JP5493288B2 - 電解液及びこれを用いた二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、発火の危険性の低い電解液及びこの電解液を用いた二次電池に関する。
近年多く用いられるようになったリチウム一次電池、リチウム二次電池等の蓄電デバイスにおいては、リチウムイオンが移動することにより充放電が行われる。
これら蓄電デバイスが使われる携帯用機器の小型高性能化に伴って、蓄電デバイスには高エネルギー密度化が求められている。
これらの電池は、リチウム塩を有機溶媒に溶解した電解液が用いられており、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の極性溶媒や、ジメチルカーボネート等の有機溶媒が用いられている。
これら有機溶媒は揮発性を有し、また可燃性でもあるため、環境への影響や、過熱時の発火の問題等も有する。
上記問題点を解決する手法の一つとして、いわゆる常温溶融塩を用いる手法も提案されている。即ち、常温溶融塩は、イオンに解離可能な塩でありながら常温で液体の化合物であり、また不揮発性のため発火の危険もないため、該常温溶融塩を溶媒とし、リチウム塩をこの常温溶融塩に溶解することによって、揮発性有機溶媒による環境への影響や安全性の問題を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特定の構造のエーテル化合物を配位子として有するアルカリ金属のエーテル錯塩が提案されており、安全性を高めることが報告されている(例えば、特許文献2参照)。
従来公知の常温溶融塩を溶媒として用いた場合には、カチオンとしてのリチウムイオンと常温溶融塩を構成するカチオンとの二種類が存在するため、電場をかけた際に、リチウムイオンの移動と常温溶融塩を構成するカチオンの移動とが競争して起きるため、電池特性が悪いという問題があった。
また、特許文献2に記載されている特定の構造のエーテルを配位子として有するリチウム塩のエーテル錯塩について、リチウムイオン電池特性に関する記載はなかった。我々の実験によると満足のいくリチウムイオン電池特性を得る事はできなかった。
特開2004−43407号公報 特開2005−126339号公報
本発明は、発火の危険性が低く、安全性を高め、さらに従来の電解液を用いたリチウムイオン電池と同等の性能を得ることが可能な、電解液及びこの電解液を用いた二次電池を提供することを目的とするものである。
本発明者等は上記課題を解決する為に鋭意検討を行った結果、特定の構造のエーテル化合物とイオン導電性塩の混合溶媒が、ある特定の混合比率において発火の危険性が低いため、安全性を高めることができ、さらに従来の電解液を用いたリチウムイオン電池と同等の電池特性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(1)下記一般式(I)で示されるエーテル化合物Aと、イオン導電性塩Bとの混合物を含み、前記エーテル化合物Aと前記イオン導電性塩Bの混合比率が、モル比で0.4≦(A/B)<1である電解液に関する。
Figure 0005493288
(式中、R、Rは、同一又は異なる、置換基を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基、Rは、主鎖を構成する炭素数が2〜4であり、且つ置換基を有していてもよい総炭素数が2〜4のアルキレン基、且つn≧2の整数である。)
また、本発明は、(2)前記イオン導電性塩Bがリチウム塩であり、該リチウム塩が六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(SO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)から選ばれる一種又は二種以上の混合物である上記(1)に記載の電解液に関する。
また、本発明は、(3)前記リチウム塩が、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)である上記(2)に記載の電解液に関する。
また、本発明は、(4)前記一般式(I)中のnがn=2〜6である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の電解液に関する。
また、本発明は、(5)前記一般式(I)中のnがn=2であり、R、Rがメチル基、Rがエチレン基である上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の電解液に関する。
さらに、本発明は、(6)正極及び負極と、これら正負極間に介在させたセパレーターと、電解液と、を含む二次電池において、前記電解液が、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の電解液である二次電池に関する。
本発明の電解液は、発火の危険性が低いために安全性を高めることができ、さらに従来の電解液を用いた二次電池と同等の電池性能を得ることができる。
(本発明の電解液)
本発明の電解液は、下記一般式(I)で示されるエーテル化合物Aと、イオン導電性塩Bとの混合物を含み、前記エーテル化合物Aと前記イオン導電性塩Bの混合比率が、モル比で0.4≦(A/B)<1である。
Figure 0005493288
(式中、R、Rは、同一又は異なる、置換基を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基、Rは、主鎖を構成する炭素数が2〜4であり、且つ置換基を有していてもよい総炭素数が2〜4のアルキレン基、且つn≧2の整数である。)
前記イオン性導電性塩Bとしては、リチウム塩が挙げられ、リチウム電池又はリチウムイオン電池の作動電圧範囲で安定なリチウム塩であれば、特に制限はない。
本発明で用いられるリチウム塩として、具体的には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(SO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)が挙げられる。
これらのリチウム塩は、1種単独で用いることも、2種以上混合して用いることもできる。
これらの中でもリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いると、電解液の粘度が低くなること及びエーテルへの溶解性が高いため、望ましい。
