JP5419743B2 - 電動装置及び電動装置の使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池と負荷とを備えた電動装置及び電動装置の使用方法に関し、特に、リチウム二次電池の単電池を複数接続した組電池から負荷に電力を供給する電動装置及び電動装置の使用方法に関する。
リチウムイオン電池は、用途に応じた電圧を得るため、直列に接続して組電池として用いることができるが、組電池を構成する各単電池は、個体差や周囲温度等によって充電可能容量がばらつき、組電池を充放電する際に各単電池を流れる電気量は等しくても残存容量(SOC:State Of Charge)が異なる状態となる。
直列に接続している場合、放電の際には、容量の小さい単電池は、他の単電池より先に完全放電し過放電状態となる。
リチウムイオン電池セルの電圧が0.6V以下になると、負極の塗布基材である銅箔の銅がイオンとなって電解液中に溶出し、次の充電時には、電解液中の銅イオンとなって正極に析出すると正極の機能を低下させ、電池性能を低下させる。また、過放電により電池性能が劣化してしまうと電池性能を元の特性に復元することが困難である。
また、通常、リチウム電池は、電解液が鉄製のセルに入っているので、銅イオンが電解液中に溶出した状態では、銅よりも鉄のほうがイオンになりやすい(イオン化傾向が大きい)ため、銅が金属として析出し、鉄がイオンとなって電解液中に溶出するおそれがある。
つまり、鉄製のセルが電解液中に溶け出し、セルに穴が開き、電解液が漏れ出すおそれがあり、電解液は導電性があり、これがプリント板上に付着した状態で充電すると、充電電流が電解液内を流れ、プリント板が発熱、発煙、発火するおそれがある。
また、過放電状態においては、電解液の分解も起こり、性能劣化やさらには分解ガスにより破裂、発火、発煙が起こるおそれがある。
さらに、複数の単電池を直列接続した組電池では、その中のどれか一つの単電池が過放電になると、充放電の繰り返しでの過放電による劣化が加速され、組電池全体の劣化が加速されて使用できなくなる。
そのため、リチウム電池を単位電池とすると組電池では、放電時に電池の電圧を監視し、どれか1本の単位電池でも、例えば2.3Vに達したときに放電を停止させる(例えば、特許文献1、2参照。)。
ここで、上記問題が生じないように放電をある一定電圧で停止させ、この際の放電を停止させる電圧を定格下限電圧という。
そして、過放電とは、定格下限電圧〜0Vまでの間で放電させることをいい、転極とは、0V未満になった状態で放電することをいう。
しかし、単位電池毎に電圧を測定する必要があるため、多数の電圧検出器が必要になる。
このため、組電池を構成するセルグループのうち充放電状態の判定対象となる判定対象セルグループの電圧を測定して過放電を防止する技術がある(例えば、特許文献3参照。)。
この特許文献3に記載の技術では、放電判定方法では、組電池を構成するセルグループのうち充放電状態の判定対象となる判定対象セルグループの両端電圧を検出し、その検出結果に基づいて判定対象セルグループの開回路電圧を反映した判定値を設定し、さらに、判定対象セルグループを構成する単位セル間に残存容量のばらつきがない時の判定対象セルグループの残存容量に対する開回路電圧の特性を基準特性として、判定値が、基準特性に基づいて設定された基準値に対して、予め設定された許容範囲を越えてばらついている場合に、判定対象セルグループを構成する単位セルの少なくともいずれか一つが過放電状態にあると判定している。
特開2002−223525号公報 特開平4−331425号公報 特開2000−134805号公報
しかしながら、上述した各特許文献に記載の技術においては、次のような問題があった。
同技術では、放電時の電圧測定にミスがあると、過放電や転極になり、リチウム二次電池の性能が劣化して使用不可能になると考えられていた。
このため、例えば、電圧測定回路が故障し、放電終了信号を発信できず、一つの単電池の出力電圧が0V以下になった場合、他の単電池が正常であっても組電池全体を新しく交換しなければならなかった。
また、対象電池の特性と異なる電池があれば、組電池は、制御不能になる。
さらに、リチウムイオン二次電池は、充電器の故障などにより過充電になると、正極活物質の分解、負極での金属リチウムの析出や電解液の分解が起こり、充電による発熱や反応熱が重なることで熱暴走して、発火、発煙、破裂等が起こるおそれがある。
複数の単電池を直列接続した組電池においては、個体差や周囲温度等によって充電可能容量がばらつき、その場合、充電電流が同じであっても、容量の低い単電池は過充電となることがあり、組電池全体の電圧は正常であっても、過充電による発火、発煙、破裂等のおそれがある。
そのため、充電時には電池電圧を検出して過充電を防止する必要がある。
複数の単電池を直列接続した組電池においては、各単電池の電圧をすべて検出して過充電を防止する保護回路が必要となる。
