含有熱可塑性樹脂に、エーテル結合に基づく酸素橋架け結合を生じさせる。この酸素橋架け結合が生じた塩素含有熱可塑性樹脂に炭化を行うと、難黒鉛性炭素を得ることができる。ここでいう難黒鉛性炭素とは、黒鉛化処理により容易には黒鉛に到らない炭素のことで、炭素六員環が不規則な交差連結をしているため、大きな原子移動がなければ層面が連続せず、結晶化が進まないものである。この非晶性の高い炭化物に賦活を行うと、空隙ができやすく、比表面積の高い活性炭を得ることができる。
【0010】
一方、酸化された塩素含有熱可塑性樹脂は、表面に酸化膜が形成されてしまい、脱塩素化しにくいという問題がある。しかしながら、この活性炭の製造方法によれば、脱塩素化後に酸化工程を行うので、このような問題もない。
【0011】
さらに、この活性炭の製造方法によれば、アルカリ賦活法を採用しているので、脱塩素化で除去できなかった塩素は、賦活剤によって中和される。そして、中和で生成された塩化物は、洗浄によって除去し得るので、最終製品としての活性炭中に塩素が残留するのを防ぐことができる。
【0012】
そして、この製造方法によれば、塩素含有熱可塑性樹脂から、難黒鉛性炭素を得ることができ、これをアルカリ賦活することで、比表面積が高い活性炭を得ることができる。また、この製造方法によれば、脱塩素化が十分行われず炭化物に塩素が残留していても、残っていた塩素は賦活剤によって中和されるので、塩素が残留しない活性炭を得ることができる。従って90%以上の脱塩素化率となる様に、原料の脱塩素化を行っておけばよい。ここでいう脱塩素化率とは、塩素含有熱可塑性樹脂中に含まれる塩化水素量に対する発生した塩化水素ガスの量を割合で示した値である。
【0013】
ここで、脱塩素化は、塩素含有熱可塑性樹脂を260℃〜400℃で行えばよく、例えば260℃ならば、加熱保持時間は200分程度でよい。加熱保持温度を260℃〜400℃とすることで、脱塩素化が十分行われるのに、長時間を要しないし、炉体が傷むのを防ぐことができるからである。より好ましい加熱保持温度は、260℃〜300℃である。この温度範囲であれば、ダイオキシンの発生ピーク温度(300℃〜400℃)よりも低温で脱塩素化されるので、ダイオキシンが大量に発生するのを抑制できる。
【0014】
ここで、原料となる塩素含有熱可塑性樹脂としては、例えばPVC、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。これらは、単独(ホモポリマー)でもよいし、共重合体でもよい。また塩素含有熱可塑性樹脂同士の混合物でもよいし、他の樹脂との混合物でも良い。また工業的に実用化されている塩素含有熱可塑性樹脂製品は、一般に安定剤、可塑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、充填剤等の多種類の添加剤を含有しているのが普通であり、本発明で使用する塩素含有熱可塑性樹脂は、このような添加剤を含有してもかまわない。
【0015】
塩素含有熱可塑性樹脂が大容積の場合は、粉砕、切削等の手段によって、小片状としたものが好適に使用される。塩素含有熱可塑性樹脂の形状、大きさは特に制限されない。形状としては、粉砕によって得られる不定形状の他、球状、円柱状、角柱状、立方体状、扁平状等任意の形状のものが使用される。
【0016】
本発明の製造方法において、酸化工程で用いる酸化性ガスとしては、例えば空気、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化窒素、水蒸気等が挙げられる。
【0017】
本発明において酸化工程での加熱保持温度は、170℃〜300℃が望ましい。この温度範囲であれば、塩素含有熱可塑性樹脂が十分酸化されるのに、長時間を要しないし、発火する恐れもない。
【0018】
ここで酸化工程の加熱保持温度は、250℃〜300℃がより望ましい。この温度範囲であれば、酸化が完了するまでの時間を短くすることができる。例えば、加熱保持温度が300℃とした場合、1時間から3時間の加熱時間で十分である。
【0019】
ここで、本発明の活性炭の製造方法において、前記炭化工程を、前記酸化された塩素含有熱可塑性樹脂の加熱保持温度を、500℃〜600℃とするとよい。
【0020】