本発明で用いられるエーテル化合物Aとしての前記一般式(I)中、R、Rは、同一又は異なる、総炭素数が1〜4の、置換基を有していてもよいアルキル基である。置換基としては、フッ素、塩素等のハロンゲン基、ニトリル基、ケトン基、アルケニル基等が挙げられる。
又はRとして示される、置換基を有していても良い総炭素数1〜4のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、sec−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の無置換アルキル基;モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等のフルオロアルキル基;トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、ペンタクロロエチル基等のクロロアルキル基;等を挙げることができる。
炭素数が多くなるほど、粘度が上昇する傾向が強いため、前記R又はRが炭素数5以上のアルキル基では、イオン伝導性が低くなり、やはり本発明の目的である、良好なイオン伝導度を得ることが困難となる。なお、同じ炭素数の場合、置換基、特にハロゲン基を有するアルキル基は、エーテルとイオン導電性塩との間の相互作用が小さくなり、粘度が小さくなる傾向がある反面、難燃性の効果が小さくなる傾向がある。
従って、R、Rとしては、メチル基又はエチル基であることが好ましく、さらにはメチル基であることが好ましい。
上記一般式(I)において、Rは、置換基を有していてもよい総炭素数が2〜4のアルキレン基であり、その主鎖を構成する炭素数は2〜4である。上記Rにおける主鎖の炭素数が1である化合物は、安定性が低く、室温付近では安定な化合物として得ることができない傾向がある。他方、主鎖の炭素数が5以上では、化学的安定性が低くなるばかりでなく、イオン伝導度も低下する傾向がある。Rとして特に好ましくは、主鎖を構成する炭素数が2のものである。
また、Rは、総炭素数が2〜4であれば置換されていてもよい(総炭素数は、置換基を有する場合には、該置換基の炭素原子も含む数である)。総炭素数が5以上では、やはりイオン伝導度が充分なものとならない傾向がある。
として好適な基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の無置換アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基等のアルキル置換アルキレン基、テトラフルオロエチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基等のフルオロアルキレン基;テトラクロロエチレン基、1,2−ジクロロエチレン基、1,1−ジクロロエチレン基等のクロロアルキレン基等を挙げることができる。
上記一般式(I)において、nは2以上である。nが1であると、難燃性の効果が得られ難い傾向がある。nを2以上とすることで、イオン導電性塩と相互作用できるエーテル中の酸素原子の数が増えるため、難燃性の効果が得られ易い傾向がある。
本発明で用いられるエーテル化合物Aとして具体的には、エーテルを具体的に例示すると、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル等のエチレングリコール類、エチレングリコールビス(プロピオにトリル)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−エトキシエチルイソブチレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
電解液を構成するエーテルの沸点又は引火点が高いほど、リチウム電池又はリチウムイオン電池として使用した際の発火の危険性が低くなる傾向があるため好ましい。そのため、本発明で用いられるエーテル化合物Aは、沸点が100℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。沸点が100℃以上のエーテルとしては、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が上げられ、沸点が200℃以上であるエーテルとしては、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
エーテル化合物Aとイオン導電性塩Bの混合物の融点が室温よりも高く、室温(約25℃)において固体である場合、有機溶媒に溶解して使用することができる。
また、エーテル化合物Aとイオン導電性塩Bの混合物が室温で液体であっても、融点や粘度を下げる目的及びリチウム電池特性を向上するために有機溶媒を添加して用いても良い。
上記有機溶媒としては、イオン導電性塩Bを溶解可能であるとともに、リチウム電池又はリチウムイオン電池の作動電圧範囲で安定なものであれば、特に制限はない。
有機溶媒の具体例としては、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリコールエーテル類(エチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルセルソルブ、ブチルカルビトール等)等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン等の環状エーテル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサゾリン−2−オン等のラクトン類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド類;ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、スチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類又はこれらの各種有機溶媒の水素原子やアルキル基がフルオロアルキル基に置換されたフッ素系溶媒等が挙げられる。
これらの非水系有機溶媒は、1種単独で用いても良く、2種以上混合して用いても良い。
中でも、誘電率が大きく、電気化学的安定範囲及び使用温度範囲が広く、且つ安全性に優れるものが好ましく、例えば、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートを主成分として含む混合溶媒や、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ―ブチロラクトン、フッ素化プロピレンカーボネート及びフッ素化γ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種の溶媒を用いることが好ましい。
