JP3433473B2 - 炭素繊維強化炭素複合材とその製造方法及びそれを用いた摺動材 - Google Patents

炭素繊維強化炭素複合材とその製造方法及びそれを用いた摺動材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦・機械特性及び耐
酸化性にすぐれた炭素繊維強化炭素複合材(以下C/C
複合材という)の製造方法、及びそれを用いた摺動材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、航空機や車両用のブレーキや車両
のクラッチ等の摺動材には金属製のディスクロータ等が
使用されてきた。しかし近年、車両等の軽量化ならびに
耐熱性等の特性向上の目的から、C/C複合材がブレー
キのディスクロータ等の摺動材に用いられてきている。
【0003】一般にC/C複合材はPAN系、ピッチ
系、或いはレーヨン系などの長短炭素繊維にフェノール
樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂或いはピッチ類な
どの熱可塑性樹脂等を含浸、又は混合して加熱成形した
ものを非酸化性雰囲気において焼成し、更に緻密化、黒
鉛化処理することにより製造されている。緻密化処理と
しては、ピッチ又は樹脂を含浸した後、焼成するという
含浸−焼成サイクルを繰り返す方法或いは熱分解炭素に
より緻密化する方法(CVI)を単独或いは組合わせて
実施している。緻密化マトリックスとしては、炭化歩留
及び緻密性でCVIが優れているが、CVI処理は処理
時間を要するために、例えば特開平2−145477号
公報に見られるように、炭素繊維と炭素マトリックスの
形成原料からなる成形体を炭化し、得られた炭化物にピ
ッチ類又は樹脂類の含浸炭化を施し、気孔率を8〜15
%のC/C複合材とした後に、CVI処理を実施し気孔
率を6%以下とする方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−145477号公報に見られるように、ピッチ類又
は樹脂類の含浸−焼成という緻密化処理をCVI処理の
前に実施するとC/C複合材中の気孔径が小さくなり、
特に樹脂類で先に緻密化処理を実施すると閉気孔が形成
されるため、ある程度以上のCVI緻密化処理は困難と
なる。C/C複合材の強度・摩擦特性及び耐酸化性を考
えると、緻密化前の気孔径が小さく且つ最終気孔率は2
0%以下であることが望ましいが、従来のように最初に
ピッチ類又は樹脂類の含浸−焼成という緻密化処理を行
い、気孔径及び気孔率が小さくなったC/C複合材への
CVI緻密化処理は極めて長時間を要する事となるとい
う課題があった。一方最初からCVI緻密化処理を行う
と必要な時間が長くなり、生産性の点から好ましいもの
ではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで発明者等は、上記
の課題を解決するために鋭意検討を繰り返した結果、C
VI反応速度はC/C複合材の気孔率に依存し、気孔率
が大きいほど同一CVI量を緻密化するのに要する時間
は短く、即ちCVI反応速度は大きく、逆に気孔率が小
さくなると同一CVI量を緻密化するのに必要な時間は
長くなる、即ちCVI反応速度が低下する事を見出し、
更に、機械特性及び摩擦特性を向上させるには、気孔径
の小さな焼成体を緻密化して得られるC/C複合材によ
り容易に達成できることを見い出した。そこで、気孔率
即ち気孔径が小さくなる前のC/C複合材にCVI処理
を実施することにより閉気孔が出来難くなり、引き続き
ピッチまたは樹脂にて容易に緻密化処理が可能となり、
気孔率20%以下のC/C複合材が容易に得られること
を見出した。そしてこれらの知見に基づき、適当な気孔
の大きさと気孔率を有する炭素繊維と樹脂又はピッチの
成形体の焼成体に、適当な範囲のCVI緻密化処理を行
った後に樹脂及び/又はピッチで緻密化処理を行う事で
容易に且つ短時間で最終気孔率20vol%以下の機械
・摩擦特性及び耐酸化性の優れたC/C複合材を得るこ
とができることを見出し本発明に到達した。即ち、本発
明の要旨は複数の単繊維からなる短繊維状の炭素繊維束
を解繊し、繊維が2次元ランダムに配向したシートを作
製し、樹脂又はピッチを含浸し、積層して成形後、焼成
