JP2023110578A - C/cコンポジット及びイオンエンジン用グリッド - Google Patents

C/cコンポジット及びイオンエンジン用グリッド Download PDF

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Abstract

【課題】イオンエンジン用グリッドに用いたときに、軽量化を図りつつ、耐エロージョン性及び加工性を高いレベルで両立することができる、C/Cコンポジットを提供する。【解決手段】イオンエンジン用グリッドに用いられる、C/Cコンポジットであって、完全開繊型の炭素繊維不織布により構成されており、前記炭素繊維不織布を構成する炭素繊維が、ピッチ系炭素繊維である、C/Cコンポジット。【選択図】なし

Description

本発明は、宇宙構造物のイオンエンジン用グリッドに用いられる、C/Cコンポジットに関する。また、本発明は、上記C/Cコンポジットを用いたイオンエンジン用グリッドにも関する。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)のはやぶさに代表される小惑星探査機や静止衛星等の宇宙構造物の軌道制御や主推進等には、イオンエンジンが用いられている。イオンエンジンでは、推進剤としてのガスをマイクロ波等で電離させて発生させたプラズマから、加速電極(グリッド)を用いてイオンを引き出すことにより加速される。このとき、イオン噴射の反作用で数グラムの推力が発生する。人工衛星等の宇宙構造物は、一旦宇宙にでてしまえば、打ち上げ時のような推力はもはや必要なく、むしろイオンエンジンのような燃費のよいエンジンが必要となる。
イオンエンジン用グリッドとしては、直径3mm程度の貫通穴が多数設けられたグリッドが用いられている。イオンエンジン用グリッドの材質としては、例えば、下記の特許文献1には、加速電極がMo(モリブデン)であることが記載されている。また、下記の特許文献2には、複数枚のグリッド板の一部又は全部に、カーボン系材料等の熱膨張率の小さな材料が用いられることが記載されている。
特開平8-284803号公報 特開2005-36717号公報
イオンエンジン用グリッドの材質として、特許文献2のようなカーボン系材料を用いた場合、特許文献1のようなMoと比較して、イオンエンジン用グリッドの軽量化を図ることができる。しかしながら、イオンエンジン用グリッドの材質として、カーボン系材料を用いた場合、イオン衝突によるグリッドの損耗が大きく、耐エロージョン性が十分でないことがある。また、イオンエンジン用グリッドに貫通穴加工を行った場合、穴と穴の間のブリッジ部においてエッジの欠けが生じたり、炭素繊維束の剥がれが生じたり、あるいは加工部のエッジに毛羽立ちが発生したり、加工性が十分ではないことがある。特に、イオンエンジン用グリッドの材質として、カーボン系材料を用いた場合、耐エロージョン性及び加工性を高いレベルで両立することが難しいという問題がある。
本発明の目的は、イオンエンジン用グリッドに用いたときに、軽量化を図りつつ、耐エロージョン性及び加工性を高いレベルで両立することができる、C/Cコンポジット及び該C/Cコンポジットを用いたイオンエンジン用グリッドを提供することにある。
本発明に係るC/Cコンポジットは、イオンエンジン用グリッドに用いられる、C/Cコンポジットであって、完全開繊型の炭素繊維不織布により構成されており、前記炭素繊維不織布を構成する炭素繊維が、ピッチ系炭素繊維であることを特徴としている。
本発明においては、前記C/Cコンポジットのかさ密度が、1.60Mg/m以上、1.80Mg/m以下であることが好ましい。
本発明においては、前記C/Cコンポジットのマトリクス成分が、熱分解炭素を含むことが好ましい。
本発明においては、前記C/Cコンポジットのマトリクス成分が、ピッチ由来の炭素を含むことが好ましい。
本発明においては、前記C/Cコンポジットの表面に、イオンミリング法により、電圧6.0kV、照射時間4時間の条件でイオンビームを照射したときの消耗率が、24μm/h以下であることが好ましい。
本発明に係るイオンエンジン用グリッドは、本発明のC/Cコンポジットにより構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、イオンエンジン用グリッドに用いたときに、軽量化を図りつつ、耐エロージョン性及び加工性を高いレベルで両立することができる、C/Cコンポジット及び該C/Cコンポジットを用いたイオンエンジン用グリッドを提供することができる。