しかし、過充電保護回路は高価であり、また、故障した場合などにより過充電となると発火、発煙、破裂等のおそれがあった。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、過放電や転極が起こった組電池であっても、交換することなく、その後も正常に使用可能とし、過充電が起こっても安全な電動装置及び電動装置の使用方法の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の電動装置は、リチウム二次電池の単電池を複数接続した組電池を備える電池モジュールと、組電池から電力の供給を受けて所定の動作を行う負荷とを備えた電動装置であって、リチウム二次電池の電解質が、無機固体電解質であり、リチウム二次電池は、過放電又は転極が所定時間継続し、充電後、定格範囲内で充放電が行なわれる動作を行うものであり、組電池と負荷との間には、リチウム二次電池の過放電を防止する過放電保護手段を備えていない構成としてある。
また、本発明の電動装置の使用方法は、リチウム二次電池の単電池を複数接続した組電池を備える電池モジュールと、組電池から電力の供給を受けて所定の動作を行う負荷とを備え、リチウム二次電池の電解質が、無機固体電解質であり、組電池と前記負荷との間には、リチウム二次電池の過放電を防止する過放電保護手段を備えていない電動装置を、過放電又は転極を所定時間継続し、充電後、定格範囲内で充放電を行う方法としてある。
本発明の電動装置及び電動装置の使用方法によれば、リチウム二次電池の電解質が無機固体電解質であるので、一つの単電池で過放電や転極が起こった場合でも、再度充電することで、その後も正常に使用できる。
このため、一つの単電池が過放電等になったことで組電池全体を交換する必要がなくなり、組電池やこれを備えた電池モジュール、さらにこの電池モジュールを搭載した電動装置の使用年数を延ばすことができる。
本発明では、二次電池は無機固体電解質を用いたことにより、過充電においても熱暴走に至らないことから、過充電保護回路を不要とすることができる。また、性能劣化防止や安全性向上のために過充電保護回路を備える場合においても、簡易な保護回路とすることも可能である。
また、過充電保護回路が故障した場合でも、発火、発煙、破裂等を防ぐことができる。
本発明の第一実施形態における電動装置の構成を示す回路図である。 本発明の第一実施形態における電動装置の他の構成を示す回路図である。 リチウム二次電池の単電池の構成を示す断面図である。 単電池の充放電特性を示すグラフである。 本発明の第二実施形態における電動装置の構成を示す回路図である。 本発明の第三実施形態における電動装置の構成を示す回路図である。 本発明の第三実施形態における電動装置の他の構成を示す回路図である。 本発明の第三実施形態における電動装置の他の構成を示す回路図である。 本発明の第四実施形態における電動装置の他の構成を示す回路図である。 転極検出回路の構成を示す回路図である。 実施例1〜5、8〜10、比較例1、2における過放電電圧、初期放電容量、過放電後の放電容量の各値を示す図表である。 実施例6における充放電サイクル数に対する放電容量の変化を示すグラフである。 実施例7及び比較例3における異常発生の有無及び状況と、電圧上昇の値を示す図表である。 実施例7及び比較例3における過充電後の電池の様子を示す外観図である。
以下、本発明に係る電池モジュール及び電動装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の電池モジュール及び電動装置の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電動装置の構成を示す回路図である。
(I)全体構成
同図に示すように、電動装置1aは、組電池10と、負荷20とを備えている。
組電池10は、リチウム二次電池の単電池11を複数直列に接続したものである。
この組電池10は、負荷20に電力を供給する電源である。
なお、単電池11は、通常の単位電池の他、単位電池を並列に接続したものも含まれる。
また、組電池10を構成するリチウム電池の単電池については、後記の「(II)リチウム二次電池の単電池」で詳述する。
この組電池10は、一の電池モジュール(図示せず)に収めることができる。
電池モジュールは、組電池10と回路とを備えている。
この電池モジュールには、過放電保護手段(例えば、過放電保護回路)、過充電保護手段をさらに備えていてもよい。
また、電池モジュールの外部に、過放電保護手段(例えば、過放電保護回路)、過充電保護手段を備える電動装置1であってもよい。
なお、電池モジュール及び電動装置1は、過放電保護手段を備えていない場合もある。
負荷20は、組電池10から電力の供給を受けて所定の動作を行うものである。
この負荷20には、例えば、電動機(モータ)、電子部品、電子回路、発光素子、振動素子、表示装置などが含まれる。
また、電動装置1aが自動車の場合、図2に示すように、負荷20として電動機21が備えられる。この電動機21は、組電池10から電力供給を受けて所定の方向に回転する。
(II)リチウム二次電池の単電池
組電池10は、図1に示すように、複数の単電池11を直列接続したものである。
単電池11(11−1〜11−n)は、図3に示すように、正極11−1及び負極11−2で電解質層11−3を挟む構成を有している。また、図3に示す例では、正極11−1には、正極集電体11−4が接している。さらに、図3に示す例では、負極11−2に負極集電体11−5が接している。
