JP2006282902A - 再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルム - Google Patents

再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 再帰反射シートとして使用した際に必要となる耐候性、視認性、透明性、および色相を満足しうる再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】 着色アクリル樹脂フィルムを構成するアクリル樹脂100質量部に対して、アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料とを合計で0.5〜2質量部、およびアンスラキノン系黄染料0.5〜2.5質量部を含有し、アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料との質量比(アンスラキノン系黄顔料/ペリレン系赤顔料)が、15/1〜60/1である再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、再帰反射シートの表皮材であって、再帰反射シートを保護し、再帰反射シートの基材に意匠性を付与する透明で、かつ着色されたアクリル樹脂フィルムに関し、さらに詳しくは、看板、道路標識等に使用される再帰反射シートの表皮材として用いられてその表面を保護するとともに、意匠性を付与することができる着色アクリル樹脂フィルムに関する。
入射した光を光源方向に向けて反射させる再帰反射シートは、従来からよく知られており、その再帰反射性および夜間における優れた視認性を利用して種々の分野で使用されている。例えば、再帰反射シートを用いた道路標識、工事標識等は、夜間等において、走行する車両等のヘッドライト等の光源からの光を光源方向、すなわち走行する車両の方向へ向けて反射させ、標識の視認者である車両の運転者に対し優れた視認性を提供し、明確な情報伝達を可能にするという優れた特性を有している。このような道路標識、工事標識等として用いられる再帰反射シートは、視認性を良好にするために着色されており、さらに、着色された再帰反射シートには、直接文字や模様がスクリーン印刷することにより形成されている。
着色された再帰反射シートの色の種類としては、白、黄、赤、黄赤、緑、青があり、各色について、色の範囲および輝度率(β)の下限値が規格に定められている。例えば、JIS規格の場合は、JIS Z9117に、黄の再帰反射シートの色は、JIS Z8722に規定する照明および受光の幾何学的条件a(45°照明、垂直受光)により、標準の光D65の条件で測定したときのXYZ表色系での色度座標(x,y)が、(0.532,0.468)、(0.493,0.453)、(0.467,0.481)および(0.492,0.508)の範囲であり、輝度率(β)の下限値は0.27である、と定められている。ここで、輝度率(β)は、完全拡散反射面の値を1.00とし、それに対する試料輝度の比率を示した値である。
また、ASTM D4956では、黄の再帰反射シートの色は、XYZ表色系での色度座標(x,y)が(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)の範囲内であり、Y値の下限値が15であることが定められている。
上述のような着色された再帰反射シートを得る方法としては、(i)再帰反射シートの表層に印刷によって着色する方法;(ii)フィルムを製造するまでの工程の何れかで着色剤を練り込み、得られた着色フィルムを保護層として再帰反射シートの基材に積層する方法等が考えられる。これら方法のうち、再帰反射シートの反射性能および製造コストを考慮すると、(ii)の方法が好ましい。
再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムとしては、特許文献1に、XYZ表色系での色度座標(x,y)が特定の範囲にある着色アクリル樹脂フィルムが開示されている。
しかしながら、この着色アクリル樹脂フィルムは、XYZ表色系での色度座標(x,y)を特定の範囲に維持しつつ、視認性をよくしようとすると、耐候性が悪くなるという問題がある。また、耐候性をよくするために着色剤の種類を変えると、視認性が低下してしまうという問題がある。
特開2005−008845号公報
よって、本発明の目的は、再帰反射シートとして使用した際に必要となる耐候性、視認性、透明性、および色相を満足しうる再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムを提供することにある。
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムは、再帰反射シートの表皮材として用いられる着色アクリル樹脂フィルムであり、該着色アクリル樹脂フィルムを構成するアクリル樹脂100質量部に対して、アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料とを合計で0.5〜2質量部、およびアンスラキノン系黄染料0.5〜2.5質量部を含有し、アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料との質量比(アンスラキノン系黄顔料/ペリレン系赤顔料)が、15/1〜60/1であることを特徴とする。
着色アクリル樹脂フィルムの全光線透過率は、JIS K7361−1に規定する方法で測定したときの値で65%以上であることが好ましい。
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムは、再帰反射シートとして使用した際に必要となる耐候性、視認性、透明性、および色相を満足しうる。
<着色アクリル樹脂フィルム>
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルム(以下、単に「着色アクリル樹脂フィルム」とも記す。)は、該着色アクリル樹脂フィルムを構成するアクリル樹脂100質量部に対して、アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料とを合計で0.5〜2質量部、およびアンスラキノン系黄染料0.5〜2.5質量部を含有し、アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料との質量比(アンスラキノン系黄顔料/ペリレン系赤顔料)が、15/1〜60/1であるフィルムである。
着色アクリル樹脂フィルムにおけるアンスラキノン系黄顔料、ペリレン系赤顔料、およびアンスラキノン系黄染料の含有量が、上記範囲を満足することにより、該着色アクリル樹脂フィルムを再帰反射シートの表皮材として用いた場合、その再帰反射シートの色相は、例えばJIS Z9117およびASTM D4956の両方の規格を満足し、視認性も良好であり、さらに、屋外で曝露した際に太陽光等での色抜けによる変色が小さくなり、耐候性が良好となる。
アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料との質量比(アンスラキノン系黄顔料/ペリレン系赤顔料)は、15/1〜60/1であり、17/1〜50/1が好ましく、18/1〜45/1が特に好ましい。また、アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料との合計の含有量は、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5〜2質量部であり、0.7〜1.9質量部が好ましく、0.8〜1.8質量部が特に好ましいで。アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料との質量比が15/1〜60/1の範囲を外れる、または、アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料との合計の含有量の合計が0.5〜2質量部の範囲を外れる場合、例えば、得られる着色アクリル樹脂フィルムを再帰反射シートの表皮材として使用したときに、JIS Z9117の規格を満足できなかったり、視認性が劣ったりする。
アンスラキノン系黄染料の含有量は、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5〜2.5質量部であり、0.8〜2.3質量部が好ましく、1〜2.1質量部が特に好ましい。アンスラキノン系黄染料が2.5質量部を超える場合、その着色アクリル樹脂フィルムを再帰反射シートの表皮材として用いた場合、その再帰反射シートの耐候性が悪化する。アンスラキノン系黄染料が0.5質量部未満の場合は、その着色アクリル樹脂フィルムを再帰反射シートの表皮材として用いた場合、その再帰反射シートの色相は、例えばJIS Z9117の規格を満足することができない。
<着色剤>
アンスラキノン系黄顔料としては、例えば、CI Pigment Yellow 24、CI Pigment Yellow 99、CI Pigment Yellow 108、CI Pigment Yellow 123、CI Pigment Yellow 147、CI Pigment Yellow 199等が挙げられる。これらのうち、CI Pigment Yellow 199が特に好ましい。CI Pigment Yellow 199は、大日精化工業(株)製「DYMIC MBR 421 エロー」として工業的に入手可能である。アンスラキノン系黄顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
