JP2869023B2 - 給電用平ベルト - Google Patents
給電用平ベルトInfo
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Description
設されて、例えば立体クレーンにおける吊り下げ手段と
しての昇降ベルトや搬送用,伝動用ベルト等として用い
られる平ベルトに係り、特に、上記抗張体の一部もしく
は全てを導電体により構成して平ベルトが掛け渡された
設備機器類に対し給電する給電媒体としても兼用される
給電用平ベルトに関する。
て、吊り下げ昇降装置における吊り下げ手段に用いるも
のが知られている(例えば、特開昭63−258389
号公報参照)。この吊り下げ手段は、補強用ワイヤ心線
と電線とを埋設した平ベルトによって構成したものであ
る。
常の平ベルトとしては、本体ゴム層に抗張体としてのワ
イヤ心線を埋設したものが、一般に知られている。この
ような通常の平ベルトにおいては、上記本体ゴム層の外
面側が平滑にされ、内面側には、プーリとの間の摩擦特
性もしくは平ベルトの屈曲性向上のために、幅方向に延
びる線状溝が長手方向に所定間隔毎に形成されている。
給電用平ベルトにおいては、抗張体としてのワイヤ心線
と、導電体としての電線とを区別しているが、これを区
別せずにワイヤ心線自体を給電用の導電体として用い、
従って、上記の従来の通常の平ベルトをそのまま給電用
平ベルトとして用いることが考えられる。
ルトにおけるワイヤ心線を給電用導電体として用いる
と、次のような不都合が生じる。すなわち、上記の平ベ
ルトの内面の線状溝は、一般に、外周面にその線状溝形
成用の凸条が形成されたローラに対し、このローラを回
転させながら例えば未加硫状態の平ベルトを圧接させて
上記凸条を本体ゴム層内に食い込ませることにより形成
されるが、この形成に際し、上記凸条が本体ゴム層内に
埋設されたワイヤ心線に当接する結果、形成された線状
溝の溝底において上記ワイヤ心線が平ベルト外部に露出
するおそれがある。そして、ワイヤ心線が上記線状溝内
で露出している場合、そのワイヤ心線に通電すると、他
の金属部材との接触により短絡が発生するおそれがあ
る。その上、多湿な環境下で用いると、上記の線状溝内
に侵入した水分を介して漏電が発生するおそれがある。
布で覆い、ワイヤ心線の上記線状溝内での露出を解消
し、併せて、帆布によるプーリに対する摩擦特性の向上
を図ることも考えられるが、その平ベルトが用いられる
環境が上記のごとく多湿であると、上記帆布が濡れてし
まい、やはり、漏電のおそれがある。しかも、上記の如
き多湿な環境で用いる場合には、上記ワイヤ心線が帆布
で覆われていても、そのワイヤ心線に錆が発生してしま
い、耐久性の劣化,短寿命化を招くという問題がある。
覆して上記線状溝内に露出するワイヤ心線を密閉するこ
とも考えられるが、この場合においても、上記ゴム薄層
の硬度や肉厚のいかんによって不都合が生じることにな
る。すなわち、繰り返しの屈曲を受けると上記ゴム薄層
と本体ゴム層との間の相対硬度差によってワイヤ心線と
の接着性が損なわれたり、また、上記ゴム薄層が分厚す
ぎると、本来の用途である駆動力伝達において、屈曲性
の悪化によりプーリに沿わなくなったりするおそれがあ
る。一方、上記ゴム薄層があまり薄すぎるとワイヤ心線
との接着性を保持し得ず密閉性が損なわれることにな
る。
たものであり、その目的とするところは、平ベルトとし
ての本来の機能を維持しつつ、多湿な環境下においても
漏電や発錆のない高耐久性の給電用平ベルトを実現する
ことにある。
に、請求項1記載の発明は、偏平帯板状の本体ゴム層
と、この本体ゴム層に長手方向に埋設された抗張体及び
導電体を構成するワイヤ心線とを備え、上記本体ゴム層
の内面に幅方向に延びる複数の線状溝を長手方向に互い
に離して形成するものである。そして、上記本体ゴム層
