JPH078976U - アースジョイントコネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 後にアースすべきコネクタが生じてもこれに
対応できるようにする。 【構成】 アース用のジョイント端子が組み込まれてい
る雄コネクタハウジング内を複数の嵌め合い室に区画
し、それぞれの室内にジョイント端子のタブ状接触部が
収められるようにし、これに対応して雌コネクタ側も単
極の設定とする。これによって、アースが必要な端子の
数だけ雄側コネクタの極が使用されることになり、した
がって雄コネクタ側に空いている極があればここに容易
に追加設定することが可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、アースジョイントコネクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、複数のターミナルを対象にしてこれらを一括してアースする場合に は、アースジョイントコネクタが使用されてきた。その一例として、実開昭６１ ー１９７６７４号公報のものが挙げられる。このものもそうであるように、通常 のアースジョイントコネクタは、雄側コネクタハウジングの内部に複数のタブ状 接触部と、かつ各タブ状接触部と一体に形成されてコネクタハウジングの外部に 引き出されるアース用ブラケット部とを備えたジョイント端子が組み込まれた構 成となっており、このような雄側コネクタに対して雌側コネクタを嵌合させるこ とにより、雌側コネクタの各ターミナルのアースがなされるようにしたものが一 般的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した雄側コネクタのハウジングの内部は特に仕切られることもな く、単一の端子収容室内に複数の極（タブ状接触部）を配したものとなっている 。したがって、上記した雄コネクタに嵌合する雌コネクタ側についても、雄コネ クタ側に対応して同極数を配置可能な構成とせざるを得ない。このため、アース すべき雌側コネクタの各ターミナルが雄側コネクタに設定されたタブ状接触部の 数よりも少ない場合には、雌雄コネクタ共に使用されない極が生じる。にもかか わらず、雄側コネクタはもはや新たな雌コネクタを受け入れることができないた め、新規にアースを必要とするコネクタが追加されるような場合があっても、こ れを追加することができない等、融通性に欠けたものとなっている。

【０００４】 本考案はこのような事情に鑑みて開発工夫されたものであり、その目的とする ことろは新たにアースを必要とするような場合にも対応できる融通性に富んだア ースジョイントコネクタを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための本考案の構成は、雌雄嵌合可能なコネクタハウジ ングの一方の内部には、複数のターミナルを有するアース用のジョイント端子が 組み込まれるとともに、このコネクタハウジングには、嵌合相手となる他の複数 のコネクタハウジングを選択的に嵌め込み可能とするために、前記ターミナルを 含む複数の嵌め合い室が区画形成されていることを特徴とするものである。

【０００６】 この場合、アース用のジョイント端子が組み込まれた側のコネクタハウジング には、前記ジョイント端子のターミナルを含んで複数箇所に区画された端子金具 の差し込み用の収納室と、前記コネクタ嵌合用の嵌め合い室とが一体に形成され ているようなものであってもよい。

【０００７】

【作用】

請求項１の考案では、アースジョイント端子が組み込まれている側のハウジン グには複数の嵌め合い室が分画されて、それぞれの室が独自に相手コネクタとの 嵌合を可能としているため、追加の嵌合も可能となる。

【０００８】 また、請求項２の考案によればコネクタ同士の嵌合に加えて、電線単体のもの のアース接続も可能になる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案の効果は次のようである。請求項１の考案では、各嵌め合い室はそれぞ れ別個独立して相手コネクタとの嵌め合いを可能にしているため、アース用ジョ イント端子が組み込まれている側のコネクタでは、アースを必要とする数に対応 しただけの嵌め合い室のみが使用される。したがって、後にアースを必要とする コネクタの追加が生じても、空いている嵌め合い室を利用してここへ嵌合させる ことができる等、融通性に富んだものとなる。

【００１０】 また、請求項２に記載された考案では、コネクタと電線単体の２種類のアース 接続が可能になるため、適用種の増加によって一層使い勝手が向上する。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案を具体化した実施例を図面にしたがって詳細に説明する。図１は 本例のアースジョイントコネクタを分解して示すものである。まず、ジョイント 端子１について説明すると、ジョイント端子１は後部側にアース用ブラケット部 ２が形成されており、このブラケット部２は中央に装着孔３が開口している。そ して、ここを通して自動車ボディへのボルト締めが行われる。また、アース用ブ ラケット部２の前部側には前後に開口する略方形の枠状をなす連結部４が形成さ れ、雄コネクタハウジング５に対して後方から嵌め込み可能である。この連結部 ４の前縁にはタブ状接触部６、７が上下に二段、３個ずつ並列して配されている 。なお、この実施例においては、図１における上段側のもの６は下段側のもの７ よりも長めに形成されている。また、上段側において左右に配置されたものにつ いては、雄コネクタハウジング５に対する抜け止めのためにそれぞれ係止孔８が 貫通して形成されている。

【００１２】 雄コネクタのハウジング５は前後両方向に開口するボックス状に形成され、後 部側からは上記したアースジョイント端子１が組み込まれ、前部側はやや大きめ に膨出形成されてアースジョイント端子１と電気的に接続される雌コネクタハウ ジング１０および電線１２に接続された端子金具１１が挿入可能となっている。 すなわち、雄コネクタハウジング５の後部側の内部には、図５に示すように、格 子状のリブ１３が形成されており、これらリブ１３はアースジョイント端子１の 各タブ状接触部６、７あるいは連結部４を挿通可能とし、かつアースジョイント 端子１をがた付きなく固定する。また、このリブ１３からは一対の弾性係止片１ ４（図４では片側のみが示されている。）が撓み変形可能に延出し、共に上記し たアースジョイント端子１の係止孔８に係合することで、アースジョイント端子 １の抜け止めを行っている。

