JP5464069B2 - グロメットの車体取付構造 - Google Patents
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Description
この種のグロメットとして、ゴムまたはエラストマー等の弾性体のみからなる一体物のグロメットと、弾性体からなるグロメット本体に樹脂成形品の樹脂インナーを組み合わせた二体物のグロメットと、弾性体からなるグロメット本体に金属板を被せ、グロメット本体に穿設している取付穴を通し、金属板と車体との間にグロメット本体を挟んでボルト締結するものがある。
前記金属板をグロメット本体に当接してボルト締めするグロメットは、車体に対してグロメットを強固に固定できる利点を有する。よって、ワイヤハーネスが大径化し、車体に設ける貫通穴も大径化する場合、弾性体からなるグロメットに設けた車体係止溝に貫通穴周縁を係止するだけでは均一に負荷をかけて係止しにくく、シール性を確保しにくい等の問題があるため、ボルト締めグロメットが用いられる場合がある。
車体パネルPへのグロメットの取付は、グロメット本体100に挿通したワイヤハーネスW/Hを車体パネルPの貫通穴Pcに通し、グロメット本体100と金属板110の下端に設けた係止溝111を車体パネルの係止片Paに係止し、ついで、ボルト120をボルト穴112、Pbに挿入して締結している。
しかしながら、ボルト120による固定はグロメット本体100の上端側の1カ所だけであり、下端を係止片Paに係止溝111を引っかけているだけである。よって、ボルト120により締結した上端側の周縁ではグロメット本体100のフランジ部100aを車体パネルPに密着させ、シールリップを押し潰してシール性を確保することができる。しかし、ボルト120による締結箇所から離れた部分、特に、係止片Paに引っかけているだけの下部では、フランジ部100aを車体パネルPに密着させる力が負荷されておらず、シールリップ100bが車体パネルPに押し付けられていない。そのため、車体パネルPとの間に隙間が発生し、止水性を確保することができない。
前記車体から突設されるスタッドボルトが挿入されるボルト穴を前記グロメット本体および前記固定板の周縁に連通して設けており、
前記スタッドボルトにナットが締結できない位置に、頭部付きスタッドボルトを突設する一方、
該頭部付きスタッドボルトの突設位置と対応位置の前記固定板に傾斜部を設けると共に、該傾斜部に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を横入れする溝を開口し、
前記スタッドボルトにグロメット本体および固定板のボルト穴を通してナットで締め付ける作業時に前記シールリップを押し潰す反力を利用して前記固定板の傾斜部を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に係止させるグロメットの車体取付構造を提供している。
前記グロメット本体のフランジ部の反車体側に被せる平板形状の固定板と、
前記固定体に取り付ける屈折した取付部材とを備えたグロメットを用い、
前記車体から突設されるスタッドボルトが挿入されるボルト穴を前記グロメット本体および前記固定板の周縁および前記取付部材の一側部に連通して設けており、
前記スタッドボルトにナットが締結できない位置に、頭部付きスタッドボルトを突設する一方、
該頭部付きスタッドボルトの突設位置と対応位置の前記取付部材に傾斜部を設け、該傾斜部に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を横入れする溝を開口し、
前記スタッドボルトにグロメット本体、固定板および取付部材のボルト穴を通してナットで締め付ける作業時に前記シールリップを押し潰す反力を利用して前記取付部材の傾斜部を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に係止させるグロメットの車体取付構造を提供している。
自動車のエンジンルーム(X)から車室(Y)へと配索されるワイヤハーネスW/Hにグロメット1を外装し、ダッシュパネルからなる車体50に穿設した貫通穴51にワイヤハーネスW/Hを挿通し、グロメット1を車体50のエンジンルーム側面50a(以下、車室外面50aと称す)にグロメット1をボルト・ナットで固定している。
該グロメット1の固定は、貫通穴51を囲む周縁の車体50にスタッドボルト55を突設し、該スタッドボルト55をグロメット1に設けたボルト穴に通し、該スタッドボルト55の突出部分にナット57を締結して、グロメット1で貫通穴51を塞ぐように車体50に固定している。
グロメット本体2は、ワイヤハーネスを挿通する筒部3と、該筒部3の一端に連続する拡径筒部4と、該拡径筒部4の先端開口の周縁より外径方向に突出する略菱形形状のフランジ部5と、フランジ部5の車体当接側の外周縁に沿ってシールリップ6を突設している。
前記菱形形状のフランジ部5の4つの頂点は円弧形状としており、上、左、右の3つの頂点に近接した位置にそれぞれボルト穴8(8a、8b、8c)を設けている。また、下頂点には、下端開口のU形状の溝9を設けている。前記シールリップ6は溝9より内方(上方)に設けている。
前記固定板10の傾斜部16の先端となる下端中央に、下端開口のU形状の溝13を設け、該溝13が前記フランジ部5の溝9に連通するようにしている。