の内面に、ゴム被覆層をコーティングし、上記ゴム被覆
層を、上記本体ゴム層の硬さと略同一の硬さを有し、か
つ、全体厚みの10〜40%の範囲の厚みを有するよう
に形成する構成とするものである。
明において、ゴム被覆層を、本体ゴム層のHs 硬度に対
し±5度の略同一範囲内の硬度を有するように形成する
ものである。
明において、本体ゴム層を、80〜90度のHs 硬度に
形成するものである。
載の発明において、ゴム被覆層を、ポリウレタンゴムに
より形成するものである。
記載の発明において、ゴム被覆層を、予め形成されたポ
リウレタンゴム製シートを本体ゴム層に接着することに
より形成するものである。
ワイヤ心線が抗張体、兼、給電用導電体として構成され
ているため、動力伝達という平ベルト本来の機能と、ワ
イヤ心線を介しての給電機能との双方が得られる。そし
て、本体ゴム層の内面側がゴム被覆層によりコーティン
グされているため、その本体ゴム層の内面側の線状溝内
においてたとえワイヤ心線が露出している場合であって
も、そのワイヤ心線がゴム被覆層により密閉され、多湿
な環境下で上記ワイヤ心線に通電しても、確実に絶縁状
態に保たれて漏電発生のおそれはなく、また、錆の発生
のおそれもなく耐用期間の長期化、つまり、長寿命化が
図られる。さらに、上記ゴム被覆層が、本体ゴム層の硬
さと略同一の硬さとされているため、長手方向に引張荷
重が作用したり屈曲されたりしても本体ゴム層との一体
性が保持され、これにより、平ベルト全体としての耐久
性の向上が図り得る。しかも、上記ゴム被覆層の厚みが
全体厚みの10〜40%の範囲に設定されているため、
比較的小径のプーリに巻き掛けられても屈曲性の保持が
図られる上、上記の硬さ設定とあいまってワイヤ心線と
の接着を維持してそのワイヤ心線の密閉状態が保持され
る。これにより、耐久性のより向上が図り得る。
満の場合には、平ベルト本来の動力伝達等において、磨
耗等の発生により絶縁性,耐久性を保持し得ないことに
なり、一方、40%を超える場合には、屈曲性が悪化し
て比較的小径のプーリに沿わなくなる等の弊害が生じる
ことになる。
載の発明による作用に加えて、ゴム被覆層が本体ゴム層
のHs 硬度に対し±5度の略同一範囲内の硬度を有する
ように形成されているため、製造上の容易性を確保しつ
つ、上記請求項1記載の発明による作用が実質的に得ら
れる。
載の発明による作用に加えて、本体ゴム層のHs 硬度が
80〜90度とされ、この本体ゴム層に対してゴム被覆
層の硬さが±5度の範囲のHs 硬度に特定されるため、
昇降手段、伝動手段としての平ベルト本来の動力伝達機
能の発揮と、給電用平ベルトとしての高耐久性化との双
方を実現するものが具体的に特定される。
項1記載の発明による作用に加えて、ゴム被覆層がポリ
ウレタンゴムにより形成されているため、漏電や発錆の
防止によるワイヤ心線を通した給電機能を維持しつつ、
所定強度発揮による平ベルト本来の機能の確保が容易に
図られる。
求項4記載の発明による作用に加えて、ゴム被覆層がポ
リウレタンゴム製シートを本体ゴム層に接着することに
より形成されているため、上記シートを予め別に形成す
ることにより確実に所定の仕様のゴム被覆層の形成が可
能となる上、形成給電用平ベルトの製造の容易化が図ら
れる。
る。
用平ベルトを示し、1は本体ゴム層、2,2,…はそれ
ぞれワイヤ心線、3はゴム被覆層である。
しくはクロロプレンゴム等のゴム、好ましくはポリウレ
タンゴムを用いて所定のHs 硬度(80〜90度)にな
るように加硫成形されたものである。そして、この加硫
成形時において、上記複数のワイヤ心線2,2,…が幅
方向に所定間隔毎に隔てた位置で長手方向全長に延びる
ように配置された状態で、上記本体ゴム層1の加硫成形
が行われ、これにより、上記各ワイヤ心線2が内面1a
側の本体ゴム層1内に埋設されて、各ワイヤ心線2間が
