JP2016131059A - 非水電解液電池用電解液、及びこれを用いた非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池用電解液、及びこれを用いた非水電解液電池 Download PDF

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Abstract

【課題】過充電に対して有効に作用して電池の安全性を確保することができ、さらに、低温特性にも優れる非水電解液電池用電解液、及び非水電解液電池の提供。【解決手段】少なくとも、非水溶媒と、溶質と、第一の化合物としてトリス(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(ビス(オキサラト))リン酸塩、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸塩、ビス(オキサラト)ホウ酸塩、及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる化合物と、第二の化合物として式(1)で示される化合物とを含有する非水電解液電池用電解液。[R1〜R10は独立して、H、ハロゲン原子、O、(含フッ素)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、及びヘテロ原子を含む有機基から選択され、置換基を有してもよく、互いに結合して環状になっていてもよい。]【選択図】なし

Description

本発明は、特定の電解質塩とシクロヘキセン環構造を有する化合物を含有する非水電解液電池用電解液及びそれを用いた非水電解液電池に関するものである。
近年、情報関連機器、又は通信機器、即ちパソコン、ビデオカメラ、デジタルスチールカメラ、携帯電話等の小型機器で、かつ高エネルギー密度を必要とする用途向けの蓄電システムや電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車補助電源、電力貯蔵等の大型機器で、かつパワーを必要とする用途向けの蓄電システムが注目を集めている。その一つの候補として、リチウムイオン電池、リチウム電池、リチウムイオンキャパシタ等の非水電解液電池の開発が盛んに行われている。
これらの非水電解液電池のなかでも、特に自動車用や電力貯蔵用では、寒冷地等の温度の低いところでも問題なく作動する必要があるが、低温環境では電池性能の低下が大きいという問題がある。このため、低温環境での電池性能(低温特性)の向上を目指した開発が数多く行われている。
例えば、非水電解液電池の低温特性を改善する手段として、特許文献1には、非水電解液に添加剤としてジフルオロ(ビス(オキサラト))リン酸リチウムとテトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウムを特定の濃度範囲で併用添加することにより、非水電解液電池の低温特性を改善する方法が提案されている。特許文献1によると、ジフルオロ(ビス(オキサラト))リン酸リチウムとテトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウムを併用添加した電池の低温特性は、それぞれを単独で添加した電池の低温特性に比べて優れている。一方で、電解液に添加する添加剤の種類が少ないほど電解液のコストを削減できることから、できるだけ少ない種類の添加剤で、あらゆる電池特性を向上させることが望まれている。
一方で、非水電解液電池の安全性を確保することを目指した開発も盛んに行われている。非水電解液電池の電解液には、LiPFのような無機塩を有機溶媒に溶かしたものが用いられている。このような非水電解液電池は過充電状態になると、正極と接触する有機溶媒が発熱を伴って酸化分解するため、電池温度が異常に高温となる。これにより、有機溶媒や有機溶媒の分解生成物がガス化して電池の膨れや液漏れを引き起こしたり、電池が高温になることで電極が熱的に不安定になり発火するなど、非水電解液電池が過充電状態になると電池の安全性が著しく損なわれる。
電池が過充電状態になることを防ぐために、過充電に対して有効に作用する添加剤(過充電防止剤)をあらかじめ電解液に添加する方法があり、さまざまな過充電防止剤が検討されている。
特許文献2では、過充電防止剤としてビフェニルを非水電解液に添加することが提案されている。しかしながら、ビフェニルは固体であり、電解液に対する溶解性が低い。このため、ビフェニルを添加した非水電解液電池を低温作動した場合、ビフェニルが電池内部で析出し、電池特性の低下を引き起こす恐れがある。
また、特許文献3では、過充電防止剤としてテルフェニル及びテルフェニル誘導体を非水電解液に添加することが提案されている。しかしながら、これらの化合物もビフェニル同様、電解液に対する溶解度が低い。このため、これらの化合物を添加した非水電解液電池を低温作動した場合、これらの化合物が電池内部で析出し、電池特性の低下を引き起こす恐れがある。
一方で、特許文献4には、電池の安全性と高温環境下での保存特性を向上させる方法として、シクロヘキセン型化合物、またはシクロヘキセン型化合物と不飽和カーボネートを併用で非水電解液に添加することが提案されているが、これらの添加剤を添加した電池の低温特性については述べられていない。また、不飽和カーボネートは電極表面にポリマー性の界面保護被膜を形成することが知られており、この被膜によって高温耐久性が向上するものの、リチウム伝導性が低いため0℃以下の低温で十分な容量が得られない恐れがある。
このように、過充電防止効果(過充電耐性)と低温特性の向上を両立させることは難しく、課題となっている。
特許文献5には、電解質の総質量の0.1質量%以上2質量%以下である、LiBF、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウムと、電解質の総質量の0.1質量%以上4質量%以下の芳香族化合物とを含有することにより、充放電サイクル寿命特性の低下、及び、高温放置時の電池膨れを抑制することができる非水電解質二次電池を提供することが示されている。例えば、特許文献5では、LiBF、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウムと、芳香族化合物として、ビフェニルなどの化合物を含有した事例が記載されている。
特開2011−222193号公報 特開平09−106835号公報 特開2000−058116号公報 特開2003−229169号公報 特開2006−216378号公報
