JP5464069B2 - グロメットの車体取付構造 - Google Patents

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Description

本発明はグロメットの車体取付構造に関し、詳しくは、車両に配索するワイヤハーネスに外装して車体の貫通穴へ装着し、防水、防塵、遮音を図るボルト締めグロメットを用いて、特に、ボルト締め箇所から離れた部位の止水性能の向上を図るものである。
自動車の車体に設けた貫通穴を通してワイヤハーネスを配索する場合、貫通穴の挿通箇所のワイヤハーネスにグロメットを外装し、防水、防塵、遮音を図っている。
この種のグロメットとして、ゴムまたはエラストマー等の弾性体のみからなる一体物のグロメットと、弾性体からなるグロメット本体に樹脂成形品の樹脂インナーを組み合わせた二体物のグロメットと、弾性体からなるグロメット本体に金属板を被せ、グロメット本体に穿設している取付穴を通し、金属板と車体との間にグロメット本体を挟んでボルト締結するものがある。
前記した各種のグロメットは夫々長所と短所とを有し、ワイヤハーネスの配索環境に対応して用いている。
前記金属板をグロメット本体に当接してボルト締めするグロメットは、車体に対してグロメットを強固に固定できる利点を有する。よって、ワイヤハーネスが大径化し、車体に設ける貫通穴も大径化する場合、弾性体からなるグロメットに設けた車体係止溝に貫通穴周縁を係止するだけでは均一に負荷をかけて係止しにくく、シール性を確保しにくい等の問題があるため、ボルト締めグロメットが用いられる場合がある。
この種のボルト締めグロメットを用いた車体取付構造を、本出願人は特開2002−233034号公報で提供している。該グロメットの車体取付構造は、図8(A)(B)に示すように、車体パネルPには、穿設した貫通穴Pcより下方にL形状の係止片Paを設けると共に上方にボルト穴Pbを設けている。一方、弾性体からなるグロメット本体100および該グロメット本体100のフランジ部100aに被せて組みつける金属板110の下端に前記係止片Paを係止する係止溝111を設けると共に、ボルト穴Pbに連通するボルト穴112を設けている。また、フランジ部100aの車体当接面にシールリップ100bを突設している。
車体パネルPへのグロメットの取付は、グロメット本体100に挿通したワイヤハーネスW/Hを車体パネルPの貫通穴Pcに通し、グロメット本体100と金属板110の下端に設けた係止溝111を車体パネルの係止片Paに係止し、ついで、ボルト120をボルト穴112、Pbに挿入して締結している。
前記図8に示すグロメットの車体取付構造は、廃車時において、グロメットを車体から簡単に取り外しできるようにして、リサイクル性を向上させている。
しかしながら、ボルト120による固定はグロメット本体100の上端側の1カ所だけであり、下端を係止片Paに係止溝111を引っかけているだけである。よって、ボルト120により締結した上端側の周縁ではグロメット本体100のフランジ部100aを車体パネルPに密着させ、シールリップを押し潰してシール性を確保することができる。しかし、ボルト120による締結箇所から離れた部分、特に、係止片Paに引っかけているだけの下部では、フランジ部100aを車体パネルPに密着させる力が負荷されておらず、シールリップ100bが車体パネルPに押し付けられていない。そのため、車体パネルPとの間に隙間が発生し、止水性を確保することができない。
前記した問題は、車体パネルの貫通穴より下方も上方と同様に、グロメット本体と金属板とをボルトで締結すると解消可能である。しかしながら、下方をボルト締めする場合、あるいは、図9に示すように車体パネルPから突設したスタッドボルト130をグロメット本体100と金属板110に設けたボルト穴に通しナット140を締結する場合、作業スペースが取れなかったり、ブラインド(めくら)作業になることが多い。
特開2002−233034号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、ボルト締め(又はナット締め)の作業スペースが取れなかったり、ブラインド作業になる場合に、当該作業スペースが取れない箇所に対して、ボルトまたはナットの締結作業を行うことなく、車体に対するシール性を確保できるグロメットの車体取付構造を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、第1の発明として、車両に配索されるワイヤハーネスを挿通する筒部と、該筒部の一端より外径方向に突出するフランジ部と、フランジ部の車体当接側に突設しているシールリップを有するゴムまたはエラストマーからなるグロメット本体と、該グロメット本体のフランジ部の反車体側に被せる固定板とからなるグロメットを用い、
