JP5494236B2 - アース接続装置およびそれを用いたワイヤハーネス - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ワイヤハーネスに設けられ、このワイヤハーネスに含まれる複数のアース用電線を車両内の所定のアース部位に一括して接続するための技術に関するものである。
従来、車両用ワイヤハーネスに含まれる複数のアース用電線を一括して車両のアース部位に接続するためのアース接続装置として、特許文献1に記載されるものが知られている。
この装置の概要を図14に示す。この装置は、複数のアース用電線を含むワイヤハーネスの端末に設けられるハーネス側コネクタ207と、車両のボディ203に設けられた所定のアース部位(図ではボルト206)に固定されるアース用ジョイントコネクタ201とを備える。ハーネス側コネクタ207は、前記各アース用電線の端末に装着される図略の雌端子と、これらの雌端子を一括して保持するコネクタハウジング208とを有し、このハーネス側コネクタハウジング208は前記各雌端子を保持する複数の端子係止部を内蔵する。アース用ジョイントコネクタ201は、アース用導体205及びこれを保持するコネクタハウジング202を有し、アース用導体205は、前記アース部位に固定されるアース端子部204と、前記コネクタハウジング202内に設けられる図略の複数の雄端子とを一体に有する。
この装置によれば、前記アース用ジョイントコネクタ201と前記ハーネス側コネクタ207とを結合し、かつ、当該アース用ジョイントコネクタ201におけるアース端子部204をアース部位であるボルト206に固定することにより、当該アース部位への前記各アース用電線の一括接続が達成される。具体的には、前記ハーネス側コネクタ207のコネクタハウジング208に保持された各雌端子と、前記アース用ジョイントコネクタ201のコネクタハウジング202に保持されたアース用導体205の各雄端子とが嵌合されることにより、前記各雌端子が装着されているアース用電線が当該雌端子及び当該アース用導体205を介して前記アース部位に電気的に接続されるとともに、前記ハーネス側コネクタ207のコネクタハウジング208と前記アース用ジョイントコネクタ201のコネクタハウジング202とが互いに嵌合され、かつ、その嵌合が両コネクタハウジング208,202にそれぞれ設けられた係合部同士の係合でロックされることにより、前記各雌端子と各雄端子との嵌合状態が維持される。
特開平10−208815号公報
前記のアース接続装置は、その占有スペースが大きいために、車両内の狭所での適用が難しいという課題がある。具体的に、この装置では、ハーネス側コネクタ207とアース用ジョイントコネクタ201の双方がそれぞれ端子を保持するためのコネクタハウジング208,202を具備し、これらコネクタハウジング208,202同士の嵌合及びそのロックにより各コネクタ207,201の端子同士の嵌合を維持するものであるので、当該コネクタハウジング208,202同士の嵌合のために嵩張りやすい。従って、これらコネクタハウジング208,202と車両ボディ203との干渉を回避するために当該ボディ3の内側面からの両コネクタ207,201の突出量を大きくしなければならない。
また、複数のアース用電線を含むワイヤハーネスを複数個まとめて1つのアース部位に接続する場合には、アース部位の周辺にそれぞれのワイヤハーネスのためのコネクタハウジング208,202を複数個並べて配置しなければならず、さらに占有スペースが大きくなる。
しかも、図示のように前記アース端子部204に対して別のアース用電線Wに装着されたアース端子209を重ねて接続するような場合には、当該アース端子と前記コネクタハウジング208,202との干渉を回避するために図示のように両コネクタハウジング208,202と車両ボディ203との間隙寸法Lをさらに大きくとらなければならず、装置全体の占有スペースはさらに大きくなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑み、ワイヤハーネスをアース部位に接続するアース用ジョイントコネクタの占有スペースの削減を図ることが可能な技術の提供を目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明のアース接続装置は、車両内の壁面上に設けられたアース部位に複数本のアース用電線を一括して接続するためのアース接続装置であって、前記アース用電線のうちの複数の第1のアース用電線の端末に設けられる第1のアース用ジョイントコネクタと、前記アース用電線のうち前記第1のアース用電線と異なる複数の第2のアース用電線の端末に設けられる第2のアース用ジョイントコネクタと、電子部品ユニットとを備え、前記第1のアース用ジョイントコネクタは、前記各第1のアース用電線の端末にそれぞれ装着される複数の第1の電線用端子と、前記各第1の電線用端子に対して互いに共通する特定の端子嵌合方向に嵌合可能な形状を有する複数の第1の電線側端子部と、前記壁面上で前記アース部位に接続されることが可能な形状を有する第1のアース側端子部とを有し、前記各第1の電線側端子部が前記端子嵌合方向と略直交しかつ前記壁面と略平行な方向に並んだ状態で前記第1のアース側端子部と一体につながる第1のアース用導体と、前記第1のアース用導体を保持するとともに、前記端子嵌合方向と平行な一方向に開口して当該開口から前記各第1の電線用端子が挿入可能な複数の端子収容室及び各端子収容室内に挿入される前記第1の電線用端子を係止する端子係止部を有する第1のコネクタハウジングとを備え、前記第1のコネクタハウジングは、その各端子収容室内に挿入される第1の電線用端子がこれに対応する第1の電線側端子部と嵌合した状態で当該第1の電線用端子を前記各端子係止部が係止するように各端子収容室内に前記第1の電線側端子部を収容するとともに、前記第1のアース側端子部が前記各端子収容室の開口と反対の側で第1のコネクタハウジングの外部に突出するように前記第1のアース用導体を保持し、前記第2のアース用ジョイントコネクタは、前記各第2のアース用電線の端末にそれぞれ装着される複数の第2の電線用端子と、前記各第2の電線用端子に対して互いに共通する特定の端子嵌合方向に嵌合可能な形状を有する複数の第2の電線側端子部と、前記第1のアース側端子部に接続されることが可能な形状を有する第2のアース側端子部とを有し、前記各第2の電線側端子部が前記端子嵌合方向と略直交しかつ前記壁面と略平行な方向に並んだ状態で前記第2のアース側端子部と一体につながる第2のアース用導体と、前記第2のアース用導体を保持するとともに、前記端子嵌合方向と平行な一方向に開口して当該開口から前記各第2の電線用端子が挿入可能な複数の端子収容室及び各端子収容室内に挿入される前記第2の電線用端子を係止する端子係止部を有する第2のコネクタハウジングとを備え、前記第2のコネクタハウジングは、その各端子収容室内に挿入される第2の電線用端子がこれに対応する第2の電線側端子部と嵌合した状態で当該第2の電線用端子を前記各端子係止部が係止するように各端子収容室内に前記第2の電線側端子部を収容するとともに、前記第2のアース側端子部が前記各端子収容室の開口と反対の側で第2のコネクタハウジングの外部に突出するように前記第2のアース用導体を保持し、前記第2のアース用導体および前記第2のコネクタハウジングは、前記第1の電線側端子の並び方向と前記第2の電線側端子の並び方向とが略平行な姿勢で前記第2のアース用導体が前記第1のアース用導体に対して前記両並び方向と直交する積層方向に積層可能であり、かつ、これら第1のアース用導体と第2のアース用導体とが積層された状態で前記第1のコネクタハウジングと前記第2のコネクタハウジングとが前記積層方向に積層可能な形状を有し、前記電子部品ユニットは、前記第1のアース側端子部および前記第2のアース側端子部が前記アース部位に接続される状態でこれらのアース側端子部同士の間に介在することが可能であり、当該電子部品ユニットは、電子部品を有し、かつ、前記両アース側端子同士の間に前記電子部品を含む電子回路を構築することを特徴とする。
このアース接続装置では、第1および第2のアース用ジョイントコネクタの各コネクタハウジングに電線用端子が直接挿入されてアース用導体に接続されるので、アース電極側のコネクタハウジングが不要である。そのため、従来のアース接続装置と比較して占有スペースが小さい。