単電池11の製造方法に関しては、図3に示すような構成をとり得る方法であれば、特に限定されないが、例えば、正極11−1と正極集電体11−4とを積層した正極合材シート、負極11−2と負極集電体11−5とを積層した負極合材シート及び固体電解質シートを作製しておき、これらを重ね合わせてプレスする方法がある。
また、正極集電体11−4上に正極11−1を形成しておき、その上に電解質層11−3を形成し、さらにその上に負極集電体11−5に形成された負極11−2を、電解質層11−3と負極11−2が接するように重ね合わせてもよい。
正極合材シート及び負極合材シートの製造方法としては、例えば、正極11−1及び負極11−2を正極集電体11−4及び負極集電体11−5の少なくとも一部に膜状に形成することで作製できる。
製膜方法としては、例えば、ブラスト法、エアロゾルデポジション法、コールドスプレー法、スパッタリング法、気相成長法又は溶射法等が挙げられる。
また、正極集電体11−4及び負極集電体11−5に正極11−1及び負極11−2の極材を溶液化し、塗布する方法、あるいは正極11−1及び負極11−2の極材を正極集電体11−4及び負極集電体11−5上に圧縮して積層させる方法により、正極11−1及び負極11−2を形成することもできる。
また、正極11−1は、金属箔等であってもよい。
(II-1)負極
負極11−2は、通常、リチウム二次電池(組電池10)の負極11−2に使用できるものであれば、特に限定されない。
例えば、下記する負極活物質と固体電解質を混合した負極合材から負極11−2を製造してもよく、またカーボン負極を用いてもよい。
(II-11)負極活物質
負極活物質としては、市販されているものを特に限定なく使用することができ、炭素材料やSn金属、In金属などを好適に用いることができる。
具体的には、天然黒鉛や各種グラファイト、Sn、Si、Al、Sb、Zn、Biなどの金属粉、SnCu、Sn、Co、SnFeなどの金属合金粉、その他アモルファス合金やメッキ合金が挙げられる。
粒径に関しても特に制限はないが、平均粒径が数μm〜80μmのものを好適に用いることができる。
(II-12)負極合材
負極活物質と固体電解質を所定の割合で混合することにより、負極合材が作製される。
(II-13)負極の製造方法
従来公知の方法により、負極合材から製造することができる。
(II-2)正極
正極11−1は、通常、リチウム二次電池(組電池10)の正極11−1に使用できるものであれば、特に制限されない。
(II-21)正極活物質
正極活物質としては、市販されているものを特に制限なく使用することができ、リチウムと遷移金属の複合酸化物などを好適に用いることができる。
具体的には、例えば、以下に示す各材料及び各元素の組成比が異なる類似の材料が使用でき、LiCoO、LiNiCoO、LiNiO、LiNiMnCoO、LiFeMnO、LiPtO、LiMnNiO、LiMn、LiNiMnO、LiNiVO、LiCrMnO、LiFePO、LiFe(SO、LiCoVO、LiCoPO、Sなどが挙げられる。
粒径に関しても特に制限されないが、平均粒径が数μm〜10μmのものを好適に用いることができる。
(II-22)正極合材
正極活物質と固体電解質を所定の割合で混合することにより正極合材が作製される。
割合としては、正極活物質の固体重量%(wt%)として、20wt%〜95wt%の割合で用いることができる。
(II-23)正極の製造方法
従来公知の方法により正極合材から製造することができる。
(II-3)固体電解質
(II-31)無機固体電解質
無機固体電解質は、LiN、LISICON類、Thio−LISICON類、La0.55Li0.35TiOなどのペロブスカイト構造を有する結晶や、NASICON型構造を有するLiTi12、さらにこれら結晶化させた電解質などを用いることができる。また、LiO−B−P系、LiO−B−ZnO系、LiO−Al−SiO−P−TiO系の酸化物系非晶質固体電解質、LiS−P系、LiI−LiS−P系、LiPO−LiS−SiS系などの硫化物系非晶質固体電解質、さらにこれら結晶化させた結晶性固体電解質、あるいは、LiPO−LiS−SiSなどのような金属酸化物と硫化物が混合された非晶質電解質やそれらを結晶化させた電解質などが好ましい。
リチウムイオン伝導性に優れ、粒子同士の界面を得やすい硫化物系固体電解質である。
(II-32)硫化物系固体電解質
硫化物系固体電解質は、硫黄、りん及びリチウムのみからなるものの他、Al、B、Si、Geなどを含む他の物質を含んでいてもよく、有機化合物、無機化合物、あるいは有機・無機両化合物からなる材料を原材料として製造しても良い。
原材料としては、硫化リチウム(LiS)と五硫化二燐(P)、又は硫化リチウムと単体燐及び単体硫黄、さらには硫化リチウム、五硫化二燐、単体燐及び/又は単体硫黄から生成するリチウムイオン伝導性無機固体物質である。
硫化リチウムと、五硫化二燐又は単体燐及び単体硫黄の混合モル比は、通常50:50〜80:20、好ましくは、60:40〜75:25である。
特に好ましくは、LiS:P=70:30(モル比)程度である。
本実施形態におけるリチウムイオン伝導性物質粒子は、上述のように、好適には、硫化リチウムと、五硫化二燐及び/又は、単体燐及び単体硫黄から製造することができる。
