JP2004027435A - 炭素繊維シート及びその製造方法 - Google Patents

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Kenji Shimazaki
島崎 賢司
Shintaro Tanaka
田中 慎太郎
Yusuke Takami
高見 祐介
Masanori Wada
和田 正典
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Teijin Ltd
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DuPont Teijin Advanced Papers Japan Ltd
Mishima Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】導電性が高く、ガス拡散性に優れ、適度な柔軟性に富み、高分子型燃料電池電極材として優れた物性を示す炭素繊維シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】炭素含有率が99質量%以上、且つ炭素繊維含有率が90質量%以上の炭素繊維シートであって、炭素繊維の繊維長が2〜10mmであり、炭素繊維の5質量%以上が扁平度(長径/短径)1.1以上である炭素繊維シート、並びに、繊維長2〜12mm、繊維直径6〜25μmの炭素繊維前駆体繊維90〜99.5質量%と、混抄して抄紙性を向上させ炭素化時に溶融してバインダーとして作用する抄紙用バインダー0.5〜10質量%とを混抄して前駆体繊維粗シートを得、次いで前記前駆体繊維粗シートを温度120〜500℃、圧力5〜30MPaで圧縮処理して前駆体繊維シートを得、その後、前記前駆体繊維シートを不活性ガス雰囲気下、1300〜2500℃の温度で焼成し炭素化する炭素繊維シートの製造方法。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子電解質型燃料電池(高分子型燃料電池)のガス拡散電極用やその他通電材用の炭素繊維シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維シートは、導電性に優れ、薄型の素材に加工し易く、高分子型燃料電池電極材としての応用が期待されている。
【0003】
この電極材としての用途においては、ガス拡散性に優れ、より薄型の形状のシートほど、電池が小型になる。且つ適度な柔軟性を有するシートは連続的に後加工が可能となる。
【0004】
これらのことから、炭素繊維シートは電極材としての用途において、高分子型燃料電池のコストダウンに寄与することとなる。
【0005】
炭素繊維シートの製造方法の一例として、炭素繊維短繊維(繊維長2〜20mm)を抄紙して、炭素繊維紙を得、この炭素繊維紙を樹脂処理(樹脂量30〜60%)、圧縮処理した後、焼成して炭素繊維シート(炭素繊維含有率20〜50%)を得る方法がある。
【0006】
しかし、炭素繊維は一般的な強度は高いが伸度が低く、抄紙時に微粉化し易い。また、炭素繊維同士及び他繊維との絡みが少ない為、抄紙して得たシートを焼成した場合、炭素繊維同士がバラバラになり、得られる炭素繊維シートの強度は低い。従って、炭素繊維シートの量産が難しい問題がある。
【0007】
この問題を解消させる方法として、多量の樹脂成分を加えて炭素繊維間を接合させる方法がある。しかし、このように樹脂接合した炭素繊維シートは、硬く、脆く、柔軟性がない為、連続的に加工することが難しい、並びに、製造コストが高くなる等の別の問題を生ずる。
【0008】
また、上記の樹脂接合した炭素繊維シートを焼成して電極材用炭素繊維シートを得、これを電極材として用いる場合も、樹脂の炭化成分が多量に残留しているので、この電極材は電解質や反応気体が電極材を通過する際の圧力損失が高くなり、これらの透過性や拡散性が悪い等の問題がある。
【0009】
特開平9−157052号公報には、二次元平面内にランダムに分散された炭素繊維集合体に熱硬化性樹脂を含浸させた中間基材を炭素化し、多孔質炭素板を得る方法が開示されている。
【0010】