先行技術文献に開示されている方法では安全性に優れ、なおかつ低温特性に優れる非水電解液電池を得ることが困難である。
本発明は、過充電に対して有効に作用して電池の安全性を確保することができ、さらには、低温特性にも優れる非水電解液電池用電解液、及びそれを用いた非水電解液電池を提供するものである。
本発明者らは、かかる問題を解決するために鋭意検討の結果、
少なくとも、非水溶媒と、溶質と、
特定のオキサラトリン酸塩、オキサラトホウ酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一つと、
シクロヘキセン及び特定のシクロヘキセン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一つとを含有する非水電解液電池用電解液を非水電解液電池に用いた場合に、該電解液の優れた過充電防止効果により、該電池の安全性が向上し、さらには、低温特性にも優れることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、少なくとも、非水溶媒と、溶質と、
第一の化合物としてトリス(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(ビス(オキサラト))リン酸塩、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸塩、ビス(オキサラト)ホウ酸塩、及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物と、
第二の化合物として一般式(1)で示される少なくとも一つの化合物とを
含有することを特徴とする、非水電解液電池用電解液(以降、単に「非水電解液」や「電解液」と記載する場合がある)を提供するものである。
Figure 2016131059
[一般式(1)中、R〜R10はそれぞれ互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子(酸素原子の場合は、シクロヘキセン環のR〜Rが結合するいずれかの炭素原子と酸素原子が二重結合で結合)、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、含フッ素アルキル基、含フッ素アルケニル基、含フッ素アルキニル基、アルコキシ基、含フッ素アルコキシ基、及びヘテロ原子を含む有機基から選択され、R〜R10は置換基を有してもよく、また、互いに結合して環状になっていてもかまわない。]
上記第一の化合物の濃度が、非水電解液電池用電解液の総量に対して0.07〜5.0質量%の範囲であることが好ましい。
上記第二の化合物の濃度が、非水電解液電池用電解液の総量に対して0.07〜6.0質量%の範囲であることが好ましい。
上記第一の化合物が、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩から選択されるいずれかであることが好ましい。
上記一般式(1)のR〜R10が、それぞれ互いに独立して、
水素原子、酸素原子(酸素原子の場合は、シクロヘキセン環のR〜Rが結合するいずれかの炭素原子と酸素原子が二重結合で結合)、フッ素原子、
炭素数が1〜6の、アルキル基、含フッ素アルキル基、アルコキシ基、含フッ素アルコキシ基、炭素数が2〜6の、アルケニル基、アルキニル基、含フッ素アルケニル基、含フッ素アルキニル基、
ホルミル基、シアノ基、カルボニル基を含有する1価の有機基、又はスルホニル基を含有する1価の有機基であることが好ましい。
さらには、上記一般式(1)のR〜R10が、それぞれ互いに独立して、
水素原子、酸素原子(酸素原子の場合は、シクロヘキセン環のR〜Rが結合するいずれかの炭素原子と酸素原子が二重結合で結合)、フッ素原子、
炭素数が1〜3の、アルキル基、含フッ素アルキル基、炭素数が2〜3の、アルケニル基、アルキニル基、
ホルミル基、シアノ基、又はカルボニル基を含有する1価の有機基であることがより好ましい。
本発明の非水電解液電池用電解液は、さらに、ビニレンカーボネート誘導体、エチレンカーボネート誘導体、フォスファゼン化合物、ニトリル化合物、ジスルホン酸エステル化合物、スルフィド化合物、スルトン化合物、及び酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
上記溶質が、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(FSO)、及びビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CSO)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
上記非水溶媒が、環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、含イオウ非水溶媒、及びイオン液体からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
本発明は少なくとも正極と、負極と、非水電解液電池用電解液とを備えた非水電解液電池において、上記の非水電解液電池用電解液を含むことを特徴とする、非水電解液電池(以降、単に「非水電池」や「電池」と記載する場合がある)を提供するものである。
本発明により、優れた過充電防止効果を発揮することで電池の安全性を向上させることができ、さらには、低温特性にも優れる非水電解液電池用電解液、及びこれを用いた非水電解液電池を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の一例であり、これらの具体的内容に限定はされない。その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、少なくとも、非水溶媒と、溶質と、
第一の化合物としてトリス(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(ビス(オキサラト))リン酸塩、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸塩、ビス(オキサラト)ホウ酸塩、及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物と、
第二の化合物として一般式(1)で示される少なくとも一つの化合物とを
含有することを特徴とする、非水電解液電池用電解液である。