して得られる水銀ポロシティー気孔半径の90%以上が
20μm以下、平均気孔半径10μm以下、気孔率25
〜65%である焼成体を、熱分解炭素による緻密化処理
により、気孔率を5〜30%減少させる緻密化処理を行
った後に、樹脂及び/又はピッチで緻密化処理を行い最
終気孔率20vol%以下とすることを特徴とする炭素
繊維強化炭素複合材の製造方法に存する。
【0006】以下、本発明の詳細を説明する。本発明で
用いる炭素繊維としてはピッチ系、PAN系、或いはレ
ーヨン系炭素繊維等の公知のものが使用できる。炭素繊
維の形態としては通常2000〜8000本の単繊維束
からなるトウ、ストランド、ロービング、ヤーン等であ
り、これらをカッティングすることによって得られる短
繊維状のものを用いる。本発明においては、通常0.3
〜100mm、好ましくは5〜50mm程度の短繊維束
を使用する。炭素繊維自体の径や弾性率は、一般に複合
材として用いられる範囲で差し支えないが、好ましくは
炭素繊維直径が20μm以下のものを使用し、弾性率は
高過ぎると解繊工程時に切損する可能性があるため、通
常10〜40T/mm2 程度のものを使用する。
【0007】ここで乾式解繊し、二次元ランダムに配向
したシートの製造方法としては、例えば紡績において一
般的な機械的に炭素繊維をモノフィラメント化し、シー
トを作製するランダムウェバーを使用して製造したり、
またはエアーにより解繊し、シートを製造する方法等が
ある。また湿式解繊し、二次元ランダムに配向したシー
トを製造する方法としては、例えばパルプ等の叩解処理
に通常使用されているビーターや解繊処理に用いられる
パルパーを使用し、溶媒中で短繊維状炭素繊維を解繊
後、例えば底部にスクリーンを有す型枠等に少量ずつ供
給したり、解繊後攪拌等の手段で均一に分散させ、金網
等で抄紙後、乾燥させて作製する方法がある。短繊維状
の炭素繊維を均一に分散させる溶媒としては、好ましく
は水、或いはアセトン、炭素数1〜5のアルコール、ア
ントラセン油等を用いるがその他の有機溶媒を用いても
よい。又該溶媒中にフェノール樹脂、フラン樹脂或いは
ピッチ等を分散もしくは溶解させておくと、炭素繊維同
士が接着された状態となり、次工程での取り扱いをより
容易とするので好ましい。更に、繊維素グリコール酸ナ
トリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシセルロー
ス等の増粘剤を溶媒中に加えておくと、その効果が更に
増大となるので好ましい。
【0008】シートの目付(1m2 当りの重量)として
は、種々のものが取り得るが、取り扱い性、含浸性、均
一性を考えると10〜500g/m2 が最適である。こ
の様にして得られた二次元ランダムに配向したシートに
フェノール樹脂、フラン樹脂、或いは石油系、石炭系ピ
ッチ等のマトリックスを含浸させた後、乾燥する。その
際、マトリックスはアルコール、アセトン、アントラセ
ン油等の溶媒に溶解して適正な粘度に調整したものを使
用する。
【0009】この様にして得られたシートを積層して金
型へ充填し100〜500℃の温度で加圧成形してVf
(繊維含有量)=5〜65%、好ましくは10〜55%
程度の成形体を得る。その後N2 ガスなどの不活性ガス
雰囲気中で1〜200℃/hの昇温速度で800℃以上
2800℃以下、好ましくは緻密化を繰り返す際の最高
温度以上2500℃以下の温度で焼成しC/C複合材を
得る。
【0010】上記焼成したC/C複合材は、25〜65
%の気孔が存在し、その水銀気孔半径は90%以上が2
0μm以下、且つ平均気孔半径は10μm以下であるこ
とが適切なCVI処理をするために必要である。続いて
この気孔を低減するために緻密化処理を実施する。緻密
化方法としては、CVI処理及びピッチ又は樹脂含浸−
焼成を繰り返す方法が知られているが、CVI処理は気
孔量即ち気孔径が小さくなると処理時間が長くなり、閉
気孔を生じ易くなるため、本発明では先ずCVI処理に
より気孔率を5〜30%減少させる緻密化を実施する。
例えば気孔率50%であれば45〜20%の気孔率とな
るまでCVI処理する。CVIの原料としては、メタ
ン、プロパン等の炭化水素系及びジクロロエチレン等の
ハロゲン化炭化水素系のいずれのものも使用できる。圧