また、同公報には、例えば長さ12mmに切断された炭素繊維100重量部に対しポリビニルアルコール(PVA)約30重量部を混抄して得たシート状中間基材に、レゾール型フェノール樹脂などを含浸し、乾燥、硬化させた後、窒素ガス雰囲気下にて2400℃、30分間加熱して樹脂成分を炭素化し、高い曲げ強度と、優れた導電性を有する多孔質板を得る方法が記載されている。
【0011】
しかしながら、このような方法で得られた多孔質板は剛直な炭素繊維を平面内に分散させて、交絡点を炭素化された樹脂により強固に固着されている為、強度の高い基材が得られる反面、柔軟性がなくロール状に巻き取ることができない。
【0012】
しかも、上記多孔質板は樹脂の炭素化分が多い為、ガスの透過性が悪く高分子型燃料電池のガス拡散電極材として使用する場合、高電流密度側では電池性能が低い等の問題がある。
【0013】
炭素繊維シートの製造方法の他の例として、ポリアクリロニトリル(PAN)系酸化繊維ステープル(繊維長20〜100mm)を不織布加工して、酸化繊維不織布を得、この酸化繊維不織布を樹脂処理、及び圧縮処理した後、焼成して炭素繊維シートを得る方法がある。
【0014】
PAN系酸化繊維は伸度が高く加工性に優れているので、この炭素繊維シートの製造方法によれば、強度の高い、柔軟性のある薄型の炭素繊維シートを得ることができる。しかし、この製造方法で得られる炭素繊維シートは、炭素繊維の分散性(均一性)が悪い。
【0015】
特開2001−240477号公報には、長さ25〜100mmのPAN系酸化繊維をニードルパンチ法及び/又は水流交絡法によりシート化した不織布に、熱硬化性樹脂を含浸し、不活性ガス雰囲気中1300℃以上にて処理することにより、柔軟なガス拡散性に優れた炭素繊維シートを得る方法が記載されている。
【0016】
しかしながら、この公報に記載された方法では、十分な繊維の分散性及び均一性、更に平面平滑性を有する炭素繊維シートを得ることができず、後処理(カーボンブラック処理)時の平面平滑性を向上することができない。
【0017】
この為、高分子電解質膜との一体化時の密着性が低下したり、高分子電解質膜の損傷を来し、電池性能低下の要因となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記問題について種々検討しているうちに、実質的に炭素成分からなり、炭素繊維含有率が90質量%以上であって、且つ繊維長が2〜10mmの炭素繊維から構成され、繊維1本について繊維直径に最小径(短径)から最大径(長径)までの分布を有し、その長径/短径比(扁平度)が1.1以上である炭素繊維が5質量%以上を占める炭素繊維シートが、導電性が高く、ガス拡散性に優れ、適度な柔軟性に富み、高分子型燃料電池電極材として優れた物性を示すことを知得した。
【0019】
また、短い炭素繊維前駆体繊維(2〜12mm)を、ポバール、アラミド等の抄紙バインダーと混抄して前駆体繊維粗シートを得、次いでこの前駆体繊維粗シートを必要に応じて樹脂処理した後、圧縮処理して前駆体繊維シートを得、更にこの前駆体繊維シートを不活性ガス雰囲気下焼成することによって上記炭素繊維シートを製造できることを知得し、本発明を完成するに至った。
【0020】
従って、本発明の目的とするところは、上記問題を解決した炭素繊維シート及びその製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
【0022】
〔1〕  炭素含有率が99質量%以上、且つ炭素繊維含有率が90質量%以上の炭素繊維シートであって、炭素繊維の繊維長が2〜10mmであり、炭素繊維の5質量%以上が扁平度(長径/短径)1.1以上である炭素繊維シート。
【0023】
〔2〕  厚さが0.05〜0.6mm、空隙率が70〜90体積%である〔1〕に記載の炭素繊維シート。
【0024】
〔3〕  厚さ方向の電気比抵抗値が12.5Ωcm以下である〔1〕に記載の炭素繊維シート。
【0025】
〔4〕  繊維長2〜12mm、繊維直径6〜25μmの炭素繊維前駆体繊維90〜99.5質量%と、少なくともその0.5質量%が炭素化する抄紙バインダー0.5〜10質量%とを混抄して前駆体繊維粗シートを得、次いで前記前駆体繊維粗シートを温度120〜500℃、圧力5〜30MPaで圧縮処理して前駆体繊維シートを得、その後、前記前駆体繊維シートを不活性ガス雰囲気下、1300〜2500℃の温度で焼成し炭素化する炭素繊維シートの製造方法。
