JP2006309266A - 偏光板用保護膜及びそれを用いてなる偏光板 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性、紫外線遮断性、耐光性、耐熱性、無配向、表面硬度、偏光素子との接着性等の諸性能を備えた保護膜を提供する。
【解決手段】吸水率が0.1%以下、透湿度が150g/m2・24hr以下、耐折度が500回以上、光線透過率が90.0%以上で、実質的に無配向のフィルムからなる、偏光板用保護膜。
【選択図】なし
【解決手段】吸水率が0.1%以下、透湿度が150g/m2・24hr以下、耐折度が500回以上、光線透過率が90.0%以上で、実質的に無配向のフィルムからなる、偏光板用保護膜。
【選択図】なし
Description
本発明は偏光板用保護膜及びそれを用いてなる偏光板に関する。
ポリビニルアルコール−ヨウ素系からなる偏光素子の保護膜としてセルローストリアセテートフィルムが多用されてきた。しかし屋外用等耐湿性が特に要求される分野では、セルローストリアセテートフィルムでは吸水率や透湿度が大きいため不適当であり、それに代わるフィルムが要望されていた。
そこで、吸水率や透湿度に優れた環状ポリオレフィンフィルムが検討された(特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら環状ポリオレフィンフィルムは一般に脆く、偏光板の製造工程、特に機械装置のロール通過時や裁断時または打ち抜き時に、クレージングやひどい場合はひび割れ、ハゼ割れが発生し、偏光板を安定的に製造することができなかった。
特開平6−51117号公報
特開平7−77608号公報
本発明は前記欠点を解消し、且つ保護膜に要求される透明性、紫外線遮断性、耐光性、耐熱性、無配向、表面硬度、偏光素子との接着性等の諸性能を備えた保護膜を提供することを目的とする。
また本発明は、初期性能と耐湿性、耐光性、耐熱性等の耐久性に優れた偏光板を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するための手段として本発明は、吸水率が0.1wt%以下、透湿度が150g/m2 ・24hr以下、耐折度が500回以上、光線透過率が90.0%以上で、実質的に無配向のフィルムからなる保護膜及び該保護膜を用いてなる偏光板を提供するものである。
また、前記した特徴に加え、紫外線透過率が10%以下であるフィルムからなる保護膜及びその保護膜を用いてなる偏光板を提供するものである。
さらに、保護膜がエチレン含量50〜80モル%である、エチレンーノルボルネン付加共重合体及びエチレン−テトラシクロドデセン付加共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のフィルムからなる保護膜であることを特徴とし、その保護膜を用いてなる偏光板であることを特徴とする。
本発明は、偏光板用保護膜として有用なフィルムに関するものである。本発明に係わるフィルムの吸水率は0.1wt%以下、好ましくは0.05wt%以下、さらに好ましくは0.01wt%以下である。吸水率が大きくなると偏光板の耐結露性や耐湿性が低下する傾向がある。
透湿度は150g/m2 ・24hr以下、好ましくは30g/m2 ・24hr以下、さらに好ましくは5g/m2・24hr以下である。透湿度が大きいと、偏光板の耐湿性が低下する傾向がある。
耐折度は500回以上、好ましくは750回以上、さらに好ましくは1000回以上である。耐折度が小さくなると偏光板の製造工程、特に機械装置のロール通過時や裁断時または打ち抜き時に、クレージングやひどい場合はひび割れ、ハゼ割れが発生し、偏光板を安定的に製造することが難しくなる。
光線透過率は90.0%以上、好ましくは91.0%以上、さらに好ましくは91.5%以上である。光線透過率が小さいと偏光板の単体光線透過率が低下する傾向にある。
耐光性は例えばフェードメーターで500時間以上、好ましくは750時間以上、さらに好ましくは1000時間以上で機械的強度の劣化や着色等の変化が実質上大幅に起こらないものであればよい。
耐熱性は例えば軟らかくなる温度が70℃以上、好ましくは75℃以上、さらに好ましくは80℃以上であればよい。
保護膜は実質的に無配向であることが好ましい。「実質的に無配向」とは、延伸工程等積極的に分子配向させる工程を経ていないことを意味する。もしも配向していれば、偏光素子と貼り合わせるとき、偏光素子の配向方向と寸分の狂いもなく合わせなければならないからである。
保護膜の厚さは片面で、通常10〜150μm、好ましくは15〜100μm、さらに好ましくは20〜80μmである。保護膜を両面に有する場合には、合計で該膜厚の2倍の厚さの範囲が例示される。厚さが薄すぎる場合は取り扱いにくく、また透湿度の確保が難しくなる傾向にあり、厚すぎる場合はコストがかさみ、また耐折度が低下する傾向にある。
本発明に用いる偏光素子は特に限定するものではなく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等からなるフィルムに、ヨウ素又は二色性染料を吸着配向させて偏光性能を持たせたものが例示できる。とりわけ、ポリビニルアルコール−ヨウ素系またはポリビニルアルコール−二色性染料系からなる偏光素子が、初期性能の点からはより好ましい。
二色性染料としては、アゾ系、アントラキノン系、テトラジン系の二色性染料が例示できる。
本発明の保護膜と偏光素子とを接着するのに用いる接着剤は特に限定するものではなく、例えば、ポリビニルアルコール系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系の接着剤あるいはそれらに硬化剤を添加したものが例示できる。
このようにして、初期性能に優れ、耐久性においては、耐湿試験後及び耐熱試験後の偏光度保持率がいずれも95%以上、通常99%以上ある、初期性能、耐久性共に優れた偏光板が容易に得られる。