上記第一の化合物のカチオンとしては、さまざまな金属カチオンおよびオニウムカチオンが挙げられるが、溶媒に対する溶解度の大きさから、上記第一の化合物はナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩から選択されるいずれかであることが好ましい。
第一の化合物として使用されるトリス(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(ビス(オキサラト))リン酸塩、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸塩、ビス(オキサラト)ホウ酸塩、及びジフルオロリン酸塩は、いずれも正極、及び負極上で分解することにより、リチウムイオン伝導性の良い被膜を正極、及び負極表面に形成し、低温特性を向上させる。さらに、この被膜は非水溶媒や溶質と活物質との間の直接の接触を抑制して非水溶媒や溶質の分解を防ぎ、充放電サイクルに対する耐久性を向上する。
上記第一の化合物の濃度の下限は、非水電解液の総量に対して0.07質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上であり、また、上限は5.0質量%以下が好ましく、より好ましくは3.0質量%以下である。上記濃度が0.07質量%を下回ると、十分に電極表面を被覆できず、該非水電解液を用いた非水電解液電池の低温特性を向上させる効果が十分に得られ難いため好ましくない。一方、上記濃度が5.0質量%を超えると、被膜形成に使われず余剰になった第一の化合物が被膜形成反応以外の分解反応によりガスを発生し易く、電池の膨れや電池性能(低温特性や充放電サイクルに対する耐久性)の低下を引き起こし易いため好ましくない。これらの第一の化合物は、一種類を単独で用いても良く、二種類以上を用途に合わせて任意の組み合わせ、比率で混合して用いても良い。
上記一般式(1)において、R〜R10はそれぞれ互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子(酸素原子の場合は、シクロヘキセン環のR〜Rが結合するいずれかの炭素原子と酸素原子が二重結合で結合)、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、含フッ素アルキル基、含フッ素アルケニル基、含フッ素アルキニル基、アルコキシ基、含フッ素アルコキシ基、及びヘテロ原子を含む有機基から選択され、R〜R10は置換基を有してもよく、また、互いに結合して環状になっていてもかまわない。
優れた過充電耐性を発揮する非水電解液電池が得られることから、上記R〜R10は、それぞれ互いに独立して、
水素原子、酸素原子(酸素原子の場合は、シクロヘキセン環のR〜Rが結合するいずれかの炭素原子と酸素原子が二重結合で結合)、フッ素原子
炭素数が1〜6の、アルキル基、含フッ素アルキル基、アルコキシ基、含フッ素アルコキシ基、炭素数が2〜6の、アルケニル基、アルキニル基、含フッ素アルケニル基、含フッ素アルキニル基、
ホルミル基、シアノ基、カルボニル基を含有する1価の有機基、又はスルホニル基を含有する1価の有機基であることが好ましい。
上記R〜R10は、さらに好ましくは、それぞれ互いに独立して、
水素原子、酸素原子(酸素原子の場合は、シクロヘキセン環のR〜Rが結合するいずれかの炭素原子と酸素原子が二重結合で結合)、フッ素原子、
炭素数が1〜3のアルキル基、含フッ素アルキル基、炭素数が2〜3の、アルケニル基、アルキニル基、
ホルミル基、シアノ基、又はカルボニル基を含有する1価の有機基である。
上記一般式(1)で表される化合物としては、より具体的には、例えば以下の化合物No.1〜No.14等が挙げられる。但し、本発明で用いられる化合物は、以下の例示により何ら制限を受けるものではない。
Figure 2016131059
上記一般式(1)で表される第二の化合物は、電池が過充電状態になると重合反応を開始し、電極表面に重合物を生成する。この重合反応により過充電電流が消費され、電池電圧の上昇が抑制される。さらには、電極表面に生成した重合物は電解液中で再溶解が起こりにくい物質であるため、溶媒の酸化分解を防ぐ保護皮膜として作用し、溶媒の酸化分解を抑制する。発熱を伴う溶媒の酸化分解が抑制されることにより、電池温度の上昇が抑制される。このように、上記一般式(1)で表される化合物が重合反応することにより、電池の過充電耐性が向上する。また、上記一般式(1)で表される化合物の中でも化合物No.1は、該化合物が電極表面で重合した場合に、より丈夫な保護皮膜を形成することから、より優れた過充電耐性を示す電池が得られる。
また、上記第一の化合物と上記一般式(1)で表される第二の化合物を併用することにより、上記第一の化合物または上記第二の化合物を単独で用いた場合に比べて、優れた低温特性を示す電池が得られる。このメカニズムの詳細は不明であるが、第一の化合物と同様に、初充電の際に上記第二の化合物の一部も電極表面で分解し、電極表面に良好な被膜を形成するためと考えられる。第一の化合物と第二の化合物が共存することにより、それぞれ単独では達成できない良好な被膜が形成され、優れた低温特性が得られる。
上記一般式(1)で示される第二の化合物の濃度の下限は、非水電解液電池用電解液の総量に対して0.07質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上であり、また、上限は6.0質量%以下が好ましく、より好ましくは5.0質量%以下である。上記濃度が0.07質量%を下回ると、該非水電解液を用いた非水電解液電池であっても過充電防止効果が十分に得られ難いため好ましくない。一方、上記濃度が6.0質量%を上回ると、電解液中のリチウムイオンの移動が阻害されるため電池性能(低温特性や充放電サイクルに対する耐久性)が低下し易くなり、好ましくない。また、上記一般式(1)で示される化合物は、一種類を単独で用いても良く、二種類以上を用途に合わせて任意の組み合わせ、比率で混合して用いても良い。
本発明の非水溶媒、溶質、第一の化合物及び第二の化合物を含む非水電解液電池用電解液において、負極被膜形成効果、もしくは正極保護効果を有するビニレンカーボネート誘導体、エチレンカーボネート誘導体、フォスファゼン化合物、ニトリル化合物、ジスルホン酸エステル化合物、スルフィド化合物、スルトン化合物、及び酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物をさらに含むことが、より電池特性が優れる非水電解液電池を得られることから好ましい。上記化合物の具体例としては、フルオロエチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、モノエトキシペンタフルオロシクロトリフォスファゼン、スクシノニトリル、メタンメチレンジスルホン酸エステル、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、無水マレイン酸などが挙げられる。これらの化合物は、非水電解液電池用電解液の総量に対して10質量%を超えない範囲であれば一種類を単独で用いても良く、二種類以上を用途に合わせて任意の組み合わせ、比率で混合して用いても良い。
