JP5485211B2 - 多孔質電極基材の製造方法 - Google Patents
多孔質電極基材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5485211B2 JP5485211B2 JP2011066147A JP2011066147A JP5485211B2 JP 5485211 B2 JP5485211 B2 JP 5485211B2 JP 2011066147 A JP2011066147 A JP 2011066147A JP 2011066147 A JP2011066147 A JP 2011066147A JP 5485211 B2 JP5485211 B2 JP 5485211B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- precursor
- fiber
- fibers
- sheet
- porous electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
Description
[1]炭素短繊維(A)と、アクリル系ポリマーからなる、炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の少なくとも一方とを平面内において分散させた前駆体シートを製造する工程(1)と、
加熱加圧処理する工程直前の時点での前記前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する工程(2)と、
ロール対を一対以上有する連続式加熱ロールプレス装置を用いて、前記前駆体シートを加熱加圧処理する工程(3)と、
加熱加圧した前駆体シートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程(4)と、
を有する多孔質電極基材の製造方法。
[2]前記工程(1)と前記工程(2)との間に、前駆体シートを交絡処理する工程(5)を含む、[1]記載の製造方法。
[3]前記工程(3)と前記工程(4)との間に、加熱加圧された前駆体シートを酸化処理する工程(6)を含む、[1]または[2]記載の製造方法。
本発明により得られる多孔質電極基材は、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合され、炭素短繊維(A)及び網目状炭素繊維(B)が互いに絡まり合った構造を有する。また、多孔質電極基材は、炭素短繊維(A)と、前駆体繊維(b)とを平面内において分散させた前駆体シートの水分率を特定の範囲に調整し、連続式加熱ロールプレス装置を用いて加熱加圧処理し、さらに炭素化処理することにより得ることができる。さらに、必要に応じて、水分率を調整する前にこの前駆体シートを交絡処理することもでき、加熱加圧処理した前駆体シートを酸化処理することもできる。また、前駆体シートにおいて、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とは、2次元平面内に分散するとともに、3次元に分散することができる。
前駆体シートに分散させた炭素短繊維(A)は、本発明の多孔質電極基材を構成する繊維の1つとなる。炭素短繊維(A)としては、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(以下「PAN系炭素繊維」と称する。)、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等の炭素繊維を所定の繊維長に切断したものが挙げられる。多孔質電極基材の機械的強度の観点から、PAN系炭素繊維が好ましい。
網目状炭素繊維(B)は、炭素短繊維(A)同士を接合する繊維であり、接合部において屈曲状または湾曲状になっている状態で存在する。それにより網目構造を形成する。多孔質電極基材における網目状炭素繊維(B)の含有率は、多孔質電極基材の適度な機械的強度を容易に保つため、10質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、15質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
(炭素繊維前駆体短繊維(b1))
炭素繊維前駆体短繊維(b1)は、後述するポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)を用いて作製した長繊維状の炭素繊維前駆体繊維を適当な長さにカットしたものであることができる。炭素繊維前駆体短繊維(b1)の平均繊維長は、分散性の点から、2mm以上20mm以下が好ましい。なお、平均繊維長は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により測定することができる。炭素繊維前駆体短繊維(b1)の断面形状は特に限定されないが、炭素化した後の機械的強度、製造コストの面から、真円度の高いものが好ましい。また、炭素繊維前駆体短繊維(b1)の平均直径は、炭素化時の収縮による破断を抑制する観点から、5μm以下であることが好ましい。なお、平均繊維径(直径)は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により測定することができる。
アクリル系ポリマーとしては、アクリロニトリルの単独重合体であっても、アクリロニトリルとその他のモノマーとの共重合体であってもよい。アクリロニトリルと共重合されるモノマーとしては、一般的なアクリル系繊維を構成する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
フィブリル状炭素前駆体繊維(b2)としては、例えば以下のものを用いることができる。直径100μm以下の繊維状の幹より直径が数μm以下(例えば0.1〜3μm)のフィブリルが多数分岐した構造を有する炭素前駆体繊維(b2−1)や、叩解によってフィブリル化した炭素前駆体短繊維(b2−2)を用いることができる。なお、以下、この2つのフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)をそれぞれ、繊維(b2−1)および繊維(b2−2)と称することがある。
