JP5485211B2 - 多孔質電極基材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に用いられる多孔質電極基材およびその製造方法に関する。
燃料電池に設置されるガス拡散電極基材として、炭素短繊維を抄造後、炭素化可能な樹脂で結着させ、これを連続的に加熱加圧し前記樹脂を硬化させ、さらに高温で焼成して前記樹脂を炭素化させることにより製造された機械的強度が高いガス拡散電極基材が提案されている(特許文献1参照)。
また低コスト化を目的として、炭素短繊維と叩解によってフィブリル化する炭素前駆体短繊維を分散させ前駆体シートを得、熱硬化性樹脂を使用せずに、加熱加圧成型し、次いで炭素化する多孔質電極基材の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
特許第3612518号公報 国際公開第2011/004853号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示されている多孔質炭素電極基材は、熱硬化性樹脂をロールプレスおよび一対のエンドレスベルトを備えた連続プレスにより硬化させ製造する必要があり、樹脂硬化時に炭素短繊維が破断される傾向があった。
特許文献2に開示されている多孔質電極基材は、熱硬化性樹脂を使用しない点で低コスト化は可能であるものの、加熱加圧成型の際に炭素短繊維が破断されることがあった。
本発明は、炭素短繊維の破断が少なく、導電性に優れた多孔質電極基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題が、以下の発明[1]〜[]によって解決されることを見出した。
[1]炭素短繊維(A)と、アクリル系ポリマーからなる、炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の少なくとも一方とを平面内において分散させた前駆体シートを製造する工程(1)と、
加熱加圧処理する工程直前の時点での前記前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する工程(2)と、
ロール対を一対以上有する連続式加熱ロールプレス装置を用いて、前記前駆体シートを加熱加圧処理する工程(3)と、
加熱加圧した前駆体シートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程(4)と、
を有する多孔質電極基材の製造方法。
[2]前記工程(1)と前記工程(2)との間に、前駆体シートを交絡処理する工程(5)を含む、[1]記載の製造方法。
[3]前記工程(3)と前記工程(4)との間に、加熱加圧された前駆体シートを酸化処理する工程(6)を含む、[1]または[2]記載の製造方法
本発明によれば、炭素短繊維の破断が少なく、導電性に優れた多孔質電極基材の製造方法を得ることができる。
本発明は、炭素短繊維(A)と、炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の少なくとも一方とを平面内において分散させた前駆体シートを製造する工程(1)と、前記前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する工程(2)と、ロール対を一対以上有する連続式加熱ロールプレス装置を用いて、前記前駆体シートを加熱加圧処理する工程(3)と、加熱加圧した前駆体シートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程(4)と、を有する多孔質電極基材の製造方法である。
このように、本発明では、前駆体シートの水分率を特定の範囲に調整した後、炭素短繊維の破断が少なく、さらに使用する繊維同士の結合をより強固にする連続式の加熱加圧工程を実施するため、上記課題を解決した多孔質電極基材を得ることができる。
また、本発明により、厚みが均一で、ガス透気度が高く、十分なハンドリング性を持ち、製造コストが低く、かつ炭素化時の炭素化率が高い多孔質電極基材を製造することができる。
<多孔質電極基材>
本発明により得られる多孔質電極基材は、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合され、炭素短繊維(A)及び網目状炭素繊維(B)が互いに絡まり合った構造を有する。また、多孔質電極基材は、炭素短繊維(A)と、前駆体繊維(b)とを平面内において分散させた前駆体シートの水分率を特定の範囲に調整し、連続式加熱ロールプレス装置を用いて加熱加圧処理し、さらに炭素化処理することにより得ることができる。さらに、必要に応じて、水分率を調整する前にこの前駆体シートを交絡処理することもでき、加熱加圧処理した前駆体シートを酸化処理することもできる。また、前駆体シートにおいて、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とは、2次元平面内に分散するとともに、3次元に分散することができる。
なお、前駆体繊維(b)とは、炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の一方、もしくは両方を意味する。即ち、網目状炭素繊維(B)は、前駆体シート中に分散させた前駆体繊維(b)が水分率調整、加熱加圧処理および炭素化処理されたものであることができる。
多孔質電極基材の形状は、燃料電池の分野で公知の形状から必要に応じて選択することができ、例えば、平板状、渦巻き状等の形状をとることができる。シート状の多孔質電極基材の目付は、ガス透気度とハンドリング性の観点から15g/m2以上、100g/m2以下が好ましい。また、シート状の多孔質電極基材の空隙率は、ガス透気度と導電性の観点から50%以上、90%以下が好ましい。さらに、シート状の多孔質電極基材の厚みは、ガス透気度、導電性とハンドリング性の観点から50μm以上、300μm以下が好ましい。また、シート状の多孔質電極基材のうねりは、5mm未満が好ましい。
多孔質電極基材のガス透気度は、500ml/hr/cm2/mmAq以上、20000ml/hr/cm2/mmAq以下であることが好ましい。
また、多孔質電極基材の厚さ方向の電気抵抗(貫通方向抵抗)は、50mΩ・cm2以下であることが好ましい。なお、多孔質電極基材のガス透気度および貫通方向抵抗の測定方法は、後述する。
以下、多孔質電極基材を構成する各繊維について説明する。
<炭素短繊維(A)>