絶縁されている(図2及び図4参照)。また、上記本体
ゴム層1の外面1bは平滑面に形成される一方、内面1
aには幅方向全長に延びる複数の線状溝1cが長手方向
に所定間隔毎に形成されている。
定の引張強度を有し、かつ、給電用電線として構成され
たものであり、端末に設けられたコネクタ等を介して一
端から他端に通電し得るようになっている。
は別に形成されたポリウレタンゴム製シート4(図1参
照)が上記本体ゴム層1の内面1aに対し、接着材を介
して圧着することにより、もしくは、熱溶着等の手段に
より全面が密着した状態で接着されて形成されたもので
ある。これにより、上記各線状溝1cの内面、及び、こ
の各線状溝1c内の各ワイヤ心線2にも上記ゴム被覆層
3が密着してそれら各線状溝1c及び各ワイヤ心線2が
密閉状態に被覆される上、上記各ワイヤ心線2が各線状
溝1c内でゴム被覆層3に若干量食い込んだ状態で支持
される(図3参照)。
び肉厚を有するように設定形成されている。すなわち、
上記ゴム被覆層3は、上記本体ゴム層1のHs 硬度に対
し±5度の範囲の硬度、好ましくは上記本体ゴム層1の
Hs 硬度と同一の硬度を有するように形成されている。
加えて、上記ゴム被覆層3は、上記本体ゴム層1を含む
全ベルト厚に対し、その全ベルト厚の10〜40%の範
囲の肉厚となるように形成されている。この理由は、ゴ
ム被覆層を全ベルト厚の10%未満の肉厚にすると、昇
降手段もしくは伝動手段等としての平ベルト本来の動力
伝達機能において、磨耗等の発生により絶縁性,耐久性
を保持し得ないことになり、一方、40%を超える肉厚
にすると、平ベルトの屈曲性が悪化して比較的小径のプ
ーリに沿わなくなる等の弊害が生じるからである。
張体、兼、給電用電線として機能する複数のワイヤ心線
2,2,…が各線状溝1c内においてもゴム被覆層3に
より被覆されて確実に密閉されているため、多湿な環境
下で上記各ワイヤ心線2に通電しても、確実に絶縁状態
に保たれて漏電発生を防止することができる。同時に、
錆の発生も確実に防止することができ、長寿命化を図る
ことができる。
ゴム被覆層3が、本体ゴム層1の硬さと略同一の硬さと
されているため、長手方向に引張荷重が作用したり屈曲
されたりしても本体ゴム層1との一体性が保持され、こ
れにより、平ベルト全体としての耐久性の向上を図るこ
とができる。しかも、上記ゴム被覆層3の厚みが全ベル
ト厚の10〜40%の範囲に設定されているため、比較
的小径のプーリに巻き掛けられても屈曲性の保持を図る
ことができる上、上記の硬さ設定とあいまって各ワイヤ
心線2の密閉状態を確実に保持することができる。これ
により、ベルトとしての耐久性をより向上させることが
できる。
0度の範囲に設定し、ゴム被覆層3のHs 硬度を上記本
体ゴム層1のHs 硬度に対し±5度の範囲することによ
り、平ベルト本来の昇降手段、伝動手段としての動力伝
達機能の発揮と、給電用平ベルトとしての高耐久性化と
の双方を実現することができる。
ゴムにより形成されているため、平ベルトとしての所定
の引張強度を具備させ易く、給電機能を維持しつつ、平
ベルト本来の動力伝達機能を容易に確保することができ
る。
たポリウレタンゴム製シート4を本体ゴム層1に接着す
ることにより行っているため、確実に所定仕様のゴム被
覆層3にすることができる上、給電用平ベルト自体の製
造の容易化をも図ることができる。
のではなく、その他種々の変形例を包含するものであ
る。すなわち、上記実施例では、ゴム被覆層3をポリウ
レタンゴムにより形成しているが、これに限らず、例え
ばクロロプレンゴム等の他のゴムにより形成してもよ
い。
「実施例」という)と、この実施例におけるゴム被覆層
3に代えて帆布で被覆したしたもの(以下、この項にお
いて「比較例」という)とについて比較試験を行い、多
湿環境下における漏電状況を確認した。
