JP4391547B2

JP4391547B2 - チューブ型ケーブル類保護案内装置

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Publication number: JP4391547B2
Application number: JP2007108498A
Authority: JP
Inventors: 正明池田; 庄一郎小宮; 勝英山下; 孝之松田
Original assignee: Tsubakimoto Chain Co
Current assignee: Tsubakimoto Chain Co
Priority date: 2007-04-17
Filing date: 2007-04-17
Publication date: 2009-12-24
Anticipated expiration: 2027-04-17
Also published as: KR101135238B1; JP2008267436A; DE102008016490B4; US7559340B2; TWI366303B; ITGE20080022A1; CN101290040B; CN101290040A; TW200843231A; KR20080093862A; DE102008016490A1; US20080257440A1

Description

本発明は、ケーブル類保護案内装置に係り、更に詳しくは、例えば、半導体製造装置、創薬試験装置、車両用ドア開閉装置、車両用スライドシート、車両用電動サンルーフなどの可動部材に電力や圧縮空気のエネルギーを供給するケーブルやホース等の比較的軽量且つ小径のケーブル類を収容すると共に、可動部材の移動中においてもケーブル類を安全にかつ確実に案内保護するのに好適なケーブル類保護案内装置に関するものである。

従来のケーブル類保護案内装置として、離間対向する同一形状の一対のリンクプレートの上縁部間及び下縁部間に、結合部材として用いられたフラップ及び底板により各々連結されているケーブル・ホースの保護案内チェーン（例えば、特許文献１参照）が知られている。
また、合成物質から大体において平らで扁平な構造に一片で射出成形又は注型され、かつ曲げ可能なブリッジによって互いに結合されたセグメントから構成されている折畳み可能な保護要素（例えば、特許文献２参照）が知られている。
特開平１０−４７４４１号公報（第１頁、図９）特表２００１−５１４７２５号公報（第１頁、図１−図３）

ところが、特許文献１に記載された保護案内チェーンでは、リンクプレートとその結合部材であるフラップ及び底板をケーブル長手方向に確実に多数連結しなければならず、複雑化した組み付け構造が厄介であり、しかも、その多大な製造負担を回避することもできないという問題もあった。
また、特許文献２に記載された折畳み可能な保護要素では、一片で射出成形又は注型されるため、幅の大きなサイズや長尺のものを製造しようとすると、金型サイズの物理的な制限や金型の温度制御などの製造条件や金型コストの制限もあり、長尺体のものが簡便に製造できないという金型上の厄介な問題があり、また、結合するためのセグメントを１個ずつ組み付けなければならないという組み立て製造上の厄介な問題があった。

そこで、本発明は、上述したような課題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、ケーブル収納空間内に収納しようとするケーブル類が長尺体であっても金型サイズを変更せずに押し出し成形加工で簡便に製作して組み立て負担を大幅に軽減するとともに、直線移動時と屈曲移動時のいずれにおいてもケーブル収納空間の形態安定性とねじれ剛性を十分に確保して円滑な直線移動と屈曲移動を達成可能なチューブ型ケーブル類保護案内装置を提供することである。

まず、本請求項１に係る発明は、シート長手方向に押し出し成形加工された長尺状のエラストマー樹脂製シートを両側方に折り曲げて形成したケーブル収納空間内にケーブル類をシート長手方向に沿って収納して直線移動と屈曲移動とを繰り返すように構成したチューブ型ケーブル類保護案内装置であって、前記エラストマー樹脂製シートが、直線移動時にシート長手方向で隣接係合するとともに屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで屈曲外周側で相互に分離拡開する外周壁形成部分と、該外周壁形成部分の両側に連続して配置されて直線移動時にシート長手方向で隣接係合するとともに屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで相互に分離拡開する左右一対の側壁形成部分と、該左右一対の側壁形成部分に垂設状態でそれぞれ一体成型されてケーブル収納空間の形成時に雌型内周壁部と雄型内周壁部とをシート長手方向に沿って屈曲内周側で相互に雌雄嵌合させた状態で閉じ合わせて前記外周壁形成部分に対向した面一の内部平坦面を形成する内周壁形成部分とを有していることによって、上記目的を達成するものである。

