JP2000085395A - ボディパネルの変速機コントロールケーブル貫通構造 - Google Patents

ボディパネルの変速機コントロールケーブル貫通構造

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JP2000085395A
JP2000085395A JP10262044A JP26204498A JP2000085395A JP 2000085395 A JP2000085395 A JP 2000085395A JP 10262044 A JP10262044 A JP 10262044A JP 26204498 A JP26204498 A JP 26204498A JP 2000085395 A JP2000085395 A JP 2000085395A
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retainer
grommet
fixed
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Yoshihisa Kato
嘉久 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネル開口部を塞ぐグロメットの全周のシー
ル状態を良好にする。 【解決手段】 変速機コントロールケーブル5が貫通す
るケーブル開口部3はグロメット9で塞がれている。グ
ロメット9はボディパネル1に対して2つの締め付け点
x1,x2で固定される。固定ラインLの両側ではリテ
ーナ縁部までのオフセット距離が異なっている(OS1
>OS2)。リテーナプレート13は、オフセット距離
が大きい側において、ボディパネル1に向かって傾斜し
ている。従って、リテーナの固定時、リテーナプレート
13が反り返るように弾性変形し、オフセット距離が大
きい側のリテーナ縁部領域zのシール力が増大する。そ
の結果、固定ラインLの両側で、グロメット9をボディ
パネル1に押し付ける力、すなわちシール力を均一化す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内外に配設さ
れる変速機コントロールケーブルがボディパネルを貫通
する部分の構造に関し、特に、貫通構造のシール性の向
上に関する。
【0002】
【従来の技術】変速機コントロールケーブルは、車室内
の変速レバー装置とエンジンルームの変速機を連結し、
運転者によるレバー操作を変速機へ伝える。したがっ
て、コントロールケーブルは車室内外を仕切るボディパ
ネルを貫通する必要があり、貫通部分には、粉塵および
水等の侵入しない適切な構造を採用する必要がある。
【0003】図6は、従来のケーブル貫通構造の一例を
示しており、この構造は特開平9−240303号公報
に記載されたものである。図6(a)は貫通構造を車室
外から見た状態であり、その断面図が図6(b)であ
る。ボディパネル100、この例ではフロアパネルには
ケーブル開口部102が設けられており、ケーブル開口
部102をコントロールケーブル104が通過してい
る。各コントロールケーブル104は、その一端が車室
内の変速レバー装置に接続され、他端がエンジンルーム
の変速機に接続されている。通常、マニュアルトランス
ミッションでは図示のように2本のコントロールケーブ
ル(セレクトおよびシフト)が設けられ、オートマチッ
クトランスミッションでは1本のコントロールケーブル
が設けられる。
【0004】粉塵、水、騒音等の車室内への侵入を防ぐ
ため、ケーブル開口部102はゴム製のグロメット10
6で塞がれている。グロメット106はリテーナプレー
ト108を用いてボディパネル100に固定されてい
る。リテーナプレート108は、グロメット106をパ
ネル100との間に挟んだ状態で、3つのボルト110
でボディパネル100に対して固定されている。リテー
ナプレート108の外周部でグロメット106がボディ
パネル100に押し付けられ、この押し付け力によりグ
ロメット106とボディパネル100の間がシールされ
ている。
【0005】従来は、リテーナプレートは、3点もしく
はそれ以上の数の点でボディパネルに締め付けられてい
る。グロメット全周のほぼ均等なシール力が得られるよ
