JP5476505B2 - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

この発明はベルト式の無段変速機の油圧制御装置に関する。
車両に搭載されるエンジンに接続されるドライブプーリと、駆動輪に接続されるドリブンプーリと、それらの間に掛け回されるベルトとを備えた無段変速機の油圧制御装置にあっては、例えば下記の特許文献1に記載されるように、通例、エンジンで駆動される油圧ポンプからドライブプーリとドリブンプーリの油圧アクチュエータに作動油を供給して動作させている。
エンジンで駆動される油圧ポンプはあらゆる条件下で所要の油圧を確保できるような特性に設定されるためにエネルギ効率が低いことから、下記の特許文献2において、電動モータによって駆動される2個のサーボポンプを備えると共に、電動モータのサーボアンプへの入力電圧と線形な関係を持つ状態量を入力とするサーボポンプシステムの状態変数モデルの状態変数を用いて作動油の流量が目標流量となるように状態フィードバック制御する技術が提案されている。
また、下記の特許文献3により、同種のサーボポンプシステムにおいて油圧アクチュエータへの作動油の流量を入力とし、よって生じるドライブプーリとドリブンプーリの圧力を出力とするプラントに、入出力フィードバック線形化手法によって線形化されたフィードバック線形化部を組み合わせ、プラントから出力される圧力と目標圧力との偏差に基づいてフィードバック線形化部への入力を制御する技術が提案されている。
特開2005−114130号公報 特開2008−240894号公報 特開2009−127814号公報
特許文献2,3記載の技術は上記のように構成することで特許文献1記載技術の不都合を解消してエネルギ効率を向上させているが、電動の油圧ポンプを2個必要とするため、構成が複雑になると共に、コストアップを招いていた。
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消し、ベルト式の無段変速機において電動の油圧ポンプの個数を1個に低減することで構成を簡易とすると共に、コストアップを抑制するようにした無段変速機の油圧制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、車両に搭載される原動機に接続されると共に、第1油圧アクチュエータに作動油を供給されるとき軸方向に移動自在なドライブプーリと、駆動輪に接続されると共に、第2油圧アクチュエータに作動油を供給されるとき軸方向に移動自在なドリブンプーリと、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリの間に掛け回される動力伝達要素とを備え、前記第1、第2油圧アクチュエータへの作動油の供給を制御することで前記動力伝達要素の巻き掛け半径を変化させて変速比を無段階に変更可能な無段変速機の油圧制御装置において、前記第1油圧アクチュエータと作動油を貯留するリザーバとを接続する第1油路と、前記第2油圧アクチュエータと前記リザーバとを接続する第2油路と、前記第1油路と前記第2油路の共通部位に配置され、前記リザーバに貯留された作動油を汲み上げて前記第1油路または前記第2油路に吐出可能な可逆回転型の1個の電動の油圧ポンプと、前記第1油路において前記リザーバと前記油圧ポンプの間に配置されて前記油圧ポンプから前記リザーバへの作動油の流れを阻止する第1逆止弁と、前記第2油路において前記リザーバと前記油圧ポンプの間に配置されて前記油圧ポンプから前記リザーバへの作動油の流れを阻止する第2逆止弁と、前記第1油路において前記油圧ポンプと前記第1油圧アクチュエータの間に形成される第1バイパス路と、前記第2油路において前記油圧ポンプと前記第2油圧アクチュエータの間に形成される第2バイパス路と、前記第1バイパス路と前記第2バイパス路の間に配置されて前記第1バイパス路と前記第2バイパス路を流れる作動油の流路と圧力を変更可能な制御弁と、前記第1バイパス路に配置されて前記制御弁から前記油圧ポンプへの作動油の流れを阻止する第3逆止弁と、前記第2バイパス路に配置されて前記制御弁から前記油圧ポンプへの作動油の流れを阻止する第4逆止弁と、前記油圧ポンプと前記制御弁の動作を制御する制御器とを備える如く構成した。
請求項2に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、前記第1バイパス路と前記第2バイパス路は、前記制御弁と前記第3逆止弁とを接続する部位と、前記制御弁と前記第4逆止弁とを接続する部位とが共通にされる如く構成した。
請求項3に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、前記制御器は、前記変速比を最小値側に変化させるとき、前記油圧ポンプを駆動して前記第1油路から前記第1油圧アクチュエータに作動油を供給する一方、前記第2バイパス路を前記リザーバに接続して前記第2油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁の動作を制御する如く構成した。
請求項4に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、前記制御器は、前記変速比を最小値側に変化させるとき、前記油圧ポンプを所定の回転数で駆動して前記第1油路から前記第1油圧アクチュエータに所定の高圧の作動油を供給する一方、目標とする変速比に応じて前記第2油路と前記第2バイパス路を前記リザーバに接続して前記第2油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁の動作を制御する如く構成した。
請求項5に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、前記制御器は、前記変速比を最小値に固定させるとき、前記油圧ポンプを駆動して前記第1油路から前記第1油圧アクチュエータに作動油を供給して最小変速比を確立した後、前記第1油路から前記第3逆止弁と前記第2バイパス路と前記第2油路を介して前記第2油圧アクチュエータに作動油を供給するように前記制御弁の動作を制御する如く構成した。
請求項6に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、前記制御器は、前記変速比を最大値側に変化させるとき、前記油圧ポンプを駆動して前記第2油路から前記第2油圧アクチュエータに作動油を供給する一方、前記第1バイパス路を前記リザーバに接続して前記第1油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁の動作を制御する如く構成した。
請求項7に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、前記制御器は、前記変速比を最大値側に変化させるとき、前記油圧ポンプを所定の回転数で駆動して前記第2油路から前記第2油圧アクチュエータに所定の高圧の作動油を供給する一方、目標とする変速比に応じて前記第1油路と前記第1バイパス路を前記リザーバに接続して前記第1油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁の動作を制御する如く構成した。
請求項8に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、前記制御器は、前記変速比を最大値に固定させるとき、前記油圧ポンプを駆動して前記第2油路から前記第2油圧アクチュエータに作動油を供給して最小変速比を確立した後、前記第2油路から前記第4逆止弁と前記第1バイパス路と前記第1油路を介して前記第1油圧アクチュエータに作動油を供給するように前記制御弁の動作を制御する如く構成した。
請求項9に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、前記第1油圧アクチュエータと前記リザーバとを接続する第1油路と、前記第2油圧アクチュエータと前記リザーバとを接続する第2油路と、前記第1油路と前記第2油路の共通部位に配置される油圧ポンプとで閉回路が構成されるようにした。