図1は、実施例1で用いた炭素繊維不織布の写真を示す図である。 図2は、比較例1で用いた炭素繊維不織布の写真を示す図である。 図3は、実施例1で得られたC/Cコンポジットの加工性を確認するための写真である。 図4は、実施例2で得られたC/Cコンポジットの加工性を確認するための写真である。 図5は、比較例1で得られたC/Cコンポジットの加工性を確認するための写真である。 図6は、比較例2で得られたC/Cコンポジットの加工性を確認するための写真である。 図7は、比較例5で得られたC/Cコンポジットの加工性を確認するための写真である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(C/Cコンポジット及びイオンエンジン用グリッド)
本発明のC/Cコンポジットは、イオンエンジン用グリッド(電極)に用いられる炭素繊維強化炭素複合材料である。上記C/Cコンポジットは、完全開繊型の炭素繊維不織布により構成されている。上記炭素繊維不織布を構成する炭素繊維(以下、CFと称する場合がある)が、ピッチ系炭素繊維である。
本発明のC/Cコンポジットは、イオンエンジン用グリッドとして用いたときに、Moなどの金属を用いた場合と比較して軽量化を図ることができる。
本発明のC/Cコンポジットは、炭素繊維不織布を構成する炭素繊維が、ピッチ系炭素繊維であることにより、イオンエンジン用グリッドに用いたときに、耐エロージョン性を高めることができる。なお、耐エロージョン性とは、300eV程度のイオン衝突によるグリッドの損耗に対する耐性のことをいうものとする。
また、本発明のC/Cコンポジットは、完全開繊型の炭素繊維不織布により構成されているので、イオンエンジン用グリッドに用いたときに、加工性を向上させることができる。なお、完全開繊型の炭素繊維不織布とは、目視又は光学顕微鏡観察で確認できる繊維束が実質的に存在しない不織布のことをいう。目視又は光学顕微鏡観察で確認できる繊維束とは、例えば、幅1mm以上のものをいう。特に、目視又は光学顕微鏡観察で確認できる繊維束とは、例えば、幅1mm以上で長さ10mm以上のものをいう。また、目視又は光学顕微鏡観察で確認できる繊維束が「実質的に」存在しないとは、例えば、光学顕微鏡観察において画面上で確認できる繊維束の割合が画面全体に対し、1%以下のことをいう。なお、目視又は光学顕微鏡観察で確認できる繊維束は、全く存在していなくてもよい。また、上記のような完全開繊型の炭素繊維不織布は、繊維束の存在が確認できる不完全開繊型の炭素繊維不織布とは区別される。
また、本発明において、加工性とは、C/Cコンポジットに貫通穴加工を行ったときの加工性のことをいうものとする。加工性が悪いと、穴と穴の間のブリッジ部においてエッジの欠けが生じたり、炭素繊維束の剥がれが生じたり、あるいは加工部のエッジに毛羽立ちが発生したりすることがある。
このように、本発明者らは、ピッチ系炭素繊維に構成されており、かつ完全開繊型である、炭素繊維不織布を用いたC/Cコンポジットが、イオンエンジン用グリッドとして用いたときに、軽量化を図りつつ、耐エロージョン性及び加工性を高いレベルで両立することができることを見出した。
本発明のイオンエンジン用グリッドは、上記のC/Cコンポジットにより構成されており、軽量化を図りつつ、耐エロージョン性及び加工性を高いレベルで両立することができるので、特に小惑星探査機等の宇宙構造物に搭載されるイオンエンジンに好適に用いることができる。
なお、本発明において、C/Cコンポジットの耐エロージョン性は、イオンミリング法により、試料表面にイオンビームを照射し、照射痕の深さを測定することによっても評価することができる。
従って、本発明のC/Cコンポジットは、イオンミリング装置や、イオンビームスパッタ装置等のイオンビーム応用装置の加速電極や減速電極にも用いることができる。
本発明のC/Cコンポジットは、イオンミリング法により、電圧6.0kV、照射時間4時間の条件でイオンビームを照射したときの消耗率が、好ましくは24μm/h以下、より好ましくは21μm/h以下、さらに好ましくは18μm/h以下である。この場合、C/Cコンポジットの耐エロージョン性をより一層向上させることができる。なお、本発明においては、イオンミリング法により測定した消耗率が小さいほど好ましいが、現実的には、イオンミリング法により測定した上記消耗率の下限値は、例えば、17μm/hとすることができる。
なお、イオンビームミリング装置としては、例えば、JEOL社製、品番「IB-19530CP」を用いることができる。試験条件は、例えば、C/Cコンポジットに照射痕が生じる電圧:6.0kV、照射時間:4時間とし、試料(10mm×7mm×1mmt)の10mm×7mmの面における一部にイオンビームを照射する。照射痕の深さは、例えば、マイクロスコープ(キーエンス社製、品番「マイクロスコープVHX-7000」)を用いて測定することができ、X方向及びY方向を測定した平均値を採用することができる。
