JPH08217674A - ヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤 - Google Patents

ヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤

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JPH08217674A
JPH08217674A JP2817695A JP2817695A JPH08217674A JP H08217674 A JPH08217674 A JP H08217674A JP 2817695 A JP2817695 A JP 2817695A JP 2817695 A JP2817695 A JP 2817695A JP H08217674 A JPH08217674 A JP H08217674A
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JP
Japan
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glucopyranoside
glycoside
catechin
aglycone
epigallocatechin
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Application number
JP2817695A
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English (en)
Inventor
Minoru Saito
實 斉藤
Satoru Kitao
悟 北尾
Atsushi Ichikawa
厚 市川
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NODA SANGYO KAGAKU KENKYUSHO
Kikkoman Corp
Original Assignee
NODA SANGYO KAGAKU KENKYUSHO
Kikkoman Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フラバン3−オール骨格を有するアグリコン
の配糖体を有効成分として含有するヒスチジン脱炭酸酵
素阻害剤。 【効果】 優れたヒスチジン脱炭酸酵素阻害活性を示
し、作用が緩和で、持続性に優れており、化学的に安定
である。従ってヒスタミンが関与する各種炎症疾患の治
療薬、予防薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒスチジン脱炭酸酵素
阻害剤に関し、特に、抗炎症剤、抗アレルギー剤、抗潰
瘍剤としてのヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの潰瘍、及び
ぜん息性気管支炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー
性疾患は生体内の過剰なヒスタミン生成により起こる炎
症疾患である。このヒスタミンは、ヒスチジン脱炭酸酵
素によるヒスチジンの脱炭酸反応により生成する。従っ
て、上記の疾患の治療薬としては、ヒスタミン生合成を
阻害するもの、即ち、ヒスチジン脱炭酸酵素活性阻害剤
が望ましい。
【0003】ヒスチジン脱炭酸酵素阻害活性を示す抗炎
症剤としては、現在まで、ヒスチジン誘導体、シアニダ
ノール(cyanidanol)、トリトクアリン(tritoqualin
e)、ZY−15029、ブロクレシン(brocresine)
など(治療学、18巻、91〜92頁、1987年)、サリチルア
ニリド誘導体(特公昭52-47453号公報)、サリチル酸誘
導体(特公昭52-17018号公報)などが知られている。し
かしながら、これらの抗炎症剤は作用は劇的であるが、
作用の持続性が短いという欠点を有している。また、作
用が劇的であるだけにその用法が困難である。
【0004】また、上記した抗炎症剤の他に、(−)−
エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレー
ト、(−)−エピカテキンガレート等、又はその含有物
が緩和な抗アレルギー作用を有すると報告されている
(Fragrance Journal, No.11, 50〜53頁、1990年)。し
かし、これらの物質は化学的に非常に不安定なため、現
実には実際の抗炎症剤、抗アレルギー剤として使用され
ていない。また、これらの物質は、作用の持続性が非常
に短いという欠点も有する。それは、例えば、経口投与
されると、胃内でその全部が速やかに血液中に吸収さ
れ、その結果、血液中の投与薬の濃度が一度に高まる
が、短時間の内に代謝排出されるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、作用
が緩和で、作用の持続性に優れ、かつ化学的に安定なヒ
スチジン脱炭酸酵素阻害剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、フラバン3
−オール骨格を有するアグリコンは、遊離の状態におい
ては化学的に非常に不安定であるが、その配糖体は非常
に安定であり、かつ緩和で、持続性に優れたヒスチジン
脱炭酸酵素阻害活性を示すとの知見に基づいて、本発明
を完成した。
【0007】即ち、本発明は、フラバン3−オール骨格
を有するアグリコンの配糖体を有効成分として含有する
ヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤を提供する。以下、本発明
を詳細に説明する。本発明のフラバン3−オール骨格を
有するアグリコンの配糖体とは、糖と、下記式(1) :
【0008】
【化1】
【0009】で表されるフラバン3−オール骨格を有す
る化合物とから水がとれてできた、グリコシド結合をも
つ物質をいう(食品と開発、27巻、9号、39〜43頁、19
94年)。本発明に用いることができるアグリコン成分、
即ち上記式(1) で表されるフラバン3−オール骨格を有
する化合物としては、具体的には、下記式
【0010】
【化2】
【0011】で表される3,3’,4’,5,7−ペン
タヒドロキシフラバン(2R,3R){(−)−エピカ
テキンという}及びその誘導体、例えば、3−O−(4
−ヒドロキシベンゾイル)体、3’−メチルエーテル
体、3’,4’−ジ−メチルエーテル体など;下記式
【0012】
【化3】
【0013】で表される3,3’,4’,5,7−ペン
タヒドロキシフラバン(2R,3S){(+)−カテキ
ンという}及びその誘導体、例えば、3’,5−ビス−
O−(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)体、
4’−O−(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)
体など;下記式
【0014】
【化4】
【0015】で表される3,3’,4’,5,7−ペン
タヒドロキシフラバン(2S,3R){(−)−カテキ
ンという}及びその誘導体、例えば、3−O−{5−
(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2R−ヒドロキシ
ペンタノイル}体、5,7−ジメチル−3’,4’−メ
チレンエーテル体など;下記式
【0016】
【化5】
【0017】で表される3,3’,4’,5,7−ペン
タヒドロキシフラバン(2S,3S){(+)−エピカ
テキンという}及びその誘導体、例えば、3−O−
(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)体など;下
記式
【0018】
【化6】
【0019】で表される3,3’,4’,5,5’,7
−ヘキサヒドロキシフラバン(2R,3R){(−)−
エピガロカテキンという}及びその誘導体、例えば、
4’−メチルエーテル体、3−O−(4−ヒドロキシシ
ンナモイル)体、7−O−(3,4,5−トリヒドロキ
シベンゾイル)体など;下記式
【0020】
【化7】
【0021】で表される3,3’,4’,5,5’,7
−ヘキサヒドロキシフラバン(2S,3R){(−)−
ガロカテキンという}などが例示される。また、下記式
【0022】
【化8】
【0023】で表されるシンコナインIa(cinchonain
Ia) 及びその誘導体;ダフノドリンB(daphnodorin B)
及びその誘導体;下記式
【0024】
【化9】
【0025】で表されるドリオプテリン(dryopterin);
下記式
【0026】
【化10】
【0027】で表されるガンビリインA1(gambiriin A
1)及びその誘導体;イソフィロフラバニン(isophyllofl
avine);下記式
【0028】
【化11】
【0029】で表されるコプシラチン(kopsirachin) ;
下記式
【0030】
【化12】
【0031】で表されるラリキシノール(larixinol) ;
下記式
【0032】
【化13】
【0033】で表されるマヒュアニンA(mahuanin A)及
びその誘導体;下記式
【0034】
【化14】
【0035】で表されるオーロングテアニン(oolongthe
anin) ;下記式
【0036】
【化15】
【0037】で表されるフィロクマリン(phyllocoumari
n)及びその誘導体;下記式
【0038】
【化16】
【0039】で表されるフィロフラバニン(phylloflava
nine) ;下記式
【0040】
【化17】
【0041】で表されるステノフィラニン(stenophylla
nin)及びその誘導体;下記式
【0042】
【化18】