前記車体から突設されるスタッドボルトが挿入されるボルト穴を前記グロメット本体および前記固定板の周縁に連通して設けており、
前記スタッドボルトにナットが締結できない位置に、頭部付きスタッドボルトを突設する一方、
該頭部付きスタッドボルトの突設位置と対応位置の前記固定板に傾斜部を設けると共に、該傾斜部に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を横入れする溝を開口し、
前記スタッドボルトにグロメット本体および固定板のボルト穴を通してナットで締め付ける作業時に前記シールリップを押し潰す反力を利用して前記固定板の傾斜部を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に係止させるグロメットの車体取付構造を提供している。
前記固定板は下端の溝を含む下部を屈折させて前記傾斜部とすると共に上部を垂直な非傾斜部とし、傾斜部を垂直向きとしてグロメット本体に重ねると共に非傾斜部をグロメット本体から離れる方向に傾斜させ、この状態でボルト穴にスタッドボルトを通してナットを締めつけて前記固定板を反転させ、非傾斜部をグロメット本体に圧接させて前記シールリップを押し潰すと共に、前記傾斜部を傾斜させ、その先端を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に圧接させて固定している。
前記固定板は環状とした金属板または剛性を有する樹脂板からなり、前記グロメット本体のフランジ部に設けた環状の凹部に嵌め込んで固定して取り付けていることが好ましい。
前記グロメット本体のフランジ部および固定板は頂点部を円弧形状とした菱形状とし、4隅のうちの3つの隅部にボルト穴を設けていると共に、残りの1つは円弧形状の溝とし、該溝に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を通す構成としていることが好ましい。
また、第2の発明として、車両に配索されるワイヤハーネスを挿通する筒部と、該筒部の一端より外径方向に突出するフランジ部と、フランジ部の車体当接側にシールリップを突設しているゴムまたはエラストマーからなるグロメット本体と、
前記グロメット本体のフランジ部の反車体側に被せる平板形状の固定板と、
前記固定体に取り付ける屈折した取付部材とを備えたグロメットを用い、
前記車体から突設されるスタッドボルトが挿入されるボルト穴を前記グロメット本体および前記固定板の周縁および前記取付部材の一側部に連通して設けており、
前記スタッドボルトにナットが締結できない位置に、頭部付きスタッドボルトを突設する一方、
該頭部付きスタッドボルトの突設位置と対応位置の前記取付部材に傾斜部を設け、該傾斜部に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を横入れする溝を開口し、
前記スタッドボルトにグロメット本体、固定板および取付部材のボルト穴を通してナットで締め付ける作業時に前記シールリップを押し潰す反力を利用して前記取付部材の傾斜部を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に係止させるグロメットの車体取付構造を提供している。
本発明のグロメットを取り付ける車体は、自動車のエンジンルームと車室を仕切るダッシュパネルまたはフロアパネルであり、該ダッシュパネルまたはフロアパネルに設けた貫通穴に通すワイヤハーネスに前記グロメットを外装している。
前記本発明のグロメットの取付構造では、グロメットのボルト穴に挿通するスタッドボルトにナットを締め付けることができない箇所では、頭部付きスタッドボルトにグロメットの固定板または取付部材を圧接することで、グロメットを車体にガタつきなく強固に固定できる。しかも、グロメットの固定板または取付部材を頭部付きスタッドボルトに圧接する力は、グロメット本体に設けたシールリップを車体に押し潰す反力を利用して行い、シールリップを車体に確実に圧接しているため、貫通穴を通して浸水が生じるのを防止でき、止水性能を高めることができる。
本発明の第1実施形態を示す断面図である。 前記第1実施形態で用いるグロメットの側面図である。 図2に示すグロメットの要部断面図である。 前記グロメットを固定する車体の要部斜視図である。 前記グロメットを車体に固定する工程を示す図面である。 第2実施形態で用いるグロメットを示し、(A)は斜視図、(B)は取付部材の斜視図である。 (A)(B)は第2実施形態のグロメットの車体取付工程を示す図面である。 (A)(B)は従来例を示す図面である。 他の従来例を示す図面である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