前記固定板10の傾斜部16は、フランジ部5から傾斜部16を離反させている。なお、フランジ部5の下部も傾斜部16と共に傾斜させてもよい。
前記スタッドボルト55Bはグロメット本体2のボルト穴8b、固定板10のボルト穴11bに通すものである。
前記スタッドボルト55Cはグロメット本体2のボルト穴8c、固定板10のボルト穴11cに通すものである。
車体50の貫通穴51にエンジンルーム側からワイヤハーネスW/Hを貫通させる。グロメット1が貫通穴51に近接すると、前記グロメット本体2と固定板10との連通したボルト穴にぞれぞれスタッドボルト55を通す。また、頭部付きスタッドボルト60にグロメット本体2の溝9と固定板10の溝13を通す。
第2実施形態のグロメット1は、グロメット本体2に固定板10、取付部材30を組み合わせている。
グロメット本体2は第1実施形態と同形状としているが、第2実施形態の固定板10は下部を屈折させていない平板状としている点を相違させており、他の構成は第1実施形態の固定板と同様としている。
取付部材30の下側部30bに下端から切り欠いた溝30dを設け、グロメット本体の溝9、固定板10の溝13と連通させ、頭部付きスタッドボルト60を挿通させるようにしている。
他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
2 グロメット本体
3 筒部
4 拡径筒部
5 フランジ部
6 シールリップ
8、11 ボルト穴
9、13 頭部付きスタッドボルト用の溝
10 固定板
15 屈曲ライン
16 傾斜部
50 車体
51 貫通穴
55(55A〜55C) スタッドボルト
57 ナット
60 頭部付きスタッドボルト
Claims (4)
- 車両に配索されるワイヤハーネスを挿通する筒部と、該筒部の一端より外径方向に突出するフランジ部と、フランジ部の車体当接側に突設しているシールリップを有するゴムまたはエラストマーからなるグロメット本体と、該グロメット本体のフランジ部の反車体側に被せる固定板とからなるグロメットを用い、
前記車体から突設されるスタッドボルトが挿入されるボルト穴を前記グロメット本体および前記固定板の周縁に連通して設けており、
前記スタッドボルトにナットが締結できない位置に、頭部付きスタッドボルトを突設する一方、
該頭部付きスタッドボルトの突設位置と対応位置の前記固定板に傾斜部を設けると共に、該傾斜部に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を横入れする溝を開口し、
前記スタッドボルトにグロメット本体および固定板のボルト穴を通してナットで締め付ける作業時に前記シールリップを押し潰す反力を利用して前記固定板の傾斜部を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に係止させるグロメットの車体取付構造。 - 前記固定板は環状とした金属板または剛性を有する樹脂板からなり、前記グロメット本体のフランジ部に取り付け、かつ、前記グロメット本体のフランジ部および固定板は頂点部を円弧形状とした菱形状とし、4隅のうちの3つの隅部にボルト穴を設けていると共に、残りの1つは円弧形状の溝とし、該溝に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を通す構成としている請求項1に記載のグロメットの車体取付構造。
- 前記固定板は下端の溝を含む下部を屈折させて前記傾斜部とすると共に上部を垂直な非傾斜部とし、前記傾斜部を車体と平行配置すると共に非傾斜部を車体から離れる方向に傾斜させ、この状態でボルト穴にスタッドボルトを通してナットを締めつけて前記固定板を反転させ、前記非傾斜部をグロメット本体に圧接させて前記シールリップを押し潰すと共に前記傾斜部を傾斜させ、その先端を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に圧接させて固定している請求項2に記載のグロメットの車体取付構造。
- 車両に配索されるワイヤハーネスを挿通する筒部と、該筒部の一端より外径方向に突出するフランジ部と、フランジ部の車体当接側に突設しているシールリップを有するゴムまたはエラストマーからなるグロメット本体と、
前記グロメット本体のフランジ部の反車体側に被せる平板形状の固定板と、
前記固定板に取り付ける屈折した取付部材とを備えたグロメットを用い、
前記車体から突設されるスタッドボルトが挿入されるボルト穴を前記グロメット本体および前記固定板の周縁に間隔をあけて設けていると共に前記取付部材の一側部に設けており、
前記スタッドボルトにナットが締結できない位置に、頭部付きスタッドボルトを突設する一方、
該頭部付きスタッドボルトの突設位置と対応位置の前記取付部材に傾斜部を設け、該傾斜部に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を横入れする溝を開口し、
前記スタッドボルトにグロメット本体、固定板および取付部材のボルト穴を通してナットで締め付ける作業時に前記シールリップを押し潰す反力を利用して前記取付部材の傾斜部を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に係止させるグロメットの車体取付構造。
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