すなわち、第1および第2のアース用ジョイントコネクタのそれぞれでは、各アース用電線の端末に装着される複数の電線用端子が、アース用導体を保持するコネクタハウジングの端子収容室内に直接挿入されることにより当該アース用導体の各電線側端子部に嵌合され、かつ、このコネクタハウジングに設けられた端子係止部によって係止されることにより前記嵌合状態が維持されるので、前記図14に示されるように各電線用端子を一括して保持するための専用のコネクタハウジング208を要することなく、アース用導体を保持するコネクタハウジングのみで、前記各電線用端子を前記アース用導体を介してアース部位に接続することができ、かつ、その接続状態を前記コネクタハウジング側の端子係止部による各電線用端子の係止によって維持することができる。さらに、前記アース用導体の各電線側端子部は前記アース側端子部が固定される車両の壁面と略平行な方向に並んでいるので、これと直交する方向、すなわち積層方向についてのアース用ジョイントコネクタ全体の寸法を抑えることができ、壁面からの突出量を小さく抑えることが可能である。
さらに、第2のアース用導体および第2のコネクタハウジングが、第1のアース用導体および第1のコネクタハウジングと積層可能な構造であるので、多数の電線を狭いスペースでも一括して接続できる。
すなわち、第2のアース用導体および第2のコネクタハウジングは、第1の電線側端子の並び方向と第2の電線側端子の並び方向とが略平行な姿勢で第2のアース用導体が第1のアース用導体に対して両並び方向と直交する積層方向に積層可能であり、かつ、これら第1のアース用導体と第2のアース用導体とが積層された状態で第1のコネクタハウジングと第2のコネクタハウジングとが積層方向に積層可能な形状を有する。
このアース接続装置では、これらの扁平な形状の第1および第2のアース用ジョイントコネクタのコネクタハウジング同士が重ね合わせて配置され、かつ、アース用導体のアース側端子部同士が積層方向に積層して配置されることにより、多数本の電線がアース部位に接続されることを可能にしながら占有スペースが非常に小さくなり、車両内の狭い所でも容易に取り付けることができる。
また、この構造では、第1および第2のアース用ジョイントコネクタにおける各電線用端子が嵌合されたアース用導体をアース部位に直接接続する構造であるため、各アース用電線からアース部位に至るまでの抵抗がほとんどなく、これにより、良好なアース接続を形成できる。例えば、特許文献1に記載されるコネクタを用いてワイヤハーネスに含まれる多数のアース用電線をアース部位に一括して接続する場合には、アース部位周辺のスペース上の制約のために、アース部位から遠い位置でアース用電線の接合部(スプライスポイント)を設ける必要がある。このような場合、アース部位を経由しないで隣接するアース用電線の間で電流が流れる不具合が生じるおそれがある。これに対し、本発明に係るアース接続装置では、第1および第2のアース用ジョイントコネクタのアース側端子部がアース部位に一括して接続されるから、いわば、接合部(スプライスポイント)をアース部位そのものに設定することが可能である。これにより、アース部位を経由しないで複数個の隣接するアース電線の間で電流が流れる不具合が生じにくくなり、ワイヤハーネスに接続されているある機器のON/OFFによって他の機器との間の電位差が生じて他の機器が誤動作を生じるおそれを抑制することができる。その結果、アース部位に接続される電線極数を増大することができ、アース接続装置の品質の向上が可能になる。
また、この構造では、アース接続のための第1および第2のアース側端子部の積層している部分を利用して、この積層部分の間に電子部品を有する電子部品ユニットが接続されることにより、所望の電子回路を容易に構築することが可能である。これにより、電子部品の占有スペースを削減でき、電子部品を内蔵したアース接続装置の小型化を達成できる。また、電子部品とアース用導体とを接続する電線も不要になるので、製造コストの低減が可能になる。
また、前記第1のアース側端子部および前記第2のアース側端子部は、これらのアース側端子部同士が前記積層方向に積層された状態で互いに接触することにより両アース側端子部同士を電気的に導通させる第1の接触部および第2の接触部をそれぞれ有するのが好ましい。
この構造では、第1のアース側端子部および第2のアース側端子部が、第1の接触部および第2の接触部により、これらアース側端子部同士が積層方向に積層された状態で互いに接触し、これにより両アース側端子部同士を電気的に導通させることが可能になる。
さらに、前記第1の接触部は第1の係合部を含み、前記第2の接触部は前記両アース用導体が積層された状態で前記第1の係合部と係合することによりその積層状態を維持する第2の係合部を含むのが好ましい。
この構成によれば、前記第1および第2のアース側端子部における第1の接触部および第2の接触部が、互いに係合する第1の係合部および第2の係合部を含んでいるので、両アース用導体が積層された状態で第1および第2の係合部同士が互いに係合することにより、その積層状態を維持することが可能になる。その結果、第1および第2のアース用ジョイントコネクタを一体に結合した状態で、アース部位に一括して接続することができるので、アース部位への取付作業性が向上する。また、アース部位への接続状態を安定して維持できる。
また、前記第2のアース用導体は、前記第2のアース側端子部と前記第2の電線側端子部との間に介在しかつ前記積層方向と平行な方向に延びることにより当該方向について前記第2のアース側端子部と前記第2の電線側端子部との間に段差を与える段差部を有し、この段差部は、前記第1のアース側端子部の上に前記第2のアース側端子部が積層された状態で前記第1のコネクタハウジングの上に前記第2のコネクタハウジングが積層されることを可能にする寸法を有するのが好ましい。
この構造では、アース用導体とコネクタハウジングとの形状の相違(とくに厚みの相違)にかかわらず、両者を同時に積層できる。換言すれば、アース用導体同士が係合部により一体結合されたときに、第2のアース用ジョイントコネクタの第2のアース用導体における積層方向に延びる段差部によって、第2のアース用ジョイントコネクタの第2のコネクタハウジングは、第1のアース用ジョイントコネクタの第1のコネクタハウジングの表面に対して積層した状態で所定の位置に位置決めされる。これにより、コネクタハウジング同士の位置合わせの作業が不要になり、アース接続装置のアース部位への取付作業性がさらに向上する。
また、前記電子部品ユニットは、前記第1のアース側端子部と接触することにより当該第1のアース側端子部と前記電子部品とを電気的に接続する第1のユニット端子と、前記第2のアース側端子部と接触することにより当該第2のアース側端子部と前記電子部品とを電気的に接続する第2のユニット端子と、絶縁材料からなり、前記電子部品の周囲にモールドされる絶縁部とを有し、前記絶縁部は、当該絶縁部の外側に前記第1のユニット端子の一部および前記第2のユニット端子の一部が露出する状態でこれらのユニット端子および前記電子部品を保持するのが好ましい。
この構成によれば、電子部品ユニットに含まれる電子部品は、第1および第2のユニット端子を介して第1および第2のアース側端子部に電気的に接続可能である。また、電子部品は、絶縁部でモールドされて周囲から絶縁されているので、外部の異物等に接触するおそれがなくなる。その結果、電子回路の安定性を向上できる。
また、前記第1のアース用電線および前記第2のアース用電線とは別の外部アース用電線の端末に装着された外部アース端子をさらに備えており、前記外部アース端子は、前記第1のアース側端子部および前記第2のアース側端子部と積層されて配置されているのが好ましい。
この構成では、外部アース端子が前記第1および第2のアース用ジョイントコネクタの各アース側端子部と積層されて配置されているので、上下のアース用ジョイントコネクタのアース側端子部と重ね合わされてアース部位に一括して接続することが可能である。そのため、占有スペースが非常に小さくなり、車両内の狭い所でも容易に取り付けることができる。また、外部アース端子をアース部位に近づけて配置することができるので、アース部位を経由しないで外部アース用電線とワイヤハーネスとの間で電流が流れる不具合が生じにくくなり、機器の誤動作の発生も抑制できる。
