JP3442061B2 - 扁平炭素繊維紡績糸織物構造材 - Google Patents

扁平炭素繊維紡績糸織物構造材

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JP3442061B2
JP3442061B2 JP2001160232A JP2001160232A JP3442061B2 JP 3442061 B2 JP3442061 B2 JP 3442061B2 JP 2001160232 A JP2001160232 A JP 2001160232A JP 2001160232 A JP2001160232 A JP 2001160232A JP 3442061 B2 JP3442061 B2 JP 3442061B2
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spun yarn
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fiber spun
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、通電材(ア−ス用
構造材、電極材)等に用いる扁平炭素繊維紡績糸織物構
造材に関する。 【0002】 【従来の技術】炭素材料は、その導電性、耐熱性、耐薬
品安定性に優れ、電極材等の通電材に広く用いられてい
る。炭素材料のうちでも炭素繊維は、形態が繊維である
ため、柔軟性、加工性、成形性に優れていることを特徴
としている。近年、この炭素繊維の特徴を活かした電極
材が開発され、応用されている。 【0003】電極材など通電性を利用する用途には、特
に軽量、小型化の要望により、薄型のシート状物が望ま
れている。 【0004】また、電極材において電気化学反応を利用
するものについては、通電性とガス透過性に優れている
と同時に、片面に疎水性(撥水性)を付与することや、
触媒特性を付与することへの要望がある。 【0005】この場合には、片面に撥水性の樹脂や触媒
と樹脂等の混合物等を塗布加工することが必要となる。
なお、炭素繊維を用いたシート状物の片面に樹脂等を塗
布した場合、塗布液がシート状物の非塗布面に滲み出さ
ないことも要望される。 【0006】炭素繊維を用いたシート状物としては、
(1)C/Cペーパー(シート状の炭素繊維強化炭素材
料)、(2)炭素繊維フィラメント織物、(3)炭素繊
維不織布、並びに、(4)炭素繊維紡績糸織物などが例
示され、それぞれ以下のような特徴がある。 【0007】なお、これらのシート状物において、用い
られる炭素繊維の単繊維の直径は約4〜25μm程度で
ある。 【0008】(1)C/Cペーパー(シート状の炭素繊
維強化炭素材料) C/Cペーパーは、例えば炭素繊維カットファイバーを
抄紙して炭素繊維紙を得、この炭素繊維紙に30〜60
質量%の樹脂を含浸させた後、圧縮処理し、次いで焼成
を行うことにより得られる。 【0009】得られたC/Cペーパーは、シート面(表
面/裏面)の平滑性が高い、並びに、樹脂やセラミック
スで片面を塗布処理する際における、塗布物の裏面への
滲み出しは無い等の特徴がある。 【0010】しかし、C/Cペーパーは、硬く、脆く、
柔軟性がない為、連続的な片面加工が難しいという問題
がある。。 【0011】(2)炭素繊維フィラメント織物 炭素繊維フィラメント織物は、例えば炭素繊維フィラメ
ントを500〜500,000本束ねた繊維束を製織す
ることによって得られる。 【0012】得られた炭素繊維フィラメント織物は、両
面又は片面を樹脂で塗布処理した後、炭素繊維強化樹脂
構造材として利用されている。 【0013】この織物中には、炭素繊維フィラメント扁
平織物が存在する。 【0014】炭素繊維フィラメント織物は、炭素繊維フ
ィラメントの向きが織物の面方向に揃っていて、嵩密度
が高い、薄物化が可能、並びに、織物の面方向の熱伝導
率及び電気伝導率が高い等の特徴がある。 【0015】また、炭素繊維フィラメント織物は、片面
を塗布処理する際、裏面への塗布物の滲み出しが少ない
ことも特徴としている。 【0016】しかし、炭素繊維フィラメント織物は、炭
素繊維フィラメント収束性向上を目的として樹脂コ−ト
(サイズ剤)が付与される為、しかも上記したように炭
素繊維フィラメントの向きが織物の面方向に揃っている
為、上記の炭素繊維紡績糸織物や下記の炭素繊維不織布
よりも厚さ方向の電気伝導率が低い。 【0017】(3)炭素繊維不織布 炭素繊維不織布は、例えばポリアクリロニトリル系酸化