アンスラキノン系黄染料としては、CI Solvent Yellow 163等が挙げられる。CI Solvent Yellow 163は、大日精化工業(株)製「DYMIC MBR D−05 エロー」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「ORACET Yellow GHS」として工業的に入手可能である。アンスラキノン系黄染料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ペリレン系赤顔料としては、CI Pigment Red 123、CI Pigment Red 149、CI Pigment Red 178、CI Pigment Red 179、CI Pigment Red 224等が挙げられる。これらのうち、CI Pigment Red 149が特に好ましい。CI Pigment Red 149は、大日精化工業(株)製「DYMIC MBR 155 レッド」として工業的に入手可能である。ペリレン系赤顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
着色剤の形態としては、バインダーとなる樹脂に着色剤成分を配合した着色剤マスターバッチ、分散剤と着色剤成分とを配合したドライカラー等が挙げられる。「着色剤マスターバッチ」とは、樹脂に着色剤成分を高濃度に配合した着色剤マスターバッチであり、形態としてはペレット状、軟らかい板状のもの等が挙げられる。また、バインダーとなる樹脂としては、着色アクリル樹脂フィルムに用いられるアクリル樹脂と同種または類似した樹脂が好ましい。また、「ドライカラー」とは、分散性粉末着色剤を示し、適当な分散剤を添加して機械的に微粉末状にした着色剤である。好ましい分散剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。分散剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、着色アクリル樹脂フィルムには、補色の目的で、キナクリドン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリノン系、チオインジゴ系、キノフタロン系、アゾ系、ジケトピロロピロール系、ジオキサン系、フタロシアニン系等の他の着色剤を添加してもよい。
<色相>
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムは、該着色アクリル樹脂フィルムと、マンセル記号がN5.5のねずみ色の油性色紙とを重ね合わせ、着色アクリル樹脂フィルム側を、JIS Z8722に規定する照明および受光の幾何学的条件a(45°照明、垂直受光)により、標準の光D65の条件で測定したときのXYZ表色系での色度座標(x,y)が、(0.494,0.505)、(0.474,0.484)、(0.514,0.445)および(0.541,0.459)の範囲内であることが好ましい。
ここで、「(0.494,0.505)、(0.474,0.484)、(0.514,0.445)および(0.541,0.459)の範囲」とは、図1に示すように、色度座標(x,y)における(0.494,0.505)、(0.474,0.484)、(0.514,0.445)、(0.541,0.459)そして最初の(0.494,0.505)の各座標を順に直線で結ぶことによって囲まれる領域を意味する。
この範囲の色度座標(x,y)を有する着色アクリル樹脂フィルムを再帰反射シートの表皮材として用いた場合、その再帰反射シートは、例えばJIS Z9117に記載の色相を満足することができ、再帰反射シートの視認性を高めることができる傾向にある。
着色アクリル樹脂フィルムの色度座標(x,y)は、(0.494,0.505)、(0.474,0.484)、(0.514,0.445)および(0.541,0.459)の範囲内が好ましく、(0.504,0.495)、(0.484,0.474)、(0.514,0.445)および(0.541,0.459)の範囲内がより好ましく、(0.513,0.486)、(0.497,0.470)、(0.519,0.447)および(0.541,0.459)の範囲内が特に好ましい。
マンセル記号がN5.5のねずみ色の油性色紙としては、日本色研事業(株)の標準色カード230のねずみ色を用いることができる。
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムのY値は、着色アクリル樹脂フィルムと、マンセル記号がN5.5のねずみ色の油性色紙とを重ね合わせ、着色アクリル樹脂フィルム側を、JIS Z8722に規定する照明および受光の幾何学的条件a(45°照明、垂直受光)により、標準の光D65の条件で測定した値であり、このY値が12以上であることが好ましい。
Y値が12以上であると、その着色アクリル樹脂フィルムを再帰反射シートの表皮材として用いた場合、その再帰反射シートの色相はASTM D4956の規格を満足することができる傾向にあり、道路標識などに使用した場合、視認性が良好になる傾向にある。着色アクリル樹脂フィルムのY値は、13以上であることがより好ましい。
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムの全光線透過率は、JIS K7361−1で測定したときの値で65%以上であることが好ましい。全光線透過率が65%未満の場合、その着色アクリル樹脂フィルムを表皮材として用いた再帰反射シートの反射性能が低下する傾向にあり、道路標識等に使用した場合、視認性が悪くなる傾向がある。着色アクリル樹脂フィルムの全光線透過率は、67%以上がより好ましく、70%以上が特に好ましい。
<アクリル樹脂>
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムは、アクリル樹脂を主成分とし、これに着色剤等を添加したアクリル樹脂組成物からなるフィルムである。アクリル樹脂を用いることによって、フィルムに耐候性等の優れた特性を付与できる。
アクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートおよびブチルメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を主原料とし、必要に応じて炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸エステル、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリルメタクリロニトリル等を共重合成分として用いることによって得られる単一重合体または共重合体が挙げられる。また、特公昭59−36646号公報、特公昭62−19309号公報、特公昭63−20459号公報及び特開昭63−77963号公報に記載されているような多層構造重合体を用いてもよい。
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムに用いられる好ましいアクリル樹脂は、例えば、以下に説明する多層構造重合体(I)および熱可塑性重合体(II)を組み合わせたアクリル樹脂(L)、または多層構造重合体(III)である。
すなわち、再帰反射シートは、主に道路標識等として屋外で使用されるため、耐候性、耐衝撃性の良好な表皮材を用いることが好ましい。この耐衝撃性を付与する方法として、ゴム成分を含有させる方法等があるが、この場合、環境温度が変化することにより、表皮材の透明性が変化し、再帰反射シートとして重要な反射性能が低下したり、再帰反射シートの色相が変化したりすることがある。上述のアクリル樹脂(L)、多層構造重合体(III)を用いた着色アクリル樹脂フィルムは、耐候性、耐衝撃性が良好で、透明性の温度依存性が小さいため、再帰反射シートの表皮材として好適に用いることができる。
以下、上述した好ましい形態のアクリル樹脂について具体的に説明する。
<多層構造重合体(I)>
アクリル樹脂(L)としては、多層構造重合体(I)20〜90質量部および熱可塑性重合体(II)80〜10質量部からなるものが好ましい(ただし、(I)+(II)=100質量部である)。
多層構造重合体(I)は、中心から最内層重合体(I−A)、第1中間層重合体(I−B)、第2中間層重合体(I−C)、最外層重合体(I−D)の順に配置された多層構造重合体である。
最内層重合体(I−A)は、炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(I−A1)、炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−A2)、芳香族系ビニル単量体(I−A3)および多官能性単量体(I−A4)を重合して得られた、ガラス転移温度が10℃以上である重合体である。
炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(I−A1)の使用範囲は、得られる着色アクリル樹脂フィルムの透明性の点で、30〜99.7質量%であることが好ましい。
炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−A2)の使用範囲は、0.1〜69.8質量%であることが好ましい。
芳香族系ビニル単量体(I−A3)の使用範囲は、0.1〜25質量%であることが好ましい。
多官能性単量体(I−A4)の使用範囲は、0.1〜10質量%であることが好ましい。
また、グラフト交叉剤(I−A5)を0〜5質量%の範囲で用いてもよい。
(ただし、(I−A1)+(I−A2)+(I−A3)+(I−A4)+(I−A5)=100質量%である。)
最内層重合体(I−A)のガラス転移温度(以下、Tgと記す)は、10℃以上であることが好ましい。Tgが10℃以上の場合、得られる着色アクリル樹脂フィルムの透明性が良好になる傾向にある。
多層構造重合体(I)(100質量%)に占める最内層重合体(I−A)の量は、得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐衝撃性の点で、2〜35質量%であることが好ましい。
第1中間層重合体(I−B)は、炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−B1)、芳香族系ビニル単量体(I−B2)、多官能性単量体(I−B3)およびグラフト交叉剤(I−B4)を重合して得られた、ガラス転移温度が0℃以下である重合体である。
炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−B1)の使用範囲は、得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐衝撃性の点で、60〜99.7質量%であることが好ましい。
芳香族系ビニル単量体(I−B2)の使用範囲は、0.1〜39.8質量%であることが好ましい。
多官能性単量体(I−B3)の使用範囲は、0.1〜10質量%であることが好ましい。
グラフト交叉剤(I−B4)の使用範囲は、0.1〜5質量%であることが好ましい。
また、共重合可能な二重結合を有する単量体(I−B5)を0〜20質量%の範囲で用いてもよい。
(ただし、(I−B1)+(I−B2)+(I−B3)+(I−B4)+(I−B5)=100質量%である。)
第1中間層重合体(I−B)のTgは、0℃以下であることが好ましい。Tgが0℃以下の場合、得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐衝撃性が良好になる傾向にある。
多層構造重合体(I)(100質量%)に占める第1中間層重合体(I−B)の量は、得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐衝撃性の点で、5〜60質量%であることが好ましい。
第2中間層重合体(I−C)は、炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(I−C1)、炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−C2)、芳香族ビニル単量体(I−C3)およびグラフト交叉剤(I−C4)を重合して得られた重合体である。
炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(I−C1)の使用範囲は、得られる着色アクリル樹脂フィルムの透明性の点で、20〜89.8質量%であることが好ましい。
炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−C2)の使用範囲は、10〜79.8質量%であることが好ましく、
芳香族ビニル単量体(I−C3)の使用範囲は、0.1〜25質量%であることが好ましい。
グラフト交叉剤(I−C4)の使用範囲は、0.1〜5質量%であることが好ましい。
(ただし、(I−C1)+(I−C2)+(I−C3)+(I−C4)=100質量%である。)
多層構造重合体(I)(100質量%)に占める第2中間層重合体(I−C)の量は、2〜20質量%であることが好ましい。また、多層構造重合体(I)の製造中における、第2中間層重合体(I−C)段階でのラテックス粒子径は、0.03〜0.2μmであることが好ましい。
最外層重合体(I−D)は、炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(I−D1)、炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−D2)および芳香族ビニル単量体(I−D3)を重合して得られた、ガラス転移温度が50℃以上である重合体である。
炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(I−D1)の使用範囲は、得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐熱性の点で、51〜99.8質量%であることが好ましい。
炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−D2)の使用範囲は、0.1〜48.9質量%であることが好ましい。
芳香族ビニル単量体(I−D3)の使用範囲は0.1〜25質量%であることが好ましい。
(ただし、(I−D1)+(I−D2)+(I−D3)=100質量%である。)
最外層重合体(I−D)のTgは50℃以上であることが好ましい。Tgが50℃以上の場合、得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐熱性が良好になる傾向にある。
多層構造重合体(I)(100質量%)に占める最外層重合体(I−D)の量は、得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐熱性の点で、10〜80質量%であることが好ましい。
ここで、重合体のTgは、例えば、単量体a,b,c・・・からなる共重合体の場合、以下のFox式で求められる。
1/Tg=ma/Tga+mb/Tgb+mc/Tgc・・・
Tg:共重合体のTg[K]、ma:単量体aの質量分率、Tga:単量体aから得られるホモポリマーのTg[K]、mb:単量体bの質量分率、Tgb:単量体bから得られるホモポリマーのTg[K]、mc:単量体cの質量分率、Tgc:単量体cから得られるホモポリマーのTg[K]。
炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(I−A1)としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、例えば、ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、着色アクリル樹脂フィルムの透明性の点から、メチルメタクリレートが好ましい。
炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−A2)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、Tgの点から、ブチルアクリレートが好ましい。
芳香族系ビニル単量体(I−A3)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、経済性の点から、スチレンが好ましい。
多官能性単量体(I−A4)としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジメタクリレート;ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼン;アルキレングリコールジアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、アルキレングリコールジメタクリレートが好ましく、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートがさらに好ましい。
グラフト交叉剤(I−A5)としては、例えば、共重合性のα,β−不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸のアリルエステル、メタアリルエステル、クロチルエステル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレートが好ましい。
炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(I−B1)としては、(I−A2)で示したアルキルアクリレートが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
芳香族系ビニル単量体(I−B2)としては、(I−A3)で示した芳香族系ビニル単量体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
多官能性単量体(I−B3)としては、(I−A4)で示した多官能性単量体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、アルキレングリコールジメタクリレートが好ましく、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートがさらに好ましい。
グラフト交叉剤(I−B4)としては、(I−A5)で示したグラフト交叉剤が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレートが好ましい。
共重合可能な二重結合を有する単量体(I−B5)は、上述の単量体以外で、かつ上述の単量体と共重合可能な二重結合を有する単量体である。該単量体(I−B5)としては、例えば、低級アルコキシアクリレート、シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル系単量体、アルキル置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第2中間層重合体(I−C)および最外層重合体(I−D)を構成する、単量体およびグラフト交叉剤としては、最内層重合体(I−A)および第1中間層重合体(I−B)と同様のものが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
多層構造重合体(I)の最終ラテックス粒子径は、0.03〜0.2μmであることが好ましく、0.04〜0.15μmがより好ましく、0.05〜0.1μmが特に好ましい。最終ラテックス粒子径が大きくなりすぎると、着色アクリル樹脂フィルムの透明性が低下するだけでなく、温度変化により透明性が変化することがある。道路標識等、屋外で再帰反射シートの表皮材として使用される場合、外気温の変化により透明性が変化すると、反射性能の低下、色相の変化を招くおそれがある。一方、粒子径が小さくなりすぎると、耐衝撃性が低下するおそれがある。
再帰反射シートの表皮材として使用されるアクリル樹脂は、透明性が高いほうが反射性能の点で好ましく、また、道路標識等として屋外で主に使用されるため、耐衝撃性が高いほうが好ましい。
さらに、全光線透過率および曇価の温度依存性を少なくするためには、多層構造重合体(I)において各層に占める炭素数4以下のアルキルメタクリレート単位の量が、第1中間層重合体(I−B)から、第2中間層重合体(I−C)、最外層重合体(I−D)に向かって単調増加し、かつ最内層重合体(I−A)に占めるアルキルメタクリレート単位の量が第1中間層重合体(I−B)に占める量よりも多いことが好ましい。