請求項1に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、ドライブプーリの第1油圧アクチュエータと作動油を貯留するリザーバとを接続する第1油路と、ドリブンプーリの第2油圧アクチュエータとリザーバとを接続する第2油路と、第1、第2油路の共通部位に配置され、リザーバに貯留された作動油を汲み上げて第1、第2油路に吐出可能な可逆回転型の1個の電動の油圧ポンプと、第1油路においてリザーバと前記油圧ポンプの間に配置されて前記油圧ポンプからリザーバへの作動油の流れを阻止する第1逆止弁と、第2油路においてリザーバと油圧ポンプの間に配置されて油圧ポンプから前記リザーバへの作動油の流れを阻止する第2逆止弁と、第1油路において油圧ポンプと第1油圧アクチュエータの間に形成される第1バイパス路と、第2油路において油圧ポンプと第2油圧アクチュエータの間に形成される第2バイパス路と、第1、第2バイパス路の間に配置されて第1、第2バイパス路を流れる作動油の流路と圧力を変更可能な制御弁と、第1バイパス路に配置されて制御弁から油圧ポンプへの作動油の流れを阻止する第3逆止弁と、第2バイパス路に配置されて制御弁から油圧ポンプへの作動油の流れを阻止する第4逆止弁と、油圧ポンプと制御弁の動作を制御する制御器とを備える如く構成した如く構成したので、電動の油圧ポンプの個数を1個に低減することで構成を簡易にできると共に、コストアップを抑制することができる。
また油圧ポンプの動作を制御器で制御するように構成することで、油圧ポンプの稼動を必要最小限に止めることが可能となり、省エネを図ることができる。また第1、第2バイパス路の間に配置されて作動油の流路と圧力を変更可能な制御弁を備えると共に、その動作も制御器で制御するように構成したので、さらにドレン側などに切替弁を必要とすることなく、構成を一層簡易にすることができる。また第1から第4の逆止弁を備えることで、作動油を確実に保持することが可能となる。
請求項2に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、第1バイパス路と第2バイパス路は、制御弁と第3逆止弁とを接続する部位と、制御弁と第4逆止弁とを接続する部位とが共通にされる如く構成したので、上記した効果に加え、制御弁の構造を簡易にできると共に、油路の増加を抑制することができて構成を一層簡易にすることができる。
請求項3に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、制御器は、変速比を最小値側に変化させるとき、油圧ポンプを駆動して第1油路から第1油圧アクチュエータに作動油を供給する一方、第2バイパス路をリザーバに接続して第2油圧アクチュエータから作動油を排出させるように制御弁の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧ポンプと制御弁の動作を制御するだけで変速比を最小値側(OD)側に確実に変化させることができる。
請求項4に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、制御器は、変速比を最小値側に変化させるとき、油圧ポンプを所定の回転数で駆動して第1油路から第1油圧アクチュエータに所定の高圧の作動油を供給する一方、目標とする変速比に応じて第2油路と前記第2バイパス路をリザーバに接続して第2油圧アクチュエータから作動油を排出させるように制御弁の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、変速比を確実かつ容易に変化させることができると共に、ベルトの巻き付け径Rを大きくする側のプーリには油圧ポンプによって作動油を直接供給するため、変速に要する時間はこの油圧ポンプの回転数(回転速度)が支配的になることから、変速に要する時間を短縮することができる。
また、その反対側の巻き付け径Rが小さい側のプーリは、制御弁によって圧力調整が可能な構造とすることで、原動機のトルクを滑りなく駆動輪に伝達することができる。
請求項5に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、制御器は、変速比を最小値に固定させるとき、油圧ポンプを駆動して第1油路から第1油圧アクチュエータに作動油を供給して最小変速比を確立した後、第1油路から第3逆止弁と第2バイパス路と第2油路を介して第2油圧アクチュエータに作動油を供給するように制御弁の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧ポンプと制御弁の動作を制御するだけで変速比を最小値(OD)に確実に固定させることができる。即ち、第1アクチュエータに供給される作動油の圧力と、第2アクチュエータに供給される作動油の圧力を、単一の油圧ポンプを用いて同時に調整することができるため、簡易な構成ながら、第2アクチュエータ側に作動油を供給する必要がある場合にあっても、変速比を最小値(OD)に確実に固定することができる。
請求項6に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、制御器は、変速比を最大値側に変化させるとき、油圧ポンプを駆動して第2油路から第2油圧アクチュエータに作動油を供給する一方、第1バイパス路をリザーバに接続して第1油圧アクチュエータから作動油を排出させるように制御弁の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧ポンプと制御弁の動作を制御するだけで変速比を最大値(LOW(ロー))側に確実に変化させることができる。
請求項7に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、制御器は、変速比を最大値側に変化させるとき、油圧ポンプを所定の回転数で駆動して第2油路から第2油圧アクチュエータに所定の高圧の作動油を供給する一方、目標とする変速比に応じて第1油路と前記第1バイパス路をリザーバに接続して第1油圧アクチュエータから作動油を排出させるように制御弁の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、請求項4と同様、変速比を確実かつ容易に変化させることができると共に、ベルトの巻き付け径Rを大きくする側のプーリには油圧ポンプによって作動油を直接供給するため、変速に要する時間を短縮することができる。
また、その反対側の巻き付け径Rが小さい側のプーリは、制御弁によって圧力調整が可能な構造とすることで、原動機のトルクを滑りなく駆動輪に伝達することができる。
請求項8に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、制御器は、変速比を最大値に固定させるとき、油圧ポンプを駆動して第2油路から第2油圧アクチュエータに作動油を供給して最大変速比を確立した後、第2油路から第4逆止弁と第1バイパス路と第1油路を介して第1油圧アクチュエータに作動油を供給するように制御弁の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧ポンプと制御弁の動作を制御するだけで変速比を最大値(LOW)に確実に固定させることができる。
即ち、第2アクチュエータに供給される作動油の圧力と、第1アクチュエータに供給される作動油の圧力を、単一の油圧ポンプを用いて同時に調整することができるため、簡易な構成ながら、第1アクチュエータ側に作動油を供給する必要がある場合にあっても、変速比を最大値(LOW)に確実に固定することができる。
請求項9に係る無段変速機の油圧制御装置にあっては、第1油圧アクチュエータとリザーバとを接続する第1油路と、第2油圧アクチュエータとリザーバとを接続する第2油路と、第1油路と第2油路の共通部位に配置される油圧ポンプとで閉回路が構成されるようにしたので、上記した効果に加え、第1、第2油圧アクチュエータ以外の部材、例えばトルクコンバータや前進クラッチなどへの油圧の給排の影響を受けることがなく、油圧ポンプの稼動を確実に必要最小限に止めることが可能となり、一層の省エネを図ることができる。
