JPH09324390A - 炭素繊維紙および多孔質炭素板 - Google Patents

炭素繊維紙および多孔質炭素板

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JPH09324390A
JPH09324390A JP8145537A JP14553796A JPH09324390A JP H09324390 A JPH09324390 A JP H09324390A JP 8145537 A JP8145537 A JP 8145537A JP 14553796 A JP14553796 A JP 14553796A JP H09324390 A JPH09324390 A JP H09324390A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】密度の変化によらず、機械的強度を保ち、厚さ
方向の導電性、熱伝導性を高くし、かつ、密度の変化に
よらず空孔径を変化させた多孔質炭素板の提供。 【解決手段】該炭素繊維紙は、太さ4〜9μm、長さ4
mm以上の炭素短繊維を少なくとも有する太さの異なる
2種類以上の炭素短繊維を含み、最も細い炭素短繊維の
太さ(D1)に対する最も太い炭素短繊維の太さ(D
2)の比(D2/D1)が1.3以上であることを特徴
とする炭素繊維紙。太さ4〜9μmで長さ4mm以上の
炭素短繊維を少なくとも有する太さの異なる2種類以上
の炭素繊維の短繊維を含み、密度ρが300〜850k
g/m3 であり、曲げ強さF[MPa]および厚さ方向
の比抵抗R[Ωm]が下記および式の関係を満足す
ることを特徴とする多孔質炭素板。 F≧ρ/27 ……… R≦0.015×ρ-1/2 ………

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば導電性シ
ート、炭素繊維複合材料、C/Cコンポジット等に用い
られる炭素繊維紙、および、例えばリン酸型燃料電池電
極基材や電解用電極など導電性、耐腐食性、熱伝導性、
強度、多孔性、気体透過性等を生かした用途に好適な多
孔質炭素板に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素短繊維を有機物で結着してなる炭素
繊維紙の物性、例えば紙強度、密度、空孔径、抵抗率
は、紙に含まれる炭素短繊維と有機物の種類と比率によ
って決定される。
【0003】炭素短繊維の種類によって炭素繊維紙の物
性を変えた例としては、例えば特開平2−154099
号公報に、長さの異なる炭素短繊維を組み合わせた例が
開示されている。しかし炭素短繊維の長さが3mmより
長い場合、炭素短繊維の長さを変えることの炭素繊維紙
の強度、密度への影響は小さい。また、太い炭素短繊維
を用いると、炭素繊維紙の強度を高くすることが難し
い。これを解決するために炭素短繊維を結着する有機物
の量を増やすと、導電性が低くなり、また複合材料にし
たとき強度が低下する。
【0004】さらに太い炭素短繊維や弾性率の高い炭素
短繊維を用いると、炭素繊維紙の風合いが硬くなり、巻
き取ることができにくくなる。これを解決するために炭
素短繊維を結着する有機物の量を減らすと、炭素繊維紙
の強度が低くなる。逆に、細い炭素短繊維を用いると、
炭素繊維紙の密度が低くなりにくくなり、空孔径を大き
くできない。これを解決するために、炭素短繊維を結着
する有機物の形、大きさや量によって炭素繊維紙の密度
を低くし、空孔径を大きくすると、導電性が低くなり、
複合材料にしたとき強度が低下する。
【0005】また、リン酸型燃料電池の電極基材に使用
される多孔質炭素板には、導電性が高いこと、すなわち
比抵抗が低いことの他、熱伝導性が高いこと、機械的強
度が高いこと、耐腐食性が高いこと、さらに接触抵抗を
低減するために表面平滑性が高いことなどいろいろな特
性が要求される。
【0006】特開昭63−254669号公報には、実
質的に2次元平面内においてランダムな方向に分散せし
められた炭素短繊維を炭素によって互いに結着してなる
多孔質基材が示されるが、導電性の面で十分であるとは
いえない。
【0007】さらに、この導電性を改善するために、特
開平1−160867号公報には、レゾール型フェノー
ル樹脂とノボラック型フェノール樹脂の混合物を炭素化
して炭素短繊維を結着し、炭素とする方法が示される
が、これでもまだ十分とはいえない。
【0008】特開昭62−10866号公報には、直径
の異なる2種類以上の炭素繊維で構成した炭素質多孔質
の燃料電池電極基板が示されるが、炭素短繊維の長さが
0.1〜3mmであるため、曲げ強さが弱いという問題
点がある。
【0009】特開平4−37699号公報には、太さの
異なる炭素繊維製造用有機繊維を用いた2種類の原料シ
ートを重ねる多層構造多孔質炭素成形体の製造方法が示
されるが、多層構造のために厚さ方向の気体透過性、導
電性、熱伝導などの物性は、最も物性が悪い層の影響を
大きく受けて、十分な物性が得られない問題点や、熱処
理時に原料シートが異なることによる収縮差が起こり、
反りが発生しやすい問題点がある。
【0010】特開昭60−122711号公報には、炭
素繊維製造用有機繊維および炭素繊維から選ばれた少な
くとも1種の繊維を用いた多孔質炭素板の製造方法が示
され、炭素繊維製造用有機繊維としては2種以上を配合
してもよいとされ、配合による多孔質炭素板の孔径や気
孔率を制御する効果は示されているが、その他の物性改
善のための検討や配合の最適化はなされていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記従来技術の問題点を解決し、炭素繊維紙の密度、空孔
径、を自由かつ容易に変更し、かつ引張強度が高く、風
合いが柔らかく巻き取りやすい炭素繊維紙を得ることに
ある。
【0012】さらに、密度の変化によらず、機械的強度
を比較的高く保ったまま、厚さ方向の導電性、熱伝導性
を高くし、かつ、密度の変化によらず空孔径を変化させ
た多孔質炭素板を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は下記の構成からなる。すなわち、(1)実質
的に2次元ランダムな方向に分散した炭素短繊維を有機
物で結着してなる炭素繊維紙であって、該炭素繊維紙
は、太さが4〜9μm、長さが4mm以上の炭素短繊維
を少なくとも有する太さの異なる2種類以上の炭素短繊
維を含むとともに、最も細い炭素短繊維の太さ(D1)
に対する最も太い炭素短繊維の太さ(D2)の比(D2
/D1)が1.3以上であることを特徴とする炭素繊維
紙である。
【0014】また、(2)実質的に2次元平面内におい
てランダムな方向に分散せしめられた炭素短繊維を炭素
によって互いに結着してなる多孔質炭素板であって、該
多孔質炭素板は、太さが4〜9μmで長さが4mm以上
の炭素短繊維を少なくとも有する太さの異なる2種類以
上の炭素繊維の短繊維を含み、密度ρが300〜850
kg/m3 であり、曲げ強さF[MPa]および厚さ方
向の比抵抗R[Ωm]が下記および式の関係を満足
することを特徴とする多孔質炭素板である。
【0015】F≧ρ/27 ……… R≦0.015×ρ-1/2 ………
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0017】最初に、本説明の中で炭素繊維、炭素短繊
維の太さが4〜9μmとある場合、より好ましくは5〜
8μmである。さらに本説明の中で炭素繊維、炭素短繊
