JP5394469B2 - 多孔質電極基材の製造方法及び多孔質電極基材 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に用いられる多孔質電極基材の製造方法及び当該方法により製造された多孔質電極基材に関する。
燃料電池に設置されるガス拡散電極基材は、従来、機械的強度を高くするために、炭素短繊維の抄紙体や不織布に、加熱により炭素化する樹脂組成物を有機溶剤に溶解した樹脂組成物溶液を含浸した後、有機溶剤を除去し、樹脂組成物を炭素化することにより製造される、ペーパー状の炭素−炭素複合体からなる多孔質電極基材であった(特許文献1参照)。
また、低コスト化を目的として、酸化短繊維を抄造後、これを高温で焼成して酸化短繊維を炭素化させた多孔質電極基材(特許文献2参照)、あるいはセルロース系物質からなるシートにハロゲン系物質をドーピングし、これを高温で焼成した多孔質電極基材が提案されている(特許文献3参照)。
一方、低コスト化を目的として、アクリル短繊維と叩解テンセル繊維を抄造後、これを集光式加熱炉で焼成して、アクリル短繊維と叩解テンセル繊維を炭素化させた多孔質電極基材が提案されている(特許文献4参照)。
国際公開第2001/056103号パンフレット 国際公開第2002/042534号パンフレット 特開2011−113768号公報 特開2010−215442号公報
しかし、特許文献1の方法では、有機溶剤の除去には大きなエネルギーが必要であり、高コストとなる傾向があった。また特許文献2〜4の方法では、低コスト化は可能であるものの、いずれも原料に炭素繊維が含まれないため、高温焼成により各種有機繊維が炭素化する過程で収縮が大きくなる場合があり、得られる多孔質電極基材の厚みむらが大きくなったり、シートのうねりが大きくなったりする場合があった。
本発明はこれらの点に鑑みて行われたものであり、炭素化時の熱収縮が抑制され、製造コストが低く、かつ十分なガス透気度及び導電性を持った多孔質電極基材とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題が以下の発明(I)〜(VIII)によって解決されることを見出した。
(I)以下の[1]〜[4]の工程を含む、多孔質電極基材の製造方法。
[1]炭素短繊維(A)、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)、および精製セルロース繊維(c)の混抄シートを製造する工程、
[2]前記シートを交絡処理する工程、
[3]前記交絡処理シートを100〜250℃の温度で加熱加圧する工程、
[4]加熱加圧したシートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程。
(II)工程[1]において、炭素短繊維(A)と、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)、精製セルロース繊維(c)に加えて、更にフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)を含む、上記(I)に記載の製造方法。
(III)精製セルロース繊維が、フィブリル状精製セルロース繊維である上記(I)または(II)に記載の製造方法。
(IV)工程[2]と工程[3]との間に、交絡処理したシートを乾燥処理する工程[5]を有する上記(I)〜(III)のいずれか1つに記載の製造方法。
(V)上記(I)〜(IV)のいずれか1つに記載の製造方法により製造された多孔質電極基材。
(VI)炭素短繊維(A)が、アクリル系前駆体繊維(b)由来の炭素繊維(B)と、精製セルロース繊維(c)由来の炭素繊維(C)とにより接合された構造体であって、当該構造体中で炭素短繊維(A)が3次元交絡構造を形成している多孔質電極基材。
(VII)精製セルロース繊維(c)が、フィブリル状セルロース繊維である上記(VI)に記載の多孔質電極基材。
本発明によれば、炭素化時の熱収縮が抑制され、製造コストが低く、かつ十分な導電性を持った多孔質電極基材とその製造方法を提供することを目的とする。
炭素短繊維と水平面との角度を測定するために、実施例1で得られた多孔質電極基材の断面の走査型電子顕微鏡写真に、測定する炭素繊維に点線にて直線を引いたものである。 炭素短繊維(A)が3次元交絡構造を形成している場合の模式図である。
<<多孔質電極基材>>
本発明の多孔質電極基材は、炭素短繊維(A)が、アクリル系前駆体繊維(b)由来の炭素繊維(B)と、精製セルロース繊維(c)由来の炭素繊維(C)とにより接合された構造体であって、当該構造体中で炭素短繊維(A)が3次元交絡構造を形成している多孔質電極基材である。なお、アクリル系前駆体繊維(b)とは、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)のみ、もしくはアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素繊維前駆体繊維(b2)の混合物を意味するが、好ましくはアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素繊維前駆体繊維(b2)の混合物である。後述する工程[3]及び[4]を行うことで、アクリル系前駆体繊維(b)を炭素繊維(B)に変換することができ、精製セルロース繊維(c)を炭素繊維(C)に変換することができる。
多孔質電極基材は、平板状、渦巻き状等の形状をとることができる。シート状の多孔質電極基材の目付は、ハンドリング性の観点から15g/m以上が好ましく、100g/m以下が好ましい。シート状の多孔質電極基材の空隙率は、(ガス拡散性の観点から50%以上が好ましく、機械的強度の観点から90%以下が好ましい。シート状の多孔質電極基材の厚みは、ハンドリング性の観点から50μm以上が好ましく、300μm以下が好ましい。また、シート状の多孔質電極基材のうねりは、撥水処理等の後処理を均一に行えるようにする観点から5mm以下が好ましい。
多孔質電極基材のガス透過度は、ガス拡散性の観点から10mL/hr/cm/Pa以上であることが好ましく、電解質膜の乾燥を防ぐ観点から3000mL/hr/cm/Pa以下であることが好ましい。また、多孔質電極基材の厚さ方向の電気抵抗(貫通方向抵抗)は、電極触媒で生じた電子を効率よく集電する観点から、50mΩ・cm以下であることが好ましい。なお、多孔質電極基材のガス透過度および貫通方向抵抗の測定方法は、後述する。
<炭素短繊維(A)が3次元交絡構造を形成しているか否かの判断>