この発明の第1実施例に係る無段変速機の油圧制御装置を全体的に示す概略図である。 図1に示す油圧供給機構のうちのCVT油圧供給機構の構成を示す油圧回路図である。 図1に示す無段変速機のベルトの伝達トルクの算出に用いられるパラメータを示す説明図である。 図1に示す無段変速機において定常状態から最小レシオ(LOW)側あるいは最大レシオ(OD)側に変速する場合を示す説明図である。 図1に示す無段変速機においてレシオをLOWに固定する場合を説明する。 図1に示す無段変速機においてレシオをODに固定する場合を説明する。 図2に示す制御弁の別の構成例を模式的に示す説明図である。 この発明の第2実施例に係る無段変速機の油圧制御装置のCVT油圧供給機構の構成を示す油圧回路図である。
以下、添付図面に即してこの発明に係る無段変速機の制御装置を実施するための形態を説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る無段変速機の油圧制御装置を全体的に示す概略図である。
図1において、符号10はエンジン(内燃機関(原動機))を示す。エンジン10は駆動輪12などを備えた車両14に搭載される。
エンジン10の吸気系に配置されたスロットルバルブ(図示せず)は車両運転席に配置されるアクセルペダル(図示せず)との機械的な接続が絶たれ、電動モータなどのアクチュエータからなるDBW(Drive By Wire)機構16が接続されて駆動される。
スロットルバルブで調量された吸気はインテークマニホルド(図示せず)を通って流れ、各気筒の吸気ポート付近でインジェクタ(燃料噴射弁)20から噴射された燃料と混合して混合気を形成し、吸気バルブ(図示せず)が開弁されたとき、当該気筒の燃焼室(図示せず)に流入する。燃焼室において混合気は点火されて燃焼し、ピストン(図示せず)を駆動してクランクシャフト22を回転させた後、排気となってエンジン10の外部に放出される。
エンジン10のクランクシャフト22の回転は、トルクコンバータ24を介して無段変速機(Continuous Variable Transmission。以下「CVT」という)26に入力される。即ち、クランクシャフト22はトルクコンバータ24のドライブプレートを介してポンプ・インペラ24aに接続される一方、それに対向配置されて流体(作動油)を収受するタービン・ランナ24bはメインシャフト(入力軸)MSに接続される。
CVT26はメインシャフトMSに配置されたドライブプーリ26aと、メインシャフトMSに平行なカウンタシャフト(出力軸)CSに配置されたドリブンプーリ26bと、その間に掛け回される金属製のベルト26cからなる。
ドライブプーリ26aは、メインシャフトMSに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26a1と、メインシャフトMSに相対回転不能で固定プーリ半体26a1に対して軸方向に相対移動可能で油圧シリンダ室(図示せず)を備えた可動プーリ半体(第1油圧アクチュエータ)26a2からなる。
ドリブンプーリ26bは、カウンタシャフトCSに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26b1と、カウンタシャフトCSに相対回転不能で固定プーリ半体26b1に対して軸方向に相対移動可能で油圧シリンダ室(図示せず)を備えた可動プーリ半体(第2油圧アクチュエータ)26b2からなる。
このように、CVT26は、可動プーリ半体26a2の油圧シリンダ室に作動油を供給されるとき軸方向に移動自在なドライブプーリ26aと、駆動輪12に接続されると共に、可動プーリ半体26b2の油圧シリンダ室に作動油を供給されるとき軸方向に移動自在なドリブンプーリ26bと、ドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bの間に掛け回されるベルト26cとを備える。
ベルト26cはV面を備えた多数のエレメントとそれを支持する2束のリングとからなり、エレメントのV面が両側方のドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのプーリ面と接触して押圧されることでエンジン10の駆動力(トルク)をドライブプーリ26aからドリブンプーリ26bに伝達する。
CVT26は、前後進切換装置30に接続される。前後進切換装置30は、前進クラッチ30aと、後進ブレーキクラッチ30bと、その間に配置されるプラネタリギヤ機構30cからなる。CVT26はエンジン10に前進クラッチ30aを介して接続される。
プラネタリギヤ機構30cにおいて、サンギヤ30c1はメインシャフトMSに固定されると共に、リングギヤ30c2は前進クラッチ30aを介してドライブプーリ26aの固定プーリ半体26a1に固定される。
サンギヤ30c1とリングギヤ30c2の間には、ピニオン30c3が配置される。ピニオン30c3は、キャリア30c4でサンギヤ30c1に連結される。キャリア30c4は、後進ブレーキクラッチ30bが作動させられると、それによって固定(ロック)される。
カウンタシャフトCSの回転は減速ギヤ32,34を介してセカンダリシャフト(中間軸)SSに伝えられると共に、セカンダリシャフトSSの回転はギヤ36とディファレンシャルDを介して左右の駆動輪(右側のみ示す)12に伝えられる。
前進クラッチ30aと後進ブレーキクラッチ30bの切換は、車両運転席に設けられた、例えばP,R,N,D,S,Lのポジションを備えるシフトレバー40を運転者が操作することによって行われる。運転者によってシフトレバー40のいずれかのポジションが選択されたとき、その選択動作はCVT26などの油圧供給機構42のマニュアルバルブに伝えられる。
例えばD,S,Lポジションが選択されると、それに応じてマニュアルバルブのスプールが移動し、後進ブレーキクラッチ30bのピストン室から作動油(油圧)が排出される一方、前進クラッチ30aのピストン室に油圧が供給されて前進クラッチ30aが締結される。
前進クラッチ30aが締結されると、全ギヤがメインシャフトMSと一体に回転し、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSと同方向(前進方向)に駆動される。
他方、Rポジションが選択されると、前進クラッチ30aのピストン室から作動油が排出される一方、後進ブレーキクラッチ30bのピストン室に油圧が供給されて後進ブレーキクラッチ30bが作動する。それによってキャリア30c4が固定されてリングギヤ30c2はサンギヤ30c1とは逆方向に駆動され、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSとは逆方向(後進方向)に駆動される。
また、PあるいはNポジションが選択されると、両方のピストン室から作動油が排出されて前進クラッチ30aと後進ブレーキクラッチ30bが共に開放され、前後進切換装置30を介しての動力伝達が断たれ、エンジン10とCVT26のドライブプーリ26aとの間の動力伝達が遮断される。
エンジン10のカム軸(図示せず)付近などの適宜位置にはクランク角センサ44が設けられ、ピストンの所定クランク角度位置ごとにエンジン回転数NEを示す信号を出力する。吸気系においてスロットルバルブの下流の適宜位置には絶対圧センサ46が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAに比例した信号を出力する。
DBW機構16のアクチュエータにはスロットル開度センサ50が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットルバルブの開度THに比例した信号を出力すると共に、アクセルペダル付近にはアクセル開度センサ52が設けられ、運転者のアクセルペダル操作量に相当するアクセル開度APに比例する信号を出力する。
上記したクランク角センサ44などの出力は、エンジンコントローラ60に送られる。エンジンコントローラ60はマイクロコンピュータを備え、それらセンサ出力に基づいて目標スロットル開度を決定してDBW機構16の動作を制御すると共に、燃料噴射量を決定してインジェクタ20を駆動する。
