JP2008255149A - 光学材料用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】面内レタデーションが厳密に制御された、光弾性係数が小さい光学フィルムを製造できる光学材料用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
光弾性係数が正でかつ固有複屈折が負の単量体に由来する単位(a)5質量%以上85質量%未満と、
光弾性係数が負でかつ固有複屈折が負の単量体に由来する単位(b)5質量%以上85質量%未満と、
5又は6員環構造を有する単位(c)10質量%を超えて50質量%以下、
を含む共重合体(1)を含む光学材料用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学素子を製造するための材料、すなわち光学材料、として用いるのに適した樹脂組成物およびおよび該樹脂組成物からなる光学フィルムに関する。
近年、ディスプレイ市場の拡大に伴い、より画像を鮮明にみたいという要求が高まっている。そこで、単なる透明材料ではなく、より高度な光学特性が付与された光学材料が求められている。
このような高度な光学特性の一つに複屈折性がある。一般に、高分子は分子主鎖方向とそれに垂直な方向とでは屈折率が異なるため、複屈折を生じる。この複屈折を利用することにより、直線偏光を円偏光に変えたり(1/4波長板等)、液晶が持つ複屈折を補償する(位相差フィルムなどの光学補償フィルム等)ことが可能となる。このような複屈折性光学材料としてはポリカーボネートがよく知られている。
最近では液晶ディスプレイが大型化し、それに伴い位相差フィルムなどの光学フィルムの大型化も必要である。しかし、光学フィルムを大型化すると、外力の偏りが生じるため、光学フィルムが外力による複屈折変化の生じやすい材料からなる場合、複屈折の分布が生じ、コントラストが不均一となるという問題点がある。
外力による複屈折変化の生じやすさは光弾性係数によって表されるが、前述のポリカーボネートは、光弾性係数が大きいため、これらに代わる光弾性係数の小さい複屈折性光学材料が切望されている。
ポリカーボネートに代わる複屈折性光学材料としては、スチレン、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸の共重合体が知られている(特許文献1)。
しかし、複屈折性光学材料からなる光学素子においては、面内レタデーション(Re)などの複屈折性を厳密にコントロールすることが求められるところ、酸無水物の5員環構造である無水マレイン酸の質量が10質量%である特許文献1に記載の共重合体からなるフィルムは、面内レタデーション(Re)がつきやすいため、その延伸条件をわずかに変えただけで面内レタデーション(Re)が大きく変化し、面内レタデーション(Re)を厳密にコントロールすることが難しいという問題があった。
特開平3−23404号公報
本発明は、面内レタデーション(Re)を厳密にコントロールすることが可能で、光弾性係数が小さい光学フィルム等の光学素子を製造できる光学材料用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは樹脂組成物の複屈折性について鋭意検討を行った結果、特定組成の共重合体からなるフィルムは面内レタデーション(Re)が付き難く、光弾性係数が小さいことを見出し、本発明を完成した。
本発明の光学材料用樹脂組成物を用いれば、大型化してもコントラストが均一で、所望の光学特性に設計できる光学フィルムを製造することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、
光弾性係数が正でかつ固有複屈折が負の単量体に由来する単位(a)5質量%以上85質量%未満と、
光弾性係数が負でかつ固有複屈折が負の単量体に由来する単位(b)5質量%以上85質量%未満と、
5又は6員環構造を有する単位(c)を10質量%超えて50質量%以下、
含む共重合体(1)を含む光学材料用樹脂組成物である。
なお、本発明において、「共重合体(1)を含む光学樹脂組成物」には、共重合体(1)単独も含むものとする。
本願における「光弾性係数」とは、外力による複屈折の変化の生じやすさを表す係数で、下式により定義される。
R[/Pa]=Δn/σR
ここで、σRは伸張応力[Pa]、Δnは応力付加時の複屈折であり、Δnは下式により定義される。
Δn=n1−n2
ここで、n1は伸張方向と平行な方向の屈折率、n2は伸張方向と垂直な方向の屈折率である。
光弾性係数の値がゼロに近いほど、外力による複屈折の変化が小さいことを示しており、各用途に応じて設計された複屈折が外力によって変化しにくいことを意味する。
そして、本発明において、光弾性係数が正(負)の単量体とは、該単量体の単独重合体の光弾性係数が正(負)となる単量体をいう。
また、本願における「固有複屈折」とは、配向に依存した複屈折の大きさを表す値で、下式により定義される。