本発明の非水電解液電池用電解液に用いる非水溶媒の種類は、特に限定されず、任意の非水溶媒を用いることができる。具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン等の環状エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等の鎖状エーテル、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含イオウ非水溶媒等が挙げられ、また、非水溶媒とはカテゴリーが異なるがイオン液体等も挙げることができる。また、本発明に用いる非水溶媒は、一種類を単独で用いても良く、二種類以上を用途に合わせて任意の組み合わせ、比率で混合して用いても良い。これらの中ではその酸化還元に対する電気化学的な安定性と熱や上記溶質との反応に関わる化学的安定性の観点から、特にプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。
本発明の非水電解液電池用電解液に用いる溶質の種類は、特に限定されず、任意のリチウム塩を用いることができる。具体例としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(FSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiPF(C、LiB(CF、LiBF(C)などに代表される電解質リチウム塩が挙げられる。これらの溶質は、一種類を単独で用いても良く、二種類以上を用途に合わせて任意の組み合わせ、比率で混合して用いても良い。中でも、電池としてのエネルギー密度、出力特性、寿命等から考えると、LiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiN(FSO、LiN(CSOが好ましい。
これら溶質の濃度については特に制限はないが、下限は0.5mol/L以上、好ましくは0.7mol/L以上、さらに好ましくは0.9mol/L以上であり、また、上限は2.5mol/L以下、好ましくは2.0mol/L以下、さらに好ましくは1.5mol/L以下の範囲である。0.5mol/Lを下回るとイオン伝導度が低下することにより非水電解液電池のサイクル特性、出力特性が低下する傾向があり、一方、2.5mol/Lを超えると非水電解液電池用電解液の粘度が上昇することにより、やはりイオン伝導を低下させる傾向があり、非水電解液電池のサイクル特性、出力特性を低下させる恐れがある。
一度に多量の該溶質を非水溶媒に溶解すると、溶質の溶解熱のため非水電解液の温度が上昇することがあり、該液温が著しく上昇すると、例えば、フッ素を含有したリチウム塩の分解が促進されてフッ化水素が生成する恐れがある。フッ化水素は電池性能の劣化の原因となるため好ましくない。このため、該溶質を非水溶媒に溶解する際の液温は特に限定されないが、−20〜50℃が好ましく、0〜40℃がより好ましい。
本発明の非水電解液に、例えば、空気や二酸化炭素を含ませることにより、さらに電解液の分解によるガス発生の抑制や、長期サイクル特性や充電保存特性等の電池特性を向上させることができる。本発明においても、高温における充放電特性向上の観点から、非水電解液中に二酸化炭素を溶解させてもよく、二酸化炭素の溶解量は、非水電解液に二酸化炭素を飽和するまで溶解させた量であっても良い。
以上が本発明の非水電解液電池用電解液の基本的な構成についての説明であるが、本発明の要旨を損なわない限りにおいて、本発明の非水電解液電池用電解液に、一般的に用いられる負極被膜形成効果、もしくは正極保護効果を有する添加剤を任意の比率で添加しても良い。また、リチウムポリマー電池と呼ばれる非水電解液電池に使用される場合のように、非水電解液電池用電解液をゲル化剤や架橋ポリマーにより擬固体化して使用することも可能である。
また、本発明の非水電解液電池用電解液に用いる上記の非水溶媒、溶質、第一の化合物、第二の化合物やその他の添加剤は電池性能向上の観点から、生産性を著しく低下させない範囲内で予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
次に、本発明の非水電解液電池の構成について説明する。本発明の非水電解液電池は、上記の本発明の非水電解液電池用電解液を用いることが特徴であり、その他の構成部材には一般の非水電解液電池に使用されているものが用いられる。即ち、リチウムの吸蔵及び放出が可能な正極及び負極、集電体、セパレータ、容器等から成る。
負極材料としては、特に限定されないが、リチウム金属、リチウムと他の金属との合金又は金属間化合物や種々の炭素材料、金属酸化物、金属窒化物、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、活性炭、導電性ポリマー等が用いられる。
炭素材料とは、例えば、易黒鉛化炭素や、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化炭素(ハードカーボン)や、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などである。より具体的には、熱分解性炭素、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭あるいはカーボンブラック類などがある。このうち、コークス類にはピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどが含まれる。有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂やフラン樹脂などを適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。炭素材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴う結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られるので好ましい。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状あるいは鱗片状のいずれでもよい。また、非晶質炭素や非晶質炭素を表面に被覆した黒鉛材料は、材料表面と電解液との反応性が低くなるため、より好ましい。