繊維ステ−プルを不織布加工して酸化繊維不織布にし、
これを焼成することにより得られる。 【0018】得られた炭素繊維不織布は、柔軟性があ
る、低コストである、並びに、片面を塗布処理する際、
裏面への塗布物の滲み出しが無い等の特徴がある。 【0019】しかし、炭素繊維不織布は、嵩密度が他の
素材(C/Cペーパー、炭素繊維フィラメント織物、及
び炭素繊維紡績糸織物)に比べ低い、強度が低い等の問
題がある。 【0020】(4)炭素繊維紡績糸織物 炭素繊維紡績糸織物は、例えばポリアクリロニトリル系
酸化繊維ステ−プルを紡績して酸化繊維紡績糸(スパン
ヤーン)にし、これを製織して酸化繊維紡績糸織物にし
た後、焼成することにより得られる。 【0021】得られた炭素繊維紡績糸織物は、C/Cペ
ーパーに比べると柔軟性がある、炭素繊維不織布に比べ
ると強度が高い、並びに、炭素繊維フィランメント織物
に比べると嵩高で、厚さ方向への繊維配列度が高い為、
ガス透過性及び通電性に優れている等の特徴がある。 【0022】しかし、炭素繊維紡績糸織物は、炭素繊維
紡績糸織物の片面を樹脂で処理する場合は、紡績糸間の
隙間より塗布物が裏面に滲み出し易く、通電性が低下す
る、裏面に滲み出した塗布物が、工程中の接触部に付
着、硬化し織物表面を損傷(キズ、切断、筋)を生じせ
しめる等の問題がある。 【0023】以上のように、従来のシート状物では、片
面のみに目的とする所期の機能を付与することのできる
炭素繊維構造材は得られていない。 【0024】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記問題
を解決すべく鋭意検討の結果、結晶サイズを適正にした
黒鉛結晶を含む、扁平度を適正にした炭素繊維紡績糸か
らなる織物構造材であり、その織物の、厚さ方向の比抵
抗値、炭素繊維紡績糸間の間隔、及び目隙度を低く抑え
た炭素繊維紡績糸織物構造材が、炭素繊維を用いたシー
ト状物として優れた物性を有することを知得し、本発明
を完成するに至った。 【0025】従って、本発明の目的とするところは、上
述した問題点を解決した、より具体的には、薄くて、厚
さ方向の通電性に優れた、片面の樹脂、触媒又はセラミ
ックス処理時に反対面への処理材の滲み出しの少ない炭
素繊維織紡績糸構造材を提供することにある。 【0026】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、以下に記載するものである。 【0027】〔1〕 黒鉛結晶を含む炭素繊維紡績糸か
らなる織物構造材であり、且つ織物の厚さ方向の比抵抗
値が7Ωcm以下であり、X線回折における黒鉛結晶サイ
ズが1.3〜4.5nmであり、炭素繊維紡績糸の断面
の最大直径(L1)と、炭素繊維紡績糸の断面の最小直
径(L2)とで示される炭素繊維紡績糸の扁平度(L1
2)が2.5〜11.0であり、炭素繊維紡績糸間の
間隔である織糸ピッチ(L3)が炭素繊維紡績糸の断面
の最大直径(L1)の1.3倍以下であり、織物に光を
照射させたときの対象となった織物の全面積(A1
と、炭素繊維紡績糸の非存在部である透過光部の全面積
(A2)とで示される織物の目隙度{(A2/A1)×1
00}が7%以下である扁平炭素繊維紡績糸織物構造
材。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 【0029】本発明の炭素繊維紡績糸織物構造材は、黒
鉛結晶を含む炭素繊維紡績糸からなる織物構造材であっ
て、織物の厚さ方向の電気抵抗値(比抵抗値)が7Ωcm
以下、好ましくは0.001〜7Ωcmであり、X線回折
における黒鉛結晶サイズが1.3〜4.5nmである炭
素繊維紡績糸織物構造材である。 【0030】炭素繊維紡績糸織物構造材の電気抵抗値は
炭素含有成分の黒鉛化度(炭素化度)が進むほど低い値
を示す。この黒鉛化度の指標は、X線回折における黒鉛
結晶サイズ(X線結晶サイズ)にて示すことができる。 【0031】X線結晶サイズが1.3nmより低い場合
は、厚さ方向の電気抵抗値が増加するので好ましくな
い。 【0032】X線結晶サイズが4.5nmより高い場合
は、炭素繊維紡績糸織物の強度が低下する、炭素微粉末
発生量が増加する等の問題があるので好ましくない。 【0033】本発明の炭素繊維紡績糸織物構造材におい
て、炭素繊維紡績糸の扁平度(L1/L2)は2.5〜1
1.0が好ましく、2.5〜10.0が更に好ましい。 【0034】炭素繊維紡績糸の扁平度が2.5より低い
場合は、炭素繊維紡績糸織物の片面を樹脂で塗布処理す
る時、樹脂(塗布物)が裏面へ滲み出し易い、炭素繊維