力としては1torr〜常圧で反応できる。キャリアー
ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性ガ
スや水素等、一般に使用されているものが使用できる。
CVIカーボンが必要量緻密化された後に、引き続きピ
ッチ又は樹脂含浸−焼成を繰り返す緻密化処理を実施す
る。この樹脂緻密化は、閉気孔を作り易いのでピッチを
用いて含浸処理する方がより好ましい。好ましいピッチ
としては、軟化点70〜120℃更に好ましくは80〜
90℃、トルエン不溶分10〜30%更に好ましくは1
3〜20%、キノリン不溶分1%以下、固定炭素40%
以上更に好ましくは50%以上のものである。更により
一層緻密化効発揮するために、特開平1−298013
号公報に記載の方法で含浸炭化する緻密化処理を実施す
ると効率的である。このようにして耐摩耗性の向上及び
機械的特性向上のために最終気孔率が20%以下となる
まで該緻密化処理を実施する。
【0011】尚、該緻密化処理後の最終最高焼成温度が
2400℃を超えると含浸されたマトリックスの結晶性
の発達及びそれに伴う収縮などにより繊維とマトリック
スとの接着性が低下する。また、逆に温度が低い場合は
耐酸化性が悪くなる。従って、緻密化処理時の繰り返し
の焼成温度は最終熱処理温度以下とし、最終熱処理温度
は2400℃以下、好ましくは最終熱処理温度が160
0〜2200℃の範囲、更に好ましくは最終熱処理温度
が1600〜2000℃の範囲となるようにする。緻密
化工程を短縮したい場合には数回1000℃程度の処理
温度で含浸−焼成を繰り返した後、最終熱処理温度以下
で熱処理を行い、更に緻密化処理を繰り返した後に、上
記の最終熱処理温度で熱処理を実施することができる。
【0012】このようにして、摩擦・機械特性及び耐酸
化性に優れたC/C複合材を短時間で容易に製造でき
る。これを摺動材として用いれば、摩擦・機械特性及び
耐酸化性に優れたC/C摺動材となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、下記実施例に
よって限定されるものではない。 (実施例1) 30mm長に切断したフィラメント数4000の1%P
VA集束剤を付着したピッチ系炭素繊維束をランダムウ
ェバーにて解繊し、目付=200g/m2 の2次元ラン
ダムに配向したシートを作製した。更に該シートにエタ
ノールで希釈したフェノール樹脂を含浸させた後乾燥し
フェノール樹脂を130g/m2 含浸したシートを作製
した。
【0014】得られたシートを金型に積層充填し、25
0℃にて加圧成形し、Vf=約50%の成形体を得た。
この成形体を加熱炉で不活性雰囲気中2000℃まで焼
成し、気孔率45%の焼成体を得た。この焼成体の水銀
ポロシティー気孔半径を水銀ポロシメーターにて求めた
所、98%以上は20μm以下且つ平均気孔半径は3μ
mであった。得られた焼成体を化学蒸着装置内に載置
し、高周波加熱により550℃に加熱しジクロロエチレ
ン蒸気を、窒素をキャリアーガスとして40時間反応容
器内に供給して熱分解炭素により気孔を充填するCVI
処理を実施し、気孔率30%のC/C複合材を得た。C
VI処理による気孔率の減少は15%である。次いでこ
のC/C複合材と固形のピッチを圧力容器内に入れ減圧
状態のまま250℃まで昇温し、次いで窒素を入れるこ
とにより雰囲気を陽圧とした後、昇温し8時間で500
℃迄到達させた後、500℃で5時間保持した。昇温時
の圧力はバルブにより一定に保持した。容器を冷却後C
/C複合材を取り出し、1000℃まで昇温した。この
一連のピッチ緻密化工程は1サイクル72時間を要し
た。この操作を2回繰り返した後、該C/C複合材を圧
力容器内に載置し、槽内を減圧とした後フェノール樹脂
を供給した。次いで窒素を導入することにより雰囲気を
陽圧として樹脂を含浸させた。樹脂を除去後昇温し、樹
脂を硬化させた後、該C/C複合材を1000℃まで昇
温した。この一連の樹脂緻密化工程は1サイクル72時
間を要した。更に、再度上述のピッチ緻密化を1回行っ
た後、2000℃の熱処理を実施し、気孔率12%のC
/C複合材を得た。
【0015】この緻密化処理に約330時間を要した。
このC/C複合材の機械及び摩擦特性を表1に示す。
尚、曲げ試験、引張試験、圧縮試験は、得られたC/C