【００１３】 一方、雄コネクタハウジング５の内部は上下区画壁１５によって上下に分画さ れており、図１における上段側は両仕切板１６によってさらに左右方向に三つに 分画されてそれぞれ雌コネクタハウジング１０に対する嵌め合い室１７となって いる。各嵌め合い室１７の内部にはタブ状接触部６のうち長い側の段の一つずつ が対応して突入されている。したがって、本例においては嵌合相手となる雌コネ クタも一極のものとなる。また、各嵌め合い室１７には図４に示すように、開口 縁寄りの位置の底面には雌コネクタハウジング１０の抜け止めのための爪縁１８ が突出形成されている。

【００１４】 雌コネクタはそのハウジング１０の内部に端子収容孔１９が長手方向に沿って 形成されるとともに、端子収容孔１９には撓み変形可能なランス２０が形成され て、端子収容孔１９内に挿入された端子金具３２に係合して抜け止めを行う。ま た、雌コネクタハウジング１０の上面には嵌め合い室１７に対する抜け止めのた めの係合腕２１が設けられている。係合腕２１は雄コネクタハウジング５への差 し込み側を固定端として反対側へ片持ち梁状にかつ枠状に延出し、中央部には前 記爪縁１８と係合する引掛け片２２が横架され、また先端には解離操作用の操作 部２３が形成されている。

【００１５】 一方、図１において雄コネクタハウジング５の前部の下段側も２枚の仕切板２ ４によって左右方向に３つの端子収納室２５に分画されており、これらにはタブ 状接触部７の短い側の段の一つずつが対応して突入されている。また、各端子収 納室２５は開口側がやや膨出してリテーナ保持部２６となっており、ここには端 子金具１１に対する抜け止めを行うためのリテーナ２７が嵌め込まれている。但 し、中央に位置する端子収納室２５についてはリテーナ保持部２６の開口縁側が やや奥部へ引っ込むようにして形成されている。

【００１６】 リテーナ２７は、基部２８とここから各端子収納室２５毎に対応して挿入され るとともにそれぞれが二股状にかつ撓み変形可能に延出された３対の係止爪片２ ９とから成形されたものであり、このうち基部２８はリテーナ保持部２６に収め られている。この場合、左右に位置する端子収納室２５のリテーナ保持部２６の 開口縁寄りには抜け止め縁３０が突出しており、リテーナ２７の基部２８の対応 位置に突出する係合部３１と係合してリテーナ２７の抜け止めがされている。ま た、端子金具１１に対しては各係止爪片２９の先端部と係合するようになってい る。

【００１７】 但し、各基部２８には詳しくは図示しないが、仕切板２４との干渉を避けるた めのスリットが設けられており、これによってリテーナ２７全体は端子収納室２ ５から突出することなく収納される（但し、図１ではリテーナが半挿入の状態が 示されている。）。

【００１８】 次に、上記のように構成された本例の作用と効果を具体的に説明すると、アー スを必要とする雌コネクタがある場合、そのハウジング１０を任意の嵌め合い室 １７を選択して嵌め込むと、爪縁１８が係合腕２１の引掛け片２２と弾性的に係 合して雌コネクタハウジング１０が抜け止め状態で結合される。このとき、雌コ ネクタの端子金具１１が対応するタブ状接触部６と接触することによってアース 接続がなされる。電線１２側についてアースを必要とする場合には、任意の端子 収納室２５を選択して差し込むと、リテーナ２７の係止爪片２９が端子金具１１ の凹部に係合し、これによって端子金具１１が抜け止め状態で挿着される。

【００１９】 ところで、本例では嵌め合い室１７を複数の独立した室とし、これに対応して 雌コネクタ側も単極としたため、アースの必要な数だけ雌コネクタを差し込むこ とができる。つまり、雄コネクタにおいては必要な数だけのタブ状接触部６が占 有されるだけであるため、なお空きの嵌め合い室１７があれば、後にアースを必 要とする雌コネクタが生じても、追加設定することが容易となる。したがって、 雄コネクタ側の全極を有効に活用することができる。さらに、この例においては 電線端子も併用することができるため、適用対象の増加によって汎用性が高めら れている。

【００２０】 なお、本考案は種々の変形例が考えられる。例えば、雄コネクタは雌コネクタ と電線端子のいずれについても使用可能としたが、雌コネクタのみを対象とした 構成としてもよく、また雌コネクタは単極仕様に限られず、複数極を設定するこ とも可能であり、さらにはこれらを混在させるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】アースジョイントコネクタの分解斜視図

【図２】同コネクタの平面図

【図３】同正面図

【図４】図３のIV-IV線断面図

【図５】アースジョイントコネクタの背面図

【符号の説明】

１…ジョイント端子 ５…雄コネクタハウジング ６、７…タブ状接触部 １０…雌コネクタハウジング １１…端子金具 １２…電線 １７…嵌め合い室 ２５…端子収納室

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 雌雄嵌合可能なコネクタハウジングの一
   方の内部には、複数のターミナルを有するアース用のジ
   ョイント端子が組み込まれるとともに、このコネクタハ
   ウジングには、嵌合相手となる他の複数のコネクタハウ
   ジングを選択的に嵌め込み可能とするために、前記ター
   ミナルを含む複数の嵌め合い室が区画形成されているこ
   とを特徴とするアースジョイントコネクタ。
2. 【請求項２】 アース用のジョイント端子が組み込まれ
   た側のコネクタハウジングには、前記ジョイント端子の
   ターミナルを含んで複数箇所に区画された端子金具の差
   し込み用の収納室と、前記コネクタ嵌合用の嵌め合い室
   とが一体に形成されていることを特徴とする請求項１記
   載のアースジョイントコネクタ。