JP5429458B2 - Tftアレイの検査方法、およびtftアレイの検査装置 - Google Patents

Tftアレイの検査方法、およびtftアレイの検査装置 Download PDF

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本発明は、液晶基板等の製造過程等で行われるTFTアレイ検査に関し、特に、TFTアレイ検査装置およびTFTアレイ検査において検出信号から欠陥を検出する際の信号処理に関する。
液晶基板や有機EL基板等のTFTアレイが形成された半導体基板の製造過程では、製造過程中にTFTアレイ検査工程を含み、このTFTアレイ検査工程において、TFTアレイの欠陥検査が行われている。
TFTアレイは、例えば液晶表示装置の画素電極を選択するスイッチング素子として用いられる。TFTアレイを備える基板は、例えば、走査線として機能する複数本のゲートラインが平行に配設されると共に、信号線として記載する複数本のソースラインがゲートラインに直交して配設され、両ラインが交差する部分の近傍にTFT(Thin film transistor)が配設され、このTFTに画素電極が接続される。
液晶表示装置は、上記したTFTアレイが設けられた基板と対向基板との間に液晶層を挟むことで構成され、対向基板が備える対向電極と画素電極との間に画素容量が形成される。画素電極には、上記の画素容量以外に付加容量(Cs)が接続される。この付加容量(Cs)の一方は画素電極に接続され、他方は共通ラインあるいはゲートラインに接続される。共通ラインに接続される構成のTFTアレイはCs on Com型TFTアレイと呼ばれ、ゲートラインに接続される構成のTFTアレイはCs on Gate型TFTアレイと呼ばれる。
このTFTアレイにおいて、走査線(ゲートライン)や信号線(ソースライン)の断線、走査線(ゲートライン)と信号線(ソースライン)の短絡、画素を駆動するTFTの特性不良による画素欠陥等の欠陥検査は、例えば、対向電極を接地し、ゲートラインの全部あるいは一部に、例えば、−15V〜+15Vの直流電圧を所定間隔で印加し、ソースラインの全部あるいは一部に検査信号を印加することによって行っている。(例えば、特許文献1の従来技術。)
TFTアレイ検査装置は、TFTアレイに上記した検査用の駆動信号を入力し、そのときのアレイ電極の電圧状態を検出することで欠陥検出を行うことができる。
製造プロセス中に生じるおそれがあるTFTアレイの欠陥として、例えば、ピクセルとソースラインとの間に短絡欠陥(S−DSshort)、ピクセルとゲートラインとの間に短絡欠陥(G−DSshort)、ソースラインとゲートラインとの間に短絡欠陥(S−Gshort)、ピクセルとTFTとの間の断線(D−open)等の各ピクセルにおける欠陥の他に、横方向で隣接するピクセル間の欠陥(横PPと呼ばれる)、縦方向で隣接するピクセル間の欠陥(縦PPと呼ばれる)、隣接するソースライン間の短絡(SSshortと呼ばれる)、隣接するゲートライン間の短絡(GGshortと呼ばれる)隣接欠陥等の隣接するピクセル間で生じる隣接欠陥が知られている。
TFTアレイ検査では、アレイ電極の電圧状態の検出は、検査信号を印加して駆動したピクセルのアレイ電極に電子線を照射し、アレイ電極から放出された二次電子をフォトマルチプライヤ等の検出器で検出してアナログ信号に変換し、これによってアレイ電極の電圧状態の検出し、画像処理によって欠陥を検出する。この欠陥検出において、検出信号のデータをピクセルに割り付けすることによって各ピクセルの特定を行う。
従来、検出信号データのピクセルへの割り付けは、検出信号から得られたデータを、座標から算出したピクセルに対応付けることで行っている。
図13は、検出信号データのピクセルへの割り付けを説明するための説明図である。図13において、基板100上には複数のパネル101が設けられる。なお、図13(a)では1つのパネル101のみを示している。パネル101には、複数のピクセル102が格子状に配列され、各ピクセルはアレイ電極およびアレイ電極に信号を印加するためのTFT素子を備えている。
TFTアレイを検査する際に、基板100に設けられたアライメントマーク104を指標として基板を位置決めした後、電子線を基板100上に走査し、各ピクセル102に対して電子線を照射している。図13は1つのピクセルに対して電子線の照射点を1点とする場合を示している。
図13(b)は電子線の走査で得られた検出信号データを示し、図13(c)はピクセル配列を示している。検出信号データのピクセルへの割り付けは、走査に従って検出信号データは各ピクセルから順に取得されるものと仮定し、基板100上の座標から算出したピクセルに検出信号データを対応付けることで行っている。
特開平5−307192号公報
従来、アレイ検査の欠陥検出の精度を低下させる一要因としてピクセルの位置誤算が知られている。従来、基板に対するパネルの位置を補正することによって、ピクセルの位置誤算を低減させることが行われている。基板に対するパネルの位置補正として、電子銃に関する補正と、基板上のパネルの補正が知られている。
電子銃に関する補正として、例えば、予め電子線を走査してスキャンマップを求め、このスキャンマップから電子線の照射の位置ずれを求め、求めた位置ずれを校正する補正、複数の電子銃で走査する際に生じる各電子銃間の位置ずれの補正、パネルを複数のパスによって走査する際に生じる各走査間の位置ずれの補正等がある。
また、基板上のパネルの補正として、基板に設けたアライメントマークおよび基板のパネルのコーナを基準として行うパネルを単位とする補正がある。
ピクセルの位置誤算として、上記したパネルの外部での位置誤差に他に、磁場や基板などの外乱や基板の形状欠陥などの影響により生じるパネルの内部での位置誤差がある。
図14は、電子線の照射位置がピクセルに対して位置ずれした場合を示している。ここでは、1ピクセルに対して電子線の照射点が1点である場合を示している。
図14(a)は電子線が位置ずれなく照射され、照射位置103が対象とするピクセル102内に照射された状態を示している。一方、図14(b)は電子線が位置ずれして照射され、照射位置103が対象とするピクセル102からずれて照射された状態を示している。