に浸漬して1時間放置した後の電気抵抗値と、それぞれ
直径45mmのプーリに巻き掛けて1×107 回屈曲さ
せた後の実施例及び比較例を水中に浸漬して1時間放置
した後の電気抵抗値とを測定した。なお、この電気抵抗
値は、実施例ではワイヤ心線2と、ゴム被覆層3の表面
との間で、また、比較例ではワイヤ心線2と、帆布の表
面との間でそれぞれ測定した。
場合の電気抵抗値の測定結果を表1に、繰り返しの屈曲
を加えた後に水中に浸漬した場合の電気抵抗値の測定結
果を表2にそれぞれ示す。
り被覆した実施例では、未使用状態であると繰り返し屈
曲を与えた後であるとに拘らず、いずれの場合も完全に
絶縁状態を保っているのに対し、帆布で被覆した比較例
では、未使用状態であっても3〜8MΩ、繰り返し屈曲
を与えた後で0.2〜0.05MΩとなり、漏電発生状
態になっている。しかも、比較例では繰り返し屈曲を与
えると、オーダーが1桁程変わる程に電気抵抗値が低減
し、平ベルトとして動力伝達という本来の用途に使用す
るに従い漏電が増大するという結果となり、給電用とし
ての機能を損ねることになっている。
た試験体1−1〜1−4について、多湿環境下における
漏電状況を確認した。試験体1−1では全ベルト厚に対
するゴム被覆層3の厚みの比率(ゴム被覆層の厚み率)
を5%に,試験体1−2では10%に、試験体1−3で
は40%に、試験体1−4では50%にそれぞれ設定し
た。
初期電気抵抗値と、同じ試験体1−1〜1−4をそれぞ
れ直径45mmのプーリに巻き掛けて1×107 回屈曲
させた後の電気抵抗値とを測定した。なお、この電気抵
抗値は、ワイヤ心線2と、ゴム被覆層3の表面との間で
測定した。
いての初期電気抵抗値と、1×107 回屈曲後の電気抵
抗値果とを表3に示す。
%の試験体1−2〜1−4については繰り返し屈曲を与
えた後でも完全に絶縁状態を保っているのに対し、厚み
率5%の試験体1−1は繰り返し屈曲を与えた後に電気
抵抗値が∞から1×104 に低下して絶縁性の低下が生
じている。
久性について、本体ゴム層1のHs 硬度を80度にした
ものに対しゴム被覆層3のHs 硬度を80度を中心にし
た−10度〜+10度の範囲の試験体2−1〜2−5
と、本体ゴム層1のHs 硬度を90度にしたものに対し
ゴム被覆層3のHs 硬度を90度を中心にした−10度
〜+5度の範囲の試験体3−1〜3−4とについて耐久
性の確認を行った。
0度(80度−10度)に、試験体2−2では75度
(80度−5度)に、試験体2−3では80度(80度
±0)に、試験体2−4では85度(80度+5度)
に、試験体2−5では90度(80度+10度)にそれ
ぞれ設定した。また、試験体3−1ではゴム被覆層3の
硬度を85度(90度−5度)に、試験体3−2では9
0度(90度±0)に、試験体3−3では95度(90
度+5度)に、試験体3−4では100度(90度+1
0度)にそれぞれ設定した。そして、上記の各試験体2
−1〜2−5及び3−1〜3−4についてゴム被覆層3
の厚み率を10%にしたものと、40%にしたものとの
2種類ずつ試験体を作成して以下の試験を行った。
された試験体2−1〜2−5及び3−1〜3−4をそれ
ぞれ直径45mmのプーリに巻き掛けて1×107 回屈
曲させた後の亀裂・剥離の発生の有無と、ゴム被覆層3
の初期厚みに対する摩耗量の比率である摩耗度合とを観
察,測定した。
0度とした場合における各試験体2−1〜2−5につい
て1×107 回屈曲させた後の試験結果を表4に、本体
ゴム層1のHs硬度を90度とした場合の各試験体2−
1〜2−5について1×107 回屈曲させた後の試験結
果を表5に示す。
については、試験体2−1〜2−5では全てにおいて
「なし」であり、試験体3−1〜3−4では、本体ゴム
層1のHs 硬度90度に対しゴム被覆層3を+10度の
Hs 硬度にした試験体3−4においてのみ1×105 回
