JP2012104268A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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勝仁 竹井
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正義 渡邉
Kaoru Dotsuko
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Abstract

【課題】新規電解質を採用した安全性および各種電池特性にも優れたリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】新規電解質として低分子エーテル溶媒を溶媒として、高濃度のリチウム塩を溶解させた液体である錯体電解質を用い、これと炭素系電極を負極、各種金属酸化物を正極として電池を製作する。ここで好ましくは、低分子エーテルとリチウム塩とのモル比(低分子エーテル/リチウム塩)が0.75〜1.5とするものとする。
【選択図】図4

Description

本発明は、新規電解質を採用した安全性および各種電池特性にも優れたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池はノート型パソコンや携帯電話などの小型電池として広く普及している。リチウムイオン二次電池に使用されている電解質には、炭酸エチレン(EC)やジエチルカーボネート(DEC)等の有機溶媒にLiPF6のようなリチウム塩を溶解した液体の電解液や、ポリマーマトリックスに上記電解液を含有させたゲル電解質などがある。
しかしながらこれらの電解質は引火性・可燃性の有機溶媒を使用しているため、発火・爆発等の安全面での問題があった。そのため、リチウムイオン二次電池のさらなる高容量化や大型化には、電池の安全性確保が非常に重要な検討課題となっている。
高い安全性を有する電解質としては、結晶質やガラス質の無機系材料からなる無機電解質や、揮発性溶媒を含まない高分子系材料からなる高分子電解質、食塩のようなイオンのみからなり、かつ、室温で液体状態を示すイオン液体電解質等が有望である。
このうち無機電解質は、その特性の指標となるイオン導電性は高いものの、電解質が結晶質あるいはガラス質からなり、充放電時の正負極活物質による体積変化の緩和が難しいため、大型電池用途としては今のところ適していない。
そのため近年では、不燃性であるイオン液体(「常温溶融塩」ともいう。)と呼ばれる溶融塩を電解質として用いる研究が進められている。イオン液体は、陽イオンと陰イオンで構成されているが、その融点が低いため常温で固体(結晶)の形状を取らず、液体で存在する物質である。より詳しくはイオン液体は、液体領域が広く(−80℃〜300℃程度で
も安定な液体として存在)、導電率が高く、不揮発性で安定性に優れ、不燃性であり着火せず、耐熱性が高く(熱分解温度は200℃以上)、一般的に化学的に安定で、また電気化
学的安定性も高く、電位窓が4V以上であるといった電解質として優れた特徴を有している。
イオン液体を用いた二次電池関連の発明としては、例えば、特開平4−349365号の「リチウム電池」に、4級アンモニウムカチオンを有する常温溶融塩を主成分とするリチウム電池が開示されている。しかしながら、当該イオン液体は、クロロアルミネート系アニオンを用いたものであり、金属リチウム電池に近い還元電位での分解の可能性を有するため、高い電池電圧および良好なサイクル特性が得られていなかった。
特開平4−349365号公報
上述のように、電解質に一般的な有機電解液(可燃性の揮発性材料)を用いると、安全性上の問題が生じていた。そのため、不燃性のイオン液体を電解液として用いたリチウム電池の研究なども進められているが、炭素系電極を作用極(対極)、リチウム金属を参照極とした場合、これまで発案されたイオン液体を用いたリチウムイオン二次電池は充放電可逆特性(サイクル特性)等が充分ではなく炭素系材料を負極として用いると実質的にリ