本発明の保護膜は、好ましくは紫外線透過率が10%以下である、耐光性に優れた偏光板用保護膜である。偏光素子への耐光性の付与、及び液晶の紫外線による劣化を防止するために、保護膜には紫外線吸収性能を持たせるのが望ましい。そのためには、保護膜に紫外線吸収剤を添加すればよい。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の公知のものでよいが、より効果を高めるために、その紫外線吸収波長に基づいて少なくとも2種類の混合物を使用するのがより望ましい。偏光素子への耐光性の付与、及び液晶の劣化を防止するためには、保護膜の紫外線透過率が10%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
このようにして、液晶の紫外線による劣化を防止すると共に、偏光板の耐光試験後の偏光度保持率が95%以上、通常99%以上となる。
本発明は、特定の偏光素子と保護膜とからなる偏光板にも関するものである。
偏光素子はポリビニルアルコール−ヨウ素系又はポリビニルアルコール−二色性染料系からなるものであり、保護膜は前記したものである。
偏光素子は、ポリビニルアルコールもしくはその誘導体からなるフィルムをヨウ素の水溶液に浸漬してヨウ素を吸着させた後、ホウ酸水中で1軸延伸配向することにより製造される。あるいは、ポリビニルアルコールもしくはその誘導体からなるフィルムを1軸延伸配向した後、ヨウ素を吸着させ、ホウ酸水処理することからも得られる。ヨウ素の代わりに二色性染料を用いた偏光素子も同様にして製造される。
保護膜と偏光素子とを接着するのに用いる接着剤は特に限定するものではなく、例えばポリビニルアルコール系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系等の接着剤あるいはそれらに硬化剤を添加したものが例示できる。とりわけ水溶液系、エマルジョン系のものが耐久性の点からはより好ましい。
このようにして初期性能が、単体透過率が42.0%以上、偏光度が99.9%以上あり、耐久性が、耐湿試験後、耐熱試験後、及び耐光試験後の偏光度保持率がいずれも95%以上、通常99%以上あり、初期性能、耐久性共に優れた偏光板が容易に得られる。なお偏光素子の製造条件を変えることにより、初期性能の偏光度を90%位の汎用のものから99.9%以上の高偏光度のものまで、使用分野に応じて、適宜製造しても構わないことはいうまでもない。
上記のような優れた性質を有する保護膜は、環状ポリオレフィンフィルムからなるのが好ましい。
環状ポリオレフィンとは総称であり、具体的には、(a)環状オレフィンの開環(共)重合体を、必要に応じてマレイン酸やシクロペンタジエン付加のごとき変性を行った後、水素添加した重合体、(b)環状オレフィンの付加重合体、(c)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等αーオレフィンとの付加共重合体である。
しかしながら(a)環状オレフィンの開環(共)重合体を、必要に応じてマレイン酸やシクロペンタジエン付加のごとき変性を行った後、水素添加した重合体は脆く、これを保護膜として使用した場合、偏光板の製造工程でクレージングやひどい場合はひび割れ、ハゼ割れが発生し、偏光板を安定的に製造することが難しいという問題がある。また、水素添加を完全に行うことができないので、ごくわずか残存する二重結合のために耐光性に欠けるという問題もある。
また(b)環状オレフィンの付加重合体も脆く、前記のような問題がある。 一方、(c)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等α−オレフィンとの付加共重合体は、α−オレフィンの量を加減することにより脆いものからそうでないものまで自由に分子設計ができるので、保護膜として問題の無いものを得ることができる。
また、α−オレフィンを共重合することにより、前記した(a)(b)の樹脂よりさらに透湿度が小さい保護膜が得られるという利点もある。
(c)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等α−オレフィンとの付加共重合体についてさらに詳述する。
前記共重合体の環状オレフィンモノマーとして、例えば下記一般式(I)
〔式中、R1〜R16、RaおよびRbは、各々独立に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。nは0または1であり、mは0または1を示す。qは0または1である。ただし、qが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。〕の環状オレフィンが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基が挙げられる。
より具体的には、炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などの直鎖または分枝を有するアルキル基が挙げられる。
炭素数3〜15、好ましくは5〜6のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、アリール基及びアラルキル基、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記炭化水素基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
さらに、一般式(I)において、R15〜R18は、それぞれが結合して(互いに共同して単環または多環を形成しても良い。また、該単環または多環は、二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環の具体例を以下に示す。
なお、上記例示において、1または2の番号が付された炭素原子は、上記一般式においてそれぞれR15(R16)またはR17(R18)が結合する炭素原子を示す。
また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していても良い。このようなアルキリデン基として、炭素数2〜20のアルキリデン基、例えばエチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基が挙げられる。
