JP6654316B2 - 硫酸化ビテキシン2”または硫酸化イソビテキシン2”の前駆体、メラニン生成抑制剤およびそれらを含む飲食品 - Google Patents
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Description
さらに、前記メラニン生成抑制剤を、硫酸化ビテキシン2”量に換算して1日当たり1mg/kg体重以上摂取するための飲食品が提供される。
本発明において見出された硫酸化ビテキシン2”の前駆体は、下記化学式(5)から(11)のいずれかで表される新規化合物Xである。
本発明者は既に、乾燥茶葉を茶温として120〜170℃の範囲に1分30秒〜4分30秒間維持することで、硫酸化ビテキシン2”の含有量を顕著に増加させられることを報告している(特許文献5)。よって、前記化合物Xを多く含む茶葉に対して当該方法を用いることで、硫酸化ビテキシン2”を多く含む茶葉が得られると考えられる。
なお、その際に好適に用いることができる茶葉としては、特許文献5に記載されたように、不発酵茶である緑茶及び焙じ茶用茶葉(例として、からべに茶、やぶきた茶等)、半発酵茶であるウーロン茶用茶葉(例として、密蘭香、武夷水仙、鳳凰水仙、水仙等)、及び、発酵茶である紅茶用茶葉(例として、キーモン等)等が挙げられる。
本発明にかかるメラニン生成抑制剤は、下記化学式(4)で表される硫酸化ビテキシン2”を有効成分として含むものである。
本発明にかかるメラニン生成抑制剤は、前記硫酸化ビテキシン2”の含有量に換算して、1日当たり1mg/kg体重以上、さらに好ましくは5mg/kg体重以上、最も好ましくは10〜30mg/kg体重程度摂取することが好ましい。1mg/kg体重未満であると十分な美白効果が認められない場合があり、また、30mg/kg体重より多く摂取しても摂取量の増加に見合った美白効果がさほど期待されないからである。
本発明にかかるメラニン生成抑制剤は、美白効果を期待した飲料または食品に好適に配合することができる。これらの飲食品には、有効成分である硫酸化ビテキシン2”の他に、必要に応じて添加剤を任意に配合することができる。添加剤としては賦形剤、呈味剤、着色剤、保存剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤、機能性素材等が挙げられる。
前記着色剤、保存剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤には、飲食品に使用される公知のものを適宜選択して配合することができる。
例として、美容・健康飲料または食品、医薬品、洋菓子類、和菓子類、ガム、キャンデー、キャラメル等の一般菓子類、果実ジュース等の一般清涼飲料水、かまぼこ、ちくわ等の加工水産ねり製品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、生めん、ゆでめん、ソバ等のめん類、ソース、醤油、タレ、砂糖、ハチミツ、粉末あめ、水あめ等の調味料、カレー粉、からし粉、コショウ粉等の香辛料、ジャム、マーマレード、チョコレートスプレッド、チーズ、バター、ヨーグルト等の乳製品等が挙げられる。好適には、摂取効率の良さから、経口投与される美容・健康飲料または美容・健康食品等が挙げられる。
また、これらは従来公知の方法により製造することができる。
皮膚外用剤には、有効成分である硫酸化ビテキシン2”以外に、化粧料や医薬品等の皮膚外用剤に通常用いられる成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
前述したように、チャフロサイドAおよびBには、紫外線によって誘発されるメラノサイトの活性化に対する抑制効果が知られている(特許文献1および2)。そこで、これらの前駆体である硫酸化ビテキシン2”および硫酸化イソビテキシン2”について、当該効果の有無を検討することとした。
マウスに9日間、硫酸化ビテキシン2”または硫酸化イソビテキシン2”を含む媒体を胃内に強制経口投与した(1mg硫酸化ビテキシン2”または硫酸化イソビテキシン2”/5ml媒体/kg体重あたり、1回/日)。媒体には、0.5%(w/v)メチルセルロース400溶液を用いた。マウスは、5週齢のDBA/2マウス(雄性、日本チャールス・リバー社製)を購入し、1週間の馴化飼育を行った後に実験に用いた。
9日間の投与終了後に、マウスに120mJ/cm2の中波長紫外線(UVB)を照射し、翌日(=10日目)皮膚を採取してDOPA反応を行った。当該皮膚について顕微鏡観察を行い、単位面積あたりのDOPA陽性メラノサイト数(=活性化メラノサイト数)を計測した。なお、非投与群(=陽性コントロール)には前記媒体のみを9日間投与した。