前駆体シートに分散させた炭素短繊維(A)は、本発明の多孔質電極基材を構成する繊維の1つとなる。炭素短繊維(A)としては、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(以下「PAN系炭素繊維」と称する。)、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等の炭素繊維を所定の繊維長に切断したものが挙げられる。多孔質電極基材の機械的強度の観点から、PAN系炭素繊維が好ましい。
炭素短繊維(A)の平均繊維長は、分散性の点から、2mm以上12mm以下とすることが好ましく、2mm以上9mm以下とすることがより好ましい。なお、平均繊維長は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により測定することができる。
また、炭素短繊維(A)の平均繊維径は、炭素短繊維の生産コストおよび分散性の面から、3μm以上9μm以下とすることが好ましく、多孔質電極基材の平滑性の面から、4μm以上8μm以下とすることがより好ましい。なお、平均繊維径は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により測定することができる。
多孔質電極基材を構成する1つの繊維である炭素短繊維(A)は、多孔質電極基材中において分散している。ここで、「多孔質電極基材中において分散」とは、炭素短繊維(A)が、シート状の多孔質電極基材の表面に略平行に存在していても、多孔質電極基材の厚み方向に存在していても良いことを意味する。
また、このシート状の多孔質電極基材の表面に対して略平行な炭素短繊維(A)の配向方向は、実質的にランダムであっても良く、特定方向への配向性が高くなっていても良い。
炭素短繊維(A)は、多孔質電極基材中においてほぼ直線状を保って存在している。また、多孔質電極基材中において、炭素短繊維(A)同士は直接結合しておらず、網目状炭素繊維(B)によって接合されている。
<網目状炭素繊維(B)>
網目状炭素繊維(B)は、炭素短繊維(A)同士を接合する繊維であり、接合部において屈曲状または湾曲状になっている状態で存在する。それにより網目構造を形成する。多孔質電極基材における網目状炭素繊維(B)の含有率は、多孔質電極基材の適度な機械的強度を容易に保つため、10質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、15質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
<前駆体繊維(b)>
(炭素繊維前駆体短繊維(b1))
炭素繊維前駆体短繊維(b1)は、後述するポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)を用いて作製した長繊維状の炭素繊維前駆体繊維を適当な長さにカットしたものであることができる。炭素繊維前駆体短繊維(b1)の平均繊維長は、分散性の点から、2mm以上20mm以下が好ましい。なお、平均繊維長は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により測定することができる。炭素繊維前駆体短繊維(b1)の断面形状は特に限定されないが、炭素化した後の機械的強度、製造コストの面から、真円度の高いものが好ましい。また、炭素繊維前駆体短繊維(b1)の平均直径は、炭素化時の収縮による破断を抑制する観点から、5μm以下であることが好ましい。なお、平均繊維径(直径)は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により測定することができる。
炭素繊維前駆体短繊維(b1)は、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であるポリマーを用いることが好ましい。このようなポリマーとしては、例えば、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーが挙げられる。紡糸性および低温から高温にかけて炭素短繊維(A)同士を接合させることができ、炭素化時の残存質量が大きい点、さらに、後述する交絡処理を行う際の繊維弾性、繊維強度を考慮すると、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
炭素繊維前駆体短繊維(b1)は、1種類であってもよく、繊維直径、ポリマー種が異なる複数種類であってもよい。これらの炭素繊維前駆体短繊維(b1)や後述するフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の種類や炭素短繊維(A)との混合比、200℃以上300℃以下での酸化処理の有無によって、最終的に得られる多孔質電極基材中に網目状炭素繊維(B)として残る割合を調整することができる。
・炭素繊維前駆体短繊維(b1)に用いるアクリル系ポリマー
アクリル系ポリマーとしては、アクリロニトリルの単独重合体であっても、アクリロニトリルとその他のモノマーとの共重合体であってもよい。アクリロニトリルと共重合されるモノマーとしては、一般的なアクリル系繊維を構成する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、5万以上100万以下であることが好ましい。アクリル系ポリマーの重量平均分子量が5万以上であることで、紡糸性が向上すると同時に、繊維の糸質が良好になる傾向にある。アクリル系ポリマーの重量平均分子量が100万以下であることで、紡糸原液の最適粘度を与えるポリマー濃度が高くなり、生産性が向上する傾向にある。
(フィブリル状炭素前駆体繊維(b2))
フィブリル状炭素前駆体繊維(b2)としては、例えば以下のものを用いることができる。直径100μm以下の繊維状の幹より直径が数μm以下(例えば0.1〜3μm)のフィブリルが多数分岐した構造を有する炭素前駆体繊維(b2−1)や、叩解によってフィブリル化した炭素前駆体短繊維(b2−2)を用いることができる。なお、以下、この2つのフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)をそれぞれ、繊維(b2−1)および繊維(b2−2)と称することがある。
これらのフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)を用いることにより、前駆体シート中で炭素短繊維(A)とフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)が良く絡み合い、ハンドリング性と機械的強度の優れた前駆体シートを得ることが容易となる。フィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の濾水度は特に限定されないが、一般的に濾水度が小さいフィブリル状繊維を用いると前駆体シートの機械的強度が向上するが、多孔質電極基材のガス透気度が低下する傾向がある。
