JP5441318B2 - フラボノイド糖付加生成物、その製造方法および使用 - Google Patents

フラボノイド糖付加生成物、その製造方法および使用 Download PDF

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Description

本発明は、フラボノイド糖付加生成物、その製造方法およびその使用に関する。
フラボノイドおよびそのポリマーは、代謝過程を変えて、健康に対してプラスの影響を及ぼす、食品構成物の1種を構成する。したがって、フラボノイドは、食品成分または食品添加剤として少なからぬ興味を引きつけてきた。
フラボノイドは健康に様々な利益を提供するが、フラボノイド含有食品は苦味および渋味の点でしばしば問題がある。これは、食品のフラボノイド含有量をより少なくするように処理することによって補うことができる。例えば、ココアを処理して、そうした苦味および渋味特性を除去するかまたは抑える方法が、特許文献1に開示されている。この方法は、水分含有量に注目し、アルカリ化と焙焼を提案している。特許文献2は、アルカリの使用に併せて圧力と熱との処理に基づく方法を開示している。これらの方法は、苦味および渋味の点で良好な味をもたらすが、概してフラボノイドを犠牲にしており、したがってそれに伴う健康への利益を犠牲にする。
代替のアプローチでは、甘味剤および/または脂肪成分などの様々な化合物を添加して、苦味および渋味をマスクすることもできる。機能性成分を含む、味を改変した硬質糖菓組成物が、特許文献3(油/脂肪による変性)に開示されている。他の様々な苦味/渋味の改変剤が、特許文献4(キナ酸および桂皮酸エステルのエステル);特許文献5(ネオターム);特許文献6(クロロゲン酸);特許文献7(アスパルテームの分解生成物);特許文献8(甘味剤);特許文献9(チオサルフェート);特許文献10(酸類);特許文献11(植物ステロールエステル);特許文献12(シクロテトラデセン−1−オン);特許文献13(デキストリン、シクロデキストリン、デンプンおよびシクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ);特許文献14(中国ガッタパーチャの葉および朝鮮人参)に記載されている。しかし、これらの成分は、製品の特徴を変えるだけでなく、その製品にとって望ましくない構成物であることもある。
欧州特許出願公開第1106073号明細書 特開平11−318338号公報 欧州特許第1364584号明細書 米国特許出願公開第20030003212号明細書 米国特許出願公開第20030008046号明細書 国際公開第02/100192号パンフレット 特開昭58−162260号公報 特開平10−248501号公報 米国特許第5562941号明細書 米国特許第3753726号明細書 国際公開第04/093571号パンフレット 米国特許第4183965号明細書 特開平08−298930号公報 国際公開第96/01568A1号パンフレット 欧州特許出願公開第1260517号明細書 特開平07−179489号公報 特開平05−176786号公報 特開2001−046096号公報 米国特許第4906480号明細書 特開2001−240532号公報 特開平08−217674号公報
したがって、従来技術では、その製品の特徴を変えたり、その特性を損なったりすることなく、苦味および渋味を克服する満足な解決策が与えられていなかったことが認められる。
本発明は、特定のフラボノイド糖付加生成物が、苦味および渋味の特徴をマスクすることができるという驚くべき発見に基づくものである。予想に反して、これらの化合物は、種々の製品の味特性を、より渋味が少なくかつよりマイルドに改変する。この感覚に関する効果は、カテキンまたはエピカテキンなどの多くのフラボノイドが苦味および渋味を有しており、一方で、本発明の化合物が正反対に作用して、苦味および渋味特性を完全に変えるという事実に照らせば、さらに予想外でありかつ驚くべきことである。したがって、この新規な化合物は、食用配合物、医薬製剤および口腔と接触する化粧品(すなわち、練り歯磨き、うがい薬)の渋味および苦味に対する効果的な味改変剤である。この新規な化合物によって、味強度と味特性の知覚の双方が改善される。
これらの化合物は、苦味および/または渋味のより少ない製品を実現するための香味配合物または成分としての可能性を提供する。この化合物はそのままで用いることもできるが、より有利には配合物中またはフラボノイドが豊富な食品からの抽出物中に用いることができる。抽出物は、本発明の好ましい実施形態である。渋味を低減させる他の方法ではフラボノイドを犠牲にして、フラボノイドの抗酸化能を犠牲にするが、本発明は、フラボノイドが糖付加生成物に転換されても、成分、配合物または食品の抗酸化能を保持する。本発明の糖付加生成物は、食品、医薬製剤または化粧品に優れた味特性を付与するだけでなく、配合物、成分および食料品の抗酸化能も有利に増大させる。