そして、本請求項２に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項１記載の構成に加えて、前記エラストマー樹脂製シートが、前記外周壁形成部分の両側に沿ってシート長手方向に延在する左右一対の折り曲げ部分を介して折り曲げられて矩形断面状のケーブル収納空間を構成していることによって、上記目的をさらに達成するものである。

本請求項３に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項１または請求項２記載の構成に加えて、前記エラストマー樹脂製シートの外周壁形成部分と左右一対の側壁形成部分とを屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで相互に分離拡開する分割スリットが、前記所定ピッチで横切るとともに左右一対の内周壁形成部分を残して分割するようにパンチング加工により配置されていることによって、上記目的をさらに達成するものである。

本請求項４に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項１乃至請求項３のいずれか記載の構成に加えて、前記外周壁形成部分の分割スリットを介した前後位置に、直線移動時の横ズレを規制する凹凸係合機構が、パンチング加工により設けられていることによって、上記目的をさらに達成するものである。

本請求項５に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項１乃至請求項４のいずれか記載の構成に加えて、前記折り曲げ部分が、折り曲げる内側にシート長手方向に沿って開口する円弧状溝、あるいは、Ｖ字状溝を備えていることによって、上記目的をさらに達成するものである。

本請求項６に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項２乃至請求項５のいずれか記載の構成に加えて、前記折り曲げ部分が、軟質のエラストマー樹脂から成形されていることによって、上記目的をさらに達成するものである。

本請求項７に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項１乃至請求項６のいずれか記載の構成に加えて、前記内周壁形成部分が、前記エラストマー樹脂と異なる合成ポリマー樹脂を用いた多色成形加工により一体成形されていることによって、上記目的をさらに達成するものである。

まず、本請求項１に係る発明によれば、シート長手方向に押し出し成形加工された長尺状のエラストマー樹脂製シートを両側方に折り曲げて形成したケーブル収納空間内にケーブル類をシート長手方向に沿って収納して直線移動と屈曲移動とを繰り返すように構成したことにより、ケーブル収納空間内に収納しようとするケーブル類が長尺体であっても、エラストマー樹脂製シートをこの長尺体の長さに応じて連続する一体物として裁断加工すれば、収納しようとするケーブル類に見合う最適長さのケーブル収納空間を簡便に確保できるため、従来の保護案内チェーンのような多数のリンクプレートを収納しようとするケーブル類に見合う長さに連結するための多大な組み立て製造負担を回避できる。

そして、前記エラストマー樹脂製シートが、ケーブル収納空間内に収納しようとするケーブル類の長さに無関係に連続してシート長手方向に押し出し成形加工されるため、従来の折畳み可能な保護要素のようなケーブル収納空間内に収納しようとするケーブル類の長さに応じた射出成形又は注型加工における様々な金型サイズを必要とすることなく、長尺体のものであっても押し出し成形加工の金型サイズを変更せずに簡便に製造できる。

また、前記エラストマー樹脂製シートが、直線移動時にシート長手方向で隣接係合するとともに屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで屈曲外周側で相互に分離拡開する外周壁形成部分と左右一対の側壁形成部分とを有していることにより、屈曲移動時に外周壁形成部分と左右一対の側壁形成部分とが屈曲移動半径に応じて屈曲外周側で分離拡開するため、円滑な屈曲移動を達成できる。