【0026】
〔5〕  繊維長2〜12mm、繊維直径6〜25μmの炭素繊維前駆体繊維90〜99.5質量%と、少なくともその0.5質量%が炭素化する抄紙バインダー0.5〜10質量%とを混抄して前駆体繊維粗シートを得、次いで前記前駆体繊維粗シートを樹脂処理して樹脂を10.0質量%以下の範囲で添着させた後、温度120〜500℃、圧力5〜30MPaで圧縮処理して前駆体繊維シートを得、その後、前記前駆体繊維シートを不活性ガス雰囲気下、1300〜2500℃の温度で焼成し炭素化する炭素繊維シートの製造方法。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】
本発明の炭素繊維シートは、炭素含有率が99質量%以上、且つ炭素繊維含有率が90質量%以上の炭素繊維シートであって、炭素繊維の繊維長が2〜10mmであり、炭素繊維の5質量%以上、好ましくは7〜45質量%が扁平度(長径/短径)1.1以上である。
【0029】
炭素含有率が99質量%未満の場合は、炭素繊維シートの導電性が低下するので好ましくない。
【0030】
炭素繊維含有率が90質量%未満の場合は、炭素繊維シートの導電性低下、並びに、強度低下などの不具合を生ずるので好ましくない。
【0031】
炭素繊維の繊維長が2mm未満の場合は、炭素繊維シートの導電性が低下する、並びに、製造時や取扱時に炭素繊維微粉末を発生し易いなどの不具合を生ずるので好ましくない。炭素繊維の繊維長が10mmを超える場合は、製造時の抄紙工程において前駆体繊維の分散性が低下するので好ましくない。
【0032】
本発明の炭素繊維シート中の炭素繊維は、扁平度1.1以上のものを5質量%以上含む。扁平度は繊維の長径と短径との比(長径/短径)で示す。
【0033】
扁平度1.1以上の炭素繊維が5質量%未満の場合は、炭素繊維シートの強度が低下するので好ましくない。
【0034】
本発明の炭素繊維シートにおける炭素繊維の繊維直径は、4〜15μmが好ましい。炭素繊維の繊維直径が4μm未満の場合は、製造時や取扱時に繊維微粉末を発生し易いので好ましくない。炭素繊維の繊維直径が15μmを超える場合は、炭素繊維シートの電気比抵抗値が増加するので好ましくない。
【0035】
本発明の炭素繊維シートは、厚さが0.05〜0.6mm、目付が30〜150g/m、空隙率が70〜90体積%であることが好ましい。
【0036】
炭素繊維シートの厚さが0.05mm未満の場合は、強度が低下する、並びに、加工時においてシートの切断、伸びが発生し易くなる、及び加工性が低下するなどの不具合を生ずるので好ましくない。炭素繊維シートの厚さが0.6mmを超える場合は、厚さ方向の電気比抵抗値が増加するので好ましくない。
【0037】
炭素繊維シートの目付が30g/m未満の場合は、強度が低下するので好ましくない。炭素繊維シートの目付が150g/mを超える場合は、厚さが増加し、厚さ方向の電気比抵抗値が増加するので好ましくない。
【0038】
炭素繊維シートの空隙率が70体積%未満の場合は、ガス拡散性が低下し、高分子型燃料電池電極材への使用時にガス拡散性低下による電池性能低下を来すので好ましくない。炭素繊維シートの空隙率が90体積%を超える場合は、ガス拡散の均一性及び電気比抵抗値が低下し、これら物性の低下による電池性能低下を来すので好ましくない。
【0039】
なお、本発明の炭素繊維シートにおける厚さ方向の電気比抵抗値は、後述する測定方法により測定して得られる電気比抵抗値で12.5Ωcm以下が好ましく、通常は0.5〜3.5mΩである。
【0040】
電気比抵抗値は、炭素繊維シートの炭素化・黒鉛化度が進むほど低い値を示す。この炭素化・黒鉛化度の指標は、X線結晶サイズの大小にて示すことができる。そのため、炭素繊維シートにおけるX線結晶サイズは1.3〜3.5nmが好ましい。
【0041】
炭素繊維シートにおけるX線結晶サイズが1.3nm未満の場合は、厚さ方向の電気比抵抗値が増加するので好ましくない。炭素繊維シートにおけるX線結晶サイズが3.5nmを超える場合は、炭素繊維シートの強度が低下する、並びに、製造時や取扱時に炭素繊維微粉末を発生し易いなどの不具合を生ずるので好ましくない。
