JP5484678B2 - 光学素子用成形体 - Google Patents

光学素子用成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP5484678B2
JP5484678B2 JP2008013074A JP2008013074A JP5484678B2 JP 5484678 B2 JP5484678 B2 JP 5484678B2 JP 2008013074 A JP2008013074 A JP 2008013074A JP 2008013074 A JP2008013074 A JP 2008013074A JP 5484678 B2 JP5484678 B2 JP 5484678B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
styrene
resin
film
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008013074A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008225452A (ja
JP2008225452A5 (ja
Inventor
綾 高際
順 米沢
永子 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei E Materials Corp
Original Assignee
Asahi Kasei E Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei E Materials Corp filed Critical Asahi Kasei E Materials Corp
Priority to JP2008013074A priority Critical patent/JP5484678B2/ja
Publication of JP2008225452A publication Critical patent/JP2008225452A/ja
Publication of JP2008225452A5 publication Critical patent/JP2008225452A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5484678B2 publication Critical patent/JP5484678B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、偏光板等の光学素子を製造するための光学素子用成形体に関する。
最近の液晶テレビに代表される薄型ディスプレイ市場の拡大に伴い、より鮮明な画像をより低価格で得たいという要求が高まっている。これを実現するために重要となるのが偏光板等の光学素子である。
光学素子には湿度等の外部環境に対する耐久性を高めるために保護フイルムが積層されていることがある。そして、このような光学素子の保護フイルムには、高い透明性が要求されるため、これまではトリアセチルセルロースフィルムが多く用いられてきた(非特許文献1)。
しかし、トリアセチルセルロースフィルムは透湿度が高いため、高温多湿の条件下での耐久性が劣るという欠点を持っている。特に、光学素子が、偏光フイルムの両面に保護フイルムを積層した偏光板である場合、偏光フイルムはポリビニルアルコール系樹脂フィルム等にヨウ素や二色性染料を吸着させた配位構造を有し、この配位構造が水分により損傷されやすいため、保護フイルムとして透湿度の低いものを用いると偏光板の劣化が顕著である。
この問題に対して、透湿度の低い光学素子用保護フイルムとして、非晶性ポリオレフィン系樹脂(熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂)を使用することが試みられている。(特許文献1)しかし、非晶性ポリオレフィン系樹脂はその透湿度が極めて低いため、今度は光学素子の内部の水分が外部に放出されず、その結果、光学素子が変形し、光学素子としての機能を損なうという問題が生じる。
井出文雄監修、「ディスプレイ用光学フィルム」、シーエムシー出版、2004年 特開平8−43812号公報
このような状況から、吸水率と水蒸気透過度を所望の値に調整できる光学素子用成形体が望まれている。
本発明の課題は、吸水率と水蒸気透過度を所望の値に調整できる光学素子用成形体を提供することである。
本発明者らは、光学素子の保護フイルムに用いることができる材料について鋭意検討を行った結果、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含む樹脂組成物は、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)との質量比を調整することにより、これを成形した場合に、吸水率が少なく、適度な水蒸気透過度を有する適度の透湿度を有する成形体が得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、アクリル系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B)とを含む樹脂組成物の成形体は、所望のレタデーションを付与することが容易であるため、保護フィルムとしてだけではなく、位相差フイルムとしても機能させることが可能であることを見い出した。具体的には、アクリル系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B)とを含む樹脂組成物の成形体を、偏光板の保護フイルムとしてだけではなく、位相差フイルムとして兼用することにより、保護フィルムの上に別途、位相差フィルムを接着することを省いて偏光板の薄肉化を図ると共に、生産性、耐久性に優れた偏光板を製造することができることを見出した。
本発明によれば、レタデーションの制御が容易で、しかも、水蒸気透過度を適度な値に制御することが可能な光学素子用成形体を製造することができる。
また、本発明によれば、さらに、生産性、耐久性に優れる偏光板を製造することができる。
本発明において用いる光学材料用樹脂組成物は、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含む。
本発明においてアクリル系樹脂とは、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの誘導体を単量体成分として含む重合体をいう。
本発明におけるアクリル系樹脂(A)の具体例としては、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル、より選ばれる1種以上の単量体を重合したものが挙げられる。
なお、アクリル系樹脂(A)には、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの誘導体と、他の単量体成分を共重合したものも含まれるが、このような他の単量体成分の含量(共重合割合)は、アクリル系樹脂(A)に対して50質量%未満であることが好ましく、より好ましくは40質量%未満、さらに好ましくは30質量%未満である。
これらの中でも、メタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体は、スチレン系樹脂(B)の好ましい例である、スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)、スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)との相溶性が高いため、特に好ましい。
メタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体としては、メタクリル酸メチルの単独重合体、他の単量体との共重合体いずれでもよい。
メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、メタクリル酸メチル以外のメタリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレンやα−メチルスチレン、α−メチル−p−メ
チルスチレン等のα−アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル化合物類;アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和酸類が挙げられる。
これらの単量体は、一種または二種以上組み合わせて使用することもできる。
これらのメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体の中でも、特にアクリル酸アルキルエステル類は、耐熱分解性に優れ、これを共重合させて得られるアクリル系樹脂は成形加工時の流動性が高いため好ましい。メタクリル酸メチルにアクリル酸アルキルエステル類を共重合させる場合のアクリル酸アルキルエステル類の使用量は、耐熱分解性の観点から0.1重量%以上であることが好ましく、耐熱性の観点から15重量%以下であることが好ましい。0.2重量%以上14重量%以下であることがさらに好ましく、1重量%以上12重量%以下であることがとりわけ好ましい。
アクリル酸アルキルエステル類の中でも、特にアクリル酸メチル及びアクリル酸エチルは、少量メタクリル酸メチルと共重合させるだけで前述の成形加工時の流動性の改良効果が著し得られるため最も好ましい。
アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、5万〜20万であることが望ましい。アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は成形品の強度の観点から5万以上が望ましく、成形加工性、流動性の観点から20万以下が望ましい。さらに望ましい範囲は7万〜15万である。
また、本発明においてはアイソタクチックポリメタクリル酸エステルとシンジオタクチックポリメタクリル酸エステルを同時に用いることもできる。
アクリル系樹脂(A)を製造する方法として、例えばキャスト重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、アニオン重合等の一般に行われている重合方法を用いることができるが、光学用途としては微小な異物の混入はできるだけ避けるのが好ましく、この観点からは懸濁剤や乳化剤を用いない塊状重合や溶液重合が望ましい。
溶液重合を行う場合には、単量体の混合物をトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調整した溶液を用いることができる。塊状重合により重合させる場合には、通常行われるように加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