【0043】で表されるテーフラガリン(theaflagalli
n) 及びその誘導体;下記式
【0044】
【化19】
【0045】で表されるテーフラビン(theaflavin)及び
その誘導体;下記式
【0046】
【化20】
【0047】で表されるテーシネンシンC(theasinensi
n C)及びその誘導体なども、フラバン3−オール骨格を
有する化合物として例示される。更に、下記式
【0048】
【化21】
【0049】で表される3,4−ジヒドロ−5−メトキ
シ−12−メチル−2,8−ジフェニル−8,14−メ
タノ−2H,14H−ベンゾピラノ[7,8−d]
[1,3]ベンソジオキソシン−11,13−ジオー
ル;下記式
【0050】
【化22】
【0051】で表される1−[2’−(3”,4”−ジ
ヒドロキシフェニル)−3’,4’−ジヒドロ−3’,
7’−ジヒドロキシ−2’H−1’−ベンゾピラン−
4’−イル]−5,6a,7,12a−テトラヒドロ
[2]ベンゾピラノ[4,3−b][1]ベンゾピラン
−2,3,7,10−テトロール(2’R,3’S,
4’S,6aS,7R,12aR);下記式
【0052】
【化23】
【0053】で表される7−[2’−(3”,4”−ジ
ヒドロキシフェニル)−3’,4’−ジヒドロ−3’,
7’−ジヒドロキシ−2’H−1’−ベンゾピラン−
6’−イル]−5,6a,7,12a−テトラヒドロ
[2]ベンゾピラノ[4,3−b][1]ベンゾピラン
−3,4,10−トリオール(2’R,3’S,6a
S,7S,12aR);下記式
【0054】
【化24】
【0055】で表される6−[1”−(3,4−ジヒド
ロキシフェニル)−2”−ヒドロキシ−3”−(3,
4,5−トリヒドロキシフェニル)プロピル]−3’,
4’,7,8−テトラヒドロキシフラバン(1”S,2
R,2”R,3S);下記式
【0056】
【化25】
【0057】で表される7,8−(2,2−ジメチルピ
ラノ)−3,4’,5−トリヒドロキシフラバンの5−
メチルエーテル体;下記式
【0058】
【化26】
【0059】で表される3,4,4’,5,7−ペンタ
ヒドロキシ−6,8−ジメチルフラバン(2R,3S,
4S)の4’,5−ジ−メチルエーテル体;下記式
【0060】
【化27】
【0061】で表される3,3’,4’,5,7−ペン
タヒドロキシフラバン(4→8)−3,3’,4’,
5,7−ペンタヒドロキシフラバン(2→7,4→8)
−3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバン
(2R,2’R,2”R,3R,3’R,3”S,4
R,4’R);下記式
【0062】
【化28】
【0063】で表される3,3’,4’,5,7−ペン
タヒドロキシ−6−プレニルフラバン(2R,3S);
3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシ−8−プレ
ニルフラバン(2R,3S);下記式
【0064】
【化29】
【0065】で表される、3,3’,4’,5,7−ペ
ンタヒドロキシ−4−(2,4,6−トリヒドロキシフ
ェニル)フラバン(2R,3R,4R)並びにその立体
異性体類及び誘導体;下記式
【0066】
【化30】
【0067】で表される3,4,9,10−テトラヒド
ロ−2−(4’−ヒドロキシフェニル)−5−メトキシ
−8,8−ジメチル−2H,8H−ベンゾ[1,2−
b:3,4−b’]ジピラン−3−オール;3,3’,
4’,7−テトラヒドロキシフラバン(2R,3S)及
びその立体異性体類;下記式
【0068】
【化31】
【0069】で表される3,3’,4’,7−テトラヒ
ドロキシ−4−(2”,3”,4”−トリヒドロキシフ
ェニル)フラバン(2R,3S,4R)の3”−メチル
エーテル体及びその立体異性体類;下記式
【0070】
【化32】
【0071】で表される3,5,7−トリヒドロキシフ
ラバン(2R,3R)及びその立体異性体類;下記式
【0072】
【化33】
【0073】で表される3,4’,7−トリヒドロキシ
フラバン−(4→2)−3,3’,4’,5−テトラヒ
ドロキシスチルベン(2R,3R,4R)及びその立体
異性体類;下記式
【0074】
【化34】
【0075】で表される3,4’,7−トリヒドロキシ
−3’−プレニルフラバン(2R,3S)及びその立体
異性体類;3,3’,4’,7−テトラヒドロキシフラ
バン(2R,3S)及びそれらの誘導体なども、フラバ
ン3−オール骨格を有する化合物として例示される。そ
の他、“The Flavonoids : advances in research sinc
e 1980 (J.B.Harborne ed.), Chapman and Hall 社 (Lo
ndon) 出版, 1988年”、“The Flavonoids :advances i
n research since 1986 (J.B.Harborne ed.), Chapman
and Hall 社(London) 出版, 1994年”、“Plant Flavon
oids in Biology and Medicine (V.Cody et al., ed
s.), Alan R. Liss 社 (New York) 出版, 1986年”及び
“Plant Flavonoids in Biology and Medicine II(V.Co
dy et al., eds.), Alan R. Liss社 (New York) 出版,
1986年”に記載のフラバン3−オール骨格を有する化合
物もここに例示される。
【0076】前記のアグリコン成分は、一般に、植物、
特に葉、樹皮、種子等や、微生物などから抽出、分離す
ることができる。また、それらからプロアントシアニジ
ン、アントシアニジン、タンニンなどのアグリコン類を
含有する物質を抽出、分離したのち、それらに通常の化
学反応又は酵素反応を施して製造することもできる。
【0077】上記した「誘導体」として、没食子酸(gal
lic acid) のCOOH基が、例えば、上記式(1) で表される
フラバン3−オール骨格の3位のOH基とエステル結合し
たガレート誘導体を例示することができる(食品と開
発、27巻、22〜23頁、1994年)。その代表的
な例として、(+)−カテキンガレート、(+)−ガロ
カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、
(−)−エピガロカテキンガレート等が挙げられる。上
記(−)−エピガロカテキンガレートについて、下記に
示す。
【0078】
【化35】
【0079】これらのガレート誘導体は主に各種植物体
(例えば茶の葉など)、各種植物種子などから好適に分
離することができる。また、その他、上記の「誘導体」
としては、上記アグリコンの炭素原子に結合した水素原
子がメチル、エチル、ブチル等で置換されたアルキル誘
導体、上記アグリコンのヒドロキシ基とアルコールとの
反応により得られるメチルエーテル、エチルエーテル、
ブチルエーテル等のアルキルエーテル誘導体、上記アグ
リコンのヒドロキシ基と脂肪酸との反応により得られる
エステル誘導体などを例示することができる。そして、
そのような誘導体化は、本発明による配糖体とする前、
又は配糖体とした後に、公知の化学合成法によりアルキ
ル化したり、アグリコン部分のヒドロキシ基を、対応す
る酸、又はアルコールを用いて公知の化学合成法(丸山
和博編、有機化学講座2、有機反応I、II、III 、丸善
出版(1984 )参照)によりエーテル化又はエステル化す
ることにより容易に行うことができる。また、ハロゲン
化物などの誘導体も例示することができる。ハロゲン化
も、同様にアグリコン部分のヒドロキシ基及び/又は炭
素原子に結合する水素原子を公知の方法でハロゲン置換
することにより容易に行うことができる。
【0080】本発明による配糖体の糖としては、例え
ば、D−グルコース、L−ラムノース、D−ガラクトー
ス、D−マンノース、D−アロース等のヘキソース、例
えば、D−キシロース、L−アラビノース、D−アピオ
ース等のペントースなどの単糖類;これらの単糖類から
選ばれる少なくとも1種がα結合又はβ結合した、直鎖
状又は分岐状の2〜8糖のホモオリゴ糖又はヘテロオリ
ゴ糖などが挙げられる。
【0081】本発明におけるフラバン3−オール骨格を
有するアグリコンの配糖体は、O−配糖体及びC−配糖
体のいずれであってもよく、また、α−配糖体及びβ−
配糖体のいずれであってもよく、これらの少なくとも1
種を使用する。また、本発明においては、O−α−配糖
体、O−β−配糖体及びC−配糖体(α体及び/又はβ
体)からなる群から選ばれる少なくとも2種を組み合わ
せて用いるのが特に好ましい。
【0082】本発明によるO−配糖体は、糖のアノマー
炭素原子のヒドロキシ基と、フラバン3−オール骨格を
有するアグリコン成分のいずれかの位置のヒドロキシ基
とから水がとれてO−グリコシド結合したものであり
(後述するO−α−配糖体の製造においては、通常、糖
は、上記式(1) 中のB環に結合したヒドロキシ基と優先
的に結合する。)、アグリコン成分に複数の糖がO−グ
リコシド結合していてもよい。また、本発明によるC−
配糖体は、糖のアノマー炭素原子のヒドロキシ基と、フ
ラバン3−オール骨格を有するアグリコン成分のいずれ
かの位置の炭素原子に結合した水素原子とから水がとれ
てC−グリコシド結合したものであり、アグリコン成分
に複数の糖がC−グリコシド結合していてもよい。
【0083】O−α−配糖体としては、具体的には、例
えば、(−)−カテキン−4’−O−α−D−グルコピ
ラノシド、(−)−カテキンガレート−4’−O−α−
D−グルコピラノシド、(−)−カテキンガレート−
4’,4”−O−α−D−ジ−グルコピラノシド、
(+)−カテキン−4’−O−α−D−グルコピラノシ
ド、(+)−カテキンガレート−4’−O−α−D−グ