屈曲させた時点で亀裂・剥離が発生した。これは、ゴム
本体層1に対しゴム被覆層3の相対硬度差を+側に設定
する程、その相対硬度差に起因して亀裂・剥離が発生し
易い傾向となり、本体ゴム層1のHs 硬度を80度にし
た場合にはゴム被覆層3の相対硬度差を+10度に設定
しても亀裂・剥離は発生しないものの(試験体2−5参
照)、特に本体ゴム層1のHs 硬度を90度にした場合
にはゴム被覆層3の相対硬度差を+10度に設定すると
亀裂・剥離が発生するものと考えられる。そして、本体
ゴム層1のHs 硬度を80度にしても90度にしてもゴ
ム被覆層3の相対硬度差を±5度の略同一範囲に設定す
れば、上記亀裂・剥離の問題は生じないことが分かる。
のHs 硬度が低い程、大きい摩耗度合となって表れてお
り、ゴム被覆層3のHs 硬度が90度以上のもの(試験
体2−5,3−2,3−3参照)では摩耗度合が5%で
あり、ゴム被覆層3のHs 硬度が85度,80度と低く
なるに従い摩耗度合が増大している。加えて、上記ゴム
被覆層3の厚み率が高い程、すなわち、厚み率が10%
より40%のものの方が摩耗度合は増大する傾向を示し
ている。そして、本体本体ゴム層1のHs 硬度を80度
〜90度にしてゴム被覆層3の相対硬度差を±5度の略
同一範囲に設定すれば、そのゴム被覆層3の厚み率を1
0%〜40%しても、摩耗度合は最大でも35%(試験
体2−2の厚み率40%の場合参照)であり、ゴム被覆
層3の機能を十分に果たして高耐久性を有していると考
えられる。
明における給電用平ベルトによれば、ワイヤ心線を抗張
体、兼、給電用導電体として構成し、その内面側をゴム
被覆層でコーティングしているため、上記ワイヤ心線が
本体ゴム層の内面側の線状溝内で露出している場合であ
っても、そのワイヤ心線が上記ゴム被覆層により密閉さ
れ、多湿な環境下で上記ワイヤ心線に通電しても、確実
に絶縁状態に保つことができ、漏電発生を防止すること
ができる。その上、発錆のおそれを回避して長寿命化,
高耐久性化を図ることができる。さらに、上記ゴム被覆
層を、本体ゴム層の硬さと略同一の硬さにしているた
め、本体ゴム層との一体性を保持してベルト全体として
の耐久性の向上を図ることができる。しかも、上記ゴム
被覆層の厚みを全体厚みの10〜40%の範囲に設定し
ているため、比較的小径のプーリに巻き掛けられても屈
曲性の保持を図ることができる上、上記の硬さ設定とあ
いまってワイヤ心線との接着を維持してそのワイヤ心線
の密閉状態を確実に保持することができる。これらによ
り、給電用平ベルトの耐久性をより向上させることがで
きる。
1記載の発明による効果に加えて、ゴム被覆層を本体ゴ
ム層のHs 硬度に対し±5度の略同一範囲内の硬度を有
するように形成するようにしているため、製造上の容易
性を確保しつつ、上記請求項1記載の発明による効果を
得ることができる。
2記載の発明による効果に加えて、本体ゴム層のHs 硬
度を80〜90度とし、この本体ゴム層に対してゴム被
覆層の硬さを±5度の範囲のHs 硬度に特定しているた
め、昇降手段、伝動手段としての平ベルト本来の動力伝
達機能の発揮と、給電用平ベルトとしての高耐久性化と
の双方を実現することができる。
請求項1記載の発明による効果に加えて、ゴム被覆層を
ポリウレタンゴムにより形成するようにしているため、
漏電や発錆の防止によるワイヤ心線を通した給電機能を
維持しつつ、所定強度発揮による平ベルト本来の機能の
確保を容易に図ることができるさらに、請求項5記載の
発明によれば、上記請求項4記載の発明による効果に加
えて、ゴム被覆層を、予め形成したポリウレタンゴム製
シートを本体ゴム層に接着することにより形成するよう
にしているため、ゴム被覆層として確実に所定の仕様の
ものを形成することができる上、給電用平ベルトの製造
の容易化を図ることができる。