従来の検出信号データのピクセルへの割り付けでは、電子線が位置ずれした場合にこの位置ずれを補正することができないため、検出信号データは本来割り付けられるべきピクセルと異なるピクセルに割り付けられることになる。図14(c)の検出信号データは、位置ずれによって図14(d)に示すように本来割り付けられるべきピクセルの隣のピクセルに割り付けられることになる。
従来の位置誤差の補正では、このようなパネルの内部での位置誤差を補正することはできないという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、TFTアレイの検査において、パネルの内部での位置誤差を補正することを目的とし、ピクセル座標の位置精度を向上させることを目的とする。
本発明は、パネルのピクセルを、パネルの縦方向および横方向の両方向に対して交互に異なる電位状態とし、この電位状態のパネルを電子線走査して走査画像を取得し、得られた走査画像のチェッカパターンを用いることによって、検出信号データをピクセルに割り付ける際の位置ずれを防いで、ピクセル位置の座標精度を向上させる。
また、走査画像のチェッカパターンを用いると共に重複走査を行うことによって、パス間や電子銃間、あるいはフレーム間に生じる位置ずれに対しても補正を行うことができる。
TFTアレイ検査方法の形態およびTFTアレイ検査装置の形態とすることができる。
本発明のTFTアレイの検査方法の形態は、荷電粒子ビームをTFTアレイ上で二次元的に走査して、表面電位の走査画像を形成し、この走査画像からTFTアレイの欠陥検査を行うTFTアレイの検査方法である。
本発明のTFTアレイの検査方法は、TFTアレイに検査信号を印加してこのTFTアレイに二次元的な所定パターンの電位分布を形成する検査信号印加工程と、検査信号を印加したTFTアレイに荷電粒子ビームを二次元的に走査して表面電位の走査画像を形成する走査工程と、走査画像から各ピクセルの位置を検出するピクセル位置検出工程と、各ピクセルの信号強度を検出する信号強度検出工程と、信号強度をデータ処理することによって欠陥ピクセルを抽出するデータ処理工程とを備える。
本発明の検査信号印加工程は、二次元配列される複数のピクセルの内で隣接するピクセル間において、互いに相対的に高い電位と低い電位とを交互に印加する検査信号を印加し、TFTアレイに相対的に高い電位と低い電位がチェッカパターンで配置される電位分布を形成する。
このチェッカパターンの電位分布によれば、走査方向および走査方向と直交する方向(縦方向および横方向)において、隣り合うピクセルは互いに異なる電位となるため、電子線にピクセルに対する照射位置の位置ずれ量が1ピクセル程度である場合には、このチェッカパターンを照合させることによって位置ずれを補正することができる。
本発明のピクセル位置検出工程は、チェッカパターンの電位分布で得られる走査画像のチェッカパターンとピクセル配列との対応関係から両者の位置関係を求め、この位置関係に基づいて走査画像の走査位置をピクセルの座標に割り付ける。
本発明は、チェッカパターンによる特性を利用することによってピクセルの座標の位置ずれを補正して、正しいピクセルに対して検出信号データの割り付けを行う。
また、本発明のTFTアレイの検査方法は、1ピクセルに対する電子線の照射位置を複数点とすることができ走査に適用することができる。
1ピクセルに対して複数の照射位置を有する場合には、本発明の走査工程は、一ピクセルに対して複数個の荷電粒子ビームを照射する、また。本発明のピクセル位置検出工程は、チェッカパターンの各格子部分において、当該格子部に含まれる複数個の走査位置の重心の位置座標を算出し、算出した重心の配列とピクセル配列とを比較して、ピクセルに対する重心の位置ずれを求める。求めた位置ずれに基づいて重心の位置座標を補正し、補正した重心座標をチェッカ部分に対応するピクセルの位置座標としてピクセル位置を算出する。
さらに、本発明のTFTアレイの検査方法は、パネル内部の位置ずれ補正に限らず、パネル外部の位置ずれにも適用することができる。例えば、複数の電子銃を用いて電子線走査を行う際に、電子銃間の位置ずれによって生じる走査位置とピクセル座標との位置ずれ、検査領域を複数の走査領域に分け複数のパスによって走査する場合に生じる走査位置とピクセル座標との位置ずれに対して、これらの境界のつなぎ部分に適用することによって位置ずれを補正することができる。
この適用では、本発明の走査工程は、複数の走査領域において隣接する走査領域の境界で重複走査し、本発明のピクセル位置検出工程は、重複走査で取得された境界を挟んで隣接する2つの走査領域のチェッカパターンを照合し、一致するチェッカパターンに基づいて境界部分のピクセル位置を検出する。この走査工程は、複数のパスによって走査する場合には、検査領域を複数の走査領域に分割して走査すると共に、隣接する走査領域の境界を重複走査する。
本発明のTFTアレイの検査装置の形態は、荷電粒子ビームをTFTアレイ上で二次元的に走査して、表面電位の走査画像を形成し、この走査画像からTFTアレイの欠陥検査を行うTFTアレイの検査装置である。
本発明のTFTアレイの検査装置は、TFTアレイに検査信号を印加して当該TFTアレイに二次元的な所定パターンの電位分布を形成する検査信号印加部と、検査信号を印加したTFTアレイに荷電粒子ビームを二次元的に走査して表面電位の走査画像を形成する荷電粒子ビーム源および走査制御部と、荷電粒子ビームの走査によってTFT基板から放出される二次電子の検出信号を検出する検出器と、検出信号で得られる走査画像から各ピクセルの位置を検出するピクセル位置検出部と、各ピクセルの信号強度を検出する信号強度検出部と、信号強度をデータ処理することによって欠陥ピクセルを抽出するデータ処理部とを備える。
本発明の検査信号印加部は、二次元配列される複数のピクセルの内で隣接するピクセル間において、互いに相対的に高い電位と低い電位とを交互に印加する検査信号を印加し、TFTアレイに相対的に高い電位と低い電位がチェッカパターンで配置される電位分布を形成する。本発明のピクセル位置検出部は、チェッカパターンの電位分布で得られる走査画像のチェッカパターンとピクセル配列との対応関係から両者の位置関係を求め、この位置関係に基づいて走査画像の走査位置をピクセルの座標に割り付ける。