さらに、前記エラストマー樹脂製シートが、左右一対の側壁形成部分に垂設状態でそれぞれ一体成型されてケーブル収納空間の形成時に雌型内周壁部と雄型内周壁部とをシート長手方向に沿って屈曲内周側で相互に雌雄嵌合させた状態で閉じ合わせて構成する内周壁形成部分を有していることにより、雌型内周壁部と雄型内周壁部とを相互に雌雄嵌合する内周壁形成部分の開閉が簡単であるため、ケーブル類の収納や保守点検を容易に達成することができるとともに、この相互に雌雄嵌合した内周壁形成部分に屈曲移動時の屈曲変形やケーブル類の自重に起因した圧縮応力が作用して雌雄嵌合の嵌合力が向上するため、直線移動時と屈曲移動時のいずれにおいてケーブル収納空間の形態安定性とねじれ剛性を十分に確保して円滑な直線移動と屈曲移動を達成することができる。

また、前記エラストマー樹脂製シートが、面一状態の内部平坦面を構成する内周壁形成部分を有していることにより、ケーブル収納空間内に構成される内部平坦面が直線移動時と屈曲移動時のいずれにおいてもケーブル類の保護案内を障害拘束することなく確実に達成することができる。

そして、本請求項２に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項１記載の発明が奏する効果に加えて、エラストマー樹脂製シートが外周壁形成部分の両側に沿ってシート長手方向に延在する左右一対の折り曲げ部分を介して折り曲げられて矩形断面状のケーブル収納空間を構成していることにより、エラストマー樹脂製シートが折り曲げた後の反発力を小さくする折り曲げ部分を介して折り曲げられるため、矩形断面状のケーブル収納空間をシート長手方向に沿って所定寸法どおりに均一かつ確実に組み立てることができる。

また、本請求項３に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項２記載の発明が奏する効果に加えて、エラストマー樹脂製シートの外周壁形成部分と左右一対の側壁形成部分とを屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで相互に分離拡開する分割スリットが、折り曲げ部分を所定ピッチで横切るとともに左右一対の内周壁形成部分を残して分割するようにパンチング加工により配置されていることにより、パンチング加工のパンチング間隔が適宜選択可能となるため、ケーブル収納空間を形成する屈曲ピッチを簡便に各種変更でき、また、左右一対の内周壁形成部分を残してパンチング加工を施すため、屈曲移動時に左右一対の内周壁形成部分が安定した屈曲軌跡を形成してケーブル類を安定して屈曲移動させることができる。

また、本請求項４に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項３記載の発明が奏する効果に加えて、外周壁形成部分の分割スリットを介した前後位置に直線移動時の横ズレを規制する凹凸係合機構がパンチング加工により設けられていることにより、パンチング加工のパンチング形態が適宜選択可能となるため、凹凸係合機構の凹凸係合形態を簡便に各種変更でき、また、直線移動時に凹凸係合機構が分割スリットを介した前後位置における外周壁形成部分の横ズレを規制して蛇行移動を回避して円滑な直線移動を達成できる。

そして、本請求項５に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項２乃至請求項４のいずれか記載の発明が奏する効果に加えて、折り曲げ部分が折り曲げる内側にシート長手方向に沿って開口する円弧状溝、あるいは、Ｖ字状溝を備えていることにより、折り曲げ時に反発力を低減するため、矩形断面状のケーブル収納空間を確実に形造ることができる。

また、本請求項６に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項１乃至請求項５のいずれか記載の発明が奏する効果に加えて、折り曲げ部分が軟質のエラストマー樹脂から成形されていることにより、折り曲げ部分が外周壁形成部分や側壁形成部分よりも相対的に柔軟性を発揮して折り曲げる際に生じる反発力を低減するので、屈曲移動時の折り曲げ負担を軽減することができる。

加えて、本請求項７に係る発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、請求項１乃至請求項６のいずれか記載の構成に加えて、前記内周壁形成部分が前記エラストマー樹脂と異なる合成ポリマー樹脂を用いた多色成形加工により一体成形されていることにより、内周壁形成部分の嵌合力を調整することができるため、保護案内するケーブル類の収納本数、ケーブル類の剛性に応じた多種多様なチューブ型ケーブル類保護案内装置を提供することができる。