うに、3つ以上の締め付け点は適当に配置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、部品点数の削
減、組み付け工数の削減によるコストダウンのために
は、締め付け点数を減らし、すなわち2点締めとするこ
とが望まれる。2点締め付けを採用すれば、リテーナお
よびグロメットの小型化も可能となる。しかしながら、
安易に締め付け点数を減らすと以下のような問題が生じ
る。
【0007】2点締め付け構造でも、グロメット全周の
十分なシール力を確保することが必要である。図7を参
照すると、リテーナ中心を通るラインL1上に締め付け
点a1、a2を設定すれば、比較的良好なシール状態が
得られる。
【0008】しかし、締め付け点の位置は、設計上の各
種の要求を考慮して決定しなければならない。例えば、
マニュアルトランスミッションでは2本のケーブルが通
り、オートマチックトランスミッションでは1本のケー
ブルが通り、これらのケーブルが通らない場所に締め付
け点を設定する必要がある。設計的配慮の結果、図7の
点b1、b2で示すように、リテーナの中心を通らない
ラインL2上に締め付け点を設定しなければならないこ
とがある。
【0009】この場合、固定点b1、b2を通るライン
L2(以下、固定ラインという)からリテーナ縁部まで
のオフセット距離は、固定ラインL2の両側で異なる
(上側のオフセット距離A>下側のオフセット距離
B)。そして、オフセット距離が異なると、リテーナプ
レートがグロメットをボディパネルに押し付ける押し付
け力も、リテーナの弾性変形(たわみ)量に差異が生じ
る為、固定ラインL2の両側で異なってしまう。オフセ
ット量が大きい側ではシール力が相対的に小さくなり、
十分なシール状態が得られなくなる可能性がある。
【0010】もちろん、リテーナプレートの板厚を増大
して十分な剛性を与えてやれば、グロメット全周にわた
って十分なシール力が得られる。しかし、オフセット距
離が小さい側には過剰なリテーナプレート剛性が与えら
れることになる。そして、板厚増大によるコスト、部品
質量の増加を招いてしまうという不利な点がある。
【0011】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、コスト及び部品質量の増加を招く
ことなく良好なシール状態が得られる、2点締め付け式
のケーブル貫通構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るボディパネ
ルの変速機コントロールケーブル貫通構造によれば、ケ
ーブル開口部を挟んだ2つの固定点でリテーナがボディ
パネルに固定されており、これら2つの固定点を結ぶ固
定ラインの両側ではリテーナ縁部までのオフセット距離
が異なっている構造において、本発明の特徴として、リ
テーナのオフセット距離が大きい側にボディパネルに向
かって傾斜するリテーナ傾斜部が設けられる。リテーナ
がボディパネルに固定されるとき、リテーナ傾斜部がボ
ディパネルと反対方向に反り返るように弾性変形する。
この弾性変形により、リテーナがグロメットを押し付け
る補助的な押し付け力が生じる。補助的押し付け力の付
加より、主としてオフセット距離が大きい側のシール力
が補われ、固定ラインの両側のシール力の不均一を低減
できる。
【0013】このように、本発明によれば、コストおよ
び部品質量の増大を招くことなく、2点締め付け式のケ
ーブル貫通構造において、グロメット全周の良好なシー
ル状態を得ることができる。
【0014】上記の態様では、リテーナ側に、ボディパ
ネルに向かって傾斜するリテーナ傾斜部が設けられてい
る。しかし、ボディパネルの側に、リテーナに向かって
傾斜するパネル傾斜部が設けられてもよい。この場合に
も、上記と同様に、オフセット距離が大きい側のグロメ
ット−パネル間のシール力を増大することができる。も
ちろん、リテーナ側にリテーナ傾斜部を設けるととも
に、ボディパネル側にパネル傾斜部を設けてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態)を図面を参照し説明する。図1は、
本実施形態の変速機コントロールケーブル貫通構造を車
室内から見た状態を示しており、図2はその断面図であ
る。車室の外側の構成要素が見えるように、ボディパネ
ル1は二点鎖線で示されている。ボディパネル1には、