本発明の荷電粒子ビーム源および走査制御部は、一ピクセルに対して複数個の荷電粒子ビームを照射し、本発明のピクセル位置検出部は、チェッカパターンの各格子部分において、当該格子部に含まれる複数個の走査位置の重心の位置座標を算出し、算出した重心の配列とピクセル配列とを比較して、ピクセルに対する重心の位置ずれを求め、求めた位置ずれに基づいて重心の位置座標を補正し、補正した重心座標をチェッカ部分に対応するピクセルの位置座標としてピクセル位置を算出する。
また、パネル内部の位置ずれ補正に限らず、パネル外部の位置ずれにも適用する場合には、本発明の荷電粒子ビーム源および走査制御部は、複数の走査領域において隣接する走査領域の境界で重複走査し、本発明のピクセル位置検出部は、重複走査で取得された境界を挟んで隣接する2つの走査領域のチェッカパターンを照合し、一致するチェッカパターンに基づいて境界部分のピクセル位置を検出する。
複数のパスによって走査する場合には、本発明の荷電粒子ビーム源および走査制御部は、検査領域を複数の走査領域に分割して走査すると共に、隣接する走査領域の境界において重複走査する。
本発明のTFTアレイ検査方法およびTFTアレイ検査装置によれば、アレイ検査においてピクセルの位置の座標精度を向上させることができ、また、パス間や電子銃間、あるいはフレーム間において走査が分離される場合であっても、ピクセルの位置の座標を高い精度で算出することができる。
また、ピクセル内に複数の照射点を有する場合には、ピクセルの位置の算出に用いて重心を利用し、重心の周辺の検出信号データを用いて欠陥検出を行うことによって、欠陥の検出精度を向上させることができる。
ピクセルの位置精度が高まることによって、生産ラインでの欠陥検出精度が向上し、リペアによる歩留まりが向上する。
また、本発明のTFTアレイ検査において、ピクセルの位置検出はTFTアレイ検査による欠陥検出と並行処理が可能であるため、検査タクトに影響することなく行うことができる。
本発明によれば、TFTアレイの検査において、パネルの内部での位置誤差を補正することができ、ピクセル座標の位置精度を向上させることができる。
本発明のTFTアレイ検査においてピクセルの位置を算出する工程を説明するためのフローチャートである。 本発明のTFTアレイ検査においてピクセルの位置を算出する工程を説明するための説明図である。 本発明のTFTアレイ検査装置の一例を説明するための概略図である。 本発明のTFTアレイ検査において1ピクセルに対して複数点への照射する例を説明するための図である。 本発明のTFTアレイ検査において1ピクセルに対して複数点への照射する例を説明するための図である。 本発明の重複画像を用いた走査画像のつなぎ合わせを説明するための図である。 本発明の重複画像を用いた走査画像のつなぎ合わせを説明するための図である。 本発明の重複画像を用いた走査画像のつなぎ合わせを説明するための図である。 本発明の重複画像を用いた走査画像のつなぎ合わせを説明するための図である。 本発明のTFTアレイにおいて1ピクセル当たり複数照射点を照射する走査例を説明するための図である。 チェッカパターンの電位分布を形成するための検査信号を示す図である。 チェッカパターンの検査信号を印加されたピクセルの電圧状態を示す図である。 従来の検出信号データのピクセルへの割り付けを説明するための説明図である。 従来の電子線の照射位置がピクセルに対して位置ずれした場合を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1、図2は、本発明のTFTアレイ検査において、ピクセルの位置を算出する工程を説明するためのフローチャート、および説明図である。
はじめに、検査信号印加工程によって、TFTアレイに検査信号を印加してTFTアレイに二次元的な所定パターンの電位分布を形成する。この検査信号印加工程では、二次元配列される複数のピクセルの内で隣接するピクセル間において、互いに相対的に高い電位と低い電位とを交互に印加する検査信号を印加し、TFTアレイに相対的に高い電位と低い電位がチェッカパターンで配置される電位分布を形成する。
この検査信号の印加は、例えば、プローバフレームに設けたプロープピンを基板に配設した電極に接触させることで行うことができる(S1)。
検査信号印加工程によってTFTアレイにチェッカパターンの電位分布を形成した状態で、電子銃から電子線を照射して基板上を走査し、電子線が照射された基板から放出される二次電子を検出器で検出し、検出信号を取得する。
図2(a)は検出信号を説明するための信号図である。ここでは、二つの電位状態にあるピクセルを走査して得られる検出信号を示している。この検出信号の信号強度は、基板上の電位に応じた値となる。パネルに印加される検査信号は、互いに隣接するピクセルに異なる電圧を印加するため、TFTアレイにはチェッカパターンによる電位分布が形成される。これにより、検出信号はチェッカパターンに対応して交互に電圧が高低となる信号強度が検出される(S2)。
S2の工程で検出した検出信号に基づいて走査画像を形成する。走査画像は、TFTアレイに印加した検査信号によって形成された表面電位分布を表しており、パネル上に形成されているチェッカパターンの電位分布に応じてチェッカパターンの画像となる。チェッカパターンは、ピクセル単位で隣接するピクセルに対して互いに異なる電圧が印加されているため、チェッカパターンの画像は、各ピクセルに対応したチェッカパターンを形成することになる。
図2(b)は、図2(a)の検出信号から形成される走査画像例を示している。ここでは、検出信号の信号強度が高い部分を白地で示し、検出信号の信号強度が低い部分を灰色で示し、チェッカパターンの走査画像が形成される(S3)。
走査画像とピクセルと対応関係にあるため、走査画像の検出点の座標を求めることによって、ピクセルの位置を算出することができる。走査画像の検出点の座標は、電子線の走査制御から取得することができ、例えば、電子線の照射位置の座標から取得することができる。このとき、1ピクセル内に電子線を複数箇所に照射する多点打ちを行う場合には、ピクセル内の検出点の重心を求め、この重心をピクセルの位置座標として算出する。