本発明において、炭素短繊維(A)が3次元交絡構造を形成しているか否かは、シート状の測定対象物(多孔質電極基材)の断面観察を行い、断面における炭素短繊維(A)とシート面との角度を測定することにより判定できる。なお、断面観察を行う断面は、シート状の測定対象物のシート面に対して垂直方向の断面である。
測定した炭素短繊維(A)の水平面との角度の平均が3°以上、または測定した炭素短繊維と水平面との角度の最大値が10°以上である場合は3次元交絡構造を形成している(3次元交絡構造を持つ)と判定され、測定した炭素短繊維の水平面との角度の平均が2°より小さい場合は3次元交絡構造を形成していない(3次元交絡構造を持たない)と判定される。具体的には、図1、図2のように、シート面に対して垂直方向の断面のSEM写真を用い、測定する炭素短繊維に点線で示すような線を引き、この線とシート面との角度を測定すればよい。(図1、における直線1はシート面と平行な線である。)
<炭素短繊維(A)>
多孔質電極基材を構成する1つの繊維である炭素短繊維(A)は、3次元交絡構造を形成している。炭素短繊維(A)としては、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(以下「PAN系炭素繊維」と称する)、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等の炭素繊維を適当な長さに切断したものが挙げられる。多孔質電極基材の機械的強度の観点から、PAN系炭素繊維が好ましい。
炭素短繊維(A)の平均繊維長は、分散性の点から、2〜12mmであることが好ましい。炭素短繊維(A)の平均繊維径は、炭素短繊維の生産コストおよび分散性の面から、3〜9μmであることが好ましく、多孔質電極基材の平滑性の面から、4〜8μmであることがより好ましい。平均繊維長は、市販の繊維長測定機(例えば、野村商事(株)製HiRes−FQA等)により測定することができ、平均繊維径は、市販の繊維径測定機(例えば、ダイアストロン社製FDAS765等)により測定することができる。
工程[1]で得られたシート(前駆体シート)における炭素短繊維(A)の含有率は、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)と精製セルロース繊維(c)の合計に対して、炭素化後にシート形態を維持する観点から40質量%以上が好ましく、炭素化前にシート形態を維持する観点から90質量%以下が好ましい。適切な機械的強度および貫通方向抵抗を有する多孔質電極基材を容易に得るため、前駆体シートにおける炭素短繊維(A)の含有率は、炭素短繊維(A)とアクリル系前駆体繊維(b)と精製セルロース繊維(c)の合計に対して、50〜90質量%がより好ましい。
また、多孔質電極基材における炭素短繊維(A)の含有率は、炭素短繊維(A)と、アクリル系前駆体繊維(b)由来の炭素繊維(B)と精製セルロース繊維(c)由来の炭素繊維(C)の合計に対して、40質量%以上が好ましく、炭素化前にシート形態を維持する観点から90質量%以下が好ましい。適切な機械的強度および貫通方向抵抗を具備するためには、多孔質電極基材における炭素短繊維(A)の含有率は、炭素短繊維(A)と炭素繊維(B)と炭素繊維(C)の合計に対して、75〜99質量%がより好ましい。
<アクリル系前駆体繊維(b)>
上述したように、アクリル系前駆体繊維(b)としては、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)単独、またはアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)の混合物を用いることができる。
<アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)>
アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)としては、長繊維状のアクリル系炭素繊維前駆体繊維を適当な長さにカットしたものを用いることができる。また、この長繊維状のアクリル系炭素繊維前駆体繊維は、後述するポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)から構成されていることが好ましい。
アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)の平均繊維長は、分散性の点から、2〜20mmが好ましい。アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)の断面形状は特に限定されないが、炭素化した後の機械的強度、製造コストの面から、真円度の高いものが好ましい。また、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)の平均繊維径は、加熱加圧する工程[3]および炭素化処理する工程[4]における収縮による破断を容易に抑制するため、5μm以下であることが好ましい。また、紡糸性の観点から、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)の平均繊維径は、1μm以上であることが好ましい。
アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)を構成するポリマーは、炭素化後にシート形態を維持する観点から、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。このようなポリマーとしては、例えばアクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーが挙げられる。
アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)に用いるアクリル系ポリマーは、アクリロニトリルの単独重合体でもよく、アクリロニトリルとその他のモノマーとを共重合体でもよい。アクリロニトリルと共重合されるモノマーとしては、一般的なアクリル系繊維を構成する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
また、紡糸性および低温から高温にかけて炭素短繊維(A)同士を接合させることができ、炭素化処理時の残存質量が大きい点、さらに、後述する交絡処理を行う際の繊維弾性、繊維強度を考慮すると、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)に用いるアクリロニトリル系ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、5万〜100万が好ましい。重量平均分子量が5万以上であることで、紡糸性が向上すると同時に、繊維の糸質が良好になる傾向にある。重量平均分子量が100万以下であることで、紡糸原液の最適粘度を与えるポリマー濃度が高くなり、生産性が向上する傾向にある。
アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)は、1種類を用いてもよく、繊維直径やポリマー種が異なる2種類以上のアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)を用いてもよい。アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)や後述するフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)の種類や炭素短繊維(A)との混合比によって、最終的に得られる多孔質電極基材中において、アクリル系前駆体繊維(b)由来の炭素繊維(B)として残る割合を調整することができる。
<フィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)>
フィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)としては、繊維状の幹より直径が数μm以下(例えば0.1〜3μm)のフィブリルが多数分岐した構造を有するアクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2−1)や、易割繊性海島複合繊維の叩解処理によってフィブリル化させたアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b2−2)を用いることができる。これらのフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維を用いることにより、前駆体シート中で炭素短繊維(A)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)が良く絡み合い、機械的強度の優れた前駆体シートを得ることが容易となる。フィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)の濾水度は特に限定されないが、一般的に濾水度が低いフィブリル状繊維を用いると前駆体シートの機械的強度が向上するが、多孔質電極基材のガス透過度が低下する傾向がある。なお、以下、この2つのフィブリル状アクリル系炭素前駆体繊維(b2)をそれぞれ、繊維(b2−1)および繊維(b2−2)と称することがある。
フィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)としては、繊維(b2−1)を1種類または濾水度、繊維直径またはポリマー種が異なる繊維(b2−1)を2種類以上用いることもできる。また、繊維(b2−2)を1種類または濾水度、繊維直径またはポリマー種が異なる繊維(b2−2)を2種類以上用いることもでき、これらを組み合わせて用いることもできる。
以下に、この2つのフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)について詳しく説明する。
・フィブリルが多数分岐した構造を有するアクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2−1)
フィブリルが多数分岐した構造を有するアクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2−1)を構成するポリマーは、炭素化後に、炭素短繊維(A)と共に多孔質電極基材の構造を成立させる観点から、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。このようなポリマーとしては、例えばアクリル系ポリマー、フェノール系ポリマーを挙げることができる。
繊維(b2−1)に用いるアクリル系ポリマーとしては、上述したアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)に用いるアクリル系ポリマーを同様に用いることができる。中でも、紡糸性および低温から高温にかけて炭素短繊維(A)同士を接合させることができ、加熱加圧および炭素化処理時の残存質量が大きい点、さらに、炭素短繊維(A)との交絡、シート強度を考慮すると、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
繊維(b2−1)の製造方法は、特に限定されないが、濾水度のコントロールが容易な噴射凝固法を用いることが好ましい。
なお、繊維(b2−1)の平均繊維長は、前駆体シートの機械的強度を確保する観点から0.1mm以上とすることが好ましく、分散性の観点から3mm以下とすることが好ましい。また、繊維(b2−1)の直径(平均繊維径)は、前駆体シート製造時の脱水性や多孔質電極基材のガス透過性を確保する観点から0.01μm以上とすることが好ましく、熱処理時の収縮による破断を抑制する観点から30μm以下とすることが好ましい。
・叩解によってフィブリル化させたアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b2−2)
叩解によってフィブリル化させたアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b2−2)は、長繊維状の易割繊性海島複合繊維を適当な長さにカットしたものを、リファイナーやパルパーなどによって叩解しフィブリル化したものであることができる。易割繊性海島複合繊維は、叩解によってフィブリル化する。長繊維状の易割繊性海島複合繊維は、共通の溶剤に溶解し、かつ非相溶性である2種類以上の異種ポリマーを用いて製造することができる。その際、炭素化後に、炭素短繊維(A)と共に多孔質電極基材の構造を成立させる観点から、少なくとも1種類のポリマーは、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。
易割繊性海島複合繊維に用いられるポリマーのうち、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であるものとしては、例えば、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーが挙げられる。