斜視図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 偏平帯板状の本体ゴム層と、この本体ゴ
ム層に長手方向に埋設されて抗張体及び導電体を構成す
るワイヤ心線とを備え、上記本体ゴム層の内面側には幅
方向に延びる複数の線状溝が長手方向に互いに離して形
成されている給電用平ベルトであって、 上記本体ゴム層の内面側には、ゴム被覆層がコーティン
グされ、 上記ゴム被覆層は、上記本体ゴム層の硬さと略同一の硬
さを有し、かつ、全体厚みの10〜40%の範囲の厚み
を有するように形成されていることを特徴とする給電用
平ベルト。 - 【請求項2】 請求項1において、 ゴム被覆層が、本体ゴム層のHs 硬度に対し±5度の略
同一範囲内の硬度を有するように形成されていることを
特徴とする給電用平ベルト。 - 【請求項3】 請求項2において、 本体ゴム層が、80〜90度のHs 硬度を有しているこ
とを特徴とする給電用平ベルト。 - 【請求項4】 請求項1において、 ゴム被覆層が、ポリウレタンゴムにより形成されている
ことを特徴とする給電用平ベルト。 - 【請求項5】 請求項4において、 ゴム被覆層が、予め形成されたポリウレタンゴム製シー
トを本体ゴム層に接着することにより形成されているこ
とを特徴とする給電用平ベルト。
Priority Applications (1)
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JP16981795A JP2869023B2 (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | 給電用平ベルト |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0922621A JPH0922621A (ja) | 1997-01-21 |
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JP16981795A Expired - Fee Related JP2869023B2 (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | 給電用平ベルト |
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Cited By (1)
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KR101539311B1 (ko) * | 2009-03-25 | 2015-07-24 | 다이덴 가부시키가이샤 | 가동부용 세장 구조 |
Families Citing this family (3)
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JP6904864B2 (ja) * | 2017-09-26 | 2021-07-21 | ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 | アクチュエータ |
JP7167406B2 (ja) * | 2017-12-18 | 2022-11-09 | ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 | 線状体保持構造及びアタッチメント |
-
1995
- 1995-07-05 JP JP16981795A patent/JP2869023B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0922621A (ja) | 1997-01-21 |
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