前記(c)の共重合体の環状オレフィン原料として、さらに下記一般式(II)の化合物を挙げることができる。
〔式中、R1〜R19は、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表す。pは0または1の整数を示す。qは0または1の整数を示す。mは0、1または2である。nは0、1または2である。〕
ハロゲン原子、炭化水素基は、一般式(I)の化合物と同じ意味である。
ハロゲン原子、炭化水素基は、一般式(I)の化合物と同じ意味である。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などの炭素数1〜6の直鎖または分枝を有するアルコキシ基が挙げられる。該アルコキシ基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されていてもよい。
ここで、R9及びR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合しても良い。すなわち、上記2個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R9及びR13で示される基が、またはR10及びR11で示される基が互いに共同して、メチレン基、エチレン基またはプロピレン基のいずれかのアルキレン基を形成する。
さらに、n=m=0のとき、R15及びR12で示される基が、またはR15及びR13とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成しても良い、この場合の単環または多環の芳香族環として、例えば下記のような基が挙げられる。
〔式中、qは前記に定義されたとおりである。〕
一般式(I)または(II)で示される環状オレフィンの具体例を以下に示す。(1)次式で示される炭化水素基で置換されていてもよいビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネン):
一般式(I)または(II)で示される環状オレフィンの具体例を以下に示す。(1)次式で示される炭化水素基で置換されていてもよいビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネン):
ノルボルネンの置換基としては、例えば5-メチル、5,6-ジメチル、1-メチル、5-エチル、5-n-ブチル、5-イソブチル、7-メチル、5-フェニル、5-メチル-5-フェニル、5-ベンジル、5-トリル、5-(エチルフェニル)、5-(イソプロピルフェニル)、5-(ビフェニリル)、5-(β-ナフチル)、5-(α-ナフチル)、5-(アントリル)、5,6-ジフェニルなどが挙げられる。
さらに他の誘導体として、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン誘導体;
トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、2-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、5-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセンなどのトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体;
トリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン、10-メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体が挙げられる。
トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、2-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、5-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセンなどのトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体;
トリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン、10-メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体が挙げられる。
(2)次式で示される炭化水素基で置換されていてもよいテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン:
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンの置換基としては、例えば8-メチル、8-エチル、8-プロピル、8-ブチル、8-イソブチル、8-ヘキシル、8-シクロヘキシル、8-ステアリル、5,10-ジメチル、2,10-ジメチル、8,9-ジメチル、8-エチル-9-メチル、11,12-ジメチル、2,7,9-トリメチル、2,7-ジメチル-9-エチル、9-イソブチル-2,7-ジメチル、9,11,12-トリメチル、9-エチル-11,12-ジメチル、9-イソブチル-11,12-ジメチル、5,8,9,10-テトラメチル、8-エチリデン、8-エチリデン-9-メチル、8-エチリデン-9-エチル、8-エチリデン-9-イソプロピル、8-エチリデン-9-ブチル、8-n-プロピデン、8-n-プロピデン-9-メチル、8-n-プロピデン-9-エチル、8-n-プロピデン-9-イソプロピル、8-n-プロピデン-9-ブチル、8-イソプロピデン、8-イソプロピデン-9-メチル、8-イソプロピデン-9-エチル、8-イソプロピデン-9-イソプロピル、8-イソプロピデン-9-ブチル、8-クロロ、8-ブロモ、8-フルオロ、8,9-ジクロロ、8-フェニル、8-メチル-8-フェニル、8-ベンジル、8-トリル、8-(エチルフェニル)、8-(イソプロピルフェニル)、8,9-ジフェニル、8-(ビフェニリル)、8-(β-ナフチル)、8-(α-ナフチル)、8-(アントリル)、5,6-ジフェニルなどが挙げられる。
