JP6315644B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、カソードと、アノードと、電解液と、前記カソードと前記アノードと前記電解液とが内部に収容された容器と、を具備する二次電池に関する。
携帯電子機器および電気自動車等の電源として二次電池の開発が進められている。現在、普及しているリチウム二次電池は、ともにリチウムイオンを吸蔵放出するカソードおよびアノードと、カソードとアノードとの間に配設されたリチウムイオンが溶解した電解液と、を基本構成要素とする。
二次電池用の電解液については、安全性および熱安定性について改善が進められている。
日本国特開2010−73489号公報には、鎖状エーテルであるグライムとリチウム塩とが錯体を形成した溶媒和イオン液体(solvate ionic liquid)を電解液として用いた二次電池が開示されている。グライムは、耐酸化性に劣り、電池のカソード材料と組み合わせることが困難であると一般的には考えられていた。加えて、グライムは、二次電池に通常使用される程度の電圧での充放電を実現することはできなかった。しかし、グライムがリチウム塩と錯体を形成した溶媒和イオン液体では、二次電池に通常使用される程度の電圧での充放電が可能で、さらに耐酸化性が向上し、熱安定性も向上する。
電解液には、安全性に加えて、レート特性改善等のために、高い導電性が求められている。導電性向上には電解液の粘度を下げることが有効である。例えば、日本国特開2014−041811号公報には、電解液である溶媒和イオン液体の粘度を低下するために、フッ素系溶媒を添加したアルカリ金属−硫黄系二次電池が開示されている。
なお、日本国特開平7−249431号公報および日本国特開2009−123526号公報には、二酸化炭素が溶解された電解液を有する電池が開示されている。
日本国特開平7−249431号公報に記載の電池は、誤使用等により、200℃〜300℃の高温環境下におかれると、電解液の蒸発および二酸化炭素の溶解度が減少するため、容器内の圧力が上昇する。すると、内部の圧力を低下させるための圧力低下機構(防爆機能)により、消火作用を有する二酸化炭素が吹き出す。このため、引火性の電解液の引火が防止できる。なお、圧力低下機構である防爆弁の作動圧は、5kg/cm〜20kg/cm(0.49MPa〜1.96MPa)の範囲が好ましいことが記載されている。すなわち、この電池では、200℃〜300℃において容器の内部圧力が前記作動圧となる。
一方、日本国特開2009−123526号公報に記載の電池は、電解液として常温溶融塩を有する。電解液に二酸化炭素を溶解しておくことで、初期充電時にアノードの表面にLiCO由来の安定で且つリチウムイオンの透過性に優れた皮膜が形成される。この皮膜により、充電時に電解液のカチオン成分がアノードにおいて反応して分解することを抑制している。
すなわち、上記2件の特許公開公報に記載されている電池は、共に二酸化炭素が溶解された電解液を有しているが、その効果は全く異なっていた。
特開2010−73489号公開公報 特開2014−041811号公開公報 特開平7−249431号公開公報 特開2009−123526号公開公報
本発明の実施形態は、特性の良い二次電池を提供することを目的とする。
実施形態の二次電池は、カソードと、アノードと、電解液と、前記カソードと前記アノードと前記電解液とが内部に収容された容器と、を具備し、前記電解液には、二酸化炭素が溶解しており、前記電解液の導電率(40℃)が、3mS/cm以上である。
本発明の実施形態によれば、特性の良い二次電池を提供できる。
実施形態の二次電池の構成を示す断面図である。 第1実施形態の二次電池の電解液(溶媒和イオン液体)の導電率と二酸化炭素の圧力との関係を示すグラフである。 第1実施形態および比較例の二次電池のレート特性を示すグラフである。 第1実施形態の二次電池の充放電特性を示すグラフである。 第1実施形態の組電池の構成を示す模式図である。 第1実施形態および比較例の二次電池のクーロン効率特性を示すグラフである。 第2実施形態の二次電池の充放電特性を示すグラフである。 第2実施形態の二次電池の充放電特性を示すグラフである。
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態の二次電池10は、アノード(負極)20と、カソード(正極)30と、セパレータ40と、電解液50と、容器60と、を具備する。アノード20は、アノード活物質層21と集電体22とからなり、カソード30はカソード活物質層31と集電体32とからなる。電解液50はセパレータ40に注入され担持されている。なお、後述するように、容器60は内部に高圧の気体が充填された耐圧容器である。
カソード30とアノード20と電解液50(セパレータ40)とは、内部に二酸化炭素70が充填されている容器60に封入されている。このため、電解液50には、飽和溶解度の二酸化炭素が溶解している。
