JPH0737686B2 - 炭素繊維の製造法 - Google Patents
炭素繊維の製造法Info
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- JPH0737686B2 JPH0737686B2 JP60123731A JP12373185A JPH0737686B2 JP H0737686 B2 JPH0737686 B2 JP H0737686B2 JP 60123731 A JP60123731 A JP 60123731A JP 12373185 A JP12373185 A JP 12373185A JP H0737686 B2 JPH0737686 B2 JP H0737686B2
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- carbon fiber
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- fibers
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65H—HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
- B65H2701/00—Handled material; Storage means
- B65H2701/30—Handled filamentary material
- B65H2701/31—Textiles threads or artificial strands of filaments
- B65H2701/314—Carbon fibres
Landscapes
- Inorganic Fibers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は炭素繊維を製造する際の糸継ぎに関するもの
で、より詳しくは、炭素繊維の原料繊維である有機重合
体繊維の単繊維または集束繊維(トウ)を不融化処理も
しくは耐炎化処理、および炭化処理、更には必要に応じ
て、黒鉛化処理した各工程段階における各態様繊維の糸
継ぎに関するもので、最も代表的には上記各工程におけ
る処理に際して繊維の供給を連続的に行なうために好便
な糸継ぎに関するものである。
で、より詳しくは、炭素繊維の原料繊維である有機重合
体繊維の単繊維または集束繊維(トウ)を不融化処理も
しくは耐炎化処理、および炭化処理、更には必要に応じ
て、黒鉛化処理した各工程段階における各態様繊維の糸
継ぎに関するもので、最も代表的には上記各工程におけ
る処理に際して繊維の供給を連続的に行なうために好便
な糸継ぎに関するものである。
一般に炭素繊維の製造法としては、ピツチ系繊維、アク
リル系繊維、セルロース系繊維またはポリビニルアルコ
ール系繊維などの有機重合体繊維を不融化処理(もしく
は耐炎化処理)し、次いで炭化処理することにより製造
されるものであるが、これらの工程へ供給される有機重
合体繊維は、紡糸の際に一旦ボビン等に巻き取られ、こ
のボビン等から引き出し供給されるのが一般的である。
リル系繊維、セルロース系繊維またはポリビニルアルコ
ール系繊維などの有機重合体繊維を不融化処理(もしく
は耐炎化処理)し、次いで炭化処理することにより製造
されるものであるが、これらの工程へ供給される有機重
合体繊維は、紡糸の際に一旦ボビン等に巻き取られ、こ
のボビン等から引き出し供給されるのが一般的である。
したがつて炭素繊維を連続的に製造するためには、ボビ
ンから供給される有機重合体繊維の末端を別のボビン上
に巻かれた有機重合体繊維の末端と糸継ぎする必要があ
る。
ンから供給される有機重合体繊維の末端を別のボビン上
に巻かれた有機重合体繊維の末端と糸継ぎする必要があ
る。
このような糸継ぎの方法は種々知られており、例えば熱
伝導性良好な糸継ぎ用物品片で連結する方法(特開昭56
-68111号公報)、トウ端部を熱処理した後、特定の方法
で結び合わせる方法(特開昭56-37315号公報)、結び目
等の連結部分を有するアクリロニトリル系繊維を酸化性
雰囲気中で処理し、連結部分を除去し、再度連結し直し
て炭化処理する方法(特公昭53-23411号公報)あるいは
繊維束同志を繊維軸方向に重ね合わせ、その上を別の繊
維を用い、特定の間隔で螺旋状に被覆する方法(特開昭
49-116329号公報)がある。
伝導性良好な糸継ぎ用物品片で連結する方法(特開昭56
-68111号公報)、トウ端部を熱処理した後、特定の方法