さらに他の誘導体として、(シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)とシクロペンタジエンとの付加物;
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン及びその誘導体;
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセン及びその誘導体;
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4,10-ペンタデカジエンなどのペン
タシクロペンタデカジエン化合物;
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセン及びその誘導体;
ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン及びその誘導体;
ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン及びその誘
導体;
ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]-5-エイコセン及びその誘導体;
ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン及びその誘導体;
オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセン及びその誘導体;
ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]-5-ペンタコセン及びその誘導体;
ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-6-ヘキサコセン及びその誘導体等が挙げられる。
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン及びその誘導体;
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセン及びその誘導体;
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4,10-ペンタデカジエンなどのペン
タシクロペンタデカジエン化合物;
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセン及びその誘導体;
ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン及びその誘導体;
ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン及びその誘
導体;
ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]-5-エイコセン及びその誘導体;
ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン及びその誘導体;
オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセン及びその誘導体;
ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]-5-ペンタコセン及びその誘導体;
ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-6-ヘキサコセン及びその誘導体等が挙げられる。
なお、一般式(I)または(II)で示される環状オレフィンの具体例を上記に示したが、これら化合物のより具体的な構造例としては、特願平5−196475号当初明細書の段落番号[0032]ないし[0054]に示された環状オレフィンの構造例を挙げることができる。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記環状オレフィンモノマーを2種以上含有する共重合体であっても良い。
上記のような一般式(I)または(II)で示される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと、対応する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アルダー反応させることによって、製造することができる。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記のような一般式(I)または(II)で示される環状オレフィンの1種または2種以上を用いて、例えば特開昭60−168708号公報、同61−120816号公報、同61−115912号公報、同61−115916号公報、同61−271308号公報、同61−272216号公報、同62−252406号公報及び同62−252407号公報などの公報において、本出願人が提案した方法に従い、それぞれ適宜条件を選択することにより製造することができる。
α−オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体
α−オレフィンと環状オレフィンのランダム共重合体は、α−オレフィンを通常5〜95モル%、環状オレフィンを95〜5モル%;好ましくはα−オレフィンを20〜80モル%、環状オレフィンを80〜20モル%;より好ましくはα−オレフィンを70〜50モル%、環状オレフィンを30〜50モル%含有する。なお、α−オレフィンと環状オレフィンの組成は、13C−NMRによって測定することができる。