紡績糸織物の薄物が得にくい、表面の平滑性が低下する
ことにより隣接の部材との接触抵抗が増加する等の問題
があるので好ましくない。 【0035】炭素繊維紡績糸の扁平度が11.0より高
い場合は、炭素繊維紡績糸織物の片面を樹脂で処理する
時、裏面へ滲み出しにくくなるが、炭素繊維紡績糸織物
の強度が低下する、炭素微粉末の発生が増加する等の問
題があるので好ましくない。 【0036】この炭素繊維紡績糸の扁平度は、例えば織
物を構成している紡績糸の断面の電子顕微鏡写真より、
紡績糸の断面の最大直径(L1)と最小直径(L2)とを
測定し、その比率(L1/L2)を算出することにより求
めることができる。 【0037】また、本発明の炭素繊維紡績糸織物構造材
は、炭素繊維紡績糸間の間隔である織糸ピッチ(L3
が炭素繊維紡績糸の断面の最大直径(L1)の1.3倍
以下であることが好ましく、0.0001〜1.30で
あることが更に好ましい。 【0038】織糸ピッチ(L3)が炭素繊維紡績糸の断
面の最大直径(L1)の1.3倍を超える場合は、炭素
繊維紡績糸織物の片面を樹脂で処理する場合、紡績糸間
の隙間より塗布物が裏面に滲み出し易くなるので好まし
くない。 【0039】この織糸ピッチ(L3)も、紡績糸の断面
の最大直径(L1)や最小直径(L2)と同様に、例えば
織物を構成している紡績糸の断面の電子顕微鏡写真より
求めることができる。 【0040】なお、炭素繊維紡績糸の断面の最大直径
(L1)、最小直径(L2)、並びに、炭素繊維紡績糸間
の間隔である織糸ピッチ(L3)は、図1に示す炭素繊
維紡績糸の断面概略図に示される通りである。 【0041】更に、本発明の炭素繊維紡績糸織物構造材
は、織物に光を照射させたときの対象となった織物の全
面積(A1)と、炭素繊維紡績糸の非存在部である透過
光部の全面積(A2)とで示される織物の目隙度{(A2
/A1)×100}が7%以下であることが好ましく、
0.01〜7%であることが更に好ましい。 【0042】この目隙度が7%を超える場合は、炭素繊
維紡績糸織物の片面を樹脂で処理する時、樹脂が裏面へ
滲み出し易い、織物の厚さ方向の電気抵抗値が増加する
等の問題があるので好ましくない。 【0043】この炭素繊維紡績糸織物構造材の目隙度
は、例えば光源の上に織物をのせ、上方より顕微鏡撮影
し、得られた画像を画像解析し、測定対象織物の全面積
(A1)と透過光部(紡績糸の非存在部)の面積(A2
とを測定し、これらの値から式{(A2/A1)×10
0}により目隙度(%)を算出して求めることができ
る。 【0044】更にまた、本発明の炭素繊維紡績糸織物構
造材は、その厚さが0.15〜0.7mmであることが
好ましい。 【0045】厚さが0.15mm未満の場合は、炭素繊
維紡績糸織物の強度が低い、加工時に切断、伸び発生し
易くなる、加工性が悪い等の問題があるので好ましくな
い。 【0046】厚さが0.7mmを超える場合は、他部材
との接触面積が低下して厚さ方向の電気抵抗値が増加す
る等の問題があるので好ましくない。 【0047】本発明の炭素繊維紡績糸織物構造材は、目
付が30〜150g/m2であることが好ましい。 【0048】目付が30g/m2より低い場合は、炭素
繊維紡績糸織物の片面を樹脂で処理する時、樹脂が裏面
へ滲み出し易い、織物の強度が低下する、織物の厚さ方
向の電気抵抗値が増加する等の問題があるので好ましく
ない。 【0049】目付が150g/m2より高い場合は、織
物の厚さ方向の電気抵抗値が増加する、紡績糸の扁平化
加工が難しい等の問題があるので好ましくない。 【0050】本発明の炭素繊維紡績糸織物構造材は、嵩
密度が0.20〜0.45g/cm 3であることが好ま
しい。 【0051】嵩密度が0.20g/cm3より低い場合
は、織物の厚さ方向の電気抵抗値が増加する等の問題が
あるので好ましくない。 【0052】嵩密度が0.45g/cm3より高い場合
は、織物の柔軟性が低下して剛直になり易い等の問題が
あるので好ましくない。 【0053】以上の物性にすることにより、本発明の炭
素繊維紡績糸織物構造材は、片面を樹脂で処理する時、
樹脂の裏面への滲み出し率を3%以下に抑えることがで
きる。 【0054】3%を超える場合は、他部材との接触面積
が低下して厚さ方向の電気抵抗値が増加する、織物構造
材の柔軟性が低下する等の問題があるので好ましくな
い。 【0055】本発明の炭素繊維紡績糸織物構造材の製造
方法は、特に限定されるものではないが、以下の方法で
製造することができる。 【0056】ポリアクリロニトリル系のプリカーサーを
酸化処理して酸化繊維を得る。得られた酸化繊維を、特