メインシャフトMSにはNTセンサ(回転数センサ)62が設けられ、タービン・ランナ24bの回転数、具体的にはメインシャフトMSの回転数、より具体的には前進クラッチ30aの入力軸回転数を示すパルス信号を出力する。
CVT26のドライブプーリ26aの付近の適宜位置にはNDRセンサ(回転数センサ)64が設けられてドライブプーリ26aの回転数、換言すれば前進クラッチ30aの出力軸回転数に応じたパルス信号を出力すると共に、ドリブンプーリ26bの付近の適宜位置にはNDNセンサ(回転数センサ)66が設けられ、ドリブンプーリ26bの回転数を示すパルス信号を出力する。
セカンダリシャフトSSのギヤ36の付近にはVELセンサ(回転数センサ)70が設けられ、ギヤ36の回転数を通じてCVT26の出力軸の回転数あるいは車速Vを示すパルス信号を出力する。前記したシフトレバー40の付近にはシフトレバーポジションセンサ72が設けられ、運転者によって選択されたR,N,Dなどのポジションに応じたPOS信号を出力する。
また、油圧供給機構42の適宜位置には油温センサ74が配置され、油温(作動油ATFの温度)TATFに応じた信号を出力する。
上記したNTセンサ62などの出力は、図示しないその他のセンサの出力も含め、シフトコントローラ80に送られる。シフトコントローラ80もマイクロコンピュータを備えると共に、エンジンコントローラ60と通信自在に構成される。
シフトコントローラ80はそれら検出値に基づき、油圧供給機構42において電磁ソレノイドを励磁・非励磁して前後進切換装置30とトルクコンバータ24とCVT26の動作を制御する。
図2は油圧供給機構42の中のCVT26の動作用のCVT油圧供給機構42aの構成を模式的に示す油圧回路図である。図示のように、CVT油圧供機構42aは、CVT26への油圧供給のみを行う閉回路として構成される。
即ち、トルクコンバータ24と前後進切換機構30への作動油の供給は油圧供給機構42の図示しない別の機構においてマニュアルバルブの位置に応じ、複数の電磁制御弁を励磁・消磁して行なわれる。ただし、その動作はこの発明の要旨と直接の関連を有しないため、説明を省略する。
図示の如く、CVT油圧供給機構42aは、ドライブプーリ26aの可動プーリ半体(第1油圧アクチュエータ)26a2と作動油を貯留するリザーバ82とを接続する第1油路42a1と、ドリブンプーリ26bの可動プーリ半体(第2油圧アクチュエータ)26b2とリザーバ82とを接続する第2油路42a2と、第1油路42a1と第2油路42a2の共通部位42a3に配置され、リザーバ82に貯留された作動油を汲み上げて第1油路42a1または第2油路42a2に吐出可能な1個の油圧ポンプ84とを備える。
油圧ポンプ84はモータ(電動機)86に接続され、モータ86によって駆動されて所定の方向とその逆方向の双方向に回転可能な可逆回転型の電動のポンプからなる。このように油圧ポンプ84はエンジン10で駆動されず、モータ86の動作を制御することによってその動作が制御される電動油圧ポンプとして構成される。
CVT油圧供給機構42aはさらに、第1油路42a1においてリザーバ82と油圧ポンプ84の間に配置されて油圧ポンプ84からリザーバ82への作動油の流れを阻止する第1逆止弁90と、第2油路42a2においてリザーバ82と油圧ポンプ84の間に配置されて油圧ポンプ84からリザーバへ82の作動油の流れを阻止する第2逆止弁92と、第1油路42a1において油圧ポンプ84と可動プーリ半体26a2の間に形成される第1バイパス路42a4と、第2油路42a2において油圧ポンプ84と可動プーリ半体26b2の間に形成される第2バイパス路42a5と、第1バイパス路42a4と第2バイパス路42a5の間42a6に配置される制御弁94と、第1バイパス路42a4に配置されて制御弁94から油圧ポンプ84への作動油の流れを阻止する第3逆止弁96と、第2バイパス路42a5に配置されて制御弁94から油圧ポンプ84への作動油の流れを阻止する第4逆止弁98とを備える。
制御弁94は図示の如く4ポート3位置切換弁からなり、両端に電磁ソレノイド94a,94bを備える。電磁ソレノイド94a,94bは、例えば通電されるときスプールを吸引して図2で左右に移動させ、第1バイパス路42a4と第2バイパス路42a5を流れる作動油の流れの方向と圧力を変更可能に構成される。
油圧ポンプ84、より具体的には油圧ポンプ84を駆動するモータ86(の駆動回路)と制御弁94(の電磁ソレノイド94a,94b)はシフトコントローラ(制御器)80に接続される。
シフトコントローラ80は、シフトポジションセンサ72などのセンサ出力とエンジンコントローラ60から取得した情報に基づき、油圧ポンプ84(より正確にはモータ86を介して)と制御弁94の動作を制御する。従って、シフトコントローラ80は、モータ86を介して油圧ポンプ84の回転数を増減して油圧ポンプ84から供給される作動油の圧力を制御することにより、要求されるレシオ(変速比)を達成することができる。尚、図4以降でシフトコントローラ80の表記を省略する。
バイパス路について敷衍すると、制御弁94を4ポート3位置切換弁とすると共に、図示の如く、第1バイパス路42a4と第2バイパス路42a5は、制御弁94と第3逆止弁96とを接続する部位と、制御弁94と第4逆止弁98とを接続する部位とが(部位42a7として)共通にされる如く構成する。
プーリ26aに油圧を供給してOD側(レシオ(変速比)が最小となる側)に変速する場合を説明すると、シフトコントローラ80はモータ86を例えば正転させて油圧ポンプ84をそれに対応する方向に回転させて作動油をリザーバ82から汲み上げ、矢印aで示す如く、所定の高圧PHの作動油を第1油路42a1に吐出させ、第1油路42a1からドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)に供給する。
同時に、シフトコントローラ80は、制御弁94の電磁ソレノイド94bを励磁してスプールを図2で右に移動させ、矢印bで示す如く、ドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)から作動油を第2油路42a2と第2バイパス路42a5を介してリザーバ82に排出(ドレン)させる。
反対にLOW側(レシオ(変速比)が最大となる側)に変速する場合を説明すると、シフトコントローラ80はモータ86を逆転させて油圧ポンプ84を反対方向に駆動し、矢印cで示す如く、前記した所定の高圧PHの作動油を第2油路42a2を介してドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)に供給する。
同時に、シフトコントローラ80は、制御弁94の電磁ソレノイド94aを励磁してスプールを図2で左に移動させ、矢印dで示す如く、ドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)から作動油を第1油路42a1と第1バイパス路42a4を介してリザーバ82に排出(ドレン)させる。
CVT26は、ドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)とドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)への作動油の供給を制御されることでベルト26cの巻き掛け半径Rを変化させ、変速比(レシオ)を最大値(LOW)と最小値(OD)の間で無段階に変更可能に構成される。
CVT26のベルト26cの伝達トルクは次式で表わされる(図3に式中のパラメータを示す)。
T=μ・N・2・R/cosα
上記で、μ:ベルト26cとプーリ26a,26b間の摩擦係数、α:V面角度、N:プーリ推力によって押し付けられる抗力(=プーリ推力(圧力)・ピストン受圧面積)である。
尚、ベルト26cの巻き掛け半径Rはレシオ(変速比)によって決定され、レシオは車速V、スロットル開度TH、目標エンジン回転数NEなどから決定される。
上式から明らかな如く、伝達トルクTはおおよそベルト26cの巻き掛け半径Rと抗力Nによって決まり、ベルト26cの巻き掛け半径Rは抗力N(より具体的にはプーリ推力)によって決まるため、エンジン駆動力を滑りなく効率的に伝達するためには、ドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのうちのRの小さい小径側となる方のプーリ推力を管理することが重要となる。