以下、リチウム二次電池を例に二次電池10の構成要素を説明する。
アノード活物質層21のアノード活物質および、カソード活物質層31のカソード活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出する。
カソード活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn等のリチウムと遷移金属との複合酸化物(リチウム複合酸化物)、MnO、V等の遷移金属酸化物、MoS、TiS等の遷移金属硫化物、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物、ポリ(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)等のジスルフィド化合物、硫黄、二酸化炭素等が用いられる。
アノード活物質としては、リチウム金属、リチウム合金(例えば、Si、SnまたはAl等とLiの合金)、黒鉛、フェノール樹脂、フラン樹脂等のコークス類、炭素繊維、ガラス状炭素、熱分解炭素、活性炭等が用いられる。
なお、活物質層には2種以上の活物質が併用されてもよい。
活物質層は、活物質に加えて結着剤および導電助剤が含むことが好ましい。
結着剤としては、公知の各種バインダーを用いることができる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂等が挙げられる。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、導電性カーボン、酸化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウム、ニッケル等の金属繊維等が挙げられる。導電助剤としては、少量の配合で所望の導電性を確保できるアセチレンブラック、ケッチェンブラックが好ましい。
なお、導電助剤は、電極活物質に対して、通常0.5〜50質量%程度配合されるが、1〜30質量%配合することがより好ましい。
また、活物質層は、さらに、支持塩またはイオン伝導性ポリマーなどが含まれていてもよい。
集電体22、32としては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼などの導電性の金属を、箔、メッシュ、エキスパンドグリッド(エキスパンドメタル)、パンチドメタルなどに形成したものを用いることができる。また、導電性を有する樹脂または導電性フィラーを含有させた樹脂を集電体として使用してもよい。集電体22、32の厚さは、例えば5〜30μmである。
セパレータ40は、公知の各種の電池用セパレータを用いることができる。具体例としては、紙製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、ガラス繊維製セパレータ等が挙げられる。
ボタン型電池である電池10では、容器60は、カソード端子を兼ねるステンレス(SUS304;Cr18%、Ni8%)製のケース61と、アノード端子を兼ねるステンレス製の蓋62と、ケース61と蓋62とを密封しているポリプロピレン(PP樹脂)製のガスケット63と、導電性のスプリング64と、からなる。
電解液50は、以下の式1で表される鎖状エーテルと電解質としてリチウム塩とを含むことが好ましい。
(式1)
Figure 0006315644
ただし、R1及びR3は、ハロンゲン基、ニトリル基、ケトン基、又はアルケニル基を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基を示す。R2は、主鎖を構成する炭素数が2〜4である総炭素数2〜4のアルキレン基を示し、置換基としてアルキル基、ハロンゲン基、アリル基、エーテル基、エステル基、カルボキシル基、又はニトリル基を有していてもよい。nは2〜6の整数である。
R1、R3として示されるアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、sec−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の無置換アルキル基;モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等のフルオロアルキル基;トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、ペンタクロロエチル基等のクロロアルキル基;等を挙げることができる。
R1、R3は、炭素数が多くなりすぎると、粘度が上昇する傾向が強い。従って、R1、R3としては、炭素数が4以下のメチル基又はエチル基、プロピル基、ブチル基であることが好ましく、さらには炭素数2以下のメチル基、エチル基であることが好ましい。
