JP5424802B2 - 長尺炭素繊維シートの製造方法と、長尺炭素繊維シート前駆体及び長尺炭素繊維シート - Google Patents

長尺炭素繊維シートの製造方法と、長尺炭素繊維シート前駆体及び長尺炭素繊維シート Download PDF

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Description

本発明は、複数の炭素繊維シートが繋ぎ合わされた長尺炭素繊維シートの製造方法と、その長尺炭素繊維シート前駆体及び長尺炭素繊維シートに関する。
炭素繊維は耐熱性に優れていることから、断熱材、耐熱保護材として利用されており、また、電気伝導性を有していることから、燃料電池等の電極材や通電材料としての応用開発も進められている。
炭素繊維は、一般に、織物状、不織布状、ペーパー状等の炭素繊維シートに加工された状態で使用されている。炭素繊維シートは、炭素繊維シート前駆体を炭素化することで製造される。
この炭素繊維シートを上述のような用途に適用するにあたり、再度150〜400℃程度の熱処理を施す場合がある。その再度の熱処理を連続して行うため、炭素繊維シートを長尺化する要望がある。例えば、特開2004−176233号公報(特許文献1)には、複数枚の炭素繊維シートの端部同士を重ね合わせ、所定の物性を有するポリアクリロニトリル系酸化繊維よりなる紡績糸やフィラメント束をもって端部側同士を繋ぎ合わせることで、炭素繊維シートを長尺化する方法が記載されている。具体的には、織物状の炭素繊維シートの端部同士を針を用いて縫い繋ぐ方法が記載されている。縫う方向を重ね合わせ部の表側と裏側で異ならせており、表側からは炭素繊維シートの長さ方向に対して斜め方向に所定の角度αで1回、裏側からは炭素繊維シートの長さ方向に平行に所定の長さで1回縫い、これを1セットとする。
また、産業分野によっては大型の炭素質材料を製造することについての要望もある。例えば、特開昭61−155260号公報(特許文献2)には、炭素骨材(炭素繊維を含む)とフェノール樹脂等のバインダーとからなり、成形された炭素質材の端部同士を付け合わせ状態で、フェノール樹脂と炭素粒子からなる接着剤及び黒鉛シートを介して接合したのち、焼成して全体がカーボンとして一体化している大型の炭素質材料及び製造方法が記載されている。
特開2004−176233号公報 特開昭61−155260号公報
しかし、不織布状やペーパー状の炭素繊維シートは織物状のものに比べて脆く、針を用いて縫い繋ぐと、針を刺した箇所に亀裂が入ってしまう可能性が高く、その亀裂が進行して繋ぎ合わせ部が分断してしまうおそれがある。
一方、炭素繊維シートを製造する際には、炭素繊維シート前駆体を所定の温度に設定した熱処理炉内に走行させて炭素化する。しかし、炭素繊維シート前駆体はエンドレスではないため、炭素繊維シート前駆体ごとに熱処理炉の温度を一旦下げ、新たな炭素繊維シート前駆体を走行ラインに配置して、再度熱処理炉の温度を上げる必要がある。熱処理炉の温度は非常に高温であることから、これらの熱処理炉の温度を昇降させる工程には長時間を費せざるを得ず、結果として熱処理炉の稼働効率を大きく低下させることになる。こうした状況から、炭素繊維シート前駆体を長尺化する要望もある。
炭素繊維シート前駆体を長尺化する方法として、特許文献1に記載された方法に準じて、炭素繊維シート前駆体の端部同士を、針を用いて縫い繋いだ場合、不織布状やペーパー状の炭素繊維シートの場合と同様に、針を刺した箇所に亀裂が入ってしまう可能性が高く、その亀裂が進行して繋ぎ合わせ部が分断してしまうおそれがある。
また、炭素繊維シート前駆体を長尺化する別な方法として、特許文献2に記載の方法に準じて、炭素繊維シート前駆体の端面同士を突き合わせるよにして、可撓性黒鉛シートを介して接着剤で接合する方法が記載されているが、炭素繊維シート前駆体に少なくとも20mm程度の厚みが必要であり、10mm以下の薄物シートを接続する場合には適さないおそれがあり、且つ黒鉛シートを接合面に介在させているためコスト高に繋がりかねない。
そこで、本発明は、不織布状やペーパー状の薄手のシートであっても、高品質な長尺の炭素繊維シートを低コストに得られる製造方法と、それらの長尺な炭素繊維シート前駆体及び炭素繊維シートを提供することを目的とする。