正極材料としては、特に限定されないが、リチウム電池及びリチウムイオン電池の場合、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn等のリチウム含有遷移金属複合酸化物、それらのリチウム含有遷移金属複合酸化物のCo、Mn、Ni等の遷移金属が複数混合したもの、それらのリチウム含有遷移金属複合酸化物の遷移金属の一部が他の遷移金属以外の金属に置換されたもの、オリビンと呼ばれるLiFePO、LiCoPO、LiMnPO等の遷移金属のリン酸化合物、TiO、V、MoO等の酸化物、TiS、FeS等の硫化物、あるいはポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、及びポリピロール等の導電性高分子、活性炭、ラジカルを発生するポリマー、カーボン材料等が使用される。
正極や負極材料には、導電材としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、黒鉛、結着材としてポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、SBR樹脂等が加えられ、シート状に成型されることにより電極シートにすることができる。
正極と負極の接触を防ぐためのセパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、紙、及びガラス繊維等で作られた不織布や多孔質シートが使用される。
以上の各要素からコイン形、円筒形、角形、アルミラミネートシート型等の形状の非水電解液電池が組み立てられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により限定されるものではない。
[実施例1−1]
非水溶媒としてエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒を用い、該溶媒中に溶質としてLiPFを1.0mol/L、第一の化合物としてジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム(LiPF(C)を非水電解液の総量に対して0.05質量%、第二の化合物として上記化合物No.1を非水電解液の総量に対して2.0質量%となるように溶解し、表1に示すように非水電解液電池用電解液を調製した。なお、上記の調製は、液温を40℃以下に維持しながら行った。
この電解液を用いてLiCoOを正極材料、黒鉛を負極材料としてセルを作製し、実際に過充電耐性及び低温特性を評価した。試験用セルは以下のように作製した。
LiCoO粉末90質量%にバインダーとして5質量%のポリフッ化ビニリデン(以降、「PVDF」と記載する)、導電材としてアセチレンブラックを5質量%混合し、さらにN−メチルピロリドンを添加し、ペースト状にした。このペーストをアルミニウム箔上に塗布して、乾燥させることにより、試験用正極体とした。また、黒鉛粉末90質量%に、バインダーとして10質量%のPVDFを混合し、さらにN−メチルピロリドンを添加し、スラリー状にした。このスラリーを銅箔上に塗布して、150℃で12時間乾燥させることにより、試験用負極体とした。そして、ポリエチレン製セパレータに電解液を浸み込ませてアルミラミネート外装の50mAhセルを組み立てた。
作製したセルを用い、電流密度0.35mA/cmで4.2Vまで定電流充電した後に、電流密度0.35mA/cmで3.0Vまで放電を行い、このときの放電容量を初回放電容量とした。尚、このときの充放電は25℃の環境温度で行った。
[過充電試験]
上記のように作製したセルを用い、電流密度1.75mA/cmで4.2Vまで定電流充電した後、2時間4.2Vを維持して満充電状態とした。満充電となった非水電解液電池に、さらに3.5mA/cmの電流を流して過充電状態とした。3.5mA/cmの電流で2時間、過充電し続けたときのセル温度とセル電圧を測定した。結果を表2に示す。なお、上記のセル温度とセル電圧は低いほど安全性に優れており好ましい。
[低温特性評価]
上記のように作製したセルを用いて、まず、60℃の環境温度での充放電試験を実施した。充電、放電ともに電流密度0.35mA/cmで行い、定電流充電を行って4.2Vに達した後に1時間4.2Vを維持し、放電は3.0Vまで行った。この充放電サイクルを500回、繰り返した後のセルを用いて、低温特性を評価した。500サイクル後のセルを25℃で電流密度0.35mA/cmで4.2Vまで充電した後に、電流密度0.35mA/cmで3.0Vまで放電を行った。次に、25℃で電流密度0.35mA/cmで4.2Vまで充電した後に、−20℃で電流密度0.35mA/cmで3.0Vまで放電を行った。低温特性は下記式で求めた。結果を表2に示す。
<低温特性>
低温特性(%)=(−20℃での放電容量/25℃での放電容量)×100
Figure 2016131059
Figure 2016131059
[実施例1−2〜1−13]
第一の化合物の濃度及び第二の化合物の濃度を変えて、それ以外は実施例1−1と同様の手順で非水電解液電池用電解液を調製した。この非水電解液を用いて実施例1−1と同様にセルを作製し、電池評価を行った。非水電解液の調製条件を表1に示し、該電解液を用いた電池の評価結果を表2に示す。
[比較例1−1]
第一の化合物及び第二の化合物をいずれも含有させずに、それ以外は実施例1−1と同様の手順で非水電解液電池用電解液を調製した。この非水電解液を用いて実施例1−1と同様にセルを作製し、電池評価を行った。非水電解液の調製条件を表1に示し、該電解液を用いた電池の評価結果を表2に示す。なお、過充電試験において発煙が起こったためセル温度とセル電圧の測定はできなかった。従って、本構成の非水電解液電池では過充電に対して安全性が確保できないことが確認された。
[比較例1−2]
第一の化合物の濃度を非水電解液の総量に対して1.0質量%とし、第二の化合物を含有させずに、それ以外は実施例1−1と同様の手順で非水電解液電池用電解液を調製した。この非水電解液を用いて実施例1−1と同様にセルを作製し、電池評価を行った。非水電解液の調製条件を表1に示し、該電解液を用いた電池の評価結果を表2に示す。なお、過充電試験において発煙が起こったためセル温度とセル電圧の測定はできなかった。従って、本構成の非水電解液電池では過充電に対して安全性が確保できないことが確認された。