で結び合わせる方法(特開昭56-37315号公報)、結び目
等の連結部分を有するアクリロニトリル系繊維を酸化性
雰囲気中で処理し、連結部分を除去し、再度連結し直し
て炭化処理する方法(特公昭53-23411号公報)あるいは
繊維束同志を繊維軸方向に重ね合わせ、その上を別の繊
維を用い、特定の間隔で螺旋状に被覆する方法(特開昭
49-116329号公報)がある。
しかしながら、これらいずれの方法も、結び方が複雑で
あり、特に有機重合体繊維のうち機械的強度の劣るピツ
チ系繊維等に適用した場合、接続部が切断しやすく実用
に供しないものであつた。
あり、特に有機重合体繊維のうち機械的強度の劣るピツ
チ系繊維等に適用した場合、接続部が切断しやすく実用
に供しないものであつた。
本発明者等は、上記問題点を解決すべくピツチ系繊維等
の機械的強度の劣る有機重合体繊維に対してでも適用可
能な糸継ぎ法に関し鋭意検討した結果、特定の樹脂を用
いることにより機械的外力を加えることなく確実に糸継
ぎすることが可能で、かつ後続の工程における高温雰囲
気下での溶断、発泡等の現象を起こさず強固な結合が得
られることを見いだし、この知見に基づいて本発明に到
達した。
の機械的強度の劣る有機重合体繊維に対してでも適用可
能な糸継ぎ法に関し鋭意検討した結果、特定の樹脂を用
いることにより機械的外力を加えることなく確実に糸継
ぎすることが可能で、かつ後続の工程における高温雰囲
気下での溶断、発泡等の現象を起こさず強固な結合が得
られることを見いだし、この知見に基づいて本発明に到
達した。
すなわち、本発明の目的は有機重合体繊維の機械的強度
の如何にかかわらず簡便な操作でかつ後続の工程におい
て溶断、発泡、糸切れ等を生じない糸継ぎ方法を提供す
るものである。
の如何にかかわらず簡便な操作でかつ後続の工程におい
て溶断、発泡、糸切れ等を生じない糸継ぎ方法を提供す
るものである。
しかして、かかる目的は有機重合体繊維を不融化処理も
しくは耐炎化処理し、次いで炭化処理し、更に必要に応
じて黒鉛化処理して炭素繊維を製造する方法において前
記有機重合体繊維から前記炭素繊維に至るまでの少なく
ともいずれかの繊維を糸継ぎする際、糸継ぎする炭素繊
維の両末端を重ね合わせ、その部分にフェノール樹脂あ
るいはフエノール樹脂および硬化剤からなる糸継ぎ剤を
滴下又は塗布した後、熱硬化させ、実質的に連続した糸
継ぎ部を有する炭素繊維を製造する用いることにより達
成される。
しくは耐炎化処理し、次いで炭化処理し、更に必要に応
じて黒鉛化処理して炭素繊維を製造する方法において前
記有機重合体繊維から前記炭素繊維に至るまでの少なく
ともいずれかの繊維を糸継ぎする際、糸継ぎする炭素繊
維の両末端を重ね合わせ、その部分にフェノール樹脂あ
るいはフエノール樹脂および硬化剤からなる糸継ぎ剤を
滴下又は塗布した後、熱硬化させ、実質的に連続した糸
継ぎ部を有する炭素繊維を製造する用いることにより達
成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフエノール樹脂としては、フエノール類とホル
ムアルデヒドとを反応させて得られる常温液状のレゾー
ルが用いられる。フエノール類としては、フエノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、各
種キシレノール、レゾルシンあるいはこれらの混合物が
用いられる。フエノール類とホルムアルデヒドとの反応
は、通常フエノール類に対してホルムアルデヒドを過剰
にしてアルカリ触媒の存在下に行なわれる。フエノール
類1モルに対してホルムアルデヒドは1〜5モル、また
アルカリ触媒としては、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、ヘキサメチレンテトラミン、アンモニア、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどが用いられる。また、フ
エノール類とホルムアルデヒドをフエノールを過剰にし
て酸触媒の存在下に反応させて低分子量のノボラツクを
得、次いでアルカリの存在下ホルムアルデヒドを追加的
に反応させて得られるノボラツク型レゾールも本発明に
用いられる。
ムアルデヒドとを反応させて得られる常温液状のレゾー
ルが用いられる。フエノール類としては、フエノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、各
種キシレノール、レゾルシンあるいはこれらの混合物が
用いられる。フエノール類とホルムアルデヒドとの反応
は、通常フエノール類に対してホルムアルデヒドを過剰
にしてアルカリ触媒の存在下に行なわれる。フエノール
類1モルに対してホルムアルデヒドは1〜5モル、また
アルカリ触媒としては、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、ヘキサメチレンテトラミン、アンモニア、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどが用いられる。また、フ
エノール類とホルムアルデヒドをフエノールを過剰にし
て酸触媒の存在下に反応させて低分子量のノボラツクを
得、次いでアルカリの存在下ホルムアルデヒドを追加的
に反応させて得られるノボラツク型レゾールも本発明に
用いられる。
また有機重合体繊維としては、ピツチ系繊維、アクリル
系繊維、セルロース系繊維またはポリビニルアルコール
系繊維等、一般に前記したような各工程段階で糸継ぎが
必要な各態様繊維が挙げられるが、特に紡糸後の状態が
もろいため従来より有効な糸継ぎ方法が見いだせ得なか
つたピツチ系繊維に適用すると特段の利益を享受するこ
とができる。
系繊維、セルロース系繊維またはポリビニルアルコール
系繊維等、一般に前記したような各工程段階で糸継ぎが
必要な各態様繊維が挙げられるが、特に紡糸後の状態が
もろいため従来より有効な糸継ぎ方法が見いだせ得なか
つたピツチ系繊維に適用すると特段の利益を享受するこ
とができる。
これらの有機重合体繊維は単繊維またはこれを集束剤等
で集束した集束繊維、すなわちトウの状態で用いられ、
系継ぎの際に用いられる単繊維またはトウは紡糸した状
態のものであつてもよいし、不融化処理もしくは耐炎化
処理したもの、更には炭化処理したものであつてもよ
い。
で集束した集束繊維、すなわちトウの状態で用いられ、
系継ぎの際に用いられる単繊維またはトウは紡糸した状
態のものであつてもよいし、不融化処理もしくは耐炎化
処理したもの、更には炭化処理したものであつてもよ
い。
本発明で用いるフエノール樹脂は、通常、それ自体が常
温で液状を呈するレゾール樹脂が好ましいが、場合によ
つてはアルコール、アセトンなどの有機溶媒に希釈、溶
解させた形で用いることもできる。かかるフエノール樹
脂は単に加熱することにより脱水、脱ホルムアルデヒド
反応が進行して硬化し、不溶不融の固体となる。加熱温
度は通常100〜300℃、好ましくは130〜250℃の範囲から
選択される。
温で液状を呈するレゾール樹脂が好ましいが、場合によ
つてはアルコール、アセトンなどの有機溶媒に希釈、溶
解させた形で用いることもできる。かかるフエノール樹
脂は単に加熱することにより脱水、脱ホルムアルデヒド
反応が進行して硬化し、不溶不融の固体となる。加熱温
度は通常100〜300℃、好ましくは130〜250℃の範囲から
選択される。
硬化反応を促進・調整するために硬化剤を使用すること
ができる。硬化剤の使用量は触媒量で十分である。硬化
剤としては、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、
アジピン酸、セバシン酸、ポリアジピン酸無水物、マレ
イン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸など
の酸性硬化剤があげられ、また、塩化アルミニウム、塩
化亜鉛、塩化カルシウム、臭化コバルト、臭化カルシウ
ム、エチレンクロリドなどのハロゲン化物も硬化剤とし
て用いることができる。取扱いおよび硬化促進作用等を
考慮すると硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸を用
いることが好ましい。また、必要に応じて硬化剤をアル
コール、アセトンなどに溶解して用いることができる。
ができる。硬化剤の使用量は触媒量で十分である。硬化
剤としては、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、
アジピン酸、セバシン酸、ポリアジピン酸無水物、マレ
イン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸など
の酸性硬化剤があげられ、また、塩化アルミニウム、塩
化亜鉛、塩化カルシウム、臭化コバルト、臭化カルシウ
ム、エチレンクロリドなどのハロゲン化物も硬化剤とし
て用いることができる。取扱いおよび硬化促進作用等を
考慮すると硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸を用
いることが好ましい。また、必要に応じて硬化剤をアル
コール、アセトンなどに溶解して用いることができる。
糸継ぎの方法としては、糸継ぎする繊維の両末端を1〜
10mm程度重ね合わせ、その部分にフエノール樹脂を単独
で、あるいはフエノール樹脂を硬化剤と共にスポイド等
を用いて1滴程度(約0.02ml)滴下する。あるいは数滴
まぜあわせたものをピン、ようじ等を用いて塗りつけて
もよい。
10mm程度重ね合わせ、その部分にフエノール樹脂を単独
で、あるいはフエノール樹脂を硬化剤と共にスポイド等
を用いて1滴程度(約0.02ml)滴下する。あるいは数滴
まぜあわせたものをピン、ようじ等を用いて塗りつけて
もよい。
フエノール樹脂を滴下または塗布した部分に、ハンダご
てなどの熱源を接近させるか、小型オーブンで処理する
か、あるいは熱風を吹きつけることによりフエノール樹
脂は短時間内に硬化するので、2つの繊維に何らの機械
的外力を加えることなく糸継ぎすることができる。触媒
等を適当に選択するか、あるいは多少時間を長くするこ
とにより室温下でも硬化させることができる。
てなどの熱源を接近させるか、小型オーブンで処理する
か、あるいは熱風を吹きつけることによりフエノール樹
脂は短時間内に硬化するので、2つの繊維に何らの機械
的外力を加えることなく糸継ぎすることができる。触媒
等を適当に選択するか、あるいは多少時間を長くするこ
とにより室温下でも硬化させることができる。
糸継ぎする繊維としては、たとえば不融化処理をしてい
ないピツチ繊維を用いた場合、フエノール樹脂の硬化物
で糸継ぎされた繊維は、その後300〜500℃の不融化炉に
おいて不融化処理され、更に1000〜2500℃の高温炉にお
いて炭化処理されるが、本発明のフエノール樹脂はかか
る不融化、炭化処理により溶断したり、発泡したりする
ことなく強固な接着力を保持する。
ないピツチ繊維を用いた場合、フエノール樹脂の硬化物
で糸継ぎされた繊維は、その後300〜500℃の不融化炉に
おいて不融化処理され、更に1000〜2500℃の高温炉にお
いて炭化処理されるが、本発明のフエノール樹脂はかか
る不融化、炭化処理により溶断したり、発泡したりする
ことなく強固な接着力を保持する。
更に、高温雰囲気下においてフエノール樹脂も、有機重
合体繊維と同様に炭化されるが、炭化に際して有機重合
体繊維の炭化物と同様なグラフアイト構造となり、炭化
状態が均一となるため、糸切れ等が生じにくくなる。
合体繊維と同様に炭化されるが、炭化に際して有機重合
体繊維の炭化物と同様なグラフアイト構造となり、炭化
状態が均一となるため、糸切れ等が生じにくくなる。
また不融化処理したもの、あるいは炭化処理したものに
対して本発明の方法を適用する場合においても、後続の
工程で接続部が溶断したり、糸切を生じることはない。
対して本発明の方法を適用する場合においても、後続の
工程で接続部が溶断したり、糸切を生じることはない。
なお、本発明においては原料繊維である有機重合体繊維
の製造方法、集束処理、不融化処理、炭化処理等は常法
に従つて行なえばよく、特に特徴を有するものではな
い。
の製造方法、集束処理、不融化処理、炭化処理等は常法
に従つて行なえばよく、特に特徴を有するものではな
い。
本発明の方法を用いることにより、従来の方法では糸継
ぎが困難であつた機械的強度の劣るピツチ系繊維等を糸
継ぎする場合においても、確実に、かつ強固に接続し、
炭素繊維を連続的に製造することができる。
ぎが困難であつた機械的強度の劣るピツチ系繊維等を糸
継ぎする場合においても、確実に、かつ強固に接続し、
炭素繊維を連続的に製造することができる。
また本発明の糸継ぎ方法は、1つのボビンから次のボビ
ンへの切りかえ時の糸継ぎや、紡糸・不融化・炭化の一
連の処理が操業中、繊維またはトウの破断が生じた場合
の糸継ぎのほか、破断した繊維もしくはトウを破断して
いない近くの繊維あるいはトウへ接続することにより歩
留りの向上をはかる場合等種々な糸継ぎに利用可能であ
る。
ンへの切りかえ時の糸継ぎや、紡糸・不融化・炭化の一
連の処理が操業中、繊維またはトウの破断が生じた場合
の糸継ぎのほか、破断した繊維もしくはトウを破断して
いない近くの繊維あるいはトウへ接続することにより歩
留りの向上をはかる場合等種々な糸継ぎに利用可能であ
る。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。なお、実施例中部は重量部を表わ
す。
れるものではない。なお、実施例中部は重量部を表わ
す。
参考例1 フエノール325部、37%ホルマリン705部(ホルムアルデ
ヒド/フエノール モル比2.5)水460部、および50%水
酸化ナトリウム水溶液310部(ほぼ同量ずつ3回に分け
て添加)を還流煮沸下に2時間反応させ、次いで減圧下
に水を留去することにより、常温液状のレゾール樹脂を
得た。
ヒド/フエノール モル比2.5)水460部、および50%水
酸化ナトリウム水溶液310部(ほぼ同量ずつ3回に分け
て添加)を還流煮沸下に2時間反応させ、次いで減圧下
に水を留去することにより、常温液状のレゾール樹脂を
得た。
参考例2 クレゾール100部、37%ホルマリン100部、水酸化ナトリ
ウム80部、25%アンモニア水溶液3部を温度120℃、3
〜6kg/cm2の加圧下30分反応させ、次いで反応生成物か
ら減圧下に水を留去した。残留物に希釈剤として0.5重
量倍のメタノールを加え、クレゾール系のレゾール樹脂
を得た。
ウム80部、25%アンモニア水溶液3部を温度120℃、3
〜6kg/cm2の加圧下30分反応させ、次いで反応生成物か
ら減圧下に水を留去した。残留物に希釈剤として0.5重
量倍のメタノールを加え、クレゾール系のレゾール樹脂
を得た。
実施例1 コールタールピツチ1重量部に対し吸収油3重量部を加
え、窒素加圧下、450℃で1時間加熱処理した。この熱
処理物を減圧蒸留して一次処理ピツチを得、この一次処
理ピツチを窒素雰囲気下、420℃で3時間加熱処理して
光学的異方性相が100%のメソフエーズピツチを得た。
え、窒素加圧下、450℃で1時間加熱処理した。この熱
処理物を減圧蒸留して一次処理ピツチを得、この一次処
理ピツチを窒素雰囲気下、420℃で3時間加熱処理して
光学的異方性相が100%のメソフエーズピツチを得た。
得られたメソフエーズピツチを336℃で溶融紡糸するこ
とにより、糸径12μのピツチ系単繊維を得、これを250
本集束してトウとし、数個のボビンに巻きとつた。
とにより、糸径12μのピツチ系単繊維を得、これを250
本集束してトウとし、数個のボビンに巻きとつた。
不融化炉(入口温度;室温、出口温度;350℃)および炭
化炉(入口温度300℃、出口温度;1500℃)に連続的に導
入されている1つのボビンに巻きとられたトウの末端部
と他のボビンに巻きとつたトウの先端部を5mm重ね合わ
せ、その部分に糸継ぎ剤として、参考例1で得られたレ
ゾール樹脂をスポイドで約0.02ml落とし、更に硬化剤と
してパラトルエンスルホン酸を約0.02ml落とした。糸継
ぎ部にハンダごてを接近させて、硬化反応を促進した。
2分後に充分な接着力が得られ、その後同様に不融化炉
および炭化炉に導入された。
化炉(入口温度300℃、出口温度;1500℃)に連続的に導
入されている1つのボビンに巻きとられたトウの末端部
と他のボビンに巻きとつたトウの先端部を5mm重ね合わ
せ、その部分に糸継ぎ剤として、参考例1で得られたレ
ゾール樹脂をスポイドで約0.02ml落とし、更に硬化剤と
してパラトルエンスルホン酸を約0.02ml落とした。糸継
ぎ部にハンダごてを接近させて、硬化反応を促進した。
2分後に充分な接着力が得られ、その後同様に不融化炉
および炭化炉に導入された。
この処理操作中、糸継ぎ部分は溶断、発泡することな
く、炉の通過性も良好であつた。トウの糸継ぎ部分は、
ピツチ繊維のトウと同様であり、融着・発泡はなく均一
に炭化処理が行なわれていた。
く、炉の通過性も良好であつた。トウの糸継ぎ部分は、
ピツチ繊維のトウと同様であり、融着・発泡はなく均一
に炭化処理が行なわれていた。
実施例2 実施例1において、糸継ぎ剤として参考例2で得られた
レゾール樹脂を用い、硬化剤として硫酸を用いた以外は
同様にして糸継ぎを実施した、糸継ぎ部分に溶酸、発泡
はなく、炉の通過性も炭化状態も良好であつた。
レゾール樹脂を用い、硬化剤として硫酸を用いた以外は
同様にして糸継ぎを実施した、糸継ぎ部分に溶酸、発泡
はなく、炉の通過性も炭化状態も良好であつた。
実施例3 実施例1と同様のメソフエーズピツチを用い336℃で溶
融紡糸することにより、糸径10μの単繊維を得、これを
500本集束してトウとなし、これをケンス内に収納し
た。
融紡糸することにより、糸径10μの単繊維を得、これを
500本集束してトウとなし、これをケンス内に収納し
た。
ケンスに収納したトウを不融化炉に入れ昇温速度120℃/
hrで室温から350℃まで昇温加熱し、不融化処理を行な
い不融化されたトウを得た。
hrで室温から350℃まで昇温加熱し、不融化処理を行な
い不融化されたトウを得た。
不融化したトウを30cmの長さで10本とり出し、各トウを
2つに切断した。次いで切断された各トウを5mm重ねあ