ルコピラノシド、(+)−カテキンガレート−4’,
4”−O−α−D−ジ−グルコピラノシド、(−)−エ
ピカテキン−4’−O−α−D−グルコピラノシド、
(−)−エピカテキンガレート−4’−O−α−D−グ
ルコピラノシド、(−)−エピカテキンガレート−
4’,4”−O−α−D−ジ−グルコピラノシド、
(+)−エピカテキン−4’−O−α−D−グルコピラ
ノシド、(+)−エピカテキンガレート−4’−O−α
−D−グルコピラノシド、(+)−エピカテキンガレー
ト−4’,4”−O−α−D−ジ−グルコピラノシド、
(−)−エピガロカテキン−4’−O−α−D−グルコ
ピラノシド、(−)−エピガロカテキンガレート−4’
−O−α−D−グルコピラノシド、(−)−エピガロカ
テキンガレート−4’,4”−O−α−D−ジ−グルコ
ピラノシド、(−)−ガロカテキン−4’−O−α−D
−グルコピラノシド、(−)−ガロカテキンガレート−
4’−O−α−D−グルコピラノシド、(−)−ガロカ
テキンガレート−4’,4”−O−α−D−ジ−グルコ
ピラノシド、(+)−カテキン−7−O−α−L−アラ
ビノピラノシド、(+)−カテキン−7−O−α−L−
アラビノピラノシド、(+)−カテキン−3−O−α−
L−ラムノノピラノシド、3’,4’,5,7−テトラ
ヒドロキシフラバン(2R,3S)−3−O−α−D−
キシロピラノシドなどを挙げることができる。
【0084】なお、上記の(−)−エピガロカテキンガ
レート−4’−O−α−D−グルコピラノシド及び
(−)−エピガロカテキンガレート−4’,4”−O−
α−D−ジ−グルコピラノシドについては、それぞれ式
(2) 及び(3) として下記に示す。
【0085】
【化36】
【0086】
【化37】
【0087】O−β−配糖体としては、具体的には、例
えば、(−)−エピカテキン−3−O−β−D−アロピ
ラノシド、(−)−エピカテキン−3−O−(2−O−
トランス−シナモイル−β−D−アロピラノシド)、
(−)−エピカテキン−3−O−β−D−グルコピラノ
シド、(−)−エピカテキン 5−O−β−D−アロピ
ラノシド、(−)−エピカテキン−3’メチルエーテル
−7−O−β−D−アロピラノシド、(−)−エピカテ
キン−3’,5’,7−トリ−メチルエーテル−5−O
−β−D−アロピラノシド、(+)−カテキン−3−O
−β−D−グルコピラノシド、(+)−カテキン−3’
−O−β−D−グルコピラノシド、(+)−カテキン−
4’−O−β−D−グルコピラノシド、(+)−カテキ
ン−5−O−β−D−グルコピラノシド、(+)−カテ
キン−7−O−β−D−グルコピラノシド、(+)−カ
テキン 3’,4’−ジ−O−β−D−グルコピラノシ
ド、(+)−カテキン−3’,5−ジ−O−β−D−グ
ルコピラノシド、(+)−カテキン 3’,7−ジ−O
−β−D−グルコピラノシド、(+)−カテキン
4’,5−ジ−O−β−D−グルコピラノシド、(+)
−カテキン−7−O−β−D−キシロピラノシド、
(+)−カテキン−5−O−{6−O−クマロイル(cou
maroyl) −2−O−フェルロイル(feruoloyl) −β−D
−グルコピラノシド}、(−)−カテキン−7−O−β
−D−グルコピラノシド、3’,4’,5,7−テトラ
ヒドロキシフラバン(2R,3R)−5−O−β−D−
グルコピラノシド、3’,4’,5,7−テトラヒドロ
キシフラバン(2R,3R)−3−O−β−D−グルコ
ピラノシド、3’,4’,5,7−テトラヒドロキシフ
ラバン(2R,3S)−7−O−β−D−アピオフラノ
シド、3’,3’,4’,5,5’,7−ヘキサヒドロ
キシフラバン(2R,3S)−3’,5’,7−トリ−
メチルエステル−5−O−β−D−グルコピラノシドな
どを挙げることができる。C−配糖体としては、例え
ば、下記式
【0088】
【化38】
【0089】で表される(−)−エピカテキン−6−C
−β−D−グルコピラノシド、(+)−カテキン−6−
C−β−D−グルコピラノシド、(−)−カテキン−8
−C−β−D−グルコピラノシド、(+)−カテキン−
8−C−β−D−グルコピラノシドなどが用いられる。
O−α−配糖体類の中で、特にO−α−グルコース配糖
体類は、Kitao らの方法(Biosci. Biotech. Biochem.,
57巻, p.2010〜2015 (1993) 、及び特願平5−1784
79号公報参照)により製造される。即ち、例えば、ロ
イコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mese
nteroides )、シュウドモナス・サッカロフィラ(Pseu
domonas saccharophila )、クロストリジウム・パスツ
リナム(Clostridium pasteurianum)などの各種微生物
起源のシュークロースホスホリラーゼの糖転移反応活性
を利用して、前記アグリコン成分を受容体として、ま
た、グルコース−1−リン酸又はシュクロースをグルコ
ース供与体として、グルコース又は2〜8糖のマルトオ
リゴ糖を転移させることにより製造することができる。
【0090】具体的には、例えば、アグリコン成分とグ
ルコース−1−リン酸又はシュークロースとの混合液
に、ロイコノストック・メセンテロイデスなどからのシ
ュークロースホスホリラーゼを作用させ、糖転移反応を
行なわせることにより得られる。上記の糖転移反応は、
通常、pH 5.0〜8.5 の範囲、温度20〜50℃の範囲で、1
〜30時間行う。また、基質の濃度は、通常、アグリコン
成分及びグルコール−1−リン酸糖全体として5〜100
%(w/v)の範囲である。酵素濃度は基質総重量1g
当り1単位以上あればよい。
【0091】またO−α−グルコース配糖体は、アグリ
コンに、澱粉又はシクロデキストリンの存在下で、バチ
ルス属細菌由来のシクロデキストリン・グルカノトラン
スフェラーゼを作用させて製造することもできる(特開
平4−273890号公報)。前記反応生成物からの本
発明のO−α−グルコース配糖体の分離精製は、通常の
カラムクロマトグラフィーにより行うことができる。例
えば、セファデックス(Sephadex)LH−20などのデキ
ストラン誘導体を担体とする方法や、カプセルパック(C
apcellpak)C18SG120カラム( 250×20mmi.d.)
(資生堂株式会社製)を用いるHPLC法により好適に
分離精製される。
【0092】また、前記のシュークロースホスホリラー
ゼや、シクロデキストリン・グルカノトランスフェラー
ゼなどを用いてO−α−配糖体を製造するに当り、上記
のようなO−α−配糖体を糖の受容体として、更に複数
の糖を結合させることも可能である。そして、そのよう
に製造されたO−α−配糖体も、本発明において好適に
用いることができる。
【0093】O−β−配糖体及びC−配糖体は各種の植
物体及びそれらの樹皮などから、常法に従って、各種有
機溶媒類(例えば、メタノール、エタノール、アセトン
など)、又はそれらの有機溶媒類と水との混合溶媒(例
えば、メタノールと水との混合溶媒など)を用いて抽出
し、セファデクス(Sephadex)LH-20 などを充填したカラ
ム、MCI-gel CHP-20P カラムなどを用いるカラムクロマ
トグラフィーにより極めて容易に分離精製できる(Phyt
ochemistry, 28, 1237-1240 (1989) )。
【0094】このような分離精製操作によれば、本発明
のフラバン3−オール骨格を有するアグリコンの配糖体
を、単独で、又は2種以上の混合物として分離すること
ができる。また、O−β−配糖体は、神谷らの方法(茶
業研究報告, No.76, 別冊 102〜103 頁, 1992年)に従
って化学合成により製造することができる。
【0095】本発明のヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤にお
いて、好適に用いられるフラバン3−オール骨格を有す
るアグリコンの配糖体は、原料の入手性、製造の容易性
等の観点から、糖成分がグルコースであるものであり、
更に好適に用いられるものは、糖成分がグルコースであ
り、アグリコン成分が(−)−カテキン、(+)−カテ
キン、(−)−エピカテキン、(+)−エピカテキン、
(−)−エピガロカテキン、(−)−ガロカテキン又は
それらの没食子酸誘導体(ガレート誘導体)であるもの
である。その中でも特に好適に用いられるのは、前記の
酵素法又は植物の樹皮からの抽出分離により大量生産が
容易であることから、(−)−カテキン−4’−O−α
−D−グルコピラノシド、(−)−カテキンガレート−
4’−O−α−D−グルコピラノシド、(−)−カテキ
ンガレート−4’,4”−ジ−O−α−D−グルコピラ
ノシド、(+)−カテキン−4’−O−α−D−グルコ
ピラノシド、(+)−カテキンガレート−4’−O−α
−D−グルコピラノシド、(+)−カテキンガレート−
4’,4”−ジ−O−α−D−グルコピラノシド、
(−)−エピカテキン−4’−O−α−D−グルコピラ
ノシド、(−)−エピカテキンガレート−4’−O−α
−D−グルコピラノシド、(−)−エピカテキンガレー
ト−4’,4”−ジ−O−α−D−グルコピラノシド、
(+)−エピカテキン−4’−O−α−D−グルコピラ
ノシド、(+)−エピカテキンガレート−4’−O−α
−D−グルコピラノシド、(+)−エピカテキンガレー
ト−4’,4”−ジ−O−α−D−グルコピラノシド、
(−)−エピガロカテキン−4’−O−α−D−グルコ
ピラノシド、(−)−エピガロカテキンガレート−4’
−O−α−D−グルコピラノシド、(−)−エピガロカ
テキンガレート−4’,4”−ジ−O−α−D−グルコ
ピラノシド、(−)−ガロカテキン−4’−O−α−D
−グルコピラノシド、(−)−ガロカテキンガレート−
4’−O−α−D−グルコピラノシド、(−)−ガロカ
テキンガレート−4’,4”−ジ−O−α−D−グルコ