本発明の電解液を製造する方法は特に制限はないが、前記エーテル化合物Aと前記イオン導電性塩Bを特定の混合比率で反応させ、混合物を得ることにより製造する方法が反応の容易さから好適である。
エーテル化合物Aとイオン導電性塩Bの混合モル比率A/Bは、0.4≦(A/B)<1であることが好ましい。この比率が1以上であると安全性が高くなる効果が薄くなり、0.4未満であると高粘度が原因でイオン伝導率が低下する恐れがある。さらに好ましくは0.4≦(A/B)<0.9であり、0.5≦(A/B)<0.8が最適である。
本発明の電解液の製造において、反応温度や時間は特に限定はない。一般的には、攪拌下、用いる原料エーテル化合物Aの沸点以下の温度で、エーテル化合物Aとイオン導電性塩B、及び必要により有機溶媒とを混合し、数分〜数時間で反応は完結するため、本発明においても適宜反応時間、反応温度を調整すればよい。
なお、反応が完了して混合物が得られたことを確認するには、粘度確認により行う。一定時間後に粘度が変化ないことによって確認できる。
本発明の電解液は、粘度が200000mPa・s以下であることが好ましく、3000mPa・s以下であることがより好ましい。ここで粘度とは、E型粘度計((株)トキメックス製「ELD」)を用いて測定した25℃での粘度をさす。粘度を上記範囲とするには、エーテル化合物Aやイオン導電性塩Bを適宜選択する、エーテル化合物Aとイオン導電性塩Bとの混合比率を調整する、又は電解液に有機溶媒を添加する等で達成できる。
(本発明の電解液の利用)
このようにして得られた本発明になる電解液は、リチウムイオン一次電池及びリチウムイオン二次電池の電解液、リチウム一次電池及びリチウム二次電池の電解液に好適に用いられる。この電解液を用いて、リチウムイオン一次電池、リチウムイオン二次電池、リチウム一次電池、リチウム二次電池の蓄電デバイスを構成することにより、発火の危険性が低く安全性の高い電気化学デバイスを構築することもできる。
電池の基本構造は、セパレーターを介して正極及び負極を対向配置し、これに非水電解液を含浸させるものであり、本発明においては、この非水電解液として、上述した本発明の電解液を用いる。
リチウム電池及びリチウムイオン電池の正極に含まれる正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn等のリチウムと遷移金属との複合酸化物、MnO、V等の遷移金属酸化物、MoS、TiS等の遷移金属硫化物、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物、ポリ(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)等のジスルフィド化合物等が用いられる。
リチウム電池及びリチウムイオン電池の負極に含まれる負極活物質としては、リチウム金属、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、リチウムを吸蔵・放出できる炭素質材料、黒鉛、フェノール樹脂、フラン樹脂等のコークス類、炭素繊維、ガラス状炭素、熱分解炭素、活性炭等が用いられる。
電極活物質を用いて帯電デバイス用電極を作製する際に、バインダと共に導電助剤を用いることが好ましく、用いられる導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、導電性カーボン、酸化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウム、ニッケル等の金属繊維等が用いられる。これらの中でも、少量の配合で所望の導電性を確保できるアセチレンブラック、ケッチェンブラックが好ましい。
なお、導電助剤は、電極活物質に対して、通常0.5〜50質量%程度配合されるが、1〜30質量%配合することがより好ましい。
帯電デバイス用電極を作製する際に導電助剤と共に用いられるバインダとしては、公知の各種バインダを用いることができる。
例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、帯電デバイス用電極の作製において、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水、アルコール類等の塗工溶媒を用いることも好ましい。
帯電デバイスに用いるセパレーターとしても、公知の各種セパレーターを用いることができる。
具体例としては、紙製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、ガラス繊維製セパレーター等が挙げられる。
ただし、電解液が高粘度である場合には、ポリプロピレン製やポリエチレン製のものを用いると濡れ性が悪くなる可能性があるため、ポリプロピレンやポリエチレン多孔体の表面をシラン且つプリング剤や樹脂等によって処理したセパレーターを用いることでセパレーターへの濡れ性を向上させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限するものではない。
<電解液の作製>
(実施例1)
表1に示すとおりのモル比で、18mmolのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに、12mmolのテトラエチレングリコールジメチルエーテルを加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の液体を得て、これを電解液1とした。
なお、反応が完了して混合物が得られたことを確認するには、粘度確認により行う。一定時間後に粘度が変化ないことによって確認できる。
(実施例2)
10.1g(35mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに、5.66g(25mmol)のテトラエチレングリコールジメチルエーテルを加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の液体を得て、これを電解液2とした。
(実施例3)
9.25g(32mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに、5.63g(25mmol)のテトラエチレングリコールジメチルエーテルを加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の液体を得て、これを電解液3とした。