上記課題を達成するための本発明の第1の基本構成は、繋ぎ合わせようとする第一の炭素繊維シート前駆体の終端部又は第二の炭素繊維シート前駆体の始端部のどちらかにフェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層を塗布する工程と;前記第一の炭素繊維シート前駆体の終端部と前記第二の炭素繊維シート前駆体の始端部とを重ねる工程と;その重なり部を熱プレス装置で接合し、第一及び第二の炭素繊維シート前駆体の端部同士を繋ぎ合わせる工程と;前記繋ぎ合わされた炭素繊維シート前駆体を連続的に炭素化する工程とを含んでなる長尺炭素繊維シートの製造方法にある。
好適には、前記接着剤層を塗布する工程において、前記接着剤層を炭素繊維シート前駆体の長手方向に不連続に塗布することを含んでおり、更には前記接着剤層を塗布する工程から前記炭素化する工程までの全ての工程を同一ライン上で連続して行うとよい。また、前記接着剤層を塗布してから炭素化するまでの全工程において、前記炭素繊維シート前駆体の走行を止めることなく、前記第一の炭素繊維シート前駆体の終端部と前記第二の炭素繊維シート前駆体の始端部とを連続的に重ねて順次繋ぎ合わせることもできる。
上記課題を達成するための本発明の第2の基本構成は、第一の炭素繊維シート前駆体の終端部と第二の炭素繊維シート前駆体の始端部とが重ねられ、その重なり部がフェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層を介して繋ぎ合わされた長尺の炭素繊維シート前駆体であって、前記接着剤層が炭素繊維シート前駆体の長手方向に対して不連続に配されてなる長尺炭素繊維シート前駆体にあり、第3の基本構成は、終端部と始端部とが重ねられ、その重なり部が接着剤層をもって繋ぎ合わされた第一及び第二の炭素繊維シート前駆体が、各前駆体の炭素化と同時に連続して炭素化された炭化物接着剤層を介して繋ぎ合わされた長尺の炭素繊維シートであって、炭素化された前記炭化物接着剤層が炭素繊維シートの長手方向に対して不連続に配されてなる長尺炭素繊維シートにある。
本発明によれば、品質が良く、低コストな長尺炭素繊維シートを提供できる。
本発明により得られる長尺の炭素繊維シート前駆体又は炭素繊維シートの接続部の一例を示す平面図である。 本発明により得られる長尺の炭素繊維シート前駆体又は炭素繊維シートの接続部の他例を示す平面図である。 本発明により得られる長尺の炭素繊維シート前駆体又は炭素繊維シートの接続部の他例を示す平面図である。 本発明により得られる長尺の炭素繊維シート前駆体又は炭素繊維シートの接続部の他例を示す平面図である。 本発明により得られる長尺の炭素繊維シート前駆体又は炭素繊維シートの接続部の他例を示す平面図である。 本発明の製造方法の実施形態(繋ぎ合わせる直前)の一例を示す製造工程図である。 本発明の製造方法の実施形態(繋ぎ合わせた直後)の一例を示す製造工程図である。 本発明の製造方法の熱プレス部分の一例を示す説明図である。 本発明の製造方法の熱プレス部分の他の一例を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<炭素繊維シート前駆体/炭素繊維シート>
ここで、本発明における炭素繊維シート前駆体とは、炭素化される前の炭素化可能な繊維、或いは予め炭素化された炭素繊維を、炭素前駆体樹脂を結着材として不織布状やペーパー状、或いは織物に形成した薄手のシートを言い、単に炭素繊維シートと呼ぶ場合は炭素繊維シート前駆体のみならず炭素前駆体樹脂や後述する接着剤層が炭素化された炭素繊維シートを言う。
図1及び図2は、本発明の長尺の炭素繊維シート前駆体10又は長尺の炭素繊維シート10’の一実施形態を示す上面図である。この長尺の炭素繊維シート前駆体10又は炭素繊維シート10’は、短尺の第一炭素繊維シート前駆体11又は第一炭素繊維シート11’の終端部と、短尺の第二炭素繊維シート前駆体12又は第二炭素繊維シート12’の始端部との両側端部が互いに揃えられた状態で重ねられており、両シートは長さ方向にまっすぐ繋ぎ合わされている。なお、その重なり部20がフェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21又は前記接着剤層を炭素化してなる炭化物接着剤層21’を介して繋ぎ合わされている。本発明にあって、長尺の炭素繊維シート前駆体10又は長尺の炭素繊維シート10’の前記接着剤層21又は前記炭化物接着剤層21’は、短尺の第一及び第二炭素繊維シート前駆体11,12又は短尺の第一及び第二炭素繊維シート11’,12’の長手方向に対して不連続に配されていることが特徴の一部をなしている。