本発明は付加生成物の製造方法も開示する。
フラボノイドの糖誘導体は、例えば、特許文献15、特許文献16、特許文献17および特許文献18により公知である。これらの文献はすべてO−グリコシドに関するものである。これらのフラボノイドO−グリコシド配合物の既知の使用は、特許文献19(甘味および香味増進剤);特許文献20(化粧品)および特許文献21(ヒスチジンデカルボキシラーゼの阻害剤)に開示されている。
フラボノイドはポリフェノールの下位分類である。これらは通常、少なくとも1個のヒドロキシル基をそれぞれ有する2個の芳香環からなる。その2個の環は、6員複素環の一部を形成する3つの炭素「橋掛け」によって連結している。フラボノイドは、複素環への芳香環の結合ならびに複素環の酸化状態および官能基に基づいて、さらに下位分類に区分される。各下位分類の中で、個々の化合物は、特定のヒドロキシル化および共役パターンによって特徴づけされる。
一般に、食品におけるフラボノイドは、3つの環(A、BおよびC)と付番パターンを示す下記の一般構造を有する。
Figure 0005441318
置換基R3からR6は、水素、またはヒドロキシル基、オキソ基およびC1からC6直鎖もしくは分岐アルキル基などの種々の基を表していてもよい。ほとんどの食品フラボノイドの場合には、R4’およびR6は水素原子を表し、R5はヒドロキシ基を表す。ビオチャニンAでは、R4’はメチル基を表し、ホルモノネチンでも、R4’はメチル基を表し、R5およびR6は水素原子を表す。グリセテインでは、R5は水素原子を表すが、R6はヒドロキシル基を表す。
C環は不飽和であっても、さらに官能基を含んでいてもよい。BとC環との間の結合は2位または3位であってよい。
食品におけるフラボノイドアグリコンの構造多様性を5頁の表に示す。こうした化合物は、しばしばO−グリコシル化フラボノイドの形態で見られ、それによって構造多様性がさらに増大する。
著名な食品フラボノイドのいくつかとその構造的特徴を以下の表にまとめて示す。
Figure 0005441318
すべてのフラボノイドは、官能基を有しない炭素原子において本発明の付加生成物を形成するのに適している。糖付加生成物を形成するための糖とフラボノイドとの結合は、高い反応性を有する分子部位であるフラボノイドのC環においても可能である。カテキンやエピカテキンなどの、5位にヒドロキシル基を有するフラボノイドが特に好ましい。
本発明のフラボノイド付加生成物は、純粋なフラボノイド出発原料か、または植物部位、植物抽出物等の様々なフラボノイド含有物質から得ることができる。例えば、ココアニブ、ならびにより高濃度のフラボノイドを含むココアからの抽出物を(例えば、40%ポリフェノールに標準化された、Naturex、France、#148200からのココア抽出物)用いることができる。フラボノイド出発原料のための他の好ましい供給源は、高濃度のカテキンを含む緑茶抽出物(例えば、95%ポリフェノール、75%カテキン、<0.5%カフェイン、>40%エピガロカテキン没食子酸に標準化された、Naturex、Franceからの緑茶抽出物);ブドウの種または皮の抽出物(例えば、40%のオリゴマープロアントシアニジンを有する、Breko、Germanyが供給するexGrapeブドウ種ポリフェノール粉末OPC 40 #848F/848G;80%ポリフェノールを有する、Breko、Germanyが供給するブドウポリフェノール粉末P80、白、#834F)である。
本発明の好ましい化合物は、糖を、上記基本構造のA環の6位および/または8位に付加させることによって得られる。
本発明によれば、適切な糖は還元糖である。還元糖はケトンまたはアルデヒド基を有する糖である。還元糖には、フルクトース、グルコース、ガラクトース、グリセルアルデヒド、乳糖、アラビノースおよびマルトースが含まれる。ケトン基を含むすべての単糖はケトースとして知られており、アルデヒド基を含むものはアルドースとして知られている。本発明の概念において、すべてのケトースおよびアルドースが有用である。非還元糖を既知の手段で還元糖に転換することができる限り、スクロースなどの非還元糖についても有用となる。
さらに、本発明に適した還元糖は、酵素処理または加水分解によってオリゴ糖または多糖類から製造することができる。
本発明の最も好ましい糖はグルコースおよびガラクトースである。
理論に拘束されるわけではないが、以下に例示するカテキンまたはエピカテキンとグルコースとの反応は、本発明によって意図されるその他のフラボノイドと還元糖の反応を代表するものであると考えられる。
Figure 0005441318
