JP2969957B2 - ブレーキ摺動部 - Google Patents
ブレーキ摺動部Info
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Description
炭素繊維強化炭素複合材(以下、C/C複合材という)
製のブレーキ摺動部に関するものである。
キ材としては金属製ブレーキ材が多く用いられてきた
が、近年、その優れた耐摩耗性,耐熱性,耐酸化性,軽
量性によりC/C複合材がブレーキ材として使用されて
きている。
複合材においては、温度により摩擦係数が変動し、摩擦
開始の直後、即ち低温(100℃以下)において摩擦係
数が低く(トルク値が小さく)、その後摩擦の進行で温
度が上昇すると共に摩擦係数が徐々に又は急激に高く
(トルク値が大きく)なるいわゆる2段トルク波形現象
が起ったり、又は、2段波形とはならないが、摩擦係数
が低い状態のままであるという現象が起っていた。
に、ブレーキをかける際ブレーキ材を保温したり、予め
軽くブレーキをかけ暖めておいたりして、2段波形又は
低摩擦係数を防ぐ必要があった。
題に鑑み、本発明者等は、C/C複合材製のブレーキ摺
動材について鋭意検討を重ねた結果、ディスク及びパッ
ドからなるブレーキ摺動部において、ディスク材及びパ
ッド材の強化材及び緻密化マトリックスをそれぞれ特定
のものとすることにより、上記課題が解決できることを
知得し本発明を完成するに到った。
つ通常の運転条件で動摩擦係数が0.3以上すなわち低
摩擦係数ではなく、低温特性が優れたC/C複合材製の
ブレーキ摺動部を提供することにあり、その要旨は、デ
ィスク材及びパッドからなるブレーキ摺動部において、
ディスク材及びパッド材はいずれも複数の単繊維の束か
らなる短繊維状の炭素繊維を解繊したものを強化材とす
る炭素繊維強化炭素複合材から構成され、ディスク材は
熱分解炭素及び熱硬化性樹脂を緻密化マトリックスと
し、1500〜2000℃で最終熱処理を受けたもので
あり、パッド材はピッチ単独又はピッチ及び熱硬化性樹
脂を緻密化マトリックスとするものであることを特徴と
するブレーキ摺動部に存する。
明で用いる炭素繊維としては、ピッチ系、PAN系ある
いはレーヨン系炭素繊維等の公知のいずれのものも使用
できる。更に必要に応じてSiC,Al2 O3 ,カーボ
ンブラックなどの無機繊維、無機物などを添加してもよ
い。
の単繊維の束から成るトウ,ストランド,ロービング、
ヤーンなどの形態であり、これらをカッテングすること
により得られる短繊維状のものを用いる。本発明におい
ては、通常0.3〜100mm、好ましくは5〜50mm程
度の短繊維を使用する。炭素繊維自体の径や弾性率は、
一般に複合材として用いられる範囲で特に限定はされな
い。C/C複合材とする際に例えば特開昭62−963
64号、特開平1−176273号公報等に記載の方法
で解繊・分散してプリフォーム又はシートとする。これ
らにマトリックス材を含浸して金型に充填し、100〜
500℃の温度で加圧成形してVf (繊維含有量)が5
〜65%、好ましくは10〜55%程度の成形体を得
る。その後、N2 ガスなどの不活性ガス雰囲気中で1〜
200℃/hrの昇温速度で800〜2500℃まで昇温
し、焼成してC/C複合材を得る。
をディスク材用及びパッド材用とししてたとえば夫々次
の方法により緻密化処理及び最終処理を行ない、目的の
C/C複合材を得る。
複合材を加熱し、炭化水素類あるいはハロゲン化炭化水
素類の蒸気をH2 ガス、Arガス或いはN2 ガスと共に
反応器内へ供給し、生成する熱分解炭素で空隙を含浸
し、緻密化する。次いで該C/C複合材を所定温度に加
熱された槽内に載置し、槽内を真空とした後、熱硬化性
樹脂、好ましくはフェノール樹脂を供給して空隙にマト
リックス材を含浸する。この後800〜1000℃の温
度で焼成し、含浸した熱硬化性樹脂を炭素化する。上記
樹脂含浸工程を繰り返すことによりC/C複合材の緻密
化処理を行なう。さらに1500℃以上2000℃以
下、好ましくは1800℃以下で最終熱処理をしてディ
スク材用のC/C複合材を得る。
し、槽内を真空とした後、溶融ピッチ又は溶融ピッチ及
び熱硬化性樹脂、好ましくはフェノール樹脂を順次供給
し、焼成により生じた空隙にマトリックス材を含浸す
る。この後、再度800〜2500℃の温度で焼成す
る。上記工程を繰り返すことによりC/C複合材の緻密
化処理を行なう。さらに必要により2500℃以下の温
度にて最終熱処理をしてパッド材用のC/C複合材を得
る。
るが、本発明はその要旨をこえない限り、下記実施例に
よって限定されるものではない。
維725gをビーターにて湿式解繊した後に、外筒30
0mm、内筒120mmのドーナツ状の低部に網目150メ
ッシュのスクリーン及び更に外側に底板を有する成形用
型に水と共に投入し、均一に撹拌した後、底板を引き抜
くことにより底部から一気に溶液全量を除去することに
より、炭素繊維が均一に分散したドーナツ状のプリフォ
ームを得た。
樹脂とエタノールとの混合物3400gを含浸し、6時
間70℃で乾燥し、1370gのプリプレグとし、さら
に上記と同一内外径を有する金型内に納めて250℃の