本発明において、耐エロージョン性は、EDM(放電加工)試験における電極消耗率により評価してもよい。
本発明のC/Cコンポジットは、EDM(放電加工)試験により測定した電極消耗率が、好ましくは500μm/h以下、より好ましくは450μm/h以下、さらに好ましくは400μm/h以下である。この場合、C/Cコンポジットの耐エロージョン性をより一層向上させることができる。なお、本発明においては、EDM(放電加工)試験により測定した電極消耗率が小さいほど好ましいが、現実的には、上記電極消耗率の下限値は、例えば、350μm/hとすることができる。
EDM(放電加工)試験では、例えば、NC形彫放電加工機(三菱電機社製、品番「EA-12V advance」)を用い、20mm×20mm×4mmの試料を電極としてスチールを2mm加工した時の電極消耗量を測定することにより、電極消耗率を求めることができる。
本発明において、C/Cコンポジットのかさ密度は、好ましくは1.60Mg/m以上、より好ましくは1.70Mg/m以上、さらに好ましくは1.75Mg/m以上である。この場合、C/Cコンポジットの機械的強度をより一層向上させることができ、イオンエンジン用グリッドに用いたときに、変形をより一層生じ難くすることができる。また、イオンエンジン用グリッドに用いたときに、耐エロージョン性や加工性もより一層向上させることができる。また、C/Cコンポジットのかさ密度の上限値は、特に限定されないが、現実的には、例えば、1.80Mg/mとすることができる。
なお、C/Cコンポジットのかさ密度は、60mm×10mm×3mmtのT.P(曲げ試験片)を作製し、寸法重量から求めることができる。
本発明においては、C/Cコンポジットのマトリクス成分が、熱分解炭素又はピッチ由来の炭素(以下、ピッチ炭と称することがある)を含むことが好ましく、熱分解炭素又はピッチ由来の炭素であることがより好ましい。この場合、C/Cコンポジットの機械的強度をより一層向上させることができ、イオンエンジン用グリッドに用いたときに、変形をより一層生じ難くすることができる。もっとも、上述した耐エロージョン性をより一層向上させる観点からは、C/Cコンポジットのマトリクス成分が、熱分解炭素を含むことが好ましく、熱分解炭素であることがより好ましい。
本発明において、C/Cコンポジットの曲げ強さは、好ましくは100MPa以上、より好ましくは120MPa以上、さらに好ましくは140MPa以上である。この場合、イオンエンジン用グリッドに用いたときに、変形をより一層生じ難くすることができる。なお、C/Cコンポジットの曲げ強さの上限値は大きいほど好ましいが、現実的には、例えば、150MPaとすることができる。
本発明において、C/Cコンポジットの曲げ弾性率は、好ましくは30GPa以上、より好ましくは35GPa以上、さらに好ましくは38GPa以上である。この場合、イオンエンジン用グリッドに用いたときに、変形をより一層生じ難くすることができる。なお、C/Cコンポジットの曲げ弾性率の上限値は大きいほど好ましいが、現実的には、例えば、40GPaとすることができる。
なお、曲げ強さ及び曲げ弾性率は、例えば、C/Cコンポジットから60mm×10mm×3mmtのT.Pを作製し、3点曲げ試験により測定することができる。3点曲げ試験は、インストロン社製、万能材料試験機、「5982」を用い、スパン40mmで行うことができる。
(C/Cコンポジットの製造方法)
本発明のC/Cコンポジットは、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、炭素繊維不織布を用意する。炭素繊維不織布としては、完全開繊型であり、均等に分散されているものを用いることができる。また、炭素繊維不織布は、例えば、ペーパー状の不織布を用いることができる。炭素繊維不織布の目付は、例えば、30g/m以上、200g/m以下とすることができる。炭素繊維不織布の厚みは、例えば、0.4mm以上、3.0mm以下とすることができる。
また、炭素繊維不織布を構成する炭素繊維は、ピッチ系炭素繊維である。炭素繊維不織布を構成する炭素繊維の長さは、例えば、6mm以上、25mm以下とすることができる。炭素繊維不織布を構成する炭素繊維の繊維径は、例えば、7μm以上、11μm以下とすることができる。
なお、炭素繊維の長さや繊維径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した10個の炭素繊維の平均値より求めることができる。