チウムイオン二次電池として機能しないという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その主な目的は、炭素系電極を負極、各種金属酸化物などを正極とし、電解質の溶媒に汎用の安価な有機溶媒である低分子エーテルを用いた場合であっても、特定のリチウム塩を高濃度で溶解させて錯体電解質(液体)としてやることで、安全性および各種電池特性にも優れたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のリチウムイオン二次電池は、炭素系電極を負極とし、各種金属酸化物を正極とし、電解質に低分子エーテル溶媒を溶媒として高濃度のリチウム塩を溶解させた錯体電解質を用いた、ことを特徴とする。
ここで、前記電解質は、低分子エーテルとリチウム塩とのモル比(低分子エーテル/リチウム塩)が0.75〜1.5である、ことを特徴とする。
また、前記低分子エーテルは次の一般構造式で表される化学構造を有する、ことを特徴とする。
なお、前記汎用低分子エーテルは、炭素数nが0〜1000の整数である、ことを特徴とする。
また、前記電解質にはリチウム塩としてLiN(SO2CmF2m+1)2を(m=0-5)使用する、こと
を特徴とする。
本発明によれば、炭素系電極を負極、各種金属酸化物などを正極とし、電解質の溶媒に汎用の有機溶媒である低分子エーテルを用いた場合であっても、特定の電解質を用いることで、安全性および各種電池特性にも優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明で用いられる汎用低分子エーテル溶媒の一般構造式である。 本実施例で用いた汎用低分子エーテル溶媒の具体的な化学式である。 本実施例で用いたリチウム塩の具体的な化学式である。 [Graphite電極 | G3電解質| Li金属]セルの充放電曲線を示したグラフである。 [Graphite電極 | G3電解質| Li金属]セルの充放電容量のサイクル数依存性を示したグラフである。 [Graphite電極 | G3電解質| Li金属]セルのクーロン効率のサイクル数依存性を示したグラフである。 [Graphite電極 | G4電解質| Li金属]セルの充放電曲線を示したグラフである。 [Graphite電極 | G4電解質| Li金属]セルの充放電容量のサイクル数依存性を示したグラフである。 [Graphite電極 | G4電解質| Li金属]セルのクーロン効率のサイクル数依存性を示したグラフである。 [LiCoO2電極| G3電解質 | Li金属]セルの充放電曲線を示したグラフである。 [LiCoO2電極| G3電解質 | Li金属]セルの充放電容量のサイクル数依存性を示したグラフである。 [LiCoO2電極| G3電解質 | Graphite電極]セルの充放電曲線を示したグラフである。 [LiCoO2電極| G3電解質 | Graphite電極]セルの充放電容量のサイクル数依存性を示したグラフである。 [LiFePO4電極| G3電解質 | Graphite電極]セルの充放電曲線を示したグラフである。 [LiFePO4電極| G3電解質 | Graphite電極]セルの充放電容量のサイクル数依存性を示したグラフである。
本願発明者は、リチウムイオン二次電池の新規電解質として、汎用低分子エーテルとリチウム塩との錯体電解質を用いた結果、高安全性などの各種電池特性に優れた性能を有することを確認した。すなわち本発明は、電解質に汎用低分子エーテル溶媒を溶媒とし高濃度のリチウム塩を溶解させた液体(錯体電解質)を用いることで、高い安全性を備え、充放電の繰り返し運転に伴う容量劣化を低減等できるリチウムイオン二次電池を提供するものである。
このリチウムイオン二次電池は、正極材と負極材との間に、汎用低分子エーテル(一般的な化学構造:図1)とリチウム塩との錯体電解質を介在させた構造となっている。
本実施例では、図1の化学構造からなる汎用低分子エーテルを溶媒として、これとリチウム塩が等モル比(1:1)になるように調製して所謂錯体電解質を電解質として用いたリチウム二次電池を作製した。
なおこの汎用低分子エーテルを溶媒に高濃度のリチウム塩を溶解させた錯体電解質は、有機溶媒であるエーテルを用いているにもかかわらず難燃性を示し、直火を近づけても燃えることはないことが確認された。
そして錯体電解質のリチウムイオン二次電池用電解質としての可能性を比較検討するため、負極にGraphite電極を、正極にLiCoO2電極又はLiFePO4電極を用いた各種リチウム二
次電池の試作を行った。