また、本発明は、前記アース接続装置を利用したワイヤハーネスを提供する。このワイヤハーネスは、複数の前記第1のアース用電線を含む第1のワイヤハーネス本体と、複数の前記第2のアース用電線を含む第2のワイヤハーネス本体と、請求項1記載のアース接続装置とを含むワイヤハーネスであって、前記第1のアース用ジョイントコネクタに含まれる複数の前記第1電線用端子が、前記第1のワイヤハーネス本体の前記第1のアース用電線の端末に装着された状態で、前記第1のコネクタハウジングの各端子収容室に挿入されて前記第1の電線側端子部に嵌合され、前記第2のアース用ジョイントコネクタに含まれる複数の前記第2電線用端子が、前記第2のワイヤハーネス本体の前記第2のアース用電線の端末に装着された状態で、前記コネクタハウジングの各端子収容室に挿入されて前記第2の電線側端子部に嵌合され、前記第2のアース用導体および前記第2のコネクタハウジングは、前記第1のワイヤハーネス本体と前記第2のワイヤハーネス本体とが積層された状態で前記第1のコネクタハウジングと前記第2のコネクタハウジングとが前記積層方向に積層可能な形状を有することを特徴とする。
このワイヤハーネスは、ワイヤハーネス本体同士が、対応する第1および第2のコネクタハウジングとともに、積層方向に積層して配置されているので、壁面上における第1および第2のワイヤハーネス本体の占有スペースも非常に小さくなり、車両内の狭い所でも容易に取り付けることができる。
以上説明したように、本発明によれば、ワイヤハーネスを複数個まとめて1つのアース部位に配置する場合にアース接続装置およびそれを用いたワイヤハーネス全体の占有スペースを削減することができる。また、ワイヤハーネスに含まれる各アース用電線からアース部位に至るまでの抵抗がほとんどなく、これにより、良好なアース接続を形成できる。
本発明の第1実施形態に係るワイヤハーネスの端末におけるアース接続装置の構成を示す正面図である。 図1のアース接続装置をアース用電線側から見た図である。 図1のアース側端子付近の拡大斜視図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図1のアース接続装置を車両のアース部位に取り付けた状態を示す斜視図である。 (a)は図1のアース接続装置におけるアース用ジョイントコネクタのリテーナが挿脱許容位置にある状態を示す断面正面図、(b)は当該リテーナが係止位置にある状態を示す断面正面図である。 図1のアース用導体を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るアース接続装置の構成を示す斜視図である。 図8の電子部品の接続部分を示す切欠斜視図である。 図8の電子部品の接続部分を示す断面説明図である。 図8のアース接続装置の回路図である。 本発明の第3実施形態に係るアース接続装置の構成を示す斜視図である。 図12の外部アース用接続線および外部アース端子の斜視図である。 従来のアース接続装置を示す正面図である。
本発明のアース接続装置およびそれを用いたワイヤハーネスの好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1〜5は、第1実施形態に係るワイヤハーネスの端末におけるアース接続装置を示したものである。ワイヤハーネスは、互いに束ねられた複数の電線を含むワイヤハーネス本体と、アース接続装置とを備える。
本実施形態のアース接続装置は、第1のアース用ジョイントコネクタJC1および第2のアース用ジョイントコネクタJC2を備えており、上下に重ね合わされて配置されている。第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2は、第1および第2のワイヤハーネス本体を構成する複数の第1および第2のアース用電線11、111をそれぞれ一括して前記アース部位に接続するためのものである。
第1および第2のアース用電線11、111は、いずれも導体14、114とこれを被覆する絶縁被覆16、116とで構成され、前記アース接続装置を介して車両の壁面Aのアース部位に一括して接続される。このアース部位は、図5に示すように、車両のボディの壁面Aと、その壁面Aから内側に突設されたボルトBとを含む。
前記アース用電線11、111は、前記ワイヤハーネスにつながる特定の回路を前記アース部位に接地するためのものであり、それぞれの一端が前記アース部位であるボルトBに接続され、他端は前記回路に接続される。
このアース接続装置では、占有スペースを削減するために、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の各コネクタハウジング40、140に電線用端子20(図6(b)参照)が直接挿入されてアース用導体30、130に接続されているので、アース電極側に別個のコネクタハウジングが不要な構造である。しかも、このアース接続装置は、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の各アース用導体30、130同士を積層させた状態では、各コネクタハウジング40、140同士が積層される構造である。
具体的には、アース接続装置は以下のように構成されている。
前記第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2は、それぞれ、複数の第1の電線用端子20(図6(b)参照)および第2電線用端子(図示せず)と、第1および第2のコネクタハウジング40、140と、リテーナ50、150とを備えており、これらの部品については共通している。また、下側の第1のアース用ジョイントコネクタJC1は、第1の段差部36が短い第1のアース用導体30を備えており、上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2は、第2の段差部136が長い第2のアース用導体130を備えている。
つぎに、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の各部品について説明する。第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2は、アース用導体30,130以外は共通した構成を有しているので、以下の項目では、代表として、下側の第1のアース用ジョイントコネクタJC1の各部品の説明について詳細に説明する。
(第1のアース用ジョイントコネクタJC1の構成)
前記第1の電線用端子20は、それぞれ、前記各第1のアース用電線11の端末に設けられるもので、図6(a)(b)にも示すように、雌型の電気接触部22と、電線圧着部を構成する導体バレル23及びインシュレーションバレル24とを前後に有する。
前記電気接触部22は、中空角筒状の本体と、この本体内で撓み可能に設けられる接触ばね片26とを有する。この電気接触部22の天壁には、前記第1のコネクタハウジング40側に係止されるための被係止用孔28が穿設されている。
前記電線圧着部は、対応する第1のアース用電線11の端末に圧着される。当該第1のアース用電線11の端末には、予め、その絶縁被覆16を除去して導体14を露出させる処理が施されており、前記電線圧着部の各バレル23,24がそれぞれ前記導体14の端末及びその近傍の絶縁被覆16をそれぞれ抱き込むように曲げ加工されることにより、前記第1のアース用電線11の端末に圧着されてその導体に電気的に接続される。
前記第1のアース用導体30は、導電材料からなり、前記各第1の電線用端子20に共通して接続されることによりこれらの第1の電線用端子20を一括してアース部位のボルトBに接続、すなわち接地する。前記第1のコネクタハウジング40は、合成樹脂等の絶縁材料により全体が一体に成型され、前記第1のアース用導体30の所定部位を格納した状態で保持することが可能な形状、具体的には当該第1のアース用導体30の厚み方向に扁平な形状を有する。
前記第1のアース用導体30は、単一の金属板を適当な形状に打ち抜いてその適当な部位を曲げ加工することにより形成されたもので、図7にも示すような複数の(図例では3本の)第1の電線側端子部32と、第1のアース側端子部34と、これら端子部32,34の間に介在する第1の段差部36とを一体に有し、前記各電線側端子部32が前記段差部36を介して共通のアース側端子部34につながっている。
前記各電線側端子部32は、第1のアース用ジョイントコネクタJC1の後側(電線側)に向かって突出し、前記各電線用端子20の雌型の電気接触部22に対して所定の端子嵌合方向(アース用電線11の軸方向)に嵌入可能な雄型の嵌合部(タブ)を構成し、その嵌合状態で前記電気接触部22の接触ばね片26及び天壁と圧接することにより、当該電気接触部22と電気的に導通する。これらの電線側端子部32は、その幅方向と平行な方向(前記端子嵌合方向と直交する方向であって前記壁面Aと平行な方向)に配列されている。前記段差部36は、前記各電線側端子部32の配列面と、その前側に位置する前記アース側端子部34との間に所定の段差を与えた状態で両者をつなぐ。