多層構造重合体(I)の各層(I−A)、(I−B)、(I−C)、(I−D)における芳香族系ビニル単量体と炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレートとの質量比(芳香族系ビニル単量体/アルキルアクリレート)が5/95〜50/50であることが好ましく、10/90〜30/70であることがさらに好ましい。該質量比が、この範囲から離れるにつれて透明性が低下し、再帰反射シートの表皮材として使用した時に反射性能が低下する傾向にある。
多層構造重合体(I)の製造法としては、乳化重合法による逐次多段重合法が最も適した重合法である。多層構造重合体(I)の製造は、特にこれに制限されることはなく、例えば、乳化重合後、それぞれの最外層重合体の重合時に懸濁重合系に転換させる乳化懸濁重合法によっても行うことができる。
また、多層構造重合体(I)を乳化重合により製造する場合は、最内層重合体(I−A)を与える単量体混合物をあらかじめ水および界面活性剤と混合して乳化液を調製し、この乳化液を反応器に供給し重合した後、残りの各層を構成する単量体混合物をそれぞれ順に反応器に供給し、重合する方法が好ましい。
最内層重合体(I−A)を与える単量体混合物を、あらかじめ水および界面活性剤と混合して調製した乳化液を反応器に供給し、重合させることにより、特にアセトン中に分散させた際に、その分散液中に存在する直径55μm以上の粒子の数が多層構造重合体(I)100gあたり0〜50個である多層構造重合体を容易に得ることができる。こうして得られた多層構造重合体(I)を原料に用いた着色アクリル樹脂フィルムは、フィルム中のフィッシュアイ数が少ないという特性を有し、外観が良好になるため好ましい。
乳化液を調製する際に使用される界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、およびノニオン系の界面活性剤が挙げられる。これらのうち、アニオン系の界面活性剤が特に好ましい。アニオン系界面活性剤としては、ロジン石鹸;オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム系等のカルボン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム系等のスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム系等のリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム系等のリン酸エステル塩等が挙げられる。これらのうち、昨今問題となっている内分泌かく乱化学物質からの生態系保全の点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム系等のリン酸エステル塩が特に好ましい。
上記界面活性剤の好ましい具体例としては、三洋化成工業(株)製のNC−718、東邦化学工業(株)製のフォスファノールLS−529、フォスファノールRS−610NA、フォスファノールRS−620NA、フォスファノールRS−630NA、フォスファノールRS−640NA、フォスファノールRS−650NA、フォスファノールRS−660NA、花王(株)製のラテムルP−0404、ラテムルP−0405、ラテムルP−0406、ラテムルP−0407等が挙げられる。
乳化液を調製する方法としては、水中に単量体混合物を仕込んだ後、界面活性剤を投入する方法;水中に界面活性剤を仕込んだ後、単量体混合物を投入する方法;単量体混合物中に界面活性剤を仕込んだ後、水を投入する方法等が挙げられる。このうち、水中に単量体を仕込んだ後、界面活性剤を投入する方法、および水中に界面活性剤を仕込んだ後、単量体混合物を投入する方法が、多層構造重合体(I)を得る方法としては好ましい。
また、多層構造重合体(I)を構成する最内層重合体(I−A)を与える単量体混合物を、水および界面活性剤と混合して調製した乳化液を調製するための混合装置としては、攪拌翼を備えた攪拌機;ホモジナイザー、ホモミキサー等の各種強制乳化装置;膜乳化装置等が挙げられる。
また、調製する乳化液としては、W/O型、O/W型のいずれの分散構造でもよく、特に水中に単量体混合物の油滴が分散したO/W型で、分散相の油滴の直径が100μm以下であることが好ましい。
多層構造重合体(I)を構成する最内層重合体(I−A)、第1中間層重合体(I−B)、第2中間層重合体(I−C)、および最外層重合体(I−D)を形成する際に使用する重合開始剤としては、公知のものが使用できる。その添加方法としては、水相、単量体相のいずれか片方、または双方に添加する方法を採用できる。重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤、または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。これらのうち、レドックス系開始剤が好ましく、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が特に好ましい。
特に、上述の最内層重合体(I−A)を与える単量体混合物を水および界面活性剤と混合して調製した乳化液を反応器に供給し、重合した後、第1中間層重合体(I−B)、第2中間層重合体(I−C)および最外層重合体(I−D)を与える単量体混合物をそれぞれ順に反応器に供給し、重合する方法においては、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリットを含む水溶液を重合温度まで昇温した後、調製した乳化液を反応器に供給して重合し、ついで過酸化物等の重合開始剤を含む第1中間層重合体(I−B)、第2中間層重合体(I−C)、および最外層重合体(I−D)を与える単量体混合物を順次反応器に供給し、重合する方法が、多層構造重合体(I)を得る方法としては最も好ましい。
なお、重合温度は用いる重合開始剤の種類および量によって異なるが、40〜120℃が好ましく、60〜95℃がより好ましい。
<熱可塑性重合体(II)>
熱可塑性重合体(II)は、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートに由来する構成単位50〜100質量%、およびこれと共重合可能な他のビニル単量体に由来する構成単位0〜50質量%からなり、重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1l/g以下である重合体である。
炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートが挙げられる。これらのうち、メチルメタクリレートが最も好ましい。
他のビニル単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等の芳香族系ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物等が挙げられる。
熱可塑性重合体(II)の還元粘度は、0.1l/g以下である。還元粘度が0.1l/gを超えると、流動性が悪化しフィルム成形性の点で好ましくない。
熱可塑性重合体(II)を得るための重合方法は、特に限定されるものではなく、公知の懸濁重合法、乳化重合法等の各種方法が適用される。
熱可塑性重合体(II)は、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBRシリーズとして工業的に入手可能である。
<多層構造重合体(III)>
多層構造重合体(III)は、中心から最内層重合体(III−A)、中間層重合体(III−B)、最外層重合体(III−C)の順に配置された多層構造重合体である。
多層構造重合体(III)には、フィルム物性を損なわない範囲で、熱可塑性重合体(II)を混合してもよい。
最内層重合体(III−A)は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(III−A1)に由来する構成単位50〜99.9質量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(III−A2)に由来する構成単位0〜49.9質量%、共重合可能な二重結合を有する他の単量体(III−A3)に由来する構成単位0〜20質量%、多官能性単量体(III−A4)に由来する構成単位0〜10質量%およびグラフト交叉剤(III−A5)に由来する構成単位0.1〜10質量%からなる重合体である(ただし、(III−A1)+(III−A2)+(III−A3)+(III−A4)+(III−A5)=100質量%である。)。
中間層重合体(III−B)は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(III−B1)に由来する構成単位9.9〜90質量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(III−B2)に由来する構成単位9.9〜90質量%、共重合可能な二重結合を有する他の単量体(III−B3)に由来する構成単位0〜20質量%、多官能性単量体(III−B4)に由来する構成単位0〜10質量%およびグラフト交叉剤(III−B5)に由来する構成単位0.1〜10質量%からなり、かつ最内層重合体(III−A)とは異なる組成の重合体である(ただし、(III−B1)+(III−B2)+(III−B3)+(III−B4)+(III−B5)=100質量%である。)。
最外層重合体(III−C)は、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(III−C1)に由来する構成単位80〜100質量%、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(III−C2)に由来する構成単位0〜20質量%および共重合可能な二重結合を有する他の単量体(III−C3)に由来する構成単位0〜20質量%からなる重合体である(ただし、(III−C1)+(III−C2)+(III−C3)=100質量%である。)。
炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(III−A1)は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。その具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、n−ブチルアクリレートが好ましい。
炭素数1〜4のアルキルメタクリレート(III−A2)は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。その具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、メチルメタクリレートが好ましい。
共重合可能な二重結合を有する他の単量体(III−A3)としては、例えば、低級アルコキシアクリレート、シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル系単量体;スチレン、アルキル置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
多官能性単量体(III−A4)は、必要に応じて用いることができる。多官能性単量体(III−A4)とは、同程度の共重合性の二重結合を1分子内に2個以上有する単量体と定義する。その具体例としては、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジメタクリレート;ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼン等が挙げられる。これらのうち、アルキレングリコールジメタクリレートが好ましく、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。また、多官能性単量体が全く作用しない場合でも、グラフト交叉剤が存在する限り、かなり安定な多層構造重合体を与える。例えば、熱間強度等が厳しく要求されたりする場合など、その添加目的に応じて、多官能性単量体の添加を任意に行えばよい。
グラフト交叉剤(III−A5)とは、異なる共重合性の二重結合を1分子内に2個以上有する単量体と定義する。その具体例としては、共重合性のα,β−不飽和カルボン酸またはジカルボン酸のアリル、メタリル、またはクロチルエステル;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、またはフマル酸のアクリルエステルが好ましく、メタクリル酸アリルエステルが優れた効果を奏することから特に好ましい。グラフト交叉剤(III−A5)においては、主としてそのエステルの共役不飽和結合がアリル基、メタリル基、またはクロチル基よりはるかに早く反応し、化学的に結合する。アリル基、メタリル基、またはクロチル基の実質上、かなりの部分は、次層重合体の重合中に有効に働き、隣接二層間にグラフト結合を与える。
なお、連鎖移動剤の存在下で重合してもよい。
最内層重合体(III−A)を構成する全単量体単位100質量%中の炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(III−A1)に由来する構成単位の含有量は、多層構造重合体(III)のフィルム成形性および耐衝撃性等の物性の点から、50〜99.9質量%であり、55〜77.9質量%が好ましく、60〜69.9質量%が特に好ましい。
最内層重合体(III−A)を構成する全単量体単位100質量%中の炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(III−A2)に由来する構成単位の含有量は、0〜49.9質量%であり、より好ましくは20質量%以上であり、最も好ましくは30質量%以上である。また、より好ましくは44.9質量%以下であり、最も好ましくは39.9質量%以下である。
最内層重合体(III−A)を構成する全単量体単位100質量%中の共重合可能な二重結合を有する他の単量体(III−A3)に由来する構成単位は、0〜20質量%であり、0〜15質量%が好ましい。
最内層重合体(III−A)を構成する全単量体単位100質量%中の多官能性単量体(III−A4)に由来する構成単位の含有量は、0〜10質量%であり、0.1〜6質量%が好ましい。
最内層重合体(III−A)を構成する全単量体単位100質量%中のグラフト交叉剤(III−A5)に由来する構成単位の含有量は、0.1〜10質量%であり、0.5〜2質量%が好ましい。0.1質量%以上の含有量では、得られる多層構造重合体(III)を、透明性等の光学的物性を低下させずにフィルム成形することができる。また、10質量%以下の含有量では、多層構造重合体(III)に充分な柔軟性、強靭さを付与することができる。
最内層重合体(III−A)における各構成単位の含有量は、上記範囲であることが、多層構造重合体(III)を成形して得られる着色アクリル樹脂フィルムの透明性、耐衝撃性等の物性の点から好ましい。
最内層重合体(III−A)単独のTgは、多層構造重合体(III)を成形して得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐衝撃性の観点から、後述の中間層重合体(III−B)単独のTg未満であることが好ましく、25℃未満であることがより好ましく、10℃以下であることがさらに好ましく、0℃以下であることが特に好ましい。
多層構造重合体(III)(100質量%)中の最内層重合体(III−A)の含有量は、多層構造重合体(III)を成形して得られる着色アクリル樹脂フィルムの透明性の点で、15〜50質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。この場合、該多層構造重合体(III)を再帰反射シートの表皮材として使用したときの反射性能の点で有利である。
最内層重合体(III−A)は、単層でもよく、2層でもよい。これらのうち、2層からなるものがより好ましい。また、最内層重合体(III−A)中の2層の単量体単位の構成比は、それぞれ異なっていることが好ましい。
最内層重合体(III−A)が2層からなる場合、多層構造重合体(III)を成形して得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐衝撃性および透明性の観点から、内側層(III−A−1)のTgは、外側層(III−A−2)のTgよりも低いほうが好ましい。具体的には、内側層(III−A−1)のTgは、耐衝撃性の観点から−30℃未満が好ましく、外側層(III−A−2)のTgは、透明性の観点から−15℃〜10℃が好ましい。
また、透明性の観点から、最内層重合体(III−A)(100質量%)中の内側層(III−A−1)の含有量は、1〜20質量%が好ましく、外側層(III−A−2)の含有量は、80〜99質量%が好ましい。道路標識等、主に屋外で使用される再帰反射シートの表皮材として使用されるアクリル樹脂は、透明性が高い方が好ましい。
最内層重合体(III−A)が2層からなる場合の好ましい多層構造重合体としては、特公昭62−19309号公報に記載の多層構造重合体等が挙げられる。
炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(III−B1)は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。その具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレートが好ましい。
炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(III−B2)は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。その具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、メチルメタクリレートが好ましい。
共重合可能な二重結合を有する他の単量体(III−B3)としては、低級アルコキシアクリレート、シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル系単量体;スチレン、アルキル置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
多官能性単量体(III−B4)は、必要に応じて用いればよい。その具体例としては、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジメタクリレート;ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼン等が挙げられる。これらのうち、アルキレングリコールジメタクリレートが好ましく、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。多官能性単量体が全く作用しない場合でも、グラフト交叉剤が存在する限り、かなり安定な多層構造重合体を与える。例えば、熱間強度等が厳しく要求されたりする場合など、その添加目的に応じて、多官能性単量体の添加を任意に行えばよい。
グラフト交叉剤(III−B5)としては、共重合性のα,β−不飽和カルボン酸またはジカルボン酸のアリル、メタリル、またはクロチルエステル;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、またはフマル酸のアクリルエステルが好ましく、メタクリル酸アリルエステルが優れた効果を奏することから特に好ましい。グラフト交叉剤(III−B5)においては、主としてそのエステルの共役不飽和結合がアリル基、メタリル基、またはクロチル基よりはるかに早く反応し、化学的に結合する。アリル基、メタリル基、またはクロチル基の実質上、かなりの部分は、次層重合体の重合中に有効に働き、隣接二層間にグラフト結合を与える。