ここで、汎用低分子エーテルとしては、図2に示す、トリグライム(G3)又はテトラグライム(G4)を用い、混合するリチウム塩としては、図3に示す、リチウム(ビス)フルオロスフホニルアミド(LiN(SO2F)2)を用いた。(以下、トリグライム(G3)にリチウム(ビス)フルオロスフホニルアミドを溶解した電解質を「G3電解質」、テトラグライム(G4)にリチウム(ビス)フルオロスフホニルアミドを溶解した電解質を「G4電解質」と呼ぶこととする。)
以下に電池の作製方法を示す。
まず負極となるGraphite電極シートについては、天然黒鉛を活物質、導電助剤にVGCF(昭和電工)、バインダー高分子にPVdF(ポリフッ化ビニリデン)(呉羽化学)を用いて作成した。
手順としては、重量比が活物質/導電助剤/バインダー=93.1/1.9/5となるように調製し
、各電極材料をN-メチル-ピロリドン(NMP)溶媒が所定量含まれたバインダー高分子中に
導入し、混練機により攪拌した後、オートマチックアプリケーターを用いて銅集電体上に均一に塗布した。NMP溶媒を100 ℃にて乾燥させた後、プレス機により電極を圧着しこれ
を用いた。作製した電極シートを85 ℃にて12時間以上真空乾燥を行った後、アルゴン雰
囲気下のグローブボックス中で保存した。
一の正極となるLiCoO2電極シートについては、LiCoO2を活物質、導電助剤にアセチレンブラック(電気化学工業)及びVGCF(昭和電工)、バインダー高分子にPVdF(ポリフッ化ビニリデン)(呉羽化学)を用いた。
手順としては、重量比が活物質/アセチレンブラック/VGCF/バインダー=85/3/3/9となるように調製し、各電極材料をN-メチル-ピロリドン(NMP)溶媒が所定量含まれたバインダー高分子中に導入、混練機により攪拌した後、オートマチックアプリケーターを用いてアルミニウム集電体上に均一に塗布した。NMP溶媒を100 ℃にて乾燥させた後、プレス機に
より電極を圧着しこれを用いた。作製した電極シートを85 ℃にて12時間以上真空乾燥を
行った後、アルゴン雰囲気下のグローブボックス中で保存した。
また他の正極となるLiFePO4電極シートについては、LiFePO4を活物質、導電助剤にアセチレンブラック(電気化学工業)及びVGCF(昭和電工)、バインダー高分子にPVdF(ポリフッ化ビニリデン)(呉羽化学)を用いた。
手順としては、重量比が活物質/アセチレンブラック/VGCF/バインダー=85/3/3/9となるように調製し、各電極材料をN-メチル-ピロリドン(NMP)溶媒が所定量含まれたバインダー高分子中に導入、混練機により攪拌した後、オートマチックアプリケーターを用いてアルミニウム集電体上に均一に塗布した。NMP溶媒を100 ℃にて乾燥させた後、プレス機に
より電極を圧着しこれを用いた。作製した電極シートを85 ℃にて12時間以上真空乾燥を
行った後、アルゴン雰囲気下のグローブボックス中で保存した。
作製した電極シート、セパレータ、及び活性面を露出するためプレス作業を行った金属リチウム箔を積層させ、この中に調製されたG3電解質又はG4電解質を注入した後、2032型コイン電池缶中に封入しカシめて電池を作製した。なお上記の作業は(株)美和製作所製真空置換型グローブボックスの高純度アルゴン雰囲気下(水分<0.1 ppm、酸素<0.3 ppm)にて行った。
そして、電極シート内への電解質の染み込み性能の向上を目的として、電池作製の後に、60 ℃で12時間以上の熱エージングを行った後、目的の電気化学測定に供した。
作製・評価した電池の組み合わせは、
(a)[Graphite電極 | G3電解質又はG4電解質| Li金属]
(b)[LiCoO2電極| G3電解質 | Li金属]
(c)[LiCoO2電極(正極)| G3電解質 | Graphite電極(負極)]
(d)[LiFePO4電極(正極)| G3電解質 | Graphite電極(負極)]
であり、これらについて実施検討を行った。
測定は全てのセル系で30℃にて行った。測定条件については、それぞれ、
(1)2.5-0 V、20時間率
(2)4.2-3.0 V、10時間率
(3)4.2-2.5 V、20時間率
(4)4.2-2.5 V、20時間率
とした。