わせ、その部分に糸継ぎ剤として参考例1で得られたレ
ゾール樹脂をスポイドで約0.02ml落とし、更に硬化剤と
してリン酸を約0.02ml落とした。室温で10分間放置し
た。
2つに切断した。次いで切断された各トウを5mm重ねあ
わせ、その部分に糸継ぎ剤として参考例1で得られたレ
ゾール樹脂をスポイドで約0.02ml落とし、更に硬化剤と
してリン酸を約0.02ml落とした。室温で10分間放置し
た。
糸継ぎしたトウ10本を炭化炉に入れ、アルゴン雰囲気
下、昇温速度600℃/hrで1500℃まで昇温加熱し、炭化処
理を行ない炭化されたトウを得た。
下、昇温速度600℃/hrで1500℃まで昇温加熱し、炭化処
理を行ない炭化されたトウを得た。
得られたピツチ系炭素繊維のトウは、いづれのトウにお
いても糸継ぎ部分において溶断、発泡はなく、炭化状態
においても他の部分と均一であつた。
いても糸継ぎ部分において溶断、発泡はなく、炭化状態
においても他の部分と均一であつた。
比較例 実施例1において、糸継ぎ剤としてフエノール樹脂(レ
ゾール樹脂)の代りに、エポキシ樹脂系接着剤およびウ
レタン樹脂系接着剤を用いて不融化されたトウの糸継ぎ
を試みて同様に炭化処理を行なつた。炭化前の接着性は
良好であつたが、炭化処理後に接着部分を観察したとこ
ろ接着剤の発泡があり、一部のトウは接着部分に溶断が
みられた。
ゾール樹脂)の代りに、エポキシ樹脂系接着剤およびウ
レタン樹脂系接着剤を用いて不融化されたトウの糸継ぎ
を試みて同様に炭化処理を行なつた。炭化前の接着性は
良好であつたが、炭化処理後に接着部分を観察したとこ
ろ接着剤の発泡があり、一部のトウは接着部分に溶断が
みられた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−68111(JP,A) 特開 昭54−55624(JP,A) 特開 昭57−209883(JP,A)
Claims (7)
- 【請求項1】有機重合体繊維を不融化もしくは耐炎化処
理し、次いで炭化処理し、更に必要に応じて黒鉛化処理
して炭素繊維を製造する方法において、前記有機重合体
繊維から前記炭素繊維に至までの少なくともいづれかの
繊維を糸継ぎする際、糸継ぎする炭素繊維の両末端を重
ね合わせ、その部分にフェノール樹脂あるいはフェノー
ル樹脂および硬化剤からなる糸継ぎ剤を滴下又は塗布し
た後、熱硬化させ、実質的に連続した糸継ぎ部を有する
炭素繊維を製造することを特徴とする炭素繊維の製造
法。 - 【請求項2】フェノール樹脂がフェノール類とホルムア
ルデヒドとを反応させて得られたレゾールであることを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の炭素繊維の製造
方法。 - 【請求項3】硬化剤が硫酸、リン酸またはパラトルエン
スルホン酸であることを特徴とする特許請求の範囲第1
項記載の炭素繊維の製造法。 - 【請求項4】糸継ぎする繊維が有機重合体繊維を集束し
て得られたトウであることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の炭素繊維の製造法。 - 【請求項5】糸継ぎする繊維が有機重合体繊維を集束
し、更に不融化処理して得られたトウであることを特徴
とする特許請求の範囲第1項記載の炭素繊維の製造法。 - 【請求項6】糸継ぎする繊維が有機重合体繊維を集束
し、不融化処理および炭化処理して得られたトウである
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の炭素繊維
の製造法。 - 【請求項7】有機重合体繊維がピッチ系繊維であること
を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の炭素繊維の製
造法。
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JP60123731A JPH0737686B2 (ja) | 1985-06-07 | 1985-06-07 | 炭素繊維の製造法 |
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- 1985-06-07 JP JP60123731A patent/JPH0737686B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
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