α−オレフィンと環状オレフィンのランダム共重合体は、α−オレフィンを通常5〜95モル%、環状オレフィンを95〜5モル%;好ましくはα−オレフィンを20〜80モル%、環状オレフィンを80〜20モル%;より好ましくはα−オレフィンを70〜50モル%、環状オレフィンを30〜50モル%含有する。なお、α−オレフィンと環状オレフィンの組成は、13C−NMRによって測定することができる。
α−オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体では、α−オレフィンから導かれる単位と環状オレフィンから導かれる単位とが、ランダムに配列して結合し、実質的にゲル状架橋構造を有していないことは、この共重合体が有機溶媒に溶解した際に、この溶液に不溶分が含まれていないことにより確認することができる。例えば、極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体が135℃のデカリンにより完全に溶解することにより、確認することができる。
本発明で用いられるα−オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体において、上記一般式(I)で示される環状オレフィンの少なくとも一部は、下記一般式(III)で示される繰り返し単位を構成していると考えられ、上記一般式(II)で示される環状オレフィンの少なくとも一部は、下記一般式(IV)で示される繰り返し単位を構成していると考えられる。
〔式中、n、m、q、R1〜R18、Ra及びRbは、上記に定義されたとおりである。〕
〔式中、n、m、p、q及びR1〜R19は、上記に定義されたとおりである。〕
また、上記のような環状オレフィンモノマーと共重合するα−オレフィンとして、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン、好ましくはエチレン、プロピレンが挙げられ、より好ましくはエチレンが挙げられる。上記のα−オレフィンモノマーの1種または2種以上と環状オレフィンモノマーを適宜組み合わせて共重合を行うことができる。これらのαオレフィンの中でもエチレンが特に好ましく用いられる。
また、上記のような環状オレフィンモノマーと共重合するα−オレフィンとして、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン、好ましくはエチレン、プロピレンが挙げられ、より好ましくはエチレンが挙げられる。上記のα−オレフィンモノマーの1種または2種以上と環状オレフィンモノマーを適宜組み合わせて共重合を行うことができる。これらのαオレフィンの中でもエチレンが特に好ましく用いられる。
また、本発明の目的を損なわない範囲内で、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニルノルボルネンなどの非共役ジエンを用いても良い。
上記環状オレフィンモノマー及びα−オレフィンは、それぞれ2種以上を組み合わせて重合を行うことも可能である。
α−オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体は、α−オレフィンと上記一般式(I)または(II)で示される環状オレフィンとを用いて、上記公報に開示された製造方法により製造することができる。これらのうちでも、共重合反応を炭化水素溶媒中で行い、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物及び有機アルミニウム化合物から形成される触媒を用いてα−オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体を製造することができる。
また、固体状4族メタロセン系触媒を用いてα−オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体を製造することができる。
該固体状4族メタロセン系触媒は、少なくとも1個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物(メタロセン化合物)と、有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)と、必要に応じて有機アルミニウム化合物とから形成される。ここで、4族の遷移金属は、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムである。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、シクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基等が挙げられ、これらは、アルキル基で置換されていてもよい。遷移金属化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上含む場合には、これらのうち2個の基は、アルキレン基、シリレン基などの他の基を介して結合していても良い。また、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子は、通常アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子などである。
また、有機アルミニウムオキシ化合物、有機アルミニウム化合物は、通常オレフィン系重合体の製造に使用されるものを用いることができる。このような固体状4族メタロセン系触媒については、例えば特開昭61−221206号公報、同64−106号、特開平2−173112号公報などに詳細に記載されている。
本発明に係わる保護膜として有用な環状ポリオレフィンは、環状ポリオレフィンの中でもごく限定されたものである。すなわち、環状オレフィンがノルボルネンまたはテトラシクロドデセンであり、α−オレフィンがエチレンの場合、エチレン含量が50〜80mol%、好ましくは52〜78mol%、さらに好ましくは55〜78mol%の1種類のエチレン−ノルボルネン付加共重合体またはエチレン−テトラシクロドデセン付加共重合体、もしくはトータルのエチレン含量が上記の範囲にある2種類以上のエチレン−ノルボルネン付加共重合体や、エチレン−テトラシクロドデセン付加共重合体の混合物である。エチレン含量が50モル%未満では、そのフィルムは脆く、偏光板の製造工程において、クレージングやひび割れ、ハゼ割れが発生し、偏光板を安定的に製造することが難しい。また、エチレン含量が80%を超えると、耐熱性に問題が生じる。