【0042】
X線結晶サイズの調整は、炭素繊維シートの製造時の焼成工程において、焼成温度、時間を制御することにより行うことができる。
【0043】
本発明の炭素繊維シートの引張強度は15N/cm以上が好ましい。炭素繊維シートの引張強度が15N/cm未満の場合は、製造時の焼成工程や後加工時においてシート切断、亀裂を生じ易いので好ましくない。
【0044】
本発明の炭素繊維シートは、その物性が上記範囲内にあれば、その製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば以下の製造方法により製造することができる。
【0045】
まず、繊維長(カット長)2〜12mm、繊維直径6〜25μmの炭素繊維前駆体繊維90〜99.5質量%、好ましくは92〜98質量%と、混抄して抄紙性を向上させ炭素化時に溶融してバインダーとして作用する抄紙バインダー0.5〜10質量%、好ましくは2〜8質量%とを混抄してなる前駆体繊維粗シートを、必要に応じ樹脂処理して樹脂を10.0質量%以下の範囲で添着させる。その後、温度120〜500℃、圧力5〜30MPaで圧縮処理して前駆体繊維シートを得る。次いで、この前駆体繊維シートを不活性ガス雰囲気下、1300〜2500℃の温度で焼成し炭素化することにより本発明の炭素繊維シートを製造することができる。
【0046】
次に、本例の炭素繊維シートの製造方法における個々の原料、工程について詳細に説明する。
【0047】
(前駆体繊維)
本発明の炭素繊維シートの原料である前駆体繊維は、PAN系酸化繊維、ピッチ系酸化繊維、レーヨン系酸化繊維、及びフェノール系繊維を用いることができる。これらの前駆体繊維のうちでもPAN系酸化繊維が最も好ましい。
【0048】
また、前駆体繊維の限界酸素指数(LOI)は40〜65が好ましい。
【0049】
前駆体繊維のカット長が2mm未満の場合は、前駆体繊維シート及び炭素繊維シートの強度が低下するので好ましくない。前駆体繊維のカット長が12mmを超える場合は、前駆体繊維シートにおける繊維分散性が低下するので好ましくない。
【0050】
前駆体繊維の繊維直径が6μm未満の場合は、前駆体繊維粗シート、前駆体繊維シート及び炭素繊維シートの製造時や取扱時に繊維微粉末を発生し易い、並びに、繊維同士が収束し易いなどの不具合を生ずるので好ましくない。前駆体繊維の繊維直径が25μmを超える場合は、前駆体シートの強度が低下するので好ましくない。
【0051】
本発明の炭素繊維シートの製造方法においては、原料繊維として炭素繊維ではなく、上記の前駆体繊維を用いている。前駆体繊維は、炭素繊維に比べ、繊維伸度が高く、抄紙時の加工性が良い。そのため、抄紙して得られる前駆体繊維粗シートは、強度が高い。
【0052】
抄紙工程においては、微粉末やケバの発生が少ない利点を有する。しかも、炭素繊維を抄紙して得られるシートと比べ、加工コストが安価である。
【0053】
なお、上記前駆体繊維は短繊維であるため分散性に優れ、厚さや目付が均質な前駆体繊維粗シートを得ることができる。また、この前駆体繊維粗シートを圧縮処理後、焼成して得られる炭素繊維シートの厚さや目付も均質である。
【0054】
(抄紙バインダー)
本発明の炭素繊維シートの製造方法において、前駆体繊維をシート化するに際して用いられる抄紙バインダーは、繊維状、ファイブリッド状(微細フィルム状)、パルプ状、及び粒子状のものから少なくとも1種類以上を選んで用いることができる。この抄紙バインダーは、不活性ガス中で炭素化温度1300℃で炭素化処理した時に炭素成分(炭素化収率)として0.5質量%以上、好ましくは1.0〜45質量%が残留するものである。
【0055】
更に、上記炭素化収率に加えて、前駆体繊維との混抄において前駆体繊維に絡み易く抄紙性を向上させること、炭素化時に溶融してバインダーとして作用することを要する。具体的には、熱可塑性樹脂が更に好ましく、PVA樹脂、アラミド樹脂(メタ系、パラ系)、アクリル樹脂が特に好ましい。
【0056】
これら抄紙バインダーは、融点又は軟化点が150〜400℃であることが好ましい。
【0057】
(混抄)
原料繊維(前駆体繊維)における抄紙バインダーの含有率(混抄率)は、前述したように0.5〜10質量%、好ましくは2〜8質量%である。