ピラノシド、(−)−カテキン−7−O−β−D−グル
コピラノシド、(+)−カテキン−7−O−β−D−グ
ルコピラノシド、(−)−エピカテキン−7−O−β−
D−グルコピラノシド、カテキン−4’−O−β−D−
グルコピラノシド、(−)エピカテキン−3’−O−メ
チル−7−O−β−D−グルコピラノシド、(−)−エ
ピカテキン−6−C−β−D−グルコピラノシド、
(+)−カテキン−6−C−β−D−グルコピラノシ
ド、(−)−カテキン−8−C−β−D−グルコピラノ
シド、(+)−カテキン−8−C−β−D−グルコピラ
ノシドなどをあげることができる。これらの中でも、
(−)−エピカテキン、(−)−エピガロカテキン系の
配糖体が、ヒスチジン脱炭酸酵素活性阻害の強さの観点
(Biochim. Biophys. Acta., 1133, p.172-178 (1992))
から、本発明においては特に好適に用いることができ
る。そしてこれらは、前記のKitao らの方法により製造
することができる。
【0096】上記のフラバン3−オール骨格を有するア
グリコンの配糖体を有効成分として含有するヒスチジン
脱炭酸酵素阻害剤は、上記のようなカラムクロマトグラ
フィによる分離精製により得られたフラバン3−オール
骨格を有するアグリコンの配糖体を含有する分画液をそ
のまま、該分画液を濃縮することにより得られる濃縮液
をそのまま、あるいは凍結乾燥などの処理操作により白
色固体粉末としたものを製剤化することにより製造する
ことができる。本発明のヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤
は、上記のようなフラバン3−オール骨格を有するアグ
リコンの配糖体を1種単独で、又は2種以上の組み合わ
せで含有する。
【0097】作用 フラバン3−オール骨格を有するアグリコンの配糖体
は、優れたヒスチジン脱炭酸酵素阻害活性を示し、しか
も作用が緩和で作用の持続性が長く、かつ化学的に安定
である。これは、フラバン3−オール骨格を有するアグ
リコンの配糖体は、例えば、経口投与されると、胃腸内
のグルコシダーゼ系やリアーゼ系の酵素、即ち、小腸内
においてはαグルコシダーゼ、大腸又は直腸内において
は腸内細菌が産生するβグルコシダーゼ及び各種リアー
ゼ系酵素によりフラバン3−オール骨格を有するアグリ
コン成分と、糖とに徐々に、長時間わたって分解され
て、分解され次第、それらの遊離アグリコンが血液内に
徐々に吸収されることによる。その結果として長時間に
わたって血液中にアグリコンが存在することになる。次
いで、遊離アグリコンは、ECL細胞(enterochromaff
in-likecell)、肥満細胞(mastcell)などのヒスチジン脱
炭素酵素活性を阻害し、ヒスタミン生成量を減少させ
る。その結果、各種刺激を受けてもECL細胞、肥満細
胞からのヒスタミン放出量が長時間にわたって低減され
る。そして、ヒスタミンを媒介物とする生体反応、例え
ば、胃酸分泌、アレルギー反応などが長時間にわたって
制御されることになる。
【0098】従って、本発明のヒスチジン脱炭酸酵素阻
害剤は、ヒスタミンが関与する各種炎症疾患の予防、治
療のための抗炎症剤として極めて有用である。特に、慢
性的疾患、例えば、胃潰瘍、十二支腸潰瘍などの潰瘍疾
患についての抗潰瘍剤、及び、アトピー性皮膚炎、鼻閉
塞感を伴うアレルギー性鼻炎などアレルギー性炎症疾患
の治療や、また、即時型アレルギーに分類される炎症疾
患、例えば、気管支ぜん息、じん麻疹、アレルギー性鼻
炎などの予防のための抗アレルギー剤として好適に用い
られる。また、本発明のヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤
は、活性酸素フリーラジカルに起因すると推定される疾
患、例えば、炎症、発癌、放射能障害、アレルギー、白
内障、動膊硬化、心筋虚血、老化、けいれん、脳卒中、
糖尿病などの予防薬、治療薬としても有用である。
【0099】投与方法 本発明のヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤は、経口、非経口
又は吸引により投与されるが、経口投与が一般的に好ま
しい。またクリームなどに製剤化して、皮膚炎症部に塗
る外用薬としても用いることができる。
【0100】製剤化 上記のフラバン3−オール骨格を有するアグリコンの配
糖体に、薬理的に許容しうる固体又は液体の製剤担体を
配合することにより薬剤組成物とすることができる。こ
の組成物は注射剤、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、
顆粒剤、水剤、シロップ剤、懸だく剤、又は乳剤の形態
を採ることができる。製剤担体としては、かかる形態に
通常用いられるものであればよく、例えば、トウモロコ
シ澱粉、各種デキストリン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、
メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースカル
シウム、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、
アルギン酸ナトリウム、ウィテプソールW3、ウィテプ
ソールE85、ポリビニルアルコースもしくは軽質無水
ケイ酸などの賦形剤、結合剤もしくは崩壊剤;タルク、
ステアリン酸、ワックス類、ヒドロキシプロピルセルロ
ースもしくは硼酸などの潤沢剤;セラック、酢酸フタル
酸セルロースもしくはポリビニルアセタルジエチルアミ
ノアセテートなどの被覆剤;グリセリン、プロピレング
リコールもしくはマンニトールなどの溶解補助剤;ポリ
オキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンセチ
ルアルコールエテール、アラビアゴムもしくはポリビニ
ルピロリドンなどの乳化剤もしくは懸だく剤;もしくは
ソルビトール、ツィーン80、スパン60もしくは油脂
類などの安定化剤;又は各種の溶剤が挙げられる。
【0101】投与量 本発明のヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤のヒトへの投与量
は、治療すべき症状、年齢、体重、投与経路に異なる
が、成人一日あたり、0.01〜100 mg/kg(体重)、好ま
しくは0.05〜50mg/kg(体重)、より好ましくは 0.1〜
25mg/kg(体重)である。0.01mg/kg(体重)未満の投
与量では薬理効果がうすい。また、100 mg/kg(体重)
を超える投与量は、神経系、肝臓、胃などの生理機能に
直接影響を及ぼす可能性があるので好ましくない。
【0102】
【実施例】
(製造例1)配糖体No. O−α−1:(−)−エピガロカテキン−4'
−O−α−D−グルコピラノシドの製造 Kitao らの方法により酵素的に調製した。以下、具体的
に説明する。
【0103】(−)−エピガロカテキン(栗田工業社販
売)600mgを3mlのメタノールに溶解した。得られたメ
タノール溶液と、100mMHEPES緩衝液(pH7.5)にシ
ュークロースを400mg/mlの濃度で溶解した溶液300mlと
を混合し、これにシュークロースホスホリラーゼ(キッ
コーマン社製)13500単位を添加して42℃で15時間反応
させることにより配糖体生成反応を行った。次に、100
℃で5分間加熱処理して酵素反応を停止させた。
【0104】得られた酵素反応混合液をセファデックス
LH−20カラム(内径5cm、長さ60cm)に通し、該カラ
ムを水で洗浄した後、40〜70%エタノール溶液を用いて
濃度勾配法にて溶離を行い、(−)−エピガロカテキン
配糖体分画液を得た。次に、該(−)−エピガロカテキ
ン配糖体分画液をCAPCELL PAK C18 SG120カラム(内径
2cm、長さ25cm、資生堂社製)に通し、次いで20%メタ
ノール溶液を用いて溶離を行い、目的物である(−)−
エピガロカテキン−4'−O−α−D−グルコピラノシド
分画液を得た。該分画液を減圧濃縮し、次いで凍結乾燥
することにより(−)−エピガロカテキン−4'−O−α
−D−グルコピラノシドの粉末180mg(純度99%、収率4
0%)を得た。尚、目的物質であることは、IRスペク
トル、C13−NMR、及びH−NMRにより確認した。
【0105】(製造例2)配糖体No. O−α−2:(−)−エピガロカテキンガレ
ート−4'−O−α−D−グルコピラノシド、及び 配糖体No. O−α−3:(−)−エピガロカテキンガレ
ート−4',4" −ジ−O−α−D−グルコピラノシドの製
Kitao らの方法により酵素的に調製した。以下、具体的
に説明する。
【0106】(−)−エピガロカテキンガレート(栗田
工業社販売)600mgを用いた以外は製造例1と同様の方
法で酵素反応を行った。得られた酵素反応混合液を、CA
PCELL PAK C18 SG120カラム(内径2cm、長さ25cm、資
生堂社製)に通し、次いで20%メタノール溶液を用いて
溶離を行い、(−)−エピガロカテキンガレート−4'−
O−α−D−グルコピラノシド分画液と、(−)−エピ
ガロカテキンガレート−4',4" −ジ−O−α−D−グル
コピラノシド分画液を得た。分画液をそれぞれ減圧濃縮
し、次いで凍結乾燥することにより(−)−エピガロカ
テキンガレート−4'−O−α−D−グルコピラノシドの
粉末70mg(純度99%、収率20%)、及び(−)−エピガ
ロカテキンガレート−4',4" −ジ−O−α−D−グルコ
ピラノシドの粉末140mg(純度99%、収率33%)を得
た。尚、目的物質であることは、IRスペクトル、C13
−NMR、及びH−NMRにより確認した。
【0107】(製造例3)配糖体No. O−α−4:ドリオプテリン−4'−O−α−
D−グルコピラノシド、 配糖体No. O−α−5:ドリオプテリン−3',4'−ジ−