R2は、アルキレン基であり、その主鎖を構成する炭素数は2〜4である。上記R2における主鎖の炭素数が1である化合物は、安定性が低く、室温付近では安定な化合物として得ることができない。他方、主鎖の炭素数が5以上では、化学的安定性が低くなるばかりでなく、イオン伝導度も低下する。R2として特に好ましくは、主鎖を構成する炭素数が2のものである。
また、R2は、総炭素数が2〜4であれば置換されていてもよい(総炭素数は、置換基を有する場合には、該置換基の炭素原子も含む数である)。総炭素数が5以上では、やはりイオン伝導度が充分なものとならない。なお、前記置換基としては、アルキル基、フッ素、塩素等のハロンゲン基、アリル基、アリール基、エーテル基、エステル基、カルボキシル基、ニトリル基等が挙げられる。
R2として好適な基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の無置換アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基等のアルキル置換アルキレン基、テトラフルオロエチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基等のフルオロアルキレン基;テトラクロロエチレン基、1,2−ジクロロエチレン基、1,1−ジクロロエチレン基等のクロロアルキレン基等を挙げることができる。
式1において、nは2〜6の整数を示す。nが1であると、難燃性の効果が得られ難い。また、nが6を超えると非水電解液の粘度が高くなる傾向があり、電解液の電極への浸透性が低下する。また、低イオン伝導性となりレート特性が低下する。nを2〜6とすることで、イオン導電性塩と相互作用できるエーテル中の酸素原子の数が増えるため、融点が低くなる傾向が有る。
(式1)で表される鎖状エーテルにおいて、R1がメチル基であり、R2がエチレン基であり、nが3であり、かつR3がエチル基、n−プロピル基、及びn−ブチル基から選ばれる少なくとも一種であることが、電解液を、低粘度化でき、また、様々なリチウム塩と組み合わせても常温で液体となる点で好ましい。
また、式1で表される鎖状エーテルにおいて、R1がメチル基であり、R2がエチレン基であり、nがn=4であり、かつR3がエチル基であることが、低粘度化の点で好ましい。
鎖状エーテルの沸点又は引火点が高いほど、電池として使用した際の発火の危険性が低くなるため好ましい。そのため、本発明で用いられる鎖状エーテルは、沸点が100℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。
上記条件に最も適合している鎖状エーテルは、トリグライム(G3:トリエチレングリコールジメチルエーテル)またはテトラグライム(G4:テトラエチレングリコールジメチルエーテル)である。
なお、鎖状エーテルにクラウンエーテルのような環状エーテルを加えても良い。
電解液50は、さらにリチウム塩を含むことが好ましい。リチウム塩として、具体的には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)等が挙げられる。
特に、以下の式2で表される、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドリチウム(LiN(SOCF):(LiTFSA)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)アミドリチウム(LiN(SO)等がリチウム塩として好ましく用いられる。
(式2)
Figure 0006315644
ただし、n、mは0〜5の整数を示す。
これらのリチウム塩は、1種単独で用いることも、2種以上混合して用いることもできる。
すでに説明したように、鎖状エーテル(式1)とリチウム塩(式2)とは錯体を形成し非プロトン性溶媒和イオン液体である電解液50を構成している。鎖状エーテルとリチウム塩とが錯体を形成していることは、熱重量測定法、ラマン分光法または核磁気共鳴分光法等により確認することができる。例えば、熱重量測定法によれば、鎖状エーテルの沸点とリチウム塩の熱分解温度との間で重量減少がある場合には、鎖状エーテルとリチウム塩との混合溶液は錯体を形成している溶媒和イオン液体であると見なすことができる。
鎖状エーテル(A)とリチウム塩(B)の混合モル比率A/Bは、0.5≦(A/B)≦5であることが好ましく、0.8≦(A/B)≦2が更に好ましく、約1が更に好ましい。混合モル比率A/Bが前記範囲未満であると高粘度となり、セパレータ及び電極への含浸性が低下して、電池の性能が十分に発揮できないおそれが有る。混合モル比率A/Bが前記範囲を超えると、リチウム塩の濃度が低下してイオン伝導性が低下し、電池の性能が低下するおそれがある。