具体的には、これらの原料を溶融反応した後、急冷するか、または、原料をメカニカルミリング法(以下、「MM法」という。)により処理して、ガラス状の固定電解質を得る。さらに熱処理することにより結晶性の固体電解質が得られる。イオン伝導性の観点からは、結晶性の固体電解質が好ましい。
(II-4)正極集電、負極集電
正極集電シート及び負極集電シートとしては、例えば、ステンレス鋼、金、白金、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、チタンなどの金属、および、これらの合金にて、シート、箔、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状などに形成されたものが用いられる。
特に、正極集電シートではアルミニウム箔、負極集電シートではアルミニウム箔やスズ箔が、集電性、加工性、コストの点で好ましい。
(III)充放電特性
次に、リチウム二次電池の充放電特性について、図4を参照して説明する。
同図は、リチウム二次電池の単電池の充放電特性を示すグラフである。
発明者は、本実施形態のリチウム二次電池の単電池11の充放電特性を測定した。
単電池11を充放電装置(北斗電工株式会社、充放電システムHJ1001、SM8A(図示せず))に接続した。
その充放電装置を用いて、単電池11を、0.535mAで、出力電圧Voが4.2Vになるまで定電流充電した。
次いで、1.07mAで2.5Vまで定電流放電し、これを初期放電容量とした。
続いて、1.07mAの定電流で−1Vまで過放電した。ここで、0Vに達した後は、転極した。
さらに、−1Vで定電圧放電を約55時間行った。
約55時間が経過した後、定電圧放電を停止した。
停止直後から、開路電圧Voは、急激に上昇し、1.2Vに達した。
さらに、単電池11を約50時間放置しておくと、出力電圧Voは、約1.2V前後を維持した。
50時間の経過後は、1.07mAで4.2Vまでの充電と、1.07mAで2.5Vまでの放電とを繰り返し行った。
図4に示すように、単電池11は、出力電圧Voが過放電となり、さらに転極した後であっても、充電後には、定格範囲内で正常に充放電を行うことができた。
これは、単電池11の電解質が、固体電解質であるために、過放電による性能劣化が生じにくいことが理由となっているものと思われる。
また、同図に示すように、放電を停止した場合、単電池11の出力電圧Voは、約1.2Vで安定しようとした。このように、単電池11は、過放電後は、自力で所定の出力電圧に回復しようとする。つまり、単電池11は、出力電圧Voの回復能力があることから、過放電後でも正常に充放電を行うことができる。
このように、単電池11は、過放電を防止する保護回路が接続されていない場合でも、電源としての機能を正常に果たし得る。したがって、過放電を防止する保護回路を省略して、電池モジュールを安価にすることができる。
なお、同図では、放電停止から約50時間後に充電を開始したが、この充電を開始せず、単電池11をそのまま放置しておくと、出力電圧Voは、その後も1.2Vを維持し続けるものと思われる。
以上、説明したように、本実施形態の電池モジュール及び電動装置は、リチウム二次電池の組電池の電解質が固体電解質であるので、過放電や転極になった後も、再度充電することで、正常に充放電を行うことができる。
このため、例えば、過放電を防止する回路が不要となり、簡易な構成で負荷を駆動させることができる。
[第二実施形態]
まず、本発明の電池モジュール及び電動装置の第一実施形態について、図5を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電動装置の構成を示す回路図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、放電制御手段を新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図5において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
(I)全体構成
同図に示すように、電動装置1bは、組電池10と、負荷20と、放電制御手段30bとを備えている。
放電制御手段30bは、図5に示すように、電圧測定回路31(31−1〜31−n)と、OR回路32と、放電制御回路33とを有している。
電圧測定回路31は、複数の単電池11(以下、グループ電池)の電圧を測定し、その測定電圧が一定の閾値に達したときにいずれかの単電池11の電圧が0Vになったものと推定して放電終了信号をOR回路32へ出力し、バイパス(図示せず)により0Vに達した単電池11が属するグループ電池をバイパスし、他のグループ電池からは放電を続ける。
なお、放電終了信号は、0Vに限らず、0Vより大きい電圧を測定したときに出力されても良い。
放電制御回路33は、電圧検出回路(図示せず)によって検出される組電池10の電圧データを用いて、組電池10に対する放電電流(負荷電流)値を演算し、放電電流を得るための放電制御を行う。
なお、組電池10と放電制御手段30bは、一の電池モジュールに収めることができる。
また、放電制御手段30bは、組電池10を過放電や転極から保護することから、「過放電を防止する保護手段」としての機能を有している。
以上、説明したように、本実施形態の電池モジュール及び電動装置は、リチウム二次電池の組電池の電解質が固体電解質であるので、過放電や転極になった後も、再度充電することで、正常に充放電を行うことができる。