O−α−D−グルコピラノシド、及び 配糖体No. O−α−6:ドリオプテリン−7,4'−ジ−O
−α−D−グルコピラノシドの製造 Karlらの方法(Z. Naturforsch., 36, p.607 (1981)によ
りドリオプテリンを分離精製した。
【0108】ドリオプテリンの分離精製 かしのきシダであるDryopteris filixmas 30kgをアセト
ン−水混合液(1:1(v/v) )50Lに混合して室温で5
日間抽出を行った。抽出残渣を更にアセトン−水混合液
50Lに混合して再度抽出を行った。得られた抽出液全て
を混合して、ロータリエバポレータにて減圧下、40℃で
濃縮して濃縮液10Lを得た。該濃縮液に同量の水を加え
た後、同量の四塩化炭素、クロロホルム、ジエチルエー
テル、酢酸エチルを用いて順番に抽出を行った。酢酸エ
チル抽出物を前記同様にエバポレータを用いて濃縮し、
得られた濃縮物を凍結乾燥して粉末乾燥物40gを得た。
【0109】該粉末乾燥物20gに水300mlを加え、セフ
ァデックスLH−20カラムに通し、該カラムを水で洗浄
した後、エタノールを用いて溶離を行って、バニリン−
HCl呈色反応画分を分取した。この分画液について、更
に、アセトン、及びクロロホルム−メタノール混合液
(2:8(v/v) )でそれぞれクロマトグラフィ操作を行
い、ドリオプテリン含有分画液を得た。前記粉末乾燥物
の残り20gについても同様な操作を行いドリオプテリン
含有分画液を得た。このドリオプテリン含有画分を全部
合わせて濃縮し、固体粉末状のドリオプテリン630mg
(純度98%)を得た。
【0110】ドリオプテリンの定性分析には、下記の薄
層クロマトグラフィを使用した。なお、Rf値は文献値
を参照した。 a)薄層板:ケーゼルゲル(Kieselgel )F254 、展開
液:クロロホルム−酢酸−水 55:45:10(v/v) 。 b)薄層板:ケーゼルゲル(Kieselgel )F254 、展開
液:トルエン−アセトン−酢酸 5:5:1(v/v) c)薄層板:セルロース、展開液:ブタノール−酢酸−
水 4:1:2(v/v) d)薄層板:ケーゼルゲル(Kieselgel )F254 、展開
液:トルエン−アセトン2:1(v/v) 尚、ドリオプテリンであることは、IRスペクトル、C
13−NMR、及びH−NMRにより確認した。
【0111】配糖体の製造 上記ドリオプテリンを用いて、製造例1のKitao らの酵
素的方法と同様の方法で各種O−α−配糖体を調製し
た。ドリオプテリン−4'−O−α−D−グルコピラノシ
ドの収率は約40%、ドリオプテリン−3',4'−ジ−O−
α−D−グルコピラノシドの収率は約15%、及びドリオ
プテリン−7,4'−ジ−O−α−D−グルコピラノシドの
収率は約15%であった。
【0112】(製造例4)配糖体No. O−α−7:フィロクマリン−4'−O−α−
D−グルコピラノシド、 配糖体No. O−α−8:フィロクマリン−3',4'−ジ−
O−α−D−グルコピラノシド、及び 配糖体No. O−α−9:フィロクマリン−5,4'−ジ−O
−α−D−グルコピラノシドの製造 Foo らの方法(Phytochem., 28, 2477-2481 (1989) )に
よりフィロクマリンを分離精製した。
【0113】フィロクマリンの分離精製 Phyllocladus trichomanoides (celey pine)の芽、葉及
び小枝を凍結乾燥したもの10kgを粉末化した。得られた
粉末物をアセトン−水混合液(1:1(v/v) )20Lに混
合して室温で1日間抽出を行った。抽出残渣を更にアセ
トン−水混合液(1:1(v/v) )20Lに混合して再度抽
出を行った。得られた抽出液全てを混合して、ロータリ
ーエバポレータで5分の1に濃縮した。得られた濃縮液
に同量の水を加えた後、酢酸エチル5Lで5回抽出を行
った。得られた抽出物を前記同様にロータリーエバポレ
ータで濃縮し、得られた濃縮物を凍結乾燥して粉末乾燥
物2.2kgを得た。
【0114】該粉末乾燥物50gに水を加え、セファデッ
クスLH−20カラムに通し、該カラムを水で洗浄した
後、エタノールを用いて溶離を行って、バニリン−HCl
呈色反応画分を分取した。この分画液を5分の1に濃縮
した後、更に、溶離剤としてエタノール−水混合液(1
5:85(v/v) )を用いて同様のクロマトグラフィ操作を
行い、フラボノイド分画液aを得た。得られた分画液
を、更にCAPCELL PAK C18 SG120カラム(内径2cm、長
さ25cm)(資生堂社製)に通し、メタノール−水の濃度
勾配液(3:3から1:1(v/v) )を用いて溶離を行っ
て、フラボノイド分画液bを得た。このような操作を全
ての粉末乾燥物について行って、得られたフラボノイド
分画液bを合わせた。得られたフラボノイド分画液b
を、セファデックスLH−20カラムに通し、エタノール
−水の濃度勾配液(3:17から3:7(v/v) )を用いて
溶離を行って、最初に溶離した画分を採取し、濃縮後、
凍結乾燥してフィロクマリンの粉末512mgを得た。
【0115】なお、純度は98%であった。また、目的の
フィロクマリンであることは、IRスペクトル、C13
NMR、及びH−NMRにより確認した。また、前記の
分離精製において、溶離液について、Schleicher・Schu
ell セルロース薄層板を使用する薄層クロマトグラフィ
(展開液:酢酸−水、6:94(v/v) )行って、フィロク
マリン含有の分画液であることを確認した。フィロクマ
リンのRf値は文献値を参照した。
【0116】配糖体の製造 上記フィロクマリンを用いて製造例1のKitao らの酵素
的方法と同様の方法で各種O−α−配糖体を調製した。
フィロクマリン−4'−O−α−D−グルコピラノシドの
収率は約40%、フィロクマリン−3',4'−ジ−O−α−
D−グルコピラノシドの収率は約10%、及びフィロクマ
リン−5,4'−ジ−O−α−D−グルコピラノシドの収率
は約15%であった。
【0117】(製造例5)配糖体No. O−β−1:(−)−エピガロカテキン−7
−O−β−D−グルコピラノシド、 配糖体No. O−β−2:(+)−カテキン−7−O−β
−D−グルコピラノシド、及び 配糖体No. O−β−3:(+)−カテキン−4'−O−β
−D−グルコピラノシドの製造 Foo らの方法(Phytochem., 28, 1237-1240 (1989) )に
より調製した。
【0118】ダグラスモミの内側樹皮50kgについて、3
回に分けて、それぞれメタノール100Lを用いて室温で
抽出を行った後、各抽出液を混合し、フラシューエバポ
レータにて減圧濃縮して濃縮液10Lを得た。該濃縮液
に、水10Lを加えた後、ヘキサン50Lで洗浄し、次いで
酢酸エチル50Lで洗浄した。洗浄後、凍結乾燥すること
により、粉末2.5kg(粗抽出物)を得た。
【0119】得られた粗抽出物の100gを水600mlに溶解
し、得られた水溶液をセファデックスLH−20カラム
(内径5cm、長さ60cm)に通し、メタノール−水混合溶
液(1:1(v/v) )を用いて溶離を行い、炭水化物分画
液、フラボノイド分画液、及びプロシアニジンのオリゴ
マー分画液を得た。得られたフラボノイド分画液をMCI-
gel CHP-20P カラム(75〜150μ)(内径2cm、長さ25c
m)に通し、メタノール−水混合溶液(3:7(v/v) )
を用いて溶離を行い、(−)−エピガロカテキン−7−
O−β−D−グルコピラノシド分画液、(+)−カテキ
ン−7−O−β−D−グルコピラノシド分画液、及び
(+)−カテキン−4'−O−β−D−グルコピラノシド
分画液を得た。
【0120】更に、得られた各分画液を精製すべく、そ
れぞれ溶離剤としてエタノール−水混合溶液(1:1(v
/v) )を用いて、セファデックスLH−20カラム及びMC
I-gelCHP-20Pカラムによるクロマトグラフィ操作を行
い、最後に、溶離剤としてエタノール−水混合溶液
(3:17(v/v) )を用いて、セファデックスLH−20カ
ラムによるクロマトグラフィ操作を行った。
【0121】上記粗抽出物全てについて、上記と同様の
操作を行って目的の配糖体をそれぞれ含有する精製分画
液を得た。得られた分画液を凍結乾燥することにより、
(−)−エピガロカテキン−7−O−β−D−グルコピ
ラノシド300mg(純度99%)、(+)−カテキン−7−
O−β−D−グルコピラノシド750mg(純度99%)、及
び(+)−カテキン−4'−O−β−D−グルコピラノシ
ド1500mg(純度99%)を得た。
【0122】尚、上記の方法において、目的の配糖体を
それぞれ含有する分画液であることは、溶離液につい
て、Schleicher・Schuell セルロース薄層クロマトグラ
フィ(展開液a:ブタノール−酢酸−水の3:1:1(v
/v) 混合液、展開液b:酢酸−水の3:47(v/v) 混合
液)を行うことにより確認した。また溶離液をβグルコ
シダーゼ(キッコーマン社製造、盛進製薬販売)処理し
て得たアグリコン部についても同様の薄層クロマトグラ
フィを行った。また、目的の配糖体であることは、IR
スペクトル、C13−NMR、及びH−NMRにより確認
した。
【0123】(製造例6)配糖体No. O−β−4:(+)−カテキン−3',7−ジ−
O−β−D−グルコピラノシド、 配糖体No. O−β−5:(+)−カテキン−3',5−ジ−
O−β−D−グルコピラノシド、 配糖体No. O−β−6:(+)−カテキン−3',4'−ジ
−O−β−D−グルコピラノシド、 配糖体No. O−β−7:(+)−カテキン−4',5−ジ−
O−β−D−グルコピラノシド、 配糖体No. C−1:(+)−カテキン−8−C−β−D
−グルコピラノシドの製造、及び 配糖体No. C−2:(+)−カテキン−6−C−β−D
−グルコピラノシドの製造 kashiwada らの方法(Chem. Pharm. Bull., 34 (8), 32