パネルを貫通するケーブル開口部3が設けられている。
ケーブル開口部3は略四角形であり、角部に丸みがつけ
られている。ボディパネル1は、本実施形態においては
フロアパネルである。
【0016】ケーブル開口部3には変速機のコントロー
ルケーブル5が貫通しており、ケーブル5の一端は、車
室7の中に設置された変速レバー装置に接続されてい
る。また、ケーブル5の他端は、ボディパネル1すなわ
ちフロアの下側からエンジンルームへ回り込んで変速機
につながっている。
【0017】粉塵、水および騒音の侵入を避けるため、
ケーブル開口部3はグロメット9で塞がれている。グロ
メット9には、斜めに貫通するスリーブ部11が設けら
れ、このスリーブ部11にケーブル5が通されている。
ケーブル5とスリーブ部11の内周面は密着している。
【0018】グロメット9は、ボディパネル1とリテー
ナプレート13(リテーナ)の間に挟み込まれる状態で
ボディパネル1に固定されている。グロメット9の外形
形状はケーブル開口部3よりも大きい。グロメット9が
ケーブル開口部3からはみ出した部分が、グロメット9
をボディーパネル1に対してシールするシール領域とし
て機能する。リテーナプレート13は、グロメット9と
ほぼ同じ外形形状を有している。リテーナプレート13
をボディパネル1にボルト15で固定すると、グロメッ
ト9のシール領域がリテーナプレート13によりボディ
パネル1に押し付けられ、密着し、グロメット−パネル
間がシールされる。
【0019】リテーナプレート13の締め付け点数(固
定点数)は2である。締め付け点x1、x2は、ケーブ
ル開口部3を挟んで配置されている。各締め付け点では
パネル1の内側にナット17が溶接され、ボルト15は
リテーナプレート13、グロメット9およびボディパネ
ル1を介してナット17に締め付けられる。
【0020】2つの締め付け点x1,x2の位置は、各
種の設計上の制約を考慮して設定されている。特に、通
常のマニュアルトランスミッションの場合は2本のコン
トロールケーブルが設けられているが、マニュアルトラ
ンスミッションの場合には図1に点線で示すように1本
のコントロールケーブルが設けられる。そして、ケーブ
ル本数に応じて、ケーブルの通る位置およびグロメット
形状も異なっている。これらのケーブルが通らない場所
に締め付け点を設定した結果、固定ラインLの両側のオ
フセット距離OS1、OS2が異なっている。本実施形
態において、固定ラインLとは2つの固定点を結ぶ線で
あり、また、オフセット距離とは固定ラインからリテー
ナ縁部までの距離である。本実施形態では、固定ライン
Lの上側のオフセット距離OS1が下側のオフセット距
離OS2よりも大きい。
【0021】次に、図3を参照してグロメット9の構成
を説明する。図3(a)は、グロメット9を車室内の側
から(ボディパネル1の側から)見た状態であり、図3
(b)は締め付け穴およびスリーブを通るようにグロメ
ット9を切断した断面図であり、図3(c)は同図
(a)のラインC−Cで切断した図である。
【0022】グロメット9はゴム製である。ただし、ゴ
ム以外の比較的軟らかい材料、例えば樹脂が採用されて
もよい。グロメット9をリテーナプレートに加硫接着す
ることも好適である。
【0023】グロメット9には、前述したように、コン
トロールケーブル5を通すための斜めの貫通穴をもった
スリーブ部11が設けられている。マニュアルトランス
ミッション用の2本のケーブルを通すために、2つのス
リーブ11が平行に設けられている。各スリーブ11に
は、ケーブルの挿通を容易にするためのスリット11a
が設けられている(ただし、このスリットは設けずとも
よい)。また、スリーブ部11の内周面にはシールリッ
プ11bが複数本設けられ、このシールリップ11bが
ケーブルに密着することにより、ケーブル外周が確実に
シールされる。
【0024】また、グロメット9には、四角形を描くよ
うにリブ19が突出している。リブ19の断面形状は図
3(b)(c)に示すように台形である。リブ19は、
組み付け相手のボディパネル1のケーブル開口部3の内
側を、開口縁部に沿って延びるように設けられている。
組み付けの際にはリブ19の形成する四角形の領域がケ
ーブル開口部3にはめ込まれる。そして、リブ19によ
りグロメット9がボディパネル1に対して位置決めされ