繊維(b2−1)に用いられるポリマーは、炭素化処理工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。このようなポリマーとしては、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーを挙げることができる。紡糸性および低温から高温にかけて炭素短繊維(A)同士を接合させることができ、炭素化時の残存質量が大きい点、さらに、炭素短繊維(A)との交絡、シート強度を考慮すると、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。アクリル系ポリマーとしては炭素繊維前駆体短繊維(b1)と同様のものを用いることができる。
繊維(b2−2)は、長繊維状の易割繊性海島複合繊維を適当な長さにカットしたものを、リファイナーやパルパーなどによって叩解しフィブリル化したものであることができる。長繊維状の易割繊性海島複合繊維は、共通の溶剤に溶解し、かつ非相溶性である2種類以上の異種ポリマーを用いて製造することができ、少なくとも1種類のポリマーが、炭素化処理工程における残存質量20質量%以上であることが好ましい。易割繊性海島複合繊維に用いられるポリマーのうち、炭素化処理工程における残存質量が20質量%以上であるものとしては、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーが挙げられる。中でも、紡糸性および炭素化処理工程における残存質量の観点から、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。アクリル系ポリマーとしては炭素繊維前駆体短繊維(b1)と同様のものを用いることができる。
本発明は、以下の工程を有する。
(1)炭素短繊維(A)と、前駆体繊維(b)とを平面内において分散させた前駆体シートを製造する工程。
(2)前記前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する工程。
(3)ロール対を一対以上有する連続式加熱ロールプレス装置を用いて、前記前駆体シートを加熱加圧処理する工程。
(4)加熱加圧した前駆体シートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程。
(5)前駆体シートを交絡処理する工程。
(6)加熱加圧された前駆体シートを酸化処理する工程。
前駆体シートの製造方法としては、液体の媒体中に炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを分散させて抄造する湿式法、空気中に炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを分散させて降り積もらせる乾式法、などの抄紙方法を適用できる。しかし、シートの均一性が高いという観点から湿式法を用いることが好ましい。
本発明では、前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する工程を有し、加熱加圧工程前、即ち工程(3)に供する前駆体シートの水分率を30%以上300%以下とすることができる。より具体的には、加圧処理する工程直前の時点で、前駆体シートの水分率が上記範囲内であることが好ましい。水分率が30%以上であれば、加圧による炭素短繊維(A)の破断が抑制でき、さらに炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)との結着が増加し多孔質電極基材の導電性が向上する。さらに、水分率が300%以下であれば、加熱成型時に水分の蒸発による炭素短繊維(A)および前駆体繊維(b)の再集束による目付け斑の増加を抑制し、多孔質電極基材の表面平滑性を高く保つことができる。
前駆体シートの水分率(%):[加熱成型(工程(3))前のシート目付け(g/m2)−加熱成型後のシート目付け(g/m2)]/加熱成型後のシート目付け(g/m2)×100。
加熱加圧成型には、一般的に、前駆体シートを連続的に加熱加圧成型できるロールプレス装置や、連続ベルトプレス装置が用いられるが、本発明では、シート中の水分の蒸発がしやすいという観点から、ロール対を一対以上有する連続式加熱ロールプレス装置を用いる。
工程(4)により、炭素短繊維(A)は、前駆体繊維(b)と融着し、かつ前駆体繊維(b)は炭素化され、網目状炭素繊維(B)となる。これにより、得られる多孔質電極基材の機械的強度および導電性が向上する。
前駆体シート中の炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを交絡させる交絡処理は、交絡構造が形成される方法であればよく、公知の方法で実施できる。例えば、ニードルパンチング法などの機械交絡法、ウォータージェットパンチング法などの高圧液体噴射法、スチームジェットパンチング法などの高圧気体噴射法、或いはこれらの組み合わせによる方法を用いることができる。交絡工程での炭素短繊維(A)の破断を容易に抑制でき、かつ適度な交絡性が容易に得られるという点から、高圧液体噴射法が好ましい。以下、この方法について詳しく説明する。
酸化処理の温度は、炭素化率を向上させる観点から、200℃以上300℃未満とすることが好ましく、240℃以上290℃以下とすることがより好ましい。酸化処理の時間は、例えば1分間〜2時間とすることができる。酸化処理としては、加熱多孔板を用いた加圧直接加熱による連続酸化処理、または加熱ロール等を用いた間欠的な加圧直接加熱による連続酸化処理が、低コスト、かつ炭素短繊維(A)を前駆体繊維(b)で融着させることができるという点で好ましい。連続的に製造された前駆体シートを酸化処理する場合、前駆体シートの全長にわたって連続で酸化処理することが好ましい。これによって、炭素化処理を容易に連続して行なうことができる。
多孔質電極基材のガス透気度は、JIS規格P−8117に準拠し、ガーレーデンソメーターを使用して200mLの空気が透過するのにかかった時間を測定し、ガス透気度(ml/hr/cm2/mmAq)を算出した。