さらに、環状ポリオレフィンのMFRは、0.5〜300g/10min、好ましくは2〜150g/10min、さらに好ましくは5〜100g/10minの範囲内にあるものが好ましい。0.5g/10min未満では、保護膜を溶液流延法で製造する場合、溶液粘度が高くなりすぎて均一な膜が得られにくい傾向があり、300g/10minを超えると、得られた膜の機械的強度が弱くなる傾向にある。
環状ポリオレフィンには、その特性を大きく損なわない範囲内で、目的に応じ他の樹脂、例えば前記した(a)、(b)の樹脂、あるいはその他の樹脂を配合しても良い。
また、可塑剤、滑剤、安定剤、帯電防止剤等の各種添加剤を配合しても良い。
環状ポリオレフィン樹脂から保護膜を得る方法は、特に限定はなく、例えば押出し法、カレンダー法等熱可塑性を利用した方法でも良いが、異物の除去、偏肉精度等の点から、溶液流延法による製造方法がより望ましい。
流延溶液に用いる溶剤としては、特に限定するものではなく、例えばシクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環式炭化水素及びそれらの誘導体、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素及びそれらの誘導体等が例示できる。
溶剤は、1種類でもよいが、溶液粘度や乾燥条件によっては平滑な膜が得にくい場合がある。そのときには、レベリング剤等を溶液に添加するか、あるいは沸点の差が10℃以上ある少なくとも2種類の混合溶剤を用いることにより、望ましい膜が得られる。
流延溶液には、液晶の紫外線による劣化を防止するために、前記した紫外線吸収剤を添加してもよい。本発明の環状ポリオレフィンは各種の紫外線吸収剤との相溶性がよいので、紫外線透過率の目標値に応じて、紫外線吸収剤の添加量を自在に選定できるという利点がある。
保護膜の厚さは通常10〜150μm、好ましくは15〜100μm、さらに好ましくは20〜80μmである。厚さが薄すぎる場合は取り扱いにくく、また透湿度の確保が難しくなる傾向にあり、厚すぎる場合はコストがかさみ、また耐折度の確保が難しくなる傾向にある。
偏光素子との接着性や後述する粘着剤との接着性を向上させるため、保護膜の表面にコロナ放電処理、オゾンの吹き付け、紫外線照射、火炎処理、化学薬品処理、その他公知の表面処理を施してもよい。処理程度は濡れ張力が37dyn/cm以上、好ましくは40dyn/cm以上、さらに好ましくは45dyn/cm以上である。
このようにして、吸水率が0.1wt%以下、好ましくは0.05wt%以下、さらに好ましくは0.01wt%以下、透湿度が150g/m2・24hr以下、好ましくは30g/m2・24hr以下、さらに好ましくは5g/m2・24hr以下、耐折度が500回以上、好ましくは750回以上、さらに好ましくは1000回以上、光線透過率が90.0%以上、好ましくは91.0%以上、さらに好ましくは91.5%以上、紫外線透過率が10%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下で、耐熱性、耐光性に優れた実質的に無配向のフィルムからなる保護膜が容易に得ることができる。
本発明は、偏光素子と前記した環状ポリオレフィン保護膜とからなる偏光板に関するものである。保護膜と偏光素子とを貼り合わせる方法は公知のいかなる方法を用いてもよい。接着剤を用いて接着する場合、例えばポリビニルアルコール系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系等の接着剤あるいはそれらに硬化剤を添加したものが例示できる。とりわけ水溶液系やエマルジョン系のものが耐久性の点からはより望ましい。この場合には前記したように保護膜に表面処理をしておくのが望ましい。処理程度は、濡れ張力でいえば37dyn/cm以上、好ましくは40dyn/cm、さらに好ましくは45dyn/cm、水との接触角でいえば90度以下、好ましくは75度以下である。
次いで、裁断し、必要なら打ち抜き加工をして、偏光板が得られる。前記したように保護膜の耐折度が500回以上、好ましくは750回以上、さらに好ましくは1000回以上あるので、貼り合わせ時や裁断時または打ち抜き時にクレージングやひび割れ、ハゼ割れは発生しない。
このようにして得られた偏光板の初期性能は、単体透過率が42.0%以上、偏光度が99.9%以上あり、耐久性としては、耐湿試験後、耐熱試験後、及び耐光試験後の偏光度保持率がいずれも95%以上、通常99%以上あり、初期性能、耐久性共に優れたものである。
偏光板は通常その片面に、液晶基板への貼着のための粘着剤をコートしセパレーターを貼付し、反対面に保護フィルムが貼付される。このようにして製造したものは透過型として使用されるが、片面側に反射層を設けて反射型や半透過型として使用してもよい。
また保護膜の表面には、ハードコート層や反射防止層、防眩層等従来から一般的に偏光板に付加されている種々の加工を施してもよい。
本発明によれば、保護膜に要求される透明性、紫外線遮断性、耐光性、耐熱性、無配向、表面硬度、偏光素子との接着性等の諸性能を備えた保護膜を提供することができる。
また本発明の偏光板は、初期性能と耐湿性、耐光性、耐熱性等の耐久性に優れている。
次に、本発明の代表的な実施例を挙げて説明する。
本発明において使用した物性値の測定方法及び評価方法は次の通りである。
吸水率はASTM D570により23℃×24hrで測定した。
透湿度はモコン社製PERMARTRAN−W600型透湿度測定装置で40℃、相対湿度90%の条件で測定した。
耐折度はJIS P8115により測定した。数値が小さいほど、フィルムは脆い。
保護膜の加工性の評価として耐折度の他に、直径11mmの円形ダンベルを用いて打ち抜き性の試験を行った。10枚打ち抜き、10枚全てが異常なく打ち抜けたものを○、1〜9枚にひび割れやハゼ割れが発生したものを△、10枚全てにひび割れやハゼ割れが発生したものを×とした。