重合反応に用いられる開始剤としては、ラジカル重合において一般に用いられる任意の開始剤を使用することができ、例えば、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物を用いることができる。
特に、90℃以上の高温下で重合を行わせる場合には、溶液重合が一般的であるので、10時間半減期温度が80℃以上で、かつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤などが好ましい。具体的には1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5−ジメ チル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。 これらの開始剤は、例えば、0.005〜5wt%の範囲で用いることができる。
重合反応に必要に応じて用いられる分子量調節剤としては、ラジカル重合において一般に用いられる任意のものを使用でき、例えば、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のメルカプタン化合物が特に好ましいものとして挙げられる。
これらの分子量調節剤は、アクリル系樹脂(A)の重合度が好ましい範囲内に制御されるような濃度範囲で添加される。
具体的な製造方法としては、特公昭63−1964号公報等に記載されている方法等を用いることができる。
また、アクリル系樹脂(A)として、分子量、組成等が異なる2種以上のものを同時に用いることができる。
アクリル系樹脂(A)の23℃における未延伸時の光弾性係数は、−60×10-12
Pa-1以上であることが好ましく、−30×10-12Pa-1以上であることがさら
に好ましく、−6×10-12Pa-1以上であることがとりわけ好ましい。アクリル系
樹脂(A)の光弾性係数がこの範囲にあると、本発明の光学樹脂用組成物からなる成形体の光弾性係数を小さくすることができ、かつ、所望の厚み方向レタデーション(Rth)を付与することが可能となるため好ましい。
本発明における「光弾性係数」とは、外力による複屈折の変化の生じやすさを表す係数で、これに関しては種種の文献に記載があり(例えば化学総説、No.39、1998(学会出版センター発行))、下式により定義される。
R[Pa-1]=Δn/σR Δn=nx−ny
(式中、CR:光弾性係数、σR:伸張応力[Pa]、Δn:応力付加時の複屈折、nx
:伸張方向と平行な方向の屈折率、ny:伸張方向と垂直な方向の屈折率)
光弾性係数の値がゼロに近いほど外力による複屈折の変化が小さいことを示しており、各用途において設計された複屈折が外力によって変化が小さいことを意味し、光学特性に優れることになる。
本発明において、スチレン系樹脂(B)とは、少なくともスチレン系単量体を単量体成分として含む重合体をいう。ここで、スチレン系単量体とは、その構造中にスチレン骨格を有する単量体であり、例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン;α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなどのビニル芳香族化合物単量体が挙げられ
、代表的なものはスチレンである。
また、スチレン系樹脂(B)には、スチレン系単量体成分に他の単量体成分を共重合したものも含まれる。共重合可能な単量体としては、例えば、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸、イタコン酸、エチルマレイン酸、メチルイタコン酸、クロルマレイン酸などの無水物である不飽和ジカルボン酸無水物単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエンが挙げられ、これらの2種以上を共重合することも可能である。
このような他の単量体成分の含量は、スチレン系樹脂(B)に対して、50重量%以下であることがこのましく、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。
スチレン系樹脂(B)としては、特に、スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)、スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)が、耐熱性、透明性等の光学材料に求められる特性を有しているため好ましい。
スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)の場合、共重合体中のアクリロニトリル含量は1〜40質量%であることが好ましい。さらに好ましい範囲は1〜30質量%であり、とりわけ好ましい範囲は1〜25質量%である。共重合体中のアクリロニトリルの含量が1〜40質量%の場合、透明性に優れるため好ましい。
スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)の場合、共重合体中のメタクリル酸含量が0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましい範囲は0.1〜40質量%であり、さらに好ましい範囲は0.1〜30質量%である。共重合体中のメタクリル酸含量が0.1質量%以上であると耐熱性に優れ、50質量%以下の範囲であれば透明性に優れるので好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)の場合、共重合体中の無水マレイン酸含量が0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましい範囲は0.1〜40質量%であり、さらに好ましい範囲は0.1質量%〜30質量%である。共重合体中の無水マレイン酸含量が0.1質量%以上であると耐熱性に優れ、50質量%以下の範囲であれば透明性に優れるので好ましい。
スチレン系樹脂(B)として、組成、分子量など異なる複数種類のスチレン系樹脂を併用することもできる。
スチレン系樹脂(B)は、公知のアニオン、塊状、懸濁、乳化または溶液重合方法により得ることができる。また、スチレン系樹脂(B)は、共役ジエンやスチレン系単量体のベンゼン環の不飽和二重結合が水素添加されていてもよい。水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
スチレン系樹脂(B)の23℃における未延伸時の光弾性係数は、60×10-12
-1以下であることが好ましく、30×10-12Pa-1以下であることがさらに好
ましく、6×10-12Pa-1以下であることがとりわけ好ましい。スチレン系樹脂(
B)の光弾性係数がこの範囲にあると、本発明の光学材料用樹脂用組成物からなる成形体の光弾性係数を小さくすることができ、かつ、本発明の光学材料用樹脂用組成物からなる成形体に所望の厚み方向レタデーション(Rth)を付与することが可能となるため好ましい。
本発明においてアクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含む光学材料用樹脂組成物における、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の質量比((A)/(B))は、透湿度及び光学特性の点から、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の質量比((A)/(B))が、20/80〜60/40であり、質量比((A)/(B))が、30/70〜50/50であることが更に好ましい。
本発明において用いる光学材料用樹脂組成物においては、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の質量比((A)/(B))を大きくすると、これから得られる成形体の吸水率が大きくなる傾向を示し、逆に、質量比((A)/(B))を小さくすると、これから得られる成形体の吸水率が小さくなる傾向を示す。
またアクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の質量比((A)/(B))を大きくすると、これから得られる成形体の吸水率は大きくなり、水蒸気透過度が小さくなる傾向を示し、逆に、質量比((A)/(B))を小さくすると、これから得られる成形体の吸水率は小さくなり、水蒸気透過度が大きくなる傾向を示す。
したがって、樹脂組成物の質量比((A)/(B))を調整することにより、所望の吸水率、所望の水蒸気透過度を有する成形体を容易に製造することができる。
また、本発明においては、光学材料用樹脂組成物に、本発明の目的を損なわない範囲でアクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)以外の重合体を混合することができる。混合することができる重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂、およびフェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられ、これらの1種以上を添加することができる。
光弾性係数の点から、これらの重合体の添加量は、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含む光学材料用樹脂組成物に対して、20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下であることが好ましい。
さらに、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含む光学材料用樹脂組成物に、各種目的に応じて任意の添加剤を配合することができる。配合することができる添加剤としては、樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。
このような添加剤としては、例えば、二酸化珪素等の無機充填剤;酸化鉄等の顔料、ステアリン酸,ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤;離型剤;パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン,ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アクリレート基を有するフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤;着色剤;ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、ラクトン系化合物、その他添加剤或いはこれらの混合物等が挙げられる。これら添加剤の添加量は、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含む光学材料用樹脂組成物100質量部に対して0.01質量部以上50質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量部以上2質量部以下であることが好ましい。