フィブリル状炭素前駆体繊維(b2)としては、繊維(b2−1)1種類、または繊維(b2−2)を1種類使用してもよく、また濾水度、繊維直径、ポリマー種等が異なるこれら繊維を複数種類併用してもよい。
以下に、この2つのフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)について詳しく説明する。
・繊維(b2−1)
繊維(b2−1)に用いられるポリマーは、炭素化処理工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。このようなポリマーとしては、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーを挙げることができる。紡糸性および低温から高温にかけて炭素短繊維(A)同士を接合させることができ、炭素化時の残存質量が大きい点、さらに、炭素短繊維(A)との交絡、シート強度を考慮すると、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。アクリル系ポリマーとしては炭素繊維前駆体短繊維(b1)と同様のものを用いることができる。
繊維(b2−1)の製造方法は特に限定されないが、濾水度のコントロールが容易な噴射凝固法を用いて製造することが好ましい。噴射凝固法による繊維(b2−1)は例えば以下の方法で製造できる。
まず、アクリロニトリル系共重合体を溶媒に溶解させて紡糸原液を調製する。この溶媒としては、例えば、ジメチルアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドなどを用いることができる。ついで、この紡糸原液を紡糸吐出口に通して混合セル内に吐出すると同時に、水蒸気を紡糸原液の吐出線方向に対して0度以上、90度未満の角度で混合セル内に噴出し、混合セル内でこのアクリロニトリル系共重合体を剪断流速の下で凝固させる。形成された凝固体を前記溶媒と水蒸気と共に混合セルから凝固液中に排出することで繊維(b2−1)が得られる。凝固液としては水または、水と前記溶媒との混合液を用いることができる。
このようにして得られた繊維(b2−1)は、繊維径の細い繊維が集合したフィブリル部と水蒸気にあまり触れることなく凝固した繊維径の太い芯部(幹)を有している。繊維(b2−1)のフィブリル部は炭素短繊維Aや繊維(b2−1)のフィブリル部同士との絡みを良好とし、繊維(b2−1)の芯部はバインダーとしての強度を発現することができる。
繊維(b2−1)のフィブリル部の繊維径は混合する炭素短繊維との絡みを良好にするため、2μm以下が好ましい。
芯部は、多孔質電極基材の均質化の観点から直径100μm以下であることが好ましい。直径を100μm以下とすることにより、繊維(b2−1)が偏在することを容易に抑制でき、比較的少量の繊維(b2−1)によって容易に炭素短繊維Aを結着することができる。また、強度を発現する観点から、芯部の直径は10μm以上であることが好ましい。
繊維(b2−1)が炭素短繊維Aに絡む機能の観点から、一つの芯部に対して繊維(b2−1)のフィブリル部が複数存在することが好ましく、一つの芯部に対してフィブリル部が多いほど好ましいと考えられる。
一本の繊維(b2−1)において、芯部の太さは、一定であるか、あるいは無段階に変化するものが好ましい。このような繊維(b2−1)を用いることにより、芯部の太さの段階的な変化により段差の部分が弱くなることを容易に防ぐことができ、強度が低下することを容易に防ぐことができる。なお、上記方法で繊維(b2−1)を製造した場合、水蒸気がランダムに飛び散ることにより芯部の太さを一定に保つことが困難な場合があり、芯部の太さが変化することがある。しかし、芯部の太さの段階的な変化は、噴射する水蒸気が冷えて液滴状になった場合に見られる傾向があるため、水蒸気の噴出圧および温度を高くするなどの方法で芯部の太さが段階的に変化することを容易に防止することができる。
・繊維(b2−2)
繊維(b2−2)は、長繊維状の易割繊性海島複合繊維を適当な長さにカットしたものを、リファイナーやパルパーなどによって叩解しフィブリル化したものであることができる。長繊維状の易割繊性海島複合繊維は、共通の溶剤に溶解し、かつ非相溶性である2種類以上の異種ポリマーを用いて製造することができ、少なくとも1種類のポリマーが、炭素化処理工程における残存質量20質量%以上であることが好ましい。易割繊性海島複合繊維に用いられるポリマーのうち、炭素化処理工程における残存質量が20質量%以上であるものとしては、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーが挙げられる。中でも、紡糸性および炭素化処理工程における残存質量の観点から、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。アクリル系ポリマーとしては炭素繊維前駆体短繊維(b1)と同様のものを用いることができる。
易割繊性海島複合繊維に用いられるポリマーのうちの1種類に、炭素化処理工程における残存質量が20質量%以上であるポリマーとして、上述するアクリル系ポリマーを用いた場合、他のポリマーとしては、そのアクリル系ポリマーと共通の溶剤に溶解し、両ポリマーを溶解した紡糸原液が安定に存在することが望まれる。すなわち、他のポリマーは、アクリル系ポリマーと共通の溶剤に溶解した場合に、アクリル系ポリマーに対して非相溶であり、紡糸の際に海島構造を形成できる程度の混和性を有することが望まれる。これにより、紡糸原液とした際に、2種のポリマーの非相溶性の度合いが大きい場合に生じる繊維の不均質性を容易に防ぐとともに、紡糸時における糸切れを容易に防ぐことができ、さらに、繊維賦形を容易にすることができる。また、他のポリマーは水に難溶性であることが望まれ、これにより、湿式紡糸する場合に、凝固槽、および洗浄槽において他のポリマーが水に溶解して脱落が起こることを容易に防ぐことができる。
これらの要望を満足する他のポリマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂などが挙げられるが、酢酸セルロース、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂は、前述した要望のバランスの点で、好ましい。他のポリマーは、1種でもよく、2種以上でもよい。