08-3222 (1986)) により調製した。
【0124】長吉黄32kgをミキサーで粉末にし、80%ア
セトン水溶液100Lを用いて室温で5回抽出操作を行っ
た。得られた抽出液を製造例5と同様の方法で濃縮し、
濃縮液5Lを得た。この濃縮液を5等分して、水で2倍
に希釈した。各希釈液を遠心分離にて清澄化した。得ら
れた液をセファデックスLH−20カラム(内径5cm、長
さ60cm)に通し、メタノールと水の1:0から0:1(v
/v) の濃度勾配溶液を用いて溶離を行って、画分I、I
I、III 、IV及びVを得た。残りの濃縮液についても同
様の操作を行った。
【0125】得られた画分IIを濃縮し、凍結乾燥して粉
末1.5kgを得た。この粉末を5等分し、各々を水500mlに
溶解した。その各々について、MCI-gel CHP-20P カラム
によるクロマトグラフィ操作を行った。溶離剤として
は、メタノールと水の1:0か0:1(v/v) の濃度勾配
溶液を用いた。このようにして分画II−1、II−2、II
−3、II−4及びII−5を得た。
【0126】画分II−3について、セファデックスLH-2
0 カラムを用いて再クロマトグラフィ操作を行った。溶
離剤としては、メタノールと水の混合液(3:2(v/v)
)を用いた。そして、2画分II−3a、II−3bを得た。
画分II−3aについて、MCI-gelCHP-20P カラムによるク
ロマトグラフィ操作を施し、精製された(+)−カテキ
ン−8−C−β−D−グルコピラノシド含有分画液を得
た。II−3bについてBondapak C18/Porasil B カラム
(35〜75μ、Water associates Inc. )を用いる再クロ
マトグラフィを施した。溶離剤として、水−メタノール
混合液(9:1(v/v) )を用いた。このようにして、4
画分、即ち、(+)−カテキン−3',7−ジ−O−β−D
−グルコピラノシド、(+)−カテキン−3',5−ジ−O
−β−D−グルコピラノシド、(+)−カテキン−3',
4'−ジ−O−β−D−グルコピラノシド、及び(+)−
カテキン−4',5−ジ−O−β−D−グルコピラノシドを
それぞれ含有する分画液を得た。
【0127】前記画分II−4について、せファデックス
LH-20 カラムによる再クロマトグラフィを行った。溶離
剤としては、水とメタノールとの濃度勾配液(1:0か
4:1(v/v) )を用いた。3画分II−4a、II−4b及びII
−4cを得た。画分II−4a、II−4bについて、前記同様の
Bondapak C18/Porasil B カラムを用いる再クロマト
グラフィを施した。画分II−4aから精製された(+)−
カテキン−8−C−β−D−グルコピラノシド含有分画
液、及び画分II−4bから精製された(+)−カテキン−
6−C−β−D−グルコピラノシド含有分画液を得た。
【0128】前記画分IIの全粉末について前記と同様の
操作を行って配糖体を分離精製した。前記の精製分画液
について、全操作の分を合わせ、凍結乾燥して各配糖体
の粉末を得た。その結果、(+)−カテキン−3',7−ジ
−O−β−D−グルコピラノシドについては260mg、
(+)−カテキン−3',5−ジ−O−β−D−グルコピラ
ノシドについては180mg、(+)−カテキン−3',4'−ジ
−O−β−D−グルコピラノシドについては160mg、
(+)−カテキン−4',5−ジ−O−β−D−グルコピラ
ノシドについては80mg、(+)−カテキン−8−C−β
−D−グルコピラノシドについては2100mg、及び(+)
−カテキン−6−C−β−D−グルコピラノシドについ
ては480mgを得た。なお、各配糖体の純度は99%であっ
た。また、目的の配糖体であることは、IRスペクト
ル、C13−NMR、及びH−NMRにより確認した。
【0129】(実施例1)本発明による配糖体の安定性試験 純水を3mlづつ3区分用意し、第一区分に(−)−エ
ピガロカテキンガレートを、第2区分に上記製造例1で
調製した配糖体No. O−α−2((−)−エピガロカテ
キンガレート−4'−O−α−D−グルコピラノシド)
を、第3区分に上記製造例1で調製した配糖体No. O−
α−3((−)−エピガロカテキンガレート−4',4"−
ジ−O−α−D−グルコピラノシド)をそれぞれ1000 p
pmの濃度になるように溶解した。それぞれの区分に蛍光
燈(27ワット)を5cm直下に固定して、可視光線強度 1
9500ルックス、紫外線( 310〜400nm )強度0.20mW/cm
2の条件で照射し、経時的にサンプルの一部を採取し、
420nmにおける吸光度を測定した。吸光度の増加を、上
記化合物の不安定度の目安とした。その結果を図1に示
す。
【0130】図1から、アグリコン成分のみからなる
(−)−エピガロカテキンガレートを溶解した区分(図
1中のEGCg)は、時間と共に吸光度が増加してお
り、色の安定性が非常に悪いが、これに対して、その配
糖体すなわち(−)−エピガロカテキンガレート−4'−
O−α−D−グルコピラノシドを溶解した区分(図1中
のG−1)及び(−)−エピガロカテキンガレート−
4',4"−ジ−O−α−D−グルコピラノシド(図1中の
G−2)は、吸光度の増加が殆ど観察されないので、色
沢が安定であることがわかる。従って、本発明によるフ
ラバン3−オール骨格を有するアグリコンの配糖体は化
学的に非常に安定であることが確認された。
【0131】(実施例2)本発明による配糖体のヒスチジン脱炭酸酵素活性阻害試
験(試験No.210〜217 ) 各試験において、表1に示した配糖体を添加した場合の
ヒスチジン脱炭酸酵素活性をそれぞれ測定した。ヒスチ
ジン脱炭酸酵素として、マウス肥満腫瘍細胞P−815
(Biochim. Biophys. Acta., 1133,172-178(1992)参照)
から、Ohmoriらの方法(J.Biochem., 107, 834-839 (199
0)参照) により部分精製したものを用いた。
【0132】各試験において、100mMリン酸緩衝液(pH
6.8)に、ヒスチジンを5μg/mlの濃度、ピリドキサ
ールリン酸を5μg/mlの濃度、及び部分精製ヒスチジ
ン脱炭酸酵素溶液を20μl/mlの濃度、表1に示した配
糖体を 5.6μg/mlの濃度となるように混合した反応液
0.1mlを試験管に採り、37℃で10時間反応させた。反応
終了後、生成したヒスタミンをジメチルアミノアゾベン
ゼンイソチオシアネート誘導体としてHPLC法(カラ
ム:Cosmosil SIL、流出液:クロロホルム/ジメチルホ
ルムアミド(DMF)/水/酢酸=210/80/4/1 (vol./v
ol.)、検出:435nm)により該誘導体量を測定して、生成
ヒスタミン量を求めた。配糖体の代わりにメタノールを
用いた場合(対照、試験No.217)のヒスチジン脱炭酸酵
素阻害率を0%として、各配糖体を添加した場合のヒス
チジン脱炭酸酵素の阻害率を生成ヒスタミン量から求め
た。その結果を表1に示す。
【0133】表1 ─────────────────────────────────── 試験 配糖体 配糖体名 酵素活性阻害率 No. No. (%) ─────────────────────────────────── 201 O-α-1 (−)−エピガロカテキン−4’−O−α− 62.4 D−グルコピラノシド 202 O-α-2 (−)−エピガロカテキンガレート−4’ 24.9 −O−α−D−グルコピラノシド 203 O-α-3 (−)−エピガロカテキンガレート−4’、 20.5 4”−O−α−D−ジ−グルコピラノシド 204 O-α-4 ドリオプテリン−4’−O−α− 54.3 D−グルコピラノシド 205 O-α-5 ドリオプテリン−3’,4’−ジ−O−α− 24.1 D−グルコピラノシド 206 O-α-7 フィロクマリン−4’−O−α− 57.7 D−グルコピラノシド 207 O-α-8 フィロクマリン−3’,4’−ジ−O−α− 23.8 D−グルコピラノシド 208 O-β-1 (−)−エピガロカテキン−7−O−β− 57.3 D−グルコピラノシド 209 O-β-2 (+)−カテキン−7−O−β− 33.8 D−グルコピラノシド 210 O-β-3 (+)−カテキン−4’−O−β− 33.8 D−グルコピラノシド 211 O-β-4 (+)−カテキン−3’,7−ジ−O−β− 31.8 D−グルコピラノシド 212 O-β-5 (+)−カテキン−3’,5−ジ−O−β− 43.7 D−グルコピラノシド 213 O-β-6 (+)−カテキン−3’,4’−ジ−O−β− 31.8 D−グルコピラノシド 214 O-β-7 (+)−カテキン−4’,5−ジ−O−β− 33.3 D−グルコピラノシド 215 C-1 (+)−カテキン−8−C−β− 56.8 D−グルコピラノシド 216 C-2 (+)−カテキン−6−C−β− 63.5 D−グルコピラノシド 217 対照 メタノール 0 ───────────────────────────────────
【0134】表1に示す結果から、本発明のフラバン3
−オール骨格を有するアグリコンの配糖体は、マウス肥
満腫瘍細胞P−815由来のヒスチジン脱炭酸酵素を阻
害することが確認された。
【0135】(実施例3)本発明による配糖体のマウス肥満腫瘍細胞P−815に
おけるホルボールエステル及びデキサメタゾン誘導ヒス
タミン生合成阻害試験(試験No.301〜315 ) 各試験において、下記のようにしてヒスタミン生合成阻
害試験を行った。試験は、Kawai の方法(Biochim. Biop
hys. Acta., 1133, 172-178 (1992)参照)に従って行な
った。
【0136】マウス肥満腫瘍細胞P−815(5×106
個)を10mlの5%FBS(牛胎児血清、fetal bovine s