次に、用意した炭素繊維不織布に熱硬化性樹脂を含浸させることにより、プリプレグを作製する。この際、熱硬化性樹脂は、メタノール等の溶媒で希釈して用いてもよい。また、樹脂固形分が、40%以上、42%以下、揮発分が5%以上、8%以下となるようにプリプレグを調製することが望ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリカルボジイミド樹脂等を用いることができる。
次に、プリプレグを所定枚数積層し、熱盤プレスで加圧しながら、加熱し成形体を得る。プリプレグの積層数は、例えば、プリプレグの厚さとターゲットの厚さにより調整することができる。加圧の際の圧力は、例えば、1.47MPa以上、2.94MPa以下とすることができる。加熱温度は、例えば、120℃以上、160℃以下とすることができる。成形体のかさ密度は、例えば、1.15Mg/m以上、1.35Mg/m以下とすることができる。
次に、成形体を不活性ガス雰囲気で、焼成することにより焼成体を得る。焼成温度は、例えば、800℃以上、1000℃以下とすることができる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、Arガス等を用いることができる。焼成体のかさ密度は、例えば、0.96Mg/m以上、1.13Mg/m以下とすることができる。
次に、得られた焼成体に緻密化処理を行なうことにより、C/Cコンポジットを得る。もっとも、本発明においては、緻密化処理を行なわなくともよいが、得られるC/Cコンポジットの機械的強度をより一層高める観点から、緻密化処理を行なうことが望ましい。
緻密化処理は、例えば、焼成体に熱分解炭素又はピッチ由来の炭素を含浸させることにより行なうことができる。焼成体に熱分解炭素を含浸させることにより、マトリクス成分が、熱分解炭素により構成されている、C/Cコンポジットを得ることができる。また、焼成体にピッチ由来の炭素を含浸させることにより、マトリクス成分が、ピッチ由来の炭素により構成されている、C/Cコンポジットを得ることができる。
熱分解炭素は、例えば、CVI処理により含浸させることができる。熱分解炭素の含浸方法としては、例えば、等温法、温度勾配法、圧力勾配法、あるいは時間の短縮化及び緻密化を目的としたパルス法が使用できる。
熱分解炭素の含浸方法は、例えば「炭素材料入門」(炭素材料学会 昭和47年11月発行)等の文献に記載されているような従来公知の方法でもよい。その一般的実施態様では、炭素発生材料として、例えば、炭素数1~8、特に炭素数3である炭化水素ガス若しくは炭化水素化合物を熱分解させ、炭素質不織布基材上に熱分解炭素を浸透・析出させたものが挙げられる。濃度調節用として炭化水素濃度(通常希釈ガスとしてはHガスが用いられる)は、好ましくは3%~30%であり、より好ましくは5%~15%とすることができる。また、全圧を好ましくは100Torr(13.3KPa)以下、より好ましくは50Torr(6.6KPa)以下の条件で操作することが望ましい。
熱分解炭素の含浸時間は、例えば、400時間以上、1000時間以下とすることができる。
また、ピッチ由来の炭素を含浸させる場合は、ピッチ含浸/焼成を繰り返し行ってもよい。ピッチ含浸/焼成工程は、例えば、1回以上、10回以下の回数を繰り返し行なうことができる。
本発明においては、結晶化度をより向上させるために、さらにC/Cコンポジットに高温での熱処理を行なってもよい。特に、寸法変化による反り発生を抑制するために、黒鉛板で挟み真空炉を用いて高温での熱処理を行なってもよい。熱処理温度は、例えば、2000℃以上、2500℃以下とすることができる。
このような製造方法により得られるC/Cコンポジットのかさ密度は、例えば、1.5Mg/m以上、1.8Mg/m以下とすることができる。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ピッチ系炭素繊維により構成されており、完全開繊されたペーパー状の炭素繊維不織布(三菱ケミカル社製、ダイアリードK223SE-6mm、目付80g/m、厚み1.0mm)に、メタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸させ、しかる後乾燥させて、樹脂固形分40%、揮発分5%となるように調整したプリプレグを得た。なお、炭素繊維不織布が完全開繊型であることは、図1に示す写真から確認した。