複合材を60枚積層して、短繊維が2次元ランダムに配
向している面内に力をかけて行った。
【0016】(実施例2) 30mm長に切断したフィラメント数4000の集束剤
を使用していないピッチ系炭素繊維束をランダムウェバ
ーにて解繊し、目付=200g/m2 の2次元ランダム
に配向したシートを作製した。更に該シートにエタノー
ルで希釈したフェノール樹脂を含浸させた後乾燥しフェ
ノール樹脂を160g/m2 含浸したシートを作製し
た。
【0017】得られたシートを金型に積層充填し、25
0℃にて加圧成形し、Vf=約45%の成形体を得た。
この成形体を加熱炉で不活性雰囲気中2000℃まで焼
成し、気孔率45%の焼成体を得た。この焼成体の水銀
ポロシティー気孔半径を求めた所、98%以上は20μ
m以下且つ平均気孔半径は3μmであった。得られた焼
成体を化学蒸着装置内に載置し、高周波加熱により55
0℃に加熱しジクロロエチレン蒸気を、窒素をキャリア
ーガスとして100時間反応容器内に供給して熱分解炭
素により気孔を充填する緻密化処理を実施し、気孔率2
0%のC/C複合材を得た。次いでこのC/C複合材と
固形のピッチを圧力容器内に入れ減圧状態のまま250
℃まで昇温し、次いで窒素を入れることにより雰囲気を
陽圧とした後、昇温し8時間で500℃迄到達させた
後、500℃で5時間保持した。昇温時の圧力はバルブ
により一定に保持した。容器を冷却後C/C複合材を取
り出し、1000℃まで昇温した。この一連のピッチ緻
密化工程は1サイクル72時間を要した。この操作を1
回行った後、該C/C複合材を圧力容器内に載置し、槽
内を減圧とした後フェノール樹脂を供給した。次いで窒
素を導入することにより雰囲気を陽圧として樹脂を含浸
させた。樹脂を除去後昇温し、樹脂を硬化させた後、該
C/C複合材を1000℃まで昇温した。この一連の樹
脂緻密化工程は1サイクル72時間を要した。この操作
を3回繰り返した後、2000℃の熱処理を実施し、気
孔率14%のC/C複合材を得た。この緻密化処理に約
390時間を要した。このC/C複合材の機械及び摩擦
特性を表1に示す。
【0018】(比較例1)実施例1と同等の気孔率=4
5%、水銀ポロシティー気孔半径の99%以上が20μ
m以下且つ平均気孔半径が3μmである焼成体と固形の
ピッチを圧力容器内に入れ、減圧状態のまま250℃ま
で昇温し、次いで窒素を入れることにより雰囲気を陽圧
とした後、昇温し8時間で500℃迄到達させた後、5
00℃で5時間保持した。昇温時の圧力は、バルブによ
り一定に保持した。容器を冷却後C/C複合材を取り出
し、1000℃まで昇温した。この一連のピッチ緻密化
工程は1サイクル72時間を要した。この操作を1回行
い、気孔率27%のC/C複合材を得た。次いで、この
C/C複合材を化学蒸着装置内に載置し、高周波加熱に
より550℃に加熱しジクロロエチレン蒸気を、窒素を
キャリアーガストとして反応容器内に供給して熱分解炭
素により気孔を充填する緻密化処理を実施した。CVI
による反応は、最初250時間反応した後、該C/C複
合材を取り出し、表面を研削した後に2000℃の熱処
理(72時間)を行い、更に100時間反応を実施し
た。最後に2000℃の処理を行って気孔率12%のC
/C複合材を得た。この緻密化処理に約500時間を要
した。
【0019】(比較例2)フィラメント数4000のピ
ッチ系単位繊維100重量部にフェノール樹脂65重量
部を含浸し、乾燥したのち30mm長に切断した、所謂
トウプリプレグを作製した。このものを金型内へ充填後
250℃にて加圧成形し、Vf=約50%の成形体を得
た。この成形体を実施例1と同様の処理を行い、気孔率
=40%、水銀ポロシティー気孔半径の約80%が20
μm以下且つ平均気孔半径が10μmである焼成体を得
た。得られた焼成体を化学蒸着装置内に載置し、高周波
加熱により550℃に加熱しジクロロエチレン蒸気を、
窒素をキャリアーガスとして25時間反応容器内に供給
して熱分解炭素により気孔を充填する緻密化処理を実施
し、気孔率30%のC/C複合材を得た。次いでこのC
/C複合材と固形のピッチを圧力容器内に入れ減圧状態
のまま250℃まで昇温し、次いで窒素を入れることに
より雰囲気を陽圧とした後、昇温し8時間で500℃迄
到達させた後、500℃で5時間保持した。昇温時の圧