本実施形態の電池10では、鎖状エーテルとして、トリグライム(G3)またはテトラグライム(G4)を用いた。また、リチウム塩として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド (LiTFSA)を用いた。
例えば、G4とLiTFSAとは、以下の(式3)に示す構造の錯体[Li(G4)][TFSA]を形成している溶媒和イオン液体である。
(式3)
Figure 0006315644
この溶媒和イオン液体、[Li(G4)][TFSA]は、錯体を形成していない従来の電解液と比較すると、難揮発性で高リチウムイオン濃度を有する。
ここで、溶液に対する気体の溶解度は、圧力に比例して増加することが知られている(ヘンリーの法則)。電池の電解液に対する気体の溶解度も、圧力により増加すると予想された。
そして、発明者は溶媒和イオン液体においては、気体として二酸化炭素を用いた場合には、二酸化炭素の圧力の増加により導電率が大きく増加することを見出した。さらに、電解液に溶解した二酸化炭素が、フッ素系溶媒と同じように、電解液の作用に悪影響を及ぼすことがなく、希釈効果を有していることを見出した。
図2は、溶媒和イオン液体の導電率と二酸化炭素の圧力との関係を示すグラフである。溶媒和イオン液体[Li(G3)][TFSA]の1気圧(0.1MPa)における導電率(40℃)は、1.8mS/cmであるが、二酸化炭素の圧力が6MPaでは5.2mS/cmまで上昇した。二酸化炭素の圧力が6MPa以上では、圧力が上昇しても導電率は大きくは増加しなかった。
一方、G4とTFSAとが錯体[Li(G4)][TFSA]を形成している溶媒和イオン液体の1気圧における導電率(40℃)は、2.9mS/cmであるが、二酸化炭素の圧力が6MPaでは11.5mS/cmまで上昇し、さらに9MPaでは14.5mS/cmまで上昇した。二酸化炭素の圧力が9MPa以上では、圧力が上昇しても導電率は大きくは増加しなかった。
そして、溶媒和イオン液体に溶解した二酸化炭素は、溶媒和イオン液体の錯体構造に影響を及ぼすことがなく、かつ、リチウムと化学反応をおこすこともなかった。リチウムとの化学反応性は、例えば、リチウム金属箔を電解液に所定時間、浸漬した後に、箔の光沢及び溶媒の色変化に基づき確認された。
電池10では、電解液は導電率(40℃)が、3mS/cm以上となるように、1気圧での溶解限度を超えた大量の二酸化炭素が溶解されている。すなわち、容器60の内部の二酸化炭素の圧力は1気圧超である。なお容器60に充填されている気体に、二酸化炭素以外、例えば、窒素等が含まれている場合には、二酸化炭素の分圧が1気圧超であればよい。
<レート特性の測定>
レート特性の測定には、リチウム複合酸化物であるLiCoOを活物質として有するカソードとLi金属板からなるアノードとを有する、いわゆるハーフセル構造の電池10を用いた。電池10は、電解液が、溶媒和イオン液体[Li(G4)][TFSA]であり、容器60の内部の二酸化炭素の圧力を5MPa(40℃)または5MPa(30℃)とした。さらに、比較のため、電池10と同じ構成で、容器60の内部に二酸化炭素に替えてアルゴンを充填した電池についても測定を行った。
レート特性は、電流密度(1/n)Cレート(n時間で放電および充電)で行った。そして、レート(1/10)Cの場合の容量で規格化した。
図3において、アルゴンの圧力が0.1MPa(1気圧)の場合が、従来の不活性ガスが容器内部に充填されている電池に相当する。すなわち、二酸化炭素が溶解していない場合には、(1/3)Cレートにおいて、規格化容量は50%以下であった。
これに対して、アルゴンでも、圧力が5MPaの場合には、圧力が0.1MPa(1気圧)の場合よりも、レート特性の改善が見られた。これは、アルゴンでも、圧力の増加により溶解度が増加し、電解液の粘度が低下するためとも考えられる。しかし、アルゴンでは圧力5MPaでも(1/2)Cレートでは、規格化容量は約50%であった。
これに対して、5MPaの二酸化炭素を含む電池10では、温度が30℃または40℃のいずれの場合も、レート特性の大きな改善が確認された。すなわち、(1/2)Cレートでも、規格化容量は90%以上であった。なお、図示しないが、1気圧の二酸化炭素を含む電池ではレート特性は従来の不活性ガスが容器内部に充填されている電池と、ほぼ同じであった。
二酸化炭素の圧力が1気圧超であれば、圧力が1気圧の従来の電池に比べてレート特性が改善することは、図2に示した導電率の変化から明らかである。そして、二酸化炭素の圧力(40℃)は、3MPa以上10MPa以下が、より好ましい。圧力が前記範囲以上であればレート特性の改善効果が顕著である。圧力が前記範囲超では前記効果が大きくは改善しないのに対して、容器の耐圧を担保するのが工業的に容易ではない。
溶媒和イオン液体を電解液とする電池10において、二酸化炭素の圧力増加につれて、レート特性が特に大きく改善するのは複数の特異的な要因が重なったためと推定される。