固有複屈折=npr−nvt
ここで、nprは、一軸性の秩序をもって配向した高分子の配向方向と平行な方向の屈折率、nvtはその配向方向と垂直な方向の屈折率である。
そして、本発明において、固有複屈折が負である単量体とは、該単量体の単独重合体が一軸性の秩序をもって配向して形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より小さくなる単量体をいう。
単位(a)について説明する。
本発明の単位(a)としては、その光弾性係数が正で、かつ、固有複屈折が負であるという条件を満たす単量体に由来する単位であれば、いかなる単位でもよい。
光弾性係数が正で、かつ、固有複屈折が負である単量体としては、例えば、芳香族ビニル化合物単位が挙げられる。ここで、芳香族ビニル化合物とは、その構造中にスチレン骨格を有する化合物をいう。
芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレンのほか、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、о−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレン類;1,1−ジフェニルエチレン等が挙げられ、代表的なものはスチレンである。
これらの芳香族ビニル化合物は、一種または二種以上組み合わせて使用することもできる。
単位(b)について説明する。
本発明の単位(b)としては、その光弾性係数が負で、かつ、固有複屈折が負であるという条件を満たす単量体に由来する単位であれば、いかなる単位でもよい。
光弾性係数が負で、かつ、固有複屈折が負である単量体としては、例えば、(メタ)アクリル系単量体が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリル系単量体とは、メタクリル酸、アクリル酸、及びこれらの誘導体をいい、好ましくはメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルである。
メタクリル酸エステルの具体例としては、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチルなどが挙げられ、代表的なものはメタクリル酸メチルである。
アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニルなどが挙げられる。
アクリル酸アルキルエステル単位を含む共重合体は、耐熱分解性に優れ、また成形加工時の流動性を高める。したがって、耐熱分解性、成形加工性を向上させるためには(メタ)アクリル系単量体としてアクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましい。この場合、アクリル酸アルキルエステル単位の使用量は、耐熱分解性の観点から0.1質量%以上であることが好ましく、耐熱性の観点から15質量%以下であることが好ましい。0.2質量%以上14質量%以下であることがさらに好ましく、1重量%以上12質量%以下であることがとりわけ好ましい。このアクリル酸アルキルエステル単量体の中でも、特にアクリル酸メチル及びアクリル酸エチルは、それを少量共重合させても上記改良効果は著しく好ましい。
一方、耐熱性を向上させるためには、(メタ)アクリル系単量体としてメタクリル酸エステルを用いることが好ましい。
上記(メタ)アクリル系単量体は一種または二種以上組み合わせて使用することもできる。
単量体(c)について説明する。
本発明の単位(c)としては、その構造中に5又は6員環を有する単位であれば、いかなる単位でもよい。
単位(c)としては、例えば、無水マレイン酸、グルタル酸などの無水物である不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位;ラクトン環構造などの不飽和カルボン酸単位;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド単位等が挙げられる。
本発明の光学材料用樹脂組成物において、単位(a)、単位(b)、単位(c)の含有量は、それぞれ、5質量%以上85質量%未満、5質量%以上85質量%未満、10質量%を超えて50質量%以下である。
共重合体(1)を構成する各単位の割合をこのような範囲とすることにより、本発明の光学材料用樹脂組成物からなるフィルムは、面内レタデーション(Re)が付き難いものとなり、面内レタデーションの値を厳密に制御することが可能になる。
また、共重合体(1)を構成する各単位の割合が特定の関係を満たす場合、すなわち、以下の式で表されるKの値が−3.1以上3.1以下であると、共重合体(1)の光弾性係数の絶対値は特に小さくなる。
Kの値は、より好ましくは−3.1〜0であり、さらに好ましくは−3.1〜−1.0である。