第一炭素繊維シート前駆体11又は第一炭素繊維シート11’と第二炭素繊維シート前駆体12又は第二炭素繊維シート12’は、最終的には炭素繊維を含むシートであり、織物状、不織布状、ペーパー状のいずれでもよい。また長さ、厚さ及び目付は、使用目的に応じて適宜設定できるが、例えば、長さは50〜1500m、厚さは0.1〜10mm、目付は10〜200g/m2 が好ましい。
第一炭素繊維シート前駆体11又は第一炭素繊維シート11’と、第二炭素繊維シート前駆体12又は炭素繊維シート12’に含まれる炭素繊維の種類としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維等を挙げることができる。最終的に得られる炭素繊維シートの曲げ強度及び引張強度が高くなることから、PAN系炭素繊維又はピッチ系炭素繊維を用いることが好ましく、PAN系炭素繊維を用いることがより好ましい。炭素繊維は平均直径4〜10μmの短繊維であることが好ましい。
長尺の炭素繊維シート10’は、炭素繊維が炭素により結着されている炭素繊維シートである。このような炭素繊維シート10’は、炭素繊維前駆体又は炭素繊維と炭素前駆体樹脂とを含む第一炭素繊維シート前駆体11又は第一炭素繊維シート11’と第二炭素繊維シート前駆体12又は第二炭素繊維シート12’とを繋ぎ合わせた長尺な炭素繊維シート前駆体10又は炭素繊維シート10’を連続的に炭素化することで得ることができる。
第一炭素繊維シート前駆体11又は第一炭素繊維シート11’の終端部と第二炭素繊維シート前駆体12又は第二炭素繊維シート12’の始端部とが重なり合った重なり部20の長さLは、フェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21によって接続することが可能な範囲で適宜設定できるが、100〜1500mmが好ましく、200〜1000mmがより好ましい。
第一炭素繊維シート前駆体11又は第一炭素繊維シート11’の終端部と第二炭素繊維シート前駆体12又は第二炭素繊維シート12’の始端部との重なり部20に、シート長手方向に対して前記接着剤層21を不連続に存在させることで、ロール等で屈曲されても重なり部20が剥離し難く、品質の良い長尺の炭素繊維シート10’を連続して製造することが可能となる。
フェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21としては、その後の工程を考慮して適宜選択できる。例えば、レゾール系、ノボラック系、又はレゾール系とノボラック系とをブレンドしたものを用いることができる。なお、本発明においては第一炭素繊維シート前駆体11の終端部と第二炭素繊維シート前駆体12の始端部との重なり部20が炭素化工程を外れずに通過すればよいため、残炭率の高い熱硬化樹脂であるフェノール樹脂が好ましい。
また、炭素材についても適宜選択できる。例えば、黒鉛粉、カーボンブラック、ミルドファイバー等を用いることができる。
フェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21の塗布は、第一炭素繊維シート前駆体11の終端部又は第二炭素繊維シート前駆体12の始端部のどちらか一方になされればよいが、50〜100μm程度の厚さで均一に塗布することが好ましい。
また、第一炭素繊維シート前駆体11の終端部及び第二炭素繊維シート前駆体12の始端部を接着剤層21をもって接続した重なり部20を、炭素化工程にて連続焼成する際に、ロール等で屈曲された場合に重なり部20での剥離発生を抑制し、且つ柔軟性をもたせるため、例えば図1〜図2に示すように、炭素繊維シート前駆体10又は炭素繊維シート10’の長手方向に対して不連続に接着剤層又は炭化物接着剤層が形成されていることを特徴としている。
長さ(L)の重なり部20におけるフェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21の接着剤層はシート長手方向に2〜30箇所で、各接着剤層の塗布幅(L1)は10mm〜700mmであることが好ましく、20mm〜500mmがより好ましい。
前記接着剤層21が塗布されていない接着剤層間の非塗布部幅(L2)については、5mm〜1000mmが好ましく、10mm〜500mmがより好ましい。
また、重なり部20における各シート端の接着剤層21が塗布されていない部分の幅(L3)については0mm〜50mmとすることが好ましい。