定の撚り数(100〜800回/m)で精紡して酸化繊
維紡績糸を得る。得られた酸化繊維紡績糸を酸化繊維の
太さ(15〜25番手単糸、又は30〜50番手双糸)
に応じて、酸化繊維紡績糸の打ち込み本数を4〜24本
/cmに調整して製織することにより酸化繊維織物を得
る。得られた酸化繊維織物を樹脂処理又は樹脂処理せず
に圧縮処理し、酸化繊維織物中の紡績糸を扁平化し、紡
績糸間の隙間を最大限減少させた後、炭素化・黒鉛化
(以下、「炭素化」という)することにより目的の炭素
繊維紡績糸織物構造材を得ることができる。 【0057】ポリアクリロニトリル系のプリカーサーと
しては、ポリアクリロニトリルモノマー90〜98質量
%と、アクリル酸メチルエステル、アクリルアミド、イ
タコン酸等のビニルモノマ−等のコモノマ−とを重合し
たものを用いることができる。 【0058】前記プリカ−サ−を空気中で、初期酸化温
度220〜250℃で10〜60分酸化処理後、温度勾
配0.2〜0.9℃/minで最高温度250〜280
℃まで酸化処理することにより酸化繊維を得ることがで
きる。 【0059】この酸化繊維の繊度は0.8〜4.4dt
exが好ましい。 【0060】繊度の調整は、用いられるプリカ−サ−の
繊度、酸化時のリラックス条件により実施することがで
きる。 【0061】酸化繊維の繊度が0.8dtexより低い
場合は、単繊維の強力が低い為、紡績加工時に糸切れが
生じ易い、繊維の収束(分散性低下)により、加工性が
低下する等の問題があるので好ましくない。 【0062】酸化繊維の繊度が4.4dtexより高い
場合は、酸化時間が長時間となり、生産性が悪い、炭素
化時に繊維強度低下し微粉末が多量に発生する等の問題
があるので好ましくない。 【0063】酸化繊維の比重は1.36〜1.44が好
ましい。 【0064】酸化繊維の比重が1.36より低い場合
は、炭素化時に炭素繊維強度が劣化する、炭素繊維微粉
末が発生する等の問題があるので好ましくない。 【0065】酸化繊維の比重が1.44より高い場合
は、酸化繊維の強度及び伸度が低下する、織物加工が難
しい等の問題があるので好ましくない。 【0066】酸化繊維の乾強度は:0.9g/dtex
以上が好ましく、0.9〜100g/dtexが更に好
ましい。 【0067】酸化繊維の乾強度が0.9g/dtexよ
り低い場合は、紡績加工性が低下するので好ましくな
い。 【0068】酸化繊維の乾伸度は8%以上が好ましく、
8〜100%が更に好ましい。 【0069】酸化繊維の乾伸度が8%より低い場合は、
紡績加工性が低下するので好ましくない。 【0070】酸化繊維の結節強度は0.6g/dtex
以上が好ましく、0.6〜100g/dtexが更に好
ましい。 【0071】酸化繊維の結節強度が0.6g/dtex
より低い場合は、紡績加工性が低下する、炭素繊維織物
の強度が低下する等の問題があるので好ましくない。 【0072】酸化繊維の結節伸度は5%以上が好まし
く、5〜100%が更に好ましい。 【0073】酸化繊維の結節伸度が5%より低い場合
は、紡績加工性が低下する、炭素織物の強度が低下する
等の問題があるので好ましくない。 【0074】得られた酸化繊維を定長カット又はトウリ
アクタ−でバイアスカットした短繊維を得、得られた短
繊維を紡績し糸とする。 【0075】カットした後の短繊維の平均長は、25〜
65mmが好ましい。この範囲以外の場合は紡績時糸切
れがあるので好ましくない。 【0076】短繊維のクリンプ率は、8〜25%が好ま
しい。 【0077】クリンプ率が8%より低い場合は、繊維同
士の絡み合いが少なく、紡績加工時糸切れを生じ易いの
で好ましくない。 【0078】クリンプ率が25%より高い場合は、短繊
維強度が低下し、紡績加工時糸切れを生じ易いので好ま
しくない。 【0079】短繊維のクリンプ数は、2.4〜5.5ヶ
/cmが好ましい。 【0080】クリンプ数が2.4ヶ/cmより低い場合
は、繊維同士の絡み合いが少なく、紡績加工時糸切れを
生じ易いので好ましくない。 【0081】クリンプ数が5.5ヶ/cmより高い場合
は、短繊維強度が低下し、クリンプ加工時繊維切れを生
じ易いので好ましくない。 【0082】酸化繊維を所定の長さにカット又はバイア
スカットした短繊維の綿状物を紡績加工すると共に撚り
を加えて酸化繊維紡績糸を得る。 【0083】得られた酸化繊維紡績糸の太さは、15番
手単糸〜25番手単糸又は30番手双糸〜50番手双糸
が好ましい。 【0084】酸化繊維紡績糸の撚り数は、上撚り又は下