本発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、シート長手方向に押し出し成形加工された長尺状のエラストマー樹脂製シートを両側方に折り曲げて形成したケーブル収納空間内にケーブル類をシート長手方向に沿って収納して直線移動と屈曲移動とを繰り返すように構成されていることにより、ケーブル収納空間内に収納しようとするケーブル類が長尺体であっても金型サイズを変更せずに押し出し成形加工で簡便に製作して組み立て負担を大幅に軽減し、直線移動時と屈曲移動時のいずれにおいてケーブル収納空間の形態安定性とねじれ剛性を十分に確保して円滑な直線移動と屈曲移動を達成するものであれば、その具体的な実施の態様は如何なるものであっても何ら構わない。

まず、本発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置における内周壁形成部分については、左右一対の側壁形成部分に垂設状態でそれぞれ一体成型されてケーブル収納空間の形成時に雌型内周壁部と雄型内周壁部とをシート長手方向に沿って屈曲内周側で相互に雌雄嵌合させた状態で閉じ合わせてケーブル収納空間を形成するものであれば良く、その雌雄嵌合の具体的な形態については如何なるものであっても差し支えない。

そして、本発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置においてエラストマー樹脂製シートに延在させた左右一対の折り曲げ部分の具体的な折り曲げ形態については、外周壁形成部分に対して側壁形成部分が直立するように折り曲げられる形態であれば良く、特に、ケーブル収納空間の内側が円弧状になるような折り曲げ形態の場合は、外周壁形成部分と側壁形成部分との間に生じがちな折り曲げた後の反発力を小さくすることができるので、より好ましい。

また、本発明のチューブ型ケーブル類保護案内装置における外周壁形成部分と側壁形成部分と内周壁形成部分の材質については、ポリエステル系またはオレフィン系のエラストマー樹脂であれば良く、また、内周壁形成部分の材質を外周壁形成部分と側壁形成部分の材質と異ならせて多色成形加工により一体成形することにより、保護案内するケーブル類の収納本数、ケーブル類の剛性に応じた内周壁形成部分の嵌合力となるように選択して調整しても良い。

以下、本発明の実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置を図１乃至図８を用いて説明する。
ここで、図１は、本発明の第１実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置の全体図であり、図２は、図１の直線状態を拡大した斜視図であり、図３は、図１の屈曲状態を拡大した斜視図であり、図４は、図１で用いたエラストマー樹脂製シートの展開図であり、図５乃至図６は、図４のＡ部分を示す変形例の拡大図であり、図７は、図４のＢ部分を示す拡大図である。
そして、図８は、本発明の第２実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置のエラストマー樹脂製シートの展開図であり、図９は、図８のＢ部分を示す拡大図である。

本発明の第１実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置は、例えば、半導体製造装置、創薬試験装置、車両用ドア開閉装置、車両用スライドシート、車両用電動サンルーフなどの可動部と静止部とを接続し、電気信号の伝達や供給を行う電気ケーブルや圧力液体や圧力気体を供給するホースのようなケーブル類Ｃを保護案内するために使用されるもので、可動部と静止部（図示しない）との間の相対的な遠隔移動状況に応じて直線姿勢、あるいは、屈曲姿勢を呈することができ、図１乃至図３に示すように、長尺状のエラストマー樹脂製シート１００が、シート長手方向に沿って押し出し成形加工により延在する左右一対の折り曲げ部分１１０を介して折り曲げて形成された矩形断面状のケーブル収納空間Ｒ内にケーブル類Ｃをシート長手方向に沿って収納して直線移動と屈曲移動とを繰り返すように構成されている。

そして、図４に示すようなエラストマー樹脂製シート１００は、直線移動時にシート長手方向で隣接係合するとともに屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで屈曲外周側で相互に分離拡開する外周壁形成部分１２０と、この外周壁形成部分１２０の両側に前述した左右一対の折り曲げ部分１１０、１１０を介して隣接配置されて直線移動時にシート長手方向で隣接係合するとともに屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで相互に分離拡開する左右一対の側壁形成部分１３０、１３０と、これら左右一対の側壁形成部分１３０、１３０に垂設状態でそれぞれ一体成型されてケーブル収納空間Ｒの形成時にシート長手方向に沿って相互に雌雄嵌合させた状態で閉じ合わせて前記外周壁形成部分１２０に対向した面一の内部平坦面を形成する内周壁形成部分１４０とを備えている。