(比較例1)
4.85g(17mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに3.77g(17mmol)のテトラエチレングリコールジメチルエーテルを加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の液体を得て、これを電解液4とした。
(比較例2)
7.01g(24mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(キシダ化学(株)製)に、2.32g(10.5mmol)のテトラエチレングリコールジメチルエーテル(東京化成工業(株)製)を加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の液体を得て、これを電解液5とした。
<電解液の評価>
(粘度の測定)
実施例1〜3の電解液1〜3及び比較例1及び2の電解液4、5について、E型粘度計((株)トキメック製「ELD」)を用いて25℃での粘度を測定した。
(イオン伝導率の測定)
実施例1〜3の電解液1〜3及び比較例1及び2の電解液4、5について、電気伝導率計(東亜DKK製「CM−20J」)を用いて25℃でのイオン伝導率を測定した。
(電解液難燃性試験)
実施例1〜3の電解液1〜3及び比較例1及び2の電解液4、5について、電解液難燃性試験を行った。ガラスフィルターに各電解液を含浸し、10cmの長さの炎に調節したガスバーナーを炎の先端にガラスフィルターを置いて3秒間接した後、炎から離してガラスフィルターの燃焼の有無を確認した。この試験を3回行い、3回のうち燃焼した回数を評価した。燃焼した回数が少ないほど、蓄電デバイス用電解液として使用した際の発火の危険性が低いと判断した。
(熱安定性試験)
実施例1〜3の電解液1〜3及び比較例1及び2の電解液4、5について、熱安定性試験を行った。示差熱・熱重量同時測定装置(Seiko Instruments社製、TG/DTA630)を用いて10℃/分の昇温速度で30〜300℃の温度範囲で測定した。質量減少率が5%となる温度を分解温度として評価した。
上記の粘度、イオン伝導率、電解液難燃性試験及び熱分解温度の結果を表1に示す。
Figure 0005493288
(電極特性の評価)
1)リチウム二次電池用正極の作製
正極活物質としてコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)製、「セルシード10N」)と、導電性カーボン(電気化学工業(株)製、「HS−100」)と、バインダとしてポリフッ化ビニリデン((株)クレハ製、「PVDF#1120」)と、塗工溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMP)を活物質:導電性カーボン:バインダ:NMP=94:3:3:28(固形分の質量比率)の割合で混合してペースト状にし、アルミ集電箔(日本蓄電器工業(株)製、「20CB」)に塗布し、80℃で4時間乾燥させた後、圧延してリチウム二次電池用正極電極を得た。圧延後の正極活物質の密度は2.5g/mlであった。
2)リチウム二次電池の作製
対極として厚さ1mmの金属リチウムを用い、また作用極として前記で得られた正極電極を用い、両極をセパレーター(セルガード(株)製、「セルガード#2300」)を介して対向させた。上記各電解液を用いて通常の方法によってリチウム二次電池を作製した。
3)電極特性の評価
対極(リチウム極)に対し、0.1Cに相当する電流で4.2Vまで充電した。
放電はリチウム極に対して0.1Cに相当する電流で3.0Vまで行い、初期(初回)放電容量を測定した。またこの初期放電容量を初期充電容量で割った値を初期充放電効率(%)として算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0005493288
表1に示されるように本発明になる電解液は安全性に優れることが明らかである。
また、表2に示されるように、本発明になる電解液を用いた実施例1〜3のリチウム二次電池では、従来の電解液を用いたリチウム電池と同等の初期放電容量及び初期充放電効率を示すことが明らかである。
このように、本発明になる電解液を用いた場合、発火の危険性が低く、熱安定性に優れた有用な蓄電デバイス用電解液となり得ることがわかる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で示されるエーテル化合物Aと、イオン導電性塩Bとの混合物を含み、前記エーテル化合物Aと前記イオン導電性塩Bの混合比率が、モル比で0.4≦(A/B)<1であり、粘度が927mPa・s以上3000mPa・s以下である電解液。
    Figure 0005493288
    (式中、R、Rは、同一又は異なる、置換基を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基、Rは、主鎖を構成する炭素数が2〜4であり、且つ置換基を有していてもよい総炭素数が2〜4のアルキレン基、且つn=4〜6の整数である。)
  2. 前記イオン導電性塩Bがリチウム塩であり、該リチウム塩が六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(SO)、及びトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)からなる群から選ばれる一種又は二種以上の混合物である請求項1に記載の電解液。
  3. 前記リチウム塩が、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)である請求項2に記載の電解液。
  4. 前記一般式(I)中のnがn=であり、R、Rがメチル基、Rがエチレン基である請求項1〜のいずれか一項に記載の電解液。
  5. 正極及び負極と、これら正負極間に介在させたセパレーターと、電解液と、を含む二次電池において、前記電解液が、請求項1〜のいずれか一項に記載の電解液である二次電池。
JP2008119597A 2008-03-11 2008-05-01 電解液及びこれを用いた二次電池 Expired - Fee Related JP5493288B2 (ja)

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