これらの添加剤の量を調整することにより、得られる成形体の吸水率、水蒸気透過度の値を調整することができる。
これらの添加剤のうち、特に、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、ラクトン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンズオキサジノン系化合物は、これを添加した樹脂組成物の光弾性係数の絶対値を小さくする効果があり好ましい。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物が特に好ましい。
これらは単独で用いても、2種以上併用して用いても構わない。
以下に、本発明で好ましく用いられる添加剤であるベンゾトリアゾール系化合物の具体例として、一般式[2]と[3]で示される化合物を、ベンゾトリアジン系化合物の具体例として一般式[4]で示される化合物を示す。
一般式[2]
Figure 0005484678
T

一般式[3]
Figure 0005484678
T
一般式[4]
Figure 0005484678
T
一般式[2]中、X1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルコキシ基を表し、R1〜R4は各々水素原子もしくは炭素数1〜20の置換、無置換のアルキル基を表す。一般式[3]中、X2,X3は各々水素原子、ハロゲン原子、R5,R6は各々水素原子、炭素数1〜20の置換、無置換のアルキル基、R7は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。一般式[4]中、R8は炭素数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基を表し、R9,R10は各々水素原子、炭素数1〜20の置換、無置換のアルキル基を表す。
また、本発明においては、フェノール系酸化防止剤を用いることが好ましい。フェノール系酸化防止剤の中でも、特に、分子内にアクリレート基を有するものが好ましい。フェノール系酸化防止剤、とりわけ分子内にアクリレート基を有するフェノール系酸化防止剤は、樹脂組成物中の高分子量の樹脂が成形加工時の加熱によりゲル化して成形体中に異物を発生させることを防止し、しかも、樹脂組成物中に多く添加しても、その光弾性係数を大きく変化させることがない。
分子中にアクリレート基を有するフェノール系酸化防止剤としては、例えば下記の一般式で表される化合物が好ましい。
一般式[5]
Figure 0005484678
T
一般式[5]中、R11は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R12およびR13は、それぞれ独立して炭素数1〜8にアルキル基を表す。
一般式[5]におけるR11の炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖でも、分岐構造または環構造を有しているものでもよい。また、R12及びR13は、好ましくは、4級炭素を含む「*−(CH3)2−R'」で表される構造(*は芳香環への連結部位を表し、R'は炭素数1〜5のアルキル基を表す)である。
R12は、より好ましくはt−ブチル基、t−アミル基またはt−オクチル基である。R13は、より好ましくはt−ブチル基、t−アミル基である。
上記一般式[5]で表される化合物として、市販のものではSumilizer GM(一般式[6])、Sumilizer GS(一般式[7])(共に商品名、住友化学(株)製等が挙げられる。
一般式[6]
Figure 0005484678
T
一般式[7]
Figure 0005484678
T
添加剤の20℃における蒸気圧(P)が1.0×10-4Pa以下である場合に成形加
工性に優れ好ましい。さらに好ましい範囲は蒸気圧(P)が1.0×10-6Pa以下で
あり、とりわけ好ましい範囲は蒸気圧(P)が1.0×10-8Pa以下である。ここで
、成形加工性に優れるとは、例えばフィルム成形時に、添加剤のロールへの付着が少ないことなどを示す。添加剤がロールへ付着すると、例えば成形体表面へ付着し外観、光学特性を悪化させるため、光学用材料として好ましくないものとなる。
紫外線吸収剤の融点(Tm)が80℃以上であると成形加工性に優れ好ましい。さらに好ましい範囲は融点(Tm)が130℃以上であり、とりわけ好ましい範囲は融点(Tm)が160℃以上である。
紫外線吸収剤が、23℃から260℃まで20℃/分の速度で昇温した場合の重量減少率が50%以下である場合に成形加工性に優れ好ましい。さらに好ましい範囲は重量減少率が15%以下であり、とりわけ好ましい範囲は重量減少率が2%以下である。
本発明において用いる光学材料用樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。例えば単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて、樹脂成分、必要に応じて耐加水分解抑制剤や上記その他の成分を添加して溶融混練して製造することができる。
次に、本発明の光学素子用成形体について説明する。
本発明の光学素子用成形体をフイルムとして用いる場合には、その吸水率は0.01%以上0.5%以下であることが好ましい。高温多湿の条件下において光学素子を外部の湿度から保護するために保護フイルムの透湿度は低いことが好ましいので、その吸水率は0.5%以下であることが好ましい。一方、光学素子の内部から生じる水分を外部に放出するためには、保護フイルムであっても多少の透湿度を有していることが好ましく、その吸水率は0.01%以上であることが好ましい。
ここで、成形体の吸水率とは、成形体の試験片を23℃、50%RHの浸潤空気に吸水が平衡に達するまで曝したときに試験片が吸収する水分量の試験片の乾燥質量に対する割合であり、下記の式で示される。
吸水率(%)=(M1/M2)×100
(M1:試験片の吸水量、M2:試験片の乾燥質量)
吸水率は、具体的には、以下の方法によって測定できる。
試験片を乾燥、例えば50℃に保った恒温槽中で24時間静置、した後、23℃、50%RHの浸潤空気雰囲気下に吸水が平衡に達するまで長時間、例えば24時間以上、静置し、吸水した試験片の質量を測定する。次いで、吸水した試験片を、乾燥窒素等の気流下で高温、例えば180℃、に昇温し、試験片から放出される水分量をカールフィッシャー法により定量する。この測定方法による場合、吸水率は下記の式により求められる。
吸水率(%)=(W2/(W1−W2))×100
(W1:湿潤空気に曝露後の試験片の質量、W2:放出された水分質量)
成形体の吸水率は、光学材料用樹脂組成物のアクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の種類や、両者の質量比((A)/(B))を調整することにより制御できる。
本発明の光学素子用成形体をフィルムとして用いる場合には、その水蒸気透過度は、15g/m2・24h(g/m2・day)以上100g/m2・24hであることが好ま
しい。さらに好ましくは20g/m2・24h以上80g/m2・24hであることが好
ましく、とりわけ好ましくは20g/m2・24h以上60g/m2・24hである。
ここで、成形体の水蒸気透過度とは、JIS K 7129 B(1992)法(赤外センサー法)に従って求めた40℃及び相対湿度90%RHにおいて単位時間に単位面積の試験片を通過する水蒸気量である。
本発明の光学素子用成形体の製造方法に限定はなく、射出成形、シート成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、押し出し成形、発泡成形等、公知の方法で成形することが可能であり、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法を用いることもできる。
本発明の光学素子用成形体がフィルムまたはシートの場合は、例えば、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸フィルムを押し出し成形することができる。押し出し成形により成形体を得る場合は、事前にアクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)を溶融混錬したしておいてもよいが、押し出し成形時に溶融混錬を経て成形することもできる。またアクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)に共通の良溶媒、例えば、クロロホルム等の溶媒を用いキャスト成形し未延伸フィルム、シートを得ることも可能である。
さらに必要に応じて、未延伸フィルム、シートを機械的流れ方向(MD)に縦一軸延伸、機械的流れ方向に直行する方向(TD)に横一軸延伸することができる。例えば、工業的には、ロール延伸またはテンター延伸による一軸延伸法、ロール延伸とテンター延伸の組み合わせによる逐次2軸延伸法、テンター延伸による同時2軸延伸法、チューブラー延伸による2軸延伸法等によって延伸フィルムを製造することができる。
延伸倍率は、少なくともどちらか一方向に0.1%以上300%以下であることが好ましく、1%以上200%以下であることがさらに好ましく、2%以上100%以下であることがとりわけ好ましい。この範囲に設計することにより、複屈折、強度の観点で好ましい延伸成形体が得られる。
ここで、延伸倍率は、得られた延伸フィルムまたはシートをガラス転移温度よりも20℃以上高い温度で収縮させ、以下の式により求めることができる。また、ガラス転移温度はDSC法や粘弾性法により求めることもできる。
延伸倍率(%)=[(収縮前の長さ/収縮後の長さ)−1]×100
本発明において、フィルムとは厚さが300μm以下のものをいい、シートとは厚さが300μmを超えるものである。また、本発明において、フィルムの厚さは、望ましくは1μm以上、より望ましくは5μm以上であり、シートの厚さは、望ましくは10mm以下、より望ましくは5mm以下の厚さである。
本発明の光学素用成形体には、例えば反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理等の表面機能化処理をすることもできる。
本発明の光学素子用成形体は、高い機械強度を有するので、各種光学素子用の保護フィルムとして用いることもできる。特に、本発明の光学素子用成形体は、光学的に異方性を持たせることが可能であるため、偏光板保護フイルムとして好適に用いることができる。以下に、本発明の光学素子用成形体を偏光板保護フィルムとして用いる場合について説明する。
本発明の偏光板保護フィルムを偏光フィルムに積層することにより偏光板を製造することができる。本発明においては、偏光フィルムの一方の面にReが10nm以上の保護フィルムを積層し、他方の面にReが10nm以下の保護フィルムを積層することが好ましい。
通常、保護フィルムは、偏光フィルムの保護を目的としているので、トリアセチルセルロース系フィルムのような光学的に等方性を持つフィルムが用いられている。