濡れ張力は,JIS K6768により測定した。
リタデーションは、王子計測機器製KOBRA−21ADHを用いて複屈折率より算出した。
光線透過率は、分光光度計として(以下同じ)日立製作所製U−3410 spectro photometerを使用して、400nmから700nmまで連続的に測定した光線透過率の値の平均値である。数値が大きいほど透明性がよい。
紫外線透過率は、分光光度計を使用して、250nmから380nmまで連続的に測定した紫外線透過率の値の最大値である。数値が小さいほど紫外線吸収効果が大きい。
偏光板の単体透過率は、分光光度計を使用して400nmから700nmまで連続的に測定した、偏光板1枚の光線透過率の値の平均値である。数値が大きいほど偏光板の透明性がよい。
偏光板の偏光度は、以下の方法により算出した。
即ち、配向方向が同一方向になるように2枚の偏光板を重ね合わせて、分光光度計を使用して400nmから700nmまで連続的に測定した、光線透過率の値の平均値をT1とする。次に、配向方向が互いに直交する方向になるように2枚の偏光板を重ね合わせて、同様にして測定した光線透過率の値の平均値をT2とする。そして下記数1により偏光度を算出した。数値が大きいほど偏光性能がよい。
偏光板の耐湿試験は、70℃×93%RHの恒温恒湿器内に1000時間放置することにより行った。
偏光度保持率(以下同じ)とは、試験後の偏光度を試験前の偏光度で除した値に100を掛けた数値である。数値が大きいほど耐久性がよい。
偏光板の耐結露試験は、恒温恒湿器を70℃×93%RH雰囲気と25℃×99%RH雰囲気とに12時間ずつ交互に設定変更し、この恒温恒湿器内にのべ1000時間放置することにより行った。
偏光板の耐熱試験は、75℃の恒温器内に1000時間放置することにより行った。
偏光板の耐光試験は、フェードオメーターとして島津製作所製FADE TESTER CF−20Nを使用して40℃で1000時間照射することにより行った。
(実施例1)
環状ポリオレフィンとしてエチレンとノルボルネンとの付加重合により製造されるエチレン−ノルボルネンランダム共重合体(エチレン含量:68mol%、MFR:30g/10min、数平均分子量:67000)を用いた。この樹脂を用いて射出成型機にて試験片を成形し物性を評価した。結果を表1に示す。
環状ポリオレフィンとしてエチレンとノルボルネンとの付加重合により製造されるエチレン−ノルボルネンランダム共重合体(エチレン含量:68mol%、MFR:30g/10min、数平均分子量:67000)を用いた。この樹脂を用いて射出成型機にて試験片を成形し物性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
環状ポリオレフィンとしてエチレンとテトラシクロドデセンとの付加重合により製造されるエチレン−テトラシクロドデセンランダム共重合体(エチレン含量:76mol%、MFR:30g/10min、数平均分子量:45000)を用いた。この樹脂を用いて射出成型機にて試験片を作成し物性を評価した。結果を表1に示す。
環状ポリオレフィンとしてエチレンとテトラシクロドデセンとの付加重合により製造されるエチレン−テトラシクロドデセンランダム共重合体(エチレン含量:76mol%、MFR:30g/10min、数平均分子量:45000)を用いた。この樹脂を用いて射出成型機にて試験片を作成し物性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
環状ポリオレフィンとしてエチレンとノルボルネンとの付加重合により製造されるエチレンーノルボルネンランダム共重合体(エチレン含量:48mol%、MFR:3.0g/10min、数平均分子量:56000)を用いた。この樹脂を用いて射出成型機にて試験片を成形し物性を評価した。結果を表1に示す。
環状ポリオレフィンとしてエチレンとノルボルネンとの付加重合により製造されるエチレンーノルボルネンランダム共重合体(エチレン含量:48mol%、MFR:3.0g/10min、数平均分子量:56000)を用いた。この樹脂を用いて射出成型機にて試験片を成形し物性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
環状ポリオレフィンとして6−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンの開環重合体の水素添加物(MFR:5.0g/10min、数平均分子量:40000、水素添加率:99.8%以上)を用いた。この樹脂を用いて射出成型機にて試験片を成形し物性を評価した。結果を表1に示す。
環状ポリオレフィンとして6−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンの開環重合体の水素添加物(MFR:5.0g/10min、数平均分子量:40000、水素添加率:99.8%以上)を用いた。この樹脂を用いて射出成型機にて試験片を成形し物性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で得た樹脂100重量部をシクロヘキサン80重量部、トルエン80重量部、キシレン80重量部の混合溶剤に溶解し、流延法により厚さ30ミクロンのフィルムを製造し、次いで表面を空気中でコロナ放電処理して保護膜を得た。この保護膜の物性値及び評価結果を表2に示す。
実施例1で得た樹脂100重量部をシクロヘキサン80重量部、トルエン80重量部、キシレン80重量部の混合溶剤に溶解し、流延法により厚さ30ミクロンのフィルムを製造し、次いで表面を空気中でコロナ放電処理して保護膜を得た。この保護膜の物性値及び評価結果を表2に示す。
(比較例3)
比較例1で得た樹脂を用いた以外、実施例3と同様にして保護膜を得た。耐折度及びダンベル打ち抜き性の評価結果を表2に示す。耐折度、ダンベル打ち抜き性が悪いことが判る。