撚りの何れの場合も100〜800回/mが好ましい。 【0085】撚り数が100回/m未満の場合は、圧縮
処理時扁平度の高い紡績糸の織物が得られるが、紡績糸
強度が低いため、製織時に紡績糸切れが発生し、製織加
工性が低下する、炭素繊維紡績糸織物強度が著しく低下
する等の問題があるので好ましくない。 【0086】撚り数が800回/mを超える場合は、紡
績糸織物の加工性は良いが、圧縮加工による、紡績糸の
扁平化が難しい、織物の表面平滑性が低下する等の問題
があるので好ましくない。 【0087】酸化繊維紡績糸の短繊維本数は、90〜9
00本/紡績糸が好ましい。 【0088】次いで、得られた酸化繊維紡績糸を酸化繊
維の太さ(15〜25番手単糸、又は30〜50番手双
糸)に応じて、酸化繊維紡績糸の打ち込み本数を調整し
て製織することにより酸化繊維織物を得る。 【0089】得られた酸化繊維織物を、必要に応じて樹
脂処理し、圧縮処理し、炭素化した後の炭素繊維紡績糸
織物は、カット時、目ズレの少ない、且つ賦形性のよい
平織の形態が好ましい。 【0090】この炭素繊維紡績糸織物は、厚さが0.5
〜2.0mm、嵩密度が0.15〜0.45g/c
3、目付が70〜250g/m2のものが好ましい。 【0091】この炭素繊維紡績糸織物を得るには、酸化
繊維紡績糸の製織において酸化繊維紡績糸織物中の紡績
糸の打ち込み本数を4〜24本/cmとすることが好ま
しい。 【0092】酸化繊維紡績糸の製織において得られた酸
化繊維紡績糸織物の目隙度は3〜10%が好ましい。 【0093】目隙度が3%より小さい場合は、後工程の
圧縮処理時に紡績糸の扁平化が難しい、厚さの低減化効
果が低下する等の問題があるので好ましくない。 【0094】目隙度が10%より大きい場合は、後工程
の圧縮処理時に紡績糸の扁平化は容易であるが、圧縮処
理時に目隙度が大きくなり、炭素化後の炭素繊維紡績糸
織物の目隙度が目標とする目隙度の7%以下に調整する
ことが難しくなるので好ましくない。しかも、炭素化後
の炭素繊維紡績糸織物を、片面に樹脂、触媒加工、セラ
ミックス加工する場合、反対面への滲み出しが生ずるこ
ととなる。 【0095】この不具合を防止するためには、炭素化後
の炭素繊維紡績糸織物の目隙度が7%以下なるように、
あらかじめ酸化繊維紡績糸の太さ及び打ち込み本数を適
正化し酸化繊維紡績糸織物の目隙度を調整することが重
要である。 【0096】紡績糸の太さと、樹脂処理及び圧縮処理条
件と、紡績糸の扁平度とを考慮に入れ、圧縮処理時に紡
績糸が面方向に拡繊し、目的の扁平度になるよう、圧縮
処理前の酸化繊維紡績糸の隙間を僅かではあるが開けて
おく方が好ましい。 【0097】圧縮処理は、樹脂処理なしに行うこともで
きるし、樹脂処理した後に行うこともできる。 【0098】しかし、圧縮処理による扁平化効果(厚さ
低減効果、電気抵抗値低減効果、目隙度低減効果)を発
揮し易くするには、樹脂処理なしに圧縮処理するより
も、あらかじめ樹脂処理後、圧縮処理する方が好まし
い。 【0099】酸化繊維紡績糸織物の樹脂処理は、所定の
濃度の樹脂浴に浸漬し、樹脂を10.0質量%以下の範
囲で付着させることが好ましい。 【0100】樹脂の付着量が10.0質量%より多い場
合は、炭素繊維紡績糸織物の柔軟性が損なわれ、脆性が
高くなる。 【0101】樹脂処理に用いる樹脂は、ポリアクリル酸
エステル、カルボキシメチルセロ−ズ及びポリビニルア
ルコ−ル等の取扱性の良い水溶性の樹脂が好ましい。 【0102】樹脂浴の濃度は、0.1〜5.0質量%が
好ましい。 【0103】酸化繊維紡績糸織物は、樹脂処理後、又は
樹脂処理せずに圧縮処理を行う。 【0104】圧縮処理温度は150〜250℃が好まし
い。 【0105】圧縮処理温度が150℃より低い場合は、
扁平効果が低下するので好ましくない。 【0106】圧縮処理温度が250℃より高い場合は、
扁平効果は大きいが、圧縮処理後の酸化繊維紡績織物構
造体の強度が低下する、炭素化時の炭素繊維紡績糸織物
構造体の強度低下による炭素微粉末が発生する等の問題
があるので好ましくない。 【0107】圧縮処理時の圧力は10〜100MPaが
好ましい。 【0108】圧力が10MPaより低い場合は、扁平効
果が低下するので好ましくない。 【0109】圧力が100MPaより高い場合は、扁平
効果は大きいが、圧縮処理後の酸化繊維紡績織物の強度
が低下する、炭素化時の炭素繊維紡績糸織物の強度が低
下する、炭素微粉末が発生する等の問題があるので好ま
しくない。 【0110】圧縮処理に用いる圧力装置は、ホットプレ
ス、熱ローラー等のいずれの装置でも良い。厚さを目的
の寸法に調整する場合、プレス板上下間又はロ−ラ上下