自動車のエンジンルーム(X)から車室(Y)へと配索されるワイヤハーネスW/Hにグロメット1を外装し、ダッシュパネルからなる車体50に穿設した貫通穴51にワイヤハーネスW/Hを挿通し、グロメット1を車体50のエンジンルーム側面50a(以下、車室外面50aと称す)にグロメット1をボルト・ナットで固定している。
該グロメット1の固定は、貫通穴51を囲む周縁の車体50にスタッドボルト55を突設し、該スタッドボルト55をグロメット1に設けたボルト穴に通し、該スタッドボルト55の突出部分にナット57を締結して、グロメット1で貫通穴51を塞ぐように車体50に固定している。
グロメット1は、ゴムまたはエラストマーで成形したグロメット本体2と、金属板からなる固定板10とを組み合わせてなる。
グロメット本体2は、ワイヤハーネスを挿通する筒部3と、該筒部3の一端に連続する拡径筒部4と、該拡径筒部4の先端開口の周縁より外径方向に突出する略菱形形状のフランジ部5と、フランジ部5の車体当接側の外周縁に沿ってシールリップ6を突設している。
また、グロメット本体2のフランジ部5には、シールリップ6を突設している車体当接側と反対面に前記固定板10を被せると共に、グロメット本体2に設けた環状凹部2aに固定板10の凸部10vを嵌合して固定している。
前記菱形形状のフランジ部5の4つの頂点は円弧形状としており、上、左、右の3つの頂点に近接した位置にそれぞれボルト穴8(8a、8b、8c)を設けている。また、下頂点には、下端開口のU形状の溝9を設けている。前記シールリップ6は溝9より内方(上方)に設けている。
なお、自動車には、前記溝9を設けたグロメット1の下端部分を車体50に固定するためにナットを締結する作業スペースはない。一方、他のボルト穴8に通す前記スタッドボルト55にナット57を締結する作業スペースがある。
グロメット1の固定板10は金属板からなり、前記フランジ部5と同様な菱形形状として外嵌している。また、固定板10の中央に貫通穴10hを設けた環状とし、貫通穴10hに拡径筒部4を通している。該固定板10の上、左、右の隅部には、ボルト穴11(11a、11b、11c)を設け、固定板10をフランジ部5に嵌合した状態で、フランジ部5のボルト穴8(8a、8b、8c)とそれぞれ連通させている。
前記固定板10は左右両端のボルト穴11b、11cを形成した位置よりも下側位置で幅方向の全長にかけて屈曲ライン15を設け、該屈曲ライン15より下端にかけて120〜160度の範囲で屈曲させた傾斜部16としている。該固定板10において、前記傾斜部16以外の部分を、以下に、非傾斜部17と称す。
前記固定板10の傾斜部16の先端となる下端中央に、下端開口のU形状の溝13を設け、該溝13が前記フランジ部5の溝9に連通するようにしている。
前記固定板10の傾斜部16は、フランジ部5から傾斜部16を離反させている。なお、フランジ部5の下部も傾斜部16と共に傾斜させてもよい。
グロメット1を固定する車体50側には、図4に示すように、貫通穴51の上方中央にスタッドボルト55Aを突設し、貫通穴51の左右両側にスタッドボルト55B、55Cを突設している。また、貫通穴51の下方中央に頭部付きのスタッドボルト60を突設している。前記スタッドボルト55(55A〜55C)の軸部55aはネジ軸からなり、軸部の先端に頭部を設けていない。一方、下端に突設するスタッドボルト60は軸部60aの外周面にネジが刻設されておらず、該軸部60aの先端に頭部60bを設けている。
前記スタッドボルト55Aはグロメット本体2のボルト穴8a、固定板10のボルト穴11aに通すものである。
前記スタッドボルト55Bはグロメット本体2のボルト穴8b、固定板10のボルト穴11bに通すものである。
前記スタッドボルト55Cはグロメット本体2のボルト穴8c、固定板10のボルト穴11cに通すものである。
貫通穴51の下方に突設するスタッドボルト60は、グロメット本体2の溝9と、固定板10の溝13に軸部60aを通し、頭部60bを固定板10の溝13の外周部分に係止するものである。
つぎに、前記グロメット1をワイヤハーネスW/Hに装着し、該ワイヤハーネスW/Hを自動車に配索して車体50の貫通穴51に通し、グロメット1を貫通穴51を閉鎖するように車体50に固定する作業について説明する。
まず、グロメット1はグロメット本体2のフランジ部5に固定板10の非傾斜部17を外嵌して仮組みつけしておく。この状態で、グロメット本体2のボルト穴8aと固定板10のボルト穴11aが連通し、ボルト穴8bとボルト穴11bが連通し、ボルト穴8cとボルト穴11cが連通する。かつ、溝9と溝13とが間隔をあけて連通する位置となる。
前記のように組み立てたグロメット1のグロメット本体2の筒部3を拡げ治具(図示せず)で拡げながらワイヤハーネスW/Hを貫通させる。貫通後に筒部3の先端とワイヤハーネスW/Hとに粘着テープTを巻き付けて、ワイヤハーネスW/Hにグロメット1を固定する。