K=7×(A/100)+(−6)×(B/100)+4×(C/100)
式中、A、B、Cは、それぞれ、共重合体(1)中の各単位(a)、(b)、(c)の割合(質量%)を表す。
次に、共重合体(1)の好ましい具体例について説明する。
本発明における共重合体(1)の好ましい具体例としては、次の共重合体(1−1)〜(1−4)が挙げられる。
まず、本願の第一発明における共重合体(1)の好ましい具体例1として、単位(a)がスチレン単位、単位(b)がメタクリル酸メチル単位、単位(c)が無水マレイン酸単位である共重合体(1−1)が挙げられる。
共重合体(1−1)を構成する各単位の共重合割合は、耐熱性、光弾性係数の点から、メタクリル酸メチル単位が40質量%以上85質量%未満、スチレン単位が5質量%以上40質量%以下、無水マレイン酸単位が10質量%超えて40質量%以下であることが好ましい。
さらに好ましくは、共重合体中のメタクリル酸メチル単位が42質量%以上82質量%未満、無水マレイン酸単位が10質量%を超えて35質量%以下、スチレン単位が8質量%以上40質量%以下であり、とりわけ好ましくは、共重合体中のメタクリル酸メチル単位が45質量%以上80質量%未満、無水マレイン酸単位が10質量%を超えて30質量%以下、スチレン単位が10質量%以上38質量%以下である。
次に、本発明における共重合体(1)の好ましい具体例2として、単位(a)が芳香族ビニル化合物単位、単位(b)がメタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステル単位、単位(c)が一般式[1]で表される化合物単位である共重合体(1−2)が挙げられる。
Figure 2008255149
(ただし、一般式[1]において、XはOまたは、N−Rを示す。Oは酸素原子、Nは窒素原子、Rは水素原子、アルキル基、基またはシクロアルカン基である。)
共重合体(1−2)の第一の単量体成分である芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレンのほか、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、о−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレン類;1,1−ジフェニルエチレン等が挙げられ、代表的なものはスチレンである。
共重合体(1−2)の第二の単量体成分であるメタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルの具体例としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルが挙げられる。
共重合体(1−2)の第三の単位である一般式[1]で表される単位のうち、XがOであるものとしては、無水マレイン酸などの無水物である不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が挙げられる。XがN−Rであるものとしては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド単量体単位が挙げられる。
共重合体(1−2)を構成する各単位の共重合割合は、耐熱性、光弾性係数の点から、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステル単位が40質量%以上85質量%未満、芳香族ビニル化合物単位が5質量%以上40質量%以下、上記一般式[1]で表される化合物単位10質量%を超えて40質量%以下であることが好ましい。
より好ましくは、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステル単位が42質量%以上82質量%未満、芳香族ビニル化合物単位が8質量%以上40質量%以下、上記一般式[1]で表される化合物単位が10質量%を超えて35質量%以下である。
さらに好ましくは、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステル単位が45質量%以上80質量%未満、芳香族ビニル化合物単位が10質量%以上38質量%以下、上記一般式[1]で表される化合物単位が10質量%を超えて30質量%以下である。
共重合体(1−2)には、上記した必須構成単位に加え、必要に応じ共重合可能な他の単量体を共重合したものも含まれる。ここで用いられる共重合可能な他の単量体として、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体;1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐1,3‐ブタジエン(イソプレン)、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、1,3‐ヘキサジエン等の共役ジエン等が挙げられ、これらの2種以上を共重合することも可能である。