還元糖が6位および/または8位において付加されている本発明のフラボノイド付加生成物が最も好ましい。これは、カテキンまたはエピカテキンとグルコースおよび/またはガラクトースの付加生成物について特に当てはまる。本発明による最も好ましい化合物は、(−)−カテキン−6−C−β−D−グルコピラノシド、(−)−カテキン−8−C−β−D−グルコピラノシド、(−)−カテキン−6−C−8−C−β−D−ジグルコピラノシド、(−)−エピカテキン−6−C−β−D−グルコピラノシド、(−)−エピカテキン−8−C−β−D−グルコピラノシドおよび(−)−エピカテキン−6−C−8−C−β−D−ジグルコピラノシドである。
本発明の化合物はフラボノイドの出発原料と還元糖を反応させて調製することができる。反応は、過剰量の糖を用いて好都合に進行させる。例えば、出発原料としてココアニブを用いる場合、ココアニブ200g当たり1から100gの糖を用いることができる。
pH6から14、好ましくはpH8から12、特にpH≧10の条件下での処理が好ましい。
反応は水性混合物中で実施するのが好ましいが、アルコールなどの他の溶媒または溶媒混合物が付加反応を妨害しない限り、それらも適している。
反応混合物を加熱することは有利である。好ましい反応温度は20から120℃、好ましくは60から100℃、特に70から90℃の範囲である。80℃近傍、すなわち75から85℃で非常に良好な結果が得られた。
反応時間は特に制限されない。反応時間は、一般に反応の進行によって支配され、それに応じて適合される。しかし、一般には、反応時間は、数時間のオーダー、例えば最大で2時間、好ましくは1時間未満である。
糖付加生成物は、さらに乾燥などの処理後、担体などに固定させて、液体配合物中でそのまま用いるか、あるいはアルコール、アセトン、酢酸エチル等から選択される適切な溶媒で抽出してもよい。糖付加生成物は、選択的液−液分配、および/またはポリマー樹脂、逆相シリカゲル、イオン交換樹脂等の適切な固体担体を有する固相抽出/クロマトグラフィーによってさらに濃縮してもよい。
本発明の糖付加生成物は、非常に広範囲の製品中の渋味および苦味を低減させるのに有用である。これらには、ココアおよび関連製品、コーヒーおよびコーヒーをベースとした製品、お茶およびお茶抽出物が含まれる。特に後者は、その健康に与える利益のために用いられる。ここで、本発明の製品は、より量を多くすることを可能とし、高フラボノイド製品の嗜好性を増大させるので、これらの健康に与える利益の増進を可能にする。さらに、本発明の採用製品は、根本的なフラボノイドの高い抗酸化能を維持するので、それ自体が、かかる製品の利益に寄与することになる。これは実際に、ブドウ抽出物を始めとする広範囲の製品において当てはまる。
本発明の化合物は、赤ワインの渋味を低減させ、タンニンの特徴をソフトにすることによってより芳醇な味を提供することもできる。
本発明の化合物は、シシトウや赤トウガラシ、生姜等を用いたスパイシーな食品中に存在するカプサイシン、ジンジェロール等の辛味を低減させることもできる。
本発明の化合物は、アルコール含有飲料の刺激の強い、焼けるような味覚を低減させることもできる。
本発明の化合物は、口腔内で用いられる医薬組成物や化粧品配合物における有用な味改変剤でもある。
(実施例)
新規な化合物は、(エピ)カテキン(2mmol)に、グルコースまたはガラクトースなどの還元糖(20mmol)と、1440mgのK2CO3を加えて25ml溶液にして(水中で、pHは約10)、80℃で20分間反応させて調製することができる。
得られた反応香味物を最後に凍結乾燥する。個々の化合物は、アセトンまたはメタノール水溶液で溶媒抽出して反応香味物から抽出し、次いで、水−メタノール勾配を用いた、RP−18物質によるクロマトグラフィーにて単離することができる。最後に、化合物を真空下で蒸発させ、残留した溶媒を二重凍結乾燥(double freeze−drying)によって注意深く除去した。
感覚試験(5人)によって、アルカリ化ココア粉末(5g/200ml)と50ppmの8−C−グリコシル化カテキンは、添加していない標準物より苦味も渋味もより少なく知覚されたことがわかった。
非アルカリ化ココア粉末(5g/200ml)と50ppmの8−C−グリコシル化カテキンは、添加していない標準物よりマイルドで渋味がより少なく知覚された。
ブドウ種抽出物(2000ppm)と約10ppmの8−C−グルコシル化カテキンを、ブドウ種抽出物(2000ppm)の標準物と比較して味わった。味覚試験者(taster)は渋味が減少していると評価した。
テオブロミン(600ppm)と約10ppmの8−C−グルコシル化カテキン。味覚試験者は苦味強度の低減を知覚しなかったが、純粋なテオブロミンと比べて苦味の知覚に遅れがあると評価した。