図2(b)において、走査画像20中のチェッカパターン21の各格子部分において、各検出点30を繋いで座標パターン31を形成する。検出点30の座標に位置ずれがある場合には、形成された座標パターン31は歪みを含んだ形状となる。図2(b)、(c)ではx方向(横方向、図中の左右方向)およびにy方向(縦方向、図中の上下方向)に位置ずれがある場合を示している(S4)。
S4の工程で算出した検出点の座標あるいは重心の座標を用いて、これらの各座標の位置ずれを補正する。この補正は、例えば、各検出点間の間隔を求め、これらの間隔の平均を算出し、算出した平均間隔に基づいて各検出点の位置を補正する。図5(d)は、座標パターン31を補正して得られる補正座標パターン32の例を示している(S5)。
S4の工程で算出し、S5の工程で補正した検出点の座標あるいは重心の座標を対応するピクセル40の位置としてする。図2(e)は、補正座標パターン32の格子点を各ピクセル40の位置座標として算出する例を示している(S6)。
TFTアレイの欠陥検出は、S6の工程で算出した各ピクセルについて、信号強度検出工程によって検出信号の信号強度を検出し、データ処理工程によって信号強度をデータ処理することによって欠陥ピクセルを抽出する。
図3は、本発明のTFTアレイ検査装置の一例を説明するための概略図である。
TFTアレイ検査装置1は、基板7の電位状態を検出する構成として、電子ビーム等の荷電粒子ビームを基板7のTFTアレイに照射する荷電粒子ビーム源2と、この荷電粒子ビームをTFTアレイ上で走査させるための走査制御部4と、荷電粒子ビームの照射によってTFTアレイから放出される二次電子を検出する検出器3を備える。
走査制御部4は、基板7上のTFTアレイの検査位置を走査するために、ステージ6や荷電粒子ビーム源2を制御する。ステージ6は、載置する基板7をXY方向に移動し、また、荷電粒子ビーム源2は基板7に照射する電子線をXY方向に振ることで、荷電粒子ビームの照射位置を走査する。この走査による荷電粒子ビームの走査位置が検出位置となる。
TFT基板の電圧印加状態を検出する機構は種々の構成とすることができる。例えば、荷電粒子ビームとして電子線を用いる場合には、基板7上に電子線を照射する電子線源を配置し、照射された電子線によって基板7から放出される二次電子を検出する二次電子検出器を設ける。電子線が照射されたTFTアレイは、印加された検査信号による電位状態に応じた量の二次電子を放出するため、この二次電子の検出信号強度からTFTアレイの電位状態を検出することができる。
また、TFTアレイ検査装置1は、基板7のTFTアレイに検査信号を印加して所定の電位パターンを形成するための検査信号印加部の構成として、アレイ検査用の検査信号を生成して印加する検査信号生成部10と、検査信号生成部10で生成した検査信号を基板7のTFTアレイに供給するプローバ5を備える。
プローバ5は、プローブピン(図示していない)が設けられたプローバフレームを備える。プローバ5は、基板7上への載置動作等によってプローブピンを基板7に形成した電極に接触させ、TFTアレイに検査信号を供給する。
さらに、TFTアレイ検査装置1は、検出器3で検出した検出信号に基づいて走査画像を形成し、走査画像から各ピクセルの信号強度を検出する信号強度検出部11と、信号強度検出部11で検出した信号強度を信号処理することによって走査画像に対するピクセルの位置を検出するピクセル位置検出部12と、走査画像の取得データからピクセルの信号強度を算出するピクセル強度算出部13と、ピクセルの信号強度に基づいて欠陥を抽出する欠陥抽出部14とを備える。
信号強度検出部11は、検出器3で検出した検出信号を、検査信号生成部10の検査信号と同期することによって走査画像を形成する。欠陥抽出部14は、ピクセル強度算出部13で得た各ピクセルの信号強度を閾値と比較し、比較結果に基づいてピクセルの欠陥判定を行い、欠陥ピクセルを抽出する。
欠陥抽出に用いる閾値は記憶部(図示していない)に記憶しておき、記憶部から読み出した閾値を比較部(図示していない)で比較する構成とすることができる。この構成は、信号強度と比較をソフトウエアによるデータ比較で行う他、比較回路をハードウエアで構成することもできる。
なお、上記したTFTアレイ検査装置の構成は一例であり、この構成に限られるものではない。
前記の説明では、1ピクセルに対して照射点(検出点)が1点である例を用いて説明している。以下では、1ピクセルに対して照射点(検出点)が複数点である例について図4,5を用いて説明する。1ピクセルに対して照射点(検出点)が複数点ある場合には、これらの照射点の重心を算出し、この重心を用いてピクセルの位置を算出する。
図4(a)は1ピクセル当たり4点の照射点の電子線を照射することで4検出点から検出信号を取得する例を示している。
このTFTアレイに対してチェッカパターンの検査信号を印加し、この検査信号の印加で形成される電位状態を1ピクセル当たり4点に電子線を照射し、取得される検出信号から走査画像を形成すると、図4(a)のチェッカパターンの走査画像が得られる。図4(a)中の○は高電位のピクセルから得られる走査画像の検出点を示し、●は低電位のピクセルから得られる走査画像の検出点を示している。
ここで、隣接する同電位の4つの検出点は同一のピクセルから検出される検出点である。本発明では、これらの4つの検出点の重心を算出し、算出した重心の位置をピクセルの位置とする。図4(b)中の斜線を施した点G11〜G43は、それぞれ隣接する4つの検出点から算出した重心を示している。重心G11〜G43を、x方向(横方向、図中の左右方向)およびにy方向(縦方向、図中の上下方向)に繋ぐことによって、重心から得られるピクセルの位置配列を求めることができる。図4(b)中の破線はこの重心の配列を示している。破線で示される重心の配列の位置ずれは、検出点の位置の位置ずれを反映している。
ピクセルはパネル内においてx方向およびy方向に整列配置されている。そのため、算出された重心配列がx方向あるいはy方向から位置ずれしている場合には、重心の位置が位置ずれしていることを示している。