維の太さが9μmを超えるとある場合、より好ましくは
10〜30μm以上であり、さらに好ましくは11〜2
0μm以上である。
【0018】炭素短繊維を実質的に2次元ランダムな方
向に分散させる方法としては、液体の媒体中に炭素短繊
維を分散させて抄造する湿式法や、空気中で炭素短繊維
を分散させて降り積もらせる乾式法がある。湿式法では
密度が高くなりやすく、乾式法では密度が低くなりやす
い特徴があるが、引張強さの観点からは、湿式法が好ま
しい。
【0019】炭素短繊維の結着のための有機物を付着さ
せる方法としては、炭素短繊維を2次元ランダムに分散
させるときに、一緒に繊維状、粒状、液状等の有機物を
混合する方法と、炭素短繊維が2次元ランダムに分散し
た集合体を得た後に繊維状、液状等の有機物を付着させ
る方法がある。
【0020】炭素繊維紙に含まれる炭素短繊維はどのよ
うなものでも用いることができるが、ポリアクリロニト
リル(以後PANと略す。)系炭素繊維、ピッチ系炭素
繊維、レーヨン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維から
選ばれる1つ以上の炭素繊維を含むことが好ましく、P
AN系炭素繊維および/またはピッチ系炭素繊維を含む
ことがより好ましい。
【0021】炭素短繊維を結着する有機物としては、ポ
リビニルアルコール、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂の他、セ
ルロース、でんぷん等、炭素短繊維を結着する効果を発
揮するものなら何でもよいが、好ましくは作業性の点か
ら、繊維形状での混合が容易な物質、例えば熱可塑性樹
脂、フェノール樹脂、セルロースや液状での混合が容易
な物質、例えばポリビニルアルコール、スチレン−ブタ
ジエン共重合体(SBR)、エポキシ樹脂が用いられ
る。
【0022】2種類以上の炭素繊維は原料、太さ、引張
強さ、弾性率、直線度、表面形状、断面形状、熱処理温
度、製造方法等の異なる様々な炭素繊維から選ぶことが
できるが、炭素繊維紙の物性を大きく変えるためには、
太さの他には、原料、直線度、弾性率の異なる繊維から
選ぶことが好ましい。
【0023】炭素繊維紙を構成する炭素短繊維に、太さ
の異なる炭素短繊維を用いることは、炭素繊維紙の引張
強さを高く保ったままで、炭素繊維紙の密度、空孔径を
変化させるために有効である。
【0024】最も細い炭素短繊維の太さ(D1)に対す
る最も太い炭素短繊維の太さ(D2)の比(D2/D
1)は1.3以上であるが、物性を大きく変化させるた
めには、好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.
5以上である。1.3より小さいと炭素繊維紙の密度、
空孔径を変える効果が十分得られない。
【0025】炭素繊維の太さは、炭素繊維紙の引張強
さ、風合い、後工程での樹脂含浸性のためには4〜30
μm程度が好ましく、5〜20μmがより好ましく、5
〜15μmがさらに好ましい。偏平な断面の炭素繊維の
場合は、長径と短径の平均を太さとする。
【0026】炭素短繊維の長さの上限は、2次元方向に
ランダムに分散させるために30mm以下が好ましい、
20mm以下がより好ましく、15mm以下がさらに好
ましい。
【0027】炭素繊維紙の引張強さを強くするために、
太さ4〜9μmで長さ4mm以上の炭素短繊維を含む
が、太さ4〜9μmで長さ4mm以上の炭素短繊維にP
AN系炭素繊維および/またはピッチ系炭素繊維を含む
ことが好ましく、太さ4〜9μmで長さ4mm以上の炭
素短繊維にPAN系炭素繊維を含むことがより好まし
い。この太さ4〜9μmで長さ4mm以上の炭素短繊維
は、好ましくは長さ6mm以上である。
【0028】また、炭素繊維紙に含まれる全炭素短繊維
が長さ4mm以上であることが好ましく、全炭素短繊維
が長さ6mm以上であることがより好ましい。
【0029】太さ4〜9μmで長さ4mm以上の炭素短
繊維は、好ましくは全炭素短繊維の20〜90重量%、
より好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは4
0〜70重量%の比率で混合される。比率が高すぎたり
低すぎたりした場合には混合の効果が十分得られない。
【0030】炭素繊維紙の密度を低く、空孔径を大きく
するためには、9μmを超える太さの炭素短繊維を含む
ことが好ましく、9μmを超える太さの炭素短繊維にピ
ッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、フェノール系炭
素繊維から選ばれる1つ以上の炭素繊維を含むことがよ
り好ましく、9μmを超える太さの炭素短繊維にピッチ
系炭素繊維を含むことがさらに好ましい。この9μmを
超える炭素短繊維は、好ましくは全炭素短繊維の10〜
80重量%、より好ましくは20〜70重量%、さらに
好ましくは30〜60重量%の比率で混合される。比率
が高すぎたり低すぎたりした場合には混合の効果が十分
得られない。
【0031】炭素短繊維の長さは、炭素繊維紙の引張強
さのために、4mm以上の長さの炭素短繊維を含むこと
が好ましく、6mm以上の長さの炭素短繊維を含むこと
がさらに好ましい。
【0032】炭素繊維紙の密度を低く、空孔径を大きく
するためには、曲線状の炭素短繊維に9μmを超える太
さの炭素短繊維を含むことが好ましく、9μmを超える
太さの曲線状の炭素短繊維にピッチ系炭素繊維、レーヨ
ン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維から選ばれる1つ
以上の炭素繊維を含むことがより好ましく、9μmを超
える太さの曲線状の炭素短繊維にピッチ系炭素繊維を含
むことがさらに好ましい。
【0033】曲線状の炭素短繊維とは、炭素短繊維の長
さ方向に、ある長さ(L)を取ったときに、その長さ
(L)に対応する直線性からのずれ(Δ)を測定し、Δ
/Lが0.1以上であれば曲線状の炭素短繊維とする。
逆に0.1に満たないときは直線状の炭素短繊維とす
る。曲線状の炭素短繊維は炭素繊維紙の密度を小さくす
る効果が大きいが、引張強さは小さくなる。
【0034】曲線状の炭素短繊維は好ましくは全炭素短
繊維の10〜80重量%、より好ましくは20〜70重
量%、さらに好ましくは30〜60重量%の比率で混合
される。比率が高すぎたり低すぎたりした場合には混合
の効果が十分得られない。
【0035】太さ4〜9μmで長さ4mm以上の直線状
の炭素短繊維には、PAN系炭素繊維および/またはピ
ッチ系炭素繊維を含むことが好ましく、PAN系炭素繊
維含むことがより好ましい。太さ4〜9μmで長さ4m
m以上の直線状の炭素短繊維は好ましくは全炭素短繊維
の20〜90重量%、より好ましくは30〜80重量
%、さらに好ましくは40〜70重量%の比率で混合さ
れる。比率が高すぎたり低すぎたりした場合には混合の
効果が十分得られない。
【0036】炭素繊維紙に含まれる有機物の比率は、マ
ットの導電性や、樹脂含浸を行った炭素繊維複合材料の
強度や導電性など、炭素繊維の特性を生かすためには、
40重量%以下が好ましい。紙強度も考慮に入れると5
〜35重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ま
しく、15〜25重量%がさらに好ましい。
【0037】炭素繊維紙を使用する工程の作業性のため
には引張強さは6kg/50mm幅、以上であることが
好ましく、より好ましくは10kg/50mm幅、以上