なお上記(a)は負極との適合性検討するための半電池であり、上記(b)は正極との適合性検討するための半電池であり、上記(c)はリチウムイオン二次電池としての適合性検討するためのフルセルであり、上記(d)はリチウムイオン二次電池の性能改善方法の検討するためのフルセルである。
まずG3電解質の負極(Graphite電極)への適合性を検討するための実験を行った。
図4にG3電解質を電解質に用いた上記(a)の[Graphite電極 | G3電解質| Li金属]セ
ルの1サイクル目、10サイクル目、30サイクル目、50サイクル目の充放電曲線を示した。
このグラフから明らかなように、初期サイクルより300 mAhg-1程度の安定したデインターカレーション容量を示していることが分かる。
図5にG3電解質を電解質に用いた上記(a)の[Graphite電極 | G3電解質| Li金属]セ
ルのインターカレーション容量・デインターカレーション容量の充放電サイクル数依存性を示した。このグラフから明らかなように、初期サイクルに若干の不可逆容量が確認されたものの、50サイクルの間では300 mAhg-1以上の高い容量を維持していることが分かる。
図6にG3電解質を電解質に用いた上記(a)の[Graphite電極 | G3電解質| Li金属]セ
ルのクーロン効率(容量効率)の充放電サイクル数依存性を示した。このグラフから明らかなように、1サイクル目のクーロン効率は約83%と比較的高い値を示しており、また、その後はほぼ100 %のクーロン効率となっていることからも、グラファイト電極との安定し
た充放電特性が示唆された。
またG4電解質の負極(Graphite電極)への適合性を検討するための実験を行った。
図7にG4電解質を電解質に用いた上記(a)の[Graphite電極| G4電解質 | Li金属]セ
ルの1サイクル目、10サイクル目、30サイクル目、50サイクル目の充放電曲線を示した。
このグラフから明らかなように、G3電解質の場合と同様に、初期サイクルより300 mAhg-1程度の安定したデインターカレーション容量を示していることが分かる。
図8にG4電解質を電解質に用いた上記(a)の[Graphite電極| G4電解質 | Li金属]セ
ルのインターカレーション容量・デインターカレーション容量の充放電サイクル数依存性を示した。このグラフから明らかなように、G3電解質の場合と同様に、初期サイクルに若干の不可逆容量が確認されたものの、50サイクルの間では300 mAhg-1以上の高い容量を維持していることが分かる。
図9にG4電解質を電解質に用いた上記(a)の[Graphite電極| G4電解質 | Li金属]セ
ルのクーロン効率(容量効率)の充放電サイクル数依存性を示した。このグラフから明らかなように、1サイクル目のクーロン効率は約79%と比較的高い値を示しており、また、その後はほぼ100 %のクーロン効率となっていることからも、グラファイト電極との安定し
た充放電特性が示唆された。
次にG3電解質の正極(LiCoO2電極)への適合性を検討するための実験を行った。
図10にG3電解質を電解質に用いた上記(b)の[LiCoO2電極 | G3電解質| Li金属]セ
ルの1サイクル目、10サイクル目、30サイクル目、50サイクル目の充放電曲線を示した。
このグラフから明らかなように、初期サイクルでは130 mAhg-1程度の理論容量に近い放電容量を示し、高い正極との適合性が示唆された。また、50サイクル後には、若干の容量低下が見られたものの、充放電曲線の著しい形状変化は確認されなかった。
また、図11にG3電解質を電解質に用いた上記(b)の[LiCoO2電極| G3電解質 | Li金属]セルの充電容量・放電容量の充放電サイクル数依存性を示した。このグラフから明ら
かなように、初期サイクルでは約95%のクーロン効率が得られ、その後50サイクル程度の
間では98%程度にて推移していることが分かる。また、50サイクルの間での容量維持率は
約89%と、比較的高いLiCoO2との適合性を示した。
G3電解質のリチウムイオン二次電池としての適合性を検討するための実験を行った。
図12にG3電解質を電解質に用いた上記(c)の[LiCoO2電極 | G3電解質| Graphite電極]セルの1サイクル目、10サイクル目、30サイクル目、50サイクル目の充放電曲線を示した。このグラフから明らかなように、初期サイクルでは100 mAhg-1程度の比較的高い放電容量を示し、本電解質のリチウムイオン二次電池用電解質としての可能性が示唆された。また、50サイクル後には、若干の容量低下が見られたものの、充放電曲線の著しい形状変化は確認されなかった。