る。
【0025】リブ19の外側の領域は外周部シール領域
である。シール領域21がボディパネル1に押し付けら
れることにより、グロメット9とボディパネル1の間が
シールされる。
【0026】シール領域21には、図3(a)に二点鎖
線で示すように、シールラインM1、M2に沿って2本
のシールリップ23が設けられている。シールリップ2
3の断面形状は図3(c)に示されている。グロメット
9をプレート1に押し付けるとき、シールリップ23が
圧縮され、これにより確実なシール状態を得ることがで
きる。特に、シールリップ23がグロメット9の端部に
向けて斜めに設けられているので、車室外から車室内へ
の粉塵等の侵入を効果的に防止することができる。
【0027】図3(a)に示すように、内側のシールラ
インM1は、リブ19に沿って四角形に延びている。シ
ールラインM2は、シールラインM1よりも少し外側に
離れて、グロメット9の端部に沿って延びている。ま
た、シールラインM2は締め付け用の2つの穴25を通
っている。穴25はリテーナ固定点に対応する位置に設
けられており、この穴25にボルトが挿通される。穴2
5の周りにも円形のシールリップ27が設けられてお
り、シールリップ27にシールラインM2が繋がってい
る。
【0028】更に、シール領域21では、シール面と反
対側(車室外側)の面から仮止め突起29が突出してい
る。仮止め突起29は、リテーナプレートとの組み付け
に用いられる。
【0029】次に、図4を参照し、リテーナプレート1
3の構成を説明する。図4(a)は、リテーナプレート
13をボディパネルの側から(車室内の側から)見た状
態であり、図4(b)、(c)は、それぞれ、図4
(a)のリテーナプレートをラインB−Bおよびライン
C1−C1で切断した断面図である。
【0030】リテーナプレート13は厚さ約1mm程度
の鋼板をプレス打抜きにより成形したものである。リテ
ーナプレート13は、グロメット9とほぼ同一の外形形
状を有している。プレート部13aの端部がボデープレ
ート1側に折り曲げられて、外周壁30が形成されてい
る。これにより剛性が増し、またグロメット9のずれが
防止される。
【0031】リテーナプレート13は中央部に略四角形
の開口を有している。開口31は、グロメット9のシー
ルラインM1よりも少し内側に設けられている。グロメ
ット9の仮止め突起29と対応する位置には仮止め穴3
3が設けられている。また、2つの締め付け点x1,x
2にボルト穴35が設けられている。ボルト穴35では
鋼板がボディパネルの方に折り曲げられ、フランジ円筒
部37が形成されている。プレート固定時には、フラン
ジ円筒部37の端面である接触面38が直接にボディパ
ネル1に接触する。前述したように、固定ラインLから
リテーナ縁部までのオフセット距離は、固定ラインLの
両側で異なっている(OS1>OS2)。
【0032】本実施形態の特徴として、オフセット距離
が大きい側の領域に、ボディパネル1に向かって傾斜す
るリテーナ傾斜部39が設けられている。傾斜部39の
寸法形状は図4(c)に示されている。本実施形態で
は、約2°の折り曲げ角の付与により、外周壁30を含
むプレート全体が傾斜している。
【0033】より具体的には、オフセット量が小さい側
の領域に基準となる平坦部41が設けられている。平坦
部41は、フランジ円筒部37の先端の接触面38と平
行であり、従って組付け相手のボディパネルと本来的に
平行に設定されている。平坦部41は、締め付け点x2
の約18mm上まで続く。そして、平坦部41の終端か
らリテーナプレート13は傾斜し、約45mm上方のリ
テーナ端部では上記平坦部41からボディプレート側に
約1.5mm偏っている。また、傾斜部39と平坦部4
1は半径約30mmの円で滑らかにつながれている。
【0034】次に、本実施形態のケーブル貫通構造の組
み付け方法を説明する。グロメット9の各スリーブ部1
1にコントロールケーブル5が挿通される。また、グロ
メット9の仮止め突起29をリテーナプレート13の仮
止め穴33に通すことにより、両部材が仮組み付けされ
る。
【0035】仮組み付け状態のグロメット9、リテーナ
プレート13およびコントロールケーブル5は、ボディ
パネル1に外側からあてがわれる。グロメット9のリブ
19がボディパネル1のケーブル開口部3にはめ込まれ