繊維(b2−2)に用いる易割繊性海島複合繊維は、通常の湿式紡糸法で製造することができる。先ず、アクリル系ポリマーと他のポリマーとを溶剤に溶解して紡糸原液を調製する。または、アクリル系ポリマーを溶剤に溶解して得られる紡糸原液と、他のポリマーを溶剤に溶解して得られる紡糸原液とを、スタティックミキサー等で混合して紡糸原液としてもよい。溶剤としては、ジメチルアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドなどを用いることができる。これらの紡糸原液を紡糸機に供給してノズルより紡糸し、湿熱延伸、洗浄、乾燥および乾熱延伸を施こすことで、易割繊性海島複合繊維を得ることができる。
易割繊性海島複合繊維の断面形状は、特に限定されない。分散性、炭素化時の収縮による破断を抑制するため、易割繊性海島複合繊維の繊度は、1dtex以上10dtex以下であることが好ましい。易割繊性海島複合繊維の平均繊維長は、叩解後の分散性の観点から、1mm以上20mm以下が好ましい。
易割繊性海島複合繊維は、機械的外力により相分離界面の剥離により叩解して、その少なくとも一部分が割繊し、フィブリル化する。叩解方法は、特に限定されないが、例えば、リファイナーやパルパー、ビーター、または加圧水流の噴射(ウオータージェットパンチング)によりフィブリル化することが可能である。易割繊性海島複合繊維を機械的外力により相分離界面の剥離により叩解する際には、叩解方法、叩解時間に依存して、フィブリル化の状態は変化する。フィブリル化の度合いを評価する方法として、濾水度評価(JIS P8121(パルプ濾水度試験法:カナダ標準型))を用いることができる。繊維(b2−2)の濾水度は特に限定されない。
<多孔質電極基材の製造方法>
本発明は、以下の工程を有する。
(1)炭素短繊維(A)と、前駆体繊維(b)とを平面内において分散させた前駆体シートを製造する工程。
(2)前記前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する工程。
(3)ロール対を一対以上有する連続式加熱ロールプレス装置を用いて、前記前駆体シートを加熱加圧処理する工程。
(4)加熱加圧した前駆体シートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程。
また、工程(1)と(2)との間に以下の工程(5)を、工程(3)と(4)との間に以下の工程(6)を含むことができる。
(5)前駆体シートを交絡処理する工程。
(6)加熱加圧された前駆体シートを酸化処理する工程。
以下に各工程を詳しく説明する。
・前駆体シートを製造する工程(1)
前駆体シートの製造方法としては、液体の媒体中に炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを分散させて抄造する湿式法、空気中に炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを分散させて降り積もらせる乾式法、などの抄紙方法を適用できる。しかし、シートの均一性が高いという観点から湿式法を用いることが好ましい。
炭素短繊維(A)が単繊維に開繊するのを助け、開繊した単繊維が再収束することを防止するためにも、前駆体繊維(b)を使用する。また必要に応じて有機高分子化合物をバインダーとして使用して、湿式抄紙することもできる。この有機高分子化合物は、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを含む前駆体シート中で、各成分をつなぎとめるバインダー(糊剤)としての役割を有する。この有機高分子化合物としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニルなどを用いることができる。特に、抄紙工程での結着力に優れ、炭素短繊維の脱落が少ないことから、ポリビニルアルコールが好ましい。本発明では、この有機高分子化合物を繊維形状にして用いることも可能である。
本発明では、バインダーとしての有機高分子化合物を用いずにシート化しても、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)と適度な絡みを得ることができる。
炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを分散させる媒体としては、例えば、水、アルコールなどの前駆体繊維(b)が溶解しない媒体が挙げられるが、生産性の観点から、水が好ましい。
炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを混合する方法としては、水中で攪拌分散させる方法、これらを直接混ぜ込む方法が挙げられるが、均一に分散させる観点から、水中で拡散分散させる方法が好ましい。炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを混合し、抄紙して前駆体シートを製造することにより、前駆体シートの強度が向上する。また、その製造途中で、前駆体シートから炭素短繊維(A)が剥離し、炭素短繊維(A)の配向が変化することを防止することができる。
前駆体シートは、連続法とバッチ法のいずれによっても製造できるが、前駆体シートの生産性および機械的強度の観点から、連続法で製造することが好ましい。
前駆体シートの目付は、前駆体シートのハンドリング性および多孔質電極基材としたときのガス透過性、導電性、ハンドリング性の観点から10g/m2以上、200g/m2以下であることが好ましい。また、前駆体シートの厚みは、20μm以上、400μm以下であることが好ましい。
前駆体シートに用いる前駆体繊維(b)は、その種類や炭素短繊維(A)との混合比、酸化処理の有無によって、最終的に得られる多孔質電極基材中に網目状炭素繊維(B)として残る割合を調整することができる。
炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)との混合比は、炭素短繊維(A)100質量部に対して、前駆体繊維(b)が50質量部以上300質量部以下であることが好ましい。前駆体繊維(b)を50質量部以上とすることで、形成される網目状炭素繊維(B)の量が適度に多くなるため、多孔質電極基材シートの強度を容易に向上させることができる。前駆体繊維(b)を300質量部以下とすることで、炭素化時の前駆体繊維(b)の収縮を抑制する炭素短繊維(A)が少ないことに起因するシートの収縮を容易に抑制でき、多孔質電極基材シートの強度を容易に向上させることができる。