前記のようにグロメット1を取り付けたワイヤハーネスW/Hを自動車に配索する。図4に示すように、車体50に穿設した貫通穴51の周縁にはエンジンルーム(X)側に向けてスタッドボルト55(55A〜55C)および頭部付きスタッドボルト60を突設している。
車体50の貫通穴51にエンジンルーム側からワイヤハーネスW/Hを貫通させる。グロメット1が貫通穴51に近接すると、前記グロメット本体2と固定板10との連通したボルト穴にぞれぞれスタッドボルト55を通す。また、頭部付きスタッドボルト60にグロメット本体2の溝9と固定板10の溝13を通す。
スタッドボルト55、60をそれぞれボルト穴と溝とに通した状態で、図5(A)に示すように、固定板10の傾斜部16をフランジ部5と共に車体50に当接させ、それに伴って、固定板10の上部側の非傾斜部17および該非傾斜部17を被せたフランジ部5の上部を車体50から離れる方向に傾斜させる。
この状態で、スタッドボルト55(55A、55B、55C)にナット57を夫々締結し、固定板10の非傾斜部17およびフランジ部5の上部を車体50側へと回転させていく。さらに、ナット57の締め付けによりフランジ部5に負荷をかけて反対面に突設したシールリップ6を潰して車体50に圧接させる。
前記傾斜させた非傾斜部17をスタッドボルト55にナット57を締め付けて、屈曲ライン15を支点として垂直向きに回転させる力で、屈曲ライン15より下部の垂直方向としていた傾斜部16を車体50より離れた方向に傾斜していく。このように固定板10の傾斜部16が傾斜していくと、該傾斜部16の下端に溝13を設けているため、溝13の周縁が頭部付きスタッドボルト60の頭部60bに軸部60a側から圧接する。かつ、この圧接力は屈曲ライン15を支点とするテコの原理により増強され、図5(B)に示すように、固定板10の溝13を設けた下端側は頭部付きスタッドボルト60で強固に圧接固定されることとなる。
また、前記のようにスタッドボルト55にナット57を締め付け、固定板10とグロメット本体2のフランジ部5を車体50へと押圧することで、車体50に接するシールリップ6を車体50に押し潰すと共に、固定板10の溝13より上方に位置するシールリップ6も押し潰して車体50に圧接させる。よって、固定板10の下部の傾斜部16がフランジ部5から離れても、車体の貫通穴51を囲む全周でシールリップ6が押し潰されていることで、止水性能を向上させることができる。
また、貫通穴51の下方でナットを締め付ける作業を行うことができないが、前記したグロメット本体の溝9と固定板10の溝13とに頭部付きスタッドボルト60を通しておくだけでよく、他のスタッドボルト55にナット57を締め付けていく際の反力を利用して、固定板10の方をスタッドボルト60の頭部60bに強い力で圧接して固定することができる。
図6および図7に第2実施形態を示す。
第2実施形態のグロメット1は、グロメット本体2に固定板10、取付部材30を組み合わせている。
グロメット本体2は第1実施形態と同形状としているが、第2実施形態の固定板10は下部を屈折させていない平板状としている点を相違させており、他の構成は第1実施形態の固定板と同様としている。
固定板10を平板としている代わりに、上側部30aと下側部30bとを120〜160度で屈曲させたL形状の取付部材30を組み合わせている。該取付部材30の上側部30aに、グロメット本体2のフランジ部の左側に設けるボルト穴8b、固定板10の左側のボルト穴11bに連通するボルト穴30cを設けている。なお、右側のボルト穴8c、11cと連通するボルト穴としてもよい。
取付部材30の下側部30bに下端から切り欠いた溝30dを設け、グロメット本体の溝9、固定板10の溝13と連通させ、頭部付きスタッドボルト60を挿通させるようにしている。
他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
前記グロメットは、グロメット本体2のフランジ部5に平板形状の固定板10を嵌合固定する。この固定板10を車体50から突設したスタッドボルト55に取り付ける際に、先に固定板10およびグロメット本体2の連通したボルト穴8aと11a、8bと11b、8cと11cにスタッドボルト55を夫々通す。かつ、溝9と13に頭部付きスタッドボルト60を通す。ついで、取付部材30のボルト穴30cにスタッドボルト55Bを通し、溝30dに頭部付きスタッドボルト60を通す。
ついで、第1実施形態と同様に、ボルト穴8a、11aに通したスタッドボルトおよび、ボルト穴8c、11cに通したスタッドボルトにそれぞれナットを締め付けて、グロメット本体2に設けたシールリップ6を車体50に押し潰す。
