JP3625486B2 - 成形断熱材 - Google Patents

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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/06Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by burning-out added substances by burning natural expanding materials or by sublimating or melting out added substances
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、断熱性、耐久性及び機械強度に優れた炭素質断熱材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、非酸化雰囲気炉用の成形断熱材として炭素繊維フェルト(炭素繊維のランダムウェブをニードルパンチして製造したもの)に樹脂を含浸して積層・硬化した後、炭化する方法が知られているが、このように炭素繊維のフェルトを積層して使用した場合には、ニードルパンチした炭素繊維が積層面に対して垂直となるため、断熱材として使用した場合には、熱が垂直方向の炭素繊維を伝って逃げ、放熱量が多くなったり、炉内の温度が不均一になり、焼成物に悪影響を及ぼす難点があった。そこで特開昭64−5984号公報に見られるように、炭素繊維のフェルトを使用せずに2次元ランダムに配向した炭素繊維のウェブに樹脂を含浸し、これを積層成形し、次いで焼成することにより、該断熱材を構成する炭素繊維が積層面に対して実質的に平行に配向した成形断熱材が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の方法は、真空熱処理炉、シリコン単結晶引き上げ炉或いはセラミックス焼成炉等の非酸化性雰囲気炉用の成形断熱材を目的としたものであり、断熱性能を高めるため嵩密度は0.2〜0.3g/cm程度のものを製造していた。このものは、確かに断熱性能に優れ、非酸化性雰囲気炉用の成形断熱材としては充分であったが、例えば、ブレーキ材の断熱材等、より高強度を必要とする箇所への適用は強度的に不足し困難であった。
【0004】
そこで本発明では、より高強度を必要な箇所に適用可能な成形断熱材の製造方法を提供し炭素質成形断熱材としての用途を拡大することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、2次元ランダムに配向したシートを使用し、嵩密度が0.8g/cm以上である成形断熱材により、これらの問題が解決されることを見い出し、本発明に到った。
即ち、本発明は複数の単繊維からなる短繊維状の炭素繊維束を乾式又は湿式解繊し、繊維が2次元ランダムに配向したシートを作製し、樹脂又はピッチを含浸後、積層して成形した後に、焼成して得られる成形断熱材であって、該断熱材の積層断面において、該断熱材を構成する炭素繊維が積層面に対して実質的に平行に配向しており、且つ成形体の嵩密度が0.8g/cm以上、好ましくは1.0〜1.3とすることにより、断熱性能を損なうことなく、高強度の成形断熱材を提供することにある。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明で用いる炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系或いはレーヨン系等の公知のものが使用できる。炭素繊維の種類としては、不融化繊維、炭化繊維、炭素繊維及び黒鉛化繊維等のいずれのものも使用できる。しかし、低温焼成糸の炭化繊維や不融化繊維などを使用した場合は成形断熱材の焼成・黒鉛化時に大きな収縮を生じるので注意を要する。
【0007】
用いられる炭素繊維の形態としては、複数の単繊維からなるトウ、ストランド、ロービング、ヤーンなどの形態であり、これらをカッティングすることにより得られる短繊維を用いるのが好ましい。そして、これらの短繊維は複数の単繊維の束、1000本〜8000本、好ましくは2000〜6000本から形成されており、本発明においては、通常5〜100mm、好ましくは10〜70mm程度の短繊維束を使用する。炭素繊維自体の径や弾性率は、一般に成形断熱材として用いられる範囲で特に限定はない。断熱性及び機械強度に優れる成形断熱材とするには、該短繊維束を解繊、分散し、2次元ランダムのシートを作製し、マトリックス物質をその間に充填させることが特性の向上のために重要である。
【0008】
このため、本発明においては、上記短繊維束を乾式又は湿式解繊し、二次元ランダムのシートを作製する。
ここで乾式解繊し、二次元ランダムに配向したシートの製造方法としては、例えば紡績において一般的な機械的に炭素繊維をモノフィラメント化し、シートを作製するランダムウェバーを使用して製造したり、またはエアーにより解繊し、シートを製造する方法等がある。
【0009】