そのため、位置ずれを含む重心の配列に基づいてピクセルの位置を定めた場合には、得られたピクセル位置は位置ずれを含むことになる。
このピクセルの位置ずれを解消するために、本発明は重心の位置ずれを補正する。重心の位置ずれの補正は、例えば、各重心間の間隔の平均を算出し、この平均間隔に基づいて各重心がx方向およびy方向で格子状に配列されるように重心の位置を補正する演算によって行うことができる。基準位置は、例えば、全ピクセルの重心の平均位置に定めることができる。
なお、上記した重心の位置ずれの補正方法は一例であり、上記補正方法に限られるものではない。
図5(a)は補正前の重心配列を補正後に重心配列を示している。図中の一点鎖線は補正前の重心配列を示し、図中の実線は補正後の重心配列を示している。補正後の重心配列に基づいてピクセルの位置を定めることによって、位置ずれを補正したピクセル位置を求めることができる。図5(b)は補正後の重心配列(破線で示す)に基づいて定めたピクセル配列を示している。
次に、パス間や電子銃間、あるいはフレーム間において走査が分離される場合に生じる位置ずれの補正について説明する。
TFTアレイ検査において広い面積のパネルを検査する際に、検査領域を複数の走査領域に分割して走査する場合がある。このような分割した走査領域の走査では、例えば、各走査領域に対して一つの電子銃を用いて走査範囲を移動させることで走査する場合や、複数の走査領域に対して複数の電子銃を設け、各電子銃によって走査領域を走査する場合がある。
上記のように、検査領域を複数の走査範囲に分割して走査する場合には、各走査範囲で得られた走査画像をつなぎ合わせてパネル全体の走査画像を形成する必要がある。この走査画像の結合では、走査画像の境界部分において走査画像を位置合わせする必要があるが、検出信号にずれが生じた場合には、ピクセルの端部の画像が欠損するおそれがある。このようにピクセルの画像の欠損部分が発生すると、パネル全体の走査画像を形成した際にピクセルの抜けが生じ、欠陥検出の誤りが生じる要因となる。
また、パネルへの検査信号の印加を複数のプローバフレームを用いて行う場合についても、各プローバフレームで得られる走査画像のつなぎ合わせにおいても同様の問題が生じる。
このような問題に対して、隣接する走査範囲の境界部分を挟んで重複走査することによって、ピクセルの端部の画像欠損を解消する。この重複走査で得られる走査画像をつなぎ合わせるには、重複部分を確認する必要がある。
しかしながら、従来用いられている検査信号は、パネル全体を高電圧あるいは低電圧の電位状態とする電位パターンを形成するものであるため、重複画像から隣接する走査範囲の境界部分を識別することは困難であり、重複走査を行うことによって隣接する走査範囲の結合を行うことは困難となっている。
本発明は、隣接するピクセルが互いに異なる電位状態となるチェッカパターンを用いることによって、隣接する走査範囲で取得した重複範囲から同一のピクセルを識別し、これによって走査範囲から有効範囲を抽出し、過不足の無い全走査画像を形成する。
以下に図6〜図9を用いて、重複画像を用いた走査画像のつなぎ合わせについて説明する。図6,図7は、図中の左方の走査範囲において端部のピクセルの走査画像の一部に欠損が生じた場合を示し、図8,図9は、図中の右方の走査範囲において端部のピクセルの走査画像の一部に欠損が生じた場合を示している。なお、ここでは、走査画像の欠損は一ピクセルの範囲内である場合を示している。
はじめに、図6,図7を用いて、図中の左方の走査範囲において端部のピクセルの走査画像の一部に欠損が生じた場合について説明する。
図6(a)は、境界Cを挟んで図中の左方に位置する正常走査範囲Aと図中の右方に位置する正常走査範囲Bを示している。走査範囲に位置ずれが生じていない場合には、境界Cの左方の領域については正常走査範囲Aによって走査画像を取得し、境界Cの右方の領域については正常走査範囲Bによって走査画像を取得する。
図6(b)は、走査範囲が図中の左方方向に位置ずれした状態を示している。この場合には、走査範囲aと走査範囲bの境界Dは正常時の境界Cから図中の左方に位置ずれし、正常走査範囲Aの端部のピクセルにおける走査画像に欠損部分Eが生じ、一方、正常走査範囲Bの端部のピクセルにおける走査画像に過剰部分Fが生じる。この欠損部分Eおよび過剰部分Fは同一のピクセル部分であり、この走査範囲a,bで得られた検出信号をピクセルに割り当てると、一ピクセル分ずれることになり、誤った欠陥検出を行う要因となる。
そこで、走査範囲aと走査範囲bの双方に重複走査範囲を設け、得られた走査画像から一致するピクセルのラインを抽出し、この一致ラインを指標として隣接する走査範囲を結合することによって、過不足のない走査範囲を形成する。
図6(c)は重複走査範囲を示している。正常走査範囲Aについては、走査範囲aに追加して隣接する走査範囲B側に重複する重複走査範囲(オーバラップエリア)OAを設ける。一方、正常走査範囲Bについては、走査範囲bに追加して隣接する走査範囲A側に重複する重複走査範囲(オーバラップエリア)OBを設ける。ここでは、重複走査範囲(オーバラップエリア)OAおよび重複走査範囲(オーバラップエリア)OBは、2ピクセル分の幅を設定している。この重複走査範囲の幅は、走査範囲に想定されるずれる量に応じて定めることができる。ここでは、走査範囲のずれ量として1ピクセル分を想定した場合の例を示している。
図6(c)において、重複走査範囲(オーバラップエリア)OAは3列のピクセルラインOA1,OA2,OA3を含み、重複走査範囲(オーバラップエリア)OB3列のピクセルラインOB1,OB2,OB3を含んでいる。こられのピクセルラインの内で、ピクセルラインOA1とピクセルラインOB1とは同一のピクセルラインGに対応している。
同一ピクセルラインであるか否かは、走査画像がチェッカパターンであることに基づいて、同じ検出信号の信号強度を表すピクセルの並びを抽出することによって識別することができる。図6(c)で抽出した同一のピクセルラインGに基づいて、走査範囲aと走査範囲bの有効領域を設定し、隣接する有効領域を結合する。