る。これにより、グロメット9とボディパネル1が位置
決めされ、リテーナプレート13のボルト穴35からボ
ディパネル1のナット17が見える状態になる。
【0036】ボルト15をボルト穴35に通し、ナット
17に締め付けることにより、リテーナプレート13お
よびグロメット9がボディプレート1に固定される。グ
ロメット9のシール領域21がボディパネル1に接触
し、シールリップ23が押しつぶされ、これにより適切
な密着状態が得られ、両者の間が確実にシールされる。
【0037】以上のように、ボルト15の締め付けによ
ってリテーナプレート13がグロメット9をボディプレ
ート1に押し付けるのであるが、押付け力は、リテーナ
プレートの弾性変形の影響により、固定点x1,x2か
ら離れるほど小さくなる。そして、固定点から最も離れ
た部位で最小になる。本実施形態のリテーナ傾斜部39
が設けられていなかったとすると、オフセット距離が大
きい側のリテーナ縁部の領域z(図1に示す斜線領域
z)におけるグロメット押付け力(すなわちシール力)
は、オフセット距離が小さい側よりも相対的に小さくな
る。ボルト締付け力が縁部領域Zに十分に伝わらない場
合には、十分なシール性を確保できなくなる可能性があ
る。
【0038】しかし、本実施形態ではオフセット距離が
大きい側にリテーナ傾斜部39が設けられている。一
方、グロメット9およびリテーナプレート13と対向す
るボディパネル1側の該当領域はほぼ平面である。従っ
て、組み付けの際は、傾斜部39において他の部分より
も早く、外周壁30がボディプレート1に接触する。そ
して、リテーナプレート13が反り返るように弾性変形
し、傾斜の高さ(1.5mm)にほぼ等しい強制変位が
発生する。傾斜部39が元の形状に戻ろうとする力が発
生し、縁部領域zの締め付け緊迫シール力が増大する。
シール力が補充されるので、固定ラインLの両側のシー
ル力の相違を低減することができ、グロメット全周の良
好なシール状態を得ることができる。
【0039】もちろん、リテーナプレートの板厚を増大
することによってもシール力を増大することは可能であ
るが、そのような手法と比較すると、本実施形態では、
コストおよび部品質量の低減が可能という利点が得られ
る。
【0040】図5は、本発明の範囲内での上記実施形態
の変形例を示している。図5(a)〜(d)は、締め付
け固定前のリテーナプレート50およびボディパネル5
2を示している。図5(a)は、上記に説明した実施形
態の構成である。リテーナプレート50は、プレート部
54および外周壁56を有し、リテーナ傾斜部58では
プレート部54および外周壁56がともに傾斜してい
る。
【0041】一方、図5(b)の変形例では、リテーナ
傾斜部58において、プレート部54は傾斜せず(全体
的に平坦)、外周壁56のみが傾斜している。すなわ
ち、外周壁56の頂上端部56aが傾斜している。この
態様によっても、本発明の効果が同様に得られる。リテ
ーナプレートの締め付け固定の際、傾斜部58において
外周壁56が早めにボディパネル52に接触する結果、
プレート部54はボディパネル52と反対方向に反り返
るように弾性変形する。この変形により、グロメット
(図示せず)の押し付け力を増大することができる。
【0042】図5(c)は、リテーナプレート50の端
部を折り曲げない場合の構成である。この場合も、プレ
ート面を傾斜させることにより、上記の実施形態と同様
の効果が得られる。
【0043】また、図5(d)に示すように、リテーナ
プレート50に傾斜部を設ける代わりに、ボディパネル
52にパネル傾斜部60を設けてもよい。ボディパネル
52は、平坦部60および傾斜部62を有する。平坦部
60は、固定ラインに対してオフセット距離が小さい側
の領域でリテーナプレート50と対面する。平坦部60
は、さらに固定ラインを越えて、オフセット距離が大き
い側の一部まで延びている。平坦部60において、ボデ
ィパネル52は、リテーナプレート50側の締付けフラ
ンジ端面64と接触する。ボディパネル52は、平坦部
60の終端を過ぎるとリテーナプレート50の方に(車
室外の方に)向かって傾斜し、パネル傾斜部62を形成
している。この態様でも、本発明の効果が好適に得られ
る。すなわち、リテーナプレート50をボディパネル5
2に固定するとき、パネル傾斜部60と対向するリテー