易割繊性海島複合繊維に用いられるアクリル系ポリマーは、上述したアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)に用いるアクリル系ポリマーを同様に用いることができる。中でも、紡糸性および炭素化処理工程における残存質量の観点から、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
易割繊性海島複合繊維に用いられるアクリロニトリル系ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、5万〜100万が好ましい。重量平均分子量が5万以上であることで、紡糸性が向上すると同時に、繊維の糸質が良好になる傾向にある。重量平均分子量が100万以下であることで、紡糸原液の最適粘度を与えるポリマー濃度が高くなり、生産性が向上する傾向にある。
易割繊性海島複合繊維に用いられるポリマーのうちの1種類に、炭素化処理する工程(5)における残存質量が20質量%以上であるものとして、上述するアクリル系ポリマーを用いた場合、他のポリマーとしては、そのアクリロニトリル系ポリマーと共通の溶剤に溶解し、紡糸原液とした場合に安定に存在することが望まれる。即ち、他のポリマーは、アクリロニトリル系ポリマーと共通の溶剤に溶解した場合に、アクリロニトリル系ポリマーに対して非相溶であり、紡糸の際に海島構造を形成できる程度の混和性を有することが望まれる。これにより、紡糸原液とした際に、2種のポリマーの非相溶性の度合いが大きい場合に生じる繊維の不均質性を容易に防ぐとともに、紡糸時における糸切れの原因となることを容易に防ぐことができ、さらに、繊維への賦形を容易にすることができる。また、湿式紡糸する場合に、凝固槽、および洗浄槽において他のポリマーが水に溶解して脱落が起こることを容易に防ぐことができるため、他のポリマーは水に難溶性であることが望まれる。
これらの要求を満足する他のポリマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂などが挙げられるが、酢酸セルロース、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂は、前述要件のバランスの点で、好ましく用いることができる。他のポリマーは、1種でもよく、2種以上でもよい。
繊維(b2−2)に用いる易割繊性海島複合繊維は、通常の湿式紡糸法で製造することができる。例えば、ポリマーのうちの1種類に、工程(5)における残存質量が20質量%以上であるアクリロニトリル系ポリマーを用いた場合、以下の方法により易割繊性海島複合繊維を製造することができる。まず、このアクリロニトリル系ポリマーと他のポリマーとを混合した後、溶剤に溶解して、易割繊性海島複合繊維の紡糸原液とする。または、アクリロニトリル系ポリマーを溶剤に溶解して得られる紡糸原液と、他のポリマーを溶剤に溶解して得られる紡糸原液とを、スタティックミキサー等で混合し、易割繊性海島複合繊維の紡糸原液としてもよい。溶剤としては、ジメチルアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドなどの有機溶剤を用いることができる。これらの紡糸原液を、ノズルより紡糸し、湿熱延伸、洗浄、乾燥および乾熱延伸を施すことで、易割繊性海島複合繊維を得ることができる。
易割繊性海島複合繊維の断面形状は、特に限定されない。分散性、熱処理時の収縮による破断を抑制するため、易割繊性海島複合繊維の繊度は、1〜10dtexであることが好ましい。易割繊性海島複合繊維の平均繊維長は、分散性の観点から、1〜20mmが好ましい。
易割繊性海島複合繊維は、機械的外力により相分離界面の剥離により叩解して、その少なくとも一部分が割繊し、フィブリル化する。叩解方法は、特に限定されないが、例えば、リファイナーやパルパー、ビーター、または加圧水流の噴射(ウォータージェットパンチング)によりフィブリル化する方法が挙げられる。
易割繊性海島複合繊維を機械的外力により相分離界面の剥離により叩解する際には、叩解方法、叩解時間に依存して、フィブリル化の状態は変化する。フィブリル化の度合いを評価する方法として、濾水度評価(JIS P8121(パルプ濾水度試験法:カナダ標準型))を用いることができる。易割繊性海島複合繊維の濾水度は特に限定されないが、濾水度が小さくなるにつれ、3次元的な網目構造を形成した炭素繊維(B)が形成されやすくなる。また、十分な叩解を実施せず、濾水度が大きいままの易割繊性海島複合繊維を用いた場合は、繊維構造を形成した炭素繊維(B)が形成されやすくなる。
なお、繊維(b2−2)の平均繊維長は、前駆体シートの機械的強度を確保する観点から1mm以上とすることが好ましく、分散性の観点から20mm以下とすることが好ましい。また、繊維(b2−2)の幹の平均繊維径は、分散性の観点から1μm以上とすることが好ましく、熱処理時の収縮による破断を抑制する観点から50μm以下とすることが好ましい。さらに、繊維(b2−2)のフィブリル部の平均繊維径は、前駆体シート製造時の脱水性や多孔質電極基材のガス透過性を確保する観点から0.01μm以上とすることが好ましく、分散性の観点から30μm以下とすることが好ましい。
<精製セルロース繊維(c)>
交絡処理シートの引張強度を高める観点から、さらには加熱加圧工程や炭素化処理工程での熱収縮を抑制する観点から、精製セルロース繊維を混抄することが好ましい。
精製セルロース繊維としては、リヨセルあるいはテンセル、微細セルロース、その他植物原料から抽出したセルロース等が挙げられる。繊維間の結合力を高め、シート形状を安定化させる観点から、前記リヨセルあるいはテンセルを叩解処理して得られるフィブリル状精製セルロース繊維、または微細セルロースが好ましい。
フィブリル状精製セルロース繊維としては、直径がサブミクロン以下(例えば0.01〜0.1μm)のフィブリルが多数分岐した構造を有する微細セルロース繊維(c1)や、叩解処理によって容易にフィブリル化する精製セルロース短繊維(c2)を用いることができる。これらは、含有金属量が天然セルロース繊維に比べ少なく、燃料電池におけるプロトン伝導阻害やフッ素系電解質膜の劣化を防ぐ観点から好ましい。さらに、紡糸原液や紡浴に使われる溶媒は、無機系溶媒よりも有機系溶媒の方が、紡糸時の金属分混入を防ぐ観点から好ましい。
フィブリルが多数分岐した構造を有する微細セルロース繊維(c1)は、市販のミクロフィブリル化したセルロースナノファイバーなどを用いることができる。
叩解処理によって容易にフィブリル化する精製セルロース短繊維(c2)としては、湿式紡糸法で製造することができる。木材パルプを誘導体化せずにN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMO)水溶液に溶解し、紡糸原液とした後に、NMOの希薄溶液中に押し出して繊維化する。誘導体化工程を経ないため、セルロース分子の重合度低下が少なく、強度面で優れているほか、紡糸時に繊維長軸方向に分子が高度に配列するため、フィブリル化しやすい。