第1に、溶媒和イオン液体に対する二酸化炭素の溶解度が比較的、高圧になるまでヘンリーの法則に沿って上昇したことである。これは、(式3)に示すように溶媒和イオン液体は構造が、単純な有機溶媒とは異なるためと考えられる。
第2に、二酸化炭素の溶解量の増加により、溶媒和イオン液体の導電率が増加したことである。二酸化炭素は水に溶解した場合にはイオン化するため、導電率の増加に寄与する。しかし、二酸化炭素は溶媒和イオン液体等の非水溶媒に溶解してもイオン化しない。このため、導電率の増加は、単に、希釈による電解液の粘度低下効果とも考えられる。しかし、アルゴンではレート特性改善効果は二酸化炭素ほどは顕著ではなかった。すなわち、二酸化炭素は、不活性ガスと異なり、電解液の導電率の増加に大きく寄与する。
第3に、すでに説明したように、溶解した二酸化炭素が溶媒和イオン液体の電解液としての特性に悪影響を及ぼさなかったことである。
次に、電池10とほぼ同じ構成で、アノード活物質として炭素材料であるグラファイトを用いた電池10Aを作製し、充放電試験を行った。図4に示すように、電池10Aでも、グラファイトは従来の電池と同じように、リチウムイオンを吸蔵放出した。そして、電池10Aの容量は、345mAhg−1であった。この容量はグラファイトアノードを有する電池の理論容量372mAhg−1に類似している。
以上の説明のように、電池10(10A)は、カソード活物質としてリチウムと遷移金属との複合酸化物を有するカソードと、アノード活物質として炭素材料を有するアノードと、トリグライムまたはテトラグライムと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドリチウムと、が錯体を形成している溶媒和イオン液体である電解液と、が内部に収容された容器と、を具備し、前記容器の内部に充填されている二酸化炭素の圧力が40℃において3MPa以上10MPa以下であり、前記電解液の導電率(40℃)が、3mS/cm以上であることが特に好ましい。
実施形態の電池10は、図1に示すように小型のコイン型であった。しかし、本発明の電池は、容器60は、内部に、アノード20と、カソード30と、電解液50とを含む電池の基本構成要素(単電池)が収納でき、かつ、気体(二酸化炭素)を充填できる耐圧構造であれば、コイン型に限られるものではない。また、カソードとアノードとセパレータとは、渦巻き状に巻回されていてもよい。
また、複数の単電池からなる組電池でもよい。例えば、図5に示す実施形態の二次電池10Aでは、複数の、それぞれがカソード30とアノード20と電解液50(セパレータ40)とを含む単電池15が、1つの容器60の中に収容されている。二次電池10Aは、単電池15が直列および/または並列に接続された組電池である。
さらに、上記ではリチウム電池を例に説明した。しかし、リチウム以外のアルカリ金属、特にナトリウムの酸化/還元反応を用いたナトリウム電池でも、高圧の二酸化炭素を容器に充填することでレート特性改善効果が得られる。また、リチウム電池より高容量のリチウム−硫黄電池においても高圧の二酸化炭素を容器に充填することでレート特性改善効果が得られる。
なお、すでに説明したように、本願発明の電池は容器60の内部圧力が、充填された二酸化炭素により所定圧力以上である。すなわち、温度上昇等により、不可避的に、好ましくない高い圧力になってしまう従来の電池とは、基本的な概念が全く異なる。
本願発明の電池は、製造中だけでなく使用中も内部圧力を所定値以上に維持する必要がある。しかし、圧力容器60を用いていても、長期間の使用では内部圧力が低下するおそれがある。圧力を常に把握するためには、例えば、図5に示すように、電池は、容器60の内部圧力を測定する圧力計80を具備することが好ましい。
さらに、電池は、内部圧力が所定値未満の場合に、圧力を上げるように構成されている二酸化炭素供給装置を具備することが好ましい。例えば、図5に示す二酸化炭素供給装置83は、高圧の二酸化炭素が充填されたガスボンベ82と、圧力計80と接続されており内部圧力を所定値以上に制御するバルブ81と、からなる。なお、図示しないが、組電池ではなく単電池10等においても、圧力計、二酸化炭素供給装置を具備することが好ましいことは言うまでも無い。
ここで、図6は、本実施形態の電池10および比較例の2つの電池の、30℃における充放電サイクル数とクーロン効率との関係を示している。
電池10は、テトラグライム(G4)と、Li(TFSA)と、が錯体を形成している溶媒和イオン液体である電解液を有する。容器60の内部には二酸化炭素が充填されており、内部圧力は30℃において5MPaである。容器60の内部の電解液の導電率(30℃)は、導電率(40℃)とほぼ同じ、10mS/cmであった。
温度が高いと、溶媒の粘度が低下するため、導電率は高くなると考えられる。しかし、温度が高いと二酸化炭素の溶解度が低下するため、電池10では、導電率(30℃)と導電率(40℃)とはほぼ同じになったと考えられる。