であり、さらに好ましくは15kg/50mm幅、以上
である。
【0038】炭素繊維紙の引張強さの測定は、JIS
P8113に準じて行う。ただし試験片の幅は50mm
とする。または、25mm幅または15mm幅で測定を
行い、50mm幅の引張強さに換算してもよい。
【0039】炭素繊維紙の密度が低すぎると引張強さが
弱くなる。また樹脂含浸を行う場合は紙の密度が高すぎ
ると含浸性が悪くなる。よって炭素繊維紙の密度は10
〜200kg/m3 が好ましく、30〜150kg/m
3 がより好ましく、50〜100kg/m3 がさらに好
ましい。
【0040】炭素繊維紙の密度の測定は、JIS P8
118に準じて行う。ただし厚さ測定時の面圧は160
gf/cm2 とする。
【0041】次に本発明の多孔質炭素板について説明す
る。
【0042】本発明にかかる多孔質炭素板の第1の態様
は、実質的に2次元平面内においてランダムな方向に分
散せしめられた炭素短繊維を炭素によって互いに結着し
てなる多孔質炭素板であって、該多孔質炭素板は、太さ
が4〜9μmで長さが4mm以上の炭素短繊維を含少な
くとも有する太さの異なる2種類以上の炭素繊維の短繊
維を含み、密度ρが300〜850kg/m3 であり、
曲げ強さF[MPa]および厚さ方向の比抵抗R[Ω
m]が下記および式の関係を満足することを特徴と
する。
【0043】F≧ρ/27 ……… R≦0.015×ρ-1/2 ……… 上記の多孔質炭素板において、前記多孔質炭素板の構造
が実質的に厚さ方向に変化しないものであることが好ま
しい。。
【0044】多孔質炭素板に含まれる炭素短繊維はどの
ようなものでも用いることができるが、多孔質炭素板の
曲げ強さを強くするため、PAN系炭素繊維、ピッチ系
炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維
から選ばれる1つ以上の炭素繊維を含むことが好まし
く、PAN系炭素繊維および/またはピッチ系炭素繊維
を含むことがより好ましい。
【0045】2種類以上の炭素繊維は、原料、太さ、引
張強さ、弾性率、直線度、表面形状、断面形状、熱処理
温度、製造方法等の異なる様々な炭素繊維から選ぶこと
ができるが、多孔質炭素板の物性を大きく変えるために
は太さの他には、原料、直線度、弾性率の異なる繊維か
ら選ぶことが好ましい。
【0046】多孔質炭素板を構成する炭素短繊維に、太
さの異なる炭素短繊維を用いることは、多孔質炭素板の
密度を比較的低く、機械的強度を比較的高く保ったま
ま、厚さ方向の導電性、熱伝導性を高くするために、ま
た、物性を大きく変化させるために有効である。その効
果は最も細い炭素短繊維の太さ(D1)に対する最も太
い炭素短繊維の太さ(D2)の比(D2/D1)が大き
いほど大であり、1.3以上が好ましく、1.4以上が
より好ましく、1.5以上がさらに好ましい。
【0047】多孔質炭素板の曲げ強さを高くするため
に、太さ4〜9μmで長さ4mm以上の炭素短繊維とし
てPAN系炭素繊維またはピッチ系炭素繊維を含むこと
がより好ましく、太さ4〜9μmで長さ4mm以上の炭
素短繊維としてPAN系炭素繊維を含むことがさらに好
ましい。
【0048】多孔質炭素板の曲げ強さを高くするため
に、太さ4〜9μmで長さ6mm以上の炭素短繊維を含
むことが好ましく、全ての炭素短繊維が長さ4mm以上
であることがより好ましく、全ての炭素短繊維が長さ6
mm以上であることがさらに好ましい。
【0049】炭素短繊維の長さの上限は、2次元方向に
ランダムに分散させるために30mm以下が好ましい、
20mm以下がより好ましく、15mm以下がさらに好
ましい。
【0050】多孔質炭素板の曲げ強さを強くするため、
空孔径を例えば燃料電池用基材として適当な大きさであ
る数μm〜100μmにするためには、炭素繊維の太さ
は4〜30μm程度が好ましい。5〜20μmがより好
ましく、5〜15μmがさらに好ましい。偏平な断面の
炭素繊維の場合は、長径と短径の平均を太さとする。曲
げ強さと厚さ方向の導電性や熱伝導のバランスのとれた
多孔質炭素板を得るために、太さ4〜9μmで長さ4m
m以上の炭素短繊維は好ましくは全炭素短繊維の20〜
90重量%、より好ましくは30〜80重量%、さらに
好ましくは40〜70重量%含まれる。比率が高すぎた
り低すぎたりした場合には混合の効果が十分得られな
い。
【0051】炭素短繊維を実質的に2次元ランダムな方
向に分散させる方法としては、液体媒体中に炭素短繊維
を分散させて抄造する湿式法や、空気中で炭素短繊維を
分散させて降り積もらせる乾式法などが適用できる。炭
素短繊維の代わりに炭素繊維前駆体繊維の短繊維を用い
て後述の加熱による炭素化により炭素短繊維としてもよ
い。
【0052】しかし、実質的に2次元ランダムな方向に
分散している炭素短繊維の原料に炭素短繊維を含まない
場合、後述の加熱による炭素化時に、繊維と樹脂の炭素
化が同時に起こり、シワが発生しやすい。炭素短繊維を
含む場合は、炭素短繊維は炭化による収縮を起こさない
ので、多孔質炭素板全体の収縮を抑制し、シワになりに
くい。原料となる短繊維に対する炭素短繊維の比率は4
0%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90
%以上がさらに好ましく、100%が最も好ましい。
【0053】2次元ランダムな方向に分散した炭素短繊
維は取り扱い易さのために、抄造用バインダーで結着す
ることが好ましい。抄造用バインダーとしてはポリビニ
ルアルコール、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂の他、セルロー
ス、でんぷん等の有機物を用いることが多い。抄造用バ
インダーの付着量は5〜40重量%が好ましく、10〜
30重量%がより好ましく、15〜25重量%がさらに
好ましい。
【0054】炭素短繊維を互いに結着させる炭素として
は、例えば樹脂の加熱による炭素化によって得られる。
用いられる樹脂としては加熱により炭素化するもの、例
えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、メラ
ミン樹脂、ピッチ等である。樹脂にカーボンブラックな
どの炭素質粉末を混合して用いてもよい。
【0055】炭素短繊維と樹脂の複合体の製造方法とし
ては、炭素短繊維の集合体に樹脂を混合、含浸する方法
や、炭素短繊維と樹脂を一緒に抄造する方法があるが、
本発明の多孔質炭素板の場合には樹脂を液状で含浸する
か、後の工程で溶融する樹脂を用いることが基材の強度
を高くするため、導電性を高くするために好ましい。ま
た含浸時に樹脂を溶媒に溶かし、含浸後に溶媒を除くこ
ともよく用いられる方法である。
【0056】炭素短繊維に対する樹脂の添加量は用いる
炭素短繊維と樹脂の種類によって変わるが、例えば多孔
質炭素板の密度を300〜850kg/m3 とするため
には、炭素繊維100重量部に対して樹脂を50〜50
0重量部加える。密度を同じにするための樹脂量は炭素
繊維が太いほど、樹脂を加熱して炭素化するときの残炭
率が低いほど多く必要になる傾向がある。
【0057】炭素短繊維と樹脂の混合体は、加熱による
炭素化の前に加熱加圧による成形が行われることが好ま
しい。またこのときに必要な厚さを得るために、炭素短
繊維と樹脂の混合体を適当枚数重ねることもできる。成
形により重ねた炭素短繊維と樹脂の混合体間の接着、炭
素短繊維と樹脂の接着性向上、表面平滑性向上が達成さ
れる。成型時の温度は樹脂により異なるが、圧力は0.