・水分率を30%以上300%以下に調整する工程(2)
本発明では、前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する工程を有し、加熱加圧工程前、即ち工程(3)に供する前駆体シートの水分率を30%以上300%以下とすることができる。より具体的には、加圧処理する工程直前の時点で、前駆体シートの水分率が上記範囲内であることが好ましい。水分率が30%以上であれば、加圧による炭素短繊維(A)の破断が抑制でき、さらに炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)との結着が増加し多孔質電極基材の導電性が向上する。さらに、水分率が300%以下であれば、加熱成型時に水分の蒸発による炭素短繊維(A)および前駆体繊維(b)の再集束による目付け斑の増加を抑制し、多孔質電極基材の表面平滑性を高く保つことができる。
前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する方法は、特に限定されない。例えば、前記湿式法でシート化した場合には、シートの最終脱水工程においてニップロールや、吸湿ロールなどによる水分率調整法や、減圧脱水装置による水分率調整法などを用いることができる。また、乾式法においてシート化をした場合には、スプレーや滴下などによる水分率調整法を用いることができる。また、湿式法、乾式法によらず、後述する加熱加圧処理工程の直前にスプレーや滴下によりシート水分率を調整することも好ましい。
なお、前駆体シートの水分率は、加熱成型前後のシート目付けより算出することができる。
前駆体シートの水分率(%):[加熱成型(工程(3))前のシート目付け(g/m2)−加熱成型後のシート目付け(g/m2)]/加熱成型後のシート目付け(g/m2)×100。
・加熱加圧処理する工程(3)
加熱加圧成型には、一般的に、前駆体シートを連続的に加熱加圧成型できるロールプレス装置や、連続ベルトプレス装置が用いられるが、本発明では、シート中の水分の蒸発がしやすいという観点から、ロール対を一対以上有する連続式加熱ロールプレス装置を用いる。
前駆体繊維(b)としてアクリル系ポリマーを用いた場合は、熱可塑挙動を示すアクリル系ポリマーの融着により成型が容易に可能となり、装置構造がシンプルなロールプレス装置を用いるのに適している。さらに、前駆体繊維(b)としてアクリル系ポリマーを用いた場合は、前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整することにより、ポリマーの融着性を容易に向上させることができる。
上記ロールプレス装置が有する各ロールの表面形状は、特に限定されず、加熱加圧成型に用いる公知のロールを使用することができる。しかし、ロールプレス装置が有するロール対として、表面算術平均粗さが2.0μm以下のフラットロールと、表面算術平均粗さが5.0μm以上20μm以下のエンボスロールとからなるプレスロールの組み合わせを用いることが好ましい。このロール対を用いることにより、ロール間に有効なクリアランス変動を容易に形成することができ、多孔質構造を持つ前駆体シート内での炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに、前駆体繊維(b)同士の融着を効果的に促進し、かつ、加圧による炭素短繊維(A)の破断を容易に抑制することができる。
なお、各ロールの表面算術平均粗さは、JIS B0601に準拠して算出することができる。
エンボスロールの表面算術平均粗さを、5.0μm以上とすることにより、ロール間のクリアランス変動によって効果的な前駆体繊維(b)の融着を容易に起こすことができる。また、20μm以下とすることで、ロールと前駆体シートの接触点の減少による融着点の減少や局所荷重の増大による炭素短繊維(A)の破断やシートの厚み斑が容易に抑制できる。また、エンボスロールのエンボスパターン形状は特に限定されないが、多孔質電極基材の厚み斑の原因となることを防ぐ観点から、エンボスピッチが1mm以下の斜格子ロールやサンドブラストロールなどを用いることが好ましい。
フラットロールの表面算術平均粗さを2.0μm以下にすることにより、エンボスロールとのクリアランス変動による効果的な前駆体繊維(b)の融着を容易に促進させることができる。
また、ロール対は、5×103N/m以上1×105N/m以下の線圧で加圧することが好ましい。ロール間の加圧圧力(線圧)を5×103N/m以上とすることで、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに、前駆体繊維(b)同士の融着を容易に進行させることができる。線圧を1×105N/m以下とすることで、加熱加圧成型時の炭素短繊維(A)の破断を容易に抑制できる。加熱加圧成型を連続で行なうことにより、炭素化処理も連続で行なうことができる。
加熱加圧成型における加熱温度は、前駆体シート内での炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに、前駆体繊維(b)同士の融着を促進するために、100〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。
前駆体シートを前記ロールプレス装置で加熱加圧成型する時は、ロールに炭素短繊維(A)や前駆体繊維(b)などが付着しないように、あらかじめ剥離剤を塗っておくことや、前駆体シートと各ロールとの間に離型紙を挟むことが好ましい。
・炭素化処理する工程(4)
工程(4)により、炭素短繊維(A)は、前駆体繊維(b)と融着し、かつ前駆体繊維(b)は炭素化され、網目状炭素繊維(B)となる。これにより、得られる多孔質電極基材の機械的強度および導電性が向上する。
炭素化処理は、得られる多孔質電極基材の導電性を高めるために、不活性ガス中で行なうことが好ましい。炭素化処理は、通常1000℃以上の温度で行なわれる。炭素化処理する温度範囲は、1000〜3000℃が好ましく、1000〜2200℃がより好ましい。炭素化処理を行なう時間は、例えば10分〜1時間程度である。また、炭素化処理の前に、300〜800℃の程度の不活性雰囲気での焼成による前処理を行なうことができる。
連続的に製造された前駆体シートを炭素化処理する場合は、製造コスト低減化の観点から、前駆体シートの全長にわたって連続で炭素化処理を行なうことが好ましい。多孔質電極基材を長尺にすれば、多孔質電極基材の生産性をさらに高くすることができ、かつその後のMEA(Membrane Electrode Assembly)製造も連続で行なうことができるので、燃料電池の製造コストを容易に低減できる。また、多孔質電極基材や燃料電池の生産性および製造コスト低減化の観点から、製造された多孔質電極基材を連続的に巻き取ることが好ましい。