また湿式解繊し、二次元ランダムに配向したシートを製造する方法としては、は、例えばパルプ等の叩解処理に通常使用されているビーターや解繊処理に用いられるパルパーを使用し、溶媒中で短繊維状炭素繊維を解繊後、例えば底部にスクリーンを有する型枠等に少量ずつ供給したり、解繊後攪拌等の手段で均一に分散させ、金網等で抄紙後、乾燥させて作製する方法がある。短繊維状の炭素繊維を均一に分散させる溶媒としては、好ましくは水、或いはアセトン、炭素数1〜5のアルコール、アントラセン油等を用いるがその他の有機溶剤を用いてもよい。又該溶媒中にフェノール樹脂、フラン樹脂或いはピッチ等を分散もしくは溶解させておくと、炭素繊維同士が接着された状態となり、次工程での取り扱いをより容易とするので好ましい。更に、繊維素グリコール酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシセルロース等の増粘剤を溶媒中に加えておくと、その効果が更に増大となるので好ましい。
【0010】
シートの目付(1m当りの重量)としては、種々のものが取り得るが、取り扱い性、含浸性、均一性を考えると10〜500g/mが最適である。
この様にして得られた二次元ランダムに配向したシートにフェノール樹脂、フラン樹脂、或は石油系、石炭系ピッチ等のマトリックスを含浸させた後乾燥する。その際、マトチリックスはアルコール、アセトン、アントラセン油等の溶媒に溶解して適正な粘度に調整したものを使用する。
【0011】
次いで、この乾燥したシートを積層して金型へ充填し100〜500℃の温度で加圧成形してVf(繊維体積含有量)=25〜65%、好ましくは30〜55%程度の成形体を得る。Vfが25%未満では、成形断熱材の嵩密度を0.8g/cm以上にすることは難かしい。
【0012】
そしてかかるVfの成形体を製造するためには、主として加圧成形等の面圧を調整することにより行う。すなわち、従来の通常の断熱材用成形体が1kg/cm程度で成形されるのに対し、本発明に用いられる成形体においてはより高圧下で成形されるが、好ましく通常用いられる範囲としては、20〜150kg/cmである。その後、Nガス等の不活性ガス雰囲気中で1〜200℃/hの昇温速度で1000℃好ましくは2000℃以上2800℃以下の温度まで焼成・黒鉛化処理することにより嵩密度0.8g/cm以上の成形断熱材が得られる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨をこえない限り、下記実施例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
フィラメント数4000のピッチ系炭素繊維を30mm長に切断したものをランダムウェバーにて解繊し、二次元ランダムに配向した目付200g/mのシートを得た。このシートへエタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸させた後乾燥し、200g/mの炭素繊維に対し130g/mのフェノール樹脂を含浸したシートを作製した。このシートを金型内へ積層し、250℃にて加圧成形し、Vf≒50%の成形体を得た。更に、この成形体を2000℃迄焼成し、Vf≒40%、気孔率約45%、嵩密度=1.1g/cmの成形断熱材を得た。
【0014】
レーザーフラッシュ法で測定したこの成形体の熱拡散率及び熱伝導率は室温に於いてそれぞれ、1.2×10−2(cm/sec)、9.7×10−1(W/m・K)であった。
このものを炭素繊維強化炭素複合材の摩擦テスト時の断熱材として使用し、面圧≦30kg/cmにて使用したが、特に異常は認められず、良好であった。
【0015】
比較例1
実施例1と同様なウェブを成形し、Vf≒10%の成形体を得た。このものを同様に焼成し、Vf≒10%、気孔率約85%、嵩密度=0.2g/cmの成形断熱材を得た。
このものを、実施例1と同様な条件で使用した結果、座屈破壊を起こした。
【0016】
【発明の効果】
本発明により断熱性、耐久性及び機械強度に優れた炭素質断熱材を容易に得ることができる。

Claims (5)

  1. 複数の単繊維からなる短繊維状の炭素繊維束を乾式又は湿式解繊し、繊維が2次元ランダムに配向したシートを作製し、樹脂又はピッチを含浸後、積層して加圧成形した後に、焼成して得られる成形断熱材であって、該断熱材の積層断面において、該断熱材を構成する炭素繊維が積層面に対して実質的に平行に配向しており、且つ成形体の崇密度が0.8g/cm 以上である成形断熱材。
  2. シートの目付(1m 当りの重量)が10〜500g/m である請求項1の成形断熱材。
  3. 加圧成形を、100〜500℃の温度、20〜150kg/cm の圧力下で行う請求項1又は2の成形断熱材。
  4. 成形断熱材の嵩密度Vf(繊維体積含有量)が25〜65%である請求項1〜3のいずれかの成形断熱材。
  5. 成形断熱材の嵩密度が1.0〜1.3g/cm である請求項1〜4のいずれかの成形断熱材。
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