また、本発明にあって、フェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21の塗布形状は、図1に示すようにシート長手方向に対して不連続に塗布される複数列の接着剤層をシート幅方向に連続してもよいが、これに限定されるものではなく、例えば図3に示すように、接着剤層の塗布幅(L1)として、シート幅方向に2〜5箇所で分割することもできる。更には図4に示すように、シート長手方向とシート幅方向に対して対してそれぞれ不連続に塗布するにあたり、全体として千鳥状に塗布するようにしてもよい。なお、接着剤層21の塗布幅(L1)や分割数も、図1及び図2に示すように一律ではなく、多様に変更できる。
更に図4に示すように、第一炭素繊維シート前駆体11又は第一炭素繊維シート11’の終端部と、第二炭素繊維シート前駆体12又は炭素繊維シート12’の始端部の少なくとも一方の端部における2つの角部を切り落とすことが好ましい。炭素繊維シート前駆体や炭素繊維シートの側端部の反りはその角部においてより発生しやすいので、その角部を切り落とすことで、反りによる影響を低減することができる。その場合は炉内等で引っ掛かり難いため、炭素繊維シート前駆体11,12又は炭素繊維シート11’,12’の中央部付近にてフェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21の接着剤層で接続するようにしてもよい。
<炭素繊維シート前駆体/炭素繊維シートの製造方法>
次に長尺の上記炭素繊維シート前駆体10及び長尺の炭素繊維シート10’の製造方法を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明の長尺の炭素繊維シート10’は、例えば、短尺の第一炭素繊維シート11’及び第二炭素繊維シート12’を予め製造しておき、それらを上記の構成になるようにフェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21で繋ぎ合わせることにより製造することができる。
また、本発明の長尺の炭素繊維シート10’は、短尺の第一炭素繊維シート前駆体11及び第二炭素繊維シート前駆体12の端部同士を、上述のごとくフェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21で繋ぎ合わせ、その繋ぎ合わされた長尺の炭素繊維シート前駆体10を接着剤層21と共に炭素化することで製造することもできる。この方法によれば、炭素化を行う熱処理炉の稼働効率を高めることができる。以下、この方法について説明する。
第一炭素繊維シート前駆体11及び第二炭素繊維シート前駆体12は、炭素化することで炭素繊維シートとなるものであり、織物状、不織布状、ペーパー状のいずれでもよい。第一及び第二の炭素繊維シート前駆体11,12の長さ、厚さ及び目付は、製造された炭素繊維シートの使用目的に応じて適宜設定できるが、例えば、長さは50〜1500m、厚さは0.1〜10mm、目付は10〜200g/m2 が好ましい。
第一及び第二の炭素繊維シート前駆体11,12には、例えば、炭素化される前の繊維又は炭素化した繊維と炭素前駆体樹脂とを含んでなる炭素繊維シート前駆体が挙げられる。この炭素繊維シート前駆体を炭素化することで、炭素繊維が炭素により結着されている炭素繊維シートとなる。
炭素繊維の種類としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維等を挙げることができる。得られた炭素繊維シートの曲げ強度及び引張強度が高くなることから、PAN系炭素繊維又はピッチ系炭素繊維を用いることが好ましく、PAN系炭素繊維を用いることがより好ましい。炭素繊維は平均直径4〜10μmの短繊維であることが好ましい。
炭素前駆体樹脂は、炭素繊維間を結着する目的で使用されるものであり、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ピッチ、澱粉等を用いることができる。このうち、フェノール樹脂やピッチは、炭素化のための熱処理により炭化物となり、炭素繊維シート中の炭素繊維間を結着する機能を発揮する。また、澱粉やPVAは、炭素繊維シート前駆体を得る上での炭素前駆体樹脂の通過性を高める機能を発揮する。
