JP6008164B2 - 多孔質電極基材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池に用いられる多孔質電極基材の製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池は、水素等の燃料ガスと酸素等の酸化ガスを電気化学的に反応させることにより起電力を得る装置であり、前記固体高分子型燃料電池には、水素イオン(プロトン)を選択的に伝導する高分子電解質膜を有する。また、高分子電解質膜の両面には、内側から貴金属系触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層及びガス拡散電極基材とを有する2組のガス拡散電極が接合されている。
このような高分子電解質膜と2組のガス拡散電極からなる接合体は膜−電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)と呼ばれている。また、MEAの両外側には、燃料ガスまたは酸化ガスを供給し、かつ生成ガスおよび過剰ガスを排出することを目的とするガス流路を形成したセパレーターが設置されている。
ガス拡散電極基材は、主に次の3つの機能が要求される。第一の機能は、その外側に配置されたセパレーターに形成されたガス流路から触媒層中の貴金属系触媒に均一に燃料ガスまたは酸化ガスを供給する機能である。第2の機能は、触媒層での反応により生成した水を排出する機能である。第3の機能は、触媒層での反応に必要な電子または触媒層での反応により生成される電子をセパレーターへ導電する機能である。これらの機能を充足する基材としては、通常、炭素質材料からなる多孔質構造を有する基材が使用される。具体的には、カーボンペーパー、炭素繊維クロス、炭素繊維フェルト等の炭素繊維を用いた基材が一般的に用いられる。これらの基材は炭素繊維によって高い導電性を示すだけでなく、多孔質材料であるため、燃料ガスおよび生成水などの液体の透過性が高いためガス拡散層に好適な材料である。
カーボンペーパーの一般的な製造方法としては、炭素短繊維と炭素繊維前駆体繊維等のバインダー成分とを抄造後、有機高分子で結着させ、これを高温で焼成して有機高分子を炭素化させたペーパー状の炭素/炭素複合体とする方法が知られている。該製造工程において炭化される炭素繊維前駆体繊維や樹脂組成物の重量減少率は一般的に50〜70%と非常に高く、エネルギーコスト、および環境負荷が非常に大きい製造工程である。さらに、炭化後のカーボンパーパーの導電性や機械的強度および熱伝導性を高めるという観点においては、カーボンペーパーの嵩密度を高める必要があり、そのためには原料の投入量を多くするしかなく、環境負荷およびエネルギーコストはますます高まるという悪循環が生じている。たとえば、特許文献1においては炭素化収率が40%以上と比較的高い樹脂組成物を原料とするガス拡散電極基材の製造方法が開示されている。また、特許文献2においては、従来の高温での焼成プロセスを必要としないガス拡散電極が開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法では原料として使用する樹脂組成物が限定される上に、樹脂組成物以外に混抄される熱可塑性樹脂粒子等の炭素化収率が20%以下と低いため、炭素化工程におけるシート全体の炭素化収率は低い傾向にある。また、特許文献2の方法では、炭素粉を樹脂成分により結着したのみの構造体であるため、従来のC/Cコンポジットであるカーボンペーパーに比べ電気伝導性および機械的強度が低いという問題点があった。
特開2011−146373号公報 特許第4828864号公報
本発明は上記のような問題点を克服し、炭素化工程を有する製造方法でありながらも、混抄する樹脂成分に左右されずに炭素化収率を向上させることができる製造方法であって、かつ電気伝導性の高い多孔質炭素電極基材を製造できる方法を提供することを目的とする。
具体的には、前記課題は以下の発明[1]〜[]によって解決される。
[1] 以下の工程を含む多孔質炭素質電極基材の製造方法。
工程(1):平均直径が3〜30μmで平均繊維長が2〜12mmの炭素短繊維(A)と、平均繊維径が5μm以下で平均繊維長が2〜20mmの炭素繊維前駆体短繊維(b)および、繊度が1〜10dtex、平均繊維長が1〜20mmのフィブリル状繊維(b´)を、炭素短繊維(A)100重量部に対し、炭素繊維前駆体短繊維(b)とフィブリル状繊維(b´)の総量が20〜100重量部となるように、かつ炭素繊維前駆体短繊維(b)100重量部に対してフィブリル状繊維(b´)が25〜100重量部の割合で分散させた抄紙体を製造する工程。
工程(2):抄紙体を酸素雰囲気下において、300〜450℃で10〜300秒熱処理を行い、多孔質電極基材前駆体シートを得る工程。
工程(3):前記工程(2)で得られた前駆体シートを、窒素雰囲気下において2000〜3000℃で10分〜1時間炭素化して多孔質炭素質電極基材を製造する工程。
なお、工程(1)において、炭素繊維前駆体短繊維(b)はアクリル系ポリマーであり、フィブリル状繊維(b´)はアクリル系ポリマーと酢酸セルロースとからなる易割繊性アクリル系海島複合短繊維または木材パルプである。
[2] 工程(1)と行程(2)の間に、抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸させ、次いで乾燥・成形を行う工程(4)を有する上記[1]に記載の製造方法。
] 工程(1)と行程(4)の間に、抄紙体を交絡処理する工程(5)を有する上記[2]に記載の製造方法。

] 工程(3)における熱処理方法が、遠赤外線による加熱である上記[1]〜[]のいずれかに記載の製造方法。

] 工程(3)における熱処理方法が、誘導加熱ロールによる接触方式の加熱である上記[1]〜[]のいずれかに記載の製造方法。
本発明の多孔質炭素電極基材の製造方法は、炭素化工程を有する製造方法でありながらも、混抄する樹脂成分に左右されずに炭素化収率を向上させることができるため、製造コストが安く電気伝導性の高い多孔質炭素電極基材を提供できる。
以下、本発明について詳細に示す。
固体高分子型燃料電池用の多孔質炭素電極基材としては、表面平滑性が高く、電気的接触が良好で、かつ機械的強度が高い複数本の炭素短繊維が集合してなる抄紙体が好ましい。以下本発明の製造方法につき、各工程毎に説明する。
工程(1):炭素短繊維(A)と炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)を分散させた抄紙体を製造する工程
<炭素短繊維(A)>
炭素短繊維(A)としては、その原料によらず用いることができるが、ポリアクリロニトリル(以後PANと略す。)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維から選ばれる1つ以上の炭素繊維を含むことが好ましく、PAN系炭素繊維あるいはピッチ系炭素繊維を含むことがより好ましい。
炭素短繊維(A)の平均直径は、ガス拡散層としての表面平滑性と導電性の観点から、3〜30μm程度が好ましく、4〜20μmがより好ましく、4〜8μmがさらに好ましい。
炭素短繊維(A)の長さは、抄紙時の分散性とガス拡散層としての機械的強度の観点から、2〜12mmが好ましく、3〜9mmがさらに好ましい。
<炭素繊維前駆体短繊維(b)>
炭素繊維前駆体短繊維(b)は、長繊維状の炭素繊維前駆体繊維を適当な長さにカットしたものである。炭素繊維前駆体短繊維(b)の繊維長は、分散性の点から、2〜20mm程度が好ましい。炭素繊維前駆体短繊維(b)の断面形状は特に限定されないが、炭素化した後の機械的強度、製造コストの面から、真円度の高いものが好ましい。また、炭素繊維前駆体短繊維(b)の直径は、炭素化時の収縮による破断を抑制するため、5μm以下であることが好ましい。
このような炭素繊維前駆体短繊維(b)として用いられるポリマーとして、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。このようなポリマーとしては、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーを挙げることができる。
炭素繊維前駆体短繊維(b)に用いるアクリル系ポリマーは、アクリロニトリルの単独重合体でもよく、アクリロニトリルとその他のモノマーとを共重合体でもよい。アクリロニトリルと共重合されるモノマーとしては、一般的なアクリル系繊維を構成する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
紡糸性および低温から高温にかけて炭素短繊維(A)同士を接合させることができ、炭素化時の残存質量が大きい点、さらに、後述する交絡処理を行う際の繊維弾性、繊維強度を考慮すると、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。従って、炭素繊維前駆体繊維(b)としては、アクリル繊維、(アクリロニトリル単位を50質量%以上含有する)アクリル系繊維が好ましい。
炭素繊維前駆体短繊維(b)に用いるアクリロニトリル系ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、5万〜100万が好ましい。重量平均分子量が5万以上であることで、紡糸性が向上すると同時に、繊維の糸質が良好になる傾向にある。重量平均分子量が100万以下であることで、紡糸原液の最適粘度を与えるポリマー濃度が高くなり、生産性が向上する傾向にある。
炭素繊維前駆体短繊維(b)は、1種類を用いてもよく、繊維直径やポリマー種が異なる2種類以上の炭素繊維前駆体短繊維(b)を用いてもよい。
<フィブリル状繊維(b´)>
フィブリル状繊維(b´)は、天然繊維、合成繊維の区別なく、いかなる繊維を用いることも出来る。たとえば、アクリル等を主成分とするフィブリル状炭素前駆体(b´−1)から天然繊維である木材パルプまで含む。中でも含有する金属分が少ないことが好ましいため、フィブリル状繊維(b´)は、合成繊維であることが好ましい。より好ましくはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)などを用いることができる。これらをそれぞれ単独で用いてもよいし、併用してもよい。また、炭素化収率を向上させるには、以下に示すフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)を用いることが好ましい。
フィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)とは、適当な長さにカットした長繊維状の易割繊性海島複合繊維であり、リファイナーやパルパーなどによって叩解しフィブリル化するものである。フィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)は、共通の溶剤に溶解し、かつ非相溶性である2種類以上の異種ポリマーを用いて製造され、少なくとも1種類のポリマーが、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。
易割繊性海島複合繊維に用いられるポリマーのうち、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であるものとしては、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーが挙げられる。中でも、紡糸性および炭素化処理工程における残存質量の観点から、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
アクリル系ポリマーは、アクリロニトリルを単独重合しても、アクリロニトリルとその他のモノマーとを共重合してもよい。アクリロニトリルと共重合されるモノマーとしては、一般的なアクリル系繊維を構成する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
アクリロニトリル系ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、5万〜100万が好ましい。重量平均分子量が5万以上であることで、紡糸性が向上すると同時に、繊維の糸質が良好になる傾向にある。重量平均分子量が100万以下であることで、紡糸原液の最適粘度を与えるポリマー濃度が高くなり、生産性が向上する傾向にある。
易割繊性海島複合繊維に用いられるポリマーのうち、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であるものとして、上述するアクリル系ポリマーを用いた場合、他のポリマーとしては、そのアクリロニトリル系ポリマーと共通の溶剤に溶解し、紡糸原液とした場合に安定に存在することが必要である。すなわち、紡糸原液においては、2種のポリマーの、非相溶性の度合いが大きい場合、繊維が不均質となるとともに、紡糸時における糸切れの原因となるため、繊維への賦形はできない場合がある。したがって、他のポリマーは、アクリロニトリル系ポリマーと共通の溶剤に溶解した場合に、アクリロニトリル系ポリマーに対して非相溶であるが、紡糸の際に海島構造を形成できる程度の混和性が必要である。また、湿式紡糸する場合、凝固槽、および洗浄槽において他のポリマーが水に溶解すると、脱落が起こり製造上問題であるため、他のポリマーは水に難溶性であることが必要である。
これらの要求を満足する他のポリマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂などが挙げられるが、酢酸セルロース、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂は、前述要件のバランスの点で、好ましく用いることができる。他のポリマーは、1種でもよく、2種以上でもよい。
フィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)として用いる易割繊性海島複合繊維は、通常の湿式紡糸法で製造することができる。炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であるものとしてアクリロニトリル系ポリマーを用いた場合、他のポリマーとを混合した後、溶剤に溶解して、易割繊性海島複合繊維の紡糸原液とする。または、アクリロニトリル系ポリマーを溶剤に溶解して得られる紡糸原液と、他のポリマーを溶剤に溶解して得られる紡糸原液とを、スタティックミキサー等で混合し、易割繊性海島複合繊維の紡糸原液としてもよい。溶剤としては、ジメチルアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドなどの有機溶剤を用いることができる。これらの紡糸原液を、ノズルより紡糸し、湿熱延伸、洗浄、乾燥および乾熱延伸を施こすことで、易割繊性海島複合繊維を得ることができる。
フィブリル状繊維(b´)の断面形状は、特に限定されない。分散性、炭素化時の収縮による破断を抑制するため、フィブリル状繊維(b´)の繊度は、1〜10dtexであることが好ましい。フィブリル状繊維(b´)の平均繊維長は、分散性の観点から、1〜20mmが好ましい。
<抄紙体の製造>
素短繊維(A)と炭素繊維前駆体繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)を分散させた抄紙体の製造方法としては、液体の媒体中に炭素短繊維(A)と、炭素繊維前駆体繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)とを分散させて抄造する湿式法、空気中に炭素短繊維(A)と、炭素繊維前駆体繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)とを分散させて降り積もらせる乾式法、などの抄紙方法を適用できる。しかし、抄紙体の均一性が高いという観点から、湿式法を用いることが好ましい。
炭素短繊維(A)と、炭素繊維前駆体繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)の混合比としては、炭素短繊維(A)100重量部に対し、炭素繊維前駆体繊維(b)およびフィブリル状繊維(b´)の総量が、20〜100重量部となるように混合することが好ましい。炭素繊維前駆体繊維(b)およびフィブリル状繊維(b´)の総量が少ないと、抄紙体の強度が低くなり、炭素繊維前駆体繊維(b)およびフィブリル状繊維(b´)の総量が多いと、結果的に得られる多孔質電極基材の電気伝導性が低くなってしまう。また、炭素繊維前駆体繊維(b)とフィブリル状繊維(b´)との割合は、炭素繊維前駆体繊維(b)100重量部に対し、フィブリル状繊維(b´)が25〜100重量部の割合で含まれることが好ましい。
炭素短繊維(A)が単繊維に開繊するのを助け、開繊した単繊維が再収束することを防止するためにも、炭素繊維前駆体繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)を使用する。また、必要に応じてバインダーを使用して、湿式抄紙することもできる。
バインダーとは、炭素短繊維(A)と、炭素前駆体繊維(b)とを含む前駆体シート中で、各成分をつなぎとめる糊剤としての役割を有する。バインダーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニルなどを用いることができる。特に、抄紙工程での結着力に優れ、炭素短繊維(A)の脱落が少ないことから、ポリビニルアルコールが好ましい。本発明では、バインダーを繊維形状にして用いることも可能である。
本発明では、バインダーを用いずに抄紙化しても、炭素短繊維(A)と、炭素繊維前駆体繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)との適度な絡みを得ることができる。
炭素短繊維(A)および炭素繊維前駆体繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)を分散させる液体の媒体としては、例えば、水、アルコールなどの炭素前駆体繊維(b)が溶解しない媒体が挙げられる。この中でも、生産性の観点から、水を用いることが好ましい。
繊維質を分散させたスラリー中の繊維質濃度が1〜50g/L程度となる割合で水などの媒体を用いることが好ましい。スラリー中の繊維質濃度が低いと、抄紙速度を遅くせざるを得ず、生産性が悪くなり、繊維質濃度が高くなりすぎるとスラリー中の繊維質の分散性が低下するため、繊維質の塊が発生しやすく、目付ムラの大きな抄紙体が得られる。
炭素短繊維(A)および炭素繊維前駆体繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)を混合する方法としては、水中で攪拌分散させる方法、これらを直接混ぜ込む方法が挙げられるが、均一に分散させる観点から、水中で拡散分散させる方法が好ましい。炭素短繊維(A)と、炭素繊維前駆体繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)とを混合し、抄紙して抄紙体を製造することにより、抄紙体の強度を向上させることができる。また、その製造途中で、前駆体シートから炭素短繊維(A)が剥離し、炭素短繊維(A)の配向が変化することを防止することができる。
抄紙体は、連続法とバッチ法のいずれによっても製造できるが、抄紙体の生産性および機械的強度の観点から、連続法で製造することが好ましい。
抄紙体の目付は、抄紙体のハンドリング性および多孔質電極基材としたときのガス透過性、導電性、ハンドリング性の観点から10g/m以上、200g/m以下であることが好ましい。また、抄紙体の厚みは、20μm以上、400μm以下であることが好ましい。
工程(2):抄紙体を酸素雰囲気下において、300〜450℃で10〜300秒熱処理を行い、多孔質炭素質電極基材前駆体シートを得る工程
<熱処理>
抄紙体を、300〜450℃の温度で10〜300秒の間熱処理して多孔質電極基材前駆体シートとする。この熱処理により炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の炭素化収率が向上する。具体的には、炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の炭素短繊維(A)への融着を促進し、後述する工程(4)の成形によって形成される炭素短繊維(A)同士の結着構造をより強固にするだけでなく、炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の表面状態を改質する。炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の改質された表面は、炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の全体を覆っており、炭素化の際には保護膜としての役割を果たすことで、炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の内部の重量減少を防ぎ、炭素化収率を大幅に向上させることが出来る。炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の炭素化収率を向上させることができる。熱処理は、酸素が潤沢に存在する雰囲気下、例えば大気中で行うことが好ましい。熱処理を行う温度は300〜450℃であり、低すぎると酸化反応が進まず、高すぎると炭化反応が生じてしまうためである。
加熱ロール等を用いた連続または間欠的な加圧直接加熱による連続熱処理や遠赤外線、熱風などによる非接触加熱方式を用いることが出来る。いずれの方法を用いても低コストかつ、炭素短繊維(A)と炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´)を融着させることができるが、炭素短繊維の赤外線吸収効率が高いため、短時間で酸化および環化反応を効率よく起こすことが出来るため、より低コストで性能の高い多孔質炭素電極基材を得るためには遠赤外線による加熱方式を用いることが好ましい。
また、熱処理の時間は10〜300秒であるが、生産性や製造コストの観点からすると連続的に短いプロセスで多孔質炭素電極基材を製造することが好ましく、30〜120秒であることがより好ましい。連続的に製造されたシートを熱処理する場合は、シートの全長にわたって連続で行うことが好ましい。これによって、炭素化処理を連続で行うことができ、多孔質電極基材、膜−電極接合体及び燃料電池の生産性を向上させ製造コストを低減することができる。
なお、熱処理に必要な熱量は、抄紙体に付与される温度とその時間の積により簡便に表すことが出来る。具体的には、炭素化率を向上させるためには、熱処理温度と熱処理時間の積が3000〜135000℃・秒であることが好ましく、より好ましくは9000〜54000℃・秒である。
工程(3):前記工程(2)で得られた前駆体シートを、窒素雰囲気下において2000〜3000℃で炭素化して多孔質炭素質電極基材を製造する工程
<炭素化>
炭素化処理は前駆体シート中の炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´)および熱硬化性樹脂を炭素化する。炭素化処理は多孔質電極基材の導電性を高めるために、不活性ガス中で行うことが好ましい。炭素化処理は、通常1000℃以上の温度で行なわれる。炭素化処理温度範囲は、1000〜3000℃が好ましく、1000〜2200℃がより好ましい。炭素化処理時間は、例えば10分間〜1時間程度である。また、炭素化処理の前に、300〜800℃の程度の不活性雰囲気での焼成による前処理を行うことができる。
連続的に製造された前駆体シートを炭素化処理する場合は、製造コスト低減化の観点から、前駆体シートの全長にわたって連続で炭素化処理を行うことが好ましい。多孔質電極基材が長尺であればハンドリング性が高く、多孔質電極基材の生産性が高くなり、かつその後の膜−電極接合体(MEA)の製造も連続で行うことができるので、燃料電池の製造コストを低減できる。また、多孔質電極基材や燃料電池の生産性および製造コスト低減化の観点から、製造された多孔質電極基材を連続的に巻き取ることが好ましい。
工程(4):抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸させ、乾燥・成形を行う工程
上述した通り、本願発明は工程(2)において熱処理することにより、炭素繊維前駆体短繊維(b)、フィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または熱硬化性樹脂の炭素短繊維(A)融着を促進し、後述する工程(4)の成形によって形成される炭素短繊維(A)同士の結着構造をより強固にするだけでなく、炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の表面状態を改質する。炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の改質された表面は、炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の全体を覆っており、炭素化の際には保護膜としての役割を果たすことで、炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または後述する熱硬化性樹脂の内部の重量減少を防ぎ、炭素化収率を大幅に向上させることが出来る。従って、工程(2)で熱処理する抄紙体には、必ず繊維前駆体短繊維(b)、フィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)、熱硬化性樹脂のいずれか1つ以上が含まれている必要がある。従って、工程(1)で得られた抄紙体が繊維前駆体短繊維(b)とフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)のいずれも含まない場合は、工程(2)の前に工程(4)を設けて抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸しなければならない。即ち、工程(1)と行程(2)の間に、工程(4)を設けらなければならない。
なお、炭素短繊維(A)同士を、炭素繊維前駆体短繊維(b)、フィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または熱硬化性樹脂の炭化物により強固に炭素質で結着させることによって、多孔質電極基材の見掛けの嵩密度を向上させて強度を向上させるだけでなく、多数の導電パスを形成させることで電気伝導性の高い多孔質電極基材を得るという観点から、工程(1)で得られた抄紙体が炭素繊維前駆体短繊維(b)とフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)のいずれかを含んでいる場合であっても、工程(1)と工程(2)の間に工程(4)を設けることが好ましい。
<熱硬化性樹脂>
抄紙体に含浸させる熱硬化性樹脂としては、炭素化した段階でガス拡散層の炭素繊維を結着することのできる公知の樹脂から適宜選んで用いることができる。炭素化後に導電性物質として残存しやすいという観点から、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ピッチ等が好ましく、加熱による炭素化の際に炭化率の高いフェノール樹脂が特に好ましい。
<含浸方法>
熱硬化性樹脂を含浸させる方法としては、公知の方法を用いることが出来る。たとえば、ディップ法やキスコート法、スプレー法、カーテンコート法などを用いることが出来る。とりわけ製造コストの観点から、スプレー法やカーテンコート法を用いることが好ましい。
<乾燥・成形工程>
乾燥方法としては、公知の技術を用いることが出来る。加熱されたロールに接触させて乾燥させるドラム乾燥や熱風による乾燥方法などを用いることが出来る。メンテナンスの簡便さから、非接触方式による乾燥が好ましい。乾燥温度としては、樹脂が硬化しない温度範囲60〜110℃、より好ましくは70〜100℃が好ましい。
樹脂含浸・乾燥後の抄紙体を成形する工程が重要である。これにより前駆体シート中の炭素短繊維(A)を炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)で融着させ、かつ熱硬化性樹脂を硬化させることで、炭素化後の多孔質炭素電極基材の強固な導電パスが形成される。成形工程で炭素繊維前駆体短繊維(b)、フィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または熱硬化性樹脂の炭素短繊維(A)への融着を生じさせることで、後段に続く熱処理工程でさらに融着が進行し、炭素繊維前駆体短繊維(b)、フィブリル状炭素前駆体繊維(b´−1)および/または熱硬化性樹脂の炭素化収率が向上する。
成形方法は、抄紙体を均等に加熱加圧成形できる技術であれば、いかなる技術も適用できる。例えば、抄紙体の両面に平滑な剛板を当てて熱プレスする方法、連続ロールプレス装置や、連続ベルトプレス装置を用いる方法が挙げられる。
連続的に製造された抄紙体を加熱加圧成形する場合には、連続ロールプレス装置や、連続ベルトプレス装置を用いる方法が好ましい。これによって、後続の熱処理、炭素化処理を連続で行うことができる。連続ベルトプレス装置におけるプレス方法としては、ロールプレスによりベルトに線圧で圧力を加える方法、液圧ヘッドプレスにより面圧でプレスする方法などが挙げられる。後者の方がより平滑な多孔質電極基材が得られるという点で好ましい。
加熱加圧成形における加熱温度は、前駆体シートの表面を効果的に平滑にするために、200℃未満が好ましく、120〜190℃がより好ましい。
成形圧力は特に限定されないが、抄紙体中における炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)の含有比率が多い場合は、成形圧が低くても容易にシートYの表面を平滑にすることができる。このとき必要以上にプレス圧を高くすると、加熱加圧成形時に炭素短繊維(A)が破壊されるという問題や、多孔質電極基材の組織が緻密になりすぎるという問題等が生じる可能性がある。成形圧力は、20kPa〜10MPa程度が好ましい。
加熱加圧成形の時間は、例えば30秒〜10分とすることができる。抄紙体を2枚の剛板に挟んでまたは連続ロールプレス装置や連続ベルトプレス装置で加熱加圧成形する時は、剛板またはロールやベルトに炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状炭素前駆体繊維(b´)などが付着しないように、あらかじめ剥離剤を塗っておくことや、抄紙体と剛板またはロールやベルトとの間に離型紙を挟むことが好ましい。
工程(5):抄紙体を交絡処理する工程
シート状物を交絡処理することで、炭素短繊維(A)と炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)が3次元に交絡した交絡構造を有するシート(交絡構造シート)を形成することができる。
交絡処理は、交絡構造が形成される方法から必要に応じて選択することができ、特に限定されない。ニードルパンチング法などの機械交絡法、ウォータージェットパンチング法などの高圧液体噴射法、スチームジェットパンチング法などの高圧気体噴射法、あるいはこれらの組み合わせによる方法で行うことができる。交絡処理工程での炭素短繊維(A)の破断と、炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)の破断を、容易に抑制することができ、かつ適切な交絡性が容易に得られるという点で、高圧液体噴射法が好ましい。以下、この方法について詳しく説明する。
高圧液体噴射処理とは、実質的に表面平滑な支持部材上に抄紙体を載せ、例えば1MPa以上の圧力で噴射される液体柱状流、液体扇形流、液体スリット流等を作用させることによって、抄紙体中の炭素短繊維(A)と炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b´)を交絡させる処理方法である。ここで、実質的に表面平滑な支持部材としては、得られる交絡構造体に支持部材の模様が形成されることなく、かつ噴射された液体が速やかに除かれるようなものから必要に応じて選択して用いることができる。その具体例としては、30〜200メッシュの金網またはプラスチックネットあるいはロール等を挙げることができる。
実質的に表面平滑な支持部材上で、抄紙体を製造した後に、続けて高圧液体噴射処理等による交絡処理を連続的に行うことが、生産性の観点から好ましい。
抄紙体の高圧液体噴射による交絡処理は、複数回繰り返してもよい。即ち、抄紙体の高圧液体噴射処理を行った後、さらに抄紙体を積層し、高圧液体噴射処理を行ってもよいし、できつつある交絡した構造を有する抄紙体を裏返し、反対側から、高圧液体噴射処理を行ってもよい。また、これらの操作を繰り返してもよい。
高圧液体噴射処理に用いる液体は、処理される繊維を溶解しない溶剤であれば特に制限されないが、通常は水を用いることが好ましい。水は、温水でもよい。高圧液体噴射ノズル中のそれぞれの噴射ノズル孔径は、柱状流の場合、0.06〜1.0mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。ノズル噴射孔と積層体の間の距離は、0.5〜5cmが好ましい。液体の圧力は、繊維の交絡の観点から1MPa以上が好ましく、より好ましくは1.5MPa以上で、交絡処理は、1列でも複数列でもよい。複数列行う場合、抄紙体形態維持の観点から1列目よりも2列目以降の高圧液体噴射処理での圧力を高めることが有効である。
シート(抄紙体)を連続的に製造すると、シート化方向に筋状の軌跡パターンが形成され、シート(抄紙体)に疎密構造が生じる場合がある。しかし、1列または複数列のノズル孔を備える高圧液体噴射ノズルをシート(抄紙体)の幅方向に振動させることにより、前記軌跡パターンを抑制することができる。シート化方向の筋状の軌跡パターンを抑制することにより、シート(抄紙体)幅方向に引張強度を発現することができる。また1列または複数列のノズル孔を備える高圧液体噴射ノズルを複数本使用する場合、高圧液体噴射ノズルをシート(抄紙体)の幅方向に振動させる振動数、またその位相差を制御することにより、交絡処理されたシート(抄紙体)に現れる周期的な模様を抑制することもできる。
交絡処理工程により抄紙体の引張強度が向上するため、通常抄紙で使用されるポリビニルアルコール等のバインダーを使用せずに済み、かつ水中あるいは湿潤状態でもシートの引張強度を維持できる。
工程(5)は、工程(1)と行程(2)の間に設ければよく、工程(4)を有する場合は、工程(1)と(4)の間にもうければよい。
下記の手法を用いて各種物性値の測定を行った。
(目付、嵩密度の測定)
ガス拡散層1m幅のうちから、3×3cm角の試験片を10点、幅方向に均等に取り出し、それぞれの厚みをマイクロメーターにより測定し、重量を天秤により秤量することで嵩密度を算出した。10点測定した目付の平均値を其のサンプルの代表値として採用した。
(貫通方向抵抗の測定)
多孔質電極基材の厚さ方向の電気抵抗(貫通方向抵抗)は、金メッキした銅板に多孔質電極基材を挟み、銅板の上下から1MPaで加圧し、10mA/cmの電流密度で電流を流したときの抵抗値を測定し、次式より求めた。
貫通方向抵抗(mΩ・cm)=測定抵抗値(mΩ)×試料面積(cm
<実施例1>
炭素短繊維(A)として、平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのPAN系炭素繊維を用意した。また、炭素繊維前駆体短繊維(b)として、平均繊維径が4μm、平均繊維長が3mmのアクリル短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:D122)、フィブリル状繊維(b´)として、叩解によってフィブリル化するアクリル系ポリマーとジアセテート(酢酸セルロース)とからなる易割繊性アクリル系海島複合短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:ボンネルM.V.P.−C651、平均繊維長:3mm)を用意した。
以下の(1)〜(7)の操作によって多孔質炭素電極基材を製造した。
(1)炭素短繊維(A)の離解
炭素短繊維(A)を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散して、ミキサーを通して離解処理し、離解スラリー繊維(SA)とした。
(2)炭素繊維前駆体短繊維(b)の離解
炭素繊維前駆体短繊維(b)を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散して、ミキサーを通して離解処理し、離解スラリー繊維(Sb)とした。
(3)フィブリル状繊維(b´)の離解
前記易割繊性アクリル系海島複合短繊維を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散させミキサーを通して叩解・離解処理し、離解スラリー繊維(Sb´)とした。
(4)抄紙体の製造
炭素短繊維(A)と炭素繊維前駆体短繊維(b)およびフィブリル状繊維(b´)とが、質量比70:10:20で、かつスラリー中の繊維の濃度が、1.44g/Lとなるように離解スラリー繊維(SA)、離解スラリー繊維(Sb)、離解スラリー繊維(Sb´)、希釈水を計量し、分散させた。抄紙には、ネット駆動部及び幅60cm×長さ585cmのプラスチックネット製平織メッシュをベルト状につなぎあわせて連続的に回転させるネットよりなるシート状物搬送装置、スラリー供給部幅が48cm、ネット下部に配置した減圧脱水装置からなる処理装置を用いた。処理装置の下流に下記の3本のウォータージェットノズルを備えた加圧水流噴射処理装置を配置した。
ノズル1:孔径φ0.15mm×501孔、幅方向孔間ピッチ1mm(1001孔/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm
ノズル2:孔径φ0.15mm×501孔、幅方向孔間ピッチ1mm(1001孔/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm
ノズル3:孔径φ0.15mm×1002孔、幅方向孔間ピッチ1.5mm、3列配置、列間ピッチ5mm、ノズル有効幅500mm
加圧水流噴射圧力を1MPaノズル1、圧力2MPa(ノズル2)、圧力1MPa(ノズル3)として、繊維の分散したスラリーをスラリー供給部より投入し、減圧脱水を経た後、ノズル1、ノズル2、ノズル3の順で通過させて交絡処理を加え3次元交絡構造を持つ抄紙体を得た。抄紙体を、ピンテンター試験機(辻井染機工業(株)製PT−2A−400)により150℃で3分間、乾燥させて目付けが60g/mの抄紙体を得た。なお、抄紙体における炭素短繊維(A)および炭素繊維前駆体短繊維(b)、フィブリル状繊維(b´)の分散状態は、良好でさらにハンドリング性は良好であった。
(5)加圧加熱成形
次に、この抄紙体の両面を、シリコーン系離型剤をコートした紙で挟み込むように配置し、ダブルベルトプレス装置にて190℃、ベルト速度0.2m/分にてプレス成形を行った。
(6)熱処理
成形シートの熱処理工程には、上下面に遠赤外線ヒーターが配された加熱長1mの熱処理炉(NGKキルンテック(株)製)を使用した。熱処理炉の温度を300℃に設定し、カットした成形シートを0.2m/分の速度で送り込み、前駆体シートを得た。実行熱処理時間は12秒であった。熱処理後の前駆体シートは黄色〜茶色に変色していた。
(7)炭素化処理
その後、この前駆体シートをバッチ炭素化炉にて、窒素ガス雰囲気中、2000℃の条件下で1時間炭素化処理して多孔質炭素電極基材を得た。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は65.14%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例2>
熱処理を行う際に、搬送速度を1m/分としたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、61.27%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例3>
熱処理を行う際に、搬送速度を5m/分としたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、51.71%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例4>
熱処理を行う際に、熱処理温度を330℃としたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、67.42%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例5>
熱処理を行う際に、熱処理温度を330℃としたこと以外は、実施例2と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、62.70%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例6>
熱処理を行う際に、熱処理温度を330℃としたこと以外は、実施例3と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、54.37%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例7>
熱処理を行う際に、熱処理温度を360℃としたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、68.53%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例8>
熱処理を行う際の熱処理温度を360℃としたこと以外は、実施例2と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、66.15%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例9>
熱処理を行う際の熱処理温度を360℃としたこと以外は、実施例3と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、56.94%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例10>
熱処理を行う際に、熱処理温度を390℃としたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、72.49%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例11>
熱処理を行う際に、熱処理温度を390℃としたこと以外は、実施例2と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、67.70%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例12>
熱処理を行う際に、熱処理温度を390℃としたこと以外は、実施例3と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、56.51%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例13>
熱処理を行う際に、熱処理温度を420℃としたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、70.71%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例14>
熱処理を行う際に、熱処理温度を420℃としたこと以外は、実施例2と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、70.82%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例15>
熱処理を行う際に、熱処理温度を420℃としたこと以外は、実施例3と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、59.67%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例16>
熱処理を行う際に、熱処理温度を450℃としたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、56.19%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例17>
熱処理を行う際に、熱処理温度を450℃としたこと以外は、実施例2と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、69.15%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例18>
熱処理を行う際に、熱処理温度を450℃としたこと以外は、実施例3と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、60.08%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例19>
フィブリル状繊維(b´)として一般的に市販されている木材パルプを用い、パルパーにて叩解して用いたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、61.75%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例20>
フィブリル状繊維(b´)として木材パルプを用い、パルパーにて叩解して用いたこと以外は、実施例2と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、55.41%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<実施例21>
熱処理を行う際に、熱処理温度を450℃としたこと以外は、実施例3と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、50.09%と高く、貫通方向抵抗も良好であった。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、44.32%と低かった。また、貫通方向抵抗は10.45mΩ・cm2と一般的な値であった。評価結果を表1に示す。
<比較例2>
熱処理を行わなかったこと以外は、実施例19と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、40.21%と低かった。また、貫通方向抵抗は11.55mΩ・cm2と一般的な値であった。評価結果を表1に示す。
<比較例3>
熱処理を行う際に、搬送速度を0.005m/分(5mm/分)と低速にしたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。熱処理工程に置いて酸化処理を過剰に施したため、得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、40.51%と低く、貫通方向抵抗も11.21mΩ・cm2と一般的な値であった。評価結果を表1に示す。
<比較例4>
熱処理を行う際に、搬送速度を10m/分と高速にしたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。熱処理工程に置いて酸化処理が不十分であったため、得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、45.33%と低く、貫通方向抵抗も10.55mΩ・cm2と一般的な値であった。評価結果を表1に示す。
<比較例5>
熱処理を行う際に、熱処理温度を450℃、搬送速度を0.005m/分(5mm/分)と低速にしたこと以外は、実施例1と同様にした。しかしながら、熱処理工程に置いて著しく変形、破損してしまい、シート形態を保つことが出来ず、多孔質炭素電極基材を得ることが出来なかった。したがって、炭素化収率および貫通方向抵抗は測定不能であった。
<比較例6>
熱処理を行う際に、熱処理温度を450℃、搬送速度を10m/分と高速にしたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を製造した。熱処理工程に置いて酸化処理が不十分であったため、得られた多孔質炭素電極基材の炭素化収率は、46.43%と低く、貫通方向抵抗も10.11mΩ・cm2と一般的な値であった。評価結果を表1に示す。

Claims (5)

  1. 以下の工程を含む多孔質炭素質電極基材の製造方法。
    工程(1):平均直径が3〜30μmで平均繊維長が2〜12mmの炭素短繊維(A)と、平均繊維径が5μm以下で平均繊維長が2〜20mmの炭素繊維前駆体短繊維(b)および、繊度が1〜10dtex、平均繊維長が1〜20mmのフィブリル状繊維(b´)を、炭素短繊維(A)100重量部に対し、炭素繊維前駆体短繊維(b)とフィブリル状繊維(b´)の総量が20〜100重量部となるように、かつ炭素繊維前駆体短繊維(b)100重量部に対してフィブリル状繊維(b´)が25〜100重量部の割合で分散させた抄紙体を製造する工程。
    工程(2):抄紙体を酸素雰囲気下において、300〜450℃で10〜300秒熱処理を行い、多孔質電極基材前駆体シートを得る工程。
    工程(3):前記工程(2)で得られた前駆体シートを、窒素雰囲気下において2000〜3000℃で10分〜1時間炭素化して多孔質炭素質電極基材を製造する工程。
    なお、工程(1)において、炭素繊維前駆体短繊維(b)はアクリル系ポリマーであり、フィブリル状繊維(b´)はアクリル系ポリマーと酢酸セルロースとからなる易割繊性アクリル系海島複合短繊維または木材パルプである。
  2. 工程(1)と行程(2)の間に、抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸させ、次いで乾燥・成形を行う工程(4)を有する請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程(1)と行程(4)の間に、抄紙体を交絡処理する工程(5)を有する請求項2に記載の製造方法。
  4. 工程(3)における熱処理方法が、遠赤外線による加熱である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 工程(3)における熱処理方法が、誘導加熱ロールによる接触方式の加熱である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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