一方、比較例の電池は、電解液は電池10と同じであるが、容器の内部にはアルゴンが充填されており、内部圧力は、1気圧(0.1MPa)または、5MPaである。
本実施形態の電池10が、比較例の電池に対して、優れた特性を有することは明らかである。すなわち、電池10は、100サイクルの充放電を行っても、約100%のクーロン効率を示した。
なお、電池10の電解液(30℃)の圧力5MPaにおける、二酸化炭素のモル分率((CO/(CO+溶媒))は、0.65であり、体積膨張率(%)(CO溶解後の電解液の体積−CO溶解前の電解液の体積)/(CO溶解前の電解液の体積)は、27%、モル濃度は、10モル/kgであった。すなわち、すでに説明したように、溶液に対する二酸化炭素の溶解度は、圧力に比例して増加する。しかし、実際の増加量は溶液により異なる。図2に示したように、電池10の電解液の導電率が高くなるのは、二酸化炭素の溶解度が特に大きくなるためである。
本実施形態の電池10では、溶媒としてテトラグライム(G4)を、リチウム塩として、Li(TFSA)を用いていた。これに対して、溶媒としてトリグライム(G3)を、リチウム塩として、Li(FSA)を用いた電解液(30℃)では、圧力5MPaにおける、二酸化炭素のモル分率(CO/(CO+溶媒))は、0.60、モル濃度は、8モル/kgであった。また、リチウム塩として、Li(TfO)を有する電解液(30℃)では、圧力5MPaにおける、二酸化炭素のモル分率(CO/(CO+溶媒))は、0.58、モル濃度は6.5モル/kgであった。すなわち、電解液に対する二酸化炭素の溶解度は、リチウム塩によっても変化する。なお、(FSA)は、ビス(フルオロスルフォニル)アミドイオンを、(TfO)はトリフルオロメタンスルホナートイオンである。
実施形態の電池の電解液は、圧力5MPaにおける二酸化炭素のモル濃度(40℃)が、2モル/kg以上であることが好ましい。
なお、製造工程における最初の充電に用いる電解液に、二酸化炭素を溶解しておくことで、アノードの表面に安定でかつリチウムイオンの透過性に優れたSEI(Solid Electrolyte Interface)と称される被膜が形成される。SEIにより、充電時に電解液のカチオン成分がアノードにおいて反応して分解することが抑制される。
電池10、10Aでは、高圧の二酸化炭素が容器60の内部に充填されているため、使用中にSEIが破損しても、次の充電時に補修される。このため、本実施形態の電池10は、長期間にわたり安定した充放電が可能である。
<第2実施形態>
第2実施形態の電池10Bは、第1実施形態の電池10、10Aと類似しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
第2実施形態の電池10B、10Cの電解液は、非プロトン性極性溶媒と、リチウム塩と、を含み、二酸化炭素が溶解しており、導電率(40℃)が、3mS/cm以上である。電解液の導電率(40℃)を、3mS/cm以上とするために、内部圧力は3MPa以上であることが好ましい。
すなわち、第1実施形態の電池10の電解液は、グライムとリチウムイオンとが安定した錯体を形成した溶媒和イオン液体であった。溶媒和イオン液体は、一般的なイオン液体と同じように、二酸化炭素溶解度が高い。これに対して、第2実施形態の電池10B、10Cの電解液は、溶媒和イオン液体と類似した特性を示す。
非プロトン性極性溶媒(A)とリチウム塩(B)の混合モル比率A/Bは、1≦(A/B)≦5であることが好ましい。
非プロトン性の極性溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、カルボン酸エステル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、スルフォランなどが好適に挙げられる。
なお、極性溶媒であっても、例えば、エチレンジアミン、エチルアミン等は、プロトン性溶媒なので、電解液50には用いることはできない。
溶媒としては、電解液の二酸化炭素溶解度が高くなるために、ドナーナンバー(DN:donor number)が10以上かつ比誘電率εが30以上である非プロトン性極性溶媒が好ましい。DNは、正イオンへの溶媒和のしやすさを表した値である。
すなわち、DNは、溶媒のルイス塩基性の尺度を表し、多くの文献に値が開示されているが、1、2−ジクロロエタン中において1×10-3mol・dm-3の五塩化アンチモンを基準の受容体として選び、それと供与体(溶媒)との反応に対するモルエンタルピー値(kcal・mol-1)として定義される。DNが小さい程、塩基性が低く、正イオンへ溶媒和しやすい。DNは、溶媒にテトラフェニルホウ酸ナトリウムを溶解し、その溶液の23Na核の核磁気共鳴(NMR)を測定し、そのケミカルシフトから簡易算出することもできる。