また本発明では、上述したように、工程(1)と、工程(2)との間に、前駆体シートを交絡処理する工程(5)を含むことができる。この際、工程(1)〜(4)は、前述した方法により実施される。この形態では、交絡処理工程を含むため、前駆体シートおよび多孔質電極基材のハンドリンク性が向上する。さらに、交絡処理により多孔質電極基材の厚み方向の導電性が向上する。以下に、交絡処理工程について詳しく説明する。
・交絡処理する工程(5)
前駆体シート中の炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを交絡させる交絡処理は、交絡構造が形成される方法であればよく、公知の方法で実施できる。例えば、ニードルパンチング法などの機械交絡法、ウォータージェットパンチング法などの高圧液体噴射法、スチームジェットパンチング法などの高圧気体噴射法、或いはこれらの組み合わせによる方法を用いることができる。交絡工程での炭素短繊維(A)の破断を容易に抑制でき、かつ適度な交絡性が容易に得られるという点から、高圧液体噴射法が好ましい。以下、この方法について詳しく説明する。
高圧液体噴射処理法とは、実質的に表面平滑な支持部材上に前駆体シートを載せ、例えば、1MPaの圧力で噴射される液体柱状流、液体扇形流、液体スリット流等を作用させることによって、前駆体シート中の炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)とを交絡させる処理方法である。ここで、実質的に表面平滑な支持部材としては、支持部材の模様が得られる交絡構造体に形成されることなく、かつ噴射された液体が速やかに除かれるようなものから必要に応じて選択して用いることができる。その具体例としては30〜200メッシュの金網又はプラスチックネット或いはロール等を挙げることができる。
実質的に表面平滑な支持部材上で前駆体シートを製造した後、高圧液体噴射処理することが、交絡構造前駆体シートを連続的に製造でき、生産性の観点から好ましい。
高圧液体噴射処理に用いる液体としては、前駆体シートを構成する繊維を溶解する溶剤以外なら何でもよいが、通常は水或いは温水を用いることが好ましい。高圧液体噴射ノズル中のそれぞれの噴射ノズルの孔径は、柱状流の場合、十分な交絡効果を得る観点から、0.06mm以上1.0mm以下が好ましく、0.1mm以上0.3mm以下がより好ましい。ノズル噴射孔と積層体の間の距離は、0.5cm以上5cm以下が好ましい。液体の圧力は、1MPa以上が好ましく、1.5MPa以上がより好ましい。交絡処理は、1列でもよく複数列で行ってもよい。複数列で行なう場合、1列目よりも2列目以降の高圧液体噴射処理の圧力を高めることが有効である。
前駆体シートの高圧液体噴射による交絡処理は、複数回繰り返してもよい。即ち、前駆体シートに高圧液体噴射処理を行った後、更に前駆体シートを積層し、高圧液体噴射処理を行ってもよいし、出来つつある交絡構造前駆体シートを裏返し、反対側から、高圧液体噴射処理を行ってもよい。また、これらの操作を繰り返してもよい。
交絡構造前駆体シートを連続的に製造する場合、1列または複数列のノズル孔を備える高圧液体噴射ノズルをシートの幅方向に振動させことにより、シート化方向にシートの疎密構造の形成に由来する筋状の軌跡パターンが形成されることを抑制することができる。シート化方向の筋状の軌跡パターンを抑制することにより、シート幅方向の機械的強度を発現することができる。また1列または複数列のノズル孔を備える高圧液体噴射ノズルを複数本使用する場合、高圧液体噴射ノズルをシートの幅方向に振動させる振動数、またその位相差を制御することにより交絡構造前駆体シートに現れる周期的な模様を抑制することもできる。
次に、本発明では、加熱加圧工程(3)と炭素化処理工程(4)との間に、加熱加圧された前駆体シートを酸化処理する工程(6)を含むことができる。炭素短繊維(A)を、前駆体繊維(b)で良好に融着させ、かつ前駆体繊維(b)の炭素化率を向上させるという観点から、加熱加圧した前駆体シートを、酸化処理することが好ましい。以下に、酸化処理工程について詳しく説明する。
・酸化処理する工程(6)
酸化処理の温度は、炭素化率を向上させる観点から、200℃以上300℃未満とすることが好ましく、240℃以上290℃以下とすることがより好ましい。酸化処理の時間は、例えば1分間〜2時間とすることができる。酸化処理としては、加熱多孔板を用いた加圧直接加熱による連続酸化処理、または加熱ロール等を用いた間欠的な加圧直接加熱による連続酸化処理が、低コスト、かつ炭素短繊維(A)を前駆体繊維(b)で融着させることができるという点で好ましい。連続的に製造された前駆体シートを酸化処理する場合、前駆体シートの全長にわたって連続で酸化処理することが好ましい。これによって、炭素化処理を容易に連続して行なうことができる。
表1に本発明の製造方法の4つの形態を記載する。
Figure 0005485211
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。実施例中の各物性値等は、以下の方法で測定した。「部」は「質量部」を意味する。
(1)ガス透気度
多孔質電極基材のガス透気度は、JIS規格P−8117に準拠し、ガーレーデンソメーターを使用して200mLの空気が透過するのにかかった時間を測定し、ガス透気度(ml/hr/cm2/mmAq)を算出した。
(2)厚み
多孔質電極基材の厚みは、厚み測定装置ダイヤルシックネスゲージ((株)ミツトヨ製、商品名:7321)を使用して測定した。測定子の大きさは直径10mmで、測定圧力は1.5kPaとした。
(3)貫通方向抵抗
多孔質電極基材の厚さ方向の電気抵抗(貫通方向抵抗)は、金メッキした銅板に多孔質電極基材を挟み、銅板の上下から1MPaで加圧し、10mA/cm2の電流密度で電流を流したときの抵抗値を測定し、次式より求めた。
貫通方向抵抗(mΩ・cm2)=測定抵抗値(mΩ)×試料面積(cm2)。
(4)網目状炭素繊維(B)の含有率
網目状炭素繊維(B)の含有率は、得られた多孔質電極基材の目付と、使用した炭素短繊維(A)の目付とから、次式より算出した。
網目状炭素繊維(B)の含有率(%)=[多孔質電極基材目付(g/m2)−炭素短繊維(A)目付(g/m2)]÷多孔質電極基材目付(g/m2)×100。
(5)多孔質電極基材のうねり