ここで、図４に示す内周壁形成部分１４０をさらに詳しく説明すると、この内周壁形成部分１４０は、雌型内周壁部１４０ａとこの雌型内周壁部１４０ａに凹凸嵌合、すなわち、雌雄嵌合する雄型内周壁部１４０ｂとを備えているとともに、前述した外周壁形成部分１２０にケーブル収納空間Ｒを介して対向配置される面一状態の内部平坦面Ｆを構成していることによって、ケーブル収納空間Ｒ内に構成される内部平坦面Ｆが直線移動時と屈曲移動時のいずれにおいてもケーブル類Ｃの保護案内を障害拘束することなく確実に達成している。

また、相互に雌雄嵌合する雌型内周壁部１４０ａと雄型内周壁部１４０ｂとで構成される内周壁形成部分１４０の開閉が簡単となり、ケーブル類Ｃの収納や保守点検を容易に達成するとともに、このような内周壁形成部分１４０に屈曲移動時の屈曲変形やケーブル類Ｃの自重に起因した圧縮応力が作用して雌雄嵌合の嵌合力が向上して、直線移動時と屈曲移動時のいずれにおいてケーブル収納空間Ｒの形態安定性とねじれ剛性を十分に確保して円滑な直線移動と屈曲移動を達成している。

なお、図５の（ａ）は、図４のＡ部分を示す拡大図であり、図５の（ｂ）乃至（ｃ）は、図４のＡ部分を設計変更して内周壁形成部分１４０に面一状態の内部平坦面Ｆのみを構成した変形例の拡大図であり、図６の（ａ）乃至（ｃ）は、図４のＡ部分を設計変更して内周壁形成部分１４０の内外に面一状態の内部平坦面Ｆを構成した変形例の拡大図である。

そして、前述した折り曲げ部分１１０は、折り曲げる内側にシート長手方向に沿って開口する図７に示すような円弧状溝からなる折り曲げ歪抑制用開口溝１１１を備えていることにより、折り曲げ時に反発力を低減するため、矩形断面状のケーブル収納空間Ｒをシート長手方向に沿って所定寸法どおりに均一かつ確実に形造っている。

また、本実施例におけるエラストマー樹脂製シート１００では、前述した外周壁形成部分１２０と側壁形成部分１３０と内周壁形成部分１４０とがポリウレタン樹脂から成形されているため、詳しく後述する押し出し成形加工やパンチング加工が施し易く、折り曲げ部分１１０に対して剛性を発揮してケーブル収納空間Ｒの形態安定性を十分に確保している。

また、エラストマー樹脂製シート１００は、ケーブル収納空間Ｒ内に収納しようとするケーブル類Ｃが長尺体であっても、この長尺体の長さに応じて連続する一体物として裁断加工すれば、足りるようになっている。

さらに、前述したようなエラストマー樹脂製シート１００の外周壁形成部分１２０と左右一対の側壁形成部分１３０、１３０とを屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで相互に分離拡開する分割スリット１５０が、前記折り曲げ部分１１０を所定ピッチで横切るとともに左右一対の内周壁形成部分１４０、１４０を残して分割するようにパンチング加工により配置されている。

これにより、エラストマー樹脂製シート１００は、前述した分割スリット１５０を形成するパンチング加工のパンチング間隔が適宜選択可能となるため、ケーブル収納空間Ｒを形成する屈曲ピッチを簡便に各種変更できるようになっている。

さらに、前述した外周壁形成部分１２０の分割スリット１５０を介した前後位置には、台形舌片状凸部１６１とこの台形舌片状凸部１６１に係合する逆台形状凹部１６２とで構成される凹凸係合機構１６０がパンチング加工により設けられ、このような凹凸係合機構１６０が、直線移動時に分割スリット１５０を介した前後位置における外周壁形成部分１２０の横ズレを規制して蛇行移動を回避しながら円滑な直線移動を達成している。