比誘電率は、多くの文献に値が開示されているが、例えば、IEC 60250規格に基づいて測定される。
溶媒としては、電解液の二酸化炭素溶解度が高くなるため、特に、DNが25以上であることが好ましい。
本実施形態の電池10Bは、極性かつ非プロトン性であり、DNが30、比誘電率εが47のジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として有する。
図7に、電池10Bの30℃における充放電特性(1サイクル)を示す。電池10Bには、二酸化炭素が充填され、内部圧力は5MPaである。ない電解液の導電率(30℃)は、13.3mS/cmであり、導電率(40℃)は、9.6mS/cmであった。
電池10Bは、リチウム塩として、Li(TFSA)を用い、DMSO/Li(TFSA) (モル比)=3、である。すなわち、混合モル比率A/Bは、3である。また、アノード活物質はグラファイトである。本実施形態の電池10Bは、第1実施形態の電池10とほぼ同等の高特性を示した。
溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)に替えて、N、N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMA)、またはヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)を好ましく用いることができる。
すなわち、DMFはDNが27、εが37である。NMPはDNが27、εが32である。DMAはDNが28、εが38である。HMPAはDNが39、εが30である。
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態の変形例の電池10Cは、電池10Bと同じように、溶媒和イオン液体と類似した特性を示す電解液を有する。
電池10Bの電解液の溶媒は、DN25以上が好ましい。しかし、DNが25未満であっても、スルホン系溶媒であれば、DNが10以上かつ比誘電率が30以上であれば、電解液の二酸化炭素溶解度が高いため、好ましく用いることができる。
図8に、スルホン系溶媒としてスルフォラン(スルホラン:SL)を用いた電池10Cの30℃における充放電サイクル特性(1サイクルから3サイクル)を示す。電池10Cには、二酸化炭素が充填され、内部圧力は5MPaである。電池10Cは、リチウム塩として、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)を用い、SL/LiBF (モル比)=2、である。すなわち、混合モル比率A/Bは、2、である。なお、電解液の導電率(30℃)は、3mS/cm以上であり、導電率(40℃)は、3mS/cm以上であった。また、アノード活物質はグラファイトである。
本実施形態の電池10Cは、第1実施形態の電池10と、ほぼ同等の高特性を示した。
スルホン系溶媒としては、スルフォラン(SL)に替えて、例えば、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルエチルスルホン、または、ジビニルスルホンを用いることができる。
また、電池10Cにおいても、リチウム塩として、Li(TFSA)等を用いてもよいことは言うまでも無い。
さらに、電池10等において、電解液に複数の種類の非プロトン性の極性溶媒を混合して用いてもよい。例えば、電池10Bにおいて、ジメチルスルホキシド、N、N−メチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N、N−ジメチルアセトアミド、または、ヘキサメチルリン酸トリアミドの少なくともいずれかを溶媒として用いることができる。同様に、電池10Cにおいては、スルフォラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルエチルスルホン、または、ジビニルスルホンの少なくともいずれかを溶媒として用いることができる。
また、鎖状エーテル、DMSO、SL等の主溶媒に、さらにフッ素系溶媒を添加してもよい。フッ素系溶媒としては、クロロフルオロカーボン(CFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)及びハイドロフルオロポリエーテル(HFPE)が挙げられ、好ましくはハイドロフルオロカーボン(HFC)及びハイドロフルオロエーテル(HFE)、より好ましくはハイドロフルオロエーテル(HFE)である。
また、電池10B、10Cを電池10Aのように組電池として用いることもできる。
本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、組み合わせ、および応用が可能である。