このため、例えば、電圧測定回路が故障し、放電終了信号を発信できず、一つの単電池の出力電圧が0V以下になった場合でも、組電池全体を交換することなく、その後も正常に電動装置を使用し続けることができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の電池モジュール及び電動装置の第三の実施形態について、図6を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電動装置の構成を示す回路図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、インバータ・コンバータを有する放電制御手段を新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図6において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図6に示すように、電動装置1cは、組電池10と、負荷20と、放電制御手段30cとを備えている。
ここで、放電制御手段30cは、電圧測定回路31と、OR回路32と、放電制御回路33と、インバータ・コンバータ34とを有している。
インバータ・コンバータ34は、放電制御回路33の指令により負荷20への出力を制御する。このインバータ・コンバータ34が出力を制御することにより、組電池10の負荷電流が制御される。
なお、組電池10と放電制御手段30cは、一の電池モジュールに収めることができる。
また、放電制御手段30cは、組電池10を過放電や転極から保護することから、「過放電を防止する保護手段」としての機能を有している。
以上、説明したように、本実施形態の電池モジュール及び電動装置は、インバータ・コンバータを備えたことで、放電時における組電池からの電流制御を適切に行うことができる。
また、リチウム二次電池の組電池の電解質が固体電解質であるので、過放電や転極になった後も、再度充電することで、正常に充放電を行うことができる。これにより、電動装置は、組電池で過放電や転極が起こった後も、正常に使用し続けることができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の電池モジュール及び電動装置の第四の実施形態について、図7を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電動装置の構成を示す回路図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、充放電制御手段と充電手段とを新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図7において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図7に示すように、電動装置1dは、組電池10と、負荷20と、充放電制御手段40と、充電手段50を備えている。
ここで、充放電制御手段40は、電圧測定回路41と、OR回路42と、充放電制御回路43と、インバータ・コンバータ44とを有している。
これら電圧測定回路41とOR回路42は、それぞれ第一実施形態における電圧測定回路31とOR回路32と同様の機能を有している。
充放電制御回路43は、電圧検出回路(図示せず)によって検出される組電池10の電圧データを用いて、組電池10に対する充電電流値及び放電電流(負荷電流)値を演算し、これら充電電流及び放電電流を得るための充電制御値及び放電制御値をインバータ・コンバータ44へ出力する。
インバータ・コンバータ44は、充放電制御回路43の指令により組電池10への充電電流を制御する。組電池10は、インバータ・コンバータ44から供給される電流で充電される。
インバータ・コンバータ44は、充放電制御回路43の指令により負荷20への出力を制御する。このインバータ・コンバータ44が出力を制御することにより、組電池10の負荷電流が制御される。
なお、組電池10と充放電制御手段40は、一の電池モジュールに収めることができる。
また、充放電制御手段40は、組電池10を過放電や転極から保護することから、「過放電を防止する保護手段」としての機能を有している。
さらに、充放電制御手段40は、組電池10を過充電から保護することから、「過充電を防止する保護手段」としての機能を有している。
なお、本実施形態の充放電制御手段40は、「過充電を防止する保護手段」として、図7に示すような回路構成としたが、「過充電を防止する保護手段」は、同図に示す構成に限るものではなく、例えば、組電池10の全体の電圧を検出して制御する電圧測定手段を備えたもの、放電量を積算し放電量に応じた電気量を充電する電気量積算手段を備えたもの、温度検出する温度検出手段を備えたもの、温度ヒューズを備えたものなどであってもよい。
例えば、電圧測定手段を備えたものは、組電池10の全体の電圧を検出し、この電圧が所定の電圧値に達すると、充電を停止するものである。
電気量積算手段を備えたものは、リチウム二次電池10からの放電量を積算し、この放電量に応じた充電量で充電するものである。
温度検出手段を備えたものは、リチウム二次電池10の温度を検出し、この温度の高低によって、充電を制御するものである。