<<多孔質電極基材の製造方法>>
本発明の製造方法は、以下の[1]〜[4]の工程を含む。
[1]炭素短繊維(A)、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)、および精製セルロース繊維(c)の混抄シートを製造する工程。
[2]前記シートを交絡処理する工程。
[3]前記交絡処理シートを100〜250℃の温度で加熱加圧する工程。
[4]加熱加圧したシートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程。
上記製法により多孔質電極基材を低コストで製造することができる。以下に各工程を詳しく説明する。
<前駆体シート製造工程[1]>
炭素短繊維(A)とアクリル系前駆体繊維(b)と精製セルロース繊維(c)を2次元平面内にシート状に分散させることで、炭素短繊維(A)、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)、および精製セルロース繊維(c)の混抄シートを得ることができる。混抄シートを製造するにあたっては、液体の媒体中に、炭素短繊維(A)と、アクリル系前駆体繊維(b)と、精製セルロース繊維(c)とを分散させて抄造する湿式法;空気中に、炭素短繊維(A)と、アクリル系前駆体繊維(b)と、精製セルロース繊維(c)とを分散させて降り積もらせる乾式法;などの抄紙方法を適用できる。好ましくは湿式法である。なぜなら炭素短繊維(A)が単繊維に開繊するのを助け、開繊した単繊維が再収束することを防止し、さらに炭素短繊維(A)とアクリル系前駆体繊維(b)と精製セルロース繊維(c)とが絡み合うことで混抄シートの強度が向上し、実質的にバインダーフリーとなるためである。
炭素短繊維(A)と、アクリル系前駆体繊維(b)と、精製セルロース繊維(c)とを分散させる媒体としては、例えば、水、アルコールなど、アクリル系前駆体繊維(b)やフィブリル状精製セルロース繊維(c)が溶解しない媒体が挙げられるが、生産性の観点から、水が好ましい。
多孔質電極基材にある特定を持たすために、工程[1]においてその他の成分を添加してもよい。
炭素短繊維(A)と、アクリル系前駆体繊維(b)と、精製セルロース繊維(c)を分散させる際の量比としては、炭素短繊維(A):アクリル系前駆体繊維(b):精製セルロース繊維(c)=X:Y:Z(質量比)とすると、X=40〜90、好ましくは50〜90、Y=10〜60、好ましくは10〜50、Z=1〜40、好ましくは1〜30、(但し、X+Y+Z=100)である。
なお、アクリル系前駆体繊維(b)がアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)との混合物である場合、その混合割合は、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1):フィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)=V:W(質量比)とすると、V=1〜99、好ましくは20〜80、W=1〜99、好ましくは20〜80、(但し、V+W=100)である。
混抄シートは、連続法とバッチ法のいずれによっても製造できるが、前駆体シートの生産性および機械的強度の観点から、連続法で製造することが好ましい。前駆体シートの目付は、機械的強度の観点から10g/m以上であることが好ましく、ハンドリング性の観点から200g/m以下であることが好ましい。また、前駆体シートの厚みは、機械的強度の観点から20μm以上であることが好ましく、ハンドリング性の観点から400μm以下であることが好ましい。
<交絡処理工程[2]>
混抄シートを交絡処理することで、炭素短繊維(A)とアクリル系前駆体繊維(b)とフィブリル状精製セルロース繊維(c)とが3次元に交絡した3次元交絡構造を有するシート(交絡処理シート)を形成することができる。前駆体シート中の炭素短繊維(A)と、アクリル系前駆体繊維(b)とフィブリル状精製セルロース繊維(c)とを交絡させる交絡処理は、3次元交絡構造が形成される方法から必要に応じて選択することができ、特に限定されない。ニードルパンチング法などの機械交絡法、ウォータージェットパンチング法などの高圧液体噴射法、スチームジェットパンチング法などの高圧気体噴射法、あるいはこれらの組み合わせによる方法で行うことができる。交絡処理工程での炭素短繊維(A)の破断を容易に抑制することができ、かつ適切な交絡性が容易に得られるという点で、高圧液体噴射法が好ましい。以下、この方法について詳しく説明する。
高圧液体噴射処理とは、実質的に表面平滑な支持部材上に前駆体シートを載せ、例えば1MPa以上の圧力で噴射される液体柱状流、液体扇形流、液体スリット流等を作用させることによって、前駆体シート中の炭素短繊維(A)と、アクリル系前駆体繊維(b)とフィブリル状精製セルロース繊維(c)とを交絡させる処理方法である。ここで、実質的に表面平滑な支持部材としては、得られる交絡処理シートに支持部材の模様が形成されることなく、かつ噴射された液体が速やかに除かれるようなものから必要に応じて選択して用いることができる。その具体例としては、30〜200メッシュの金網またはプラスチックネットあるいはロール等を挙げることができる。
実質的に表面平滑な支持部材上で、炭素短繊維(A)と、アクリル系前駆体繊維(b)とフィブリル状精製セルロース繊維(c)とからなる前駆体シートを製造した後に、続けて高圧液体噴射処理等による前駆体シート中の炭素短繊維(A)と、アクリル系前駆体繊維(b)とフィブリル状精製セルロース繊維(c)との交絡処理を連続的に行うことが、生産性の観点から好ましい。
前駆体シートの高圧液体噴射による交絡処理は、複数回繰り返してもよい。即ち、前駆体シートの高圧液体噴射処理を行った後、さらに前駆体シートを積層し、高圧液体噴射処理を行ってもよいし、できつつある3次元に交絡した構造を有するシート(交絡処理シート)を裏返し、反対側から、高圧液体噴射処理を行ってもよい。また、これらの操作を繰り返してもよい。