炭素繊維と炭素前駆体樹脂とを含んでなる炭素繊維シート前駆体の場合、炭素繊維の含有比率は10〜90質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。炭素繊維の含有比率が10質量%を下回ると、得られる炭素繊維シートの引張強さが低下したり、脆く折れやすくなる傾向がある。また、炭素繊維の含有比率が90質量%を超えると、得られる炭素繊維シートが嵩高になり、引張強度や圧縮強度が低下する傾向があり、例えば燃料電池の電極用としても適さない場合がある。
炭素繊維と炭素前駆体樹脂とを含んでなる炭素繊維シート前駆体には、炭素繊維及び炭素前駆体樹脂以外に、炭素粉末、金属粉末、無機粉末、金属繊維、無機繊維等を含んでもよい。得られる炭素繊維シートを燃料電池電極基材として用いる場合には、導電性向上、不純物低減のために、炭素粉末を含んでいることが好ましい。
炭素繊維シート前駆体を作製する方法としては、液体の媒体中に炭素化可能な繊維又は炭素化された繊維を分散させて抄造する湿式法や、空気中に炭素化可能な繊維又は炭素化された繊維を分散させて降り積もらせる乾式法などの抄紙方法が適用できるが、中でも湿式法が好ましい。炭素化可能な又は炭素化した繊維が単繊維に分散するのを助け、分散した単繊維が再び収束を防止するのを防ぐためにも、適切な量の炭素前駆体樹脂と共に湿式抄紙することが好ましい。
炭素化可能な又は炭素化した繊維と炭素前駆体樹脂とを混合する方法としては、水中で攪拌分散させる方法と、直接混ぜ込む方法があるが、均一に分散させるためには水中で攪拌分散させる方法が好ましい。このように炭素化可能な又は炭素化した繊維に炭素前駆体樹脂を混ぜることにより、炭素繊維シート前駆体の強度を保持し、その製造途中で炭素繊維シート前駆体から炭素化可能な又は炭素化した繊維が剥離したり、それらの繊維の配向が変化したりするのを防止することができる。
なお、本発明にあっては後述するように、第一及び第二の炭素繊維シート前駆体11,12を複数の温度で熱処理する場合、途中の段階まで熱処理をしたシートも第一及び第二の炭素繊維シート前駆体11,12に含まれるものとする。
第一炭素繊維シート前駆体11の終端部と第二炭素繊維シート前駆体12の始端部とを重ねて形成される重なり部20のシート長さ方向の長さ(L)は、フェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層21で繋ぎ合わせることが可能な範囲で適宜設定できるが、100〜1500mmが好ましく、200〜1000mmがより好ましい。
このとき、熱処理炉内での引っかかりを防止する観点から、先行する第一炭素繊維シート前駆体11が下側で、それに続く第二炭素繊維シート前駆体12が上側になるように重ねることが好ましい。
また、前記接着剤層21を塗布する際、第一炭素繊維シート前駆体11の終端部又は第二炭素繊維シート前駆体12の始端部のどちらか一方に、シート長手方向に対して不連続になるように前記接着剤層21を塗布すればよいが、作業効率の面から予め第二炭素繊維シート前駆体12の始端部の方に塗布しておく方が好ましい。
なお、炭素繊維シート前駆体の長手方向に対して接着剤部を不連続に存在させることで、熱処理工程(炭素化工程)のロール等で屈曲されても接続部が破損あるいは剥離し難く、品質の良い長尺の炭素繊維シートを連続して製造することが可能となる。
図6及び図7は、本発明に係る長尺の炭素繊維シートを連続して製造する製造工程の一例を概略で示している。これらの図に示すように、第一炭素繊維シート前駆体11の終端部と第二炭素繊維シート前駆体12の始端部とを重ね、熱プレス装置35を用いて第一及び第二の炭素繊維シート前駆体11,12の重ね合わせ端部を接着し、繋ぎ合せる。
その際、炭素繊維シート前駆体の連続焼成工程を一旦停止して接続してもよいが、歩留向上のため焼成工程を停止せずに行う方が好ましい。作業性の観点から前熱処理炉31と巻出し部34との間に連続熱プレス装置又はバッチプレス装置を設置することが好ましい。
なお、バッチプレス装置を使用する場合は、図6に示すように、第一炭素繊維シート前駆体11の終端部を弛ませるか、又はアキュームレーター、ダンサーロール等の貯留装置を設置し、前記接着剤層21の硬化時間を確保することが好ましい。また、バッチプレス装置を使用する場合、図8に示すように、上下部熱プレス板35a,35bを凸凹面とすることによって、上記炭素繊維シート前駆体を接続する際にシート端部を揃え易いため好ましい。