[比較例1−3]
第一の化合物の濃度を非水電解液の総量に対して1.0質量%とし、第二の化合物を含有させずに、その他の添加剤として、従来から過充電防止剤として用いられているビフェニルを非水電解液の総量に対して2.0質量%となるように含有させ、それ以外は実施例1−1と同様の手順で非水電解液電池用電解液を調製した。この非水電解液を用いて実施例1−1と同様にセルを作製し、電池評価を行った。非水電解液の調製条件を表1に示し、該電解液を用いた電池の評価結果を表2に示す。
[比較例1−4]
第一の化合物として、LiPF(Cを非水電解液の総量に対して1.0質量%、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸塩(LiPF(C))を非水電解液の総量に対して0.2質量%の濃度で含有させ、第二の化合物を含有させずに、その他の添加剤として、従来から過充電防止剤として用いられているビフェニルを非水電解液の総量に対して2.0質量%となるように含有させ、それ以外は実施例1−1と同様の手順で非水電解液電池用電解液を調製した。この非水電解液を用いて実施例1−1と同様にセルを作製し、電池評価を行った。非水電解液の調製条件を表1に示し、該電解液を用いた電池の評価結果を表2に示す。
[比較例1−5]
第一の化合物を含有させずに、それ以外は実施例1−1と同様の手順で非水電解液電池用電解液を調製した。この非水電解液を用いて実施例1−1と同様にセルを作製し、電池評価を行った。非水電解液の調製条件を表1に示し、該電解液を用いた電池の評価結果を表2に示す。
[比較例1−6]
第一の化合物を含有させずに、その他の添加剤としてビニレンカーボネートを非水電解液の総量に対して1.0質量%となるように含有させ、それ以外は実施例1−1と同様の手順で非水電解液電池用電解液を調製した。この非水電解液を用いて実施例1−1と同様にセルを作製し、電池評価を行った。非水電解液の調製条件を表1に示し、該電解液を用いた電池の評価結果を表2に示す。
第一の化合物と第二の化合物をともに含有する非水電解液を用いた実施例1−1〜1−13は、第一の化合物と第二の化合物をともに含有しない場合(比較例1−1)や、第一の化合物と第二の化合物のいずれかを含有しない場合(比較例1−2〜1−6)に比べて優れた過充電防止効果を有し、電池性能(低温特性や充放電サイクルに対する耐久性)にも優れる。上記実施例1−1〜1−13の過充電防止効果については、従来から過充電防止剤として用いられているビフェニルを含有させた比較例1−3や比較例1−4の過充電防止効果と同等の良好なものであった。
第一の化合物の濃度が好ましい範囲(0.07〜5.0質量%)内である実施例1−2〜1−4、1−6〜1−8、及び1−10〜1−13は、電池性能が特に良好であった。なお、実施例1−9は、第一の化合物の濃度が好ましい範囲内であるものの、第二の化合物の濃度が7.0質量%とやや高いため、電池性能がやや低かった。
また、第二の化合物の濃度が好ましい範囲(0.07〜6.0質量%)内である実施例1−1〜1−5、及び1−7〜8、1−10〜13は、過充電防止効果が特に良好であった。なお、実施例1−9は、過充電防止効果が良好であったものの、上述の通り、第二の化合物の濃度が7.0質量%とやや高いため、電池性能がやや低かった。
さらに、第一の化合物の濃度が好ましい範囲(0.07〜5.0質量%)内であり、第二の化合物の濃度が好ましい範囲(0.07〜6.0質量%)内である実施例1−2〜1−4、1−7〜1−8、及び1−10〜1−13は、過充電防止効果と電池性能がともに特に良好であった。
[実施例1−14〜1−28]
表3に示すように、第一の化合物の種類と濃度、第二の化合物の種類と濃度、その他の添加剤の種類と濃度、及び溶媒組成を変更し、それ以外は実施例1−1と同様の手順で非水電解液電池用電解液を調製した。この非水電解液を用いて実施例1−1と同様にセルを作製し、電池評価を行った。非水電解液の調製条件を表3に示し、該電解液を用いた電池の評価結果を表4に示す。なお、NaP(Cはトリス(オキサラト)リン酸ナトリウム、KPF(C)はテトラフルオロ(オキサラト)リン酸カリウム、Mg(BF(C))はビス(ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸)マグネシウム、(TEA)B(Cはビス(オキサラト)ホウ酸テトラエチルアンモニウム、LiPOはジフルオロリン酸リチウムを意味する。実施例1−27では、第一の化合物として、LiPF(Cを非水電解液の総量に対して1.0質量%、及びLiPF(C)を非水電解液の総量に対して0.2質量%の濃度で含有させた。また、実施例1−28では、第一の化合物として、LiPF(Cを非水電解液の総量に対して1.0質量%、及びLiPOを非水電解液の総量に対して0.5質量%の濃度で含有させた。
第一の化合物と第二の化合物をともに含有する非水電解液を用いた実施例1−14〜1−28は、第一の化合物と第二の化合物をともに含有しない場合(比較例1−1)や、第一の化合物と第二の化合物のいずれかを含有しない場合(比較例1−2〜1−6)に比べて優れた過充電防止効果を有し、電池性能(低温特性や充放電サイクルに対する耐久性)にも優れる。
従って、異なる種類の第一の化合物や第二の化合物を用いたとしても、その他の添加剤を含有したとしても、また、溶媒組成を変えたとしても、本発明の非水電解液を非水電解液電池に用いると、優れた過充電防止効果を発揮できるとともに優れた電池性能(低温特性や充放電サイクルに対する耐久性)を発揮できる。
Figure 2016131059
Figure 2016131059
[実施例1−29〜1−31、比較例1−7〜1−12]
実施例1−1で用いた負極体を変更し、非水電解液電池用電解液として、非水電解液No.1−3、1−30又は1−34を用いて、実施例1−1と同様に、電池の過充電耐性及び低温特性を評価した。
なお、負極活物質がハードカーボンである実施例1−29、及び比較例1−7〜1−8において、負極体は、ハードカーボン粉末90質量%に、バインダーとして10質量%のPVDFを混合し、さらにN−メチルピロリドンを添加し、得られたペーストを銅箔上に塗布して、乾燥させることにより作製し、電池評価の際の充電終止電圧を4.2V、放電終止電圧を2.7Vとした。