erum)を含有するRPMI1640培地に懸濁し、12−
O−テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(1×
10-8M)及びデキサメタゾン(1×10-7M)を添加した
後、表2に示す配糖体を 0.1mg/mlの濃度で添加し、37
℃で12時間培養した。培養終了後、細胞内のヒスタミン
含量を実施例2と同様の方法で求めた。培養終了後のヒ
スタミン含量の測定値から培養開始時のヒスタミン含量
の測定値を差引いた値をヒスタミン生合成量とした。そ
の結果を表2に示した。
【0137】なお、配糖体としては、予め、5%FBS
を含有するRPMI1640培地中で、O−α−配糖体
についてはαグルコシダーゼ(2000単位/ml)、また
β−配糖体についてはβグルコシダーゼ(3000単位/m
l)を用いて37℃で5時間処理した後、その処理液にそ
れと同量のメタノールを添加し、次いで遠心処理を行な
って蛋白質を分離除去することにより得られる除蛋白液
の一部を用いた。また、対照(試験No.215)として本発
明の配糖体を添加しない前記培地で前記と同様にαグル
コシダーゼ処理し、メタノール添加した後、除蛋白した
液を用いた。
【0138】表2 ─────────────────────────────────── 試験 配糖体 配糖体名 ヒスタミン No. No. 生合成量 (nmol/107cells) ─────────────────────────────────── 301 O-α-1 (−)−エピガロカテキン−4’−O−α− 4.6±1.54 D−グルコピラノシド 302 O-α-2 (−)−エピガロカテキンガレート−4’ 10.6±0.57 −O−α−D−グルコピラノシド 303 O-α-3 (−)−エピガロカテキンガレート−4’, 10.4±3.26 4”−O−α−D−ジ−グルコピラノシド 304 O-α-4 ドリオプテリン−4’−O−α− 11.2±1.56 D−グルコピラノシド 305 O-α-6 ドリオプテリン−7,4’−ジ−O−α− 9.4±3.86 D−グルコピラノシド 306 O-α-7 フィロクマリン−4’−O−α− 9.5±2.25 D−グルコピラノシド 307 O-α-9 フィロクマリン−5,4’−ジ−O−α− 10.8±3.76 D−グルコピラノシド 308 O-β-1 (−)−エピガロカテキン−7−O−β− 10.7±3.63 D−グルコピラノシド 309 O-β-2 (+)−カテキン−7−O−β− 7.2±3.22 D−グルコピラノシド 310 O-β-3 (+)−カテキン−4’−O−β− 7.5±3.26 D−グルコピラノシド 311 O-β-4 (+)−カテキン−3’,7−ジ−O−β− 8.2±3.35 D−グルコピラノシド 312 O-β-5 (+)−カテキン−3’,5−ジ−O−β− 6.3±3.89 D−グルコピラノシド 313 O-β-6 (+)−カテキン−3',4' −ジ−O−β− 10.2±3.28 D−グルコピラノシド 314 O-β-7 (+)−カテキン−4’,5−ジ−O−β− 10.7±3.7 D−グルコピラノシド 315 対照 31.0±1.85 ───────────────────────────────────
【0139】表2に示す結果から、本発明のフラバン3
−オール骨格を有するアグリコンの各種配糖体は、P−
815細胞のヒスタミン生合成を、対照と比較して1/
3ないし1/6に阻害していることが確認された。
【0140】(実施例4)カラゲニン足浮腫抑制試験(試験No.410〜416 ) 各試験において、下記のようにしてカラゲニン足浮腫抑
制試験を行った。 使用動物:5週令の雄性ddY系マウス(体重18〜22
g)。
【0141】実験方法:実験は、スリマル(Srimal)ら
のカラゲニン足浮腫抑制試験法(J.Pharmacy and Pharma
cology, 25, 447 (1973) )に従って行った。1群につ
き5匹のマウスを用いた。表3に示す配糖体を生理食塩
水に20mg/mlの割合で溶かした溶液を、50mg/kg(体
重)の割合で各マウスの腹腔内に投与した。投与30分後
に、各マウスに1%カラゲニン生理食塩液0.05mlを右側
後肢足蹠皮下に注射し、4時間後に頚椎脱臼にて屠殺
し、両側後肢を足関節部で切断して重量を測定した。浮
腫率は正常左後肢足重量に対する炎症後肢足重量から算
出し、下記の式により浮腫抑制率(%)、すなわち、抗
炎症活性(%)を求めた。なお、対照としては生理食塩
液を用いた。 浮腫抑制率(%)=(1−検体投与浮腫率/対照浮腫
率)×100 その結果を表3に示した。
【0142】表3 ─────────────────────────────────── 試験 配糖体 配糖体名 浮腫抑制率 No. No. (抗炎症活性) (%) ─────────────────────────────────── 401 O-α-1 (−)−エピガロカテキン−4’−O−α− 42.1 D−グルコピラノシド 402 O-α-2 (−)−エピガロカテキンガレート−4’ 40.8 −O−α−D−グルコピラノシド 403 O-α-3 (−)−エピガロカテキンガレート−4’, 35.8 4”−O−α−D−ジ−グルコピラノシド 404 O-α-4 ドリオプテリン−4’−O−α− 36.7 D−グルコピラノシド 405 O-α-6 ドリオプテリン−7,4’−ジ−O−α− 42.4 D−グルコピラノシド 406 O-α-7 フィロクマリン−4’−O−α− 39.7 D−グルコピラノシド 407 O-α-9 フィロクマリン−5,4’−ジ−O−α− 40.1 D−グルコピラノシド 408 O-β-1 (−)−エピガロカテキン−7−O−β− 30.7 D−グルコピラノシド 409 O-β-2 (+)−カテキン−7−O−β− 38.2 D−グルコピラノシド 410 O-β-3 (+)−カテキン−4’−O−β− 40.5 D−グルコピラノシド 411 O-β-4 (+)−カテキン−3’,7−ジ−O−β− 21.2 D−グルコピラノシド 412 O-β-5 (+)−カテキン−3’,5−ジ−O−β− 42.3 D−グルコピラノシド 413 O-β-6 (+)−カテキン−3’,4’−ジ−O−β− 38.2 D−グルコピラノシド 414 O-β-7 (+)−カテキン−4’,5−ジ−O−β− 40.7 D−グルコピラノシド 415 C-1 (+)−カテキン−8−C−β− 43.2 D−グルコピラノシド 416 C-2 (+)−カテキン−6−C−β− 36.5 D−グルコピラノシド ───────────────────────────────────
【0143】表3に示す結果から、本発明のフラバン3
−オール骨格を有するアグリコンの配糖体は優れた抗炎
症活性及び抗アレルギー活性を有することが確認され
た。
【0144】(実施例5)本発明による配糖体をラットに経口投与したときの血液
中のアグリコン測定 (1) 本発明による配糖体を1種単独で使用した場合(試
験No.501〜503 ) 使用動物:5週令のF344系雄ラット(体重 100〜12
0 g)。 表4に示す本発明による配糖体を、ラットに50μmo
l/ラットの投与量で経口投与した。なお、配糖体は食
塩水に溶かした状態で投与した。投与30分後、、60分
後、120 分後及び180 分後に、ラットの血液 0.2mlづつ
を尾血管から抜取った。その血液を 0.2mlのメタノール
に加えた後、5000g、10分間遠心分離にかけ、血清を得
た。その血清中に含まれる本発明による配糖体の遊離ア
グリコンをHPLC法で分析した。HPLC法は、マイ
クロボンダパックTM(μBondapakTM)(150
×3.9mmi.d.)(ミリポア社製)カラムを用い
るKitao らの方法に従った(Biosci. Biotech. Bioche
m., 57, 2010-2015 (1993)参照)。その結果を表4に示
す。なお、対照としてアグリコン成分のみからなる
(−)−エピガロカテキンガレート(EGCg)を投与
した場合の結果も表4に示す。
【0145】表4 ─────────────────────────────────── 試験 配糖体 血液中のアグリコン量(mg/ml) No. No. 投与前 30分後 60分後 120分後 180分後 ─────────────────────────────────── 501 O−α−2 0 0.12 0.31 0.28 0.27 502 O−α−3 0 0.08 0.24 0.26 0.30 503 EGCg 0 0.65 0.22 0.08 0.05 ─────────────────────────────────── EGCg:(−)−エピガロカテキンガレート O−α−2:(−)−エピガロカテキンガレート−4’−O−α−D−グルコピ ラノシド O−α−3:(−)−エピガロカテキンガレート−4’,4”−O−α−D−ジ −グルコピラノシド
【0146】表4に示す結果から、フラバン3−オール
骨格を有する遊離アグリコンを投与するより、それを配
糖体にして投与する方が、血液中に長い時間にわたり、
該アグリコンが検出されることが示された。このことに
より、本発明の配糖体を投与すると、ヒスチジン脱炭酸
酵素阻害剤が長時間わたり血液中に存在する、即ち本発
明のヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤は持続的に活性を示す
ということが確認された。
【0147】(2) 本発明による配糖体を1種単独で使用
した場合と2種以上を混合して使用した場合(試験No.5
04〜518 ) 実験は、上記(1) と同様の方法で行なった。各試験にお
いて、配糖体は表5に示すように、1種単独で、2種又
は3種を組み合わせて投与した。その結果を表5に示
す。