【0058】
抄紙バインダーの混抄率が0.5質量%未満の場合は、混抄後のシート強度が不充分であるので好ましくない。抄紙バインダーの混抄率が10質量%を超える場合は、前駆体繊維との分散性が低下する、並びに、前駆体繊維シートを焼成して得られる炭素繊維シートが硬くなり、折れやすくなって、強度や柔軟性(剛軟度)が低下するなどの不具合を生ずるので好ましくない。
【0059】
繊維をランダムに分散させて抄紙する方法としては、大量の液体中に繊維を分散させてすくい挙げる湿式抄造法や、空気流中で繊維を分散させた後、この繊維分散空気流の吹付け等により薄層を形成させ、それを積層させる乾式法などが適用できる。ただし、繊維の分散性や、コスト面を考慮すれば湿式抄造法でシート化するのが最も好ましい。
【0060】
本発明の炭素繊維シートの製造方法においては、上記抄紙バインダーを混抄することによりシート化しているので、得られる前駆体繊維粗シートは、強度が高く、焼成後の炭素繊維シートの強度を向上させるに適度な剛軟性も有している。
【0061】
(圧縮処理)
上記混抄により得られた前駆体繊維粗シートは、圧縮処理して前駆体繊維シートにされる。なお、前駆体繊維粗シートの圧縮処理前には、抄紙バインダーを樹脂と共に前駆体繊維に含ませておくか、又は、混抄後の前駆体繊維粗シートを樹脂処理するかにより、樹脂処理用樹脂を10.0質量%以下の範囲で前駆体繊維粗シートに添着させることが好ましい。
【0062】
これらの樹脂処理を湿式で行う場合、前者のケースでは、前駆体繊維を、抄紙バインダーと共に樹脂処理用樹脂で塗布し乾燥することにより樹脂処理された前駆体繊維粗シートが得られる。後者のケースでは、所定の濃度の樹脂浴に混抄後の前駆体繊維粗シートを浸漬することにより樹脂処理することができる。
【0063】
前駆体繊維粗シート中の樹脂の添着割合(付着量)が10.0質量%を超える場合は、炭素繊維シートの柔軟性が損なわれ、脆性が高くなるので好ましくない。
【0064】
樹脂処理に用いる樹脂は、ポリアクリル酸エステル、カルボキシメチルセローズ及びPVA等の水溶性の樹脂が好ましい。
【0065】
前駆体繊維粗シートの圧縮処理において、圧縮処理温度は120〜500℃であり、圧縮処理圧力は5〜30MPaである。
【0066】
圧縮処理温度が120℃未満の場合は、前駆体繊維シートの強度及び炭素化後の炭素繊維シートの強度が低下するので好ましくない。圧縮処理温度が500℃を超える場合は、得られる炭素繊維シートの厚さムラを生ずる、並びに、前駆体繊維シートの強度及び炭素化後の炭素繊維シートの強度が低下するなどの不具合が起こるので好ましくない。
【0067】
圧縮処理圧力が5MPa未満の場合は、前駆体繊維シートの強度及び炭素化後の炭素繊維シートの強度が低下するので好ましくない。圧縮処理圧力が30MPaを超える場合は、得られる炭素繊維シートの厚さムラを生ずる、並びに、前駆体繊維シートの強度及び炭素化後の炭素繊維シートの強度が低下するなどの不具合が起こるので好ましくない。
【0068】
圧縮処理は、ホットプレス、熱ローラーのいずれを用いて行っても良い。熱ローラーの場合、1対の金属ロール間、1対の樹脂ロール間、あるいは金属ロールと樹脂ロールとの組合わされた1対のロール間に、前駆体繊維粗シートを連続的に通過させることにより圧縮処理することができる。
【0069】
この圧縮処理を施すことにより、前駆体繊維は扁平になる。従って、前駆体繊維シートを炭素化すると、得られる炭素繊維シート中の炭素繊維の5質量%以上は直径の扁平度が1.1以上になる。
【0070】
以上の圧縮処理により、目付が50〜250g/m、厚さが0.05〜0.70mmの前駆体繊維シートを得ることができる。
【0071】
上記範囲外の厚さの前駆体繊維シートを焼成した場合、目標の厚さの炭素繊維シートが得られないので好ましくない。また、前駆体繊維シートの厚さが0.05mm未満の場合は、前駆体繊維シートの強度が低下するので好ましくない。
【0072】
本発明の炭素繊維シートの製造方法においては、上記の圧縮処理を施しているので、得られる前駆体繊維シートは、強度や賦形性が向上され、且つ厚さの低減化が促進される。更に、焼成後の炭素繊維シートについても、強度や賦形性が向上され、且つ厚さの低減化が促進される。