共重合体(1−2)を製造する方法としては、ラジカル開始剤を使用した塊状重合が適した方法であるが、溶液重合、乳化重合を用いることも可能である。
水系懸濁重合は、無水マレイン酸を単量体成分として用いる場合には、その水溶性が高いため、終始安定な懸濁系を保つことが困難であり、推奨されない。
一般的なラジカル開始剤の中で、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ系開始剤、及び過酸化系開始剤のうち、ベンゾイルパーオキサイドを該耐熱アクリル系樹脂の重合に使用した場合、得られるポリマーが着色することがある。
過酸化系開始剤としてラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートを使用すると、耐熱アクリル樹脂(B−3)の着色はない。もっとも、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートを使用したポリマーは、耐水性が低く、熱水に浸漬した場合の重量増加が大きく、表面が白化することがある。
したがって、共重合体(1−2)の重合には、ラウロイルパーオキサイドのようなジアシルパーオキサイドを適用することが好ましい。
共重合体(1−2)の好ましい重合方法としては、特公昭63−1964号公報に記載の方法が挙げられる。
共重合体(1−2)のメルトインデックス(ASTM D1238;I条件)は、成形品の強度の観点から10g/10分以下であることが好ましい。より好ましくは6g/10分以下、さらに好ましくは3g/10分以下である。
また、本発明における共重合体(1)の好ましい具体例3として、単位(a)が芳香族ビニル化合物単位、単位(b)がメタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステル単位、単位(c)が6員環構造の酸無水物単位である共重合体(1−3)が挙げられる。
この6員環構造の酸無水物単位を含む共重合体(1−3)は、耐熱性に優れると共に、これから得られる成形体のレタデーション設計が容易であることから、光学材料に適している。
共重合体(1−3)の第一の単量体成分である芳香族ビニル化合物、第二の単量体成分であるメタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルの具体例としては、前述の共重合体(1−1)、(1−2)において例示したものを用いることができる。
また、共重合体(1−3)の第三の単位である6員環構造の酸無水物単位は、不飽和カルボン酸単量体、及び、必要に応じて不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体と、その他の単量体成分と重合させ、共重合体とした後、かかる共重合体を適当な触媒の存在下あるいは非存在下で加熱し、脱アルコールおよび/または脱水による分子内環化反応を行わせることにより生成することができる。この場合、典型的には共重合体を加熱することにより隣接する2単位の不飽和カルボン酸単位のカルボキシル基が脱水されて、あるいは隣接する不飽和カルボン酸単位と不飽和カルボン酸アルキルエステル単位からアルコールの脱離により1単位の6員環構造の酸無水物単位が生成される。
6員環構造の酸無水物単位を生成するための不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等が挙げられる。
共重合体(1−3)は、特公平02−26641号、特開2006−266543号、特開2006−274069号、特開2006−274071号、特開2006−283013公報、特開2005−162835公報に記載の方法を参照して、組成比を決定し、製造、評価することができる。
共重合体(1−3)を構成する各単位の共重合割合は、上記した共重合体(1−2)を構成する、対応する単位の共重合割合と同じである。
さらに、本発明における共重合体(1)の好ましい具体例4として、単位(a)が芳香族ビニル化合物単位、単位(b)がメタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステル単位、単位(c)が6員環構造のラクトン単位である共重合体(1−4)が挙げられる。
この6員環構造のラクトン単位を含む共重合体(1−4)は、耐熱性に優れると共に、これから得られる成形体のレタデーション設計が容易であることから、光学材料に適している。
共重合体(1−4)の第一の単量体成分であるメタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステル、第二の単量体成分である芳香族ビニル化合物の具体例としては、前述の共重合体(1−1)、(1−2)において例示したものを用いることができる。