図7(a)において、走査範囲aに対してピクセルラインGを含む走査範囲を有効領域αとし、走査範囲bに対してピクセルラインGを除いた走査範囲を有効領域βとして設定する。
このとき、重複走査範囲(オーバラップエリア)OAの内で、ピクセルラインGに含まれるピクセルラインOA1を除いたピクセルラインOA2とピクセルラインOA3の検出データを破棄し、重複走査範囲(オーバラップエリア)OBおよびピクセルラインGの検出データを破棄する。なお、重複走査範囲で抽出されたピクセルラインの検出データを何れの有効領域に組み込むかは任意に設定することができる。
図7(b)は有効領域αと有効領域βの検出データを組み合わせることによって、結合した走査範囲を取得する状態を示している。重複走査範囲Gは一方の有効領域にのみ設定されているため、二重に設定されることはない。
次に、図8,図9を用いて、図中の右の走査範囲において端部のピクセルの走査画像の一部に欠損が生じた場合について説明する。
図8(a)は、境界Cを挟んで図中の左方の位置する正常走査範囲Aと図中の右方の位置する正常走査範囲Bを示している。走査範囲に位置ずれが生じていない場合には、境界Cの左方の領域については正常走査範囲Aによって走査画像を取得し、境界Cの右方の領域については正常走査範囲Bによって走査画像を取得する。
図8(b)は、走査範囲が図中の右方方向に位置ずれした状態を示している。この場合には、走査範囲aと走査範囲bの境界Dは正常時の境界Cから図中の右方に位置ずれし、正常走査範囲Aの端部のピクセルにおける走査画像に過剰部分Fが生じ、一方、正常走査範囲Bの端部のピクセルにおける走査画像に欠損部分Eが生じる。この欠損部分Eおよび過剰部分Fは同一のピクセル部分であり、この走査範囲a,bで得られた検出信号をピクセルに割り当てると、一ピクセル分ずれることになり、誤った欠陥検出を行う要因となる。
そこで、走査範囲aと走査範囲bの双方に重複走査範囲を設け、得られた走査画像から一致するピクセルのラインを抽出し、この一致ラインを指標として隣接する走査範囲を結合することによって、過不足のない走査範囲を形成する。
図8(c)は重複走査範囲を示している。正常走査範囲Aについては、走査範囲aに追加して隣接する走査範囲B側に重複する重複走査範囲(オーバラップエリア)OAを設ける。一方、正常走査範囲Bについては、走査範囲bに追加して隣接する走査範囲A側に重複する重複走査範囲(オーバラップエリア)OBを設ける。ここでは、重複走査範囲(オーバラップエリア)OAおよび重複走査範囲(オーバラップエリア)OBは、2ピクセル分の幅を設定している。この重複走査範囲の幅は、走査範囲に想定されるずれる量に応じて定めることができる。ここでは、走査範囲のずれ量として1ピクセル分を想定した場合の例を示している。
図8(c)において、重複走査範囲(オーバラップエリア)OAは3列のピクセルラインOA1,OA2,OA3を含み、重複走査範囲(オーバラップエリア)OB3列のピクセルラインOB1,OB2,OB3を含んでいる。こられのピクセルラインの内で、ピクセルラインOA1とピクセルラインOB1とは同一のピクセルラインGに対応している。
同一ピクセルラインであるか否かは、走査画像がチェッカパターンであることに基づいて、同じ検出信号の信号強度を表すピクセルの並びを抽出することによって識別することができる。図8(c)で抽出した同一のピクセルラインGに基づいて、走査範囲aと走査範囲bの有効領域を設定し、隣接する有効領域を結合する。
図9(a)において、走査範囲aに対してピクセルラインGを含む走査範囲を有効領域αとし、走査範囲bに対してピクセルラインGを除いた走査範囲を有効領域βとして設定する。
このとき、重複走査範囲(オーバラップエリア)OAの内で、ピクセルラインGに含まれるピクセルラインOA1を除いたピクセルラインOA2とピクセルラインOA3の検出データを破棄し、重複走査範囲(オーバラップエリア)OBおよびピクセルラインGの検出データを破棄する。なお、重複走査範囲で抽出されたピクセルラインの検出データを何れの有効領域に組み込むかは任意に設定することができる。
図9(b)は有効領域αと有効領域βの検出データを組み合わせることによって、結合した走査範囲を取得する状態を示している。重複走査範囲Gは一方の有効領域にのみ設定されているため、二重に設定されることはない。
本発明のTFTアレイ検査は、走査画像の取得において、1ピクセル当たりに照射する電子線の照射点数を増やし、ピクセルの境界に跨ることなくピクセルの中心側を照射することができる照射点の個数を増やすことで、走査画像の位置分解能を高めることができる。
以下、図10を用いて1ピクセル当たり複数照射点を照射する走査例を説明する。図10(a)〜(d)は、1ピクセル当たり9箇所の照射点を照射する走査例を示し、図10(a),(c)において、Paは正常なピクセルの走査画像を示し、Pb(斜線を施したピクセル)は欠陥ピクセルの走査画像を示している。また、図10(b),(d)は取得データの信号強度を表し、欠陥ピクセルで得られる信号強度を正常なピクセルで得られる信号強度よりも大きく表している。
また、図10(e)〜(h)は、1ピクセル当たり4箇所の照射点を照射する走査例を示し、図10(e),(f)において、Paは正常なピクセルの走査画像を示し、Pb(斜線を施したピクセル)は欠陥ピクセルの走査画像を示している。また、図10(b),(d)は取得データの信号強度を表し、欠陥ピクセルで得られる信号強度を正常なピクセルで得られる信号強度よりも大きく表している。
図10(a)〜(d)において、1ピクセルの内側の照射領域に9個の照射点を照射する場合において、照射位置に位置ずれが生じると、照射領域に照射される9個の照射点の内で、縁側に配列される照射点は隣接するピクセルと跨るため、信号強度の誤差要因となる。一方、中心側に配列される照射点は、照射位置に位置ずれが生じた場合であっても隣接するピクセルと跨ることはなく、信号強度の誤差要因とならない。なお、ここでは、照射位置に位置ずれは1ビームピッチ以下である場合を想定している。