前記アース側端子部34は、アース部位である前記ボルトBに接続された状態で前記壁面A上に固定されるとともに、上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2のアース側端子部134を保持する機能を有する。具体的に、このアース側端子部34は、前記壁面Aに沿う板状をなし、当該壁面A上に固定されることが可能な平面である固定面34aを裏側に有する。
このアース側端子部34には、その適当な位置(図例では前記電線側端子部32からその配列方向と平行な方向である幅方向にオフセットした位置)で前記ボルトBが挿通可能な貫通孔35の左右両側(前記幅方向の両側)に、第1の接触部37として、後述する第2のアース用ジョイントコネクタJC2の第2のアース側端子部134の第2の係合部137a、137bと係合する第1の係合部37a、37bが形成されている。この係合部37aは、アース側端子部34の他の部分よりも上側(表側)に隆起してその下側(裏側)に前記アース側端子部134を嵌め込むための空間38(図7参照)を形成する。また、係合部37bは、逆U字形状である。なお、39は、壁面Aに形成された穴Hに嵌合して第1のアース用ジョイントコネクタJC1のボルトB回りの回転を規制するための回り止め用の舌片である。
前記コネクタハウジング40は、前記アース用導体30のうちのアース側端子部34を露出させた状態で各電線側端子部32を保持し、かつ、前記各電線側端子部32の配列方向と直交する方向に扁平な形状をなす。
このコネクタハウジング40は、前記アース側端子部34が前記壁面Aに固定されたときに当該壁面Aと対向する裏側面41と、その反対側の表側面42とを有し、この実施の形態では両面41,42がともに前記壁面Aと略平行な平面となっている。前記裏側面41からは複数の突条47が突出し、これらの突条47は、当該裏側面41と前記壁面Aとの間に前記段差部36の段差に対応する間隙を確保するような突出量を有する。
図6(a)、(b)に示されるように、前記コネクタハウジング40の前側部(アース側部)は導体保持部43を構成し、後側部(電線側部)は複数(図例では3つ)の端子収容室44を有する。
これらの端子収容室44は、前記電線側端子部32の並び方向と平行な方向に当該電線側端子部32のピッチと同ピッチで並び、後側すなわち前記アース側端子部34と反対の側にそれぞれ開口する。そして、この開口から前記各電線用端子20の電気接触部22が当該端子収容室44内に挿入されるのを許容する。
前記導体保持部43は、この導体保持部43内に前記端子収容室44と反対の側(前側)から前記アース用導体30の各電線側端子部32が圧入されるのを許容する形状を有し、かつ、その圧入された電線側端子部32を保持する。各電線側端子部32は、これらの電線側端子部32が対応する端子収容室44内に突出し、かつ、この端子収容室44内に挿入される電線用端子20の電気接触部22と当該挿入方向(端子嵌合方向)に嵌合される位置に保持される。
このコネクタハウジング40には、図6(a)(b)に示すように、前記各端子収容室44に対応する位置に端子係止部であるランス48が形成されている。各ランス48は、各端子収容室44内においてその天面(上側面)から斜め内側に膨出し、その先端部はコネクタハウジング40の厚み方向(図では上下方向)に撓み変位することが可能な自由端部を構成する。この先端部は、挿入される電線用端子20と接触することにより上側に撓み変形して当該電線用端子20の通過を許容し、その通過後に正規の位置に弾性的に復帰することにより図6(b)に示すように前記電線用端子20の被係止用孔28に嵌り込んで当該電線用端子20を後側から拘束する。つまり、電線用端子20が離脱方向に変位するのを阻止して当該電線用端子20をこの電線用端子20が前記電線側端子部32と嵌合する位置に係止(一次係止)する。
前記リテーナ50は、前記のように電線側端子部32と嵌合されてランス48により係止される各電線用端子20をさらに係止(二次係止)するためのもので、前記コネクタハウジング40の前後方向の中間部に装着される。詳しくは、このリテーナ50は、図6(a)に示す挿脱可能位置と、同図(b)に示すようにそれよりもコネクタハウジング40内に沈み込んだ係止位置との間でコネクタハウジング40の厚み方向(電線側端子部32の並び方向及び前記端子嵌合方向の双方に対して略直交する方向に移動可能となるように前記コネクタハウジング40に装着され、前記挿脱許容位置では前記各端子収容室44に対する前記各電線用端子20の挿脱を許容し、前記係止位置では前記端子収容室44に挿入されて前記電線側端子部32に嵌合された位置にある電線用端子20をその位置で係止する。
図5、および図6(a)、(b)に示すように、このリテーナ50は、コネクタハウジング40の幅方向(前記電線側端子部32の並び方向と平行な方向)に延びる天壁52の両端部が下方に延びてコネクタハウジング40の差込溝49に挿入されたコの字形状をしており、コネクタハウジング40に対して上下に移動できるように取り付けられている。
前記天壁52には、前記各端子収容室44に対応する位置で当該天壁52の裏側面から突出する複数の係止突起53が形成されている。これらの係止突起53は、リテーナ50が前記挿脱許容位置にあるときに端子収容室44から上側(表側)に退避して当該端子収容室44に対する電線用端子20の挿脱を許容する一方、この電線用端子20が当該端子収容室44内に挿入されて前記ランス48に係止されている状態で前記リテーナ50が前記係止位置まで押し込まれたときに、前記各端子収容室44内に突出して前記各電線用端子20の電気接触部22を後側から拘束することにより、当該電線用端子20の二重係止を行う。
ここで、前記リテーナ50の係止位置は、図5および図6(a)に示すように当該リテーナ50の天壁52の上面が前記コネクタハウジング40の表側面42と同一面上に位置し、もしくは当該表側面42よりもコネクタハウジング40の内側(図では下側)に没入する位置に設定される。これに対し、当該リテーナ50の挿脱許容位置は、図6(b)に示すように前記天壁52が前記表側面42よりも外側(図では上側)に突出する位置に設定される。
(第2のアース用ジョイントコネクタJC2の構成)
つぎに、上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2の構成について説明する。上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2は、下側の第1のアース用ジョイントコネクタJC1の構成のうち、第1の段差部36が短いアース用導体30を第2の段差部136が長い第2のアース用導体130に置き換えたものであり、その他の構成については、第1のアース用ジョイントコネクタJC1と共通している。なお、第1の段差部36は、必ずしも必要とせず、第2の段差部136の長さが第1および第2のコネクタハウジング40、140が積層可能な長さを有していればよい。
図1〜5に示されるように、第2のアース用導体130および第2のコネクタハウジング140は、以下のように構成されている。すなわち、第2のアース用導体130および第2のコネクタハウジング140は、第1の電線側端子20の並び方向と第2の電線側端子(図示せず)の並び方向とが略平行な姿勢で第2のアース用導体130が第1のアース用導体30に対して両並び方向と直交する積層方向Sに積層可能であり、かつ、これら第1および第2のアース用導体30、130が積層された状態で第1のコネクタハウジング40と第2のコネクタハウジング140とが積層方向Sに積層可能な形状を有する。
また、第2のアース側端子部134は、第1およびアース側端子部34、134同士が積層方向Sに積層された状態で互いに接触することにより両アース側端子部34、134同士を電気的に導通させるように、第1のアース側端子部34の第1の接触部37に接触する第2の接触部137を有する。
第2の接触部137は、両アース用導体30、130が積層された状態で第1の係合部37a、37bと係合することによりその積層状態を維持する第2の係合部137a、137bを含む。第2の係合部137a、137bは、ボルトBが挿通可能な貫通孔135の両側に形成されている。