本出願は、2015年12月9日に日本国に出願された特願2015−240168号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。
10、10B、10C・・・二次電池
10A・・・二次電池(組電池)
15・・・単電池
20・・・アノード
21・・・アノード活物質層
22・・・集電体
30・・・カソード
31・・・カソード活物質層
32・・・集電体
40・・・セパレータ
50・・・電解液
60・・・容器
61・・・ケース
62・・・蓋
63・・・ガスケット
70・・・二酸化炭素

Claims (13)

  1. カソードと、アノードと、電解液と、前記カソードと前記アノードと前記電解液とが内部に収容された容器と、を具備し、
    前記電解液には、二酸化炭素が溶解しており、前記電解液の導電率(40℃)が、3mS/cm以上であり、
    前記容器に二酸化炭素が充填されており、内部圧力(40℃)が、3MPa以上10MPa以下であることを特徴とする二次電池。
  2. 前記電解液が、溶媒である以下の(式1)で表される鎖状エーテルと、リチウム塩と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
    (式1)
    Figure 0006315644
    ただし、R1及びR3は、ハロンゲン基、ニトリル基、ケトン基、又はアルケニル基を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基を示す。R2は、主鎖を構成する炭素数が2〜4である総炭素数2〜4のアルキレン基を示し、置換基としてアルキル基、ハロンゲン基、アリル基、エーテル基、エステル基、カルボキシル基、又はニトリル基を有していてもよい。nは2〜6の整数である。
  3. 前記溶媒が、前記鎖状エーテルであるトリグライム(G3)またはテトラグライム(G4)であることを特徴とする請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記電解液が、ドナーナンバーが10以上、比誘電率が30以上の極性かつ非プロトン性の溶媒と、リチウム塩と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  5. 前記溶媒が、ジメチルスルホキシド、N、N−メチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N、N−ジメチルアセトアミド、または、ヘキサメチルリン酸トリアミドの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記溶媒が、スルフォラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルエチルスルホン、または、ジビニルスルホンの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
  7. 前記リチウム塩が以下の(式2)で表される構造であることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の二次電池。
    (式2)
    Figure 0006315644
    ただし、n、mは0〜5の整数を示す。
  8. 前記電解液が、前記溶媒と、前記リチウム塩であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドリチウム(LiTFSA)と、が錯体を形成している溶媒和イオン液体であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の二次電池。
  9. 前記カソードが、カソード活物質としてリチウム複合酸化物を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の二次電池。
  10. 前記アノードが、アノード活物質として炭素を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の二次電池。
  11. それぞれが前記カソードと前記アノードと前記電解液とを含む複数の単電池が、1つの前記容器の中に収容されている組電池であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
  12. 前記内部圧力を測定する圧力計を具備することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の二次電池。
  13. 前記内部圧力が所定値未満の場合に、前記内部圧力を上げるように構成されている二酸化炭素供給装置を具備することを特徴とする請求項12に記載の二次電池。
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