【0073】
(炭素化)
圧縮処理した前駆体繊維シートは、バッチ又は連続的に、不活性ガス雰囲気下、1300〜2500℃の温度にて焼成し炭素化する。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等が用いられる。
【0074】
焼成温度が1300℃未満の場合は、得られる炭素繊維シートの、電気抵抗値が増加する、並びに、強度が低下するなどの不具合を生ずるので好ましくない。
【0075】
焼成温度が2500℃を超える場合は、電気抵抗値が低下し、測定値のバラツキが少なく安定した値を示すが、炭素繊維シートが剛直になって強度が低下する、並びに、炭素微粉末が発生し易いなどの不具合を生ずるので好ましくない。
【0076】
【実施例】
本発明を以下の実施例及び比較例により詳述する。
【0077】
以下の実施例及び比較例の条件により炭素繊維シートを作製した。前駆体繊維、抄紙バインダー、前駆体繊維シート、及び炭素繊維シートの諸物性値を、以下の方法により測定した。
【0078】
比重:液置換法(JIS R 7601、置換液:エチルアルコール)により測定した。
【0079】
目付:試験片を10cm角に切り出し、110℃、1時間乾燥後の質量から単位面積当たりの質量を算出した。
【0080】
厚さ:直径30mmの円形圧板で200gfの荷重(2.8kPa)時の厚さを測定した。
【0081】
嵩密度及び空隙率:上記条件により測定した厚さ及び目付から算出した。
【0082】
炭素繊維含有率:炭素繊維前駆体のみの繊維をあらかじめ所定の炭素化条件で炭素化した時の炭素化率を求めておき、更に各実施例及び比較例で作製した前駆体繊維シートを上記と同一の炭素化条件で炭素化した炭素化率を測定した。これらの炭素化率の値から炭素繊維含有率を算出した。
【0083】
扁平繊維含有率:炭素繊維シートを構成している全炭素繊維本数に対する下記繊維扁平度が1.1以上の炭素繊維本数の割合として求めた。
【0084】
炭素繊維シートの表面部分を電子顕微鏡で200倍に拡大して、表層を覆っている炭素繊維の直径を、1本の繊維につき5点測定した。これらの測定値から、1本の繊維について最大直径Rmax(長径)と最小直径Rmin(短径)を求め、繊維扁平度Rmax/Rmin(長径/短径)を算出した。
【0085】
以上の測定をN本(N≧100)の繊維について行い、繊維扁平度が1.1以上の繊維の本数を求め、最終的に扁平繊維含有率(体積%)=n/N×100を算出した。
【0086】
X線結晶サイズ:広角X線回折測定での2θのピークの半値幅と下記のシェラーの式
X線結晶サイズ(nm)=(k×λ)/β×cosθ
k:装置定数  0.90
λ:X線波長  0.154nm
β:2θ=26.0°付近の最大ピークの半値幅
より求めた。
【0087】
通電性(比抵抗値):2枚の5cm角(厚さ1cm)の金メッキした電極でシートの両面を全面が接触するように挟み、圧力10MPaにおけるシートの両電極間の電気抵抗値を測定し、この電気抵抗値R(Ω)と測定時のシートの厚さT(cm)と設置面積S(cm)=5×5とから、下式
比抵抗値(Ωcm)=[ S / T ]× R
より求めた。
【0088】
シートの引張り強度:幅25mm、長さ120mm以上の炭素繊維シートを切り出し、チャック間距離100mmの治具に固定し、炭素繊維シートの長さ方向に30mm/分で引張った時の破断強度を10mm幅に換算した値として求めた。
【0089】
セル電圧A及びセル電圧B:炭素繊維シートを50mm角にカットし、これに陽極側及び陰極側の電極材として触媒(Pt−Ru)を10mg/cm担持させて、高分子電解質型燃料電池電極材を得た。高分子電解質膜(デュポン社製:ナフィオン膜117)の両側に、上記50mm角にカットした電極材を接合してセルを構成し、温度80℃、水素流量(1000mL/分)及び酸素流量(1000mL/分)での条件下、電流密度0.4A/cm及び電流密度1.6A/cmにおいて、それぞれセル電圧A及びセル電圧Bを測定した。
【0090】
実施例1
表1に示すように、繊維直径15μm、比重1.39、平均カット長5.0mmのPAN系酸化繊維(前駆体繊維)と、繊維直径10μm、比重1.10、平均カット長5.0mmのPVA繊維(抄紙バインダーA/商品名:ビニロン)とをそれぞれ93.0質量%、7.0質量%の組成で混抄し、前駆体繊維粗シートを得た。