第2のアース用導体130は、第2のアース側端子部134と第2の電線側端子部との間に介在しかつ積層方向Sと平行な方向に延びることにより当該方向について第2のアース側端子部134と第2の電線側端子部との間に段差を与える第2の段差部136を有する。この第2の段差部136は、第1のアース側端子部34の上に第2のアース側端子部134が積層された状態で第1のコネクタハウジング40の上に第2のコネクタハウジング140が積層されることを可能にする寸法を有する。
なお、第2のコネクタハウジング140の裏側面からは複数の突条147が突出されている。この突条147が第1のコネクタハウジング40の表側面42に当接できるような突出量があれば、第2のコネクタハウジング140をより安定して保持できる。
(アース部位への接続方法)
つぎに、第1実施形態のアース接続装置を用いたワイヤハーネスのアース部位への接続方法について説明する。
1)電線用端子20の装着
まず、2つのワイヤハーネス本体からアース接続対象である複数のアース用電線11,111がそれぞれ引き出され、各アース用電線11,111の端末に各第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の電線用端子20がそれぞれ装着される。なお、この端子の装着はワイヤハーネスのアッセンブリの前に予め行われていてもよい。
2)電線用端子20の係止
ついで、図6(a)に示されるように、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2のそれぞれの前記各電線用端子20が前記第1および第2のコネクタハウジング40、140の各端子収容室44内に挿入され、前記挿脱許容位置にあるリテーナ50、150の係止突起53の下をくぐりながらアース用導体30、130の電線側端子部32に嵌合されることにより、これらの電線用端子20が一括して共通のアース用導体30、130に電気的に接続可能な状態となる。その嵌合の際、各電線用端子20の電気接触部22に設けられた被係止用孔28内に第1および第2のコネクタハウジング40、140側の端子係止部であるランス48がそれぞれ嵌り込んで当該電気接触部22を係止(一次係止)することにより、当該電気接触部22と前記電線側端子部32との嵌合状態が維持される。
前記の状態からさらに、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の前記リテーナ50、150がコネクタハウジング40、140の厚み方向(すなわち前記電線側端子部32の並び方向及び前記端子嵌合方向の双方に対して略直交する方向)に押し込まれることにより、図6(b)に示されるような係止位置にリテーナ50、150が係止される。この係止位置にあるリテーナ50,150は、その天壁52の係止突起53が端子収容室44内に入り込んで前記電線用端子20の電気接触部22を後側から拘束することにより、当該電線用端子20を二次係止する。このことは、従来のアース接続装置のようにコネクタハウジング40、140とは別の電線用端子保持用のハウジングがなくても、当該コネクタハウジング40,140の内部で各電線用端子20と各電線側端子部32との嵌合状態を確実に維持することを可能にする。
3)上下のアース用導体30、130の合体
その後、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の第1および第2のコネクタハウジング40、140同士が、上下に重ね合わせて直接接触した状態で、下側のアース用導体30のアース側端子部34に上側のアース用導体130のアース側端子部134が合体することにより両者が導通状態となる。
本実施形態では、第1および第2アース用ジョイントコネクタJC1、JC2におけるアース側端子部34、134を一体に結合するために、第1のアース側端子部34には第1の係合部37a、37bが設けられ、これらの係合相手として、第2のアース側端子部134には係合部137a、137bが設けられている。
例えば、図4に示されるように、上側のアース側端子部134の係合部137aが下側のアース側端子部34の係合部37aの下側に嵌め込まれ、当該係合部37aの係止突起37cが当該係合部137aの係止用孔137cに嵌め込まれる。それとともに、上側のアース側端子部134の係合部137bが下側のアース側端子部34の係合部37bの下側に嵌め込まれ、当該係合部137bの係止突起137dが当該係合部37bの係止用孔37dに嵌め込まれる。これにより、上下のアース側端子部34、134が連結され、ワイヤハーネスの端末にアース接続装置が構築される。なお、これらの係止突起および係止用孔は、逆に配置されてもよい。
また、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の第1および第2のコネクタハウジング40、140同士の間も互いの対向する面に凹凸を設けてこれらを嵌合するなどして固定するようにしてもよい。
4)アース部位への接続
上記のように、第2のアース用ジョイントコネクタJC2のアース側端子部134が、第1のアース用ジョイントコネクタJC1のアース側端子部34の表面に直接接触して電気的に接続された状態で、当該アース側端子部34、134の接続部分が、アース部位のボルトBに一括して直接接続される。
具体的には、図5に示されるように、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2が合体した状態で、壁面Aの穴Hに下側のアース側端子部34の舌片39を挿入して位置決めする。この状態で、アース側端子部34、134にそれぞれ設けられる貫通孔35、135を前記ボルトBが貫通する状態で当該アース側端子部34の固定面34a(図7参照)が前記ボルトBの周囲の壁面A上に置かれ、この状態で当該ボルトBに図略のナットが螺合されて締付けられることにより、このボルトBの頭部と前記壁面Aとの間に前記アース側端子部34、134が固定される。これにより、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2におけるアース側端子部34、134を含むアース用導体30、130及びそれらの各電線側端子部32に嵌合される各電線用端子20を介して各アース用電線11がアース部位に一括して接続される。
(第1実施形態の特徴)
第1実施形態のアース接続装置では、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の各コネクタハウジング40、140に電線用端子20が直接挿入されてアース用導体30、130に接続されており、アース電極側に別個のハウジングが不要な構造である。そのため、従来のアース接続装置と比較して占有スペースが小さくなっている。
すなわち、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2のそれぞれでは、各アース用電線11、111の端末に装着される複数の電線用端子20が、アース用導体30、130を保持するコネクタハウジング40、140の端子収容室44内に直接挿入されることにより当該アース用導体30、130の各電線側端子部32に嵌合され、かつ、このコネクタハウジング40、140に設けられた端子係止部であるランス48によって係止されることにより前記嵌合状態が維持されるので、前記図14に示されるように各電線用端子を一括して保持するための専用のコネクタハウジング208を要することなく、アース用導体30,130を保持するコネクタハウジング40、140のみで、前記各電線用端子20を前記アース用導体30、130を介してアース部位に接続することができる。しかも、その接続状態をコネクタハウジング40、140側のランス48による各電線用端子20の係止によって維持することができる。さらに、アース用導体30、130の各電線側端子部32はアース側端子部34、134が固定される車両の壁面Aと略平行な方向に並んでいるので、これと直交する方向、すなわち積層方向Sについてのアース用ジョイントコネクタJC1、JC2全体の寸法を抑えることができ、壁面Aからの突出量を小さく抑えることが可能である。