また、図13にG3電解質を電解質に用いた上記(c)の[LiCoO2電極| G3電解質| Graph
ite電極]セルの充電容量・放電容量の充放電サイクル数依存性を示した。このグラフから明らかなように、50サイクルの間での容量維持率は約90 %となり、リチウムイオン二次電池用電解質としての適用可能性が示唆されたといえる。
しかしながらG3電解質はLiCoO2との充放電時においては、クーロン効率が100 %を下回
る現象が確認されたことから、酸化耐性に対しての懸念が考えられる。そのため、リチウムイオン二次電池の性能改善方法の検討するために、作動電圧の低いLiFePO4電極(正極
)を用いたリチウムイオン二次電池を作製・評価した。
図14にG3電解質を電解質に用いた上記(d)の[LiFePO4電極 | G3電解質| Graphite
電極]セルの1サイクル目、50サイクル目、100サイクル目、200サイクル目の充放電曲線を示した。このグラフから明らかなように、初期サイクルでは100 mAhg-1程度の比較的高い放電容量を示し、本電解質のリチウムイオン二次電池用電解質としての可能性が示唆された。また、200サイクル経過後においても、充放電曲線の著しい形状変化は確認されず、70 mAhg-1以上の放電容量を維持した。
また、図15にG3電解質を電解質に用いた上記(d)の[LiFePO4電極| G3電解質| Graphite電極]セルの充電容量・放電容量の充放電サイクル数依存性を示した。このグラフか
ら明らかなように、50サイクルの間での容量維持率は約93 %となり低電圧駆動の正極種を用いることにより、その電池特性が改善することを確認した。また、200サイクルの間で
の容量維持率は約71 %となり、リチウムイオン二次電池用電解質としての高い適用可能性が示唆された。
このように以上の実施例では、G3電解質およびG4電解質の負極(Graphite電極)への適合性については、安定した充放電特性が示唆された。
また、G3電解質の正極(LiCoO2電極)への適合性については、比較的高いLiCoO2との適合性が示された。さらにG3電解質のリチウムイオン二次電池としての適合性についても、リチウムイオン二次電池用電解質としての可能性が示唆された。このことはG4電解質についても同様であると類推される。
以上に説明した本発明のリチウムイオン二次電池によれば、炭素系電極を負極、各種金属酸化物などを正極とし、電解質の溶媒に汎用の安価な有機溶媒である低分子エーテルを用いた場合であっても、特定のリチウム塩を高濃度で溶解させた新規電解質である錯体電解質としてやることで、安全性および各種電池特性にも優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。

Claims (5)

  1. 炭素系電極を負極、各種金属酸化物を正極とし、電解質に低分子エーテル溶媒を溶媒として高濃度のリチウム塩を溶解させた錯体電解質を用いた、ことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記電解質は、低分子エーテルとリチウム塩とのモル比(低分子エーテル/リチウム塩)が0.75〜1.5である、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記低分子エーテルは次の一般構造式で表される化学構造を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電解質を用いたリチウムイオン二次電池。
  4. 前記汎用低分子エーテルは、炭素数nが0〜1000の整数である、ことを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記電解質にはリチウム塩としてLiN(SO2CmF2m+1)2(m=0-5)を使用する、ことを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
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