JP7153688B2 - 異方性不織布を使用した炭素/炭素複合材料 - Google Patents
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Description
これは、短繊維の炭素繊維を2次元平面内にランダムに配向し、これを結合剤で固めてペーパー状に仕上げた炭素繊維不織布を複数枚積層したものを加圧焼成したものであって、不織布の結合剤を炭化、黒鉛化したり、あるいは必要に応じて加圧焼成の過程で、液状のピッチや樹脂を注入してこれを炭化、黒鉛化することにより炭素/炭素複合材料とするものである。
すなわち、短繊維の炭素繊維が一方向に偏って配向されると、炭素繊維が多く配向された方向の炭素繊維の屈曲度合が低減し、炭素繊維が多く配向された方向の炭素繊維が直線に近い状態で配向されていることが分かった。 その結果、異方性が強化された炭素繊維不織布を使用して2次元炭素/炭素複合材料を製造すると、炭素繊維が多く配向された方向の弾性率、熱伝導率を、炭素繊維の配向比率以上に向上させた2次元炭素/炭素複合材料を得ることができることを見出した。
前記異方性不織布は、少なくとも、ピッチ系又はPAN系炭素繊維と、炭素繊維を互いに結合させるための結合剤とから構成されていることを特徴とする炭素/炭素複合材料とした。
図1は、本発明に使用される炭素繊維不織布の製造プロセスを示したフローチャートである。
炭素繊維不織布は、
・炭素繊維分散液を製造するプロセス11
・炭素繊維分散液をメッシュコンベアの網の上に流してフィルムを形成するステップ12
・炭素繊維シートを乾燥させるステップ13
から構成される。
本発明で使用される炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、およびピッチ系のいずれのものであってもよく、耐炎化処理糸、炭化処理糸、黒鉛化処理糸のいずれのものでも使用することができる。 本発明においては、炭素繊維は短繊維状であり、1~50mmの長さであることが好ましく、1~25mmの長さであれば、更に好ましい。 ただし、炭素繊維の長さはこれらに限定されるものではない。
なお、PAN系短繊維とピッチ系短繊維を予め所定の割合で混合したものを使用してもよく、耐炎化処理糸、炭化処理糸、黒鉛化処理糸を組み合わせて使用してもよい。
なお、PAN系炭素繊維から成る異方性不織布とピッチ系炭素繊維から成る異方性不織布を交互に積層し、それぞれの炭素繊維の特性を活かすようにいてもよい。
このとき、異方性不織布の炭素繊維を偏って多く配向させた方向をX方向に揃え、異方性不織布の炭素繊維を偏って多く配向させた方向と直行する方向をY方向に揃えて積層する。 ここで、X方向、Y方向は積層体の積層面に沿う直行する2方向を指すものである。
このとき、炭素/炭素複合材料の前駆体を真空容器内に置き、溶融ピッチまたは溶融樹脂を当該真空容器内へ流し込むことによって溶融ピッチまたは溶融樹脂を含浸させるようにしても良い。 また、炭素/炭素複合材料の前駆体を溶融ピッチまたは溶融樹脂の中に浸漬した後、外圧をかけ、溶融ピッチまたは溶融樹脂を前駆体の内部に強制的に圧入するようにしても良い。
以上のような工程により、炭素/炭素複合材料を完成させることができる。
炭素繊維分散液を製造するステップ11において、更に、軟化性を有しない石油及び/又は石炭系コークス粉末を加えるか、又は、軟化性を有する石油及び/又は石炭系バインダーピッチ粉末と軟化性を有しない石油及び/又は石炭系コークス粉末とを加えるようにしても良い。
実施例
平板状の炭素/炭素複合材料を試作した条件は以下の通りである。
また、ここで使用した異方性不織布は炭素繊維と結合剤のみから構成されており、バインダーピッチ粉末やコークス粉末は含有されていない。
なお、完成した炭素/炭素複合材料の炭素繊維含有率(体積含有率Vf)が40%となるように異方性不織布中の炭素繊維の量を調整した。
また、ピッチまたは合成樹脂を溶融し、含浸するステップ23と炭化処理するステップ24は、それぞれ1回のみ実施した。 また、黒鉛化処理するステップ25では、2500℃で熱処理を行なった。
次に、本発明の効果を評価するために、ピッチ系炭素繊維を使用し、実施例1とは異なり意図して特定の方向に炭素繊維を偏って多く配向させることなく製造した炭素繊維不織布を使用した平板状の炭素/炭素複合材料を試作した。
実施例1のY方向における曲げ弾性率EY、熱伝導率λYと、比較例1の曲げ弾性率Eと熱伝導率λとの差よりも、実施例1のX方向における曲げ弾性率EX、熱伝導率λXと比較例1の曲げ弾性率Eと熱伝導率λとの差の方がはるかに大きくなっている。
12 炭素繊維分散液を網の上に流してフィルムを形成するステップ
13 炭素繊維シートを乾燥させるステップ
21 異方性不織布を積層するステップ
22 異方性不織布積層体を加熱加圧成形するステップ
23 ピッチまたは合成樹脂を溶融し、含浸するステップ
24 溶融ピッチまたは溶融樹脂を含浸した前駆体を炭化処理するステップ
25 炭素/炭素複合材料を黒鉛化処理するステップ
Claims (3)
- 短繊維炭素繊維のみを使用した異方性不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料であって、
X方向における熱伝導率をλXとし、Y方向における熱伝導率をλYとすると、
λX//λYが1.5以上である
ことを特徴とする炭素/炭素複合材料。 - 短繊維炭素繊維のみを使用した異方性不織布を積層して製造された2次元炭素/炭素複合材料であって、
X方向における曲げ弾性率をEXとし、Y方向における曲げ弾性率をEYとすると、
EX/EYが2.0以上である
ことを特徴とする炭素/炭素複合材料。 - 請求項1又は2に記載された2次元炭素/炭素複合材料において、
前記異方性不織布は、少なくとも、ピッチ系又はPAN系炭素繊維と、炭素繊維を互いに結合させるための結合剤とから構成されている
ことを特徴とする炭素/炭素複合材料。
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