温度ヒューズを備えたものは、リチウム二次電池10の温度が上昇し、所定の温度に達すると温度ヒューズが切断して、充電を停止するものである。
充電手段50は、インバータ・コンバータ44に電力を供給する。インバータ・コンバータ44は、充電手段50から受けた電力を組電池10へ送って充電させる。
なお、電動装置1dがハイブリッドカーの場合、充電手段50は、図8に示すように、例えば、発電機51とエンジン52により構成することができる。エンジン52は、発電機51に回転力を与える。発電機51は、エンジン52から与えられた回転力により電力を発電し、インバータ・コンバータ44へ供給する。
また、電動装置1dが車両の場合、車両走行中の実際の制御値は、電圧データの他に、アクセル操作量センサ、ブレーキ操作量センサなどの各種センサ(図示せず)による検出値も用いて演算することができる。
以上、説明したように、本実施形態の電池モジュール及び電動装置は、充電手段を備えたことで、電動装置から取り外すことなく組電池を充電することができる。
また、充放電制御手段を備えたことで、組電池の充電と放電について適切に制御することができる。
さらに、リチウム二次電池の組電池の電解質が固体電解質であるので、過放電や転極になった後も、再度充電することで、正常に充放電を行うことができる。これにより、その組電池を搭載した電動装置は、組電池で過放電や転極が起こった後も、正常に使用し続けることができる。
[第五実施形態]
次に、本発明の電池モジュール及び電動装置の第五の実施形態について、図9を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電動装置の構成を示す回路図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、転極検出回路を有する放電制御手段を新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図9において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図9に示すように、電動装置1eは、組電池10と、負荷20と、放電制御手段30eを備えている。
ここで、放電制御手段30eは、電圧測定回路31と、OR回路32と、放電制御回路33と、転極検出回路35とを有している。
転極検出回路35は、図10に示すように、比較器351を用いて、リチウム二次電池の単電池11の出力電圧Voが転極した状態で所定値より低くなったことを検出する回路である。
比較器351は、例えば、オペアンプで構成することができる。この比較器351は、出力端t1と、+電源端子t2と、−電源端子t3と、+入力端子と、−入力端子とを有している。
出力端t1は、スイッチング素子352(このスイッチング素子352がnチャネルFET(Field Effect Transistor)であるときは、このnチャネルFETのゲート)に接続されている。
+電源端子t2は、単電池11の正極側に接続されている。
−電源端子t3は、単電池11の負極側に接続されている。
+入力端子は、抵抗R1と抵抗R2との接続点に接続されている。
−入力端子は、基準電圧V2の負極側に接続されている。
抵抗R1と抵抗R2とは、直列に接続されており、この直列の一端(抵抗R1側)が単電池11の正極側に接続され、他端(抵抗R2側)が単電池11の負極側に接続されている。
基準電圧V2の正極側は、単電池11の負極側に接続されている。
スイッチング素子352であるnチャネルFETのソースは、負荷20のマイナス側に接続され、ドレインは、単電池11の負極側に接続されている。
ダイオード353は、アノードが負荷20のマイナス側に接続され、カソードが、単電池11の負極側に接続されている。
転極検出回路35は、次のように動作する。
比較器351の−入力端子には、基準電圧V2の負極側が接続されている。つまり、その−入力端子には、−の基準電圧−V2が入力される。
一方、比較器351の+入力端子には、単電池11の出力電圧Voのうち抵抗R1とR2によって分圧された電圧Vro(抵抗R2の両端電圧)が入力される。
この分圧電圧Vroは、単電池11が通常の放電を行っている限り、0Vを下回ることはない。このため、比較器351の+入力端子の入力電圧Vroは、−入力端子の入力電圧−V2よりも大きくなり、出力端t1の電圧Vt1は、+電源端子の電圧t2と同じになって、スイッチング素子352であるnチャネルFETのゲートに電流が流れる。
ただし、nチャネルFETは、ソースが単電池11の負極側に接続され、ドレインが負荷20の負極側に接続されている。このため、nチャネルFETのソース−ドレイン間には電流が流れず、ダイオード353に電流が流れる。
これに対し、単電池11が過放電状態となり、さらに転極した場合、抵抗R1とR2には、−の電圧−Voが印加される。
抵抗R1とR2は、その電圧−Voを分圧する。この分圧電圧−Vro(抵抗R2の両端電圧)は、比較器351の+入力端子に入力される。
ここで、+入力端子の入力電圧−Vroが、−入力端子の入力電圧−V2よりも大きいときは(−Vro>−V2)、出力端t1の電圧Vt1は、+電源電圧t2と等しくなる。この場合、出力端t1の電圧Vt1は、nチャネルFETのゲートに印加され、ソース−ドレイン間に電流が流れる。なお、ダイオード353は、逆方向接続となるため、電流は流れない。