【0091】
この前駆体繊維粗シートを金属加熱ローラーにて、温度250℃、圧力20MPaの条件下、圧縮処理を行った結果、目付が150g/m、厚さが0.35mm、嵩密度が0.43g/cmの前駆体繊維シートを得た。
【0092】
この前駆体繊維シートを窒素ガス雰囲気下、1500℃で3分間焼成することにより表1に示す炭素繊維シートを得た。
【0093】
得られた炭素繊維シートは、目付が92g/m、厚さが0.29mm、嵩密度が0.32g/cm、空隙率が82体積%、炭素繊維含有率が97質量%、扁平繊維含有率が28本数%、X線結晶サイズが2.5nm、電気比抵抗値が7.1Ωcm、引張強度が20N/cm、セル電圧Aが0.72V、セル電圧Bが0.53Vであり、良好な物性の炭素繊維シートであった。
【0094】
実施例2
抄紙バインダーAの代わりに、サイズ1〜10mm、比重1.38のメタ系アラミドファイブリッド(抄紙バインダーB/商品名:ノーメックス)を使用した以外は実施例1に準じて表1に示す条件で炭素繊維シートを作製した。得られた炭素繊維シート等の物性測定結果も表1に示す。
【0095】
実施例3
抄紙バインダーAの代わりに、サイズ1〜10mm、比重1.38のメタ系アラミドファイブリッド(抄紙バインダーB/商品名:ノーメックス)を使用し、中間生成物の前駆体繊維粗シートを更にPVA水溶液により樹脂処理して樹脂付着量4.0質量%の前駆体繊維粗シートを圧縮処理した以外は実施例1に準じて表1に示す条件で炭素繊維シートを作製した。得られた炭素繊維シート等の物性測定結果も表1に示す。
【0096】
実施例4
抄紙バインダーAと共に、サイズ1〜10mm、比重1.38のメタ系アラミドファイブリッド(抄紙バインダーB/商品名:ノーメックス)を使用し、前駆体繊維と、抄紙バインダーAと、抄紙バインダーBとをそれぞれ93.0質量%、4.0質量%、3.0質量%の組成で混抄して前駆体繊維粗シートを得、この前駆体繊維粗シートを更にPVA水溶液により樹脂処理して樹脂付着量3.0質量%の前駆体繊維粗シートを圧縮処理した以外は実施例1に準じて表1に示す条件で炭素繊維シートを作製した。得られた炭素繊維シート等の物性測定結果も表1に示す。
【0097】
【表1】
Figure 2004027435
【0098】
実施例5
前駆体繊維に、繊維直径13μm、比重1.43、平均カット長5.0mmのフェノール系繊維を使用し、更に抄紙バインダーAと共に、サイズ1〜10mm、比重1.38のメタ系アラミドファイブリッド(抄紙バインダーB/商品名:ノーメックス)を使用し、前駆体繊維と、抄紙バインダーAと、抄紙バインダーBとをそれぞれ93.0質量%、4.0質量%、3.0質量%の組成で混抄して前駆体繊維粗シートを得、この前駆体繊維粗シートを更にPVA水溶液により樹脂処理して樹脂付着量4.0質量%の前駆体繊維粗シートを圧縮処理した以外は実施例1に準じて表2に示す条件で炭素繊維シートを作製した。得られた炭素繊維シート等の物性測定結果も表2に示す。
【0099】
比較例1
抄紙バインダーAと共に、サイズ1〜10mm、比重1.38のメタ系アラミドファイブリッド(抄紙バインダーB/商品名:ノーメックス)を使用し、前駆体繊維と、抄紙バインダーAと、抄紙バインダーBとをそれぞれ89.0質量%、4.0質量%、7.0質量%の組成で混抄して前駆体繊維粗シートを得、この前駆体繊維粗シートを更にPVA水溶液により樹脂処理して樹脂付着量4.0質量%の前駆体繊維粗シートを、金属加熱ローラーにて、温度80℃、圧力2MPaの条件下、圧縮処理を行った以外は実施例1に準じて表2に示す条件で炭素繊維シートを作製した。得られた炭素繊維シート等の物性測定結果も表2に示す。
【0100】
表2中×で示す箇所が本発明の構成から逸脱している。
【0101】
比較例2
抄紙バインダーAと共に、サイズ1〜10mm、比重1.38のメタ系アラミドファイブリッド(抄紙バインダーB/商品名:ノーメックス)を使用し、前駆体繊維と、抄紙バインダーAと、抄紙バインダーBとをそれぞれ86.0質量%、7.0質量%、7.0質量%の組成で混抄して前駆体繊維粗シートを得、この前駆体繊維粗シートを更にPVA水溶液により樹脂処理して樹脂付着量4.0質量%の前駆体繊維粗シートを、金属加熱ローラーにて、温度350℃、圧力50MPaの条件下、圧縮処理を行った以外は実施例1に準じて表2に示す条件で炭素繊維シートを作製した。得られた炭素繊維シート等の物性測定結果も表2に示す。