0098〜1.96MPa程度が好ましく、0.098
〜0.98MPaとすることがより好ましい。成型時の
圧力により基材密度を制御できるが、圧力が低すぎると
接着性が悪くなり、圧力が高すぎると過剰な流れを起こ
し、材料がつぶれ、適度の多孔性を確保できなくなるこ
とがある。
【0058】炭素短繊維と樹脂との混合体の加熱による
炭素化の温度は、樹脂の炭素化による導電性の発現のた
めに700℃以上が好ましく、導電性、熱伝導性を高く
し、不純物を減らし、耐食性を高めるために1300℃
以上であることがより好ましく、2000℃以上とする
ことがさらに好ましい。
【0059】2種類以上の炭素繊維としては、原料、太
さ、引張強さ、弾性率、直線度、表面形状、断面形状、
熱処理温度、製造方法等の異なる様々な炭素繊維から選
ぶことができるが、本発明の目的である多孔質炭素板の
密度を比較的低く、機械的強度を比較的高く保ったま
ま、厚さ方向の導電性、熱伝導性を高くするためには原
料、太さ、直線度の異なる繊維から選ぶことが好まし
い。
【0060】また、本発明の上記の多孔質炭素板は、密
度ρが300〜850kg/m3 であり、曲げ強さF
[MPa]および厚さ方向の比抵抗R[Ωm]が下記
および式の関係を満足することを特徴とする。
【0061】F≧ρ/27 ……… R≦0.015×ρ-1/2 ……… 以下これらの特性値について説明する。
【0062】まず、本発明の多孔質炭素板は密度が30
0〜850kg/m3 であり、好ましくは350〜75
0kg/m3 であり、さらに好ましくは400〜650
kg/m3 である。密度が300kg/m3 より小さい
と比抵抗が高く、機械的強度が低くなりすぎる。逆に、
密度が高くなると2種類以上の炭素繊維の短繊維を用い
た効果が小さくなり、850kg/m3 より高くなると
かなり効果が小さくなる。
【0063】曲げ強さは取り扱いのために高い方がよ
い。曲げ強さF[MPa]は密度ρ[kg/m3 ]との
間にF≧ρ/27の関係があるが、F≧ρ/24が好ま
しく、F≧ρ/22がより好ましい。
【0064】また、式の関係とは別に、曲げ強さは、
取り扱いのために、14.7MPa以上が好ましく、1
9.6MPa以上がより好ましく、24.5MPa以上
がさらに好ましい。
【0065】曲げ強さは、JIS K6911に準拠し
た3点曲げ試験で測定する。ただし試験片の幅(W)は
13mm、長さ(L)は60mm以上とする。支点間距
離(Lv)と試験片の厚さ(h)の関係は次の通り。
【0066】厚さ約0.1mmのときLv/hは約20
0とし、厚さの増加とともにLv/hを小さくし、厚さ
約0.5mmのときLv/hは約100とする。さらに
厚さ0.5〜3mmではLv=50mmとし、3mm以
上の厚さではLv/hを約16とする。支点と加圧くさ
びのRは3mm、荷重速度は2mm/分とする。
【0067】比抵抗は低いほどよい。厚さ方向の比抵抗
R[Ωm]は密度ρ[kg/m3 ]との間にR≦0.0
15×ρ-1/2の関係があるが、R≦0.0125×ρ
-1/2が好ましく、R≦0.010×ρ-1/2がより好まし
い。
【0068】厚さ方向の比抵抗は、多孔質炭素板を一定
面積の水銀電極ではさみ、電極間に一定電流を流したと
きの電圧降下から次式によって算出する。
【0069】比抵抗=(電圧降下×電極面積)/(電流
×多孔質炭素板の厚み) 多孔質炭素板の構造が実質的に厚さ方向に変化すると、
厚さ方向の気体透過性、導電性、熱伝導などの物性は最
も物性が悪い層の影響を大きく受けて、十分な物性が得
られない問題点がある。この問題点を多孔質炭素板の構
造が実質的に厚さ方向に変化しないことで解決する。
【0070】また、多孔質炭素板の構造を実質的に厚さ
方向に変化させるためには、成形前に重ねる炭素短繊維
と樹脂の混合体の樹脂の種類または量、炭素短繊維の種
類、2種類の炭素短繊維の混合比等を変える方法があ
り、多孔質炭素板の密度、細孔径等を厚さ方向に変化さ
せることができる。しかしこのような方法を用いると、
樹脂の炭素化時の収縮に差が出るため、反り、剥離が起
こりやすくなる。特に大きな多孔質炭素板では反りが、
密度の低い多孔質炭素板では剥離が起こりやすい。
【0071】逆に、多孔質炭素板の構造を実質的に厚さ
方向に変化させないためには、成形前に複数の炭素短繊
維と樹脂の混合体を重ねるときに、同じ炭素繊維と樹脂
の混合体を重ねる。このようにすることで、炭素化時の
反り剥離の発生を抑制することができる。
【0072】多孔質炭素板の厚さ方向の比抵抗を小さ
く、熱伝導を大きくするため、空孔径を大きく変化させ
るためには、9μmを超える太さの炭素短繊維を含むこ
とが好ましい。
【0073】9μmを超える炭素短繊維は、好ましくは
全炭素短繊維の10〜80重量%、より好ましくは20
〜70重量%以上、さらに好ましくは30〜60重量%
以上含まれる。比率が高すぎたり低すぎたりした場合に
は、混合の効果が十分得られない。
【0074】また、4〜9μmと9μmを超える太さの
炭素短繊維を併用し、その比率を変化させることで、空
孔径を変化させることができる。例えば密度が約500
kg/m3 の場合空孔径は炭素短繊維の太さの4〜5倍
程度の値となる。同じ太さの炭素短繊維を用いても、密
度を変えることで空孔径を変化させることができるが、
この方法によれば密度を変えなくても空孔径を変化させ
ることができる。また変化させることができる空孔径の
範囲が広い。
【0075】本発明の多孔質炭素板の第2の態様を次に
述べる。第2の態様における前記第1の態様と異なる特
徴は、多孔質炭素板の構造が厚さ方向に変化することに
ある。より詳しく説明すると、多孔質炭素板を構成する
炭素短繊維が2種類以上の太さの異なる炭素繊維の短繊
維を含み、前記多孔質炭素板の表面近くの炭素短繊維の
平均太さが、それ以外の部分の炭素短繊維の平均太さよ
りも細く、前記多孔質炭素板の曲げ強さは19.6MP
a以上、表面粗さが25μm以下であること、にある。
【0076】異なる太さの炭素短繊維が併用されている