また、負極活物質がLiTi12である実施例1−30、及び比較例1−9〜1−10において、負極体は、LiTi12粉末90質量%に、バインダーとして5質量%のPVDF、導電剤としてアセチレンブラックを5質量%混合し、さらにN−メチルピロリドンを添加し、得られたペーストを銅箔上に塗布して、乾燥させることにより作製し、電池評価の際の充電終止電圧を2.7V、放電終止電圧を1.5Vとした。
また、負極活物質がケイ素(単体)である実施例1−31、及び比較例1−11〜1−12において、負極体は、ケイ素粉末80質量%に、バインダーとして5質量%のPVDF、導電材としてアセチレンブラックを15質量%混合しさらにN−メチルピロリドンを添加し、得られたペーストを銅箔上に塗布して、乾燥させることにより作製し、電池評価の際の充電終止電圧と放電終止電圧は実施例1−1と同様とした。上記の電池の評価結果を表5に示す。
Figure 2016131059
[実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−8]
実施例1−1で用いた正極体と負極体を変更し、非水電解液電池用電解液として、非水電解液No.1−3、1−30又は1−34を用いて、実施例1−1と同様に、電池の過充電耐性及び低温特性を評価した。
なお、正極活物質がLiNi1/3Co1/3Mn1/3である正極体は、LiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末90質量%にバインダーとして5質量%のPVDF、導電材としてアセチレンブラックを5質量%混合し、さらにN−メチルピロリドンを添加し、得られたペーストをアルミニウム箔上に塗布して、乾燥させることにより作製した。
実施例1−1と同様に負極活物質が黒鉛である実施例2−1、及び比較例2−1〜2−2において、電池評価の際の充電終止電圧を4.3V、放電終止電圧を3.0Vとした。
実施例1−29と同様に負極活物質がハードカーボンである実施例2−2、及び比較例2−3〜2−4において、電池評価の際の充電終止電圧を4.3V、放電終止電圧を2.7Vとした。
実施例1−30と同様に負極活物質がLiTi12である実施例2−3、及び比較例2−5〜2−6において、電池評価の際の充電終止電圧を2.8V、放電終止電圧を1.5Vとした。
実施例1−31と同様に負極活物質がケイ素(単体)である実施例2−4、及び比較例2−7〜2−8において、電池評価の際の充電終止電圧を4.3V、放電終止電圧を3.0Vとした。上記の電池の評価結果を表5に示す。
[実施例3−1〜3−2、比較例3−1〜3−4]
実施例1−1で用いた正極体と負極体を変更し、非水電解液電池用電解液として、非水電解液No.1−3、1−30又は1−34を用いて、実施例1−1と同様に、電池の過充電耐性及び低温特性を評価した。
なお、正極活物質がLiMn1.95Al0.05である正極体は、LiMn1.95Al0.05粉末90質量%にバインダーとして5質量%のPVDF、導電材としてアセチレンブラックを5質量%混合し、さらにN−メチルピロリドンを添加し、得られたペーストをアルミニウム箔上に塗布して、乾燥させることにより作製した。
実施例1−1と同様に負極活物質が黒鉛である実施例3−1及び比較例3−1〜3−2において、電池評価の際の充電終止電圧と放電終止電圧は実施例1−1と同様とした。
実施例1−29と同様に負極活物質がハードカーボンである実施例3−2、及び比較例3−3〜3−4において、電池評価の際の充電終止電圧を4.2V、放電終止電圧を2.7Vとした。上記の電池の評価結果を表6に示す。
[実施例4−1〜4−2、比較例4−1〜4−4]
実施例1−1で用いた正極体と負極体を変更し、非水電解液電池用電解液として、非水電解液No.1−3、1−30又は1−34を用いて、実施例1−1と同様に、電池の過充電耐性及び低温特性を評価した。
なお、正極活物質がLiFePOである正極体は、非晶質炭素で被覆されたLiFePO粉末90質量%にバインダーとして5質量%のPVDF、導電材としてアセチレンブラックを5質量%混合し、さらにN−メチルピロリドンを添加し、得られたペーストをアルミニウム箔上に塗布して、乾燥させることにより作製した。
実施例1−1と同様に負極活物質が黒鉛である実施例4−1、及び比較例4−1〜4−2において、電池評価の際の充電終止電圧を3.4V、放電終止電圧を2.0Vとした。
実施例1−29と同様に負極活物質がハードカーボンである実施例4−2、及び比較例4−3〜4−4において、電池評価の際の充電終止電圧を3.4V、放電終止電圧を1.7Vとした。上記の電池の評価結果を表6に示す。
Figure 2016131059
上記のように、正極活物質として、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMn1.95Al0.05、LiFePOを用いたいずれの実施例においても、本発明の非水電解液電池用電解液を用いたラミネートセルの過充電耐性、及び電池性能(低温特性や充放電サイクルに対する耐久性)は、それぞれの対応する比較例に比べて優れていることが確認された。したがって、本発明の非水電解液電池用電解液を用いることで、正極活物質の種類によらず、過充電耐性、及び電池性能に優れる非水電解液電池を得られることが示された。
また、上記のように、負極活物質として、黒鉛、ハードカーボン、LiTi12、ケイ素(単体)を用いたいずれの実施例においても、本発明の非水電解液電池用電解液を用いたラミネートセルの過充電耐性、及び電池性能(低温特性や充放電サイクルに対する耐久性)は、それぞれの対応する比較例に比べて優れていることが確認された。したがって、本発明の非水電解液電池用電解液を用いることで、負極活物質の種類によらず、過充電耐性、及び電池性能に優れる非水電解液電池を得られることが示された。
[実施例5−1〜5−9]
非水溶媒としてエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒を用い、該溶媒中に溶質としてLiPFを1.2mol/Lとなるように、第一の化合物、第二の化合物、その他の添加剤を表7に示す濃度となるように含有させて本発明の非水電解液(非水電解液No.5−1〜5−9)を調製した。なお、上記の調製は、液温を40℃以下に維持しながら行った。
表7中の非水電解液No.5−1〜5−9を用い、実施例1−1と同様に、LiCoOを正極材料、黒鉛を負極材料としてセルを作製し、過充電耐性及び低温特性を評価した。上記の電池の評価結果を表8に示す。
[比較例5−1〜5−9]