なお、連鎖移動剤の存在下で重合してもよい。
中間層重合体(III−B)を構成する全単量体単位100質量%中の炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(III−B1)に由来する構成単位の含有量は、9.9〜90質量%である。多層構造重合体(III)を成形して得られる着色アクリル樹脂フィルムの透明性の観点から、より好ましくは19.9質量%以上、最も好ましくは29.9質量%以上である。また、より好ましくは60質量%以下、最も好ましくは50質量%以下である。
中間層重合体(III−B)を構成する全単量体単位100質量%中の炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(III−B2)に由来する構成単位の含有量は、9.9〜90質量%である。多層構造重合体(III)を成形して得られる着色アクリル樹脂フィルムの透明性の観点から、より好ましくは39.9質量%以上、最も好ましくは49.9質量%以上である。また、より好ましくは80質量%以下、最も好ましくは70質量%以下である。
中間層重合体(III−B)を構成する全単量体単位100質量%中の共重合可能な二重結合を有する他の単量体(III−B3)に由来する構成単位の含有量は、0〜20質量%であり、0〜15質量%が好ましい。
中間層重合体(III−B)を構成する全単量体単位100質量%中の多官能性単量体(III−B4)に由来する構成単位の含有量は、0〜10質量%であり、0〜6質量%が好ましい。
中間層重合体(III−B)を構成する全単量体単位100質量%中のグラフト交叉剤(III−B5)に由来する構成単位の含有量は、0.1〜10質量%であり、0.5〜2質量%が好ましい。0.1質量%以上の含有量では、得られる多層構造重合体(III)を、透明性等の光学的物性を低下させずにフィルム成形することができる。また、10質量%以下の含有量では、多層構造重合体(III)に充分な柔軟性、強靭さを付与することができる。
中間層重合体(III−B)の単量体単位の組成は、最内層重合体(III−A)の単量体単位の組成と異なることが好ましい。これらの重合体の組成が異なることで、耐衝撃性等のフィルム物性及び透明性等を満足することができる。本発明でいう「異なる組成」とは、各重合体を形成するアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、共重合可能な二重結合を有する他の単量体、多官能性単量体、およびグラフト交叉剤の、種類および/または量が異なることである。
中間層重合体(III−B)単独のTgは、25〜100℃であることが好ましい。Tgが25℃以上の場合、多層構造重合体(III)を成形して得られる着色アクリル樹脂フィルムの耐熱性、耐擦傷性、透明性が良好になる。より好ましくは40℃以上、最も好ましくは50℃以上である。また、Tgが100℃以下の場合、製膜性の良好な多層構造重合体(III)が得られる。より好ましくは80℃以下、最も好ましくは70℃以下である。
また、多層構造重合体(III)(100質量%)中の中間層重合体(III−B)の含有量は、5〜35質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。この範囲内であれば、中間層として必要な機能、例えば透明性を発現させることができる。
炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(III−C1)は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。その具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、メチルメタクリレートが好ましい。
炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(III−C2)は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。その具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレートが好ましい。
共重合可能な二重結合を有する他の単量体(III−C3)としては、低級アルコキシアクリレート、シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル系単量体;スチレン、アルキル置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
最外層重合体(III−C)を構成する全単量体単位100質量%中の炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(III−C1)に由来する構成単位の含有量は、80〜100質量%であり、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは93質量%以上である。また、より好ましくは99質量%以下である。
最外層重合体(III−C)を構成する全単量体単位100質量%中の炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(III−C2)に由来する構成単位の含有量は、0〜20質量%であり、より好ましくは1質量%以上である。また、より好ましくは10質量%以下、最も好ましくは7質量%以下である。
最外層重合体(III−C)を構成する全単量体単位100質量%中の共重合可能な二重結合を有する単量体(III−C3)に由来する構成単位の含有量は、0〜20質量%であり、0〜15質量%が好ましい。
最外層重合体(III−C)の各構成単位の含有量は、上記範囲であることが、多層構造重合体(III)を成形して得られる着色アクリル樹脂フィルムのフィルム成形性、透明性の観点から好ましい。
また、単量体((III−C1)〜(III−C3))の重合時に連鎖移動剤を使用し、最外層重合体(III−C)の分子量を調整してもよい。この連鎖移動剤は、通常、ラジカル重合に用いられるものの中から選択される。具体例としては、炭素数2〜20のアルキルメルカプタン、メルカプト酸類、チオフェノール、四塩化炭素等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。連鎖移動剤の含有量は、単量体((III−C1)〜(III−C3))100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。より好ましくは0.2質量部以上、最も好ましくは0.4質量部以上である。
最外層重合体(III−C)単独のTgは、60℃以上が好ましい。Tgが60℃以上の場合、多層構造重合体(III)をフィルム状に成形したときの耐擦傷性等、フィルム物性の良好な着色アクリル樹脂フィルムが得られる。より好ましくは80℃以上、最も好ましくは90℃以上である。
また、多層構造重合体(III)(100質量%)中の最外層重合体(III−C)の含有量は、フィルム物性の点で、15〜80質量%が好ましく、45〜80質量%がより好ましく、45〜70質量%が特に好ましい。
多層構造重合体(III)の製造法としては、多層構造重合体(I)と同様に乳化重合法による逐次多段重合法が最も適した重合法である。多層構造重合体(III)の製造は、特にこれに制限されることはなく、例えば、乳化重合後、それぞれの最外層重合体の重合時に懸濁重合系に転換させる乳化懸濁重合法によっても行うことができる。
また、多層構造重合体(III)を、多層構造重合体(I)と同様に乳化重合により製造する場合は、最内層重合体(III−A)を与える単量体混合物の一部または全量を、あらかじめ水および界面活性剤と混合して乳化液を調製し、この乳化液を反応器に供給し重合した後、残りの各層を構成する単量体混合物をそれぞれ順に反応器に供給し、重合する方法が好ましい。
最内層重合体(III−A)を与える単量体混合物を、あらかじめ水および界面活性剤と混合して調製した乳化液を反応器に供給し、重合させることにより、特にアセトン中に分散させた際に、その分散液中に存在する直径55μm以上の粒子の数が多層構造重合体(III)100gあたり0〜50個である多層構造重合体を容易に得ることができる。こうして得られた多層構造重合体(III)を原料に用いた着色アクリル樹脂フィルムは、フィルム中のフィッシュアイ数が少ないという特性を有し、外観が良好になるため好ましい。
乳化液を調製する際に使用される界面活性剤としては、多層構造重合体(I)で乳化液を調整する際に使用される界面活性剤と同様のものが使用できる。
また、乳化液を調製する方法も、多層構造重合体(I)と同様の方法が好ましい。
また、多層構造重合体(III)を構成する最内層重合体(III−A)を与える単量体混合物を水、および界面活性剤と混合して調製した乳化液を調製するための混合装置としては、多層構造重合体(I)を製造する際の乳化液の調製に用いられる装置が挙げられる。
また、調製する乳化液としては、W/O型、O/W型のいずれの分散構造でもよく、特に水中に単量体混合物の油滴が分散したO/W型で、分散相の油滴の直径が100μm以下であることが好ましい。
多層構造重合体(III)を構成する最内層重合体(III−A)、中間層重合体(III−B)、及び最外層重合体(III−C)を形成する際に使用する重合開始剤としては、公知のものが使用できる。その添加方法としては、水相、単量体相のいずれか片方、または双方に添加する方法を採用できる。重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤、または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。これらのうち、レドックス系開始剤が好ましく、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が特に好ましい。