これに対し、本発明の好ましい態様では、一方の面に本発明の光学的に異方性を持つ保護フィルムを積層し、他方の面に光学的に等方性を持つ保護フィルムを積層する。これにより、一方の面の保護フィルムが位相差フィルムを兼ねるので、通常は偏光板の保護フィルムの上に貼り付けられるポリカーボネート樹脂やシクロオレフィン系の樹脂などからなる位相差フィルムを省き、偏光板の薄肉化を図ることができる。
また、保護フィルムの上に別の位相差フィルムを接着する工程がないので生産性に優れる。
このような観点から、偏光フィルムの一方の面に積層する保護フィルムの面内レタデーションReは10nm以上であることが好ましく、より好ましくは20〜1000nm、さらに好ましくは30〜900nmである。
この場合、一方の面に積層するReが10nm以上の保護フィルムは、1/4波長板、1/2波長板、その他位相差フィルムとしての機能を併せもつことになる。
また、偏光フィルムの他方の面に積層する光学的に等方性を持つ保護フィルムのReは小さい方が好ましく、好ましくはReは10nm以下、より好ましくは8nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。
ここで、面内レタデーション(Re)は下式により定義される。
Re=(nx−ny)×d
式中、nx:成形体面内において屈折率が最大となる方向をxとした場合のx方向の主屈折率、ny:成形体面内においてx方向に垂直な方向をyとした場合のy方向の主屈折率d:成形体の厚み(nm)である。
本発明においては、他方の面に積層する光学的に等方性を持つ保護フィルムとしてアクリル系樹脂(d)を含むフィルムを用いることが好ましい。
アクリル系樹脂(d)の具体例としては、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエステルより選ばれる1種以上の単量体を重合したものが挙げられる。
これらの中でも、メタクリル酸メチルの単独重合体またはメタクリル酸メチルと他の単量体との共重合体が特に好ましい。
メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、他のメタリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和酸類等が挙げられる。これらは一種または二種以上組み合わせて使用することもできる。
これらメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体の中でも、特に、アクリル酸アルキルエステル類は、耐熱分解性に優れ、これを共重合させて得られるメタクリル系樹脂の成形加工時の流動性が高いため好ましい。
メタクリル酸メチルにアクリル酸アルキルエステル類を共重合させる場合のアクリル酸アルキルエステル類の使用量は、耐熱分解性の観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、耐熱性の観点から15質量%以下であることが好ましい。0.2〜14質量%であることがさらに好ましく、1〜12質量%であることがとりわけ好ましい。
アクリル酸アルキルエステル類としては、アクリル酸メチル及びアクリル酸エチルが、少量メタクリル酸メチルと共重合させるだけでも前述の成形加工時の流動性の改良効果が著しく得られるため好ましい。
アクリル系樹脂(d)の質量平均分子量は、5万〜20万であることが好ましい。質量平均分子量は成形品の強度の観点から5万以上であることが好ましく、成形加工性、流動性の観点から20万以下であることが好ましい。さらに好ましい範囲は7万〜15万である。また、本発明においてはアイソタクチックポリメタクリル酸エステルとシンジオタクチックポリメタクリル酸エステルを同時に用いることもできる。
アクリル系樹脂(d)を製造する方法として、例えばキャスト重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、アニオン重合等の一般に行われている重合方法を用いることができるが、光学用途としては微小な異物の混入はできるだけ避けることが好ましく、この観点からは懸濁剤や乳化剤を用いない塊状重合や溶液重合が好ましい。具体的には、特公昭63−1964号公報等に記載されている方法等を用いることができる。
溶液重合を行う場合には、単量体の混合物をトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調整した溶液を用いることができる。塊状重合により重合させる場合には、通常行われるように加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
重合反応に用いられる開始剤としては、ラジカル重合において用いられる任意の開始剤を使用することができ、例えばアゾビスイソブチルニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物を用いることができる。
特に、90℃以上の高温下で重合を行わせる場合には、溶液重合が一般的であるので、10時間半減期温度が80℃以上でかつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤などが好ましい。具体的には1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。これらの開始剤は、例えば、0.005〜5質量%の範囲で用いることができる。
重合反応に必要に応じて用いられる分子量調節剤としては、ラジカル重合において用いられる任意のものが使用でき、例えばブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のメルカプタン化合物が特に好ましいものとして挙げられる。これらの分子量調節剤は、アクリル系樹脂(d)の重合度が好ましい範囲内に制御されるような濃度範囲で添加される。
本発明で用いるアクリル系樹脂(d)としては、メタクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステル単位と芳香族ビニル化合物単位と下記一般式[1]で表される化合物単位を有する共重合体が好ましい。
一般式[1]
Figure 0005484678
T
(XはOまたは、N−Rを示す。Oは酸素原子、Nは窒素原子、Rは水素原子、アルキル基、アリール基またはシクロアルカン基である)
一般式[1]で表される化合物と共重合させるメタクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチルが好ましい。芳香族ビニル化合物としては、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレ
ン等が挙げられ、好ましくはスチレンである。
上記一般式[1]で表される化合物としては、X=Oであるもの、すなわち無水マレイン酸が好ましい。さらに、耐熱性、光弾性係数の点から、共重合体中のメタクリル酸メチル単位が40〜90質量%、スチレン単位が5〜40質量%、マレイン酸単位が5〜20質量%であり、かつマレイン酸単位の共重合割合に対するスチレン単位の共重合割合が1〜3倍であることが好ましい。さらに好ましくは、共重合体中のメタクリル酸メチル単位が40〜90質量%、無水マレイン酸単位が5〜19質量%、スチレン単位が10〜40質量%であり、とりわけ好ましくは、共重合体中のメタクリル酸メチル単位が45〜88質量%、無水マレイン酸単位が6〜15質量%、スチレン単位が16〜40質量%である。
また、アクリル樹脂(d)の別の好適な例として、メタクリル酸エステルおよび/またアクリル酸エステル単位、芳香族ビニル化合物単位及び6員環構造の酸無水物単位を含む共重合体が挙げられる。この6員環構造の酸無水物単位を含む共重合体は、耐熱性に優れると共に、これから得られる成形体のレタデーション設計が容易であることから、光学材料に適している。
この6員環構造の酸無水物単位を含む共重合体の第一の単量体成分であるメタクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステルとしてはメタクリル酸メチルが好ましく、第二の単量体成分である芳香族ビニル化合物としては、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン等が挙げられ、好ましくはスチレンで
ある。
また、6員環構造の酸無水物単位を含む共重合体の第三の単位である6員環構造の酸無水物単位は、不飽和カルボン酸単量体及び、必要に応じて不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体と、その他の単量体成分と重合させ、共重合体とした後、かかる共重合体を適当な触媒の存在下あるいは非存在下で加熱し、脱アルコールおよび/または脱水による分子内環化反応を行わせることにより生成することができる。この場合、典型的には共重合体を加熱することにより2単位の不飽和カルボン酸単位のカルボキシル基が脱水されて、あるいは隣接する不飽和カルボン酸単位と不飽和カルボン酸アルキルエステル単位からアルコールの脱離により1単位の6員環構造の酸無水物単位が生成される。
6員環構造の酸無水物単位を生成するための不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等が挙げられる。
6員環構造の酸無水物単位を含む共重合体は、特公平02−26641号公報、特開2006−266543号公報、特開2006−274069号公報、特開2006−274071号公報、特開2006−283013公報、特開2005−162835公報に記載の方法を参照して、組成比を決定し、製造、評価することができる。
本発明で用いるアクリル系樹脂(d)のメルトインデックス(ASTM D1238;I条件)は、これを成形して得られる保護フイルムの強度の観点から10g/10分以下であることが好ましい。より好ましくは6g/10分以下、さらに好ましくは3g/10分以下である。
本発明における偏光フイルムの他方の面に積層するReが10nm以下の保護フィルムには、アクリル系樹脂(d)の他に、脂肪族ポリエステル系樹脂(e)を含むことができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂(e)としては、例えば、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体の具体例としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸およびポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体の具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートおよびポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエステル系樹脂(e)は、単独ないし2種以上を用いることができる。