高圧液体噴射処理に用いる液体は、処理される繊維を溶解しない溶剤であれば特に制限されないが、通常は水を用いることが好ましい。水は、温水でもよい。高圧液体噴射ノズル中のそれぞれの噴射ノズル孔径は、柱状流の場合、繊維の交絡に要する仕事量の観点から0.06〜1.0mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。ノズル噴射孔と積層体の間の距離は、投入エネルギーの観点から0.5〜5cmが好ましい。液体の圧力は、繊維の交絡の観点から1MPa以上が好ましく、より好ましくは1.5MPa以上で、交絡処理は、1列でも複数列でもよい。複数列行う場合、前駆体シート形態維持の観点から1列目よりも2列目以降の高圧液体噴射処理での圧力を高めることが有効である。
交絡処理シートを連続的に製造すると、シート化方向に筋状の軌跡パターンが形成され、シートに疎密構造が生じる場合がある。しかし、1列または複数列のノズル孔を備える高圧液体噴射ノズルをシートの幅方向に振動させることにより、前記軌跡パターンを抑制することができる。シート化方向の筋状の軌跡パターンを抑制することにより、シート幅方向に引張強度を発現することができる。また1列または複数列のノズル孔を備える高圧液体噴射ノズルを複数本使用する場合、高圧液体噴射ノズルをシートの幅方向に振動させる振動数、またその位相差を制御することにより、交絡処理シートに現れる周期的な模様を抑制することもできる。
交絡処理工程によりシートの引張強度が向上するため、通常抄紙で使用されるポリビニルアルコール等のバインダーを使用せずに済み、かつ水中あるいは湿潤状態でもシートの引張強度を維持できる。
<加熱加圧工程[3]>
炭素短繊維(A)やフィブリル状精製セルロース繊維(c)をアクリル系前駆体繊維(b)で融着させ、かつ多孔質電極基材の厚みむらを低減させ、さらに、交絡処理によりシート表面に毛羽立った状態となった炭素短繊維(A)とアクリル系前駆体繊維(b)とフィブリル状精製セルロース繊維(c)の、シート表面近傍における毛羽立ちを抑制し、燃料電池として組み込んだ際の短絡電流やガスリークを抑制するという観点から、交絡処理シートを100〜250℃の温度で加熱加圧する。
加熱加圧の方法としては、交絡処理シートを均等に加熱加圧できる技術であれば、いかなる技術も適用できる。例えば、交絡処理シートの両面に平滑な剛板を当てて熱プレスする方法、熱ロールプレス装置または連続ベルトプレス装置を用いる方法が挙げられる。連続的に製造された交絡処理シートを加熱加圧する場合には、熱ロールプレス装置または連続ベルトプレス装置を用いる方法が好ましい。これによって、後述する炭素化処理工程[4]を連続して行うことができる。
加熱加圧における加熱温度は、交絡処理シートの表面を効果的に平滑にするために、120〜190℃が好ましい。加熱加圧の時間は、例えば30秒〜10分とすることができる。
加熱加圧における圧力は特に限定されないが、交絡処理シート中におけるアクリル系前駆体繊維(b)の含有比率が高い場合は、圧力が低くても容易に樹脂添加シートの表面を容易に平滑にすることができる。加熱加圧における圧力は、20kPa〜10MPaが好ましい。圧力が10MPa以下であれば、加熱加圧時に炭素短繊維(A)が破壊されることを容易に防ぐことができ、多孔質電極基材に適切な緻密性を容易に付与することができる。圧力が20kPa以上であれば、表面を容易に平滑にすることができる。
交絡処理シートを2枚の剛板に挟んで、または熱ロールプレス装置や連続ベルトプレス装置で加熱加圧する時は、剛板やロール、ベルトにアクリル系前駆体繊維(b)やフィブリル状精製セルロース繊維(c)などが付着しないようにあらかじめ剥離剤を塗っておくことや、交絡処理シートと剛板や熱ロール、ベルトとの間に離型紙を挟むことが好ましい。
<炭素化処理工程[4]>
加熱加圧したシート(中間基材)を炭素化処理する方法としては、室温からの連続昇温により炭素化するような方法であればよく、1000℃以上の温度で行う。なお、十分な導電性付与の観点から、炭素化処理は、不活性雰囲気下にて1000℃〜2400℃の温度範囲で行うことが好ましい。なお、炭素化処理工程を行う前に、不活性雰囲気下にて300〜1000℃の温度範囲で前炭素化処理を行っても良い。前炭素化処理を行うことで炭素化初期段階において発生する分解ガスを容易に出し切ることができ、炭素化炉内壁への分解物の付着や堆積を容易に抑制することができるため好ましい。
連続的に製造された加熱加圧したシートを炭素化処理する場合は、製造コストの観点から、シートの全長にわたって連続で熱処理を行うことが好ましい。多孔質電極基材が長尺であれば、多孔質電極基材の生産性が高くなり、かつその後の膜−電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)製造も連続で行うことができるので、燃料電池の製造コストを低減できる。また、多孔質電極基材や燃料電池の生産性および製造コストの観点から、製造された多孔質電極基材を連続的に巻き取ることが好ましい。
<交絡処理シートの乾燥処理工程[5]>
本発明の製造方法は、工程[2]と工程[3]との間、即ち工程[2]の後、工程[3]の前に、交絡処理シート(3次元交絡構造シート)を乾燥処理する工程[5]をさらに含むことができる。これにより、フィブリル状精製セルロース繊維同士の分子間水素結合が促され、シートの引張強度がさらに向上するため好ましい。その際、交絡処理シートから分散媒を除去する観点から、20〜100℃で交絡処理シートを乾燥処理することが好ましい。乾燥処理の時間は、例えば1分間〜24時間とすることができる。乾燥処理の方法としては、特に限定されないが、高温雰囲気炉や遠赤外線加熱炉による熱処理や、熱板や熱ロールなどによる直接加熱処理などが適用できる。交絡処理シートを構成する繊維の加熱源への付着を抑制できる点で、高温雰囲気炉や遠赤外線加熱炉による乾燥処理が好ましい。連続的に製造された交絡処理シートを乾燥処理する場合は、製造コストの観点から、交絡処理したシートの全長にわたって連続で乾燥処理を行うことが好ましい。これにより、工程[2]の後に工程[5]を連続して行うことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。実施例中の各物性値等は、以下の方法で測定した。
(1)厚み
多孔質電極基材の厚みは、厚み測定装置ダイヤルシックネスゲージ((株)ミツトヨ製、商品名:7321)を使用して測定した。試験片の大きさは直径10mmで、測定圧力は1.5kPaとした。
(2)ガス透過度
JIS規格P−8117に準拠し、ガーレーデンソメーターを使用して200mLの空気が透過するのにかかった時間を測定し、ガス透過度(mL/hr/cm/mmAq)を算出した。
(3)貫通方向抵抗
多孔質電極基材の厚さ方向の電気抵抗(貫通方向抵抗)は、金メッキした銅板に多孔質電極基材を挟み、銅板の上下から0.6MPaで加圧し、10mA/cmの電流密度で電流を流したときの抵抗値を測定し、次式より求めた。