ときの平均太さは、炭素短繊維の重さを基準にした平均
とする。すなわち下式によって算出する。
【0077】平均太さ=Σ(炭素短繊維の太さ×その太
さの炭素短繊維の重さ)/全炭素短繊維の重さ Σは、括弧内の計算値をそれぞれの太さ毎に全て足し合
わせることを意味する。
【0078】多孔質炭素板に曲げ荷重を与えると、材料
が伸びる側で壊れることが多いので、表面近くの炭素短
繊維の平均太さを細くすることは、曲げ強さの向上につ
ながる。また表面粗さを小さくして他の材料との接触抵
抗を小さくする効果も得られる。
【0079】曲げ強さは19.6MPa以上であるが、
好ましくは24.5MPa以上であり、さらに好ましく
は29.4MPa以上である。
【0080】表面粗さは25μm以下であるが、好まし
くは22μm以下、さらに好ましくは20μm以下であ
る。
【0081】表面粗さの測定は、JIS B0651に
準じて行。具体的には、先端曲率半径0.8mmの触針
を用いて測定力0.4gf、カットオフ値0.8mm、
基準長さ8mmで粗さ曲線を得る。この粗さ曲線から得
られる最大高さを表面粗さとする。
【0082】表面近くの炭素短繊維の平均太さを片面だ
け細くすると、樹脂の炭素化時の収縮に差が出て反りが
発生しやすくなる。反りを防ぐために、表面近くの炭素
短繊維の平均太さを細くする時には、両面の炭素短繊維
の平均太さを細くすることが好ましい。
【0083】これ以外の部分については前記した第1の
態様とその詳細な説明に準ずるのが好ましい。
【0084】多孔質炭素板の密度を比較的低く、機械的
強度を比較的高く保ったまま、厚さ方向の導電性、熱伝
導性を高くするために、多孔質炭素板を構成する炭素短
繊維に、原料の異なる炭素短繊維を用いることは好まし
い。
【0085】曲げ強さを強くするために、原料の異なる
炭素短繊維のうちにPAN系炭素短繊維および/または
太さ4〜9μmのピッチ系炭素短繊維を含むことが好ま
しく、PAN系炭素短繊維を含むことがさらに好まし
い。そのPAN系炭素短繊維および/または太さ4〜9
μmのピッチ系炭素短繊維は長さ4mm以上が好まし
く、長さ6mm以上がさらに好ましい。そのPAN系炭
素短繊維および/または太さ4〜9μmのピッチ系炭素
短繊維の比率は好ましくは全炭素短繊維の20〜90重
量%、より好ましくは30〜80重量%、さらに好まし
くは40〜70重量%である。比率が高すぎたり低すぎ
たりした場合には混合の効果が十分得られない。
【0086】多孔質炭素板の厚さ方向の比抵抗を低くす
るために、原料の異なる炭素短繊維のうちにフェノール
系炭素短繊維および/またはレーヨン系炭素短繊維およ
び/または太さ9μmを超えるピッチ系炭素短繊維を含
むことが好ましく、さらに曲げ強さも考慮すると、太さ
9μmを超えるピッチ系炭素短繊維を含むことが好まし
い。そのフェノール系炭素短繊維および/またはレーヨ
ン系炭素短繊維および/または太さ9μmを超えるピッ
チ系炭素短繊維は長さ4mm以上が好ましく、長さ6m
m以上がさらに好ましい。そのフェノール系炭素短繊維
および/またはレーヨン系炭素短繊維および/または太
さ9μmを超えるピッチ系炭素短繊維の比率は好ましく
は全炭素短繊維の10〜80重量%、より好ましくは2
0〜70重量%、さらに好ましくは30〜60重量%以
上である。比率が高すぎたり低すぎたりした場合には混
合の効果が十分得られない。
【0087】また、長さ4mm以上のPAN系炭素短繊
維および/または長さ4mm以上かつ太さ4〜9μmの
ピッチ系炭素短繊維とフェノール系炭素短繊維および/
またはレーヨン系炭素短繊維および/または太さ9μm
を超えるピッチ系炭素短繊維を同時に含むことは密度、
空孔径、曲げ強さ、厚さ方向の比抵抗のバランスのとれ
た多孔質炭素板とするために好ましい。
【0088】本発明の多孔質炭素板の第3の態様を次に
述べる。第3の態様における前記第1の態様と異なる特
徴は、多孔質炭素板の構造が厚さ方向に変化することに
ある。より詳しく説明すると、多孔質炭素板を構成する
炭素短繊維として原料の異なる炭素繊維を含み、さらに
その炭素短繊維として太さ4〜9μmで長さ4mm以上
のPAN系炭素短繊維を含み、前記多孔質炭素板の表面
近くの炭素短繊維における太さ4〜9μmで長さ4mm
以上のPAN系炭素短繊維の比率が、それ以外の部分よ
り高く、前記多孔質炭素板の曲げ強さは19.6MPa
以上、表面粗さが25μm以下であること、にある。
【0089】太さ4〜9μmで長さ4mm以上のPAN
系炭素短繊維の比率は、重さの比率とする。
【0090】多孔質炭素板に曲げ荷重を与えると、材料
が伸びる側で壊れることが多いので、表面近くの炭素短
繊維における太さ4〜9μmで長さ4mm以上のPAN
系炭素短繊維の比率を高くすることは、曲げ強さの向
上、表面粗さの低下につながる。
【0091】曲げ強さは19.6MPa以上であるが、
好ましくは24.5MPa以上であり、さらに好ましく
は29.4MPa以上である。
【0092】表面粗さは25μm以下であるが、好まし
くは22μm以下、さらに好ましくは20μm以下であ
る。
【0093】表面近くの炭素短繊維における太さ4〜9
μmで長さ4mm以上のPAN系炭素短繊維の比率を片
面だけ高くすると、樹脂の炭素化時の収縮に差が出て反
りが発生しやすくなる。反りを防ぐために、表面近くの
炭素短繊維における太さ4〜9μmで長さ4mm以上の
PAN系炭素短繊維の比率を高くする時には、両面で比
率を高くすることが好ましい。
【0094】これ以外の部分については前記第1の態様
とその詳細な説明に準ずるのが好ましい。
【0095】前記第1〜第3の態様における多孔質炭素
板の炭素短繊維は直線状の短繊維と曲線状の炭素短繊維
を含むものであることが好ましい。
【0096】曲線状の炭素短繊維とは、炭素短繊維の長
さ方向に、ある長さ(L)を取ったときに、その長さ
(L)に対応する直線性からのずれ(Δ)を測定し、Δ
/Lが0.1以上であれば曲線状の炭素短繊維とする。