多孔質電極基材の厚みは、厚み測定装置ダイヤルシックネスゲージ((株)ミツトヨ製、商品名:7321)を使用して測定した。測定子の大きさは直径10mmで、測定圧力は1.5kPaとした。
多孔質電極基材の厚さ方向の電気抵抗(貫通方向抵抗)は、金メッキした銅板に多孔質電極基材を挟み、銅板の上下から1MPaで加圧し、10mA/cm2の電流密度で電流を流したときの抵抗値を測定し、次式より求めた。
貫通方向抵抗(mΩ・cm2)=測定抵抗値(mΩ)×試料面積(cm2)。
網目状炭素繊維(B)の含有率は、得られた多孔質電極基材の目付と、使用した炭素短繊維(A)の目付とから、次式より算出した。
網目状炭素繊維(B)の含有率(%)=[多孔質電極基材目付(g/m2)−炭素短繊維(A)目付(g/m2)]÷多孔質電極基材目付(g/m2)×100。
多孔質電極基材のうねりの指標として、平板上に縦250mm横250mmの多孔質電極基材を静置した際の、多孔質電極基材の高さの最大値と最小値の差を算出した。
前駆体繊維(b)の炭素化率は得られた多孔質電極基材の目付と、使用した炭素短繊維(A)、前駆体繊維(b)の目付とから、次式より算出した。
前駆体繊維(b)の炭素化率(%)=[多孔質電極基材目付(g/m2)−炭素短繊維(A)目付(g/m2)]÷前駆体繊維(b)の目付(g/m2)×100。
以下の繊維を用意した。
・炭素短繊維(A):平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのPAN系炭素繊維。
・炭素繊維前駆体短繊維(b1):平均繊維径が4μm、平均繊維長が3mmのアクリル短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:D122)。
・繊維(b2−2)の作製に用いる易割繊性海島複合繊維:叩解によってフィブリル化するアクリル系ポリマーとジアセテート(酢酸セルロース)とからなる易割繊性アクリル系海島複合短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:ボンネルM.V.P.−C651、平均繊維長:3mm)。
前記炭素短繊維(A)を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機工業(株)製)を通して離解処理し、離解スラリー繊維(SA)とした。
前記炭素繊維前駆体短繊維(b1)を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機工業(株)製)を通して離解処理し、離解スラリー繊維(Sb1)とした。
前記易割繊性アクリル系海島複合短繊維を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散させディスクリファイナー(熊谷理機工業(株)製)を通して叩解および離解処理し、離解スラリー繊維(Sb2−2)とした。
炭素短繊維(A)と炭素繊維前駆体短繊維(b1)と繊維(b2−2)とが、質量比50:30:20で、かつスラリー中の繊維の濃度が、1.44g/Lとなるように離解スラリー繊維(SA)、離解スラリー繊維(Sb1)、離解スラリー繊維(Sb2−2)、希釈水を計量し、スラリー供給タンクに調製した。さらに、ポリアクリルアマイドを添加して粘度22mPa・s(センチポイズ)の抄紙用スラリーを調製した。
ネット駆動部及び幅60cm×長さ585cmのプラスチックネット製平織メッシュをベルト状につなぎあわせて連続的に回転させるネットよりなるシート状物搬送装置、スラリー供給部幅が48cm、供給スラリー量が30L/minである抄紙用スラリー供給装置、ネット下部に配置した減圧脱水装置からなる処理装置を用いた。
前記処理装置の下流に下記の3本のウォータージェットノズル(ノズル1〜3)を備えた加圧水流噴射処理装置を配置した。
ノズル2:孔径φ0.15mm×501孔、幅方向孔間ピッチ1mm(1001孔/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm。
ノズル3:孔径φ0.15mm×1002孔、幅方向孔間ピッチ1.5mm、3列配置、列間ピッチ5mm、ノズル有効幅500mm。
前記交絡処理シート状物を、減圧脱水装置により脱水し、水分率150%の交絡構造前駆体シートを得た。この交絡構造前駆体シート中での炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の分散状態は良好で両繊維の絡み合いも良好であり、ハンドリング性は良好であった。
次に、この前駆体シートを、表面算術平均粗さが1.5μmのフラットロール(φ200mm)と表面算術平均粗さが8.0μmのエンボスロール(φ100mm)とからなる一対のロール対を有する連続式加熱ロールプレス装置(由利ロール社製:電気加熱式エンボス機)を用いて線圧3×104N/m、ロール温度200℃、速度2.0m/minで連続的に成型した。成型後の表面観察より、炭素短繊維(A)の加圧による破断がなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。加熱加圧成型後の前駆体シートの厚みを表2に示した。
その後、この前駆体シートをバッチ炭素化炉にて、窒素ガス雰囲気中、2000℃の条件下で1時間炭素化処理して多孔質電極基材を得た。
実施例2および3では、前駆体シートの水分率をそれぞれ50%および270%に変更したこと以外は実施例1と同様にして多孔質電極基材を得た。実施例2、3とも加熱加圧成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断がなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。また得られた多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