貫通方向抵抗(mΩ・cm)=測定抵抗値(mΩ)×試料面積(cm
(4)多孔質電極基材の面積収縮率
多孔質電極基材の面積収縮率は、縦300mm横200mmの交絡処理シートを炭素化処理して製造した多孔質電極基材の面積を測定し、以下の式より算出した。
面積収縮率(%)
=(交絡処理シートの面積−多孔質電極基材の面積)÷交絡処理シートの面積×100
(実施例1)
炭素短繊維(A)として、平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのPAN系炭素繊維を用意した。また、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)として、平均繊維径が4μm、平均繊維長が3mmのアクリル短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:D122)を用意した。また、フィブリル状精製セルロース繊維(c)として、繊度が1.7dtex、平均繊維長が4mmの精製セルロース短繊維(商品名:リヨセル)を叩解処理したものを用意した。叩解処理は、前記精製セルロース短繊維を、繊維濃度が0.2%(2g/L)になるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機製)を通すことによって、濾水度が150〜200mL程度になるようにした。
前駆体シートおよび交絡処理による3次元交絡構造シートの製造は、湿式連続抄紙法および連続加圧水流噴射処理による交絡処理法により行った。
*湿式連続抄紙法
(1)炭素短繊維(A)の離解
平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのPAN系炭素繊維を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機製)を通して離解処理し、離解スラリー繊維(SA)とした。
(2)アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)の離解
炭素繊維前駆体短繊維(b1)である、平均繊維径が4μm、平均繊維長が3mmのアクリル短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:D122)、を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散し、離解スラリー繊維(Sb1)とした。
(3)精製セルロース繊維(c)の離解
精製セルロース繊維(c)として、濾水度が150〜200mL程度になるように叩解処理した精製セルロース短繊維(c2)を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散し、離解スラリー繊維(Sb2)とした。
(4)抄紙用スラリーの調製
炭素短繊維(A)とアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とセルロース繊維(c)とが、質量比60:20:20となるように、かつスラリー中の繊維(フロック)の濃度が1.4g/Lとなるように、離解スラリー繊維(SA)、離解スラリー繊維(Sb1)、離解スラリー繊維(Sb2)および希釈水を計量し、スラリー供給タンクに投入した。さらに、ポリアクリルアマイドを添加して粘度22mPa・s(センチポイズ)の抄紙用スラリーを調製した。
*試験機
前駆体シートおよび交絡処理シートの製造には、以下に示す試験機を用いた。即ち、ネット駆動部および幅60cm×長さ585cmのプラスチックネット製平織メッシュをベルト状につなぎあわせて連続的に回転させるネットよりなるシート状物搬送装置と、スラリー供給部幅が48cm、供給スラリー量が30L/minである抄紙用スラリー供給装置と、ネット下部に配置した減圧脱水装置と、ウォータージェットノズルから構成される加圧水流噴射処理装置とからなる試験機を用いた。なお、このウォータージェットノズルは、2種類のノズルから構成されており、具体的には、表1に示すノズル1〜3の合計3本のノズルから構成されている。


(5)前駆体シートの製造および加圧水流噴射による3次元交絡処理
上記試験機のネット上に上記抄紙用スラリーを定量ポンプにより供給した。抄紙用スラリーは均一な流れに整流するためのフローボックスを通して所定サイズに拡幅して供給した。その後静置、自然脱水する部分を通過して、減圧脱水装置により完全脱水し、目標目付60g/mの湿紙ウエッブ(前駆体シート)をネット上に積載した。この処理が完了すると同時に、試験機後方のウォータージェットノズルより、加圧水流噴射圧力を1MPa(ノズル1)、圧力2MPa(ノズル2)、圧力1MPa(ノズル3)の順で通過させて交絡処理を加えることにより、水分を含んだ3次元交絡構造シートを得た。この水分を含んだ交絡処理シートを乾燥した後の目付は61g/mであり、乾燥後のシートを100質量部とすると520質量部の水分を含んでいた。
(6)加熱加圧
前記交絡処理シートの両面を、シリコーン系離型剤をコートした紙で挟んだ後、バッチプレス装置にて180℃、予備加熱なし、3MPaで1分間加熱加圧することにより、表面が平滑化された加熱加圧シートを得た。
(7)炭素化処理
前記加熱加圧シートを、不活性ガス(窒素)雰囲気中、2000℃で炭素化して、炭素短繊維(A)が繊維状の樹脂炭化物(炭素繊維(B))で結着された多孔質炭素電極基材を得た。
得られた多孔質電極基材は、炭素化後の面積収縮率が3.0%と小さく、ガス透過度、厚みおよび貫通方向抵抗は、それぞれ良好であった。多孔質電極基材の組成および評価結果を表2に示す。
(実施例2)
フィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)として、繊維状の幹より直径が3μm以下のフィブリルが多数分岐した、噴射凝固によって作製したポリアクリロニトリル系パルプ(繊維(b2−1))を用いた。抄紙用スラリーを調製する際に、炭素短繊維(A)とアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)と叩解処理した精製セルロース短繊維(c2)の質量比を50:29:19:2となるようにした。これら以外は実施例1と同様にして多孔質電極基材を得た。多孔質電極基材の組成および評価結果を表2に示す。
(実施例3)
フィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)として、叩解によってフィブリル化するアクリル系ポリマーとジアセテート(酢酸セルロース)とからなる易割繊性アクリル系海島複合短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:ボンネルM.V.P.−C651、平均繊維長:3mm)を叩解処理したもの(繊維(b2−2))を用いた。叩解処理は、前記易割繊性アクリル系海島複合短繊維を、繊維濃度が0.2%(2g/L)になるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機製)を通すことによって、濾水度350〜400mL程度の繊維(b2−2)が得られるようにした。それ以外は実施例2と同様にして多孔質電極基材を得た。多孔質電極基材の組成および評価結果を表2に示す。
(実施例4)
抄紙用スラリーを調製する際に、炭素短繊維(A)とアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)と叩解処理した精製セルロース短繊維(c2)の質量比を60:20:10:10となるようにしたこと以外は、実施例3と同様にして多孔質電極基材を得た。多孔質電極基材の組成および評価結果を表2に示す。
(実施例5)
精製セルロース繊維(c)として、直径がサブミクロン以下のフィブリルが多数分岐した微細セルロース繊維(ダイセルファインケム株式会社製、商品名:KY−100G)を用いた。抄紙用スラリーを調製する際に、炭素短繊維(A)とアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)とフィブリルが多数分岐した微細セルロース繊維(c1)の質量比を60:19:19:2となるようにした。これら以外は実施例4と同様にして多孔質電極基材を得た。多孔質電極基材の組成および評価結果を表2に示す。
(実施例6)
抄紙用スラリーを調製する際に、炭素短繊維(A)とアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)とフィブリルが多数分岐した微細セルロース繊維(c1)の質量比を70:9:18:3となるようにしたこと以外は、実施例5と同様にして多孔質電極基材を得た。多孔質電極基材の組成および評価結果を表2に示す。
(実施例7)
抄紙用スラリーを調製する際に、炭素短繊維(A)とアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とフィブリル状素繊維前駆体繊維(b2)とフィブリルが多数分岐した微細セルロース繊維(c1)の質量比を80:10:5:5となるようにしたこと以外は、実施例5と同様にして多孔質電極基材を得た。多孔質電極基材の組成および評価結果を表2に示す。
(比較例1)
抄紙用スラリーを調製する際に精製セルロース繊維(c)を用いず、炭素短繊維(A)とアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2−1)の質量比を60:20:20となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質電極基材を得た。多孔質電極基材組成および評価結果を表2に示す。多孔質電極基材の面積収縮率は29.5%と大きな値であった。
(比較例2)
抄紙用スラリーを調製する際に炭素短繊維(A)を用いず、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2−1)と叩解処理した精製セルロース短繊維(c2)の質量比を20:40:40となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして水分を含んだ3次元交絡構造シートを作製した。炭素短繊維(A)がないため、加熱加圧工程および炭素化処理工程で大きく収縮し、炭素化処理後に形態を維持できなかった。
(比較例3)
抄紙用スラリーを調製する際にアクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)を用いず、炭素短繊維(A)とフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2−1)と叩解処理した精製セルロース短繊維(c2)の質量比を60:20:20となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして水分を含んだ3次元交絡構造シートを作製した。アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)がないため、炭素化処理後に形態を維持できなかった。
1 :シート面と平行な線
2 :3次元交絡構造を形成する炭素短繊維(A)
3 :アクリル系前駆体繊維(b)由来の炭素繊維(B)
4 :精製セルロース繊維(c)由来の炭素繊維(C)

Claims (7)

  1. 以下の[1]〜[4]の工程を含む、多孔質電極基材の製造方法。
    [1]炭素短繊維(A)、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)、および精製セルロース繊維(c)の混抄シートを製造する工程、
    [2]前記シートを交絡処理する工程、
    [3]前記交絡処理シートを100〜250℃の温度で加熱加圧する工程、
    [4]加熱加圧したシートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程。
  2. 工程[1]において、炭素短繊維(A)と、アクリル系炭素繊維前駆体短繊維(b1)、精製セルロース繊維(c)に加えて、更にフィブリル状アクリル系炭素繊維前駆体繊維(b2)を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 精製セルロース繊維(c)が、フィブリル状精製セルロース繊維である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 工程[2]と工程[3]との間に、交絡処理したシートを乾燥処理する工程[5]を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により製造された多孔質電極基材。
  6. 炭素短繊維(A)が、アクリル系前駆体繊維(b)由来の炭素繊維(B)と、精製セルロース繊維(c)由来の炭素繊維(C)とにより接合された構造体であって、当該構造体中で炭素短繊維(A)が3次元交絡構造を形成している多孔質電極基材。
  7. 精製セルロース繊維(c)が、フィブリル状セルロース繊維である請求項6に記載の多孔質電極基材。
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