この製造方法によれば、加熱保持温度を500℃〜600℃とすることで、炭化が十分に行われ、カーボン収率も約40%となり、従来技術におけるカーボン収率の2倍以上となる。さらに、この温度範囲であれば、ダイオキシンの発生ピーク温度(300℃〜400℃)より高温で加熱するので、ダイオキシンが大量に発生するのを抑制できる。
【0021】
炭化工程における加熱保持時間は、炭化が完了するような所定の時間とすればよい。例えば、加熱保持温度を600℃とした場合、加熱保持時間は1時間〜3時間が適当である。
【0022】
なお、炭化工程及びアルカリ賦活工程における不活性ガスとして、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、ネオン等が挙げられる。
【0023】
次に、アルカリ賦活工程における賦活剤としては、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属硫酸塩等のアルカリ金属化合物が挙げられる。ここでいうアルカリ金属とは、例えばカリウム、リチウム、ナトリウム、ルビジウム等である。
【0024】
ここで、本発明の活性炭の製造方法において、前記原料として、可塑剤を含有する塩素含有熱可塑性樹脂を用いると共に、前記アルカリ賦活工程を、賦活剤として水酸化カリウムを用い、前記炭化物と前記水酸化カリウムとの割合を重量比で10対23〜10対40とするとよい。
【0025】
この製造方法によれば、可塑剤を含有する塩素含有熱可塑性樹脂を用いると共に、賦活剤として水酸化カリウムを用い、前記炭化物と前記水酸化カリウムとの割合を重量比で10対23〜10対40としたので、比表面積が1000m/g以上の活性炭を得ることができる。
【0026】
このとき、塩素含有熱可塑性樹脂に含有されている可塑剤が、酸化の際に導入される酸素量を増加させ、難黒鉛化を進めたものと考えられる。ここで可塑剤としては、例えばフタル酸エステル系、リン酸エステル系、脂肪酸エステル系、アジピン酸エステル系、エポキシ系等の含酸素化合物が望ましい。
【0027】
また、本発明の活性炭の製造方法において、前記原料として、可塑剤と炭酸化合物を含有する塩素含有熱可塑性樹脂を用いると共に、前記アルカリ賦活工程を、賦活剤として水酸化カリウムを用い、前記炭化物と前記水酸化カリウムとの割合を重量比で10対25〜10対35とするとよい。
【0028】
この製造方法によれば、可塑剤と炭酸化合物を含有する塩素含有熱可塑性樹脂を用いると共に、賦活剤として水酸化カリウムを用い、前記炭化物と前記水酸化カリウムとの割合を重量比で10対25〜10対35としたので、比表面積が1300m/g以上の活性炭を得ることができる。
【0029】
その理由としては、塩素含有熱可塑性樹脂に含有されている炭酸化合物が、賦活の際に分解して、炭化物から二酸化炭素を発生させ、これにより空隙が増加し、活性炭の比表面積を増加させると考えられる。ここで、炭酸化合物としては、例えば炭酸カルシウムや炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0030】
また、本発明の活性炭の製造方法において、前記原料として、可塑剤と炭酸化合物を含有する塩素含有熱可塑性樹脂を用いると共に、前記アルカリ賦活工程を、賦活剤として水酸化カリウムを用い、前記炭化物と前記水酸化カリウムとの割合を重量比で10対28〜10対32とするとよい。
【0031】
この製造方法によれば、可塑剤と炭酸化合物を含有する塩素含有熱可塑性樹脂を用いると共に、賦活剤として水酸化カリウムを用い、前記炭化物と前記水酸化カリウムとの割合を重量比で10対25〜10対35としたので、比表面積が1500m/g以上の活性炭を得ることができる。
【0032】
なお、アルカリ賦活工程における加熱保持温度は、725℃〜850℃が望ましい。この温度範囲では、細孔の壁にミクロ孔が開口して、比表面積の高い活性炭を得ることができる。好ましい加熱保持温度は、750〜775℃である。この温度範囲では、炭化物と水酸化カリウムの割合を重量比で10対30とした場合、比表面積が1000m/g以上の活性炭を得ることができる。アルカリ賦活工程における加熱保持時間は、細孔の壁にミクロ孔が十分発達するような所定の時間とすればよい。例えば、加熱保持温度が750℃であれば、加熱保持時間は1時間が適当である。