これらの脂肪族ポリエステル系樹脂(e)の中でも、ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体が好ましく、特にポリ乳酸系樹脂が好ましく使用される。これらの(e)成分は1種以上を用いることができる。
ポリ乳酸系樹脂としては、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とする重合体が挙げられる。
ポリ乳酸系樹脂において、L−乳酸単位と、D−乳酸単位の構成モル比は、L−体とD−体あわせて100%に対し、L体ないしD体いずれかが85%以上が好ましく、より好ましくは一方が90%以上であり、さらに好ましくは一方が94%以上の重合体である。本発明においてはL−乳酸を主体とするポリL乳酸とD−乳酸を主体とするポリD乳酸を同時に用いることもできる。
ポリ乳酸系樹脂は、L体ないしD体以外の乳酸誘導体モノマーまたは、ラクチドと共重合可能な他成分を共重合していてもよく、このような成分としてはジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。ポリ乳酸系樹脂は、直接脱水縮合、ラクチドの開環重合等公知の重合法で重合することができる。また必要に応じてポリイソシアネート等の結合剤を用いて、高分子量化することもできる。
ポリ乳酸系樹脂の好ましい質量平均分子量範囲は、機械的性質の観点から質量平均分子量が30,000以上であることが好ましく、加工性の観点から1000,000以下であることがより好ましい。さらに好ましくは50,000〜500,000、最も好ましくは100,000〜280,000である。
また、ポリ乳酸系樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、乳酸以外の他の共重合成分0.1〜30質量%を含んでいてもよい。かかる他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類;グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類;グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン
、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などを使用することができる。これらの共重合成分は、単独ないし2種以上を用いることができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂(e)の製造方法としては、既知の重合方法を用いることができ、特にポリ乳酸系樹脂については、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などを採用することができる。
本発明において、Reが10nm以下の保護フイルムがアクリル系樹脂(d)と脂肪族ポリエステル系樹脂(e)を含む場合、アクリル系樹脂(d)の割合(質量部)は、アクリル系樹脂(d)と脂肪族ポリエステル系樹脂(e)の合計量100質量部に対して、光弾性係数、強度、耐熱性、ヘイズ値の点から0.1〜99.9質量部であることが好ましく、50〜99.9質量部であることがさらに好ましく、60〜95質量部であることがとりわけ好ましい。50質量部以上であると、湿熱雰囲気下でのヘイズ値が小さくなり好ましい。ヘイズ値が小さい、または変化が小さいと、ディスプレイ用途等に好適に用いることが可能となる。
脂肪族ポリエステル系樹脂(e)の割合(質量部)は、アクリル系樹脂(d)と脂肪族ポリエステル系樹脂(b)の合計量100質量部に対して、光弾性係数、強度、耐熱性、ヘイズ値の点から0.1〜99.9質量部であることが好ましく、0.1〜50質量部であることがさらに好ましく、5〜40質量部であることがとりわけ好ましい。50質量部以下であると、湿熱雰囲気下でのヘイズ値が小さくなり好ましい。ヘイズ値が小さい、または変化が小さいと、ディスプレイ用途に好適に用いることが可能となる。
本発明において、Reが10nm以下の保護フィルムの厚さは、ハンドリング性の観点から0.1μm以上であることが好ましく、薄肉化の観点から300μm以下が好ましい。そして、同様の理由から0.2〜250μmの範囲がさらに好ましく、0.3〜200μmの範囲がとりわけ好ましい。
偏光フィルムと保護フィルムとの貼合には、光学的に等方性を有する接着剤を用いるのが好ましく、かかる接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などが挙げられる。偏光フィルムと保護フィルムとの接着性が悪い場合は、保護フィルムに適宜、コロナ処理、プライマ処理、コーティング処理などの易接着処理を施してから、偏光フィルムと貼合することが好ましい。
偏光フイルムの一方の面に本発明の光学材料用樹脂組成物からなる偏光板保護フィルムを用い、他方の面にアクリル系樹脂(d)を含むReが10nm以下の保護フィルムを用いると、樹脂間の特性差による反りやカールといった不具合や、吸湿性の差に起因する応力による異常を生じることが少なくなる。
本発明において、偏光フィルムは、特に限定されるものではないが、例えば、一軸延伸された樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させた偏光フィルムが好ましい。
このような偏光フィルムは公知の方法を用いて製造することができ、例えば特開2002−174729号公報等に記載されている方法により製造することができる。具体的には以下の通りである。
偏光フィルムを構成する樹脂としては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。ここで、ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニル及びこれと共重合可能な他の単量体の共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルに共重合される他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類などが挙げられる。また、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、85〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは98〜100モル%である。このポリビニルアルコール系樹脂はさらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用し得る。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、1000〜10000であることが好ましく、より好ましくは1500〜10000である。
偏光フィルムは、例えば、樹脂からフィルムを作製して一軸延伸する工程、延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してヨウ素や二色性染料を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造できる。
一軸延伸は、二色性色素による染色の前に行ってもよいし、二色性色素による染色と同時に行ってもよいし、二色性色素による染色の後に行ってもよい。一軸延伸を二色性色素による染色後に行う場合、一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。また、複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。
一軸延伸するには、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤で膨潤した状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。
樹脂フィルムを二色性色素で染色するには、例えば、樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬すればよい。ここで、二色性色素としては、例えば、ヨウ素や二色性染料が挙げられる。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用できる。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100質量部あたり0.01〜0.5質量部程度であることが好ましく、ヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり0.5〜10質量部程度であることが好ましい。この水溶液の温度は、20〜40℃程度であることが好ましく、また、この水溶液への浸漬時間は、30〜300秒程度であることが好ましい。
二色性色素として二色性染料を用いる場合は、二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用できる。この水溶液における二色性染料の含有量は、水100質量部あたり1×10-3〜1×10-2質量部程度であ
ることが好ましい。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を含有していてもよい。この水溶液の温度は、20〜80℃程度であることが好ましく、また、この水溶液への浸漬時間は、30〜300秒程度であることが好ましい。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色された樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬することにより行われる。ホウ酸水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100質量部あたり2〜15質量部程度であることが好ましく、さらに好ましくは5〜12質量部程度である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有するのが好ましい。ホウ酸水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり2〜20質量部程度であることが好ましく、さらに好ましくは5〜15質量部である。ホウ酸水溶液への浸漬時間は、100〜1200秒程度あることが好ましく、より好ましくは150〜600秒程度、さらに好ましくは200〜400秒程度である。またホウ酸水溶液の温度は、50℃以上であることが好ましく、より好ましくは50〜85℃である。
ホウ酸処理後の樹脂フィルムは、水洗処理されることが好ましい。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行われる。水洗後は適宜乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。水洗処理における水の温度は、5〜40℃程度であることが好ましく、浸漬時間は、2〜120秒程度であることが好ましく。その後に行われる乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行われることが好ましい。乾燥温度は、40〜100℃であることが好ましく。乾燥処理における処理時間は、120秒〜600秒程度であるあることが好ましい。
