JP3383992B2 - 炭素繊維強化炭素複合材及びそれを用いた摺動材 - Google Patents
炭素繊維強化炭素複合材及びそれを用いた摺動材Info
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Description
た炭素繊維強化炭素複合材(以下、C/C複合材とい
う)及びそれを用いた摺動材に関するものである。
性、摩擦制動特性に優れており、航空機、レース用四輪
車、二輪車などのブレーキ摺動部のディスクやパッドへ
の実用化が進んでいる。一般的にC/C複合材は、PA
N系、ピッチ系、あるいはレーヨン系などの長短炭素繊
維に熱硬化性樹脂を含浸させ、プリプレグをつくり、こ
れらを積層、硬化させて成形体にし、不活性雰囲気にお
いて600〜2500℃で焼成することにより製造され
ている。
非常に不十分である。そのため、フェノール樹脂、フラ
ン樹脂などの熱硬化性樹脂もしくはピッチ類などの熱可
塑性樹脂等を含浸またはメタン、プロパン、ジクロロエ
チレン等の有機物ガスを原料としたCVD法により緻密
化処理を繰り返し行い高緻密化(低気孔率化)、高強度
化する。
脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いた場合、含
浸、硬化、焼成させる工程を繰り返す間に気孔を閉気孔
化しやすく、気孔が内部に残り低気孔率化しにくい。
又、メタン、プロパン、ジクロロエチレン等の有機物ガ
スを原料としたCVD法を用いた場合、炭素繊維との接
着性が悪く、ブレーキ摺動部への適用時に摩耗による消
耗が激しくなる。
用いた場合、高炭化収率とするために軟化点の高いもの
を用いるのが一般的である。しかしながら、軟化点の高
いピッチは含浸性に劣り、また高温処理を要するため
に、C/C複合材を作るための設備が過大となり、取扱
いも煩雑になる。すなわち、どの方法にも一長一短があ
り満足なものではなかった。
かかる課題を解決するために、C/C複合材の緻密化方
法について鋭意検討したところ、ある特定の性質を持つ
ピッチを含浸ピッチとして用いて緻密化処理を施すこと
により、上記課題が解決できることを知得し、本発明を
完成するに至った。即ち、本発明の目的は、低い摩耗率
を示すC/C複合材を提案することであり、その目的は
軟化点70〜120℃好ましくは80〜90℃、トルエ
ン不溶分10〜30好ましくは13〜20%、キノリン
不溶分1%以下、固定炭素が40%以上好ましくは50
%以上である含浸ピッチを用いて緻密化処理を施すこと
により達成される。
明で用いる炭素繊維としては、ピッチ系、PAN系ある
いはレーヨン系炭素繊維等の公知のいずれのものも使用
でき、さらに必要に応じてSiC、Al2O3、カーボン
ブラックなどの無機繊維、無機物などを添加してもよ
い。これらの炭素繊維の形態は通常2000本〜800
0本の単繊維の束からなるトウ、ストランド、ロービン
グ、ヤーン等で、これらをカッティングすることによっ
て得られる短繊維状のものを用いる。本発明について
は、通常0.3〜100mm、好ましくは5〜50mm
程度の短繊維を使用する。炭素繊維自体の径や弾性率
は、一般に複合材として用いられる範囲で特に限定はさ
れない。
−96364号、特開平1−176273号公報等に記
載の方法で解繊・分散してシートとする。具体的な解繊
及び二次元ランダムなシートの作製方法の一例として
は、例えば紡績において一般的な機械的に炭素繊維をモ
ノフィラメント化し、シートを作製するランダムウェバ
ーを使用して製造したり、またはエアーにより解繊し、
シートを製造する方法などがある。
たシートを製造する方法としては、例えばパルプ等の叩
解処理に通常使用されているビーターや解繊処理に用い
られるパルパーを使用し、溶媒中で短繊維状炭素繊維を
解繊後、例えば底部にスクリーンを有する型枠等に少量
ずつ供給したり、解繊後撹拌等の手段で均一に分散さ
せ、金網等で抄紙後、乾燥させて作製する方法がある。
短繊維状の炭素繊維を均一に分散させる溶媒としては、
好ましくは水、あるいはアセトン、炭素数1〜5のアル
コール、アントラセン油等を用いるがその他の有機溶剤
を用いてもよい。又該溶媒中にフェノール樹脂、フラン
樹脂あるいはピッチ等を分散もしくは溶解させておく
と、炭素繊維同志が接着された状態となり、次工程での
取り扱いをより容易とするので好ましい。更に、繊維素
グリコール酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒド
ロキシセルロース等の増粘剤を溶媒中に加えておくと、
その効果が更に増大するので好ましい。
は、種々のものが取り得るが、取り扱い性、含浸性、均
一性を考えると10〜500g/m2が最適である。こ
の様にして得られた二次元ランダムに配向したシートに
フェノール樹脂、フラン樹脂、あるいは石油系、石炭系
ピッチ等のマトリックスを含浸させた後乾燥する。その
際、マトリックスはアルコール、アセトン、アントラセ
ン油等の溶媒に溶解して適正な粘度に調整したものを使
用する。
型に充填し、100〜500℃の温度で加圧成形してV
f(繊維体積含有率)が5〜65%、好ましくは10〜
55%の成形体を得る、その後、N2ガスなどの不活性
ガス雰囲気中で1〜200℃/hrの昇温速度で800
〜2500℃まで昇温し、焼成した後、軟化点70〜1
20℃好ましくは80〜90℃、トルエン不溶分10〜
30%好ましくは13〜20%、キノリン不溶分1%以
下、固定炭素が40%以上好ましくは50%以上である
含浸ピッチを用いて緻密化処理を施す、または、より一
層緻密化効果を発揮する特開平1−298013号公報
等に記載の方法で含浸炭化する緻密化処理を行うことに
よりC/C複合材を得る。以下具体的な緻密処理を説明
する。
材を載置し、槽内を真空とした後、樹脂又は溶融ピッチ