共重合体(1−4)の第三の単位である6員環構造のラクトン単位は、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体及び不飽和アルコキシ単量体と、その他の単量体成分と重合させ、共重合体とした後、かかる共重合体を適当な触媒の存在下あるいは非存在下で加熱し、脱エーテルおよび/または脱アルコールおよび/または脱水による分子内環化反応を行わせることにより生成することができる。この場合、典型的には共重合体を加熱することにより不飽和アルコキシ単位と不飽和カルボン酸アルキルエステル単位からエーテルの脱離により1単位の6員環構造のラクトン単位が生成される。
6員環構造のラクトン単位を生成するための不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル等が挙げられ、不飽和アルコキシ単量体としては、例えば、2−ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル等が挙げられる。
6員環構造のラクトン単位を含む共重合体(1−4)は、特開2005−162835公報に記載の方法を参照して、組成比を決定し、製造、評価することができる。
共重合体(1−4)を構成する各単位の共重合割合は、上記した共重合体(1−2)を構成する、対応する単量体単位の共重合割合と同じである。
本発明においては、組成、分子量など異なる複数種類の共重合体(1)を併用することができる。
また本発明においては、光学材料用樹脂組成物に、本発明の目的を損なわない範囲で共重合体(1)以外の他の重合体を混合することができる。混合することができる重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。
混合する他の重合体の割合は、光学材料用樹脂組成物100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。
また本発明においては、光学材料用樹脂組成物に、本発明の目的を損なわない範囲で紫外線吸収剤を配合することができる。
混合することができる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、ラクトン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンズオキサジノン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、ラクトン系化合物は、これを添加した樹脂組成物の光弾性係数の絶対値を小さくする効果があり好ましい。最も好ましくはベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物である。これらは単独で用いても、2種以上併用して用いても構わない。
紫外線吸収剤が、20℃における蒸気圧(P)が1.0×10-4Pa以下である場合に成形加工性に優れ好ましい。さらに好ましい範囲は蒸気圧(P)が1.0×10-6Pa以下であり、とりわけ好ましい範囲は蒸気圧(P)が1.0×10-8Pa以下である。成型加工性に優れるとは、例えばフィルム成形時に、紫外線吸収剤のロールへの付着が少ないことなどを示す。ロールへ付着すると、例えば成形体表面へ付着し外観、光学特性を悪化させるため、光学用材料として好ましくないものとなる。
紫外線吸収剤が、融点(Tm)が80℃以上である場合に成形加工性に優れ好ましい。さらに好ましい範囲は融点(Tm)が130℃以上であり、とりわけ好ましい範囲は融点(Tm)が160℃以上である。
紫外線吸収剤が、23℃から260℃まで20℃/minの速度で昇温した場合の紫外線吸収剤(b)の重量減少率が50%以下である場合に成形加工性に優れ好ましい。さらに好ましい範囲は重量減少率が15%以下であり、とりわけ好ましい範囲は重量減少率が2%以下である。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、380nmにおける分光透過率が5%以下かつ400nmにおける分光透過率が65%以上であることが好ましい。紫外領域である380nmの分光透過率が低いほど偏光子や液晶素子の劣化を防ぎ、可視領域である400nm分光透過率が高いほど色再現性に優れるため、光学フィルムとして好ましく用いることができる。この範囲内に設計するには、紫外線吸収剤の量が、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.1質量%より多いと、380nmにおける分光透過率が小さくなり、10質量%より少ないと光弾性係数の増加が小さく、成型加工性、機械強度も向上するため好ましい。紫外線吸収剤(b)の量のより好ましい範囲は、0.3質量部以上8質量部以下、さらに好ましい範囲は0.5質量%以上5質量%以下である。
紫外線吸収剤の量は、核磁気共鳴装置(NMR)によりプロトンNMRを測定し、ピークシグナルの積分値の比から求める方法や、または良溶媒を用い樹脂から抽出後、ガスクロマトグラフ(GC)で測定する方法等により定量できる。