最終的なフィルム厚は、フィルムの取り扱い易さ、ディスプレイの薄肉化要求の観点から、5〜200μmが好ましく、10〜150μmが更に好ましく、15〜100μmがとりわけ好ましい。
次に実施例によって本発明を具体的に説明する。
本発明および実施例で用いた評価法を説明する。
(I)評価方法
(1)複屈折、光弾性係数の測定
Macromolecules 2004,37,1062−1066に詳細の記載のある複屈折測定装置を用いた。レーザー光の経路にフィルムの引っ張り装置を配置し、23℃で伸張応力をかけながら複屈折を測定した。伸張時の歪速度は20%/分(チャック間:30mm、チャック移動速度:6mm/分)、試験片幅は7mmで測定を行った。複屈折(Δn)をy軸、伸張応力(σR)をx軸としてプロットし、その関係から、最小二
乗近似により線形領域の直線の傾きをもとめ光弾性係数(CR)を計算した。
(2)面内レタデーション(Re)の測定
シックネスゲージを用いてフィルムの厚さd(nm)を測定した。この値を大塚電子(株)社製複屈折測定装置RETS−100に入力し、測定面が測定光と垂直になるように試料を配置し、23℃で回転検光子法により面内レタデーション(Re)を測定・算出した。
(3)吸水率測定方法
フィルムを23℃50%RH下に24h以上置いた後、三菱化学株式会社製CA−06型カールフィッシャー水分計を用い、180℃に昇温したときの揮発成分を適定し、吸水率を求めた。
(4)水蒸気透過度測定方法
MOCON社製PERMATRAN−W3/33を用い、JIS K 7129 B(1992)法(赤外センサー法)に従い、40℃/90%RHの条件で測定した。
(5)偏光板の反りの測定
偏光板を200mm×200mmの正方形に裁断し、水平で平坦な台の上にフィルムの中央が台に接するように置き、23℃、50%RHの雰囲気下で72時間静置し、裁断したフィルムの四隅が台から反り上がった高さを平均して算出した。
(6)偏光板の高温多湿時の耐久性の測定
60℃、90%RH条件で1000時間保持した前後の偏光度を下式に従って求め、この値を用いて偏光度保持率を算出して耐久性を評価した。
偏光度(%)={〔(H2−H1)/(H2+H1)〕×1/2}×100
ここで、H2は2枚の偏光板の配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で分
光光度計を用いて測定した値(平行透過率)であり、H1は2枚の偏光板の配向方向が互
いに直交方向になるように重ね合わせた状態で測定した値(直交透過率)である。偏光度の測定は、島津製作所UV−3150分光光度計を使用した。
偏光度保持率とは、60℃、90%RH条件、1000時間保持試験後の偏光度を試験前の偏光度で除した値に100を掛けた数値である。数値が大きいほど耐久性がよい。
(7)スチレン−アクリロニトリル共重合体中のアクリロニトリル含量の測定
試料となるスチレン−アクリロニトリル共重合体を熱プレス機を用いてフィルムに成形し、日本分光社製FT−410を用いて、フィルムの1603cm-1、2245cm-
1におけるアクリロニトリル基に由来する吸光度を測定した。アクリロニトリル含量が既
知のスチレン−アクリロニトリル共重合体を用いてあらかじめ求めておいたスチレン−アクリロニトリル共重合体中のアクリロニトリル含量と1603cm-1、2245cm-
1の吸光度比との関係を用いて、スチレン−アクリロニトリル共重合体中のアクリロニト
リル含量を定量した。
(8)スチレン−無水マレイン酸共重合体中の無水マレイン酸含有量の測定
試料となるスチレン−無水マレイン酸共重合体を重クロロホルムに溶解し、日本電子製1H−NMR(JNM ECA−500)を用い、周波数500MHz、室温にてNMR測定を行なった。測定結果より、スチレン単位中のベンゼン環のプロトンピーク(7ppm付近)と無水マレイン酸単位中のアルキル基のプロトンピーク(1〜3ppm付近)の面積比から、試料中のスチレン単位と無水マレイン酸単位のモル比を求めた。得られたモル比とそれぞれのモノマー単位の質量比(スチレン単位:無水マレイン酸単位=104:98)から、スチレン−無水マレイン酸共重合体中の無水マレイン酸の含量を求めた。
(9)スチレン−メタクリル酸共重合体中のメタクリル酸含有量の測定
試料となるスチレン−メタクリル酸共重合体を重クロロホルムに溶解し、日本電子製1H−NMR(JNM ECA−500)を用い、周波数500MHz、室温にてNMR測定を行なった。測定結果より、スチレン単位中のベンゼン環のプロトンピーク(7ppm付近)とメタクリル酸単位中のアルキル基のプロトンピーク(1〜3ppm付近)の面積比から、試料中のスチレン単位とメタクリル酸単位のモル比を求めた。得られたモル比とそれぞれのモノマー単位の質量比(スチレン単位:メタクリル酸単位=104:86)から、スチレン−メタクリル酸共重合体中のメタクリル酸の含量を求めた。
(10)メタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体中のそれぞれの含有量の測定
試料となるメタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体を重クロロホルムに溶解し、日本電子製1H−NMR(JNM ECA−500)を用い、周波数500MHz、室温にてNMR測定を行なった。測定結果より、スチレン単位中のベンゼン環のプロトンピーク(7ppm付近)と無水マレイン酸単位中のアルキル基のプロトンピーク(1〜3ppm付近)とメタクリル酸メチル単位中のメチル基のプロトンピーク(0.5〜1ppm付近)の面積比から、試料中のスチレン単位と無水マレイン酸単位とメタクリル酸メチル単位のモル比を求めた。得られたモル比とそれぞれのモノマー単位の質量比(スチレン単位:無水マレイン酸単位:メタクリル酸メチル=104:86:100)から、メタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体中のそれぞれの含量を求めた。
(II)原料の準備
(1)アクリル系樹脂(A)
i)メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体1
メタクリル酸メチル89.2重量部、アクリル酸メチル5.8重量部、及びキシレン5重量部からなる単量体混合物に、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,3−トリメチルシクロヘキサン0.0294重量部、及びn−オクチルメルカプタン0.115重量部を添加し、均一に混合した。この溶液を内容積10リットルの密閉耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度130℃、平均滞留時間2時間で重合した後、反応器に接続された貯層に連続的に送り出し、一定条件下で揮発分を除去し、さらに押出機に連続的に溶融状態で移送し、アクリル系樹脂(A)であるメタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体ペレットを得た。得られた共重合体のアクリル酸メチル含量は6.0%、重量平均分子量は14.5万、ASTM−D1238に準拠して測定した230℃3.8kg荷重のメルトフロー値は1.0g/分であった。また、その23℃における光弾性係数(未延伸)は、−5.2×10-12/Paであった。
ii)メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体2
メタクリル酸メチル93.2質量部、アクリル酸メチル2.3質量部、及びキシレン3.3質量部からなる単量体混合物に、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,3−トリメチルシクロヘキサン0.03質量部、及びn−オクチルメルカプタン0.12質量部を添加し、均一に混合する。この溶液を内容積10Lの密閉耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度130℃、平均滞留時間2時間で重合した後、反応器に接続された貯層に連続的に送り出し、一定条件下で揮発分を除去した。さらに押出機に連続的に溶融状態で移送し、メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体のペレットを得た。
得られたメタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体のアクリル酸メチル含量は2.0%、質量平均分子量は10.2万、ASTM−D1238に準拠して測定した230℃3.8kg荷重のメルトフロー値は2.0g/10分であった。その23℃における光弾性係数(未延伸)は、−4.5×10-12/Paであった。
(2)スチレン系樹脂(B)
i)スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)
攪拌機付き完全混合型反応機に、スチレン72質量%、アクリロニトリル13質量%、エチルベンゼン15質量%からなる単量体混合物を連続的にフイードし、150℃、滞留時間2時間で重合反応を行った。
得られた重合溶液を押出機に連続的に供給し、押出機で未反応単量体、溶媒を回収し、スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)のペレットを得た。
得られたスチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)は無色透明で、中和滴定による組成分析の結果、スチレン含量80質量%、アクリロニトリル含量20質量%であり、ASTM−D1238に準拠した220℃、10kg荷重のメルトフローレート値は13g/10分であった。また、その光弾性係数(未延伸)は、5.0×10-12Pa-1
であり、固有複屈折は負であった。
ii)スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)
装置の全てがステンレス鋼で製作されているものを用いて、連続溶液重合を行った。スチレン75.2質量%、メタクリル酸4.8質量%、エチルベンゼン20質量%を調合液とし、重合開始剤として1,1−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを用いる。この調合液を1L/hr.の速度で連続して、内容積2Lの攪拌機付きの完全混合重合器へ供給し、136℃で重合を行った。
固形分49%を含有する重合液を連続して取り出し、まず230℃に予熱後、230℃に保温し、20torrに減圧された脱揮器に供給し、平均滞留0.3時間経過後、脱揮器の低部のギヤポンプより連続して排出した。
得られたスチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)は無色透明で、中和滴定による組成分析の結果、スチレン含量92質量%、メタクリル酸含量8質量%であった。ASTM−D1238に準拠して測定した230℃、3.8kg荷重のメルトフローレート値は5.2g/10分であった。また、その光弾性係数(未延伸)は、4.8×10-12Pa
-1であり、固有複屈折は負であった。
iii)スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)
装置の全てがステンレス鋼で製作されているものを用いて、連続溶液重合を行った。スチレン91.7質量部、無水マレイン酸8.3質量部の比率で合計100質量部を準備した。(ただし、両者は混合しない。)メチルアルコール5質量部、重合開始剤として1,1−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.03質量部をスチレンに混合し、第1調合液とした。0.95kg/hr.の速度で連続して内容積4Lのジャケット付き完全混合重合機に供給した。
一方、70℃に加熱した無水マレイン酸を、第二調合液として0.10kg/hr.の速度で同一重合機へ供給し、111℃で重合を行う。重合転化率が54%となったところで、重合液を重合機から連続して取り出し、まず230℃に予熱後、230℃に保温し、20torrに減圧された脱揮器に供給し、平均滞留0.3時間経過後、脱揮器の低部のギヤポンプより連続して排出し、スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)を得た。 得られたスチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)は無色透明で、中和滴定による組成分析の結果、スチレン含量85質量%、無水マレイン酸単位15質量%であった。ASTM−D1238に準拠して測定した230℃、2.16kg荷重のメルトフローレート値は2.0g/10分であった。また、その光弾性係数(未延伸)は、4.1×10-
12Pa-1であり、固有複屈折は負であった。
(3)シクロオレフィン系フィルム(COP)の準備
比較のため、従来技術の偏光板保護フィルムの代表例として非晶性ポリオレフィン系樹脂であるシクロオレフィン系樹脂フィルムを以下のようにして製造した。
環状ポリオレフィンとしてエチレンとノルボルネンとの付加重合を行い、エチレン−ノルボルネンランダム共重合体(エチレン含量:65mol%、MFR:31g/10分、数平均分子量:68000)を製造した。ここで得た樹脂100質量部をシクロヘキサン80質量部、トルエン80質量部、キシレン80質量部の混合溶剤に溶解し、流延法により厚さ101μmのフィルムを作製した。
(4)トリアセチルセルロース(TAC)フイルムの準備
比較のため、トリアセチルセルロースフイルム(富士写真フィルム株式会社製)(100μm)を用いた。
(5)添加剤
(i)アデカスタブLA−31
一般式[3]で示されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である旭電化(株)社製アデカスタブLA−31(融点(Tm):195℃)を用いた。
(ii)スミライザ− GS
アクリレート基を有するフェノール系酸化防止剤である住友化学(株)社製スミライザ− GS(融点(Tm):≧115℃)を用いた。
参考例1〜7、比較例1、2]
表1に記載の配合比の樹脂組成物を用い、テクノベル製Tダイ装着押し出し機(KZW15TW−25MG−NH型/幅150mmTダイ装着/リップ厚0.5mm)を用いて、スクリュー回転数、押し出し機のシリンダー内樹脂温度、Tダイの温度を表1に示す条件に調整し押し出し成形をすることにより未延伸フィルムを得た。フィルムの流れ(押し出し方向)をMD方向、MD方向に垂直な方向をTD方向とした。
そして、未延伸フィルムを幅が50mmになるように切り出し、表1に示す条件で1軸延伸(チャック間:50mm、チャック移動速度:500mm/分)を引っ張り試験機を用いて行い、参考例1、4、7の一軸延伸フィルムを得た。
また、1軸延伸フイルムを幅が50mmになるように切り出し、表1に示す条件で1軸延伸(チャック間:50mm、チャック移動速度:500mm/分)を引っ張り試験機を用いて行い、参考例2、3、5、6の2軸延伸フィルムを得た。
各延伸フィルムの組成、押し出し成形条件、フィルムの厚み、レターデーション(Re)、光弾性係数の絶対値、吸水率を表1に示す。
また、比較のための、シクロオレフィン系樹脂フィルム(COP)(光弾性係数は正、固有複屈折は正)を比較例1、市販のTAC(トリアセチルセルロース)フィルム(LOFO High Tech Film社製 商品名TACPHAN、光弾性係数は正、固有複屈折は正)を比較例2として、その厚み、面内レタデーションRe、光弾性係数の絶対値、吸水率を表1に示す。
表1より、本発明の光学材料用樹脂組成物から製造したフイルムは、シクロオレフィン系樹脂よりも吸水率が高く、トリアセチルセルロース(TAC)フイルムより、吸水率が低いことが確認できた。
Figure 0005484678
[実施例8〜13]
表2に記載の配合比の樹脂組成物を用い、テクノベル製Tダイ装着押し出し機(KZW15TW−25MG−NH型/幅150mmTダイ装着/リップ厚0.5mm)を用いて、スクリュー回転数、押し出し機のシリンダー内樹脂温度、Tダイの温度を表2に示す条件に調整し押し出し成形をすることにより未延伸フィルムを得た。フィルムの流れ(押し出し方向)をMD方向、MD方向に垂直な方向をTD方向とした。
そして、未延伸フィルムを幅が50mmになるように切り出し、表2に示す条件で1軸延伸(チャック間:50mm、チャック移動速度:500mm/分)を引っ張り試験機を用いて行い、実施例8〜13の一軸延伸フィルムを得た。
各延伸フィルムの組成、押し出し成形条件、フィルムの厚み、レターデーション(Re)、光弾性係数の絶対値、吸水率、水蒸気透過度を表2に示す。
Figure 0005484678
表1、表2より、添加剤を添加した本発明の光学材料用樹脂組成物(実施例8〜13)から製造したフイルムは、添加しないもの(参考例1〜7)から製造したフイルムと比較して水蒸気透過度が小さいことを確認した。
参考例14〜16、実施例17〜19、比較例3、4]
(偏光フィルムの製造)
ポリ酢酸ビニルをケン化後(ケン化度98モル%)、成形し、得られたポリビニルアルコールフィルム(厚さ75μm)を水1000質量部、ヨウ素7質量部、ヨウ化カリウム105質量部からなる水溶液に5分間浸漬し、フィルムにヨウ素を吸着させた。次いでこのフィルムを40℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、5倍に縦方向一軸延伸をした後、緊張状態のまま乾燥して偏光フィルムを得た。
(アクリル系樹脂(d)保護フィルムの製造)
特公昭63−1964号公報に記載の方法で、メタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体を得た。
得られたメタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体の組成は、メタクリル酸メチル74質量%、無水マレイン酸10質量%、スチレン16質量%であり、共重合体メルトフローレート値(ASTM−D1238;230℃、3.8kg荷重)は1.6g/10分であった。
このメタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体を表1に示す条件で成形・延伸し、試作例1の保護フィルムを製造した。
(偏光板の製造)
接着剤としてポリビニルアルコール系樹脂の10%水溶液を用いて、偏光フィルムの一方の面に、参考例1、5、7、実施例8、10、13、参考例14、16のフイルム、比較例2のCOPフイルム、比較例1のトリアセチルセルロースフイルムを、他方の面に試作例1の保護フイルムを貼り合わせ、参考例14〜16、実施例17〜19、比較例3〜4の偏光板を得た。
参考例14〜16、実施例17〜19、比較例3、4の偏光板の反り、偏光度保持率を表3に示す。
表3より、保護フィルムとして本発明の光学材料用樹脂組成物から製造したフイルムを用いた偏光板は、反りが少なく、高温多湿時の耐久性にも優れることが確認できた。
Figure 0005484678
本発明の光学材料用樹脂組成物は、ディスプレイ前面板、ディスプレイ基盤、タッチパネル、太陽電池に用いられる透明基盤等や、その他、光通信システム、光交換システム、光計測システム等の分野における、導波路、レンズ、光ファイバー、光ファイバーの被覆材料、LEDのレンズ、レンズカバーなど様々な光学素子を製造するための光学材料に使用できる。
特に、本発明の光学材料用樹脂組成物は、適度な透湿度を有する成形体を製造できるので、各種光学素子の保護フイルムを製造するための光学材料として好適に用いることができる。
とりわけ、本発明の光学樹脂組成物の成形体は、レタデーションを付与することが容易であるので、保護フイルムとしての機能と、位相差フイルムとしての機能とを兼ねることができ、偏光板保護フイルムとして好適に用いることができる。



Claims (7)

  1. アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)とを含み、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の質量比((A)/(B))が20/80〜60/40である光学材料用樹脂組成物100質量部に対して0.01質量部以上2質量部以下の添加剤を含む組成物からなり、吸水率が0.01%以上0.5%以下、水蒸気透過度が15g/m2・day以上100g/m2・day以下であり、
    前記アクリル系樹脂(A)が、単量体成分として、メタクリル酸メチルと、アクリル酸メチル及び/又はアクリル酸エチルと、を含み、
    前記アクリル樹脂(A)の単量体成分中の、前記アクリル酸メチル及び/又はアクリル酸エチルの含有量が、0.1質量%以上15質量%以下であり、
    前記スチレン系樹脂(B)が、アクリロニトリル含量が1〜40質量%であるスチレン−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸含量が0.1〜50質量%であるスチレン−メタクリル酸共重合体、及び無水マレイン酸含量が0.1〜50質量%であるスチレン−無水マレイン酸共重合体からなる群より選ばれるいずれか1つ以上の共重合体である、光学素子用成形体。
  2. 前記添加剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、及び分子内にアクリレート基を有するフェノール系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤である請求項1に記載の光学素子用成形体。
  3. 水蒸気透過度が20g/m2・day以上60g/m2・day以下である請求項1又は2に記載の光学素子用成形体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子用成形体からなる偏光板保護フィルム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子用成形体からなる位相差フィルム。