次に、得られたプリプレグを36枚積層させ、熱盤プレスで加圧しながら加熱して(圧力:2.94MPa、温度:160℃)、かさ密度1.15Mg/m~1.35Mg/mの成形体を作製した。次に、不活性雰囲気(N雰囲気)において800℃で5時間焼成し、かさ密度0.85Mg/m~0.95Mg/mの焼成体を得た。
次に、得られた焼成体に、かさ密度が1.75Mg/m以上になるまでCVI処理により結晶化度の高い熱分解炭素を含浸させた。CVI処理条件は、温度1100℃、全圧20Torr(2.7kPa)、Cガス6L/分、Hガス70L/分で600時間熱分解炭素を含浸させた。さらに、反り発生を抑制するために黒鉛板で挟み、真空炉を用いて2200℃の高温処理を6時間行い、C/Cコンポジットを得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして作製した焼成体に、ピッチ含浸・焼成を繰り返した。具体的には、焼成体に200℃のピッチを含浸させ、N雰囲気中800℃で、5時間保持し焼成する処理を10回行った。次に、黒鉛板で挟み、真空炉を用いて2200℃の高温処理を6時間行い、C/Cコンポジットを得た。
(比較例1)
PAN(ポリアクリロニトル)系炭素繊維により構成されており、不完全開繊型のペーパー状の炭素繊維不織布(東レ社製、トレカT-700、目付200g/m、厚み2.8mm)に、メタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸させ、しかる後乾燥させて、樹脂固形分が42%、揮発分5%となるように調整したプリプレグを得た。なお、不織布が不完全開繊型であることは、図2に示す写真から確認した。
次に、得られたプリプレグを16枚積層させ、熱盤プレスで加圧しながら加熱して(圧力:2.94MPa、温度:160℃)、かさ密度1.32Mg/m~1.38Mg/mの成形体を作製した。次に、不活性雰囲気(N雰囲気)において800℃で5時間焼成し、かさ密度0.85Mg/m~0.97Mg/mの焼成体を得た。その他の点は、実施例1と同様にして、C/Cコンポジットを得た。
(比較例2)
比較例1と同様にして得られた焼成体を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、C/Cコンポジットを得た。
(比較例3)
PAN系高強度炭素繊維により構成されており、完全開繊型のペーパー状の炭素繊維不織布(三菱ケミカル社製、パイロフィルMR60H系、目付30g/m、厚み0.4mm)に、メタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸させ、しかる後乾燥させて、樹脂固形分が40%、揮発分5%となるように調整したプリプレグを得た。次に、得られたプリプレグを108枚積層させ、熱盤プレスで加圧しながら加熱して(圧力:2.94MPa、温度:160℃)、かさ密度1.30Mg/m~1.37Mg/mの成形体を作製した。次に、不活性雰囲気(N雰囲気)において800℃で5時間焼成し、かさ密度0.85Mg/m~0.95Mg/mの焼成体を得た。その他の点は、実施例1と同様にして、C/Cコンポジットを得た。
(比較例4)
比較例3と同様にして得られた焼成体を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、C/Cコンポジットを得た。
(比較例5)
PAN系高強度炭素繊維により構成された平織りクロス(東レ社製、トレカT-700、目付400g/m、厚み0.5mm)に、メタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸させ、しかる後乾燥させて、樹脂固形分が40%、揮発分5%となるように調整したプリプレグを得た。次に、得られたプリプレグを10枚積層させ、熱盤プレスで加圧しながら加熱して(圧力:1.47MPa、温度:160℃)、かさ密度1.45Mg/m~1.55Mg/mの成形体を作製した。次に、不活性雰囲気(N雰囲気)において800℃で5時間焼成し、かさ密度1.30Mg/m~1.40Mg/mの焼成体を得た。その他の点は、実施例2と同様にして、C/Cコンポジットを得た。
[評価方法]
(かさ密度)
C/Cコンポジットのかさ密度は、60mm×10mm×3mmtのT.P(曲げ試験片)を作製し、寸法重量から求めた。
(電気抵抗率)
C/Cコンポジットの電気抵抗率は、60mm×10mm×3mmtのT.Pを作製し、電圧降下法により電気抵抗率を測定することにより求めた。具体的には、T.Pの長手方向に電流2.5Aを流し、スパン40mm間の電圧降下を測定した。
(曲げ強さ及び曲げ弾性率)