また本発明においては、光学材料用樹脂組成物に、本発明の目的を損なわない範囲で各種目的に応じて任意の添加剤を配合することができる。配合することができる添加剤としては、樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。
例えば、二酸化珪素等の無機充填剤、酸化鉄等の顔料;ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤;離型剤;パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン,ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系光安定剤;難燃剤;帯電防止剤;有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤;着色剤などが挙げられる。
本発明の光学材料用樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて、共重合体(1)、必要に応じて耐加水分解抑制剤や上記その他の成分を添加して溶融混練して樹脂組成物を製造することができる。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、射出成形、シート成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、押し出し成形、発泡成形等、公知の方法で成形することが可能であり、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法も用いることができる。
次に、本発明の光学フィルムについて説明する。
本発明の光学フィルムは、押し出し成形、キャスト成形等の手法により成形することができる。例えば、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸フィルムを押し出し成形することができる。押し出し成形する場合は、事前に共重合体(1)と他の成分を溶融混錬した材料を用いることもできれば、押し出し成形時に溶融混錬を経て成形することもできる。また、共重合体(1)と他の成分に共通な溶媒、例えば、クロロホルム、二塩化メチレン等の溶媒を用いて、共重合体(1)と他の成分を溶解後、キャスト乾燥固化することにより未延伸フィルムをキャスト成形もすることができる。
また、他の好ましいフィルム製膜方法として、金型にTダイをもちいる溶融押出法がある。Tダイから吐出されたフィルムは金属ロール、ゴムロール、金属ベルト等により片面または両面を冷却しつつ引取りながら製膜する。
さらに強度やレタデーションの付与等のために、必要に応じて、未延伸フィルムを、機械的流れ方向に一軸延伸、機械的流れ方向に直行する方向に一軸延伸することができる。また、ロール延伸とテンター延伸の逐次二軸延伸法、テンター延伸による同時二軸延伸法、チューブラー延伸による二軸延伸法等によって延伸することにより二軸延伸フィルムを製造することもできる。
延伸はガラス転移温度(Tg)を基準として、(Tg−20℃)〜(Tg+50℃)の範囲で行うことが好ましい。
また、延伸倍率は、どちらか一方向に0.1〜1000%であることが好ましく、0.2〜600%であることがさらに好ましく、0.3〜300%であることがとりわけ好ましい。この範囲に設計することにより、複屈折、耐熱性、強度の観点で好ましい光学フィルムが得られる。
ここで、延伸倍率は、得られた延伸フィルムまたはシートをガラス転移温度よりも50℃以上高い温度で収縮させ、以下の式により求めることができる。また、ガラス転移温度はDSC法や粘弾性法により求めることができる。
延伸倍率(%)=[(収縮前の長さ/収縮後の長さ)−1]×100
機械的流れ方向、及び機械的流れ方向に直行する方向に異なる延伸倍率で二軸延伸を行うことにより、高い強度で、高い面内レタデーション値を有するフィルムが得られる。このような光弾性係数が小さく、レタデーション値が高いフィルムは、位相差フィルムとして好適に用いられる。
一方、機械的流れ方向、及び機械的流れ方向に直行する方向にほぼ同じ延伸倍率で二軸延伸を行うことにより、高い強度で、低い面内レタデーション値のフィルムが得られる。このような光弾性係数が小さく、レタデーション値が低いフィルムは、各種光学素子の保護フィルムに適している。
最終的な面内レタデーション(Re)の値のコントロールの観点から、光学フィルムの未延伸時における面内レタデーション(Re)の絶対値は、10未満であることが好ましく、より好ましくは5未満である。
本発明の光学フィルムは、光弾性係数の絶対値が、5×10-12Pa-1以下であることが好ましい。光弾性係数の絶対値の値は4×10-12Pa-1以下であることがより好ましく、3.5×10-12Pa-1以下であることがさらに好ましく、3.0×10-12Pa-1以下であることがとりわけ好ましい。