そして変速時にはベルト26cの挟圧力(プーリ推力)を保持しながら、Rを大きくする側のプーリ26aあるいは26bに作動油(油圧)を供給することで効率的に変速することができる。
次いで、上で概説したシフトコントローラ80の動作を変速ごとに詳細に説明する。
図4は変速前の定常状態から最大レシオ(LOW)側あるいは最小レシオ(OD)側に変速する場合を示す説明図である。図4以降で、高圧PHと低圧PLの作動油の流れの方向を矢印で示すと共に、その流量(換言すれば油圧の大きさ)を矢印の大きさで示す。
最初に同図(b)に示す定常状態を説明すると、定常状態にあっては可動プーリ半体26a2,26b2に供給される作動油の圧力が一定とされることから、シフトコントローラ80は油圧ポンプ84の回転を停止させると共に、制御弁94を中立の位置にする。
CVT油圧供給機構42aは閉回路とされることから、作動油の流れは停止され、図示の状態が保持される。油圧ポンプ84と制御弁94の動作は停止されることから、不要なエネルギロスが回避される。
次いで同図(a)に示す最大レシオ(LOW)側に変速する場合を説明すると、シフトコントローラ80は、モータ86を例えば正転方向と逆の方向に所定の回転数で回転させて油圧ポンプ84を駆動し、リザーバ82から作動油を汲み上げて第2油路42a2からドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)に作動油を供給する一方、第1バイパス路42a4をリザーバ82に接続してドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)から作動油を排出させるように制御弁94の動作を制御する。
より具体的には、シフトコントローラ80は、油圧ポンプ84を介して(第2油路42a2から)供給される作動油の圧力(油圧)が所定の高圧PHとなるように油圧ポンプ84を所定の回転数で駆動すると共に、制御弁94の電磁ソレノイド94aをPWM制御するなどして、スプールを図で左に移動させ、任意の要求されるレシオが確立するように、ドライブプーリ26aから第1バイパス路42a4を通ってリザーバ82に作動油を排出(ドレン)する。
尚、目標とするレシオが一旦確立された後は、電磁弁94を中立の位置にして、油圧ポンプ84、より正確にはそれを駆動するモータ86の回転を停止することができるので、エネルギロスを回避することができ、エンジン10の燃費を向上させることができる。このときモータ86は目標とするレシオが確立された状態の高圧PHと低圧PLの圧力差を保持するトルクを維持する。
次いで同図(c)に示す最小レシオ(OD)側に変速する場合を説明すると、シフトコントローラ80は、モータ86を例えば正転方向に回転させて油圧ポンプ84を同図(a)と反対方向に駆動してリザーバ82から作動油を汲み上げさせ、第1油路42a1からドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)に前記した所定の高圧PHの作動油を供給する一方、第2バイパス路42a5をリザーバ82に接続してドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)から作動油を排出させるように制御弁94の動作を制御する。
より具体的には、シフトコントローラ80は、油圧ポンプ84を介して(第1油路42a1から)供給される作動油の圧力(油圧)が前記した所定の高圧PHとなるように油圧ポンプ84を所定の回転数で同図(a)と逆の回転方向に駆動する。
同時に、シフトコントローラ80は制御弁94の電磁ソレノイド94bの通電量をPWM制御するなどしてスプールを図で右に移動させ、任意の要求されるレシオが確立するように、ドリブンプーリ26bから第2バイパス路42a5を介してリザーバ82に排出(ドレン)される作動油の圧力(油圧)を低圧PLに制御する。
次いで図5(a)(b)を参照してレシオをLOW(最大値)に固定する場合を説明する。
レシオをLOWに固定したとき、運転状態によっては例えば停車状態から発進する場合のようにエンジン10の駆動力の増加が要求される場合がある。その際にはドリブンプーリ26bに加え、ドライブプーリ26aにも作動油を供給する必要があるが、第3、第4逆止弁96,98を設けない構成では、ドリブンプーリ26bに供給した作動油がリザーバ82にドレンされて最大レシオを保持できない。
しかしながら、この実施例においては第3、第4逆止弁96,98を設けていることから、そのような不都合が生じることがない。さらに、制御弁94(の電磁ソレノイド94b)を制御することにより、制御弁94と第1バイパス路42a4から作動油をドライブプーリ26aに供給することができる。
また、油圧ポンプ84の回転方向を反転させてドライブプーリ26aに作動油を供給することも考えられるが、その場合は油圧ポンプ84の回転方向を切り替える際に漏れが生じてしまう。
また、かかる場合においては、ドリブンプーリ26bに圧力を供給することができなくなるため、最大レシオを確実に保持することができなくなる。しかしながら、この実施例においては制御弁94を設けることで、油圧ポンプ84の回転方向を切り替えることなく、よってレシオを確実にLOWに固定しつつドライブプーリ26aに作動油を供給することができる。
即ち、複数の油圧ポンプを用いることなく、単一の油圧ポンプ84を用いてドリブンプーリ26bに供給される作動油とドライブプーリ26aに供給される作動油を調整することができるため、簡易な構成ながら確実にレシオを最大値(LOW)に固定することができる。
同図(a)を参照して説明すると、レシオをLOWに固定するには、シフトコントローラ80は、モータ86を動作させて油圧ポンプ84を駆動し、第2油路42a2からドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)に作動油を供給してレシオの最大値(LOW)を確立した後、制御弁94の電磁ソレノイド94bの通電量をPWM制御するなどしてスプールを図で右に移動させ、油路42a3から第4の逆止弁98を通って、油路42a7と第1バイパス油路42a4と第1油路42a1を介してドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)に作動油を供給するように制御弁94の動作を制御する。
即ち、シフトコントローラ80はまず、第2油路42a2からドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)に供給される作動油の圧力が最大レシオを確立する所定の高圧PHとなるように油圧ポンプ84を所定の回転数で駆動する一方、制御弁94の電磁ソレノイド94bを励磁してドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)の作動油を、第1バイパス路42a4からリザーバ82に排出(ドレン)させながら最大レシオ(LOW)を確立する。
そのとき、エンジン10の駆動力が増加される場合、即ち、ドライブプーリ26aにも作動油を供給する必要がある場合、まず油圧ポンプ84の回転数を上げて油圧ポンプ84から供給される作動油の圧力を増加させると共に、制御弁94の電磁ソレノイド94bの通電量をPWM制御するなどしてスプールを図で右に移動させ、作動油をドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)のみならず、ドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a1)にも供給する。これにより、LOW(最大レシオ)を維持しつつ、ドライブプーリ26aに制御弁94の電磁ソレノイド94aの通電量に応じた量の作動油を供給することができる。
また、同図(b)に示す如く、その状態からドライブプーリ26aに供給した作動油の圧力を必要な圧力に減圧するときには、油圧ポンプ84を停止させると共に、制御弁94の電磁ソレノイド94aの通電量を制御してスプールを図で左に移動させ、第1油路42a1と第1バイパス路42a4からの作動油のドレン量を調節すれば良い。