【0033】
なお、得られた活性炭は、酸性液で中和させ、水洗いをし、乾燥させておくとよい。ここで酸性液としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等が用いられる。
【0034】
以上、本発明によれば、PVCに可塑剤が含まれた軟質PVCや、PVCに充填剤が含まれた硬質PVCに関係なく、比表面積が高く、残留塩素のない安全な活性炭を製造することができる。そして、比表面積が1500m/g以上の活性炭は、市場価格が15,000円/kgと大幅にアップする。このため、処理コストがかかる廃農ビ等は、付加価値のある製品の原料となり、廃農ビを出す側の処理費用の負担を減らすことが可能になるため、不法投棄などの問題も無くなると思われる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明をより具体的に説明するため、実施例を示す。
【0036】
[実施例1]
(試料)試料として、表1に示すような配合の異なる3種類のPVCを用いた。TR−1は、PVCのみからなる。TR−2は,軟質PVCの成分に合わせるため、PVCと可塑剤であるフタル酸エステル系のフタル酸ジオクチルとを、69:31の重量比で混合したものである。TR−3は、硬質PVCの成分に合わせるため、PVCとフタル酸ジオクチルと充填剤である炭酸カルシウムとを、64.5:29:6.5の重量比で混合したものである。
【0037】
【表1】
Figure 2004175638
【0038】
実験操作の一連の流れを図1に示す。まず試料を窒素流通下で加熱することにより脱塩素化を行った(脱塩素化工程)。次に、難黒鉛性の試料を得るため、脱塩素化した試料を空気流通下で加熱した(酸化工程)。さらに、その難黒鉛性の試料を窒素流通下で加熱し、炭化を行った(炭化工程)。次に、この炭化物に賦活剤である水酸化カリウムを混合し、その混合物を窒素流通下で加熱することにより、賦活を行った(アルカリ賦活工程)。最後に、得られたPVC活性炭を水洗いし、乾燥させた(洗浄工程)。以下に、各工程の詳細な説明を記す。
【0039】
(脱塩素化工程)各試料を1g量り取り、図2に示すような装置に入れた。この装置は、トラップ管1と、トラップ管1の両側に設けた電気炉2とを備えているものである。そして、試料を窒素100ml/minで流通下、260℃で加熱することにより脱塩素化した。このとき各PVCの脱塩素化挙動を観るため、中和滴定法を用いてさまざまな反応時間での脱塩素化率を求めた。また、その反応温度依存性をみるため、230℃の温度で同様に脱塩素化した。その後、各残留物を乳鉢にて磨砕した。
【0040】
(酸化工程)脱塩素化後のPVC残留物について、このまま窒素中で炭化を行うと、約350℃から500℃の温度範囲において低分子化による溶融現象が生じ、易黒鉛性炭素が得られると言われている1)。しかし、活性炭の製造では、難黒鉛性炭素を得る必要がある。従って、前処理として図3に示すような装置を用い、酸化を行った。図3の装置は、ガスを流通させるための管11を設けた炉体12と、試料を入れるための燃焼ボード13と、電気炉14とを備えているものである。酸化工程では、空気を150ml/minで流通下、300℃で3時間加熱することにより、酸素を構造中に取り入れ、エーテル結合に基づく橋架け結合を生じさせ、難黒鉛性とした。
【0041】
(炭化工程)その後、連続的に同じ装置を用いて炭化を行った。まず、カーボン収率の温度依存性をみるために、窒素を100ml/minで流通下、反応時間を一定の2時間とし、400℃、500℃及び600℃の温度で炭化を行った。また、カーボン収率の時間依存性もみるために、反応時間を一定の600℃とし、炭化時間を0.5時間、1時間及び2時間で炭化を行った。
【0042】