本発明は、算出した重心の周囲にある照射位置から得られた検出信号を用いてピクセルの信号強度を算出することによって、位置ずれが生じた場合であっても隣接するピクセルに跨らない照射点の個数を確保することで、S/N比を向上させることができる。例えば、1ピクセル当たり9点の照射点を照射する場合には、最も位置ずれが大きい場合であっても、ピクセル内に4個の照射点を確保することができる。中心側に配置される複数の照射点(ここでは4個の照射点)で得られる取得データを用いてピクセルの検出信号を求めることによって、照射位置に位置ずれが生じた場合であっても、隣接するピクセルと跨ることによる誤差要因を避ける。
図10(a)はピクセルに対して照射位置が位置ずれしていない場合の走査画像例と取得データ例を示している。この場合には、1ピクセルの内に9個の照射点が照射される。
照射位置に位置ずれが生じない場合には、ピクセルの重心の周囲にある照射点は、ピクセル内の9個の照射点となり、これらの検出信号の信号強度を用いることでS/Nを向上させることができる。これは、ノイズ成分の多くは照射点を単位として発生し、ピクセル内に照射する全照射点について同時にノイズが発生することは少なく、多くは1照射点のノイズであるため、ピクセル内の照射点の検出信号の信号強度を用いて平均化することによってノイズ成分の比率を低下させてS/N比を向上させることができる。
図10(c)はピクセルに対して照射位置が位置ずれした場合の走査画像例と取得データ例を示している。照射位置に位置ずれが生じた場合には、1ピクセル当たりに照射される9個の照射点の内で、縁側にある照射点は隣接するピクセルと跨るため、信号強度の誤差要因となる。一方、中心側にある4点の照射点は、照射位置に位置ずれが生じた場合であっても隣接するピクセルと跨ることはなく、信号強度の誤差要因とならない。なお、ここでは、照射位置に位置ずれは1ビームピッチ以下である場合を想定している。
したがって、走査画像において、1ピクセル当たりに照射する照射点の点数を増加させ、算出した重心の周囲にある照射点から得られる取得データを用いることによって、照射位置に位置ずれの有無に係わらず、誤差要因とならない取得データを取得することができる。
図10(b)に示す、照射位置に位置ずれがない場合の信号強度例では、欠陥ピクセルPbで検出される取得データの信号強度は、欠陥を表すレベルが連続して現れるため、ノイズによって発生するピーク値と識別することができる。
また、図10(d)に示す、照射位置に位置ずれがある場合の信号強度例においても、欠陥ピクセルPbで検出される取得データの信号強度は、欠陥を表すレベルが連続して現れるため、図10(b)の場合と同様に、ノイズによって発生するピーク値と識別することができる。
一方、図10(e)〜図10(h)は1ピクセル当たり4照射点の例を示している。図10(e)は1ピクセル内に4照射点が照射される場合を示し、図10(f)はピクセルに対して照射位置が位置ずれして、ピクセルの信号強度を表す照射点が1点のみである場合を示している。
図10(g)に示すように、1ピクセル内に4照射点が照射される場合には、欠陥ピクセルでは所定レベル以上の信号強度が連続して現れるため、ピーク的に発生するノイズ分と容易に識別することができる。これに対して、図10(h)に示すように、1ピクセル内に1照射点のみ照射され場合には、欠陥ピクセルでは所定レベル以上の信号強度が連続して現れないため、ピーク的に発生するノイズ分と識別することは困難である。
ビームピッチを小さくすることによって、走査画像の位置分解能を高めることができるが、ビームピッチを小さくすると1ピクセル当たりの照射点数が増加して全体の検査時間が長時間化するため、ビームピッチを小さくすることができない。上記したように複数フレームの走査画像を積分する方法では、1ピクセルについて、1ピクセル当たりの照射点にフレーム数を乗じた回数分のビーム照射を行う必要があるため、検査時間が長時間化する。例えば、1ピクセルについて4点の照射を行い、20フレーム分の走査画像を得るためには、1ピクセル当たり80照射点(=4照射点×20フレーム)に電子線を照射する必要がある。
図10(a)〜図10(d)に示したように1ピクセル内の照射点を増やし、重心の周囲にある照射点の検出信号の信号強度を用いることによって、図10(e)〜図10(h)に示したように1ピクセル内の照射点が少ない場合と比較して、S/Nを向上させることができる効果の他に、走査時間を短縮して検査時間を短縮させることができるという効果を奏することができる。
図11はチェッカパターンの電位分布を形成するの検査信号であり、図12(a),(b)は図11で示す検査信号を印加してピクセルを駆動した際に発生するピクセル(ITO)の電圧状態を示している。
図11(a),(b)はゲート信号を示し、図11(c),(d)はソース信号を示している。図11(a),(b)のゲート信号と図11(c),(d)のソース信号との組み合わせによって、TFTアレイのピクセルに正電圧(ここでは10v)と負電圧(ここでは−10v)を交互に市松パターンで印加し、図12(a)、(b)に示すように、ピクセルに異なる電圧(ここでは10vおよび−10V)を交互に印加して駆動し、隣接するピクセルを互いに異なる電位状態とする。
本発明の形態によれば、複数回の走査で取得した複数フレームの走査画像を加算することなく、1回の走査で取得した走査画像をもとに欠陥検出を行うことができるため、検査時間を短縮することができる。例えば、1ピクセル当たりの照射点数を4点とし、合計20フレーム分の走査画像を取得する場合には、1ピクセルについて80点の照射を行う必要があるが、本発明によれば、1ピクセル当たりの照射点数を9点として2フレーム分の走査画像を取得することによって、1ピクセルの照射点数を18点に減少させることができ、走査に要する時間については約18/80に短縮することができる。
また、本発明の形態によれば、1ピクセル当たりの照射点数を増加させることによって、ピクセルサイズよりも小さな欠陥を検出することができ、また、欠陥部分の形状についても検出することができる。
また、本発明の形態によれば、ピクセル位置の座標誤差を低減して欠陥位置の位置精度を向上させることによって、欠陥部位のサイズが実際のサイズよりも膨張して検出したり、逆に縮小して検出するなどの欠陥の検出精度の低下を抑制することができる。