【0102】
表2中×で示す箇所が本発明の構成から逸脱している。
【0103】
比較例3
抄紙バインダーAと共に、サイズ1〜10mm、比重1.38のメタ系アラミドファイブリッド(抄紙バインダーB/商品名:ノーメックス)を使用し、前駆体繊維と、抄紙バインダーAと、抄紙バインダーBとをそれぞれ75.0質量%、10.0質量%、15.0質量%の組成で混抄して前駆体繊維粗シートを得、この前駆体繊維粗シートを更にPVA水溶液により樹脂処理して樹脂付着量4.0質量%の前駆体繊維粗シートを、金属加熱ローラーにて、温度250℃、圧力20MPaの条件下、圧縮処理を行った以外は実施例1に準じて表2に示す条件で炭素繊維シートを作製した。得られた炭素繊維シート等の物性測定結果も表2に示す。
【0104】
表2中×で示す箇所が本発明の構成から逸脱している。
【0105】
【表2】
Figure 2004027435
【0106】
【発明の効果】
本発明の炭素繊維シートは、導電性が高く、ガス拡散性に優れ、表面平滑性に優れ、適度な柔軟性に富んでおり、高分子型燃料電池電極材として優れた特性を示す。
【0107】
本発明の炭素繊維シートの製造方法によれば、原料繊維として用いている前駆体繊維は、繊維伸度が高く、抄紙時の加工性が良いので、抄紙して得られる前駆体繊維粗シートの強度が高い。また、抄紙工程においては、微粉末やケバの発生が少ない利点を有し、且つ加工コストが安価である。
【0108】
なお、上記前駆体繊維は短繊維であるため分散性に優れ、厚さや目付が均質な前駆体繊維シートを得ることができる。しかも、この前駆体繊維シートを焼成して得られる炭素繊維シートの厚さや目付も均質である。
【0109】
また、本発明の炭素繊維シートの製造方法によれば、前駆体繊維と抄紙バインダーとの混抄によりシート化しているので、得られる前駆体繊維粗シートは、強度が高く、焼成後の炭素繊維シートの強度を向上させるに適度な剛軟性も有している。
【0110】
更に、本発明の炭素繊維シートの製造方法によれば、抄紙して得られる前駆体繊維粗シートに圧縮処理を施しているので、得られる前駆体繊維シートは、強度や賦形性が向上され、且つ厚さの低減化が促進される。更に、焼成後の炭素繊維シートについても、強度や賦形性が向上され、且つ厚さの低減化が促進される。

Claims (5)

  1. 炭素含有率が99質量%以上、且つ炭素繊維含有率が90質量%以上の炭素繊維シートであって、炭素繊維の繊維長が2〜10mmであり、炭素繊維の5質量%以上が扁平度(長径/短径)1.1以上である炭素繊維シート。
  2. 厚さが0.05〜0.6mm、空隙率が70〜90体積%である請求項1に記載の炭素繊維シート。
  3. 厚さ方向の電気比抵抗値が12.5Ωcm以下である請求項1に記載の炭素繊維シート。
  4. 繊維長2〜12mm、繊維直径6〜25μmの炭素繊維前駆体繊維90〜99.5質量%と、少なくともその0.5質量%が炭素化する抄紙バインダー0.5〜10質量%とを混抄して前駆体繊維粗シートを得、次いで前記前駆体繊維粗シートを温度120〜500℃、圧力5〜30MPaで圧縮処理して前駆体繊維シートを得、その後、前記前駆体繊維シートを不活性ガス雰囲気下、1300〜2500℃の温度で焼成し炭素化する炭素繊維シートの製造方法。
  5. 繊維長2〜12mm、繊維直径6〜25μmの炭素繊維前駆体繊維90〜99.5質量%と、少なくともその0.5質量%が炭素化する抄紙バインダー0.5〜10質量%とを混抄して前駆体繊維粗シートを得、次いで前記前駆体繊維粗シートを樹脂処理して樹脂を10.0質量%以下の範囲で添着させた後、温度120〜500℃、圧力5〜30MPaで圧縮処理して前駆体繊維シートを得、その後、前記前駆体繊維シートを不活性ガス雰囲気下、1300〜2500℃の温度で焼成し炭素化する炭素繊維シートの製造方法。
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