力はバルブにより一定に保持した。容器を冷却後C/C
複合材を取り出し、1000℃まで昇温した。この一連
のピッチ緻密化工程は1サイクル72時間を要した。こ
の操作を6回繰り返した後、2000℃の熱処理を実施
し、気孔率12%のC/C複合材を得た。この緻密化処
理に約450時間を要した。このC/C複合材の機械及
び摩擦特性を表1に示す。この様に気孔径が大きな焼成
体は処理時間も長時間を要し、特に機械特性が劣ったC
/C複合材となる。
【0020】(比較例3)実施例1と同等の気孔率=4
5%、水銀ポロシティー気孔半径の99%以上が20μ
m以下且つ平均気孔半径が3μmである焼成体と固形の
ピッチを圧力容器内に入れ、減圧状態のまま250℃ま
で昇温し、次いで窒素を入れることにより雰囲気を陽圧
とした後、昇温し8時間で500℃迄到達させた後、5
00℃で5時間保持した。昇温時の圧力は、バルブによ
り一定に保持した。容器を冷却後C/C複合材を取り出
し、1000℃まで昇温した。この一連のピッチ緻密化
工程は1サイクル72時間を要した。この操作を5回繰
り返した後2000℃の処理を行って気孔率12%のC
/C複合材を得た。この緻密化処理に約360時間を要
した。このものの、機械特性及び摩擦特性を表1に示
す。CVI処理を実施しないと摩擦特性に劣ったC/C
複合材となる。
【0021】
【表1】 1)回転数5000rpm、面圧12kg/cm2 、1
00回繰り返し 2)×10-4mm/回/面
【0022】
【発明の効果】本発明により、摩擦特性機械特性及び耐
酸化性に優れたC/C複合材を容易に短時間で得ること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−140211(JP,A) 特開 昭63−11569(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/83

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の単繊維からなる短繊維状の炭素繊
    維束を解繊し、繊維が2次元ランダムに配向したシート
    を作製し、樹脂又はピッチを含浸し、積層して成形後、
    焼成して得られる水銀ポロシティー気孔半径の90%以
    上が20μm以下、平均気孔半径10μm以下、気孔率
    25〜65%である焼成体を、熱分解炭素による緻密化
    処理により、気孔率を5〜30%減少させる緻密化処理
    を行った後に、樹脂及び/又はピッチで緻密化処理を行
    い最終気孔率20vol%以下とすることを特徴とする
    炭素繊維強化炭素複合材の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱分解炭素による緻密化処理により、気
    孔率を20〜30%に減少させることを特徴とする請求
    項1記載の炭素繊維強化炭素複合材の製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂及び/又はピッチによる緻密化処理
    により、気孔率を6〜18%減少させることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の炭素繊維強化炭素複合材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 樹脂及び/又はピッチによる緻密化処理
    の最終熱処理温度が1600〜2200℃であり、かつ
    樹脂及び/又はピッチによる緻密化処理の途中温度が最
    終熱処理温度以下であることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の炭素繊維強化炭素複合材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の製
    造方法で製造された炭素繊維強化炭素複合材。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された炭素繊維強化炭素
    複合材を用いた摺動材。
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