JP4705379B2 - 炭素繊維シートの製造方法 - Google Patents
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A:繊維長2.0〜15.0mmの酸化繊維
B:残炭率30〜70質量%を有する有機高分子
C:残炭率0.5〜20.0質量%を有する有機高分子
について、A成分の配合量50〜95質量部、B成分の配合量50〜5質量部、B成分に対するC成分の配合割合C/B0.3〜5.0で混合含有してなる酸化繊維粗シートを、100〜350℃の温度下、圧力0.30〜20MPaの条件で熱圧縮処理して、嵩密度1.0〜0.2g/cm3の酸化繊維シートを得、次いでこれを不活性ガス雰囲気下、1300〜2500℃の温度で焼成し炭素化する炭素繊維シートの製造方法。
本発明の炭素繊維シートの製造用原料酸化繊維シートは、後述する、所定繊維長の酸化繊維のA成分と、高残炭率を有する有機高分子のB成分と、低残炭率を有する有機高分子のC成分とを混合含有してなる酸化繊維シートである。
A成分は、例えば市販のポリアクリロニトリル(PAN)系繊維を空気中、高温で処理することにより環化反応を生じさせ、酸素結合量を増加させて不融化、難燃化させる耐炎化処理によって得られる酸化繊維を用いることができる。
B成分は、残炭率30〜70質量%を有する有機高分子である。この有機高分子は、後述するC成分と比較して高残炭率を有し、炭素化時及び炭素化後にバインダー成分として作用するためシートの強度保持性に優れている。
C成分は、残炭率0.5〜20.0質量%を有する有機高分子である。この前記B成分と比較して低残炭率を有する有機高分子としては、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維などが利用できる。ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチルテレフタレート(PBT)繊維、ポリアリレート(PAT)繊維、及びそれらに類する共重合物からなる複合繊維などが例示できる。ポリオレフィン繊維としては、ポリプロピレン(PP)繊維、及びそれに類する共重合物からなる複合繊維などが例示できる。
上述したA成分と、B成分と、C成分とを、例えば湿式抄紙して酸化繊維粗シートにする。
上述した酸化繊維粗シートを、100〜350℃の温度下、圧力0.30〜20MPaの条件で熱圧縮処理による均質化処理を施して酸化繊維シートにする。この熱圧縮処理により、均質化処理後の酸化繊維シートは、嵩密度が1.0〜0.2g/cm3に制御される。
上記酸化繊維シートは、窒素等の不活性ガス雰囲気下、500℃を経由して1300〜2500℃で焼成し炭素化して炭素繊維シートを得る。1300℃の温度に至る経過は、ある程度時間をかけて昇温することが好ましい。昇温は、直線的に、段階的に、更には曲線的に適宜温度を高めることが好ましい。
A成分(繊維太さ1.3dtex、比重1.35、繊維長5.0mmのPAN系酸化繊維)と、B成分(残炭率50質量%、繊維長1.20mmのアラミドファイブリッド)と、C成分(残炭率17.0質量%、繊維太さ2.50dtex、繊維長5.0mmのPET繊維)とを表1に示す配合割合で混合し、湿式抄紙し、PAN系酸化繊維粗シートを得た。この粗シートを温度120℃、圧力0.5MPaの条件下に圧縮処理することにより、表1に示す酸化繊維シートを得た。この酸化繊維シートを窒素ガス雰囲気下、500℃で10分間、2000℃で10分間焼成することにより表1に示す炭素繊維シートを得た。尚、残炭率は繊維の分子量、架橋成分量により調整した。
A成分と、B成分と、C成分とを表1に示す配合割合で混合した以外は、実施例1と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表1に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表1に示す炭素繊維シートを得た。
A成分に繊維太さ2.2dtex、比重1.42、繊維長5.0mmのPAN系酸化繊維を用い、A成分と、B成分と、C成分とを表1に示す配合割合で混合した以外は、実施例1と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表1に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表1に示す炭素繊維シートを得た。
A成分に繊維太さ2.2dtex、比重1.42、繊維長5.0mmのPAN系酸化繊維を用いた以外は、実施例2と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表1に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表1に示す炭素繊維シートを得た。
A成分に繊維太さ3.3dtex、比重1.43、繊維長5.0mmのPAN系酸化繊維を用いた以外は、実施例2と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表1に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表1に示す炭素繊維シートを得た。
A成分と、B成分と、C成分とを表2に示す配合割合で混合した以外は、実施例3と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表2に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表2に示す炭素繊維シートを得た。
A成分と、B成分と、C成分とを表2に示す配合割合で混合した以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表2に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表2に示す炭素繊維シートを得た。
A成分と、B成分と、C成分とを表2に示す配合割合で混合した以外は、実施例2と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表2に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表2に示す炭素繊維シートを得た。
A成分に繊維太さ2.2dtex、比重1.42、繊維長3.0mmのPAN系酸化繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表3に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表3に示す炭素繊維シートを得た。
A成分に繊維太さ2.2dtex、比重1.42、繊維長14.0mmのPAN系酸化繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表3に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表3に示す炭素繊維シートを得た。
A成分に繊維太さ2.2dtex、比重1.42、繊維長1.5mmのPAN系酸化繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表3に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表3に示す炭素繊維シートを得た。
A成分に繊維太さ2.2dtex、比重1.42、繊維長16.0mmのPAN系酸化繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表3に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表3に示す炭素繊維シートを得た。
B成分に残炭率35質量%、繊維長5.0mmのPAN系繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表4に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表4に示す炭素繊維シートを得た。
B成分に残炭率65質量%、繊維長5.0mmのフェノールノボラック繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表4に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表3に示す炭素繊維シートを得た。
B成分に残炭率25質量%、繊維長5.0mmのフェノールノボラック繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表4に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表4に示す炭素繊維シートを得た。
B成分に残炭率75質量%、繊維長5.0mmのフェノールノボラック繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表4に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表4に示す炭素繊維シートを得た。
C成分に残炭率7.0質量%、繊維太さ2.11dtex、繊維長5.0mmのポリビニルアルコール系繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表5に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表5に示す炭素繊維シートを得た。
C成分に残炭率0.3質量%、繊維太さ2.15dtex、繊維長5.0mmのポリエチレン繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表5に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表5に示す炭素繊維シートを得た。
C成分に残炭率25.0質量%、繊維太さ2.00dtex、繊維長5.0mmのフェノールノボラック繊維を用いた以外は、実施例4と同様に湿式抄紙、圧縮処理して表5に示す酸化繊維シートを得、次いでこれを焼成して表5に示す炭素繊維シートを得た。
Claims (3)
- 以下の3成分A、B、C
A:繊維長2.0〜15.0mmの酸化繊維
B:残炭率30〜70質量%を有する有機高分子
C:残炭率0.5〜20.0質量%を有するポリエステル系繊維
について、A成分の配合量50〜95質量部、B成分の配合量50〜5質量部、B成分に対するC成分の配合割合C/B0.3〜5.0で混合含有してなる酸化繊維粗シートを、100〜120℃の温度下、圧力0.30〜0.5MPaの条件で熱圧縮処理して、嵩密度1.0〜0.2g/cm3の酸化繊維シートを得、次いでこれを不活性ガス雰囲気下、1300〜2500℃の温度で焼成し炭素化する炭素繊維シートの製造方法。 - A成分が繊維太さ0.8〜3.3dtex、繊維長2.0〜15.0mmの酸化繊維である請求項1に記載の炭素繊維シートの製造方法。
- B成分が芳香族ポリアミドである請求項1に記載の炭素繊維シートの製造方法。
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