水分率調整工程の前に交絡処理を実施せず、(V)で得られた前駆体シートをそのまま(VII)の水分率調整工程に供したこと以外は実施例1と同様にして多孔質電極基材を得た。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断がなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。また得られた多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
加熱加圧成型工程(VIII)と炭素化処理工程(IX)との間に、酸化処理工程を行った以外は実施例1と同様にして多孔質電極基材を得た。具体的には、加熱加圧成型(VIII)で得られた3次元交絡構造前駆体シートの両面を、シリコーン系離型剤をコートしたステンレスパンチングプレートで挟んだ後、バッチプレス装置にて280℃、0.5MPaの条件下で1分間酸化処理した。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断がなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。また得られた多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
前駆体繊維(b)、およびその使用量を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、多孔質電極基材を得た。なおその際、繊維(b2−1)としては、噴射凝固法によって作製したアクリル系ポリマーからなる繊維状の幹より直径が2μm以下フィブリルが多数分岐したパルプを用いた。そして、この繊維(b2−1)を、炭素短繊維(A)と同様の方法で離解処理して離解スラリー繊維(Sb2−1)とし、抄紙用スラリーを調製した。
加熱加圧成型において、表面算術平均粗さが1.5μmのフラットロールと表面算術平均粗さが1.5μmのフラットロールとからなる一対のロール対を有する連続式加熱ロールプレスの装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多孔質電極基材を得た。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断がほとんどなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。また得られた多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
(VI)により得られた前駆体シートを、ピンテンター試験機(辻井染機工業(株)製、商品名PT−2A−400)により150℃で3分間、乾燥させ、水分率を0%とし、その水分率0%の前駆体シートを(VIII)の加熱加圧成型に供したこと以外は、実施例10と同様にして、多孔質電極基材を得た。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士は融着していることが確認できたが、炭素短繊維(A)の加圧による破断が観察された。また得られた多孔質電極基材は、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚みはそれぞれ良好であったが、貫通方向抵抗が実施例10と比較して増加した。炭素短繊維(A)同士は、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
水分率調整工程(VII)における前駆体シートの水分率を350%に変更したこと以外は、実施例10と同様にして、多孔質電極基材を得た。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断は観察されず、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士は融着していたが、加熱加圧成型時の水の蒸発により、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)がシート内で集束する構造となり、シート目付け斑が増大した。また得られた多孔質電極基材は、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であったが、目付け斑に依存して表面平滑性が実施例1と比較して大幅に低下した。炭素短繊維(A)同士は、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
Claims (3)
- 炭素短繊維(A)と、アクリル系ポリマーからなる、炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の少なくとも一方とを平面内において分散させた前駆体シートを製造する工程(1)と、
加熱加圧処理する工程直前の時点での前記前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する工程(2)と、
ロール対を一対以上有する連続式加熱ロールプレス装置を用いて、前記前駆体シートを加熱加圧処理する工程(3)と、
加熱加圧した前駆体シートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程(4)と、
を有する多孔質電極基材の製造方法。 - 前記工程(1)と前記工程(2)との間に、
前駆体シートを交絡処理する工程(5)
を含む請求項1記載の製造方法。 - 前記工程(3)と前記工程(4)との間に、
加熱加圧された前駆体シートを酸化処理する工程(6)
を含む請求項1または2記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011066147A JP5485211B2 (ja) | 2011-03-24 | 2011-03-24 | 多孔質電極基材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011066147A JP5485211B2 (ja) | 2011-03-24 | 2011-03-24 | 多孔質電極基材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012204073A JP2012204073A (ja) | 2012-10-22 |