前述した側壁形成部分１３０と内周壁形成部分１４０とを折り曲げる折り曲げ部分１１０と前述した分割スリット１５０との交差位置には、ケーブル収納空間Ｒ内へ貫通する円状の開口窓１７０がパンチング加工により設けられている。
この円状の開口窓１７０により、直線移動時と屈曲移動時にケーブル類Ｃの内部移動によって生じがちなケーブル収納空間Ｒの歪み変形を吸収して優れた保形性を確保し、軽量化に寄与するばかりでなく、円状の開口窓１７０を介してケーブル収納空間Ｒ内におけるケーブル類Ｃの収容状態などを適宜観察できるようになっている。

このようにして得られた本実施例のチューブ型ケーブル類保護案内装置は、ケーブル収納空間Ｒ内に収納しようとするケーブル類Ｃが長尺体であっても、エラストマー樹脂製シート１００をこの長尺体の長さに応じて連続する一体物として裁断加工すれば、収納しようとするケーブル類Ｃに見合う最適長さのケーブル収納空間Ｒを簡便に確保して、従来の保護案内チェーンのような多数のリンクプレートを収納しようとするケーブル類Ｃに見合う長さに連結するための多大な組み立て製造負担を回避でき、また、エラストマー樹脂製シート１００が従来の折畳み可能な保護要素のようなケーブル収納空間Ｒ内に収納しようとするケーブル類Ｃの長さに応じた射出成形又は注型加工における様々な金型サイズを必要とすることなく、長尺体のものであっても押し出し成形加工の金型サイズを変更せずに簡便に製造できる。
また、エラストマー樹脂製シート１００が、左右一対の側壁形成部分１３０に垂設状態でそれぞれ一体成型されてケーブル収納空間Ｒの形成時にシート長手方向に沿って相互に雌雄嵌合させた状態で閉じ合わせて構成する内周壁形成部分１４０を有していることにより、この相互に雌雄嵌合する内周壁形成部分１４０の開閉が簡単であるため、ケーブル類Ｃの収納や保守点検を容易に達成することができるとともに、この相互に雌雄嵌合した内周壁形成部分１４０に屈曲移動時の屈曲変形やケーブル類Ｃの自重に起因した圧縮応力が作用して雌雄嵌合の嵌合力が向上するため、直線移動時と屈曲移動時のいずれにおいてケーブル収納空間Ｒの形態安定性とねじれ剛性を十分に確保して円滑な直線移動と屈曲移動を達成することができるなど、その効果は甚大である。

つぎに、図８乃至図９は、本発明の第２実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置に用いたエラストマー樹脂製シート２００を示しており、このエラストマー樹脂製シート２００は、外周壁形成部分２２０と側壁形成部分２３０とに硬質のポリウレタン樹脂からなるエラストマー樹脂を採用するとともに、折り曲げ部分２１０と内周壁形成部分２４０とに軟質のエラストマー樹脂を採用して多色成形加工をしたものであって、その余の構成については、前述した第１実施例で用いたエラストマー樹脂製シート１００と同じである。
なお、図８乃至図９に示す本発明の第２実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置において、本発明の第１実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置と同様なものについては、例えば、符号１１０は符号２１０と表示することにより、２００番台の表示して、その重複した説明は省略している。

このようにして得られた本発明の第２実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置は、前述したような本発明の第１実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置と同様な作用効果を奏することができるとともに、折り曲げ部分２１０が軟質のエラストマー樹脂から成形されていることにより、折り曲げ部分２１０が外周壁形成部分２２０や側壁形成部分２３０よりも相対的に柔軟性を発揮して折り曲げる際に生じる反発力を低減するので、屈曲移動時に外周壁形成部分２２０と側壁形成部分２３０との接合領域に過度の歪みを生じることなく変形して滑らかに屈曲動作することができるなど、その効果は甚大である。