熱プレス装置35のプレス条件として、加熱温度は使用する樹脂によって異なるが200〜300℃が好ましい。成型圧力に関しては、前記接着剤層21が剥がれない程度に加圧されていればよいため0.5MPa〜10MPaの圧力で加圧することが好ましい。加熱加圧成型の時間は、30秒〜10分が好ましい。
上述のようにして、第一及び第二の炭素繊維シート前駆体11,12を繋ぎ合わせた後、その繋ぎ合わされた炭素繊維シート前駆体10を炭素化する。炭素化は、繋ぎ合わされた長尺の炭素繊維シート前駆体10を熱処理炉31,32内に走行させることで行うことができる。
繋ぎ合わされた炭素繊維シート前駆体の炭素化は、複数の温度で多段に熱処理することにより行うことが好ましい。途中の段階までの熱処理がなされた第一及び第二の炭素繊維シート前駆体11,12を繋ぎ合わせた炭素繊維シート前駆体を炭素化する場合には、上記接着剤層21を介して端部同士を接着したのちに所定の熱処理を行って接着剤層ともども炭素化すればよい。
炭素化処理として、炭素繊維シート前駆体を1000℃以上の温度で炭素化処理する。この炭素化処理により炭素前駆体樹脂が炭素化され、炭素繊維シートを得ることができる。炭素化処理の温度は1000〜3000℃が好ましく、1000〜2200℃がより好ましい。炭素化処理は不活性雰囲気下で行うことが好ましい。炭素化処理の時間は10分〜1時間が好ましい。
図7に示すように、焼成炉32による炭素化処理前に、前熱処理炉31を通して、炭素繊維シート前駆体10を300〜800℃の温度で前炭素化処理することもできる。前炭素化処理は不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
炭素化処理は、上述のように複数の温度で多段に熱処理することが好ましいことから、炭素化を行う前熱処理炉31及び焼成炉32は、異なる温度に設定可能な複数の領域を有することが好ましい。この場合、複数の温度領域は、1つの熱処理炉内に配されていてもよいし、それぞれに異なる温度に設定された複数の熱処理炉を組み合わせてもよい。
そして、炭素化炉(焼成炉)32及び前熱処理炉(前炭素化炉)31の炉内には、図示を省略しているが、炭素繊維シート前駆体10の屈曲部材が設けられていることが好ましい。そして、炭素繊維シート前駆体10を図示せぬ屈曲部材に接触させながら熱処理炉(前熱処理炉31,焼成炉32)内を走行させることが好ましい。こうすることで、得られる炭素繊維シート10’にシワや凹凸が発生しにくくなる。
屈曲部材は、例えば、熱処理炉内の炉床、炉天井、又は炉床と炉天井との間に設けることができる。炭素繊維シート前駆体の全幅と屈曲部材を接触させるため、屈曲部材は炭素繊維シート前駆体の進行方向と交差する方向に設けることが好ましい。その観点から、棒状の屈曲部材が好ましいが、板状の屈曲部材でもよい。なお、棒状とは、断面の長径と短径の比が4倍以内であるものをいう。こうすることで、屈曲部材の高さを低く、かつ炭素繊維シート前駆体10との接触長を短くすることができ、炭素繊維シート前駆体10の摩耗を防止することができる。屈曲部材の素材としては、安価で不活性雰囲気中で化学的に安定な炭素製のものを用いることが好ましい。
端部同士を接続する前の第一及び第二の炭素繊維シート前駆体11,12は200℃以上300℃未満の温度で酸化処理することが好ましい。この酸化処理により、炭素繊維を炭素前駆体樹脂でより融着させ、かつ、炭素前駆体樹脂の炭素化率を向上させることができる。酸化処理の温度は240〜270℃がより好ましい。酸化処理は大気雰囲気下で行うことが好ましい。酸化処理の時間は10分〜2時間が好ましく、10分〜90分がさらに好ましい。
また、接続前の第一及び第二の炭素繊維シート前駆体11,12を300℃未満の温度で加熱加圧成型することが好ましい。こうすることで、炭素繊維を炭素前駆体樹脂で融着させ、得られる炭素繊維シートの厚みムラを低減できる。加熱加圧成型は、炭素繊維シート前駆体を均等に加熱加圧成型できる技術であればよく、例えば、上下両面から平滑な剛板にて熱プレスする方法でもよく、連続ベルトプレス装置を用いて行う方法でもよい。
加熱温度は、効果的に表面を平滑にするために、300℃未満が好ましく、200〜270℃がより好ましい。成型圧力に関しては、炭素前駆体樹脂の比率が多い場合は、成型圧力が低くても炭素繊維シート前駆体の表面を平滑にすることが容易である。このとき必要以上にプレス圧を高くすることは、成型時に炭素繊維を破壊する、得られる炭素繊維シートの組織が緻密になりすぎるなどの問題が生じる場合がある。したがって、0.02MPa〜10MPaの圧力で加圧することが好ましい。加熱加圧成型の時間は、30秒〜10分が好ましい。