曲げ強さ及び曲げ弾性率は、C/Cコンポジットから60mm×10mm×3mmtのT.Pを作製し、3点曲げ試験により測定した。3点曲げ試験は、インストロン社製、万能材料試験機、「5982」を用い、スパン40mmで行った。
また、曲げ弾性率について、以下の評価基準で評価した。
[評価基準]
A…曲げ弾性率が、35GPa以上
B…曲げ弾性率が、30GPa以上、35GPa未満
C…曲げ弾性率が、30GPa未満
(耐エロージョン性)
EDM試験;
EDM(放電加工)試験では、NC形彫放電加工機(三菱電機社製、品番「EA-12V advance」)を用い、20mm×20mm×4mmの試料を電極としてスチールを2mm加工したときの電極消耗量を測定することにより、電極消耗率(消耗率)を求めた。
また、耐エロージョン性(EDM試験)について、以下の評価基準で評価した。
[評価基準]
A…電極消耗率(消耗率)が、400μm/h以下
B…電極消耗率(消耗率)が、400μm/hを超える
イオンミリング試験;
イオンビームミリング装置としては、JEOL社製、品番「IB-19530CP」を用いた。試験条件は、電圧:6.0kV、照射時間:4時間とし、試料(10mm×7mm×1mm)の10mm×7mmの面の一部にイオンビームを照射した。照射痕の深さは、マイクロスコープ(キーエンス社製、品番「マイクロスコープVHX-7000」)を用いて測定した。X方向及びY方向を測定した2個の平均値とした。
また、耐エロージョン性(イオンミリング試験)について、以下の評価基準で評価した。
[評価基準]
A…消耗率が、18μm/h以下
B…消耗率が、18μm/hを超え、24μm/h以下
C…消耗率が、24μm/hを超える
(加工性)
加工性は、C/Cコンポジットを厚さ1mmの平板に加工し、さらに得られた平板にφ3mmの貫通穴を、x方向ピッチ3mm、Y方向ピッチ1.75mmで、21列×24段=504個の加工を行い、マイクロスコープ(キーエンス社製、品番「マイクロスコープVHX-7000」)による観察で、穴と穴の間のブリッジ部のエッジの欠け、または毛羽立ちの発生の有無を確認した。
図3~図7は、それぞれ、実施例1~2及び比較例1,2,5で得られたC/Cコンポジットの加工性を確認するための写真である。図3は、実施例1であり、図4は、実施例2である。また、図5は、比較例1であり、図6は、比較例2であり、図7は、比較例5である。
また、加工性を以下の評価基準で評価した。
[評価基準]
A…毛羽立ちなし、炭素繊維剥がれなし、エッジの欠けなし
B…毛羽立ちあり、炭素繊維剥がれなし、エッジの欠けなし
C…毛羽立ちあり、炭素繊維剥がれあり、エッジの欠けなし
D…毛羽立ちあり、炭素繊維剥がれあり、エッジの欠けあり
結果を下記の表1及び表2に示す。
Figure 2023110578000001
Figure 2023110578000002
表1及び表2より、完全開繊型であり、かつピッチ系炭素繊維に構成されている、炭素繊維不織布を用いた実施例1~2のC/Cコンポジットでは、機械的強度、耐エロージョン性及び加工性の全てで優れていることが確認できた。一方、比較例1では、機械的強度、耐エロージョン性、及び加工性が十分でなかった。また、比較例2,5では、耐エロージョン性及び加工性が十分でなかった。また、比較例3,4では、機械的強度及び耐エロージョン性(特に、EDM試験)が十分でなかった。

Claims (6)

  1. イオンエンジン用グリッドに用いられる、C/Cコンポジットであって、
    完全開繊型の炭素繊維不織布により構成されており、
    前記炭素繊維不織布を構成する炭素繊維が、ピッチ系炭素繊維である、C/Cコンポジット。
  2. 前記C/Cコンポジットのかさ密度が、1.60Mg/m以上、1.80Mg/m以下である、請求項1に記載のC/Cコンポジット。
  3. 前記C/Cコンポジットのマトリクス成分が、熱分解炭素を含む、請求項1又は2に記載のC/Cコンポジット。
  4. 前記C/Cコンポジットのマトリクス成分が、ピッチ由来の炭素を含む、請求項1又は2に記載のC/Cコンポジット。
  5. 前記C/Cコンポジットの表面に、イオンミリング法により、電圧6.0kV、照射時間4時間の条件でイオンビームを照射したときの消耗率が、24μm/h以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のC/Cコンポジット。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のC/Cコンポジットにより構成されている、イオンエンジン用グリッド。
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