温度で成形・硬化し炭素含有率(Vf )50%の成形体
を得た。この成形体を加熱炉で2000℃迄焼成した
後、高周波誘導加熱装置により、550℃に加熱し、ハ
ロゲン化炭化水素蒸気を、窒素ガスをキャリアーガスと
して反応器内に導入して熱分解炭素により、気孔を充填
する緻密化処理を行なった。
熱炉で1000℃で焼成した。さらに同様の含浸−焼成
の操作を再度繰り返しその後に1700℃の熱処理を行
なって気孔率13%のディスク材用のC/C複合材を得
た。
炭素繊維をランダムウェバーにて解繊し2次元ランダム
に配向した目付200g/m2 のシートを得た。このシ
ートにエタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸させ
た後、乾燥し、200g/m2 の炭素繊維に対し、13
0g/m2 のフェノール樹脂を含浸したシートを作製し
た。このシートを金型内へ積層し、250℃にて加圧成
形し、V f ≒50%の成形体を得た。この成形体を加熱
炉で2000℃迄焼成した。
000℃で焼成した。さらに同様の含浸−焼成の操作を
再度繰り返しその後に2000℃の熱処理を行なって気
孔率8%のパッド材用のC/C複合材を得た。
炭素繊維をランダムウェバーにて解繊し2次元ランダム
に配向した目付200g/m2 のシートを得た。このシ
ートにエタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸させ
た後、乾燥し、200g/m2 の炭素繊維に対し、13
0g/m2 のフェノール樹脂を含浸したシートを作製し
た。このシートを金型内へ積層し、250℃にて加圧成
形しVf ≒50%の成形体を得た。この成形体を加熱炉
で2000℃迄焼成した。
000℃で焼成した。その後にフェノール樹脂を含浸し
た後、加熱炉で1000℃まで焼成した。
を再度繰り返し、その後に2000℃の熱処理を行って
気孔率14%のパッド材用のC/C複合材を得た。
得た。
た。
合材を組み合わせたブレーキ摺動部の低温スタート時の
摩擦特性を表1に示す。
の運転条件で摩擦係数が0.3以上という摩擦の低温特
性に優れたC/C複合材製のブレーキ摺動部を容易に得
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ディスク及びパッドからなるブレーキ摺
動部において、ディスク材及びパッド材はいずれも複数
の単繊維の束からなる短繊維状の炭素繊維を解繊したも
のを強化材とする炭素繊維強化炭素複合材から構成さ
れ、ディスク材は熱分解炭素及び熱硬化性樹脂を緻密化
マトリックスとし、1500〜2000℃で最終熱処理
を受けたものであり、パッド材はピッチ単独又はピッチ
及び熱硬化性樹脂を緻密化マトリックスとするものであ
る、ことを特徴とするブレーキ摺動部。 - 【請求項2】解繊前の該炭素繊維の長さが0.3〜10
0mmの範囲である請求項1 記載のブレーキ摺動部。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40521390A JP2969957B2 (ja) | 1990-12-21 | 1990-12-21 | ブレーキ摺動部 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40521390A JP2969957B2 (ja) | 1990-12-21 | 1990-12-21 | ブレーキ摺動部 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04224327A JPH04224327A (ja) | 1992-08-13 |
JP2969957B2 true JP2969957B2 (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=18514839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP40521390A Expired - Lifetime JP2969957B2 (ja) | 1990-12-21 | 1990-12-21 | ブレーキ摺動部 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2969957B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5566792A (en) * | 1994-10-25 | 1996-10-22 | Mitsubishi Chemical Corporation | Sliding unit for a brake and method of producing the same |
-
1990
- 1990-12-21 JP JP40521390A patent/JP2969957B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04224327A (ja) | 1992-08-13 |
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