剛板に挟んで、又は連続ベルト装置で炭素繊維シート前駆体の加熱加圧成型を行うときは、剛板やベルトに炭素前駆体樹脂などが付着しないようにあらかじめ剥離剤層を塗っておくか、炭素繊維シート前駆体と剛板やベルトとの間に離型紙を挟んで行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。
炭素短繊維として、平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維(三菱レイヨン株式会社製)と平均繊維径が4μm、平均繊維長が3mmのPAN系炭素繊維(三菱レイヨン株式会社製)を70:30(質量比)で混合した炭素短繊維を用いた。バインダー繊維として、1.1dtex、カット長5mmのビニロン短繊維(ユニチカ株式会社製ユニチカビニロンF)と、ポリビニルアルコール(PVA)の短繊維(クラレ株式会社製VBP105−1カット長3mm)を用意した。
先ず、炭素短繊維を湿式短網連続抄紙装置のスラリータンクで水中に均一に分散して単繊維に解繊し、十分に分散したところにPVA短繊維及びビニロン短繊維を炭素短繊維100質量部に対して、それぞれ18質量部、32質量部となるように均一に分散させ、これを通常の長網抄紙法を使って目付け20g/ m2 と、40g/ m2 で長さ500mの2種類の炭素繊維紙を得た。
次に、フェノール樹脂(DIC株式会社製フェノライトJ−325)を40質量%含むメタノール溶液が付着したローラーに炭素繊維紙を均一に片面ずつ接触させた後、連続的に熱風を吹きかけ乾燥して、目付け32g/ m2 と、64g/ m2 の2種類の樹脂付着炭素繊維紙を得た。この樹脂付着炭素繊維紙を長網に接していた面が外側を向くようにそれぞれ2枚貼り合せた後、一対のエンドレスベルトを備えた連続式加熱プレス装置(ダブルベルトプレス装置:DBP)を用いて連続的に加熱加圧し、表面が平滑化されたシート厚み0.17mmと0.30mmで、幅300mm、長さ450mからなる2種類の表面平滑化シートを得た。なお、このとき樹脂付着炭素繊維紙がベルトに貼り付かないように2枚の離型紙の間に挟んで通した。
その後、得られた表面平滑化シートを、窒素ガス雰囲気とした、500℃の連続前熱処理炉中で5分間加熱して前熱処理を行い、フェノール樹脂の硬化及び前炭素化を行った。引き続き、得られた樹脂硬化シートを窒素ガス雰囲気中、2000℃の連続焼成炉において5分間加熱し、炭素化して、長さ400mの多孔質炭素繊維シート36を連続的に得て、外径3インチの円筒型紙管に巻き取った。この多孔質炭素繊維シート36は薄膜化されているが、平滑で取り扱いやすく、曲げ強度及びガス透過性に優れた電極基材となる。
本実施形態にあっては、図6及び図7に示すように、巻出し部34のロール状炭素繊維シート前駆体33が無くなる直前に、前熱処理炉31の入側ニップロール38aで第一炭素繊維シート前駆体11をニップし、終端部を巻出し部34から全て巻出す。次いで、事前に前記接着剤層21を始端部の長手方向に不連続になるように塗布した第二炭素繊維シート前駆体12のロール状炭素繊維シート33’を巻出し部34に装着した後、その始端部を巻出し部34から巻出して、先行する第一炭素繊維シート前駆体11の終端部に重ね合わせ、熱プレス装置35を用いて250℃×2分、0.5MPaの条件で加熱加圧して接続した。シート接続後、図7に示すように、巻出し部34から入側ニップロール38aまでのシートの弛みを取り除き、入側ニップロール38aのニップを解放した。
繋ぎ合わされた炭素繊維シート前駆体10を前熱処理炉31に導入して、窒素ガス雰囲気で500℃の連続前熱処理炉31中で5分間加熱して炭素化が可能な熱硬化樹脂を硬化させると同時に前炭素化を行った。前熱処理炉31を通過したシート状の多孔質炭素繊維シートは、引き続いて窒素ガス雰囲気中、2000℃の連続焼成炉32に導入されて炭化されたのち、巻取り部37においてロール状に巻き取る。又は、巻取り部37が所要量の巻き取りが終了するときは、連続焼成炉32の出側ニップロール38bを出たところでシートを切断し、巻取り部37のロール状の多孔質炭素繊維シート10’を取り除き、新たな外径6インチの円筒型紙管を巻取り部37に装着した後に多孔質炭素繊維シート10’を巻き取った。