次いで図6(a)(b)を参照してレシオをOD(最小値)に固定する場合を説明する。
レシオをODに固定したとき、運転状態によっては例えばスロットルバルブが全開されてから全閉され、さらに再び全開されるような事態が生じることがある。その際にはドライブプーリ26aに加え、ドリブンプーリ26bにも作動油を供給する必要があるが、第3、第4逆止弁96,98を設けない構成では、ドリブンプーリ26bに供給した作動油がリザーバ82にドレンされてODを保持できない。
しかしながら、この実施例においては第3、第4逆止弁96,98を設けていることから、そのような不都合が生じることがない。さらに、制御弁94(の電磁ソレノイド94a)を制御することにより、制御弁94と第2バイパス路42a5から作動油をドリブンプーリ26bに供給することができる。
同図(a)を参照して説明すると、レシオをODに固定するには、シフトコントローラ80は、油圧ポンプ84を駆動して第1油路42a1からドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)に作動油を供給してOD(最大レシオ)を確立した後、制御弁94の電磁ソレノイド94aの通電量をPWM制御するなどしてスプールを図で左に移動させ、油路42a3から第3の逆止弁96を通って、油路42a7と第2バイパス路42a5と第2油路42a2を介してドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)に作動油を供給するように制御弁94の動作を制御する。
即ち、シフトコントローラ80はまず、第1油路42a1からドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)に供給される作動油の圧力が最大レシオを確立する所定の高圧PHとなるように油圧ポンプ84を所定の回転数で駆動する一方、制御弁94の電磁ソレノイド94aを励磁してドリブンプーリ26(の可動プーリ半体26a2)の作動油を、第2バイパス路42a5からリザーバ82に排出(ドレン)させながら最大レシオ(LOW)を確立する。
そのとき、ドリブンプーリ26bにも作動油を供給する場合、油圧ポンプ84の回転数を上げて油圧ポンプ84から供給される作動油の圧力を増加させると共に、制御弁94の電磁ソレノイド94aの通電量をPWM制御するなどしてスプールを図で左に移動させ、作動油をドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a1)のみならず、ドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26b2)にも供給する。ドリブンプーリ26bへの作動油の供給量(圧力)は、制御弁94の電磁ソレノイド94aの通電量を調整することで行なう。
これにより、OD(最大レシオ)を維持しつつ、ドリブンプーリ26bに制御弁94の電磁ソレノイド94aの通電量に応じた量の作動油を供給することができる。
また、同図(b)に示す如く、その状態からドリブンプーリ26bに供給した作動油の圧力を必要な圧力に減圧するときには、油圧ポンプ84を停止させると共に、制御弁94の電磁ソレノイド94bの通電量を制御してスプールを図で右に移動させ、第2油路42a2と第2バイパス路42a5からの作動油のドレン量を調節すれば良い。
上記した如く、この実施例に係るCVTの油圧供給制御装置においては、CVT26のレシオ(変速比)がドライブプーリ26a(の可動プーリ半体26a2)とドリブンプーリ26b(の可動プーリ26b2)に供給される作動油(の圧力)により制御され、それらドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bに供給される作動油が1個のモータ86によって駆動される油圧ポンプ84によって制御されるように構成した。
さらに、制御弁94を設けてドライブプーリ26aとドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26a2,26b2)によるクランプ圧(挟圧力)を制御すると共に、制御弁94を油圧ポンプ84の下流側(より正確にはドライブプーリ26aとドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26a2,26b2)側)に配置し、制御弁94の上流側(より正確には制御弁94と油圧ポンプ84の間)にドライブプーリ26aとドリブンプーリ26b(の可動プーリ半体26a2,26b2)からの作動油の戻りを阻止する逆止弁96,98を設けるように構成した。
それにより、ベルト26cの巻き付け径Rを大きくする側のプーリ26a(あるいは26b)には油圧ポンプ84によって作動油を直接供給するため、変速に要する時間はこの油圧ポンプ84の回転数(回転速度)が支配的になり、よって変速に要する時間を短縮することができる。
また、変速時にはベルト26cの挟圧力(プーリ推力)を保持しながら、巻き付け径Rを大きくする側のプーリ26aあるいは26bに作動油(油圧)を供給することで効率的に変速することができる。
また、その反対側の巻き付け径Rが小さい側のプーリ26a(あるいは26b)は制御弁94によって高圧PHの作動油を減圧することで圧力調整が可能な構成としたので、レシオを確実かつ容易に変化させることができると共に、エンジン10の駆動力を滑りなく駆動輪12に伝達することができる。
さらに、1個のモータ86によって駆動される1個の油圧ポンプ84とすると共に、CVT油圧供給機構42aを閉回路として構成したので、コストアップを抑えることができると共に、エンジン10の燃費の向上を図ることができ、エネルギ効率を向上させることができる。
尚、上記において制御弁94を4ポート3位置切換弁とすると共に、第1バイパス路42a4と第2バイパス路42a5は、制御弁94と第3逆止弁96とを接続する部位42a7と、制御弁94と第4逆止弁98とを接続する部位42a7とが共通にされる如く構成したが、それに限られるものではない。
例えば、図7(a)から図7(e)に模式的に示す如く、制御弁94を4ポート5位置切換弁とすると共に、第1バイパス路42a4と第2バイパス路42a5は、制御弁94と第3逆止弁96とを接続する部位42a7と、制御弁94と第4逆止弁98とを接続する部位(ここでは「42a8」とする)とを別々にするように構成しても良い。
また、上記において、制御弁94の電磁ソレノイドを通電するとスプールが吸引される構造として説明しているが、プランジャを用い、通電するとスプールが押し出される構造を用いても良い。
図8はこの発明に係る無段変速機の油圧制御装置の第2実施例を示す、図2と同様のCVT油圧供給機構420aの油圧回路図である。
第1実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第2実施例にあっては、制御弁94を第1制御弁940と第2制御弁941の2個に分割すると共に、第1、第2バイパス路42a4,42a5と第3、第4逆止弁96,98とを除去するように構成した。
これにより、構成を一層簡易にすることができるが、プーリ26a,26bの一方に作動油を供給してレシオをLOWあるいはODに固定した状態で、他方のプーリに作動油を供給しようとすると、プーリの一方から作動油が抜けてしまう不都合がある。尚、残余の構成および効果は第1実施例と異ならない。