本発明の第１実施例であるチューブ型ケーブル類保護案内装置の全体図。図１の直線状態を拡大した斜視図。図１の屈曲状態を拡大した斜視図。図１で用いたエラストマー樹脂製シートの展開図。図４のＡ部分を示す変形例の拡大図。図４のＡ部分を示す他の変形例の拡大図。図４のＢ部分を示す拡大図。本発明の第２実施例であるエラストマー樹脂製シートの展開図。図８のＢ部分を示す拡大図。

１００、２００・・・エラストマー樹脂製シート
１１０、２１０・・・折り曲げ部分
１１１、２１１・・・円弧状溝（折り曲げ歪抑制用開口溝）
１２０、２２０・・・外周壁形成部分
１３０、２３０・・・側壁形成部分
１４０、２４０・・・内周壁形成部分
１４０ａ、２４０ａ・・・雌型内周壁部
１４０ｂ、２４０ｂ・・・雄型内周壁部
１５０、２５０・・・分割スリット
１６０、２６０・・・凹凸係合機構
１６１、２６１・・・台形舌片状凸部
１６２、２６２・・・逆台形状凹部
１７０、２７０・・・開口窓
Ｃ・・・ケーブル類
Ｒ・・・ケーブル収納空間
Ｆ・・・内部平坦面

Claims

シート長手方向に押し出し成形加工された長尺状のエラストマー樹脂製シートを両側方に折り曲げて形成したケーブル収納空間内にケーブル類をシート長手方向に沿って収納して直線移動と屈曲移動とを繰り返すように構成したチューブ型ケーブル類保護案内装置であって、
前記エラストマー樹脂製シートが、直線移動時にシート長手方向で隣接係合するとともに屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで屈曲外周側で相互に分離拡開する外周壁形成部分と、該外周壁形成部分の両側に連続して配置されて直線移動時にシート長手方向で隣接係合するとともに屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで相互に分離拡開する左右一対の側壁形成部分と、該左右一対の側壁形成部分に垂設状態でそれぞれ一体成型されてケーブル収納空間の形成時に雌型内周壁部と雄型内周壁部とをシート長手方向に沿って屈曲内周側で相互に雌雄嵌合させた状態で閉じ合わせて前記外周壁形成部分に対向した面一の内部平坦面を形成する内周壁形成部分とを有していることを特徴とするチューブ型ケーブル類保護案内装置。
前記エラストマー樹脂製シートが、前記外周壁形成部分の両側に沿ってシート長手方向に延在する左右一対の折り曲げ部分を介して折り曲げられて矩形断面状のケーブル収納空間を構成していることを特徴とする請求項１記載のチューブ型ケーブル類保護案内装置。
前記エラストマー樹脂製シートの外周壁形成部分と左右一対の側壁形成部分とを屈曲移動時にシート長手方向の所定ピッチで相互に分離拡開する分割スリットが、前記所定ピッチで横切るとともに左右一対の内周壁形成部分を残して分割するようにパンチング加工により配置されていることを特徴とする請求項１または請求項２記載のチューブ型ケーブル類保護案内装置。
前記外周壁形成部分の分割スリットを介した前後位置に、直線移動時の横ズレを規制する凹凸係合機構がパンチング加工により設けられていることを特徴とする請求項３記載のチューブ型ケーブル類保護案内装置。
前記折り曲げ部分が、折り曲げる内側にシート長手方向に沿って開口する円弧状溝、あるいは、Ｖ字状溝を備えていることを特徴とする請求項２乃至請求項４のいずれか記載のチューブ型ケーブル類保護案内装置。
前記折り曲げ部分が、軟質のエラストマー樹脂から成形されていることを特徴とする請求項２乃至請求項５のいずれか記載のチューブ型ケーブル類保護案内装置。
前記内周壁形成部分が、前記エラストマー樹脂と異なる合成ポリマー樹脂を用いた多色成形加工により一体成形されていることを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれか記載のチューブ型ケーブル類保護案内装置。