さらに、第2のアース用導体130および第2のコネクタハウジング140が、第1のアース用導体30および第1のコネクタハウジング40と積層可能な構造であるので、多数の電線を狭いスペースでも一括して接続できる。すなわち、第2のアース用導体130および第2のコネクタハウジング140は、第1の電線側端子20の並び方向と第2の電線側端子の並び方向とが略平行な姿勢で第2のアース用導体130が第1のアース用導体30に対して両並び方向と直交する積層方向Sに積層可能であり、かつ、これら第1のアース用導体30と第2のアース用導体130とが積層された状態で第1のコネクタハウジング40と第2のコネクタハウジング140とが積層方向Sに積層可能な形状を有している。この構成により、これらの扁平な形状の第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2のコネクタハウジング40、140同士が重ね合わせて配置され、かつ、アース用導体30、130のアース側端子部34、134同士が積層方向Sに積層して配置されることにより、多数本の電線がアース部位に接続されることを可能にしながら占有スペースが非常に小さくなり、車両内の狭い所でも容易に取り付けることができる。
また、本実施形態のアース接続装置では、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2における各電線用端子20が嵌合されたアース用導体30、130をアース部位に直接接続する構造であるため、各アース用電線11、111からアース部位に至るまでの抵抗がほとんどなく、これにより、良好なアース接続を形成できる。具体的には、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2のアース側端子部34,134がアース部位に一括して接続されるから、いわば、接合部(スプライスポイント)をアース部位そのものに設定することが可能である。これにより、アース部位を経由しないで複数個の隣接するアース電線の間で電流が流れる不具合が生じにくくなり、ワイヤハーネスに接続されているある機器のON/OFFによって他の機器との間の電位差が生じて他の機器が誤動作を生じるおそれを抑制することができる。その結果、アース部位に接続される電線極数を増大することができ、アース接続装置の品質の向上が可能になる。
また、第1のアース側端子部34および第2のアース側端子部134は、これらのアース側端子部34、134同士が積層方向Sに積層された状態で互いに接触することにより両アース側端子部34、134同士を電気的に導通させる第1の接触部37および第2の接触部137をそれぞれ有している。
この構造では、第1のアース側端子部34および第2のアース側端子部134が、第1の接触部37および第2の接触部137により、これらアース側端子部34、134同士が積層方向Sに積層された状態で互いに接触し、これにより両アース側端子部34、134同士を電気的に導通させることが可能になる。
さらに、第1の接触部37は第1の係合部37a、37bを含み、第2の接触部137は両アース用導体30、130が積層された状態で第1の係合部37a、37bと係合することによりその積層状態を維持する第2の係合部137a、137bを含む。
この構成によれば、第1および第2のアース側端子部34、134における第1の接触部および第2の接触部37、137が、互いに係合する第1の係合部37a、37bおよび第2の係合部137a、137bを含んでいるので、両アース用導体30、130が積層された状態で第1および第2の係合部37a、37b、137a、137b同士が互いに係合することにより、その積層状態を維持することが可能になる。その結果、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2を一体に結合した状態で、アース部位に一括して接続することができるので、アース部位への取付作業性が向上する。また、アース部位への接続状態を安定して維持できる。
また、第2のアース用導体30は、第2のアース側端子部134と第2の電線側端子部との間に介在しかつ積層方向Sと平行な方向に延びることにより当該方向について第2のアース側端子部134と第2の電線側端子部との間に段差を与える段差部136を有し、この段差部136は、第1のアース側端子部34の上に第2のアース側端子部134が積層された状態で第1のコネクタハウジング40の上に第2のコネクタハウジング140が積層されることを可能にする寸法を有している。この構造では、アース用導体30、130とコネクタハウジング40、140との形状の相違(とくに厚みの相違)にかかわらず、両者を同時に積層できるようにした構造である。
すなわち、アース用導体30、130同士が係合部37a、37b、137a、137bにより一体結合されたときに、第2のアース用導体130における積層方向Sに延びる段差部136によって、第2のコネクタハウジング140は、第1のコネクタハウジング40の表面に対して積層した状態で所定の位置に位置決めされる。これにより、コネクタハウジング40,140同士の位置合わせの作業が不要になり、アース接続装置のアース部位への取付作業性がさらに向上する。
しかも、複数のアース用電線11、111を含む第1および第2のワイヤハーネス本体同士が、対応する第1および第2のコネクタハウジング40、140とともに、壁面A上において積層方向Sに積層して配置されているので、壁面A上におけるワイヤハーネス本体の占有スペースも非常に小さくなり、車両内の狭い所でも容易に取り付けることができる。
(第2実施形態)
上記の第1実施形態のアース接続装置では、第1のアース用ジョイントコネクタJC1の第1のアース側端子部34と第2のアース用ジョイントコネクタJC2の第2のアース側端子部134とが直接接触し、かつ、これらがいずれもボルトBと電気的に接続されて接地されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下に述べる第2実施形態のアース接続装置は、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の間に特定の回路を形成するために、電子部品ユニット70をさらに備えている。
すなわち、図8〜11に示される第2実施形態のアース接続装置は、第1のアース側端子部34および第2のアース側端子部134がアース部位に接続される状態でこれらのアース側端子同士34,134の間に介在することが可能な電子部品ユニット70をさらに備えている。その他の構成は、第1実施形態のアース接続装置と共通の構成を有している。
電子部品ユニット70は、電子部品72を有している。これによって、両アース側端子34、134同士の間に電子部品72を含む電子回路を構築する。
電子部品ユニット70は、具体的には、電子部品72と、第1のユニット端子74と、第2のユニット端子73と、絶縁部71とを有している。
電子部品72は、回路の要求に応じた電子部品からなり、例えば、ノイズ低減のための回路を構成するための抵抗またはコイルなどからなる。電子部品72は、上下の端子72a、72bによって第1および第2のユニット端子74、73に接触している。なお、電子部品72は、抵抗またはコイルなどの1個の部品でもよいし、またはこれら抵抗およびコイルを並列または直列に接続したものでもよい。
第1のユニット端子74は、第1のアース側端子部34と接触することにより第1のアース側端子部34と電子部品72とを電気的に接続する。
第2のユニット端子73は、第2のアース側端子部134と接触することにより第2のアース側端子部134と電子部品72とを電気的に接続する。
絶縁部71は、合成樹脂などの絶縁材料からなり、電子部品72の周囲にモールドされる。絶縁部71は、絶縁部71の外側に第1のユニット端子74の一部および第2のユニット端子73の一部が露出する状態でこれらのユニット端子74、73および電子部品72を保持する。
電子部品ユニット70は、これらアース側端子部34、134の間を電気的に接続している。ただし、電子部品ユニット70に対して壁面Aと反対側に位置する第2のアース用ジョイントコネクタJC2のアース側端子部134が、アース部位から絶縁されている。
また、電子部品ユニット70のユニット端子74、73にも、上下のアース側端子部34、134と係合できるように、係合部75a、75b、76a、76bが設けられている。これにより、電子部品ユニット70を介して上下のアース側端子部34、134同士が一体に結合される。
具体的には、第1のユニット端子74には、下側の第1のアース用ジョイントコネクタJC1における第1のアース側端子部34の係合部37a、37bにそれぞれ係合する係合部76a、76bが形成されている。また、第2のユニット端子73には、上側の第12アース用ジョイントコネクタJC2における第2のアース側端子部134の係合部137a、137bにそれぞれ係合する係合部75a、75bが形成されている。