特に、上述の最内層重合体(III−A)を与える単量体混合物を水および界面活性剤と混合して調製した乳化液を反応器に供給し、重合した後、中間層重合体(III−B)および最外層重合体(III−C)を与える単量体混合物をそれぞれ順に反応器に供給し、重合する方法においては、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリットを含む水溶液を重合温度まで昇温した後、調製した乳化液を反応器に供給して重合し、ついで過酸化物等の重合開始剤を含む中間層重合体(III−B)および最外層重合体(III−C)を与える単量体混合物を順次反応器に供給し、重合する方法が、多層構造重合体(III)を得る方法としては最も好ましい。
なお、重合温度は用いる重合開始剤の種類や量によって異なるが、40〜120℃が好ましくは、60〜95℃がより好ましい。
上述のようにして多層構造重合体(I)、(III)を乳化重合で得るときは、連鎖移動剤、その他の重合助剤等を用いてもよい。連鎖移動剤としては、公知のものが使用でき、メルカプタン類が好ましい。
多層構造重合体(I)、(III)は、上述の方法で製造した重合体ラテックスから多層構造重合体を回収することによって製造することができる。重合体ラテックスから多層構造重合体を回収する方法としては、塩析または酸析凝固、または、噴霧乾燥、凍結乾燥等の方法が挙げられる。これら方法によって多層構造重合体(I)、(III)は、粉状で回収される。
<着色アクリル樹脂フィルムの製造>
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムを成形する方法としては、公知の溶液流延法、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出法等が挙げられる。これらのうち、経済性の点でTダイ法が特に好ましい。
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムの厚さは、フィルム物性の点で10〜500μmが好ましい。着色アクリル樹脂フィルムの厚さが10〜500μmであると、適度な剛性となるため、ラミネート性、二次加工性等が容易となり、さらに製膜性が安定してフィルムの製造が容易となる。着色アクリル樹脂フィルムの厚さは、15μm〜200μmがより好ましく、30μm〜200μmがさらに好ましい。
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムには、必要に応じて、通常の配合剤、例えば、安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、発泡剤、離型剤、帯電防止剤、艶消剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。基材(再帰反射シート)の保護の点では、耐候性を付与するために、紫外線吸収剤を添加することが特に好ましい。紫外線吸収剤の分子量は、300以上が好ましく、400以上が特に好ましい。分子量が300より小さな紫外線吸収剤を用いると、フィルムを製造する際に転写ロール等に揮発し、ロール汚れを発生させることがある。紫外線吸収剤としては、分子量400以上のベンゾトリアゾール系または分子量400以上のトリアジン系の紫外線吸収剤が特に好ましい。分子量400以上のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の具体例としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のチヌビン234、旭電化工業(株)製のアデカスタブLA−31が挙げられる。分子量400以上のトリアジン系の紫外線吸収剤の具体例としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のチヌビン1577等が挙げられる。
配合剤の添加方法としては、フィルムを製膜するための製膜機に、アクリル樹脂とともに供給する方法;あらかじめアクリル樹脂に配合剤を添加した混合物を各種混練機にて混練混合する方法が挙げられる。後者の方法に使用する混練機としては、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリミキサー、ロール混練機等が挙げられる。
<再帰反射シート>
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムを表面に有する再帰反射シートは、主に、道路標識、表示板、または視認性を目的とした安全器具に使用される。
再帰反射シートの種類としては、アルミニウム蒸着を施したガラスビーズを基材に埋め込んだカプセル型再帰反射シート、プリズム加工した樹脂シートを反射体として使用したプリズム型再帰反射シート等があり、いずれのタイプにおいても本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムは、再帰反射シートの表面に積層されて使用される。
例えば、カプセル型再帰反射シートは以下のようにして製造される。
仮支持体層にガラスビーズの上半球部分を一旦埋め込み、ビーズの下半球部分とビーズ相互の間隙にわたって一面に金属膜を蒸着してから、これに密着して熱可塑性樹脂からなる支持フィルムを塗布形成し、その面をさらに耐熱性樹脂等からなるフィルムで被覆して反対側の上記仮支持体層を剥離し、露呈したガラスビーズの上半球部の上に本発明の着色アクリル樹脂フィルムを重ね、所望の独立小区画空室を作るための凸形網目パターンを有する金型によって、耐熱性樹脂等からなるフィルム側から加熱プレスし、支持フィルムを熱溶融して着色アクリル樹脂フィルムと部分的に密着させ、上記パターンどおりの連結壁を形成して独立小区画空室を形成して、カプセル型再帰反射シートが製造される。このとき、支持フィルムと着色アクリル樹脂フィルムとの密着面積が大きいと、再帰反射シートとして重要な反射性能が損なわれる傾向がある。
以下、実施例により本発明を説明する。
ここで、実施例および比較例中の「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。また、調製例中の略号は以下のとおりである。
メチルメタクリレート:MMA、
ブチルアクリレート:BA、
メチルアクリレート:MA、
スチレン:ST、
アリルメタクリレート:AMA、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート:BD、
t−ブチルハイドロパーオキサイド:tBH、
クメンハイドロパーオキサイド:CHP、
n−オクチルメルカプタン:n−OM。
また、実施例および比較例において、調製した多層構造重合体の評価、着色アクリル樹脂フィルムの諸物性の測定は、以下の試験法により実施した。
(1)多層構造重合体の質量平均粒子径:
乳化重合にて得られた多層構造重合体のポリマーラテックスを大塚電子(株)製の光散乱光度計DLS−700を用い、動的光散乱法で測定し求めた。
(2)着色アクリル樹脂フィルムの全光線透過率:
JIS K7361−1に準拠して測定した。
(3)着色アクリル樹脂フィルムの色度座標(x,y)およびY値:
日本色研事業(株)の標準色カード230(マンセル記号がN5.5のねずみ色)と着色アクリル樹脂フィルムとを重ね合わせ、着色アクリル樹脂フィルム側を、JIS Z8722に規定する照明および受光の幾何学的条件a(45°照明、垂直受光)により、標準の光D65の条件で測定した。
(4)白色反射シート上での着色アクリル樹脂フィルムの色度座標(x,y)およびY値:
市販のカプセルレンズ型再帰反射シート(白)(ニッカポリマ(株)製、商品名:ニッカライトULS)上に着色アクリル樹脂フィルムをのせ、着色アクリル樹脂フィルム側を、JIS Z8722に規定する照明および受光の幾何学的条件a(45°照明、垂直受光)により、標準の光D65の条件で測定した。
(5)視認性:
市販のカプセルレンズ型再帰反射シート(白)(ニッカポリマ(株)製、商品名:ニッカライトULS)に着色アクリル樹脂フィルムを貼りあわせ、これから外径10cm、幅2cmのドーナツ状の再帰反射シートを切り出した。切り出した再帰反射シートを、20cm×20cmの昼白色の白紙に貼り付け、地面と垂直に設置して、再帰反射シートから約50m離れた距離に自動車を止め、その運転席から再帰反射シートを観察した。なお、切り出したドーナツ状の再帰反射シートを照明する光としては、その自動車のヘッドライトを用いた。
○:切り出したドーナツ状の円がはっきり確認できる。
×:切り出したドーナツ状の円がはっきり確認できない。
(6)耐候性:
着色アクリル樹脂フィルムを厚さ3mmのアクリル板に140℃で熱ラミネートし、その試料の着色アクリル樹脂フィルム側をサンシャインウエザーオメーター(スガ試験機(株)製)を使用して、降雨有りの条件[降雨サイクル:18分(降雨)/102分(降雨なし)]で、温度63℃、放射照度が300〜700nmについて255W/m2 の条件下に、促進暴露試験を行い、促進曝露試験2200時間後の色相の変化を目視にて評価し、色の変化がほとんどみられなかったときを○、色の変化が著しかったときを×とした。
(調製例1)
多層構造重合体(I−1)の調製:
冷却器付き重合容器内にイオン交換水195部を投入し、70℃に昇温し、さらに、イオン交換水5部にソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.10部、硫酸第一鉄0.0002部、EDTA0.0006部を加えて調製した混合物を一括投入した。ついで、窒素下で撹拌しながら、MMA2.3部、BA2.13部、ST0.37部、BD0.2部、CHP0.01部からなる第1の単量体混合物および乳化剤(東邦化学工業(株)製:フォスファノールRS610NA)1.3部からなる混合物を8分間かけて重合容器に滴下した後、15分間反応を継続させて最内層重合体(I−1−A)を得た。ここで、最内層重合体(I−1−A)のTgは13℃であった。