【0148】表5 ─────────────────────────────────── 試験 配糖体No. 血液中のアグリコン量(mg/ml) No. 0 30分後 60分後 120分後 240分後 480分後 ─────────────────────────────────── 504 O-α-2 0 0.13 0.36 0.25 0.22 0 505 O-α-3 0 0.08 0.25 0.27 0.29 0 506 O-β-1 0 0 0 0.05 0.16 0.25 507 O-β-2 0 0 0 0 0.08 0.36 508 O-β-4 0 0 0 0 0.11 0.24 509 C-1 0 0 0 0 0.10 0.22 510 C-2 0 0 0 0 0.15 0.30 511 O-α-2+O-β-1 0 0.12 0.33 0.35 0.39 0.28 512 O-α-2+O-β-1+C-1 0 0.13 0.30 0.32 0.46 0.48 513 O-α-3+O-β-1 0 0.05 0.28 0.33 0.43 0.35 514 O-α-2+O-β-2 0 0.15 0.35 0.34 0.40 0.33 515 O-α-1+O-β-4 0 0.10 0.28 0.35 0.38 0.35 516 O-α-1+O-β-4+C-2 0 0.11 0.35 0.36 0.40 0.45 517 O-α-4+O-β-4+C-2 0 0.14 0.35 0.38 0.40 0.44 518 O-α-7+O-β-4+C-1 0 0.14 0.33 0.35 0.38 0.39 ─────────────────────────────────── O-α-1:(−)−エピガロカテキン−4’−O−α−D−グルコピラノシド O-α-2:(−)−エピガロカテキンガレート−4’−O−α−D−グルコピラノ シド O-α-3:(−)−エピガロカテキンガレート−4’,4”−O−α−D−ジ−グ ルコピラノシド O-α-4:ドリオプテリン−4’−O−α−D−グルコピラノシド O-α-7:フィロクマリン−4’−O−α−D−グルコピラノシド O-β-1:(−)−エピガロカテキン−7−O−β−D−グルコピラノシド O-β-2:(+)−カテキン−7−O−β−D−グルコピラノシド O-β-4:(+)−カテキン−3’,7−ジ−O−β−D−グルコピラノシド C−1:(+)−カテキン−8−C−β−D−グルコピラノシド C−2:(+)−カテキン−6−C−β−D−グルコピラノシド
【0149】(実施例6)毒性試験 使用動物:5周令の雄性C3H系マウス(体重16〜20
g)。 実験方法:本発明による配糖体の代表例として、表6に
示したものについて急性毒性試験を行なった。実験は医
薬品毒性試験研究報告ガイドラインに準じて、単回投与
法で行なった。表6に示した各配糖体を、それぞれ生理
食塩水に20mg/mlの割合で溶解した。次いで、各配糖体
溶液を、体重20gあたり0.15ml( 150mg/kg(体
重))、 0.1ml( 100mg/kg(体重))及び0.05ml(50
mg/kg(体重))の投与量でそれぞれ5匹のマウスに腹
腔内投与し、7日間観察した。その結果、表6に示す最
大投与量で死亡したマウスはいなかった。
【0150】表6 ─────────────────────────────────── 配糖体 配糖体名 最大投与量 No. (mg/kg(体重)) ─────────────────────────────────── O-α-1 (−)−エピガロカテキン−4’−O−α− D−グルコピラノシド 50.0 O-α-2 (−)−エピガロカテキンガレート−4’ −O−α−D−グルコピラノシド 100.0 O-α-3 (−)−エピガロカテキンガレート−4’, 4”−O−α−D−ジ−グルコピラノシド 150.0 ───────────────────────────────────
【0151】(製剤例1)注射剤 滅菌した(−)−エピガロカテキン−4’−O−α−D
−グルコピラノシド900gを注射用蒸留水に溶解し、
更に全量を3Lとし、1アンプルに3.0mlの割合で
無菌的に封入し、注射剤とした。
【0152】(製剤例2)経口用錠剤 (−)−エピガロカテキンガレート−4’−O−α−D−グルコピラノシド 250g マンニット 200g バレイショデンプン 47g ステアリン酸マグネシウム 3g ととを混合し、これにを10%デンプン糊として
加え粒状化し、これをNo.60メッシュ(B.S.)
のふるいを通し、乾燥させた後、更にNo.16メッシ
ュ(B.S.)のふるいで選別し、この粒子をと混合
した後、打錠機で直径10mm、1錠当りの重量が50
0mgの錠剤とし、経口用錠剤とした。
【0153】(製剤例3)座剤 O.D.O.(中鎖脂肪酸トリグリセライド、日清製油
社製)800gに、滅菌した(−)−エピガロカテキン
ガレート−4’,4”−ジ−O−α−D−グルコピラノ
シド 200gを加え、よく混合した後、ゼラチンソフ
トカプセル皮膜に充填し、1カプセルの有効成分が40
0mg含有する座剤カプセルとした。
【0154】(製剤例4)経口用錠剤 (−)−エピガロカテキンガレート−4’−O−α−D−グルコピラノシド 250g (−)−エピカテキン−7−O−β−D−グルコピラノシド 250g マンニット 200g バレイショデンプン 47g ステアリン酸マグネシウム 3g 、、とを混合し、製剤例2と同様に、を加え
錠剤を製造し、経口用錠剤とした。
【0155】(製剤例5)経口用錠剤 (−)−エピカテキンガレート−4’−O−α−D−グルコピラノシド 250g (−)−カテキン−4’−O−β−D−グルコピラノシド 250g 6−グルコピラノシル−(−)−エピカテキン 250g マンニット 200g バレイショデンプン 47g ステアリン酸マグネシウム 3g 、、、とを混合し、製剤例2と同様に、を
加えて錠剤を製造し、経口用錠剤とした。
【0156】
【発明の効果】本発明のフラバン3−オール骨格を有す
るアグリコンの配糖体を含有してなるヒスチジン脱炭酸
酵素阻害剤は、優れたヒスチジン脱炭酸酵素阻害活性を
示すことから、ヒスタミンが関与する各種炎症疾患、例
えば、胃潰瘍、十二支腸潰瘍などの潰瘍疾患、及び、ア
トピー性皮膚炎、鼻閉塞感を伴うアレルギー性鼻炎など
アレルギー性炎症疾患、気管支ぜん息、じん麻疹、アレ
ルギー性鼻炎などの即時型アレルギー性炎症疾患などの
治療薬、予防薬として用いられる。そして、本発明のヒ
スチジン脱炭酸酵素阻害剤は、作用が緩和で、持続性に
優れる。即ち、一旦投与されると、胃腸内で徐々に分解
され、分解産物である本発明のフラバン3−オール骨格
を有するアグリコンは血液中に徐々に吸収されるので、
結果として血液中に長く存在し得ることになる。また、
フラバン3−オール骨格を有するアグリコンの配糖体
は、化学的に安定であるので、安定化のための特別な工
夫、例えばカプセル化などを必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における吸光度の経時変化を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/70 ACL A61K 31/70 ACL ADU ADU // C07D 315/00 C07D 315/00 C07H 15/26 C07H 15/26 17/06 17/06 (72)発明者 市川 厚 大阪府高槻市別所本町10番1号608

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラバン3−オール骨格を有するアグリ
    コンの配糖体を有効成分として含有するヒスチジン脱炭
    酸酵素阻害剤。
  2. 【請求項2】 フラバン3−オール骨格を有するアグリ
    コンの配糖体が、O−α−配糖体、O−β−配糖体及び
    C−配糖体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含
    有する、請求項1記載のヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤。
  3. 【請求項3】 フラバン3−オール骨格を有するアグリ
    コンの配糖体が、グルコース配糖体を含有する、請求項
    1又は2記載のヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤。
  4. 【請求項4】 フラバン3−オール骨格を有するアグリ
    コンの配糖体が、糖成分がグルコースであり、アグリコ
    ン成分が(−)−カテキン、(+)−カテキン、(−)
    −エピカテキン、(+)−エピカテキン、(−)−エピ
    ガロカテキン、(−)−ガロカテキン又はそれらのガレ
    ート体である配糖体を含有する、請求項1又は2記載の
    ヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤。
  5. 【請求項5】 ヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤が抗炎症剤
    である、請求項1〜4のいずれか一つに記載のヒスチジ
    ン脱炭酸酵素阻害剤。
  6. 【請求項6】 ヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤が抗アレル
    ギー剤である、請求項1〜4のいずれか一つに記載のヒ
    スチジン脱炭酸酵素阻害剤。
  7. 【請求項7】 ヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤が抗潰瘍剤
    である、請求項1〜4のいずれか一つに記載のヒスチジ
    ン脱炭酸酵素阻害剤。
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