JP5485211B2 true JP5485211B2 (ja) | 2014-05-07 |
Family
ID=47184876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011066147A Expired - Fee Related JP5485211B2 (ja) | 2011-03-24 | 2011-03-24 | 多孔質電極基材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5485211B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2018012345A1 (ja) * | 2016-07-14 | 2019-04-25 | 東レ株式会社 | ガス拡散電極基材およびその製造方法ならびにガス拡散電極、膜電極接合体および固体高分子形燃料電池 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5433147B2 (ja) * | 2007-11-21 | 2014-03-05 | 三菱レイヨン株式会社 | 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、および固体高分子型燃料電池 |
JP2009283259A (ja) * | 2008-05-21 | 2009-12-03 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 多孔質炭素電極基材 |
JP5250328B2 (ja) * | 2008-07-29 | 2013-07-31 | 三菱レイヨン株式会社 | 炭素質電極基材の製造方法 |
JP5398297B2 (ja) * | 2009-02-20 | 2014-01-29 | 三菱レイヨン株式会社 | 多孔質炭素電極基材の製造方法 |
-
2011
- 2011-03-24 JP JP2011066147A patent/JP5485211B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012204073A (ja) | 2012-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2767211C (en) | Porous electrode substrate and method for producing the same | |
JP5713003B2 (ja) | 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、固体高分子型燃料電池、前駆体シート、およびフィブリル状繊維 | |
US8574758B2 (en) | Porous electrode substrate and method for producing the same | |
JP5664791B2 (ja) | 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、及び固体高分子型燃料電池 | |
JP5356540B2 (ja) | 多孔質電極基材、その製造方法、多孔質電極基材前駆体シート、膜−電極接合体、および固体高分子型燃料電池 | |
US20160087283A1 (en) | Porous electrode substrate, method for manufacturing same, and polymer electrolyte fuel cell | |
JP5435817B2 (ja) | 多孔質電極基材の製造方法 | |
JP6288263B2 (ja) | 多孔質電極基材、膜−電極接合体及び固体高分子型燃料電池 | |
JP2013020842A (ja) | 多孔質電極基材 | |
JP6008164B2 (ja) | 多孔質電極基材の製造方法 | |
JP5485211B2 (ja) | 多孔質電極基材の製造方法 | |
JP5394469B2 (ja) | 多孔質電極基材の製造方法及び多孔質電極基材 | |
JP5590419B2 (ja) | 多孔質電極基材前駆体シートの製造方法、多孔質電極基材の製造方法、多孔質電極基材、膜−電極接合体、および固体高分子型燃料電池 | |
JP2013251070A (ja) | 多孔質電極基材、その製造方法 | |
JP6277653B2 (ja) | 多孔質電極基材の製造方法 | |
JP2013206704A (ja) | 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、および固体高分子型燃料電池 | |
JP5501332B2 (ja) | 多孔質電極基材前駆体シート、その製造方法、多孔質電極基材、膜−電極接合体、および固体高分子型燃料電池 | |
JP2016012474A (ja) | 多孔質電極基材の製造方法 | |
JP5430537B2 (ja) | 多孔質電極基材及びその製造方法 | |
JP2018055969A (ja) | 多孔質電極基材およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130905 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130910 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131107 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140210 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140219 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5485211 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |