JP5438753B2 - 可動部用条材 - Google Patents
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Description
このように本発明においては、鞘部材の厚さ方向の中央位置より内側領域側へ作動用条材を偏位させ、鞘部材の内側領域の厚さ寸法を外側領域の厚さ寸法より小さくして、内側領域の剛性を外側領域の剛性より低くすることにより、可動部用条材は、外力により鞘部材の剛性がより低い方、つまり内側領域側へ屈曲される一方、屈曲させた部分は、鞘部材全体の剛性により所定の曲率に保たれる。
このように本発明においては、鞘部材の外側領域に、鞘部材の他の部分の硬度より高い硬度の高硬度部を配置し、鞘部材の内側領域の剛性を外側領域の剛性より低くしていることにより、可動部用条材は、外力により鞘部材の剛性がより低い方、つまり内側領域側へ屈曲される一方、屈曲させた部分は、鞘部材全体の剛性により所定の曲率に保たれる。なお、高硬度部は鞘部材の他の部分と最終的に一体に構成されていればよく、高硬度部と鞘部材の他の部分とを一体成形しても、高硬度部と鞘部材の他の部分とを個別に成形した後、両者を結合させてもよい。
このように本発明においては、鞘部材の外側領域の表面に、鞘部材の硬度より高い硬度の高硬度部材を設け、鞘部材の内側領域の剛性を外側領域の剛性より低くすることにより、可動部用条材は、外力により鞘部材の剛性がより低い方、つまり内側領域側へ屈曲される一方、屈曲させた部分は、鞘部材全体の剛性により所定の曲率に保たれる。なお、高硬度部材は鞘部材と最終的に一体に構成されていればよく、高硬度部材と鞘部材とを一体成形しても、高硬度部材と鞘部材とを個別に成形した後、両者を結合させてもよい。
このように本発明においては、高硬度部材を分離可能な複数の片部にて構成し、片部の分離で鞘部材の外側領域の剛性を変えられることにより、可動部用条材の取り付け場所であっても、適宜の片部を分離させて、鞘部材の外側領域の剛性を調整することができ、取り付け場所に応じた微調整を容易且つ短時間で行うことができる。
このように本発明においては、鞘部材の外側領域に、鞘部材の長手方向と交わる方向のスリットを、鞘部材の長手方向に所定間隔で複数形成し、屈曲を容易にすることにより、可動部用条材の屈曲される部分はより大きい曲率に保持されることとなり、可動部用条材はより狭い所定の移動領域内で移動することができる。また、鞘部材のスリットを形成する範囲、スリットの深さ及び各スリットのピッチを適宜に設定することによって、可動部用条材の屈曲される部分の曲率を更に調整することができる。なお、スリットは、例えば無垢の鞘部材の外側領域の表面にレーザ光を漸次照射するレーザ加工等によって形成することができる。
このように本発明においては、作動要素としての電気や光を通す心線、及び/又は作動要素としての空気や作動油を通す管、を有するケーブル部に対し、複数のブロック体をケーブル部長手方向に密に並べて配設し、ケーブル部をブロック体の存在する側を内側とするように屈曲しようとしても、互いに当接するブロック体が屈曲を阻止する一方、ケーブル部をブロック体の存在する側を外側とするように屈曲しようとすると、ブロック体は互いに離隔して屈曲に対する障害とはならず、ケーブル部が屈曲可能となることにより、ケーブル部は外力により、ブロック体の存在する側を外側とする向きでのみ屈曲されることとなり、可動部用条材一端部分の移動動作に際して意図しない不要な屈曲が生じず、一端部分の移動動作が安定して行われる上、保護案内ガイドが不要であり、設置スペースをより狭くできることに加え、保護案内ガイドに要するコストを削減することができる。また、ケーブル部は心線及び/又は管を有して所定の移動領域内で移動することができる一方、摩耗部分が存在せず、粉塵等の発生をできる限り抑制することができる。
このように本発明においては、略帯状に複数本並設されるケーブル部に隣接させたブロック体がケーブル部長手方向に複数並んだ形態として、ケーブル部並設方向と直交する向きに屈曲しやすく、それ以外の向きには屈曲しにくい状態のケーブル部と、屈曲を規制するブロック体とを組合わせることにより、ケーブル部のブロック体の存在する側を外側とする向き以外への屈曲に対する剛性が確保されることとなり、外力を受けたケーブル部がブロック体の存在する側を外側とする向きでのみ屈曲すると共に、屈曲部分は並設したケーブル部全体の剛性で所定の曲率に保たれることとなり、屈曲部分の位置変化の際に蛇行が発生し難く、可動部用条材一端部分の移動に伴う屈曲部分の位置変化が安定して行われる。また、ケーブル部同士並びにケーブル部とブロック体とがそれぞれ連結一体化することで、ケーブル部の屈曲に対してブロック体の連結強度を高くすることができ、屈曲が繰返されてもブロック体がケーブル部から分離しにくく、ブロック体は長期にわたってケーブル部の屈曲の向きを規制する機能を維持できる。
このように本発明においては、平帯状に形成されるケーブル部の略平坦部分でブロック部がケーブル部長手方向へ複数並んだ形態として、ケーブル部とブロック体との接触領域を十分に確保することにより、ケーブル部とブロック体とを接着等で一体化した状態では、確実にこの一体化した状態を維持でき、ケーブル部の屈曲に対して高い強度が得られ、屈曲が繰返されてもブロック体がケーブル部から分離しにくく、ブロック体は長期にわたってケーブル部の屈曲の向きを規制する機能を維持できる。
このように本発明においては、ブロック体をケーブル部より剛性の高い構造とし、ケーブル部のブロック体の存在する側を外側とする向き以外に屈曲しようとした場合に、ブロック体に力が加わるものの、ケーブル部より剛性の高い、すなわち外力に対し変形しにくいブロック体がケーブル部の屈曲を阻止できることにより、ケーブル部がブロック体の存在する側を外側とする向きでのみ屈曲する状態を確実に維持でき、可動部用条材一端部分の移動動作に際して不要なケーブル部の変形が生じず、屈曲部分の位置変化もスムーズに進行して、移動動作を確実に安定化できる。
このように本発明においては、ブロック体とケーブル部との間にシート体が介在する状態とし、ケーブル部とシート体を一体化させられると共に、ブロック体がシート体と密着できることにより、ブロック体をケーブル部と別体で形成して後で一体化する場合に、可撓性を有するシート体はケーブル部との接触面積を最大限確保して強固に一体化させられ、このシート体とブロック体は十分な接触面積で密着できるために、ブロック体とケーブル部を直接一体化しようとするとブロック体とケーブル部との接触面積を確保できず強度不足が見込まれる場合でも、ブロック体をシート体に広い接着面積を確保しつつ接着して適切な接着強度を得られることとなり、シート体を用いてブロック体とケーブル部を強固に一体化でき、問題なく使用できる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る可動部用条材を前記図1に基づいて説明する。
図1において、本実施形態に係る可動部用条材1は、可撓性を有する長尺体として成形される鞘部材2と、この鞘部材2の長手方向一端から他端にかけて内部に配設され、作動要素を送通させる可撓性材製の作動用条材5、6、7、8、9、10、11とを備える構成である。
このように可動部用条材1は、鞘部材2の内側領域21の厚さ寸法より外側領域22の厚さ寸法の方を大きくしてあり、同じ硬度である場合、厚さ寸法が大きい側の方が剛性は高いので屈曲し難く、厚さ寸法が小さい側の方がより屈曲し易いので、可動部用条材1の両端部にこの可動部用条材1をU字状に屈曲させようとする力を作用させた場合、一定の方向へ屈曲するように、すなわち図1に示すように、鞘部材2の一面2aを内側にしてU字状に屈曲する。
ここで鞘部材2の内側領域21及び外側領域22、並びに高硬度部25の硬度は、例えば樹脂の種類、厚さ寸法等によって調整することができる。
このように、本実施形態に係る可動部用条材は、平帯状の鞘部材2内に、作動要素としての電気や光を通す電線又はケーブル、あるいは作動要素としての空気や作動油を通す管等である、可撓性のある作動用条材5、6、7、…、11を、鞘部材2の一端から他端に配設すると共に、鞘部材2の屈曲により内側となる内側領域21の剛性より鞘部材2の外側領域22の剛性を高くすることから、可動部用条材1は外力により、異なる剛性を有する鞘部材2の剛性がより低い方へ屈曲される一方、屈曲させた部分は、鞘部材2全体の剛性により所定の曲率に保たれることとなり、可動部用条材1一端部分の移動動作及び屈曲部分71の位置変化の際に蛇行が発生し難く、かかる一端部分の移動動作及び屈曲部分71の位置変化が安定して行われる上、保護案内ガイドが不要であり、設置スペースをより狭くできることに加え、保護案内ガイドに要するコストを削減することができる。
本発明の第2の実施形態を図2に基づいて説明する。図2に示すように、本実施形態に係る可動部用条材1aは、鞘部材2に複数のスリット3、3、…が設けてある。なお、図2中、図1に示した部分と共通する構成部分には同じ番号を付し、その説明を省略する。
本発明の第3の実施形態を図3に基づいて説明する。図3に示すように、本実施形態に係る可動部用条材1bは、並列させた複数の鞘部材20、20、…を互いに結合することによって平帯状に構成してある。
また、可動部用条材1bは、作動用条材5、6、7、…、11をそれぞれ内部に配設した鞘部材20、20、…を互いに結合して形成してあるため、製造が容易であり、導線にシースを外嵌させる従来の装置を用いて作動用条材5を配設した鞘部材20を製造することができるので、新たな設備コストが不要となる。
本発明の第4の実施形態に係る可動部用条材を前記図5及び図6に基づいて説明する。
前記各図において、本実施形態に係る可動部用条材30は、心線及び/又は管を一又は複数本内蔵して可撓性を有する複数のケーブル部31、32、33、34と、これらケーブル部31、32、33、34の外周の一部に連結一体化した状態で、ケーブル部長手方向へ複数密に並べて配設されるブロック体35とを備える構成である。
本発明の第5の実施形態に係る可動部用条材を前記図10に基づいて説明する。
前記図10において、本実施形態に係る可動部用条材40は、心線及び/又は管を複数本内蔵して可撓性を有する一本の平帯状のケーブル部41と、このケーブル部41の外周の一部に連結一体化した状態で、ケーブル部41長手方向へ複数密に並べて配設されるブロック体42とを備える構成である。
本発明の第6の実施形態に係る可動部用条材を前記図11に基づいて説明する。
前記図11において、本実施形態に係る可動部用条材50は、心線及び/又は管を一又は複数本内蔵して可撓性を有する複数のケーブル部51、52、53、54と、これらケーブル部51、52、53、54の外周の一部に連結一体化してケーブル部長手方向に沿って配設される薄い平帯状のシート体55と、このシート体55表面に連結一体化した状態で、ケーブル部長手方向へ複数密に並べて配設されるブロック体56とを備える構成である。
2 鞘部材
2a 一面
2b 他面
2c 一側面
2d 他側面
3 スリット
5、6、7、8、9、10、11 作動用条材
20 鞘部材
20a 一の長軸端部
20b 他の長軸端部
21 内側領域
22 外側領域
25 高硬度部
25a、25b 高硬度部材
25c 片部
30、40、50 可動部用条材
31、32、33、34 ケーブル部
31a、32a、33a 心線
31b、32b、33b、34b シース
34a 管
35 ブロック体
36a、36b、36c ケーブル部
36d ブロック体
37a、37b、37c、37d、37e ケーブル部
37f ブロック体
38a、38b、38c、38d、38e ケーブル部
38f ブロック体
41 ケーブル部
41a、41b、41c 心線
41d 管
41e シース
42 ブロック体
51、52、53、54 ケーブル部
51a、52a、53a 心線
54a 管
51b、52b、53b、54b シース
55 シート体
56 ブロック体
57 ケーブル部
58 ブロック体
58a 接触面
61 ケーブル部
62 シート体
63 ブロック体
64 空間部
71 屈曲部分
72 直線部分
Claims (5)
- 合成樹脂によって長尺に成形され、所要の剛性を有する鞘部材と、
当該鞘部材の長手方向一端から他端にかけて内部に配設され、作動要素を送通させる可撓性のある作動用条材とを備え、
当該作動用条材が、前記鞘部材内に複数並列に配設されると共に、鞘部材が作動用条材の並列方向に広がった平帯状に形成され、
前記鞘部材及び作動用条材の中途部を屈曲させて、長手方向一端部分を他端部分と略平行に移動させるにあたり、鞘部材の屈曲により内側となる内側領域の剛性より鞘部材の外側領域の剛性を高くしてあり、
前記鞘部材の外側領域の表面に、鞘部材の硬度より高い硬度として設けられる高硬度部材を備え、
当該高硬度部材は、分離可能に設けられた複数の片部にて構成されることを
特徴とする可動部用条材。 - 合成樹脂によって長尺に成形され、所要の剛性を有する鞘部材と、
当該鞘部材の長手方向一端から他端にかけて内部に配設され、作動要素を送通させる可撓性のある作動用条材とを備え、
前記鞘部材が、複数並列配置されると共に、鞘部材同士で相互に結合されて平帯状とされてなり、
前記鞘部材及び作動用条材の中途部を屈曲させて、長手方向一端部分を他端部分と略平行に移動させるにあたり、鞘部材の屈曲により内側となる内側領域の剛性より鞘部材の外側領域の剛性を高くしてあり、
前記鞘部材の外側領域の表面に、鞘部材の硬度より高い硬度として設けられる高硬度部材を備え、
当該高硬度部材は、分離可能に設けられた複数の片部にて構成されることを
特徴とする可動部用条材。 - 前記請求項1に記載の可動部用条材において、
前記鞘部材及び作動用条材が、作動用条材としての心線及び/又は管を鞘部材で被覆して複数本内蔵し、可撓性を有する一本の平帯状のケーブル部とされ、
当該ケーブル部の前記外側領域となる外周の一部に連結一体化した状態で、ケーブル部長手方向へ複数密に並べて配設されるブロック体を備えることを
特徴とする可動部用条材。 - 前記請求項2に記載の可動部用条材において、
前記鞘部材及び作動用条材が、作動用条材としての一又は複数本の心線及び/又は管を、鞘部材で被覆したケーブル部とされ、
当該ケーブル部が、複数本並設され、隣接するケーブル部同士を連結一体化されて平帯状とされてなり、
並設される複数本の前記ケーブル部の前記外側領域となる外周の一部に連結一体化した状態で、ケーブル部長手方向へ複数密に並べて配設されるブロック体を備えることを
特徴とする可動部用条材。 - 前記請求項3又は4に記載の可動部用条材において、
前記ブロック体は、ケーブル部との間に、可撓性を有するシート体を介在させて配設されることを
特徴とする可動部用条材。
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