一方、+入力端子の入力電圧−Vroが、−入力端子の入力電圧−V2よりも小さいときは(−Vro<−V2)、出力端t1は、+電源電圧t3と等しくなる。この出力端t1の電圧Vt1は、0となるので、nチャネルFETのゲートに電流が流れず、ソース−ドレイン間に電流が流れなくなり、放電が停止する。
これにより、転極した単電池11の出力電圧Voが、所定値よりも低くなることを防止できる。
転極検出回路35において、スイッチング素子352をON−OFFさせる電圧の閾値(検出電圧)は、基準電圧V2、抵抗R1、抵抗R2の各値により、任意に設定できる。
例えば、転極になるのを回避したい場合は、0Vを検出電圧とする。このとき、基準電圧V2は、0Vとなる。
また、転極の状態において所定の電圧値以下になることを回避したい場合は、その電圧値を検出電圧とする。このとき、抵抗R1と抵抗R2の抵抗値の比が1:1の場合には、基準電圧V2は、その所定の電圧値の1/2の値となる。
このように、転極検出回路35は、0Vを検出して、転極にならないように放電を停止することができ、また、転極の状態における任意の電圧値を検出して、この段階で放電を停止することもできる。
このように、転極検出回路35が、任意の電圧値を検出電圧とすることができるのは、単電池11が転極の状態になったとしても、その後再び通常の充放電が可能だからである。
このため、転極検出回路35の検出電圧は、単電池11の性能に応じて任意に設定できる。
なお、組電池10と放電制御手段30eは、一の電池モジュールに収めることができる。
また、放電制御手段30eには、インバータ・コンバータを備えることができる。
さらに、電動装置1eには、充電手段を備えることができる。
また、放電制御手段30eは、組電池10を過放電や転極から保護することから、「過放電を防止する保護手段」としての機能を有している。
さらに、放電制御手段30eは、組電池10を過充電から保護することから、「過充電を防止する保護手段」としての機能を有している。
以上説明したように、本実施形態の電池モジュール及び電動装置は、転極検出回路を設けたことで、リチウム二次電池の出力電圧が転極したこと、又は転極して所定の電圧値になったことを検出できる。そして、これらを検出したときは、転極検出回路は、回路を切断して、過剰な放電を回避することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例を基に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
〔実施例1〕
(硫化リチウムの調製)
硫化リチウムは、特開平7−330312号公報における第一の態様(2工程法)の方法に従って製造した。以下、具体的に説明する。
まず、攪拌翼についた10リットルオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)、及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した水硫化リチウムを脱硫化水素化し、硫化リチウムを得た。尚、昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮して系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。水硫化リチウムの脱硫化水素反応が終了後(約80分)に反応を終了し、流化リチウムを調製した。
(硫化リチウムの精製)
調製した500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間攪拌した。そのままの温度でNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間攪拌し、そのままの温度でNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。
得られた精製硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)、チオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物、及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。
その結果、精製硫化リチウムの硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。
(硫化物系固体電解質の調製)
調製した平均粒径30μm程度の精製硫化リチウム(LiS)32.54gと、平均粒径50μm程度のP(アルドリッチ社製)67.46gを、10mmφアルミナボール175個が入った500mlアルミナ製容器に入れ密閉した。尚、上記計量及び密閉作業はすべてグローブボックス内で実施し、使用する器具類はすべて乾燥機で事前に水分除去した。
密閉したアルミナ製容器を、遊星ボールミル(レッチェ社製PM400)にて、室温下、36時間メカニカルミリング処理することで、白黄色の固体電解質ガラス粒子を得た。このときの回収率は78%であった。