各試験群にはマウスを8匹ずつ使用し、平均値および標準偏差を算出した。非投与群との有意性をStudent−t検定によって検定し、有意水準5%未満を統計的有意とした。結果を表1および図1に示す。
よって、硫酸化ビテキシン2”は、紫外線によって誘発されるメラノサイトの活性化を効果的に抑制できること、すなわち、安全な植物由来のメラニン生成抑制剤として機能し得ることが示された。一方で、チャフロサイドAの前駆体である硫酸化イソビテキシン2”は、メラニン生成抑制剤として硫酸化ビテキシン2”よりも劣ることも明らかとなった。
次に、硫酸化ビテキシン2”を生じ得る化合物、すなわち、硫酸化ビテキシン2”の前駆体について、茶葉からの単離を試みた。
茶葉(品種:密蘭香)の微粉末400gに50%メタノール水溶液を加えて、50℃で15分間加熱下攪拌して、蜜蘭香の抽出物を得た。得られた抽出液水で希釈して5%メタノール水溶液としてから芳香族系ダイヤイオン(登録商標)HP−20カラムクロマトグラフィー(1000ml,5%メタノール水溶液)に付し、メタノール含量を少しずつ上げながら溶出させた。この方法で得られた目的物を多く含む分画のみを40℃以下で濃縮した。ついで、この得た濃縮物を再度HP−20カラムクロマトグラフィーに付した(300ml、5、10および15と20%メタノール水溶液を展開溶媒に使用)。更に、得た目的物を多く含む画分をSephadex LH−20カラムクロマトグラフィー(3×150cm,展開溶媒メタノール)にかけた。以上の操作を2度行った後、得た目的物の高含有分画から高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Develosil C30−UG−5(250×20mm),またはCadenza CD 18(250×10mm)16%CH3CN−20mMCO2NH4(4:21))を用いて目的化合物Xを約3mg得た。なお、標的とした化合物は希蟻酸処理でチャフロサイド前駆体(硫酸化イソビテキシン2”及び/又は硫酸化ビテキシン2”を与える化合物とした。
新規化合物であったので以下の方法で構造を決めた。
推定構造
1)高分解質量スペクトルより化合物Xの分子式はC21H22O14Sと決定できた。
Negative mode for C21H21O14S-
実測値529.0673 理論値529.0657
2)化合物Xについて、室温下でMeOHに溶解しておく,あるいは同温度で蟻酸-MeOH(1:1000)で酸処理を行ったところ、ほぼ等モルの硫酸化イソビテキシン2”と硫酸化ビテキシン2”が生成した。
1)と2)より化合物Xは下記式(5)で表される化合物と考えられた。
化合物Xについて1H-NMR、13C-NMR、DEPT、H-H-COSY、HMBC及びNEOSY測定を行った。そのデータの解析結果を表2および表3に示した。なお、表中の各シグナルの帰属は図3中に示したnumberingを基にしている。
単離した化合物(約1mg)にメタノールとエーテルの混液中において室温で過剰量のジアゾメタン(CH2N2)を作用させ(条件:過剰量CH2N2を室温で一夜作用させる)、その後やや過剰量のN(CH3)3を室温下で一夜作用させた。得られたメチル化成績体の一つを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Develosil C30−UG−5(250×20mm),またはCadenza CD C18 (250×10mm)、MeOH-10mHCO2NH4の混合溶媒)で精製し、約0.5mg得た。
Negative mode for C24H27O14S-
実測値571.1117 理論値571.1127
本発明にかかるメラニン生成抑制剤を配合した飲食品の配合例を次に挙げるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
配合例1 ソフトカプセル
玄米胚芽油 710mg
硫酸化ビテキシン2” 100mg
エラスチン 130mg
DNA 30mg
葉酸 30mg
砂糖 2300mg
水飴 1486mg
硫酸化ビテキシン2” 38mg
香料 38mg
緑茶抽出液(緑茶の乾燥茶葉20gを熱水1リットルを用いて抽出(80℃、5分間)した後、濾過して得られた上清) 1000g
L−アスコルビン酸ナトリウム 200mg
硫酸化ビテキシン2” 100mg
クエン酸 10mg
Claims (1)
- 下記化学式(1)で表される化合物X、および下記化学式(2)から(7)で表されるその互変異性体。
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