光学フィルムの光弾性係数がこの範囲内であれば、外力による複屈折の変化が少ないため、これを大型の液晶表示装置等に使用した場合にコントラストや画面の均一性に優れる。
本発明においては、光学材料用樹脂組成物の単位(a)、(b)、(c)の割合、フィルムの厚み、及び延伸倍率等を好ましい範囲内に設計することにより、光学フィルムの面内レタデーション(Re)と厚み方向レタデーション(Rth)を制御することができる。
特に、本発明の光学材料用樹脂組成物からなる光学フィルムは、延伸条件を調整することにより面内レタデーション(Re)を細かくコントロールすることができる。
ここで、面内レタデーション(Re)、厚み方向レタデーション(Rth)は下式により定義される。
Re =(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2)−nz)×d
(式中、nx:フィルム面内において屈折率が最大となる方向をxとした場合のx方向の主屈折率、ny:フィルム面内においてx方向に垂直な方向をyとした場合のy方向の主屈折率、nz:フィルム厚み方向の主屈折率、d:フィルムの厚み(nm)である。
本発明においてフィルムとは、300μm以下の厚さのものを言う。また、本発明におけるフィルムの厚みは望ましくは1μm以上、より望ましくは5μm以上でである。
本発明の光学フィルムには、例えば、反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理等の表面機能化処理をすることもできる。
本発明の光学フィルムは、例えばレタデーション等の性質の異なるものどうしを2枚以上積層して使用することもできるし、本発明以外の高分子フィルムに積層して用いることもできる。
次に実施例によって本発明を具体的に説明する。
本願発明および実施例で用いた評価法を説明する。
評価方法
(I)光弾性係数の測定、固有複屈折正負の判断
(光弾性係数の測定)
Macromolecules 2004,37,1062−1066に詳細に記載される複屈折測定装置を用いる。レーザー光の経路にフィルムの引っ張り装置を配置し、幅7mmの樹脂組成物の試験片に23℃で伸張応力をかけながら、その複屈折を測定する。伸張時の歪速度は0.3%/分(チャック間:30mm、チャック移動速度:0.1mm/分とする。
このようにして測定した値について、複屈折(Δn)をy軸、伸張応力(σR)をx軸としてプロットし、その関係から、最小二乗近似により初期線形領域の直線の傾きを求め、光弾性係数(CR)を算出する。傾きの絶対値が小さいほど光弾性係数が0に近いことを示し、好ましい光学特性であることを示す。
(固有複屈折正負の判断)
ガラス転移温度以上、ガラス転移温度+50℃以下の範囲内で伸張応力をかけながら延伸を行い、急冷固化し、23℃におけるnpr−nvtを測定する。npr−nvtが負の場合、固有複屈折が負、npr−nvtが正の場合、固有複屈折が正と判断する。
(II)分子量の測定
GPC(東ソー(株)製GPC−8020、検出RI、カラム昭和電工製Shodex K−805、801連結)を用い、溶媒はクロロホルム、測定温度40℃で、市販標準ポリスチレン換算で質量平均分子量を求める。
(III)面内レタデーション(Re)、厚み方向レタデーション(Rth)
(面内レタデーション(Re)の測定)
シックネスゲージを用いてフィルムの厚さd(nm)を測定する。この値を大塚電子(株)社製複屈折測定装置RETS−100に入力し、測定面が測定光と垂直になるように試料を配置し、23℃で回転検光子法により面内レタデーション(Re)を測定・算出する。
(厚み方向レタデーション(Rth)の測定)
Metricon社製レーザー屈折計Model2010を用いて、23℃で光学フィルムの平均屈折率nを測定する。そして、平均屈折率nとフィルム厚さd(nm)を大塚電子(株)社製複屈折測定装置RETS−100に入力し、23℃で厚み方向レタデーション(Rth)を測定・算出する。
(2)原料の準備
(I)共重合体(メタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体)の調製
特公昭63−1964号公報に記載の方法で、単位(a)がスチレン単位、単位(b)がメタクリル酸メチル、単位(c)が無水マレイン酸単位である、メタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体を得た。
得られたメタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体の組成は、表1に示すとおりであり、各共重合体のメルトフローレート値(ASTM−D1238;230℃、3.8kg荷重)は、メタクリル酸メチル単位72質量%、無水マレイン酸単位16質量%、スチレン単位12質量%の共重合体では1.8g/10分であり、メタクリル酸メチル単位74質量%、無水マレイン酸単位10質量%、スチレン単位16質量%の共重合体では1.6g/10分であり、メタクリル酸メチル単位77質量%、無水マレイン酸単位15質量%、スチレン単位8質量%の共重合体では1.5g/10分であった。