また、本発明の形態によれば、1ピクセル当たりの照射点数を増加させることによって、取得データのデータ数を増加させて、耐ノイズ性を向上させることができる。
本発明は、液晶製造装置におけるTFTアレイ検査工程の他、有機ELや種々の半導体基板が備えるTFTアレイの欠陥検査に適用することができる。
1…アレイ検査装置、2…荷電粒子ビーム源、3…検出器、4…走査制御部、5…プローバ、6…ステージ、7…基板、10…検査信号生成部、11…信号強度検出部、12…ピクセル位置検出部、13…ピクセル強度算出部、14…欠陥抽出部、20…走査画像、21…チェッカパターン、30…検出点、31…座標パターン、32…補正座標パターン、40…ピクセル、100…基板、101…パネル、102…ピクセル、103…照射位置、104…アライメントマーク。

Claims (6)

  1. 荷電粒子ビームをTFTアレイ上で二次元的に走査して、表面電位の走査画像を形成し、当該走査画像からTFTアレイの欠陥検査を行うTFTアレイの検査方法であって、
    TFTアレイに検査信号を印加して当該TFTアレイに二次元的な所定パターンの電位分布を形成する検査信号印加工程と、
    前記検査信号を印加したTFTアレイに荷電粒子ビームを二次元的に走査して表面電位の走査画像を形成する走査工程と、
    前記走査画像から各ピクセルの位置を検出するピクセル位置検出工程と、
    前記各ピクセルの信号強度を検出する信号強度検出工程と、
    前記信号強度をデータ処理することによって欠陥ピクセルを抽出するデータ処理工程とを備え、
    前記検査信号印加工程は、二次元配列される複数のピクセルの内で隣接するピクセル間において、互いに相対的に高い電位と低い電位とを交互に印加する検査信号を印加し、TFTアレイに相対的に高い電位と低い電位がチェッカパターンで配置される電位分布を形成し、
    前記走査工程は、一ピクセルに対して複数個の荷電粒子ビームを照射し、
    前記ピクセル位置検出工程は、前記チェッカパターンの電位分布で得られる走査画像のチェッカパターンとピクセル配列との対応関係から両者の位置関係を求め、当該位置関係に基づいて走査画像の走査位置をピクセルの座標に割り付ける工程であり、
    前記チェッカパターンの各格子部分において、当該格子部に含まれる複数個の走査位置の重心の位置座標を算出し、
    算出した重心の配列とピクセル配列とを比較して、ピクセルに対する重心の位置ずれを求め、求めた位置ずれに基づいて重心の位置座標を補正し、
    前記補正した重心座標を前記チェッカ部分に対応するピクセルの位置座標としてピクセル位置を算出することを特徴とすることを特徴とする、TFTアレイの検査方法。
  2. 前記走査工程は、複数の走査領域において隣接する走査領域の境界で重複走査し、
    前記ピクセル位置検出工程は、前記重複走査で取得された境界を挟んで隣接する2つの走査領域のチェッカパターンを照合し、一致するチェッカパターンに基づいて境界部分のピクセル位置を検出することを特徴とする、請求項に記載のTFTアレイの検査方法。
  3. 前記走査工程は、検査領域を複数の走査領域に分割して走査すると共に、隣接する走査領域の境界を重複走査することを特徴とする、請求項に記載のTFTアレイの検査方法。
  4. 荷電粒子ビームをTFTアレイ上で二次元的に走査して、表面電位の走査画像を形成し、当該走査画像からTFTアレイの欠陥検査を行うTFTアレイの検査装置であって、
    TFTアレイに検査信号を印加して当該TFTアレイに二次元的な所定パターンの電位分布を形成する検査信号印加部と、
    前記検査信号を印加したTFTアレイに荷電粒子ビームを二次元的に走査して表面電位の走査画像を形成する荷電粒子ビーム源および走査制御部と、
    前記荷電粒子ビームの走査によってTFT基板から放出される二次電子の検出信号を検出する検出器と、
    前記検出信号で得られる走査画像から各ピクセルの位置を検出するピクセル位置検出部と、
    前記各ピクセルの信号強度を検出する信号強度検出部と、
    前記信号強度をデータ処理することによって欠陥ピクセルを抽出するデータ処理部とを備え、
    前記荷電粒子ビーム源および前記走査制御部は、一ピクセルに対して複数個の荷電粒子ビームを照射し、
    前記検査信号印加部は、二次元配列される複数のピクセルの内で隣接するピクセル間において、互いに相対的に高い電位と低い電位とを交互に印加する検査信号を印加し、TFTアレイに相対的に高い電位と低い電位がチェッカパターンで配置される電位分布を形成し、
    前記ピクセル位置検出部は、前記チェッカパターンの電位分布で得られる走査画像のチェッカパターンとピクセル配列との対応関係から両者の位置関係を求め、当該位置関係に基づいて走査画像の走査位置をピクセルの座標に割り付ける部位であり、
    前記チェッカパターンの各格子部分において、当該格子部に含まれる複数個の走査位置の重心の位置座標を算出し、
    算出した重心の配列とピクセル配列とを比較して、ピクセルに対する重心の位置ずれを求め、求めた位置ずれに基づいて重心の位置座標を補正し、
    前記補正した重心座標を前記チェッカ部分に対応するピクセルの位置座標としてピクセル位置を算出することを特徴とする、TFTアレイの検査装置。
  5. 前記荷電粒子ビーム源および前記走査制御部は、複数の走査領域において隣接する走査領域の境界で重複走査し、
    前記ピクセル位置検出部は、前記重複走査で取得された境界を挟んで隣接する2つの走査領域のチェッカパターンを照合し、一致するチェッカパターンに基づいて境界部分のピクセル位置を検出することを特徴とする、請求項に記載のTFTアレイの検査装置。
  6. 前記荷電粒子ビーム源および前記走査制御部は、検査領域を複数の走査領域に分割して走査すると共に、隣接する走査領域の境界において重複走査することを特徴とする、請求項に記載のTFTアレイの検査装置。
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