以上述べた如く、この実施例にあっては、車両14に搭載される原動機(エンジン)10に接続されると共に、第1油圧アクチュエータ(可動プーリ半体)26a2に作動油を供給されるとき軸方向に移動自在なドライブプーリ26aと、駆動輪12に接続されると共に、第2油圧アクチュエータ(可動プーリ半体)26b2に作動油を供給されるとき軸方向に移動自在なドリブンプーリ26bと、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリの間に掛け回されるベルト26cとを備え、前記第1、第2油圧アクチュエータへの作動油の供給を制御することで前記ベルトの巻き掛け半径を変化させて変速比を最大値と最小値の間で無段階に変更可能な無段変速機(CVT)26の油圧制御装置において、前記第1油圧アクチュエータと作動油を貯留するリザーバ82とを接続する第1油路42a1,42a3と、前記第2油圧アクチュエータと前記リザーバとを接続する第2油路42a2,42a3と、前記第1油路と前記第2油路の共通部位42a3に配置され、前記リザーバに貯留された作動油を汲み上げて前記第1油路または前記第2油路に吐出可能な可逆回転型の1個の電動の油圧ポンプ84と、前記第1油路において前記リザーバと前記油圧ポンプの間に配置されて前記油圧ポンプから前記リザーバへの作動油の流れを阻止する第1逆止弁90と、前記第2油路において前記リザーバと前記油圧ポンプの間に配置されて前記油圧ポンプから前記リザーバへの作動油の流れを阻止する第2逆止弁92と、前記第1油路において前記油圧ポンプと前記第1油圧アクチュエータの間に形成される第1バイパス路42a4と、前記第2油路において前記油圧ポンプと前記第2油圧アクチュエータの間に形成される第2バイパス路42a5と、前記第1バイパス路と前記第2バイパス路の間に配置されて前記第1バイパス路と前記第2バイパス路を流れる作動油の流路と圧力を変更可能な制御弁94と、前記第1バイパス路に配置されて前記制御弁から前記油圧ポンプへの作動油の流れを阻止する第3逆止弁96と、前記第2バイパス路に配置されて前記制御弁から前記油圧ポンプへの作動油の流れを阻止する第4逆止弁98と、前記油圧ポンプと前記制御弁の動作を制御(より正確にはモータ84の動作を制御することで前記油圧ポンプ84の動作を制御すると共に、制御弁94の動作を制御)する制御器(シフトコントローラ)80とを備える如く構成したので、電動の油圧ポンプ84の個数を1個に低減することで構成を簡易にできると共に、コストアップを抑制することができる。
また油圧ポンプ84の動作を制御器(シフトコントローラ)80で制御するように構成することで、油圧ポンプ84の稼動を必要最小限に止めることが可能となり、省エネを図ることができる。また第1、第2バイパス路の共通部位に配置されて作動油の流れの方向と圧力を変更可能な制御弁94を備えると共に、その動作も制御器で制御するように構成したので、さらにドレン側などに切替弁を必要とすることなく、構成を一層簡易にすることができる。また第1から第4の逆止弁90,92,96,98を備えることで、作動油を確実に保持することが可能となる。
また、前記第1バイパス路と前記第2バイパス路は、前記制御弁94と前記第3逆止弁96とを接続する部位と、前記制御弁94と前記第4逆止弁98とを接続する部位とが(部位42a7として)共通にされる如く構成したので、上記した効果に加え、制御弁94の構造を簡易にできると共に、油路の増加を抑制することができて構成を一層簡易にすることができる。
また、前記制御器は、前記変速比(レシオ)を最小値(OD)側に変化させるとき、前記油圧ポンプ84を駆動して前記第1油路から前記第1油圧アクチュエータに作動油を供給する一方、前記第2バイパス路を前記リザーバに接続して前記第2油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁94の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧ポンプ84と制御弁94の動作を制御するだけで変速比を最小値(OD)側に確実に変化させることができる。
また、前記制御器は、前記変速比を最小値側に変化させるとき、前記油圧ポンプ94を所定の回転数で駆動して前記第1油路から前記第1油圧アクチュエータに所定の高圧PHの作動油を供給する一方、目標とする変速比に応じて前記第2油路と前記第2バイパス路を前記リザーバに接続して前記第2油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁94の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、ベルト26cの巻き付け径Rを大きくする側のプーリには油圧ポンプ84によって作動油を直接供給するため、変速に要する時間はこの油圧ポンプ84の回転数(回転速度)が支配的になることから、変速に要する時間を短縮することができる。
また、その反対側の巻き付け径Rが小さい側のプーリは、制御弁94によって圧力調整が可能な構造とすることで、原動機(エンジン)10のトルクを滑りなく駆動輪12に伝達することができる。
また、前記制御器は、前記変速比(レシオ)を最小値(OD)に固定させるとき、前記油圧ポンプ84を駆動して前記第1油路から前記第1油圧アクチュエータに作動油を供給して最小変速比を確立した後、前記第1油路から前記第3逆止弁と前記第2バイパス路と前記第2油路を介して前記第2油圧アクチュエータに作動油を供給するように前記制御弁94の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧ポンプ84と制御弁94の動作を制御するだけで変速比を最小値(OD(ハイ))に確実に固定させることができる。即ち、第1アクチュエータに供給される作動油の圧力と、第2アクチュエータに供給される作動油の圧力を、単一の油圧ポンプを用いて同時に調整することができるため、簡易な構成ながら、第2アクチュエータ側に作動油を供給する必要がある場合にあっても、変速比を最小値(OD)に確実に固定することができる。
また、前記制御器は、前記変速比(レシオ)を最大値(LOW)側に変化させるとき、前記油圧ポンプ84を駆動して前記第2油路から前記第2油圧アクチュエータに作動油を供給する一方、前記第1バイパス路を前記リザーバに接続して前記第1油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁94の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧ポンプ84と制御弁94の動作を制御するだけで変速比を最大値(LOW)側に確実に変化させることができる。
また、前記制御器は、前記変速比を最大値(LOW)側に変化させるとき、前記油圧ポンプ84を所定の回転数で駆動して前記第2油路から前記第2油圧アクチュエータに所定の高圧の作動油を供給する一方、目標とする変速比に応じて前記第1油路と前記第1バイパス路を前記リザーバに接続して前記第1油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁94の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、変速比を最小値側に変化させる場合と同様、ベルト26cの巻き付け径Rを大きくする側のプーリには油圧ポンプ84によって作動油を直接供給するため、変速に要する時間を短縮することができる。
また、その反対側の巻き付け径Rが小さい側のプーリは、制御弁94によって圧力調整が可能な構造とすることで、原動機(エンジン)10のトルクを滑りなく駆動輪12に伝達することができる。
また、前記制御器は、前記変速比(レシオ)を最大値(LOW)に固定させるとき、前記油圧ポンプ84を駆動して前記第2油路から前記第2油圧アクチュエータに作動油を供給して最大変速比を確立した後、前記第2油路から前記第4逆止弁と前記第2バイパス路と前記第1油路を介して前記第1油圧アクチュエータに作動油を供給するように前記制御弁94の動作を制御する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧ポンプ84と制御弁94の動作を制御するだけで変速比を最大値(LOW)に確実に固定させることができる。即ち、第2アクチュエータに供給される作動油の圧力と、第1アクチュエータに供給される作動油の圧力を、単一の油圧ポンプ84を用いて同時に調整することができるため、簡易な構成ながら、第1アクチュエータ側に作動油を供給する必要がある場合にあっても、変速比を最大値(LOW)に確実に固定することができる。