[実施例1〜6、比較例1〜3]
表1に記載の共重合体からなる樹脂組成物を用い、テクノベル製Tダイ装着押し出し機(KZW15TW−25MG−NH型/幅150mmTダイ装着/リップ厚0.5mm)を用いて、押し出し機のシリンダー内樹脂温度、Tダイの温度を表1に示す条件に調整し押し出し成形をすることにより実施例1の未延伸フィルムを得た。フィルムの流れ(押し出し方向)をMD方向、MD方向に垂直な方向をTD方向とした。
そして、実施例1の未延伸フィルムを幅が50mmになるように切り出し、表1に示す条件で一軸延伸(チャック間:50mm、チャック移動速度:500mm/分)を引っ張り試験機を用いて行い、実施例2、5、比較例2の一軸延伸フィルムを得た。
また、実施例2、5及び比較例2の一軸延伸フィルムを幅が50mmになるように切り出し、表1に示す条件で一軸延伸(チャック間:50mm、チャック移動速度:500mm/分)を引っ張り試験機を用いて行い、実施例3、6、比較例3の二軸延伸フィルムを得た。
各延伸フィルムを構成する共重合体(1)の組成及びKの値、各フィルムの押し出し成形条件、厚み、面内レタデーション(Re)、厚み方向レタデーション(Rth)、光弾性係数を表1に示す。
表1より、単位(c)が10質量%以上である共重合体からなるフィルムは、延伸倍率を変化させたときの面内レタデーション(Re)の増加の仕方が緩やかで、面内レタデーション(Re)の制御が容易であることが確認できた。また、共重合体(1)のKの絶対値が大きくなるほどフィルムの光弾性係数の絶対値も大きくなることが確認できた。
Figure 2008255149
本発明の光学材料用樹脂組成物は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いられる導光板、拡散板、偏光板保護フィルム、1/4波長板、1/2波長板、視野角制御フィルム、液晶光学補償フィルム等の位相差フィルム、ディスプレイ前面板、ディスプレイ基盤、タッチパネル、太陽電池に用いられる透明基盤等や、その他、光通信システム、光交換システム、光計測システム等の分野における、導波路、レンズ、光ファイバー、光ファイバーの被覆材料、LEDのレンズ、レンズカバーなど様々な光学素子を製造するための光学材料に使用できる。
とりわけ、本発明の光学材料用樹脂組成物は、光弾性係数が小さく、面内レタデーション(Re)が厳密に制御された光学フィルムを製造することができるのでテレビ、パソコン、携帯電話、カーナビゲーション、医療機器、産業機器等の各種ディスプレイに用いられるIPSモードの液晶表示装置用の偏光板保護フィルムを製造するために好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 光弾性係数が正でかつ固有複屈折が負の単量体に由来する単位(a)5質量%以上85質量%未満と、
    光弾性係数が負でかつ固有複屈折が負の単量体に由来する単位(b)5質量%以上85質量%未満と、
    5又は6員環構造を有する単位(c)10質量%を超えて50質量%以下、
    を含む共重合体(1)を含む光学材料用樹脂組成物。
  2. 下式で表されるKの値が式−3.1以上3.1以下である請求項1に記載の光学材料用樹脂組成物:
    K=7×(A/100)+(−6)×(B/100)+4×(C/100)
    式中、A、B、Cは、それぞれ、共重合体(1)中の各単位(a)、(b)、(c)の割合(質量%)を表す。
  3. 前記単位(a)が芳香族ビニル化合物単位であり、前記単位(b)が(メタ)アクリル系単量体単位である請求項1又は請求項2に記載の光学材料用樹脂組成物。
  4. 共重合体(1)が、芳香族ビニル化合物単位5質量%以上40質量%以下と、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステル単位40質量%以上85質量%未満と、下記一般式[1]で表される化合物単位10質量%を超えて30質量%以下を含む共重合体である請求項3に記載の光学材料用樹脂組成物。
    一般式[1]
    Figure 2008255149
    (ただし、一般式[1]において、Xは、OまたはN−Rを表す。ここで、Oは酸素原子、Nは窒素原子、Rは水素原子またはアルキル基またはアリール基またはシクロアルカンである。)
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学材料用樹脂組成物からなる光学フィルム。
  6. 請求項5に記載の光学フィルムからなる偏光板保護フィルム。
  7. 請求項5に記載の光学フィルムからなる位相差フィルム。
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