逆に0.1に満たないときは直線状の炭素短繊維とす
る。
【0097】直線状の炭素短繊維は多孔質炭素板の曲げ
強さを高く、密度を高くする。直線状の炭素短繊維は4
〜9μmの太さが好ましい。直線状の炭素短繊維の長さ
は4〜30mmが好ましく、6〜20mmがより好まし
く、6〜15mmがさらに好ましい。直線状の炭素繊維
にはPAN系炭素短繊維またはピッチ系炭素短繊維が含
まれるのが好ましく、PAN系炭素短繊維または4〜9
μmの太さのピッチ系炭素短繊維が含まれるのがより好
ましく、PAN系炭素短繊維が含まれるのがさらに好ま
しい。全炭素短繊維に対する直線状の炭素短繊維の比率
は20〜90重量%が好ましく、より好ましくは30〜
80重量%、さらに好ましくは40〜70重量%以上で
ある。比率が高すぎたり低すぎたりした場合には混合の
効果が十分得られない。
【0098】曲線状の炭素短繊維は多孔質炭素板の厚さ
方向の比抵抗を低く、密度を低く、空孔径を大きくす
る。曲線状の炭素短繊維の太さは9μmを超えることが
好ましい。曲線状の炭素短繊維の長さは、直線状の炭素
短繊維に比べて短くてもよいが、3〜30mmが好まし
く、4〜20mmがより好ましく、6〜15mmがさら
に好ましい。
【0099】曲線状の炭素短繊維にはフェノール系炭素
短繊維またはレーヨン系炭素短繊維またはピッチ系炭素
短繊維が含まれるのが好ましく、フェノール系炭素短繊
維またはピッチ系炭素短繊維が含まれるのがより好まし
く、ピッチ系炭素短繊維が含まれるのがさらに好まし
い。全炭素短繊維に対する曲線状の炭素短繊維の比率は
10〜80重量%が好ましく、より好ましくは20〜7
0重量%、さらに好ましくは30〜60重量%である。
比率が高すぎたり低すぎたりした場合には混合の効果が
十分得られない。
【0100】本発明の炭素繊維紙を用いて多孔質炭素板
を製造すると、2種類以上の異なる炭素短繊維の均一分
散および2次元平面内においてランダムな方向への配向
を確実に行うことができる。また、炭素短繊維を結着す
る炭素となる樹脂の添加が連続化できる、樹脂添加時の
炭素短繊維の飛散がない、炭素繊維紙を重ねる枚数によ
って任意の厚みが設定できる等のメリットがあり、前記
した第1〜第3の態様の本発明の多孔質炭素板を容易に
製造することができる。
【0101】本発明の多孔質炭素板は、密度を比較的低
く、機械的強度を比較的高く保ったまま、厚さ方向の導
電性、熱伝導性を高くした多孔質炭素板である。また細
孔径も数μm〜約100μmとなり、燃料電池積層体構
成材料として好適である。
【0102】
【実施例】
実施例1 東レ株式会社製PAN系炭素繊維”トレカ”T300
(平均繊維太さ:7μm、単繊維数6000本、直線状
炭素繊維)と大日本インキ株式会社製ピッチ系炭素繊維
“ドナカーボ”S−233(平均繊維太さ:13μm、
繊維長:8mm、曲線状炭素短繊維)を同量混合し、水
中でT300の繊維束が十分解繊するまで分散し、金網
上に抄造し、バインダーであるポリビニルアルコール
(PVA)を付着させて乾燥し、炭素短繊維に対してP
VAが約20重量%付着した炭素繊維紙を得た。
【0103】実施例2 東レ株式会社製PAN系炭素繊維“トレカ”T300
(平均繊維太さ:7μm、単繊維数6000本、直線状
炭素繊維)と大日本インキ株式会社製ピッチ系炭素繊維
“ドナカーボ”S−233(平均繊維太さ:13μm、
繊維長:8mm、曲線状炭素短繊維)を同量混合し、水
中でT300の繊維束が十分解繊するまで分散し、金網
上に抄造し、バインダーであるポリビニルアルコール
(PVA)を付着させて乾燥し、炭素短繊維に対してP
VAが約10重量%付着した炭素繊維紙を得た。
【0104】実施例3 東レ株式会社製PAN系炭素繊維“トレカ”T300
(平均繊維太さ:7μm、単繊維数6000本、直線状
炭素繊維)と株式会社ペトカ製ピッチ系炭素繊維“メル
ブロン”短繊維(平均繊維太さ:11μm、繊維長:7
mm、曲線状炭素短繊維)を用いて、実施例1と同様に
して炭素繊維紙を得た。
【0105】実施例4 東レ株式会社製PAN系炭素繊維“トレカ”T300
(平均繊維太さ:7μm、単繊維数6000本、直線状
炭素繊維)と三菱化学株式会社製ピッチ系炭素繊維“ダ
イアリード”の短繊維(平均繊維太さ:17μm、繊維
長:18mm、直線状炭素短繊維)を同量混合し、水中
でT300および“ダイアリード”の繊維束が十分解繊
するまで分散し、実施例1と同様にして炭素繊維紙を得
た。
【0106】比較例1 東レ株式会社製PAN系炭素繊維“トレカ”T300
(平均繊維太さ:7μm、単繊維数6000本、直線状
炭素繊維)を水中でT300の繊維束が十分解繊するま
で分散し、金網上に抄造し、バインダーであるポリビニ
ルアルコール(PVA)を付着させて乾燥し、実施例1
と同様にして炭素繊維紙を得た。
【0107】比較例2 大日本インキ株式会社製ピッチ系炭素繊維“ドナカー
ボ”S−233(平均繊維太さ:13μm、繊維長:8
mm、曲線状炭素短繊維)を水中で分散し、PVAを約
10重量%付着した以外は、実施例1と同様にして炭素
繊維紙を得た。
【0108】比較例3 三菱化学株式会社製ピッチ系炭素繊維“ダイアリード”
の短繊維(平均繊維太さ:17μm、繊維長:18m
m、直線状炭素短繊維)を水中で繊維束が十分解繊する
まで分散し、実施例1と同様にして炭素繊維紙を得た。
【0109】以上の炭素繊維紙の物性を表1に示す。
【0110】
【表1】 PANは東レ(株)製炭素繊維T300(太さ7μm,
長さ12mm) ヒ゜ッチAは大日本インキ(株)製炭素繊維(太さ13
μm,長さ8mm) ヒ゜ッチBは(株)ペトカ製炭素繊維(太さ11μm,
長さ7mm) ヒ゜ッチCは三菱化学(株)製炭素繊維(太さ17μ
m,長さ18mm) 表1から分かるように本発明の炭素繊維紙は、太さの太
いピッチ系炭素短繊維単独の場合に比べ、炭素繊維紙の
引張強度が大幅に改善する。また密度を変化させること
もできる。さらに本発明の炭素繊維は、太さ7μmのP
AN系炭素繊維単独の場合に比べ、密度が低くなってい