なお本実施例にあって、使用した接着剤層21はフェノール樹脂(DIC株式会社製フェノライトJ−325)70質量%とカーボン粉末30質量%とを混合し、均一に撹拌したのち50℃の熱風乾燥機に15分程度滞在させて、メタノールを飛ばしたものを使用した。
表面が平滑化された薄物炭素繊維シート(シート厚み0.17mm)と厚物炭素繊維シート(シート厚み0.30mm)の2種類の炭素繊維シート前駆体10を用いたものについて、それぞれの接続部の焼成工程における工程通過性を表1に示す。
Figure 0005424802
表1から理解できるように、実施例1〜5における工程通過性は、それぞれ良好であり、厚物シートでも支障を来すことがない。一方、長手方向に対して前記接着剤層を不連続に塗布していない実施例6にあっては、薄物シートでは工程通過性は良好であるが、厚物シートではシート接続部の破損等が時々発生することを確認した。
以上述べたとおり、本発明による多孔質炭素繊維シートの製造方法は、連続的に炭化熱処理する工程において、前記炭素繊維シート前駆体11の終端部と前記炭素繊維シート前駆体bの始端部とを重ねて繋ぎ合せる工程から炭素化するまでの工程を同一ライン上で行うことと、接続部の長手方向に対して前記接着剤層を不連続に存在させることによりロール、炉内ガイドロール(ガイドバー)等での接続部の破損等を抑制すると共に、焼成工程を止めること無くシートの接続が可能となり、長尺炭素繊維シートの生産性向上が大幅に期待できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されないことは、以上の説明からも理解できるところであろう。
10 繋ぎ合わされた長尺の炭素繊維シート前駆体
10’ 繋ぎ合わされた長尺の炭素繊維シート
11,12 短尺の第一及び第二炭素繊維シート前駆体
11’,12’ 短尺の第一及び第二炭素繊維シート
20 重なり部
21 接着剤層
21’ 炭化物接着剤層
31 前熱処理炉
32 焼成炉
33 炭素繊維シート前駆体
33’ 炭素繊維シート
34 巻出し部
35 熱プレス装置
35a 上部熱プレス板
35b 下部熱プレス板
36 多孔質炭素繊維シート
37 巻取り部
38a 入側ニップロール
38b 出側ニップロール

Claims (6)

  1. 繋ぎ合わせようとする第一の炭素繊維シート前駆体の終端部又は第二の炭素繊維シート前駆体の始端部のどちらかにフェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層を塗布する工程と;
    前記第一の炭素繊維シート前駆体の終端部と前記第二の炭素繊維シート前駆体の始端部とを重ねる工程と;
    その重なり部を熱プレス装置で接合し、第一及び第二の炭素繊維シート前駆体の端部同士を繋ぎ合わせる工程と;
    前記繋ぎ合わされた炭素繊維シート前駆体を連続的に炭素化する工程と;
    を含んでなる長尺炭素繊維シートの製造方法。
  2. 前記接着剤層を塗布する工程において、前記接着剤層を炭素繊維シート前駆体の長手方向に不連続に塗布することを含んでなる、請求項1記載の長尺炭素繊維シートの製造方法。
  3. 前記接着剤層を塗布する工程から前記炭素化する工程までの全ての工程を同一ライン上で連続して行うことを含んでなる、請求項1又は2に記載の長尺炭素繊維シートの製造方法。
  4. 前記接着剤層を塗布してから炭素化するまでの全工程において、前記炭素繊維シート前駆体の走行を止めることなく、前記第一の炭素繊維シート前駆体の終端部と前記第二の炭素繊維シート前駆体の始端部とを連続的に重ねて繋ぎ合わせることを含んでなる、請求項1〜3のいずれかに記載の長尺炭素繊維シートの製造方法。
  5. 第一の炭素繊維シート前駆体の終端部と第二の炭素繊維シート前駆体の始端部とが重ねられ、その重なり部がフェノール樹脂と炭素材からなる接着剤層を介して繋ぎ合わされた長尺の炭素繊維シート前駆体であって、前記接着剤層が炭素繊維シート前駆体の長手方向に対して不連続に配されてなる長尺炭素繊維シート前駆体。
  6. 終端部と始端部とが重ねられ、その重なり部が接着剤層をもって繋ぎ合わされた第一及び第二の炭素繊維シート前駆体が、各前駆体の炭素化と同時に連続して炭素化された炭化物接着剤層を介して繋ぎ合わされた長尺の炭素繊維シートであって、炭素化された前記炭化物接着層が炭素繊維シートの長手方向に対して不連続に配されてなる長尺炭素繊維シート。
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