  6. 偏光フィルムと、
    該偏光フィルムの一方の面に積層され、Reが10nm以上である請求項4に記載の偏光板保護フィルムと、
    を有する偏光板。
  7. さらに、前記偏光フィルムの他方の面に積層され、Reが10nm以下であるアクリル系樹脂(d)保護フィルムを有する請求項6に記載の偏光板。
JP2008013074A 2007-02-14 2008-01-23 光学素子用成形体 Active JP5484678B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008013074A JP5484678B2 (ja) 2007-02-14 2008-01-23 光学素子用成形体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007033700 2007-02-14
JP2007033700 2007-02-14
JP2008013074A JP5484678B2 (ja) 2007-02-14 2008-01-23 光学素子用成形体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008225452A JP2008225452A (ja) 2008-09-25
JP2008225452A5 JP2008225452A5 (ja) 2011-03-10
JP5484678B2 true JP5484678B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=39844085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008013074A Active JP5484678B2 (ja) 2007-02-14 2008-01-23 光学素子用成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5484678B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010181710A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Nippon Zeon Co Ltd 偏光板、及び液晶表示装置
CN105246691B (zh) * 2013-05-24 2018-07-06 赢创罗姆有限公司 具有高抗冲击性和抗热变形性的复合体系
JP6275961B2 (ja) * 2013-06-26 2018-02-07 富士フイルム株式会社 光学フィルム及び表示装置
JP6313674B2 (ja) * 2013-07-05 2018-04-18 富士フイルム株式会社 偏光板および液晶表示装置
WO2015128995A1 (ja) * 2014-02-27 2015-09-03 コニカミノルタ株式会社 偏光板保護フィルム、その製造方法、偏光板及び液晶表示装置
JP2016066047A (ja) * 2014-03-25 2016-04-28 住友化学株式会社 偏光板及び液晶パネル
CN113260672B (zh) 2018-12-26 2023-07-28 Dic株式会社 光学材料用树脂组合物、光学薄膜及显示装置

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63264657A (ja) * 1986-10-09 1988-11-01 Daicel Chem Ind Ltd 透明樹脂組成物
JP2667876B2 (ja) * 1988-06-14 1997-10-27 株式会社クラレ 光拡散性プラスチック
JP3602555B2 (ja) * 1993-06-07 2004-12-15 株式会社クラレ 液晶表示装置
JP4953494B2 (ja) * 1998-12-09 2012-06-13 株式会社日本触媒 透明性耐熱樹脂成形材料、その製造方法とその用途
JP2001081276A (ja) * 1999-07-14 2001-03-27 Mitsubishi Chem Mkv Co 樹脂組成物及び複合樹脂成形品
JP4769348B2 (ja) * 1999-11-26 2011-09-07 株式会社日本触媒 透明性耐熱樹脂の製造方法
JP2003012724A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Nippon Shokubai Co Ltd 重合体およびこれを用いてなる重合性樹脂組成物
JP2003064231A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Asahi Kasei Corp 耐候・耐衝撃性スチレン系樹脂組成物
JP2003131034A (ja) * 2001-10-30 2003-05-08 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 偏光板およびその製造方法
JP4550404B2 (ja) * 2003-12-04 2010-09-22 三菱レイヨン株式会社 再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルム
JP2005189519A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光拡散性樹脂板状物およびその製造方法
CN100388027C (zh) * 2004-03-25 2008-05-14 日东电工株式会社 偏光板的制造方法
JP2006171409A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 低吸水性光拡散板
JP4570042B2 (ja) * 2005-03-31 2010-10-27 日東電工株式会社 偏光子保護フィルム、偏光板、および画像表示装置
JPWO2006112223A1 (ja) * 2005-03-31 2008-12-04 株式会社日本触媒 偏光子保護フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2006282902A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd 再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルム
JP4774856B2 (ja) * 2005-08-09 2011-09-14 東ソー株式会社 位相差フィルム
JP4068120B2 (ja) * 2005-10-07 2008-03-26 旭化成ケミカルズ株式会社 光学補償フィルム
JP2007197703A (ja) * 2005-12-27 2007-08-09 Toray Ind Inc アクリル系フィルムおよび偏光板
JP2006293399A (ja) * 2006-07-12 2006-10-26 Nitto Denko Corp 広視野角偏光板
JP2006309266A (ja) * 2006-07-14 2006-11-09 Gunze Ltd 偏光板用保護膜及びそれを用いてなる偏光板
JP2008046495A (ja) * 2006-08-18 2008-02-28 Nippon Zeon Co Ltd 光学積層フィルム、偏光光源装置、及び液晶表示装置
JP5057807B2 (ja) * 2006-09-14 2012-10-24 旭化成イーマテリアルズ株式会社 アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂を含む位相差フィルム
JP4826490B2 (ja) * 2007-01-31 2011-11-30 日本ゼオン株式会社 光学複合素子
JP2008276208A (ja) * 2007-04-02 2008-11-13 Asahi Kasei Chemicals Corp 光学フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008225452A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5057807B2 (ja) アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂を含む位相差フィルム
JP4068120B2 (ja) 光学補償フィルム
JP4338759B2 (ja) 光学フィルム
JP5291361B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物
KR100974978B1 (ko) 광학 재료용 수지 조성물
JP5484678B2 (ja) 光学素子用成形体
TWI285211B (en) Resin composition for optical materials
JP5196519B2 (ja) 機械的性質及び熱的性質に優れる光学フィルム
JP2007128025A (ja) 光学特性、生産性、耐久性に優れる偏光板
JP2008225452A5 (ja)
JP2010070646A (ja) 光学材料用樹脂組成物
JP2008268913A (ja) 積層光学フィルム
KR102646442B1 (ko) 메틸 메타크릴레이트의 산-작용화된 공중합체 및 이를 기반으로 한 아크릴 수지 조성물
JP2007169586A (ja) 光学材料用樹脂組成物
US11815658B2 (en) Transparent films based on resin components having a high glass transition temperature
JP2008015408A (ja) フレキシブルディスプレイ用透明光学フィルム
JP2006259313A (ja) 光学材料用成形体
JP5074010B2 (ja) 優れた光学材料用樹脂組成物及び成形体
JP2008225462A (ja) 積層光学フィルム
JP2008268720A (ja) 位相差フィルム
JP2009128638A (ja) 光学用成形体
JP2008255149A (ja) 光学材料用樹脂組成物
JP2006199788A (ja) 延伸成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110124

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130819

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5484678

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350