ナプレート部分が反り返るように変形し、その結果、グ
ロメット(図示せず)のシール力が増大する。このよう
に、リテーナプレートの代わりにボディパネルに傾斜部
を設ける構成も本発明の範囲に含まれる。更に、リテー
ナプレート50に傾斜部を設けるとともに、ボディパネ
ル52にも傾斜部を設けた構成も本発明に含まれる。
【0044】その他、本実施形態では、ボディパネルが
フロアパネルであったが、ボディパネルはその他のパネ
ル、例えば、車室前壁を構成するパネルであってもよい
ことはもちろんである。また、リテーナプレートは、ボ
ルト締め付け以外の方法でボディパネルに固定されても
よい。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、プレー
ト板厚増等のコストおよび部品質量の増大を招くことな
く、2点締め付け式のコントロールケーブル貫通構造に
おいて、グロメット全周の良好なシール状態を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のボディパネルの変速機
コントロールケーブル貫通構造を示す図である。
【図2】 図1のケーブル貫通構造の断面図である。
【図3】 図1のケーブル貫通構造のグロメットを示す
図である。
【図4】 図1のケーブル貫通構造のリテーナプレート
を示す図である。
【図5】 図1の実施形態の各種の変形例を示す図であ
る。
【図6】 従来のボディパネルの変速機コントロールケ
ーブル貫通構造を示す図である。
【図7】 リテーナプレートの2点締め付けを採用した
場合の問題点を示す図である。
【符号の説明】
1 ボディパネル、3 ケーブル開口部、5 変速機コ
ントロールケーブル、9 グロメット、13 リテーナ
プレート、15 ボルト、21 シール領域、23 シ
ールリップ、30 外周壁、35 ボルト穴、37 フ
ランジ円筒部、39 リテーナ傾斜部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内外に配設される変速機のコントロ
    ールケーブルが貫通するケーブル開口部を有するボディ
    パネルと、 前記ケーブル開口部を塞ぐグロメットと、 前記グロメットを挟んで前記ボディパネルに固定され、
    前記グロメットを前記ボディパネルに押さえつけて両者
    の間をシールするリテーナと、 を有し、前記リテーナの固定点は前記ケーブル開口部を
    挟んだ2箇所であり、これら2つの固定点を結ぶ固定ラ
    インの両側では前記固定ラインからリテーナ縁部までの
    オフセット距離が異なる、ボディパネルの変速機コント
    ロールケーブル貫通構造において、 前記リテーナのオフセット距離が大きい側に前記ボディ
    パネルに向かって傾斜するリテーナ傾斜部を設け、リテ
    ーナ固定時の前記リテーナ傾斜部の弾性変形を利用して
    前記グロメットのシール力を増大し、前記固定ラインの
    両側のシール力を均一化したことを特徴とするボディパ
    ネルの変速機コントロールケーブル貫通構造。
  2. 【請求項2】 車室内外に配設される変速機のコントロ
    ールケーブルが貫通するケーブル開口部を有するボディ
    パネルと、 前記ケーブル開口部を塞ぐグロメットと、 前記グロメットを挟んで前記ボディパネルに固定され、
    前記グロメットを前記ボディパネルに押さえつけて両者
    の間をシールするリテーナと、 を有し、前記リテーナの固定点は前記ケーブル開口部を
    挟んだ2箇所であり、これら2つの固定点を結ぶ固定ラ
    インの両側では前記固定ラインからリテーナ縁部までの
    オフセット距離が異なる、ボディパネルの変速機コント
    ロールケーブル貫通構造において、 前記ボディパネルのオフセット距離が大きい側に前記リ
    テーナに向かって傾斜するパネル傾斜部を設け、リテー
    ナ固定時の前記パネル傾斜部と対向する前記リテーナ側
    の弾性変形を利用して前記グロメットのシール力を増大
    し、前記固定ラインの両側のシール力を均一化したこと
    を特徴とするボディパネルの変速機コントロールケーブ
    ル貫通構造。
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