また、前記第1油圧アクチュエータと前記リザーバとを接続する第1油路42a1と、前記第2油圧アクチュエータと前記リザーバとを接続する第2油路42a2と、前記第1油路と前記第2油路の共通部位42a3に配置される油圧ポンプ84とで閉回路が構成されるようにしたので、上記した効果に加え、第1、第2油圧アクチュエータ以外の部材、例えばトルクコンバータ24や前進クラッチ30aなどへの油圧の給排の影響を受けることがなく、油圧ポンプの稼動を確実に必要最小限に止めることが可能となり、一層の省エネを図ることができる。
尚、上記において原動機としてエンジンを用いたが、それに限られるものではない。原動機はモータ(電動機)あるいはエンジンとモータのハイブリッドであっても良い。
また、上記実施例では、ドライブプーリとドリブンプーリの間に掛け回される動力伝達要素をベルトとして説明したが、動力伝達要素はベルトに限られるものではなく、例えばチェーンであっても良い。
また、図1に示す無段変速機の構成は例示的なものであり、種々の変形が可能である。例えばトルクコンバータ24を除去しても良く、あるいは発進クラッチを追加しても良い。
この発明によれば、第1、第2油圧アクチュエータへの作動油の供給を制御して変速比を変更可能な無段変速機の油圧制御装置において、第1、第2油圧アクチュエータとリザーバを接続する第1、第2油路と、それらの共通部位に配置される1個の電動の油圧ポンプと、第1、第2油路に配置されてリザーバへの作動油の流れを阻止する第1、第2逆止弁と、第1、第2油路に形成される第1、第2バイパス路と、それらの間に配置される制御弁と、第1、第2バイパス路に配置されて油圧ポンプへの作動油の流れを阻止する第4逆止弁と、それらの動作を制御する制御器とを備える如く構成したので、電動の油圧ポンプの個数を1個に低減することで構成を簡易にできると共に、コストアップを抑制できる。
10 エンジン(原動機)、12 駆動輪、14 車両、16 DBW機構、24 トルクコンバータ、26 無段変速機(CVT)、26a ドライブプーリ、26a2 可動プーリ半体(第1油圧アクチュエータ)、26b ドリブンプーリ、26b2 可動プーリ半体(第2油圧アクチュエータ)、30 前後進切換装置、42 油圧供給機構、42a,420a CVT油圧供給機構、42a1 第1油路、42a2 第2油路、42a3 共通部位、42a4 第1バイパス,42a5 第2バイパス路、42a6 共通部位、60 エンジンコントローラ、80 シフトコントローラ、82 リザーバ、84 油圧ポンプ、86 モータ、90 第1逆止弁、92 第2逆止弁、94 シフトコントローラ(制御器)、96 第3逆止弁、98 第4逆止弁

Claims (9)

  1. 車両に搭載される原動機に接続されると共に、第1油圧アクチュエータに作動油を供給されるとき軸方向に移動自在なドライブプーリと、駆動輪に接続されると共に、第2油圧アクチュエータに作動油を供給されるとき軸方向に移動自在なドリブンプーリと、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリの間に掛け回される動力伝達要素とを備え、前記第1、第2油圧アクチュエータへの作動油の供給を制御することで前記動力伝達要素の巻き掛け半径を変化させて変速比を無段階に変更可能な無段変速機の油圧制御装置において、前記第1油圧アクチュエータと作動油を貯留するリザーバとを接続する第1油路と、前記第2油圧アクチュエータと前記リザーバとを接続する第2油路と、前記第1油路と前記第2油路の共通部位に配置され、前記リザーバに貯留された作動油を汲み上げて前記第1油路または前記第2油路に吐出可能な可逆回転型の1個の電動の油圧ポンプと、前記第1油路において前記リザーバと前記油圧ポンプの間に配置されて前記油圧ポンプから前記リザーバへの作動油の流れを阻止する第1逆止弁と、前記第2油路において前記リザーバと前記油圧ポンプの間に配置されて前記油圧ポンプから前記リザーバへの作動油の流れを阻止する第2逆止弁と、前記第1油路において前記油圧ポンプと前記第1油圧アクチュエータの間に形成される第1バイパス路と、前記第2油路において前記油圧ポンプと前記第2油圧アクチュエータの間に形成される第2バイパス路と、前記第1バイパス路と前記第2バイパス路の間に配置されて前記第1バイパス路と前記第2バイパス路を流れる作動油の流路と圧力を変更可能な制御弁と、前記第1バイパス路に配置されて前記制御弁から前記油圧ポンプへの作動油の流れを阻止する第3逆止弁と、前記第2バイパス路に配置されて前記制御弁から前記油圧ポンプへの作動油の流れを阻止する第4逆止弁と、前記油圧ポンプと前記制御弁の動作を制御する制御器とを備えたことを特徴とする無段変速機の油圧制御装置。
  2. 前記第1バイパス路と前記第2バイパス路は、前記制御弁と前記第3逆止弁とを接続する部位と、前記制御弁と前記第4逆止弁とを接続する部位とが共通にされることを特徴とする請求項1記載の無段変速機の油圧制御装置。
  3. 前記制御器は、前記変速比を最小値側に変化させるとき、前記油圧ポンプを駆動して前記第1油路から前記第1油圧アクチュエータに作動油を供給する一方、前記第2バイパス路を前記リザーバに接続して前記第2油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁の動作を制御することを特徴とする請求項1または2記載の無段変速機の油圧制御装置。
  4. 前記制御器は、前記変速比を最小値側に変化させるとき、前記油圧ポンプを所定の回転数で駆動して前記第1油路から前記第1油圧アクチュエータに所定の高圧の作動油を供給する一方、目標とする変速比に応じて前記第2油路と前記第2バイパス路を前記リザーバに接続して前記第2油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁の動作を制御することを特徴とする請求項3記載の無段変速機の油圧制御装置。
  5. 前記制御器は、前記変速比を最小値に固定させるとき、前記油圧ポンプを駆動して前記第1油路から前記第1油圧アクチュエータに作動油を供給して最小変速比を確立した後、前記第1油路から前記第3逆止弁と前記第2バイパス路と前記第2油路を介して前記第2油圧アクチュエータに作動油を供給するように前記制御弁の動作を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の無段変速機の油圧制御装置。
  6. 前記制御器は、前記変速比を最大値側に変化させるとき、前記油圧ポンプを駆動して前記第2油路から前記第2油圧アクチュエータに作動油を供給する一方、前記第1バイパス路を前記リザーバに接続して前記第1油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁の動作を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の無段変速機の油圧制御装置。
  7. 前記制御器は、前記変速比を最大値側に変化させるとき、前記油圧ポンプを所定の回転数で駆動して前記第2油路から前記第2油圧アクチュエータに所定の高圧の作動油を供給する一方、目標とする変速比に応じて前記第1油路と前記第1バイパス路を前記リザーバに接続して前記第1油圧アクチュエータから作動油を排出させるように前記制御弁の動作を制御することを特徴とする請求項6記載の無段変速機の油圧制御装置。
  8. 前記制御器は、前記変速比を最大値に固定させるとき、前記油圧ポンプを駆動して前記第2油路から前記第2油圧アクチュエータに作動油を供給して最大変速比を確立した後、前記第2油路から前記第4逆止弁と前記第1バイパス路と前記第1油路を介して前記第1油圧アクチュエータに作動油を供給するように前記制御弁の動作を制御することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の無段変速機の油圧制御装置。
  9. 前記第1油圧アクチュエータと前記リザーバとを接続する第1油路と、前記第2油圧アクチュエータと前記リザーバとを接続する第2油路と、前記第1油路と前記第2油路の共通部位に配置される油圧ポンプとで閉回路が構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の無段変速機の油圧制御装置。
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