間に、所定の厚さゲ−ジを、処理すべき酸化繊維の両面
に設置しても良い。 【0111】圧縮処理した酸化繊維紡績糸織物は、不活
性ガス雰囲気下に加熱し、連続的に炭素化する。 【0112】不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘ
リウム等を用いることができる。 【0113】炭素化温度は1300〜2500℃が好ま
しい。 【0114】炭素化温度が1300℃より低い場合は、
電気抵抗値が増加するので好ましくない。 【0115】炭素化温度が2500℃より高い場合は、
電気抵抗値は低下して安定するが、炭素繊維紡績糸織物
構造材の強度が低下する、炭素微粉末が発生する等の問
題があるので好ましくない。 【0116】酸化繊維紡績糸織物の炭素化工程におい
て、得られる炭素繊維紡績糸織物構造材の電気抵抗値は
炭素含有成分の黒鉛化度(炭素化度)が進むほど低い値
を示す。この黒鉛化度の指標は、X線回折における黒鉛
結晶サイズ(X線結晶サイズ)にて示すことができる。 【0117】よって、X線結晶サイズは、焼成温度、時
間により調整することができる。 【0118】 【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例により詳述
する。 【0119】以下の実施例及び比較例の条件により紡績
糸、織物等を作製し、得られた紡績糸、織物等の諸物性
値を、以下の方法により測定した。 【0120】厚さ:直径30mmの円形圧板で200g
の荷重(2.8kPa)時の厚さを測定した。 【0121】比重:アルキメデス法(溶媒:アセトン)
により測定した。 【0122】嵩密度:50mm角の織物の120℃、2
hrs乾燥後の質量値と厚さより算出した。 【0123】繊維性能についての、乾強度、乾伸度、結
節強度、結節伸度はJIS L 1015により測定した。 【0124】X線結晶サイズ:広角X線回折測定での2
θのピ−クの半値幅と下記のシェラ−の式より求めた。 【0125】 【数1】 X線結晶サイズ(nm)=(k×λ)/β×cosθ k:装置定数 0.90 λ:X線波長 0.154nm β:2θ=26.0°付近の最大ピ−クの半値幅 通電性(比抵抗値):2枚の50mm角(厚さ10m
m)の金メッキした電極に炭素繊維紡績糸織物構造材の
両面を圧力0.1kgf/cm2で両面接触するように
挟み、炭素繊維紡績糸織物構造材の電気抵抗値(R)を
測定し、厚さ(T)と接触面積(S)より下式にて算出
した。 【0126】 【数2】通電性(比抵抗値:Ωcm)=(R×S)/T 樹脂の滲み出し状態:ポリビニルアルコ−ル(PVA:
分子量2,000)の水溶液(粘度10,000mP・S)を用
い、20cm角の炭素繊維紡績糸織物構造材の片面(上
面)に、20〜28℃の温度で塗布量を100〜150
g/m2の範囲で均一に塗布した後、25℃、1時間放
置後の反対面(裏面)の樹脂の滲み出し状態を観察し、
倍率25倍で顕微鏡写真撮影後、画像処理により、裏面
の全面積に対する滲み出し部分の全面積を測定し下記式
により算出した。 【0127】 【数3】滲み出し率%=(樹脂の滲み出し面積/方面の
全面積)×100 紡績糸の扁平度:織物を構成している紡績糸の断面の電
子顕微鏡写真(倍率200倍)より最小直径と最大直径
を測定し、下記式により算出した。 【0128】 【数4】扁平度=紡績糸断面の最大直径/紡績糸断面の
最小直径 紡績糸間ピッチと最大直径の比:織物を構成している紡
績糸の平面の電子顕微鏡写真(倍率200倍)より紡績
糸間隔(L3)を測定し最大直径(L1)を測定し、下記
式により算出した。 【0129】紡績糸間ピッチと最大直径の比=紡績糸間
隔/最大直径 目隙度:1.5×104〜2.5×104ルックスの光源
の上に織物をのせ、上部より倍率100倍で顕微鏡撮影
し、得られた画像を画像解析し、測定対象織物の全面積
(A1)と透過光部(紡績糸の非存在部)の面積(A2
を求める。これらの値より目隙度を下式により算出し
た。 【0130】 【数5】目隙度(%)=(A2/A1)×100 実施例1〜3 繊度2.3dtex、比重1.38、クリンプ数4.3
ケ/cm、クリンプ率12%、乾強度2.8g/dte
x、乾伸度27%、結節強度0.8g/dtex、結節
伸度5%、平均カット長51mmのポリアクリロニトリ
ル(PAN)系酸化繊維ステ−プルを紡績し、上撚り2
50回/m、下撚り550回/mの40番手双糸を得
た。この紡績糸を縦、緯共に織り密度が17本/cmの
平織りを作製した。目付は205g/m2、厚さは0.