プロピレングリコール中に溶解した77mgのカテキン−8−C−グルコシドの溶液(7.8%)を、強い渋味の特徴を有する20gの溶けたダークチョコレートに加えた。固化させた後、チョコレートを未処理の標準チョコレートと比較して味わった。渋味はより少ないが、苦味はそのまま残っていると評価された。5人のうち4人の味覚試験者は、「滑らかになる(smoothing out)」効果、すなわち、苦味および渋味はマスクされないが、最初の口当たり(upfront hit)ほどは強く知覚されず、かつ未添加のものほどは後に残らないと評価した。
8人が、アルカリ化ココア粉末(5g/200ml)および50ppmのCat−6−C−Glc(ppmは1kgの水に対する)に対して5g/200mlのアルカリ化ココア粉末の味を感じた。対照試料よりも小さい最大苦味強度、より苦味が無い特性およびより口当たりのよい苦味特性があることがわかった。
実施例6の変性生成物を、さらにアルカリ化ココア粉末(5g/200ml)と50ppmのEpicat−6−C−Glc(ppmは1kgの水に対して)と比較した。官能評価では、対照より小さい最大苦味強度、より苦味が無い特性およびより口当たりのよい苦味特性が示された。
実施例6の変性生成物を、さらにアルカリ化ココア粉末(5g/200ml)と50ppmのCat−6,8−C−ジ−Glc(ppmは1kgの水に対して)と比較した。官能試験では、対照より小さい最大苦味強度、より苦味が無い特性およびより口当たりのよい苦味特性が示された。
カテキンおよびエピカテキンガラクトシドを用いて上記実施例を繰り返すと、同様な官能性結果を得た。その結果、ガラクトースは糖付加生成物を生成させるための還元糖として、グルコースと同等に効果的である。
食品成分を、100mlの水に溶解したグルコース(4g)およびK2CO3と反応させることによって、緑茶抽出物(5g)またはブドウ種抽出物(5g)から調製した。反応を、80℃で厳密に20分間行った。得られた香味のある反応混合物を凍結乾燥して暗赤褐色の塊(mass)を得、次いで、渋味のチョコレートに様々な濃度で加えた。最初のスクリーニング味見検査で、最適添加濃度は300ppmであることを確認した。得られたチョコレートは、未処理の標準試料と比較して渋味が低減された、より爽やかな(cleaner)味を示した。
かかる方法でブドウ種抽出物および茶抽出物から調製された成分は、ダークチョコレートに330ppm加えた場合には、ダークチョコレート中の渋味を感知した知覚は低下していると評価された。
様々な出発原料の有用性を実証するために以下の実験を行った。表は、ココアニブ中の乾燥重量に基づく濃度[mg/kg]aで示す。
Figure 0005441318
以下の表は、ココアニブ(glcはグルコースを示し、galはガラクトースを示す)に異なるアルカリ化工程を適用した場合に得られた糖付加生成物(C−グリコシド)の濃度([mg/kg]a乾燥重量)を示す。
Figure 0005441318
より多くの量の糖付加生成物を得るためのココアニブの変性は以下のようにして実施した:
時間 50分間、T=80℃、m=10gのグルコース、4.4%のK2CO3(200gのココアニブ)。
フラボノイドの他の供給源、他のココアニブを用いる場合には、糖付加生成物への最大転換率が得られるように、反応パラメータを調整する必要がある。
アグリコン(+)−カテキンおよび(−)−エピカテキン、ならびにアピゲニン−8−C−β−D−グルコピラノシド(ビテキシン)およびアピゲニン−6−C−β−D−グルコピラノシド(イソビテキシン)のような他のC−グリコシドと比較して、テオブロミンに対する(−)−カテキン−8−C−β−D−グルコピラノシドの味改変の影響を調査するために、テオブロミン(3mmol/L)を、異なる濃度の(−)−カテキン−8−C−β−D−グルコピラノシド、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、ならびにアピゲニン−8−C−β−D−グルコピラノシド(ビテキシン)およびアピゲニン−6−C−β−D−グルコピラノシド(イソビテキシン)でスパイクした。結果を以下の表にまとめる。
Figure 0005441318

Claims (2)

  1. (−)−カテキン−6−C−β−D−グルコピラノシド、(−)−カテキン−8−C−β−D−グルコピラノシド、(−)−カテキン−6−C−8−C−β−D−ジグルコピラノシドもしくは(−)−エピカテキン−6−C−8−C−β−D−ジグルコピラノシド、またはガラクトシド残基もしくは他の還元糖を有する同様なアグリコンであるフラボノイド糖付加生成物を含む、渋味および苦味に対する味改変剤。
  2. 請求項1に記載の味改変剤の製造方法であって、フラボノイドを含有する出発原料を、8から12のpHで糖と反応させる工程を含み、前記出発原料はカテキンまたはエピカテキンであり、前記糖はグルコースもしくはガラクトースまたは他の還元糖であることを特徴とする製造方法。
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