(アルカリ賦活工程)さまざまな賦活方法のなかでアルカリ賦活法を選んだ理由は、今回対象となる炭化物が塩ビ由来であり、残留塩素が製品化する上での問題点として指摘されることから、アルカリ金属を使って中和することにより活性炭中の塩素が除かれる利点があることと、アルカリ金属賦活により高表面積化が図れることの2点である。賦活剤として、水酸化カリウム(KOH)を用いた。活性炭の表面積への賦活剤による影響をみるために、各PVC炭と水酸化カリウムとを重量比で1:1〜1:5の割合を変えて用意した。そしてPVC炭と水酸化カリウムを乳鉢を用いて蒸留水で溶解させながら完全に混合し、水分を飛ばすために一晩乾燥させた。その混合物を十分に磨砕し、粉末状にした後、燃焼ボード に入れ、図3に示す炭化工程と同様の装置を用いて、窒素100ml/minで流通下、400℃で0.5時間保持することにより、水酸化カリウムを炭化物中に充分に浸透させ、その後、750℃で1時間加熱することによりPVC炭の賦活を行った。
【0043】
(洗浄)生成したPVC活性炭は、約0.1N程度の希釈塩酸で中和し、水洗を繰り返した後乾燥させた。
【0044】
実施例1における脱塩素化処理、酸化処理、炭化処理及び賦活処理の温度・時間を表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 2004175638
【0046】
(脱塩素化率)中和滴定法では、まずPVCより発生した塩化水素ガスを、水酸化ナトリウム水溶液(1N)40mlにトラップさせ中和させた。その後その溶液を1N塩酸で滴定を行った。脱塩素化率は、式1のように表される。
【0047】
【数1】
Figure 2004175638
【0048】
(カーボン収率)活性炭の製造にあたっては、歩留まりを向上させるというのは重要な課題である。そこで、試料の歩留まりをみるために、処理前のPVC中に含まれる炭素の重量に対する、炭化工程が終了した段階の炭化物の重量とから、各試料のカーボン収率を求めた。カーボン収率は、式2のように表される。
【0049】
【数2】
Figure 2004175638
【0050】
(表面観察)SEM及びTEMにより、PVC炭、PVC活性炭の観察を行った。
【0051】
(組成観察)脱塩素化後、炭化後、及び賦活後における各試料の残存塩素、灰分を確認するためEPMA(Electron Probe Micro Analysis)を用いて組成観察を行った。
【0052】
(比表面積)窒素吸着等温線をもとにBET法により、PVC活性炭の表面積を測定した。
【0053】
(窒素吸着等温線)細孔径分布測定装置を用いて、各PVC活性炭の窒素吸着等温線を求めた。
【0054】
[実施例1における検討]
[PVCの脱塩素化]
(脱塩素化率測定)260℃における各PVCの脱塩素化率測定結果を図4に示す。TR−1の結果より、PVCは最大で95%程度まで脱塩素化された。その反応は、開始0.5時間で急速に進み、2時間程度で平衡に達した。PVC中の塩素と水素の量から考えると、100%に達することは可能のように思われるが、実際にはこのように何らかの形で水素分不足が生じていた。従って、脱塩素化率を100%にするには、水素供給源となるような物質を混入させて脱塩素化することが望ましいと考えられる。しかし、本実施例においては、賦活工程をアルカリ賦活としたので、100%の脱塩素化率を要しない。またTR−2の結果より、可塑剤の存在が脱塩素化率を20%程度減少する結果を示した。これは、脱塩素化反応の際、可塑剤であるフタル酸ジオクチルによるものとみられる油分が大量に発生したことから、PVCの水素分、もしくは塩素分が奪われてしまったことによるものと考えられる。また、TR−3の結果より、充填剤の存在が平衡に達するまでの反応時間を6倍程度増加させる結果を示し、TR−2よりもTR−3の最大脱塩素化率が若干、高いことが観察された。これは、充填剤である炭酸カルシウムによる影響と考えられる。
【0055】
230℃における各PVCの脱塩素化率測定結果を図5に示す。TR−1の結果より、反応温度の低下によりPVCの最大脱塩素化率は7%程度減少していた。TR−2、TR−3の結果より、添加剤の存在がさらに最大脱塩素化率を減少させていることが確認された。しかし、反応の推移は260℃の反応より若干緩やかになっていた。このことから、急激な塩化水素発生が若干抑えられていると考えられる。
【0056】
(EPMAによるPVC残留物の観察結果)
EPMAによる各PVCの観察結果を図6(a)に示す。これより、3種全てのPVC残留物から残留塩素のピークが確認され、どのPVCにおいても炭素分に対する残留塩素分の割合がほぼ等しいことが認められた。しかし、脱塩素化率測定結果では各PVCにおいて最大脱塩素化率に大きな差が認められていた。つまりこのことは、各PVCとも塩素分は同様な割合で脱離しているが、それは脱塩素化率処理の検討で考察したように、可塑剤の存在によって塩化水素以外のものとして発生していると考えられる。
【0057】
[PVC炭の生成]
(カーボン収率の炭化温度依存性)
各PVC炭収率の炭化温度依存性を図7に示す。各PVCとも一般的に有機物が炭化するとされる400℃では、80%の収率であった。一方500℃では、400℃に比べて30%〜40%程度の大きな収率の減少が見られた。TR−2及びTR−3では500℃から600℃間においてさらに20%近い収率減少が確認された。つまり、全温度範囲で考えると添加剤が含まれたPVCでは温度変化に対して大きく収率が減少することを示した。これは、可塑剤の存在により、酸素橋架け結合が若干増加したため、難黒鉛性が高まり、微結晶のランダム化が進み、小空孔より余分な炭素分の逸散が起こったのではないかと推察される。ここで、PVC炭の各元素比を表3に示す。表3より、実際に添加剤を含むTR−2,TR−3のほうが、TR−1より炭素分に対する酸素の含有量が高いことが確認された。
【0058】
【表3】
Figure 2004175638
【0059】
(カーボン収率の炭化温度依存性)
次に各PVC炭収率の炭化時間依存性を図8に示す。これより、どのPVCにおいてもカーボン収率の時間依存性はさほど認められなかった。これは実験操作中、前処理温度から炭化温度まで昇温させる際、装置内にPVCの熱分解により炭化系から逸散したものと考えられる多量の油分が発生していたことから、炭化の初期の段階、もしくは前処理、昇温過程中に低分子化による重量減少が平衡に達し、炭化過程では活性化された分子の環化、芳香族化、重縮合高分子化による炭素体の生成反応のみ起こったため、収率の変化が確認されなかったものと考えられる。
【0060】
(EPMAによるPVC炭の観察結果)
各PVC炭の観察結果を図6(b)に示す。これより、TR−1およびTR−2において脱塩素化後確認された残留塩素のピークが完全に無くなっていた。つまりこれらのPVC炭では炭化過程中において残留塩素が完全に逸散していったと考えられる。しかし、TR−3においては炭化後においても塩素分のピークが確認された。高温での炭化を行っているため、残留塩素として存在しているとは考えにくい。従って、これは充填剤である炭酸カルシウムと反応し、少量の塩化カルシウムとして残存しているものと推察される。
【0061】
(SEMによるPVC炭の観察結果)
SEMによる各PVC炭の観察結果を図9に示す。TR−1及びTR−3では一部分凹凸のある表面形態が確認された。しかし、ほとんどはTR−2の観察結果のように平坦な表面形態が確認された。従って、各PVC炭の比表面積は非常に低いものと考えられ、また炭化状態ではその比表面積にさほど違いはないと考えられる。
【0062】
[PVC活性炭の製造]
(各PVC活性炭への水酸化カリウム重量比による影響)
各PVCを原料として用いた活性炭の最大比表面積値を表4に示す。これより、水酸化カリウム賦活法ではPVCを原料として用いても一般的な活性炭の比表面積値である800m/gに達することが可能であった。また、TR−2の結果より、可塑剤の存在が比表面積を200m/g程度増加させた。これは、炭化処理の検討のところで考察したように、添加剤の含有により難黒鉛性が増すということが第一の要因だと考えられる。一般的に水酸化カリウムを賦活剤として用いる場合、その浸食作用が重要であることが知られており2)、難黒鉛性が増すということはその空隙が増し、それにより浸食作用が容易になるのではないかと考えられる。また、TR−3の結果より、充填剤が存在することにより、その活性炭は約1800m/gという非常に高い比表面積を示していた。充填剤である炭酸カルシウムは600℃以上で熱分解して二酸化炭素を発生することから、賦活の際、これが炭素分と反応し、新たな細孔を生み出したものと推測される。
【0063】
【表4】
Figure 2004175638
【0064】
さまざまな重量比における各PVC活性炭のBET比表面積測定結果を図10に示す。TR−1,TR−2では、PVC炭と水酸化カリウムの重量比が1:4までは、アルカリ濃度が大きいほど比表面積の増加が認められ、それ以降は減少していることが確認された。TR−3の比表面積のピークは、PVC炭:水酸化カリウム)の重量比が1:3であった。これは重量比の変化に伴い、浸食した水酸化カリウムが空隙間を徐々に満たしていき、それにより反応が進むためだと考えられる。従って、十分に空隙が満たされたとき、その比表面積は最大値を示し、それ以上になると炭素壁の破壊が進むため、細孔が大きくなってしまい、比表面積は減少するものと考えられる。
【0065】
(EPMAによる各PVC活性炭の観察結果)
EPMAによる各PVC活性炭の観察結果を図6(C)に示す。これより、炭化後、TR−3において確認されていた塩素のピークは、カルシウム成分のピークとともに完全に無くなっていた。これはPVC炭状態での灰分として残存していた塩化カルシウム成分が賦活後での洗浄により除去されたと考えられる。しかし、どの活性炭においても新たな灰分としてカリウム成分のピークが現れていた。これは水酸化カリウムを賦活剤として大量に用いてしまったため、洗浄を行っても除去できなかったものと考えられる。
【0066】
(SEMによる各PVC活性炭の観察結果)
SEMによる各PVC活性炭の観察結果を図11に示す。TR−1では2mm程度の非常に大きな孔が多数確認された。TR−2でも1mm程度の孔以外に大きな亀裂も多数確認された。TR−3でも同様に0.5〜1mm程度の孔が多数確認された。従って、これらの孔は導入孔として存在しており、その孔壁にメソ孔やミクロ孔が開孔しているものと考えられる。
【0067】
(各PVC活性炭の窒素吸着等温線)
TR−1とTR−3について、各PVC活性炭の窒素吸着等温線を図12に示す。これより、各PVC活性炭とも低圧部での急激な吸着が認められ、I型等温線を示している。従って半径1Å以下のミクロ孔が非常に発達した活性炭であることが認められた。
【0068】
(まとめ)
以上の結果、TR−1では脱塩素化が反応開始後、30分間で急速に進み、95%の脱塩素化率であったが、可塑剤が存在するTR−2では測定値としての脱塩素化率が減少し、可塑剤と充填剤が存在するTR−3では反応時間が大幅に増加した。なお、EPMAの結果から明らかな様に、TR−2、TR−3においても残留塩素はTR−1とほぼ同量であることから、PVC残留物の脱塩素化率は90%以上であるといえる。装置の劣化等を考慮した場合、可塑剤や充填剤が存在するほうが適していると考えられる。
【0069】
脱塩素化後、残留物中にはいくらかの残留塩素が残存していたが、前処理、炭化、賦活、そして洗浄という操作の間に完全に逸散したことが認められた。充填剤の成分であるカルシウムもまた、洗浄中に除去されていた。しかし、賦活の際に多量に用いた水酸化カリウムは、洗浄後においても灰分として残存していることが認められた。
【0070】
生成したPVC炭は非常に低い表面積を示していたが、賦活処理後はどの試料も比表面積が800m/gに達した。また、可塑剤の存在により、難黒鉛性化が進み、比表面積が増加する結果となり、充填剤の存在は、その熱分解で発生した二酸化炭素の効果によって、さらに比表面積を増加させる結果となった。
【0071】
生成したPVC活性炭は、0.5〜2mm程度の非常に大きな導入孔を多数有し、その壁面にさらに多くのミクロ孔が発達していることが認められた。
【0072】
[実施例2]
(試料)農業用ビニルフィルム(農ビ)とポリオレフィンフィルム(農ポリ)とを70:30の重量比で混合し、40kg/hの量を380℃で焼成した後、直径2mmに粉砕した。
【0073】
(酸化工程・炭化工程)
図1に示した流れで実験操作を行った。脱塩素化されたPVC炭約8gを焼成ボードに入れ、図3の炉にて酸化及び炭化を行った。前処理(酸化工程)として、空気を150ml/minの流通下で、7.5℃/minで昇温し、300℃にて保持した。その後、100ml/minで窒素を流入し、6℃/minで昇温し、600℃にて保持した。その際、一段階目(酸化工程)での保持時間と二段階目(炭化工程)の保持時間を各々、1,2,3時間と条件を変えて炭化を行った。
【0074】
(アルカリ賦活工程)賦活剤として水酸化カリウム(85wt%)を用い、得られた炭化物と賦活剤とを重量比で1:3,1:4の割合になるように用意し、蒸留水にて水酸化カリウムを溶解しながら、乳鉢にて炭化物と賦活剤とを混合した。これを乾燥器(110℃)に入れ、水分を飛ばした後、その混合物を乳鉢にて十分に磨砕し、粉末状とした。この粉末を焼成ボードに約1.0g取り、炭化と同様な装置にて賦活を行った。賦活は二段階にて行った。一段階目として13.3℃/minで昇温し、水酸化カリウムを充分浸透させるために、400℃で30min保持した。次に二段階目とし7℃/minで750℃まで昇温し、1時間保持することで賦活を行った。また、二段階目としての温度を800℃とし、別の賦活条件での実験も行った。
【0075】
(洗浄)得られた活性炭を0.1N程度の希釈塩酸で中和し、水洗を充分行った後、乾燥させた。
【0076】
(活性炭の比表面積測定)実施例1と同様な方法で行った。
【0077】
[実施例2における検討]
(カーボン収率)活性炭は難黒鉛性炭素に属することから、原料の炭素も難黒鉛性の構造である必要があると考えられる。そこで、前処理としてPVCを300℃で空気を流しながら熱分解させることで、酸素を構造中に取り入れてエーテル結合に基づく酸素橋架け結合を生じさせ、これをさらに高温の750℃、800℃で炭化することで溶融しない難黒鉛性の炭素を得ることとした。表5に前処理(酸化)時間および炭化時間に対する収率を各々示す。いずれも炭化後のPVCの収率は約30%であった。
【0078】
【表5】
Figure 2004175638
【0079】
(活性炭の比表面積)前処理(酸化)温度300℃、炭化温度600℃とし、酸化時間(T1)と炭化時間(T2)とを、それぞれ(T1=1時間,T2=2時間)、(T1=3時間,T2=1時間)炭化工程までを行った。次に、PVC炭と水酸化カリウムの重量比を1:3,1:4とし、賦活温度750℃、賦活時間1時間で活性炭を製造した。この活性炭の比表面積を求めた結果を表6に示す。この結果によると、比表面積は、PVC炭と水酸化カリウムの重量比が1:3のほうが、1:4より高かった。
【0080】
【表6】
Figure 2004175638
【0081】
賦活温度による比表面積依存性の検討のため、T1=3時間,T2=1時間で製造したPVC炭と水酸化カリウムを1:3の重量比で混合し、賦活温度を650℃、700℃、725℃、750℃、775℃、800℃、850℃と変え、賦活時間1時間で活性炭を製造し、それぞれの比表面積を表7に示した。この結果より、賦活温度が750℃のとき比表面積が最も高く、750℃よりも低い温度或いは高い温度になるにつれ比表面積は減少していることが確認された。
【0082】
【表7】
Figure 2004175638
【0083】
賦活時間による比表面積依存性の検討のため、T1=3時間,T2=1時間で製造したPVC炭と水酸化カリウムを1:3の重量比で混合し、賦活温度を750℃とし、賦活時間を1時間、3時間、5時間と変えて活性炭を製造したときの、それぞれの比表面積を表8に示した。この結果より、賦活時間が1時間のとき比表面積が最も高く、それより時間が長くなるにつれ比表面積は減少していることが確認された。
【0084】
【表8】
Figure 2004175638
【0085】
(参考文献)
1)井口潔、角田良一、竹下三吉、ポリ塩化ビニルを原料とする活性炭の製造、日本科学会誌、pp1627−1630(1973)
2)真田雄三、鈴木其之、藤本薫 編、活性炭:基礎と応用 新版17、p53(1992)
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び実施例2において、活性炭の製造工程の流れを示す図である。
【図2】実施例1において、脱塩素化するための装置の断面図である。
【図3】実施例1及び実施例2において、酸化工程から賦活工程までを行う装置の断面図である。
【図4】実施例1において、TR−1,TR−2,TR−3の260℃で脱塩素化したときの反応時間に対する脱塩素化率を表すグラフである。
【図5】実施例1において、TR−1,TR−2,TR−3の230℃で脱塩素化したときの反応時間に対する脱塩素化率を表すグラフである。
【図6】実施例1において、(a)脱塩素化後、(b)炭化後、(c)アルカリ賦活後のTR−1,TR−2,TR−3のEPMAのグラフである。
【図7】実施例1において、TR−1,TR−2,TR−3の400℃、500℃、600℃で2時間炭化したときの、各温度に対するカーボン収率を表すグラフである。
【図8】実施例1において、TR−1,TR−2,TR−3の600℃で炭化したときの、各時間に対するカーボン収率を表すグラフである。
【図9】実施例1において、炭化後の(a)TR−1炭,(b)TR−2炭,(c)TR−3炭のSEM写真である。
【図10】実施例1において、TR−1,TR−2,TR−3の750℃で1時間賦活したときの、PVC:水酸化カリウムの重量比に対する比表面積を表すグラフである。
【図11】実施例1において、アルカリ賦活後の(a)TR−1活性炭,(b)TR−1活性炭,(c)TR−3活性炭のSEM写真である。PVC:水酸化カリウムの重量比は、TR−1、TR−2では1:4で、TR−3では1:3である。
【図12】実施例1において、アルカリ賦活後の(a)TR−1活性炭,(b)TR−3活性炭の窒素吸着等温線である。PVC:水酸化カリウムの重量比は、TR−1では1:4で、TR−3では1:3である。
【符号の説明】
1・・・トラップ管、2・・・電気炉、11・・・管、12・・・炉体、13・・・燃焼ボード、14・・・電気炉

Claims (5)

  1. 原料として脱塩素化率90%以上に脱塩素化された塩素含有熱可塑性樹脂を用い、
    前記塩素含有熱可塑性樹脂を、酸化性ガス雰囲気中で加熱保持することにより酸化する酸化工程、
    前記酸化された塩素含有熱可塑性樹脂を、不活性ガス雰囲気中で加熱保持することにより、炭化物を得る炭化工程、
    前記炭化物と賦活剤とを混合し、不活性ガス雰囲気中で加熱保持し活性炭を得るアルカリ賦活工程
    の順に処理を施すこと
    を特徴とする活性炭の製造方法。
  2. 請求項1記載の活性炭の製造方法において、
    前記炭化工程を、前記酸化された塩素含有熱可塑性樹脂の加熱保持温度を、500℃〜600℃とすること
    を特徴とする活性炭の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の活性炭の製造方法において、
    前記原料として、可塑剤を含有する塩素含有熱可塑性樹脂を用いると共に、
    前記アルカリ賦活工程を、賦活剤として水酸化カリウムを用い、前記炭化物と前記水酸化カリウムとの割合を重量比で10対23〜10対40とすること
    を特徴とする活性炭の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2記載の活性炭の製造方法において、
    前記原料として、可塑剤と炭酸化合物とを含有する塩素含有熱可塑性樹脂を用いると共に、
    前記アルカリ賦活工程を、賦活剤として水酸化カリウムを用い、前記炭化物と前記水酸化カリウムとの割合を重量比で10対25〜10対35とすること
    を特徴とする活性炭の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2記載の活性炭の製造方法において、
    前記原料として、可塑剤と炭酸化合物とを含有する塩素含有熱可塑性樹脂を用いると共に、
    前記アルカリ賦活工程を、賦活剤として水酸化カリウムを用い、前記炭化物と前記水酸化カリウムとの割合を重量比で10対28〜10対32とすること
    を特徴とする活性炭の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009284881A (ja) * 2008-06-02 2009-12-10 Daiki:Kk 動物用排泄物処理材
CN103183345A (zh) * 2011-12-28 2013-07-03 大连理工大学 一种利用含氯有机高分子废料制备氮掺杂活性炭的方法
CN114538437A (zh) * 2022-02-17 2022-05-27 青海民族大学 一种炭材料及其制备方法与应用

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