JP2016222482A - 炭素/炭素複合材の前駆体の製造方法、およびそれを用いた炭素/炭素複合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
炭素/炭素複合材の強度、弾性率における炭素繊維の寄与度を高め、且つ炭素/炭素複合材の製造過程における剥離等の製造不良を無くし、簡便な炭素/炭素複合材の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
炭素/炭素複合材料の前駆体を製造するための方法であって、短繊維炭素繊維を使用し、低炭化収率の結合剤を含有する炭素繊維不織布を製造するステップと、炭素繊維不織布を積層し、所定の形状に形成するステップと、所定形状に形成された炭素繊維不織布の積層物を400℃以上に加熱するステップとからなる構成の方法とした。
【選択図】図1
Description
からなる構成の方法とした。
(1)不織布の積層構造であるため、解繊された短繊維炭素繊維が束になって存在するのではなく、3次元的に分散した状態で存在し、
(2)前駆体を形成するために加熱、加圧する段階においては、炭素繊維を保持している結合剤が炭化して炭素質物質を形成し、これが炭素繊維を保持し続けるので、前駆体の形状が確実に維持され、
(3)しかし、この炭素質物質は、炭化収率の低い結合剤が熱分解して生じたものであるため、個々の炭素繊維の周りに過度に蓄積せず、全ての炭素繊維の周囲がボーラスな炭素質物質によって均一に満たされており、
(4)炭素繊維の周囲がボーラスな炭素質物質によって均一に満たされた状態であるため、従来の炭素/炭素複合材の製造方法と違って、積層構造の層間において剥離等の不具合を発生させることのない前駆体を得ることができる。
(1)前駆体に溶融ピッチまたは溶融させた高炭化収率の合成樹脂を含浸する際に、全ての炭素繊維の周りに溶融ピッチまたは溶融合成樹脂が均一に含浸され、
(2)溶融ピッチまたは溶融合成樹脂の含浸後に行われる炭化処理する工程では、炭素繊維は3次元的に分散した状態で存在しているので、一度取り込んだ含浸ピッチや合成樹脂が流出することもなく、炭素質物質(炭素マトリックス)となるため高密度化が容易に行われると共に、炭素繊維と炭素マトリックスの一体化が確実におこなわれる。
図1は、本発明に係る炭素/炭素複合材の前駆体の製造プロセスのフローチャートを示したものである。
本発明で使用される炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、およびピッチ系のいずれのものであってもよく、耐炎化処理糸、炭化処理糸、黒鉛化処理糸のいずれのものでも使用することができる。 本発明においては、炭素繊維は短繊維状であり、1〜50mmの長さであることが好ましく、1〜25mmの長さであれば、更に好ましい。 ただし、炭素繊維の長さはこれらに限定されるものではない。
平板状の炭素/炭素複合材の前駆体を製造する場合には、前述した炭素繊維不織布を所定サイズに裁断し、これを複数枚積層することにより所定形状の平板状積層体を得ることができる。
L形をした2つの型の間に、炭素繊維不織布を積層し、2つのL形をした型を締め上げることにより、炭素繊維不織布の積層体も型にならってL形に賦形され所定形状の形鋼状の積層体を得ることができる。
この工程は、炭素繊維不織布の積層物の形状を維持したまま、炭素繊維不織布の中に含有される有機質の結合材を無機質である炭素質物質に変換させるために行うものである。
炭素/炭素複合材の前駆体は、短繊維炭素繊維を結合していた結合剤が、炭素質物質に変換されている状態にあって、この炭素質物質が個々の短繊維炭素繊維を結合保持しており、そのため、予め賦形された形状を維持している。
まず、ピッチまたは合成樹脂を溶融し、含浸するステップ21では、容器に入れたピッチまたは合成樹脂の粉末又はチップを加熱し、溶融させる。
このとき、炭素/炭素複合材の前駆体を真空容器内に置き、溶融ピッチまたは溶融樹脂を当該真空容器内へ流し込むことによって溶融ピッチまたは溶融樹脂を含浸させるようにしても良い。 また、炭素/炭素複合材の前駆体を溶融ピッチまたは溶融樹脂の中に浸漬した後、外圧をかけ、溶融ピッチまたは溶融樹脂を前駆体の内部に強制的に圧入するようにしても良い。
以上のような工程により、炭素/炭素複合材を完成させることができる。
12 炭素繊維不織布を積層し、所定の形状に形成するステップ
13 炭素繊維不織布の積層物を、加熱するステップ
21 ピッチまたは合成樹脂を溶融し、含浸するステップ
22 溶融ピッチまたは溶融樹脂を含浸した前駆体を炭化処理するステップ
23 炭素/炭素複合材を黒鉛化処理するステップ
Claims (8)
- 炭素/炭素複合材料の前駆体を製造するための方法であって、
短繊維炭素繊維を使用し、低炭化収率の結合剤を含有する炭素繊維不織布を製造するステップと、
当該炭素繊維不織布を積層し、所定の形状に形成するステップと、
所定形状に形成された当該炭素繊維不織布の積層物を400℃以上に加熱するステップと、
からなることを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の炭素/炭素複合材料の前駆体を製造するための方法であって、
前記低炭化収率の結合剤が水溶性合成樹脂であることを特徴とする方法。 - 請求項1乃至2のいずれかに記載の炭素/炭素複合材料の前駆体を製造するための方法であって、
前記所定形状に形成された炭素繊維不織布の積層物が、平板状、管状、および形鋼状の形状を有することを特徴とする方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の炭素/炭素複合材料の前駆体を製造するための方法であって、
前記炭素繊維不織布を積層し、所定の形状に形成するステップにおいて、炭素繊維不織布の間に、少なくとも1層の易消失性合成樹脂フィルムを挿入することを特徴とする方法。 - 請求項4に記載の炭素/炭素複合材料の前駆体を製造するための方法であって、
前記易消失性合成樹脂フィルムがポリオレフィン系合成樹脂フィルムであることを特徴とする方法。 - 請求項1乃至5に記載の方法によって製造された炭素/炭素複合材料の前駆体を使用し、炭素/炭素複合材を製造する方法であって、
前記前駆体に溶融ピッチまたは溶融させた高炭化収率の合成樹脂を含浸するステップと、
当該含浸した前駆体を炭化処理するステップと、
からなる炭素/炭素複合材の製造方法。 - 請求項6に記載の炭素/炭素複合材を製造する方法であって、
前記溶融ピッチまたは溶融合成樹脂を含浸するステップと、
前記含浸した前駆体を炭化処理するステップとを、更に1又は複数回繰り返すことからなる炭素/炭素複合材の製造方法。 - 請求項6又は7に記載の炭素/炭素複合材を製造する方法であって、
炭化処理された前記炭素/炭素複合材を、更に黒鉛化処理することからなる炭素/炭素複合材の製造方法。
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