比較例1で得た樹脂を用いた以外、実施例3と同様にして保護膜を得た。耐折度及びダンベル打ち抜き性の評価結果を表2に示す。耐折度、ダンベル打ち抜き性が悪いことが判る。
(比較例4)
比較例2で得た樹脂を用いた以外、実施例3と同様にして保護膜を得た。耐折度及びダンベル打ち抜き性の評価結果を表2に示す。耐折度、ダンベル打ち抜き性が悪いことが判る。
比較例2で得た樹脂を用いた以外、実施例3と同様にして保護膜を得た。耐折度及びダンベル打ち抜き性の評価結果を表2に示す。耐折度、ダンベル打ち抜き性が悪いことが判る。
(実施例4)
ポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製、厚さ75ミクロン)を水1000重量部、ヨウ素7重量部、ヨウ化カリウム105重量部からなる水溶液に5分間浸漬し、ヨウ素を吸着させた。次いでこのフィルムを40℃の4重量%ホウ酸水溶液中で、4.4倍に縦方向1軸延伸をした後、緊張状態のまま乾燥して偏光素子を得た。
ポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製、厚さ75ミクロン)を水1000重量部、ヨウ素7重量部、ヨウ化カリウム105重量部からなる水溶液に5分間浸漬し、ヨウ素を吸着させた。次いでこのフィルムを40℃の4重量%ホウ酸水溶液中で、4.4倍に縦方向1軸延伸をした後、緊張状態のまま乾燥して偏光素子を得た。
(実施例5)
接着剤としてポリビニルアルコール水溶液を用いて、実施例4で得た偏光素子の両面に実施例3で得た保護膜を貼り合わせ、偏光板を得た。この偏光板の初期性能と耐湿試験、耐結露試験、耐熱試験結果を表3に示す。
接着剤としてポリビニルアルコール水溶液を用いて、実施例4で得た偏光素子の両面に実施例3で得た保護膜を貼り合わせ、偏光板を得た。この偏光板の初期性能と耐湿試験、耐結露試験、耐熱試験結果を表3に示す。
(比較例5)
保護膜として予め表面をケン化処理した厚さ80ミクロンのセルローストリアセテートフィルムを用いた以外、実施例5と同様にして偏光板を得た。この偏光板の初期性能と耐湿試験、耐結露試験、耐熱試験結果を表3に示す。耐湿試験、耐結露試験結果が悪いことが判る。参考のため、セルロースアセテートフィルムの吸水率と透湿度を示すと、吸水率は3%、透湿度は930g/m2・24hrで、吸水率、透湿度共に悪いことが判る。
保護膜として予め表面をケン化処理した厚さ80ミクロンのセルローストリアセテートフィルムを用いた以外、実施例5と同様にして偏光板を得た。この偏光板の初期性能と耐湿試験、耐結露試験、耐熱試験結果を表3に示す。耐湿試験、耐結露試験結果が悪いことが判る。参考のため、セルロースアセテートフィルムの吸水率と透湿度を示すと、吸水率は3%、透湿度は930g/m2・24hrで、吸水率、透湿度共に悪いことが判る。
(実施例6)
実施例2で得た樹脂100重量部と紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロ ベンゾトリアゾール 1重量部、及び2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート 1重量部とを、シクロヘキサン80重量部、キシレン160重量部の混合溶剤に溶解し、流延法により厚さ70ミクロンのフィルムを製造し、次いで99vol%窒素雰囲気下で表面をコロナ放電処理して保護膜を得た。この保護膜の物性値及び評価結果を表4に示す。
実施例2で得た樹脂100重量部と紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロ ベンゾトリアゾール 1重量部、及び2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート 1重量部とを、シクロヘキサン80重量部、キシレン160重量部の混合溶剤に溶解し、流延法により厚さ70ミクロンのフィルムを製造し、次いで99vol%窒素雰囲気下で表面をコロナ放電処理して保護膜を得た。この保護膜の物性値及び評価結果を表4に示す。
(実施例7)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを4.0倍に縦方向1軸延伸した。次いでこのフィルムを緊張状態に保ったままで、水1000重量部、ヨウ素6重量部、ヨウ化カリウム90重量からなる水溶液に1分間浸漬して、ヨウ素を吸着させた。次いで60℃の5重量%ホウ酸水溶液中でさらに1.1倍に縦方向1軸延伸した後、緊張状態のまま乾燥して偏光素子を得た。
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを4.0倍に縦方向1軸延伸した。次いでこのフィルムを緊張状態に保ったままで、水1000重量部、ヨウ素6重量部、ヨウ化カリウム90重量からなる水溶液に1分間浸漬して、ヨウ素を吸着させた。次いで60℃の5重量%ホウ酸水溶液中でさらに1.1倍に縦方向1軸延伸した後、緊張状態のまま乾燥して偏光素子を得た。
この偏光素子の両面に実施例6で得た保護膜を、アクリル系エマルジョン接着剤とポリイソシアネート系硬化剤とを用いて貼り合わせ、偏光板を得た。この偏光板の初期性能と耐湿試験、耐結露試験、耐熱試験、耐光試験結果を表5に示す。
Claims (4)
- 吸水率が0.1wt%以下、透湿度が150g/m2・24hr以下、耐折度が500回以上、光線透過率が90.0%以上で、実質的に無配向のフィルムからなる、偏光板用保護膜。
- 紫外線透過率が10%以下である請求項1に記載の偏光板用保護膜。
- 保護膜が、エチレン含量50〜80モル%である、エチレン−ノルボルネン付加共重合体及びエチレン−テトラシクロドデセン付加共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のフィルムである請求項1又は2に記載の偏光板用保護膜。
- ヨウ素又は二色性染料とポリビニルアルコール系フィルムとからなる偏光素子の少なくとも片面に、請求項1〜3のいずれかに記載の保護膜が貼り合わされてなる偏光板。
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