取付部材30は、図7(A)に示すように、下側部30bを固定板10に密着させ、上側部30aは固定板10より離すように傾斜させる。傾斜させた上側部30aのボルト穴30cに通したスタッドボルト55Bにナット57bを締め付けていくと、上側部30aが固定板10に密着するように回転する。よって、図7(B)に示すように、下側部30bが固定板10より離れる方向に傾斜し、頭部付きスタッドボルト60の頭部60bに圧接する。
このように、固定板10を傾斜させる代わりに、傾斜させた取付部材30を用いることで、ナット締めを行えない箇所に、頭部付きスタッドボルト60を用いてグロメットを固定することができる。
本発明は前記実施形態に限定されず、フロア下方を配索するワイヤハーネスをフロアに設けた貫通穴を通して配索する場合において、前記貫通穴を塞ぐようにフロア下面に固定してもよい。
1 グロメット
2 グロメット本体
3 筒部
4 拡径筒部
5 フランジ部
6 シールリップ
8、11 ボルト穴
9、13 頭部付きスタッドボルト用の溝
10 固定板
15 屈曲ライン
16 傾斜部
50 車体
51 貫通穴
55(55A〜55C) スタッドボルト
57 ナット
60 頭部付きスタッドボルト

Claims (4)

  1. 車両に配索されるワイヤハーネスを挿通する筒部と、該筒部の一端より外径方向に突出するフランジ部と、フランジ部の車体当接側に突設しているシールリップを有するゴムまたはエラストマーからなるグロメット本体と、該グロメット本体のフランジ部の反車体側に被せる固定板とからなるグロメットを用い、
    前記車体から突設されるスタッドボルトが挿入されるボルト穴を前記グロメット本体および前記固定板の周縁に連通して設けており、
    前記スタッドボルトにナットが締結できない位置に、頭部付きスタッドボルトを突設する一方、
    該頭部付きスタッドボルトの突設位置と対応位置の前記固定板に傾斜部を設けると共に、該傾斜部に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を横入れする溝を開口し、
    前記スタッドボルトにグロメット本体および固定板のボルト穴を通してナットで締め付ける作業時に前記シールリップを押し潰す反力を利用して前記固定板の傾斜部を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に係止させるグロメットの車体取付構造。
  2. 前記固定板は環状とした金属板または剛性を有する樹脂板からなり、前記グロメット本体のフランジ部に取り付け、かつ、前記グロメット本体のフランジ部および固定板は頂点部を円弧形状とした菱形状とし、4隅のうちの3つの隅部にボルト穴を設けていると共に、残りの1つは円弧形状の溝とし、該溝に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を通す構成としている請求項1に記載のグロメットの車体取付構造。
  3. 前記固定板は下端の溝を含む下部を屈折させて前記傾斜部とすると共に上部を垂直な非傾斜部とし、前記傾斜部を車体と平行配置すると共に非傾斜部を車体から離れる方向に傾斜させ、この状態でボルト穴にスタッドボルトを通してナットを締めつけて前記固定板を反転させ、前記非傾斜部をグロメット本体に圧接させて前記シールリップを押し潰すと共に前記傾斜部を傾斜させ、その先端を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に圧接させて固定している請求項2に記載のグロメットの車体取付構造。
  4. 車両に配索されるワイヤハーネスを挿通する筒部と、該筒部の一端より外径方向に突出するフランジ部と、フランジ部の車体当接側に突設しているシールリップを有するゴムまたはエラストマーからなるグロメット本体と、
    前記グロメット本体のフランジ部の反車体側に被せる平板形状の固定板と、
    前記固定板に取り付ける屈折した取付部材とを備えたグロメットを用い、
    前記車体から突設されるスタッドボルトが挿入されるボルト穴を前記グロメット本体および前記固定板の周縁に間隔をあけて設けていると共に前記取付部材の一側部に設けており、
    前記スタッドボルトにナットが締結できない位置に、頭部付きスタッドボルトを突設する一方、
    該頭部付きスタッドボルトの突設位置と対応位置の前記取付部材に傾斜部を設け、該傾斜部に前記頭部付きスタッドボルトの軸部を横入れする溝を開口し、
    前記スタッドボルトにグロメット本体、固定板および取付部材のボルト穴を通してナットで締め付ける作業時に前記シールリップを押し潰す反力を利用して前記取付部材の傾斜部を前記頭部付きスタッドボルトの頭部に係止させるグロメットの車体取付構造。
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