多孔質電極基材のうねりの指標として、平板上に縦250mm横250mmの多孔質電極基材を静置した際の、多孔質電極基材の高さの最大値と最小値の差を算出した。
(6)前駆体繊維(b)の炭素化率
前駆体繊維(b)の炭素化率は得られた多孔質電極基材の目付と、使用した炭素短繊維(A)、前駆体繊維(b)の目付とから、次式より算出した。
前駆体繊維(b)の炭素化率(%)=[多孔質電極基材目付(g/m2)−炭素短繊維(A)目付(g/m2)]÷前駆体繊維(b)の目付(g/m2)×100。
(実施例1)
以下の繊維を用意した。
・炭素短繊維(A):平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのPAN系炭素繊維。
・炭素繊維前駆体短繊維(b1):平均繊維径が4μm、平均繊維長が3mmのアクリル短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:D122)。
・繊維(b2−2)の作製に用いる易割繊性海島複合繊維:叩解によってフィブリル化するアクリル系ポリマーとジアセテート(酢酸セルロース)とからなる易割繊性アクリル系海島複合短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:ボンネルM.V.P.−C651、平均繊維長:3mm)。
以下の(I)〜(VI)の操作によって前駆体シート及び交絡構造前駆体シートを連続的に製造した。
(I)炭素短繊維(A)の離解
前記炭素短繊維(A)を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機工業(株)製)を通して離解処理し、離解スラリー繊維(SA)とした。
(II)炭素繊維前駆体短繊維(b1)の離解
前記炭素繊維前駆体短繊維(b1)を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機工業(株)製)を通して離解処理し、離解スラリー繊維(Sb1)とした。
(III)繊維(b2−2)の作製および離解
前記易割繊性アクリル系海島複合短繊維を、繊維濃度が1%(10g/L)になるように水中へ分散させディスクリファイナー(熊谷理機工業(株)製)を通して叩解および離解処理し、離解スラリー繊維(Sb2−2)とした。
(IV)抄紙用スラリーの調整
炭素短繊維(A)と炭素繊維前駆体短繊維(b1)と繊維(b2−2)とが、質量比50:30:20で、かつスラリー中の繊維の濃度が、1.44g/Lとなるように離解スラリー繊維(SA)、離解スラリー繊維(Sb1)、離解スラリー繊維(Sb2−2)、希釈水を計量し、スラリー供給タンクに調製した。さらに、ポリアクリルアマイドを添加して粘度22mPa・s(センチポイズ)の抄紙用スラリーを調製した。
(V)前駆体シートの製造
ネット駆動部及び幅60cm×長さ585cmのプラスチックネット製平織メッシュをベルト状につなぎあわせて連続的に回転させるネットよりなるシート状物搬送装置、スラリー供給部幅が48cm、供給スラリー量が30L/minである抄紙用スラリー供給装置、ネット下部に配置した減圧脱水装置からなる処理装置を用いた。
前記抄紙用スラリーを定量ポンプにより前記平織メッシュ上に供給した。抄紙用スラリーは均一な流れに整流するためのフローボックスを通して所定サイズに拡幅して供給した。その後自然脱水する部分を通過して、減圧脱水装置により脱水し、湿紙ウエッブ(前駆体シート)を得た。
(VI)前駆体シートの交絡処理
前記処理装置の下流に下記の3本のウォータージェットノズル(ノズル1〜3)を備えた加圧水流噴射処理装置を配置した。
ノズル1:孔径φ(直径)0.15mm×501孔、幅方向孔間ピッチ1mm(1001孔/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm。
ノズル2:孔径φ0.15mm×501孔、幅方向孔間ピッチ1mm(1001孔/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm。
ノズル3:孔径φ0.15mm×1002孔、幅方向孔間ピッチ1.5mm、3列配置、列間ピッチ5mm、ノズル有効幅500mm。
前記湿紙ウエッブを加圧水流噴射処理装置のネット上に積載した。加圧水流噴射圧力を1MPa(ノズル1)、圧力1MPa(ノズル2)、圧力1MPa(ノズル3)として、前記湿紙ウエッブをノズル1、ノズル2、ノズル3の順で通過させて交絡処理を加えた。
(VII)水分率調整
前記交絡処理シート状物を、減圧脱水装置により脱水し、水分率150%の交絡構造前駆体シートを得た。この交絡構造前駆体シート中での炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の分散状態は良好で両繊維の絡み合いも良好であり、ハンドリング性は良好であった。
(VIII)加熱加圧成型
次に、この前駆体シートを、表面算術平均粗さが1.5μmのフラットロール(φ200mm)と表面算術平均粗さが8.0μmのエンボスロール(φ100mm)とからなる一対のロール対を有する連続式加熱ロールプレス装置(由利ロール社製:電気加熱式エンボス機)を用いて線圧3×104N/m、ロール温度200℃、速度2.0m/minで連続的に成型した。成型後の表面観察より、炭素短繊維(A)の加圧による破断がなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。加熱加圧成型後の前駆体シートの厚みを表2に示した。
(IX)炭素化処理
その後、この前駆体シートをバッチ炭素化炉にて、窒素ガス雰囲気中、2000℃の条件下で1時間炭素化処理して多孔質電極基材を得た。
この多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、多孔質電極基材中の網目状炭素繊維(B)の質量含有率は26%であった。
多孔質電極基材の表面の走査型電子顕微鏡観察により炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていることが確認できた。評価結果を表2に示した。
(実施例2、3)
実施例2および3では、前駆体シートの水分率をそれぞれ50%および270%に変更したこと以外は実施例1と同様にして多孔質電極基材を得た。実施例2、3とも加熱加圧成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断がなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。また得られた多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
(実施例4)
水分率調整工程の前に交絡処理を実施せず、(V)で得られた前駆体シートをそのまま(VII)の水分率調整工程に供したこと以外は実施例1と同様にして多孔質電極基材を得た。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断がなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。また得られた多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
(実施例5)
加熱加圧成型工程(VIII)と炭素化処理工程(IX)との間に、酸化処理工程を行った以外は実施例1と同様にして多孔質電極基材を得た。具体的には、加熱加圧成型(VIII)で得られた3次元交絡構造前駆体シートの両面を、シリコーン系離型剤をコートしたステンレスパンチングプレートで挟んだ後、バッチプレス装置にて280℃、0.5MPaの条件下で1分間酸化処理した。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断がなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。また得られた多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
(実施例6、7、8、9)
前駆体繊維(b)、およびその使用量を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、多孔質電極基材を得た。なおその際、繊維(b2−1)としては、噴射凝固法によって作製したアクリル系ポリマーからなる繊維状の幹より直径が2μm以下フィブリルが多数分岐したパルプを用いた。そして、この繊維(b2−1)を、炭素短繊維(A)と同様の方法で離解処理して離解スラリー繊維(Sb2−1)とし、抄紙用スラリーを調製した。
どの実施例についても、成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断がなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。また得られた多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
(実施例10)
加熱加圧成型において、表面算術平均粗さが1.5μmのフラットロールと表面算術平均粗さが1.5μmのフラットロールとからなる一対のロール対を有する連続式加熱ロールプレスの装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多孔質電極基材を得た。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断がほとんどなく、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士が効果的に融着していることが確認できた。また得られた多孔質電極基材は、炭素短繊維の破断や、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であった。また、炭素短繊維(A)同士が、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
(比較例1)
(VI)により得られた前駆体シートを、ピンテンター試験機(辻井染機工業(株)製、商品名PT−2A−400)により150℃で3分間、乾燥させ、水分率を0%とし、その水分率0%の前駆体シートを(VIII)の加熱加圧成型に供したこと以外は、実施例10と同様にして、多孔質電極基材を得た。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士は融着していることが確認できたが、炭素短繊維(A)の加圧による破断が観察された。また得られた多孔質電極基材は、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、表面平滑性は良好であり、ガス透気度、厚みはそれぞれ良好であったが、貫通方向抵抗が実施例10と比較して増加した。炭素短繊維(A)同士は、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
(比較例2)
水分率調整工程(VII)における前駆体シートの水分率を350%に変更したこと以外は、実施例10と同様にして、多孔質電極基材を得た。成型後の前駆体シートは、炭素短繊維(A)の加圧による破断は観察されず、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)、さらに前駆体繊維(b)同士は融着していたが、加熱加圧成型時の水の蒸発により、炭素短繊維(A)と前駆体繊維(b)がシート内で集束する構造となり、シート目付け斑が増大した。また得られた多孔質電極基材は、炭素化処理時における面内の収縮がほとんどなく、シートのうねりも2mm以下と小さく、ガス透気度、厚み、貫通方向抵抗はそれぞれ良好であったが、目付け斑に依存して表面平滑性が実施例1と比較して大幅に低下した。炭素短繊維(A)同士は、網目状炭素繊維(B)によって接合されていた。評価結果を表2に示した。
Figure 0005485211

Claims (3)

  1. 炭素短繊維(A)と、アクリル系ポリマーからなる、炭素繊維前駆体短繊維(b1)およびフィブリル状炭素前駆体繊維(b2)の少なくとも一方とを平面内において分散させた前駆体シートを製造する工程(1)と、
    加熱加圧処理する工程直前の時点での前記前駆体シートの水分率を30%以上300%以下に調整する工程(2)と、
    ロール対を一対以上有する連続式加熱ロールプレス装置を用いて、前記前駆体シートを加熱加圧処理する工程(3)と、
    加熱加圧した前駆体シートを1000℃以上の温度で炭素化処理する工程(4)と、
    を有する多孔質電極基材の製造方法。
  2. 前記工程(1)と前記工程(2)との間に、
    前駆体シートを交絡処理する工程(5)
    を含む請求項1記載の製造方法。
  3. 前記工程(3)と前記工程(4)との間に、
    加熱加圧された前駆体シートを酸化処理する工程(6)
    を含む請求項1または2記載の製造方法。
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