また、電子部品ユニット70の抜け止めのために、係合部75a、76bにはそれぞれ係止突起75c、76dが形成されるととともに、係合部75b、76aにはそれぞれ係止用孔75d、76cが形成されており、係合相手の係止用孔および係止突起と係合できるようになっている。
さらに、電子部品ユニット70には、その中央を上下に貫通する貫通孔79が形成されており、ボルトBが挿入可能になっている。
以上のように構成された電子部品ユニット70の下側の係合部76aおよび係合部76bが下側の第1のアース用ジョイントコネクタJC1の係合部37aおよび係合部37bに係合し、かつ、上側の係合部75aおよび係合部75bが上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2の係合部137aおよび係合部137bに係合することにより、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2および電子部品ユニット70は互いに電気的に接続された状態で合体し、これらを合体した状態でアース部位のボルトBに一括して接続することができる。そのため、アース部位への取付作業性がよい。
なお、第2実施形態における上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2の段差部136は、電子部品ユニット70を挿入できる隙間を上下のアース側端子部34、134の間に確保するために、第1実施形態の場合よりも短くなるように形成されている。
さらに、上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2のアース側端子部134は、アース部位から絶縁されるように、アース側端子部134の上面および/またはボルトBの表面に、絶縁シートなどの絶縁材(図示せず)が被覆されている。
その他の構成は、第1実施形態のアース接続装置の構成と共通している。
以上のように構成された第2実施形態のアース接続装置では、図11に示される電気回路のように、複数の機器A、B,Cを下側の第1のアース用ジョイントコネクタJC1の第1のアース用導体30を介してアース部位Eに直接接続するとともに、上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2の第2のアース用導体130を介して、例えばノイズ低減用の電子部品ユニット70を経由してアース部位Eに接続される。そのため、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の間は、接地側においてノイズ低減用の電子部品ユニット70が介在されているので、これらの間でノイズ電流が流れるおそれが低減される。このようなアース接続装置は、例えば、CAN(Controller Area Network)回路の接合部(スプライス部分)などに用いられる。
第2実施形態のアース接続装置では、アース接続のための第1および第2のアース側端子部34、134の積層している部分を利用して、この積層部分の間に電子部品72を有する電子部品ユニット70が接続されることにより、所望の電子回路を容易に構築することが可能である。これにより、電子部品72の占有スペースを削減でき、電子部品72を内蔵したアース接続装置の小型化を達成できる。また、電子部品72とアース用導体30、130とを接続する電線も不要になるので、製造コストの低減が可能になる。
また、電子部品ユニット70に含まれる電子部品72は、第1および第2のユニット端子74、73を介して第1および第2のアース側端子部34、134に電気的に接続可能である。また、電子部品72は、絶縁部71でモールドされて周囲から絶縁されているので、外部の異物等に接触するおそれがなくなる。その結果、電子回路の安定性を向上できる。
なお、電子部品ユニット70に含まれる電子部品72は、回路の要求に応じて種々の電子部品が採用され、上記の抵抗やコイル以外の部品で構成された電子部品を採用してもよい。
(第3実施形態)
上記の第1および第2実施形態のアース接続装置で用いられる第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2は、複数の電線の束であるワイヤハーネスをアース部位に接続するものであるが、これらに加えてさらに単線の外部アース用電線を接続してもよい。
すなわち、図12に示されるアース接続装置では、前記第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の他に、ワイヤハーネスを構成する複数のアース用電線11、111とは別の外部アース用電線12の端末に装着された外部アース端子60をさらに備えている。
図12〜13に示されるように、前記外部アース用電線12は、例えば、当該アース部位に損傷などが生じてアース不良が起こった場合に備えて当該アース部位を他のアース部位に接続するフェールセーフを目的とした電線などが採用され、その一端は前記アース部位に接続される一方、他端は図略の他のアース部位に接続される。この外部アース用電線12は、大きな電流容量を確保すべく、前記アース用電線11、111よりも大きな外径を有している。
また、前記外部アース端子60は、前記外部アース用電線12の端末に固定される電線固定部と、前記第1および第2のコネクタハウジング40,140の外部で前記第1および第2のアース用導体30、130のアース側端子部34、134に重ねられた状態で保持される端子本体部62とを有する。
前記電線固定部は、一対の導体バレル63及び一対のインシュレーションバレル64を有する。導体バレル63は、前記外部アース用電線12の導体14を抱き込むようにして当該導体14に圧着される。前記インシュレーションバレル64は、前記外部アース用電線12の絶縁被覆16を抱き込むようにして当該絶縁被覆16に圧着される。
前記端子本体部62は、前記第1および第2のアース側端子部34、134の貫通孔35、135と合致する位置に貫通孔65を有する。端子本体部62は、上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2の第2のアース側端子部134の表面に接触した状態で、ボルトBによって締結され、接地される。
上記のように、第3実施形態のアース接続装置では、外部アース端子60は、第1および第2のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2の第1および第2のアース側端子部34、134と積層されて配置されていることにより、各アース側端子部34、134と重ね合わされてアース部位のボルトBに一括して接続することができる。これにより、占有スペースが非常に小さく、車両内の狭い所でも容易に取り付けることができる。また、外部アース端子60をアース部位に近づけて配置することができるので、アース部位を経由しないで外部アース用電線とワイヤハーネスとの間で電流が流れる不具合が生じにくくなり、機器の誤動作の発生も抑制できる。
さらに、このアース接続装置では、図14に示される装置と異なり、外部アース端子60が装着される外部アース用電線12と、電線用端子20を保持する専用のコネクタハウジング40との干渉を回避する必要がなく、当該外部アース用電線12を第1のアース用ジョイントコネクタJC1の第1のコネクタハウジング40のすぐ側方に通してアース用電線11とともに電線側端子部32の並び方向と平行な方向に並べることができるため、装置全体の構造をより扁平化して車両壁面からの当該装置の突出量をさらに抑えることができる。
なお、本発明のアース接続装置の範囲外ではあるが、上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2を省略して、外部アース端子60を下側の第1のアース用ジョイントコネクタJC1の第1のアース側端子部34に直接接続してもよい。具体的には、第3実施形態の端子本体部62には、第1のアース用ジョイントコネクタJC1の係合部37aおよび係合部37bと係合することが可能な係合部67aおよび係合部67bを有している。そのため、上側の第2のアース用ジョイントコネクタJC2を省略すれば、係合部67aおよび係合部67bをそれぞれ下側の係合部37aおよび係合部37bに係合することにより、外部アース端子60を第1のアース用ジョイントコネクタJC1のアース側端子部34の表面に保持することができる。
なお、上記第1〜3実施形態では、本発明の一例として、2個のアース用ジョイントコネクタJC1、JC2がアース部位に接続された例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも2個のアース用ジョイントコネクタを備えているアース接続装置であれば、本発明の範囲に含まれるものとする。したがって、3個以上のアース用ジョイントコネクタを備えたアース接続装置であってもよいことはいうまでもない。
JC1 第1のアース用ジョイントコネクタ
JC2 第2のアース用ジョイントコネクタ
11 第1のアース用電線
111 第2のアース用電線
12 外部アース用電線
20 第1の電線用端子
30 第1のアース用導体
130 第2のアース用導体
32 第1の電線側端子部
34 第1のアース側端子部
134 第2のアース側端子部
37a、37b 第1の係合部
137a、137b 第2の係合部
75a、75b 係合部
76a、76b 係合部
40 第1のコネクタハウジング
140 第2のコネクタハウジング
60 外部アース端子
70 電子部品ユニット
A 壁面
B ボルト(アース部位)

Claims (7)

  1. 車両内の壁面上に設けられたアース部位に複数本のアース用電線を一括して接続するためのアース接続装置であって、
    前記アース用電線のうちの複数の第1のアース用電線の端末に設けられる第1のアース用ジョイントコネクタと、
    前記アース用電線のうち前記第1のアース用電線と異なる複数の第2のアース用電線の端末に設けられる第2のアース用ジョイントコネクタと
    電子部品ユニットとを備え、
    前記第1のアース用ジョイントコネクタは、
    前記各第1のアース用電線の端末にそれぞれ装着される複数の第1の電線用端子と、
    前記各第1の電線用端子に対して互いに共通する特定の端子嵌合方向に嵌合可能な形状を有する複数の第1の電線側端子部と、前記壁面上で前記アース部位に接続されることが可能な形状を有する第1のアース側端子部とを有し、前記各第1の電線側端子部が前記端子嵌合方向と略直交しかつ前記壁面と略平行な方向に並んだ状態で前記第1のアース側端子部と一体につながる第1のアース用導体と、
    前記第1のアース用導体を保持するとともに、前記端子嵌合方向と平行な一方向に開口して当該開口から前記各第1の電線用端子が挿入可能な複数の端子収容室及び各端子収容室内に挿入される前記第1の電線用端子を係止する端子係止部を有する第1のコネクタハウジングとを備え、
    前記第1のコネクタハウジングは、その各端子収容室内に挿入される第1の電線用端子がこれに対応する第1の電線側端子部と嵌合した状態で当該第1の電線用端子を前記各端子係止部が係止するように各端子収容室内に前記第1の電線側端子部を収容するとともに、前記第1のアース側端子部が前記各端子収容室の開口と反対の側で第1のコネクタハウジングの外部に突出するように前記第1のアース用導体を保持し、
    前記第2のアース用ジョイントコネクタは、
    前記各第2のアース用電線の端末にそれぞれ装着される複数の第2の電線用端子と、
    前記各第2の電線用端子に対して互いに共通する特定の端子嵌合方向に嵌合可能な形状を有する複数の第2の電線側端子部と、前記第1のアース側端子部に接続されることが可能な形状を有する第2のアース側端子部とを有し、前記各第2の電線側端子部が前記端子嵌合方向と略直交しかつ前記壁面と略平行な方向に並んだ状態で前記第2のアース側端子部と一体につながる第2のアース用導体と、
    前記第2のアース用導体を保持するとともに、前記端子嵌合方向と平行な一方向に開口して当該開口から前記各第2の電線用端子が挿入可能な複数の端子収容室及び各端子収容室内に挿入される前記第2の電線用端子を係止する端子係止部を有する第2のコネクタハウジングとを備え、
    前記第2のコネクタハウジングは、その各端子収容室内に挿入される第2の電線用端子がこれに対応する第2の電線側端子部と嵌合した状態で当該第2の電線用端子を前記各端子係止部が係止するように各端子収容室内に前記第2の電線側端子部を収容するとともに、前記第2のアース側端子部が前記各端子収容室の開口と反対の側で第2のコネクタハウジングの外部に突出するように前記第2のアース用導体を保持し、
    前記第2のアース用導体および前記第2のコネクタハウジングは、前記第1の電線側端子の並び方向と前記第2の電線側端子の並び方向とが略平行な姿勢で前記第2のアース用導体が前記第1のアース用導体に対して前記両並び方向と直交する積層方向に積層可能であり、かつ、これら第1のアース用導体と第2のアース用導体とが積層された状態で前記第1のコネクタハウジングと前記第2のコネクタハウジングとが前記積層方向に積層可能な形状を有し、
    前記電子部品ユニットは、前記第1のアース側端子部および前記第2のアース側端子部が前記アース部位に接続される状態でこれらのアース側端子部同士の間に介在することが可能であり、
    当該電子部品ユニットは、電子部品を有し、かつ、前記両アース側端子同士の間に前記電子部品を含む電子回路を構築することを特徴とするアース接続装置。
  2. 前記第1のアース側端子部および前記第2のアース側端子部は、これらのアース側端子部同士が前記積層方向に積層された状態で互いに接触することにより両アース側端子部同士を電気的に導通させる第1の接触部および第2の接触部をそれぞれ有することを特徴とする請求項1記載のアース接続装置。
  3. 前記第1の接触部は第1の係合部を含み、前記第2の接触部は前記両アース用導体が積層された状態で前記第1の係合部と係合することによりその積層状態を維持する第2の係合部を含むことを特徴とする請求項2記載のアース接続装置。
  4. 前記第2のアース用導体は、前記第2のアース側端子部と前記第2の電線側端子部との間に介在しかつ前記積層方向と平行な方向に延びることにより当該方向について前記第2のアース側端子部と前記第2の電線側端子部との間に段差を与える段差部を有し、この段差部は、前記第1のアース側端子部の上に前記第2のアース側端子部が積層された状態で前記第1のコネクタハウジングの上に前記第2のコネクタハウジングが積層されることを可能にする寸法を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアース接続装置。
  5. 前記電子部品ユニットは、前記第1のアース側端子部と接触することにより当該第1のアース側端子部と前記電子部品とを電気的に接続する第1のユニット端子と、前記第2のアース側端子部と接触することにより当該第2のアース側端子部と前記電子部品とを電気的に接続する第2のユニット端子と、絶縁材料からなり、前記電子部品の周囲にモールドされる絶縁部とを有し、
    前記絶縁部は、当該絶縁部の外側に前記第1のユニット端子の一部および前記第2のユニット端子の一部が露出する状態でこれらのユニット端子および前記電子部品を保持することを特徴とする請求項に記載のアース接続装置。
  6. 前記第1のアース用電線および前記第2のアース用電線とは別の外部アース用電線の端末に装着された外部アース端子をさらに備えており、
    前記外部アース端子は、前記第1のアース側端子部および前記第2のアース側端子部と積層されて配置されている、
    請求項1からに記載のアース接続装置。
  7. 複数の前記第1のアース用電線を含む第1のワイヤハーネス本体と、複数の前記第2のアース用電線を含む第2のワイヤハーネス本体と、請求項1記載のアース接続装置とを含むワイヤハーネスであって、
    前記第1のアース用ジョイントコネクタに含まれる複数の前記第1電線用端子が、前記第1のワイヤハーネス本体の前記第1のアース用電線の端末に装着された状態で、前記第1のコネクタハウジングの各端子収容室に挿入されて前記第1の電線側端子部に嵌合され、
    前記第2のアース用ジョイントコネクタに含まれる複数の前記第2電線用端子が、前記第2のワイヤハーネス本体の前記第2のアース用電線の端末に装着された状態で、前記コネクタハウジングの各端子収容室に挿入されて前記第2の電線側端子部に嵌合され、
    前記第2のアース用導体および前記第2のコネクタハウジングは、前記第1のワイヤハーネス本体と前記第2のワイヤハーネス本体とが積層された状態で前記第1のコネクタハウジングと前記第2のコネクタハウジングとが前記積層方向に積層可能な形状を有する
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
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