実施例5−1と同様に、非水溶媒としてエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒を用い、該溶媒中に溶質としてLiPFを1.2mol/Lとなるように、第一の化合物、第二の化合物、その他の添加剤を表7に示す濃度となるように含有させて非水電解液No.5−10〜5−18の非水電解液を調製した。なお、上記の調製は、非水電解液No.5−1〜5−9と同様、液温を40℃以下に維持しながら行った。
表7中の非水電解液No.5−10〜5−18を用い、実施例5−1〜5−9と同様に、LiCoOを正極材料、黒鉛を負極材料としてセルを作製し、過充電耐性及び低温特性を評価した。上記の電池の評価結果を表8に示す。
Figure 2016131059
Figure 2016131059
表8の結果の通り、実施例5−1〜5−9は、第一の化合物と従来の芳香族化合物(ビフェニル)とを含有する場合(比較例5−1〜5−9)と比較して、同等の優れた過充電防止効果を有し、かつ電池性能面(低温特性や充放電サイクル特性の向上)においてより優れることが確認された。
従って、本発明の特定のオキサラトリン酸塩、オキサラトホウ酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一つと、シクロヘキセン及び特定のシクロヘキセン誘導体とを組み合わせることで、優れた過充電防止効果とともに優れた電池性能を発揮できることを確認した。これは、特許文献5にない上述の構成により、過充電防止効果(過充電耐性)と低温特性の向上を両立させるという作用効果を奏するものと考えられる。

Claims (10)

  1. 少なくとも、非水溶媒と、溶質と、
    第一の化合物としてトリス(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(ビス(オキサラト))リン酸塩、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸塩、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸塩、ビス(オキサラト)ホウ酸塩、及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物と、
    第二の化合物として一般式(1)で示される少なくとも一つの化合物とを
    含有することを特徴とする、非水電解液電池用電解液。
    Figure 2016131059
    [一般式(1)中、R〜R10はそれぞれ互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子(酸素原子の場合は、シクロヘキセン環のR〜Rが結合するいずれかの炭素原子と酸素原子が二重結合で結合)、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、含フッ素アルキル基、含フッ素アルケニル基、含フッ素アルキニル基、アルコキシ基、含フッ素アルコキシ基、及びヘテロ原子を含む有機基から選択され、R〜R10は置換基を有してもよく、また、互いに結合して環状になっていてもかまわない。]
  2. 前記第一の化合物の濃度が、非水電解液電池用電解液の総量に対して0.07〜5.0質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の非水電解液電池用電解液。
  3. 前記第二の化合物の濃度が非水電解液電池用電解液の総量に対して0.07〜6.0質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の非水電解液電池用電解液。
  4. 前記第一の化合物が、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩から選択されるいずれかであることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
  5. 前記一般式(1)のR〜R10が、それぞれ互いに独立して、
    水素原子、酸素原子(酸素原子の場合は、シクロヘキセン環のR〜Rが結合するいずれかの炭素原子と酸素原子が二重結合で結合)、フッ素原子、
    炭素数が1〜6の、アルキル基、含フッ素アルキル基、アルコキシ基、含フッ素アルコキシ基、炭素数が2〜6の、アルケニル基、アルキニル基、含フッ素アルケニル基、含フッ素アルキニル基、
    ホルミル基、シアノ基、カルボニル基を含有する1価の有機基、又はスルホニル基を含有する1価の有機基であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
  6. 前記一般式(1)のR〜R10が、それぞれ互いに独立して、
    水素原子、酸素原子(酸素原子の場合は、シクロヘキセン環のR〜Rが結合するいずれかの炭素原子と酸素原子が二重結合で結合)、フッ素原子、
    炭素数が1〜3の、アルキル基、含フッ素アルキル基、炭素数が2〜3の、アルケニル基、アルキニル基、
    ホルミル基、シアノ基、又はカルボニル基を含有する1価の有機基であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
  7. さらに、ビニレンカーボネート誘導体、エチレンカーボネート誘導体、フォスファゼン化合物、ニトリル化合物、ジスルホン酸エステル化合物、スルフィド化合物、スルトン化合物、及び酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
  8. 前記溶質が、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(FSO)、及びビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CSO)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
  9. 前記非水溶媒が、環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、含イオウ非水溶媒、及びイオン液体からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
  10. 少なくとも正極と、負極と、非水電解液電池用電解液とを備えた非水電解液電池において、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液を含むことを特徴とする、非水電解液電池。
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