を供給し、焼成により生じた空隙にマトリックスを含浸
する。この後再度800〜2500℃の温度で焼成す
る。上記工程を繰り返すことにより目的のC/C複合材
の緻密化処理を行う。
るが、本発明はその要旨を越えない限り、下記実施例に
よって限定されるものではない。
繊維束をランダムウェッバーにて解繊し、二次元ランダ
ムに配向した目付200g/m2のシートを得る。この
シートヘエタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸さ
せた後乾燥し、200g/m2の炭素繊維に対し、13
0g/m2のフェノール樹脂を含浸したシートを作製し
た。このシートを金型内へ積層し、250℃にて加圧成
形し、Vf〜50%の成形体を得た。この成形体を加熱
炉で2000℃まで焼成した後、軟化点85℃、トルエ
ン不溶分15%、実質的にキノリン不溶分を含まず、固
定炭素が55%であるピッチを含浸した状態で500℃
で、5時間、6kg/cm2の加圧下で加熱処理した
後、加熱炉で1000℃で焼成した。さらに同様の含浸
−固化−焼成の操作を4回繰り返しその後に2000℃
の処理を行って本発明の気孔率6%のC/C複合材を得
た。このC/Cを使って回転数7000rpm面圧12
kg/cm2の条件下で摩耗率を調べたところ0.5×
10-4mm/stop・surfであった。
0℃、トルエン不溶分10〜30%、キノリン不溶分1
%以下、固定炭素が40%以上である含浸ピッチを用い
て緻密化処理をすることにより、摩耗量が少ないブレー
キ摺動部を得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数の単繊維からなる短繊維状の炭素繊
維束を解繊し、解繊した繊維を二次元ランダムに配向し
てシートを作製し、このシートに樹脂を含浸したのち積
層して成形し、得られた成形物を焼成したのち、これに
軟化点70〜120℃、トルエン不溶分10〜30%、
キノリン不溶分1%以下、固定炭素が40%以上である
含浸ピッチによる緻密化処理を施して得られたものであ
ることを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材。 - 【請求項2】 軟化点80〜90℃、トルエン不溶分1
3〜20%、キノリン不溶分1%以下、固定炭素が50
%以上である含浸ピッチによる緻密化処理を施して得ら
れたものであることを特徴とする請求項1記載の炭素繊
維強化炭素複合材。 - 【請求項3】 成形して得られた成形物の繊維体積含有
率が10〜55%であることを特徴とする請求項1又は
2記載の炭素繊維強化炭素複合材。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の炭
素繊維強化炭素複合材から構成されていることを特徴と
する摺動材。
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US08/196,140 US5525558A (en) | 1992-06-16 | 1993-06-16 | Process for producing carbon fiber reinforced carbon composite material, carbon fiber reinforced carbon composite material and sliding material |
EP93913533A EP0598923B1 (en) | 1992-06-16 | 1993-06-16 | Method of manufacturing carbon fiber-reinforced composite carbon material, carbon fiber-reinforced composite carbon material, and sliding material |
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DE69324105T DE69324105T2 (de) | 1992-06-16 | 1993-06-16 | Verfahren zur herstellung von kohlefaserarmiertem kohlenstoff-verbundmaterial, kohlefaserarmiertes kohlenstoff-verbundmaterial und gleitwerkstoff |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH05345670A JPH05345670A (ja) | 1993-12-27 |
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Family
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Family Applications (1)
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Families Citing this family (2)
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JP7118828B2 (ja) * | 2018-09-12 | 2022-08-16 | 大陽日酸株式会社 | 炭素緻密化微粒子の製造方法、及び炭素緻密化微粒子 |
-
1992
- 1992-06-17 JP JP15828492A patent/JP3383992B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
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