る。また、この結果、空孔径が大きくなったことは明ら
かである。
【0111】実施例5,6 レゾール型フェノール樹脂とノボラック型フェノール樹
脂を等重量混合したフェノール樹脂のメタノール溶液を
実施例1の炭素繊維紙に含浸し、室温でメタノールを風
乾して、フェノール樹脂の不揮発分を54,61重量%
付着させたフェノール樹脂含浸炭素繊維紙を得た。この
フェノール樹脂含浸炭素繊維紙を2枚重ねて145℃の
温度で0.69MPaの圧力を15分間加えてフェノー
ル樹脂を硬化させ、炭素繊維紙強化フェノール樹脂板を
得た。この炭素繊維紙強化フェノール樹脂板を不活性ガ
ス雰囲気で2400℃で30分間加熱して炭素化して、
多孔質炭素板を得た。
【0112】実施例7 実施例3の炭素繊維紙を用い、フェノール樹脂の不揮発
分を57重量%付着させた以外は実施例4と同様にし
て、多孔質炭素板を得た。
【0113】実施例8 実施例4の炭素繊維紙を用い、フェノール樹脂の不揮発
分を57重量%付着させた以外は実施例4と同様にし
て、多孔質炭素板を得た。
【0114】実施例9 実施例3のピッチ系炭素繊維“メルブロン”短繊維の代
わりにフェノール樹脂系炭素短繊維(群栄化学工業株式
会社製フェノール繊維を炭化、太さ11μm、長さ5m
m)を用いた炭素繊維紙を使用し、フェノール樹脂の不
揮発分を54重量%付着させた以外は実施例5と同様に
して、多孔質炭素板を得た。
【0115】実施例10 実施例1の炭素繊維紙を用い、実施例5と同様にしてフ
ェノール樹脂の不揮発分を54重量%付着させたフェノ
ール樹脂含浸炭素繊維紙を得た。これを紙Aとする。フ
ェノール系炭素繊維紙(群栄化学株式会社製、太さ11
μm、長さ6mm)を用い、実施例5と同様にしてフェ
ノール樹脂の不揮発分を54重量%付着させたフェノー
ル樹脂含浸炭素繊維紙を得た。これを紙Bとする。
【0116】紙Aと紙BをABBAの順に重ねて、実施
例5と同様にして多孔質炭素板を得た。
【0117】実施例11 実施例10の紙Bの代わりに、フェノール繊維紙(群栄
化学株式会社製、太さ14μm、長さ6mm)を用い、
フェノール樹脂の不揮発分を47重量%付着させたフェ
ノール樹脂含浸フェノール繊維紙を用いた以外は実施例
10と同様にして多孔質炭素板を得た。
【0118】実施例12 実施例10の紙Bの代わりに、レーヨン繊維紙(ユニテ
ック株式会社製、湿式紙、繊維太さ19μm)を用い、
フェノール樹脂の不揮発分を37重量%付着させたフェ
ノール樹脂含浸レーヨン繊維紙を用いた以外は実施例1
0と同様にして多孔質炭素板を得た。
【0119】比較例4,5 比較例1の炭素繊維紙を用い、フェノール樹脂の不揮発
分を54,66重量%付着させた以外は実施例4と同様
にして多孔質炭素板を得た。
【0120】比較例6,7 比較例2の炭素繊維紙を用い、フェノール樹脂の不揮発
分を54,60重量%付着させた以外は実施例4と同様
にして多孔質炭素板を得た。
【0121】比較例8 ピッチ系炭素繊維紙(ペトカ株式会社製、曲線状炭素短
繊維使用、太さ11μm)の紙を用い、フェノール樹脂
の不揮発分を57重量%付着させた以外は実施例4と同
様にして多孔質炭素板を得た。
【0122】比較例9 比較例3の炭素繊維紙を用い、フェノール樹脂の不揮発
分を57重量%付着させた以外は実施例4と同様にして
多孔質炭素板を得た。
【0123】比較例10 実施例10のフェノール系炭素繊維紙を用い、フェノー
ル樹脂の不揮発分を57重量%付着させた以外は実施例
5と同様にして多孔質炭素板を得た。
【0124】比較例11 実施例11のフェノール繊維紙を用い、フェノール樹脂
の不揮発分を40重量%付着させた以外は実施例5と同
様にして多孔質炭素板を得た。この多孔質炭素板はシワ
がひどく、もろい材料であったため密度、比抵抗、曲げ
強さの測定ができなかった。表面粗さは部分的にシワの
ない場所で測定した。
【0125】比較例12 実施例12のレーヨン繊維紙を用い、フェノール樹脂の
不揮発分を37重量%付着させた以外は実施例5と同様
にして多孔質炭素板を得た。この多孔質炭素板はシワが
ひどく、もろい材料であったため密度、比抵抗、曲げ強
さの測定ができなかった。表面粗さは部分的にシワのな
い場所で測定した。
【0126】以上の多孔質炭素板の物性を表2に示す。
【0127】
【表2】 PANは東レ(株)製炭素繊維T300(太さ7μm,
長さ12mm) ヒ゜ッチAは大日本インキ(株)製炭素繊維(太さ13
μm,長さ8mm) ヒ゜ッチBは(株)ペトカ製炭素繊維(太さ11μm) ヒ゜ッチCは三菱化学(株)製炭素繊維(太さ17μ
m,長さ18mm) フェノールAは群栄化学工業(株)製炭素繊維(太さ1
1μm,長さ5mm) フェノールBは群栄化学工業(株)製フェノール繊維
(太さ14μm,長さ6mm) レーヨンはレーヨン繊維(太さ19μm) 平均空孔径は水銀圧入法により測定 表2から次のことが分かる。
【0128】比較例4,5と実施例4〜9の比較から、
密度が同程度の場合、本発明の多孔質炭素板は比抵抗が
30〜40%低い。
【0129】比較例6〜12と実施例4〜11の比較か
ら、密度が同程度の場合、本発明の多孔質炭素板は曲げ
強さが大きく改善している。
【0130】比較例4,5,7の比較から、平均空孔径
を大きく変化させるには、多孔質炭素板の密度を変える
ことより、炭素短繊維の太さを変えることが有効なこと
がわかる。
【0131】表面粗さは、表面にある炭素短繊維が太い
ほど大きく、細いほど小さくなることがわかる。
【0132】以上の通り、本発明の多孔質炭素板は密度
の変化によらず、曲げ強さを比較的高く保ったまま、厚
さ方向の比抵抗を低く、すなわち導電性を高くすること
ができた。さらに、本発明の多孔質炭素板は密度の変化
によらず、空孔径を大きく変化させることができる。
【0133】
【発明の効果】本発明の炭素繊維紙は密度、空孔径、を
自由かつ容易に変更することができ、かつ引張強度が高
く、風合いが柔らかく巻き取りやすい炭素繊維紙であ
る。