57mmであった。更に、ポリビニルアルコール(PV
A)水溶液により樹脂処理した織物(樹脂添着量1.0
%)を、200℃、空気中で、圧縮処理し厚さゲ−ジに
て厚さを調整し、圧縮率を変えて紡績糸断面の扁平率及
び目隙度の異なる酸化繊維織物を作製した。更に焼成温
度を1900℃で窒素ガス雰囲気下で焼成し炭素繊維紡
績糸織物構造材を得た。 【0131】これらの試験条件、及び試験結果を表1に
まとめて示す。 【0132】表1に示すように、得られた炭素繊維紡績
糸織物構造材の各物性は優れたものであった。 【0133】実施例4〜6 繊度2.3dtex,比重1.38、クリンプ数4.3
ケ/cm、クリンプ率12%、乾強度2.8g/dte
x,乾伸度27%、結節強度0.8g/dtex,結節
伸度5% 平均カット長51mmのPAN系酸化繊維ス
テ−プルを紡績し、上撚り250回/m、下撚り550
回/mの40番手双糸を得た。この紡績糸を縦、緯共に
織り密度が17本/cmの平織りを作製した。目付は2
05g/m2、厚さは0.57mmであった。更に、P
VA水溶液により処理した織物(付着量2.0%)を
200℃、空気中、圧縮処理し厚さゲ−ジにて厚さを調
整し、酸化繊維織紡績糸0織物を作製した。更に焼成温
度を1400℃、1700℃、2400℃で窒素ガス雰
囲気下で焼成し炭素繊維紡績糸織物構造材を得た。 【0134】これらの試験条件、及び試験結果を表1に
まとめて示す。 【0135】表1に示すように、得られた炭素繊維紡績
糸織物構造材の各物性は優れたものであった。 【0136】 【表1】 【0137】比較例1、2 繊度2.3dtex,比重1.38、クリンプ数4.3
ケ/cm、クリンプ率12%、乾強度2.8g/dte
x,乾伸度27%、結節強度0.8g/dtex,結節
伸度5% 平均カット長51mmのPAN系酸化繊維ス
テ−プルを紡績し、上撚り250回/m、下撚り550
回/mの40番手双糸を得た。この紡績糸を縦、緯共に
織り密度が17本/cmの平織りを作製した。目付は2
05g/m2、厚さは0.57mmであった。更に、P
VA水溶液により処理した織物(付着量1.0%)を
200℃、空気中で圧縮処理し厚さゲ−ジにて厚さを調
整し、酸化繊維織紡績糸織物を作製した。更に焼成温度
を 1000℃、2800℃で窒素ガス雰囲気下で焼成
し炭素繊維紡績糸織物構造材を得た。 【0138】これらの試験条件、及び試験結果を表2に
まとめて示す。 【0139】表2に示すように、得られた炭素繊維紡績
糸織物構造材は、比較例1、2のいずれも僅かながら樹
脂の滲み出しがあり、不適なものであった。また、比較
例2については加工時に炭素微粉末の発生が大であり、
更に不適なものであった。 【0140】比較例3 繊度2.3dtex,比重1.38、クリンプ数4.3
ケ/cm、クリンプ率12%、乾強度2.8g/dte
x,乾伸度27%、結節強度0.7g/dtex,結節
伸度5% 平均カット長51mmのPAN系酸化繊維ス
テ−プルを紡績し、上撚り250回/m、下撚り550
回/mの65番手双糸を得た。この紡績糸を縦、緯共に
織り密度が22本/cmの平織りを作製した。目付は1
57g/m2、厚さは0.45mmであった。更に、P
VA水溶液により処理した織物(付着量1.0%)を
200℃、空気中、圧縮処理し厚さゲ−ジにて厚さを調
整し、酸化繊維織紡績糸織物を作製した。更に焼成温度
を 1900℃で窒素ガス雰囲気下で焼成し炭素繊維紡
績糸織物構造材を得た。 【0141】これらの試験条件、及び試験結果を表2に
まとめて示す。 【0142】表2に示すように、得られた炭素繊維紡績
糸織物構造材は、樹脂の滲み出しが12質量%と多く、
不適なものであった。 【0143】比較例4 繊度2.3dtex,比重1.38、クリンプ数4.3
ケ/cm、クリンプ率12%、乾強度2.8g/dte
x,乾伸度27%、結節強度0.8g/dtex,結節