続いて、重合容器内に、BA24.54部、ST4.26部、BD1.2部、AMA0.225部からなる第2の単量体混合物をCHP0.03部とともに90分間かけて添加した後、60分間反応を継続させて架橋弾性重合体を含む第1中間層重合体(I−1−B)を得た。ここで、第1中間層重合体(I−1−B)のTgは−40℃であった。
続いて、重合容器内に、MMA6部、BA3.28部、ST0.72部、AMA0.15部、およびCHP0.02部からなる第3の単量体混合物を30分間かけて滴下した後、60分間反応を継続させて第2中間層重合体(I−1−C)を形成させた。
ついで、重合容器内に、MMA52.25部、BA2.26部、ST0.49部、n−OM0.193部、およびt−BH0.055部からなる第4の単量体混合物を130分間かけて滴下した後、60分間反応を継続させて最外層重合体(I−1−D)を形成させ、多層構造重合体(I−1)を含有する重合体ラテックスを得た。ここで、最外層重合体(I−1−D)のTgは94℃であった。重合後測定した質量平均粒子径は、0.09μmであった。
得られた多層構造重合体(I−1)の重合体ラテックスを、濾材にSUS製のメッシュ(平均目開き62μm)を取り付けた振動型濾過装置を用い濾過した後、酢酸カルシウム3部を含む水溶液中で塩析させ、水洗回収後、乾燥し、粉体状の多層構造重合体(I−1)を得た。
(調製例2)
多層構造重合体(III−1)の調製:
攪拌機を備えた容器に脱イオン水10.8部を仕込んだ後、MMA0.3部、n−BA4.45部、1,3−BD0.2部、AMA0.05部、CHP0.025部からなる単量体混合物を投入し、室温下にて攪拌混合した。ついで、乳化剤(東邦化学工業(株)製:フォスファノールRS610NA)1.3部を攪拌しながら上記容器に投入し、再度攪拌を20分間継続し、乳化液を調製した。
つぎに、冷却器付き重合容器内に脱イオン水139.2部を投入し、75℃に昇温し、さらに、イオン交換水5部にソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.20部、硫酸第一鉄0.0001部、EDTA0.0003部を加えて調製した混合物を該重合容器内に一括投入した。ついで、窒素下で攪拌しながら、乳化液を8分間にわたり該重合容器に滴下した後、15分間反応を継続させ、重合を完結させて最内層重合体(III―1−A1)を得た。続いて、MMA9.5部、n−BA14.25部、BD1.0部、AMA0.25部からなる単量体混合物をCHP0.016部とともに90分間にわたり該重合容器に滴下した後、60分間反応を継続させ、架橋弾性重合体(III−1−A2)を含む架橋ゴム弾性体を得た。ここで、最内層重合体(III−1−A1)単独のTgは−48℃、架橋弾性重合体(III−1−A2)単独のTgは−10℃であった。
続いて、MMA5.96部、MA3.97部、AMA0.07部からなる単量体混合物をCHP0.0125部とともに45分間にわたり該重合容器に滴下した後、60分間反応を継続させ、中間層重合体(III−1−B)を形成させた。ここで、中間層重合体(III−1−B)単独のTgは60℃であった。
ついで、MMA57部、MA3部、n−OM0.264部、t−BH0.075部からなる単量体混合物を140分間にわたり該重合容器に滴下した後、60分間反応を継続させ、最外層重合体(III−1−C)を形成し、多層構造重合体(III−1)の重合体ラテックスを得た。ここで、最外層重合体(III−1−C)単独のTgは99℃であった。重合後測定した質量平均粒子径は0.11μmであった。
得られた多層構造重合体(III−1)の重合体ラテックスを、調製例1と同様の方法で濾過した後、酢酸カルシウム3.5部を含む水溶液中で塩析させ、水洗回収後、乾燥し、粉体状の多層構造重合体(III−1)を得た。
[実施例1〜2、実施例4〜7、比較例1〜6]
調製例1で得られた多層構造重合体(I−1)、熱可塑性重合体(II−1)、熱可塑性重合体(II−2)、紫外線吸収剤としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製チヌビン234(商品名)、抗酸化剤としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガノックス1076(商品名)、および着色剤を表1に示す配合量で、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、この混合物を230℃に加熱した脱気式押出機(池貝鉄工(株)製PCM−30)に供給し、混練してペレットを得た。ここで、熱可塑性重合体(II−1)としては、ダイヤナールBR−75(三菱レイヨン(株)製、還元粘度0.057l/g)を用い、熱可塑性重合体(II−2)としては、ダイヤナールBR−80(三菱レイヨン(株)製、還元粘度0.059l/g)を用いた。また、着色剤としては、アンスラキノン系黄色顔料(大日精化工業(株)製、商品名ダイミックカラーMBR 421、CI Pigment Yellow 199)、ペリレン系赤顔料(大日精化工業(株)製、商品名ダイミックカラーMBR 155、CI Pigment Red 149)、アンスラキノン系黄色染料(大日精化工業(株)製、商品名ダイミックカラーMBR D−05、CI Solvent Yellow 163)を用いた。
上記の方法で製造したペレットを80℃で一昼夜乾燥し、300mm幅のTダイを取り付けた40mmφのノンベントスクリュー型押出機(L/D=26)を用いてシリンダー温度200℃〜240℃、Tダイ温度250℃、冷却ロール温度70℃で75μm厚みの着色アクリル樹脂フィルムに製膜した。
得られた着色アクリル樹脂フィルムのXYZ表色系での色度座標(x,y)、Y値、全光線透過率の測定結果、および視認性、耐候性評価結果を表1および図2に示す。
[実施例3]
紫外線吸収剤としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製チヌビン1577を使用したこと以外は実施例4と同様の方法で75μm厚みの着色アクリル樹脂フィルムを得た。得られた着色アクリル樹脂フィルムのXYZ表色系での色度座標(x,y)、Y値、全光線透過率の測定結果、および視認性、耐候性評価結果を表1および図2に示す。
[実施例8]
アクリル樹脂として調製例2で得られた多層構造重合体(III−1)を75部、熱可塑性重合体(II−2)を25部、および表1に示す配合剤、着色剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で75μm厚みの着色アクリル樹脂フィルムを得た。
得られた着色アクリル樹脂フィルムのXYZ表色系での色度座標(x,y)、Y値、全光線透過率の測定結果、および視認性、耐光性評価結果を表1および図2に示す。
Figure 2006282902
実施例および比較例より、つぎのことが明らかとなった。
実施例1〜8における着色アクリル樹脂フィルムを用いた再帰反射シートは、JIS Z9117、ASTM D4956の両方の規格を満足し、視認性、耐候性が良好であるため、本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムは工業的利用価値が高い。
一方、比較例1、3および6における着色アクリル樹脂フィルムを用いた再帰反射シートは、視認性、耐候性は良好であるものの、XYZ表色系における色度座標(x,y)がJIS Z9117を満足しないものであった。また、比較例2の着色アクリル樹脂フィルムを用いた再帰反射シートは、XYZ表色系における色度座標(x,y)は、JIS Z9117記載の色度座標(x,y)の範囲内であるものの、曝露したときの変色の度合いが大きく耐候性が劣るものであった。また、比較例4および5の着色アクリル樹脂フィルムを用いた再帰反射シートは、XYZ表色系における色度座標(x,y)は、JIS Z9117記載の色度座標(x,y)の範囲内であるものの、Y値を満足せず視認性が劣るものであった。
比較例1〜6の着色アクリル樹脂フィルムを用いた再帰反射シートは、いずれも再帰反射シートとして必要となる色相、高度な視認性、耐候性が得られないため、工業的利用価値が低い。
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムを表面に有する再帰反射シートは、耐候性が良好で、さらにJIS Z9117、ASTM D4956の規格を満足するものであり、道路標識、工事標識等、様々な表示類に使用できる。このように、本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムは、工業的利用価値が極めて高いものである。
本発明の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムが満足すべき、XYZ表色系での色度座標(x,y)の範囲を示すグラフである。 実施例および比較例における着色アクリル樹脂フィルムのXYZ表色系での色度座標(x,y)を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 再帰反射シートの表皮材として用いられる着色アクリル樹脂フィルムであり、
    該着色アクリル樹脂フィルムを構成するアクリル樹脂100質量部に対して、アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料とを合計で0.5〜2質量部、およびアンスラキノン系黄染料0.5〜2.5質量部を含有し、
    アンスラキノン系黄顔料とペリレン系赤顔料との質量比(アンスラキノン系黄顔料/ペリレン系赤顔料)が、15/1〜60/1であることを特徴とする再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルム。
  2. 着色アクリル樹脂フィルムの全光線透過率が、JIS K7361−1に規定する方法で測定したときの値で65%以上であることを特徴とする請求項1記載の再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルム。
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