【0134】このような炭素繊維紙は多孔性、導電性を
活用した用途、例えば導電性シート、多孔質C/Cコン
ポジットに好適である。
【0135】本発明の多孔質炭素板は密度の変化によら
ず、機械的強度を比較的高く保ったまま、厚さ方向の導
電性、熱伝導性を高い多孔質炭素板となる。また、本発
明の多孔質炭素板は密度の変化によらず空孔径を変化さ
せることができる。
【0136】このような多孔質炭素板は導電性、耐腐食
性、熱伝導性、強度、多孔性、気体透過性等を生かした
用途、例えばリン酸型燃料電池電極基材や電解用電極に
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D01F 9/22 C04B 35/52 E

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に2次元ランダムな方向に分散した
    炭素短繊維を有機物で結着してなる炭素繊維紙であっ
    て、該炭素繊維紙は、太さが4〜9μm、長さが4mm
    以上の炭素短繊維を少なくとも有する太さの異なる2種
    類以上の炭素短繊維を含むとともに、最も細い炭素短繊
    維の太さ(D1)に対する最も太い炭素短繊維の太さ
    (D2)の比(D2/D1)が1.3以上であることを
    特徴とする炭素繊維紙。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の炭素繊維紙であって、9
    μmを超える太さの炭素短繊維を含むことを特徴とする
    炭素繊維紙。
  3. 【請求項3】実質的に2次元ランダムな方向に分散した
    炭素短繊維を有機物で結着してなる炭素繊維紙であっ
    て、該炭素繊維紙は、曲線状の炭素短繊維と、太さが4
    〜9μmで長さが4mm以上の直線状の炭素短繊維とを
    少なくとも有する2種類以上の炭素短繊維を含むことを
    特徴とする炭素繊維紙。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかの項に記載の炭素
    繊維紙であって、含まれる有機物の比率が40重量%以
    下であることを特徴とする炭素繊維紙。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの項に記載の炭素
    繊維紙であって、引張強さが6kg/50mm幅、以上
    であることを特徴とする炭素繊維紙。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかの項に記載の炭素
    繊維紙であって、密度が10〜200kg/m3 である
    ことを特徴とする炭素繊維紙。
  7. 【請求項7】実質的に2次元平面内においてランダムな
    方向に分散せしめられた炭素短繊維を炭素によって互い
    に結着してなる多孔質炭素板であって、該多孔質炭素板
    は、太さが4〜9μmで長さが4mm以上の炭素短繊維
    を少なくとも有する太さの異なる2種類以上の炭素繊維
    の短繊維を含み、密度ρが300〜850kg/m3
    あり、曲げ強さF[MPa]および厚さ方向の比抵抗R
    [Ωm]が下記および式の関係を満足することを特
    徴とする多孔質炭素板。 F≧ρ/27 ……… R≦0.015×ρ-1/2 ………
  8. 【請求項8】請求項7における多孔質炭素板の構造が実
    質的に厚さ方向に変化しないことを特徴とする多孔質炭
    素板。
  9. 【請求項9】請求項7または8項に記載の多孔質炭素板
    であって、9μmを超える太さの炭素短繊維を含むこと
    を特徴とする多孔質炭素板。
  10. 【請求項10】実質的に2次元平面内においてランダム
    な方向に分散せしめられた炭素短繊維を炭素によって互
    いに結着してなる多孔質炭素板であって、該多孔質炭素
    板は、2種類以上の太さの異なる炭素繊維の短繊維を含
    み、該多孔質炭素板の表面近くの炭素短繊維は、その平
    均太さが、それ以外の部分の炭素短繊維の平均太さより
    も細くされ、前記多孔質炭素板の曲げ強さが19.6M
    Pa以上、表面粗さが25μm以下であることを特徴と
    する多孔質炭素板。
  11. 【請求項11】請求項7〜10のいずれかの項に記載の
    多孔質炭素板であって、2種類以上の炭素繊維のうちに
    原料の異なる炭素繊維を含むことを特徴とする多孔質炭
    素板。
  12. 【請求項12】実質的に2次元平面内においてランダム
    な方向に分散せしめられた炭素短繊維を炭素によって互
    いに結着してなる多孔質炭素板であって、該多孔質炭素
    板は、2種類以上の原料の炭素短繊維からなり、さらに
    前記炭素短繊維に太さ4〜9μmで長さ4mm以上のポ
    リアクリロニトリル系炭素短繊維を含み、前記多孔質炭
    素板の表面近くの炭素短繊維における太さ4〜9μmで
    長さ4mm以上のポリアクリロニトリル系炭素短繊維の
    比率が、それ以外の部分よりも高く、前記多孔質炭素板
    の曲げ強さは19.6MPa以上、表面粗さが25μm
    以下であることを特徴とする多孔質炭素板。
  13. 【請求項13】請求項7〜12のいずれかの項に記載の
    多孔質炭素板であって、前記炭素短繊維が直線状の炭素
    短繊維と曲線状の炭素短繊維を含むことを特徴とする多
    孔質炭素板。
  14. 【請求項14】請求項1〜6のいずれかの項に記載の炭
    素繊維紙を用いたことを特徴とする請求項7〜13のい
    ずれかの項に記載の多孔質炭素板。
  15. 【請求項15】請求項7〜14のいずれかの項に記載の
    多孔質炭素板を用いたことを特徴とする燃料電池積層体
    構成材料。
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