伸度 5% 平均カット長51mmのPAN系酸化繊維
ステ−プルを紡績し、上撚り250回/m、下撚り55
0回/mの43番手双糸を得た。この紡績糸を縦、緯共
に織り密度が17本/cmの平織りを作製した。目付は
205g/m2、厚さは0.57mmであった。更に、
PVA水溶液に未処理で、圧縮処理しない酸化繊維紡績
糸織物を焼成温度を1900℃で窒素ガス雰囲気下で焼
成し炭素繊維紡績糸織物構造材を得た。 【0144】これらの試験条件、及び試験結果を表2に
まとめて示す。 【0145】表2に示すように、得られた炭素繊維紡績
糸織物構造材は、樹脂の滲み出しが8質量%と多く、不
適なものであった。 【0146】実施例7 繊度2.3dtex,比重1.38、クリンプ数4.3
ケ/cm、クリンプ率12%、乾強度2.8g/dte
x,乾伸度27%、結節強度0.8g/dtex,結節
伸度 5%、平均カット長51mmのPAN系酸化繊維
ステ−プルを紡績し、上撚り250回/m、下撚り55
0回/mの43番手双糸を得た。この紡績糸を縦、緯共
に織り密度が17本/cmの平織りを作製した。目付は
205g/m2、厚さは0.57mmであった。更に、
PVA水溶液に未処理で、245℃にて圧縮処理した酸
化繊維紡績糸織物を焼成温度を1900℃で窒素ガス雰
囲気下で焼成し炭素繊維紡績糸織物構造材を得た。 【0147】これらの試験条件、及び試験結果を表2に
まとめて示す。 【0148】表2に示すように、得られた炭素繊維紡績
糸織物構造材の各物性は優れたものであった。 【0149】 【表2】【0150】 【発明の効果】本発明の扁平炭素繊維紡績糸織物構造材
は、結晶サイズを適正にした黒鉛結晶を含む、扁平度を
適正にした炭素繊維紡績糸からなる織物構造材であり、
その織物の、厚さ方向の比抵抗値、炭素繊維紡績糸間の
間隔、及び目隙度を低く抑えているので、薄くて、厚さ
方向の通電性に優れた構造材であり、片面の樹脂、触媒
又はセラミックス処理時に反対面への処理材の滲み出し
を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】炭素繊維紡績糸の断面を示す概略図である。 【符号の説明】 L1 炭素繊維紡績糸の断面の最大直径 L2 炭素繊維紡績糸の断面の最小直径 L3 炭素繊維紡績糸間の間隔である織糸ピッチ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−59419(JP,A) 特開 平2−116654(JP,A) 特開2001−226855(JP,A) 特開 平11−1840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 9/12 - 9/32

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 黒鉛結晶を含む炭素繊維紡績糸からなる
    織物構造材であり、且つ織物の厚さ方向の比抵抗値が7
    Ωcm以下であって、X線回折における黒鉛結晶サイズが
    1.3〜4.5nmであり、炭素繊維紡績糸の断面の最
    大直径(L1)と、炭素繊維紡績糸の断面の最小直径
    (L2)とで示される炭素繊維紡績糸の扁平度(L1/L
    2)が2.5〜11.0であり、炭素繊維紡績糸間の間
    隔である織糸ピッチ(L3)が炭素繊維紡績糸の断面の
    最大直径(L1)の1.3倍以下であり、織物に光を照
    射させたときの対象となった織物の全面積(A1)と、
    炭素繊維紡績糸の非存在部である透過光部の全面積(A
    2)とで示される織物の目隙度{(A2/A1)×10
    0}が7%以下である扁平炭素繊維紡績糸織物構造材。
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