得られた固体電解質ガラス粒子のX線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)を行った結果、原料LiSのピークは観測されず、固体電解質ガラスに起因するハローパターンであった。
上記固体電解質ガラス粒子を、グローブボックス内Ar雰囲気下で、SUS製チューブに密閉し、300℃、2時間の加熱処理を施して固体電解質ガラスセラミック粒子(平均粒径14.52μm)を得た。得られた固体電解質ガラスセラミック粒子のX線回折測定では、2θ=17.8、18.2、19.8、21.8、23.8、25.9、29.5、30.0degにピークが観測された。
この固体電解質ガラスセラミック粒子の伝導度は、1.3×10−3S/cmであった。
(電池の作製)
得られた固体電解質ガラスセラミック粒子と正極活物質であるLiNi0.8Co0.15A10.05を重量比で30wt%:70wt%で混合して正極合材とした。
また、得られた固体電解質ガラスセラミック粒子と負極活物質である黒鉛粉末を重量比で40wt%:60wt%で混合して負極合材とした。
作製した固体電解質ガラスセラミック粒子204mgを直径16.5mmの金属金型に投入して加圧成型した。この金属金型に上記正極合材117mgを投入して再び加圧成型し、さらに正極合材と反対側から上記負極合材を99mg投入して加圧成型した。得られた圧粉体を厚さ調整用の0.5mm厚さのSUS製スペーサ2枚の間に挟んだ後、SUS製バネを積層したものを、ポリプロピレン製ガスケットを用いた宝泉株式会社製コイン電池2032用ケースに入れ、宝泉株式会社製コイン電池かしめ機でかしめてコイン電池を作製した。
作製例の電池を0.535mAで4.2Vまで定電流充電した後、1.07mAで2.5Vまで定電流放電し、初期放電容量とした。引き続いて、1.07mAで1Vまで定電流で過放電し、さらに1Vにて定電圧放電を55時間行った。この状態で放電を停止し、50時間放置した。その後、1.07mAで4.2Vまでの充電と1.07mAで2.5Vまでの放電を行った。
初期放電容量と、過放電後の充放電試験での放電容量を図11に示す。なお、図11は、実施例1とともに、実施例2〜5、8〜10、比較例1、2における過放電電圧、初期放電容量、過放電後の放電容量を示す。
〔実施例2〕
過放電の電圧を0Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔実施例3〕
過放電の電圧を−1Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔実施例4〕
過放電の電圧を−5Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔実施例5〕
過放電の電圧を−10Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔比較例1〕
放電の電圧を2.5Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔比較例2〕
非水系電解液を用いて電池を作製した。
正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05とアセチレンブラック、PVDFを重量比で83wt%:10wt%:7wt%で混合して正極材とした。この正極材24mgをφ15のシートとして用いた。
負極活物質である黒鉛粉末とPVDFを重量比で90wt%:10wt%で混合して負極材とした。この負極材28mgをφ16のシートとして用いた。
セパレータとしてセルガード製セルガードC480を用い、非水系電解液としてエチレンカーボネートとヂメチルカーボネートを30wt%:70wt%で混合して用いた。これらを実施例1と同様に、ポリプロピレン製ガスケットを用いた宝泉株式会社製コイン電池2032用ケースに入れ、宝泉株式会社製コイン電池かしめ機でかしめてコイン電池を作製した。厚さ調整用として1.5mm厚さのSUS製スペーサ1枚とSUS製バネを用いた。
過放電の電圧を0Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
実施例1〜5では、過放電後においても充放電が可能であり、比較例1の通常放電とほぼ同等の放電容量となっているのに対し、比較例2の非水系電解液電池では過放電後は充放電しなかった。
〔実施例6〕
実施例1と同様に得られた固体電解質ガラス粒子と正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05を重量比で30wt%:70wt%で混合して正極合材とした。
また、得られた固体電解質ガラス粒子と負極活物質である黒鉛粉末を重量比で40wt%:60wt%で混合して負極合材とした。
作製した固体電解質ガラス粒子50mgを直径10mmの金型に投入して加圧成型した。この金型に上記正極合材14mgを投入して再び加圧成型し、さらに正極合材と反対側から上記負極合材を9mg投入して加圧成型した。
この成形体を300℃の熱プレスにて10分間予熱した後、20分間加圧し、さらに冷プレスで冷却して電池を作製した。
得られた電池を0.393mAの充電と0.393mAの放電を42サイクル繰り返した後、負極に対する正極の電位として−17Vを1時間印加した。さらに、0.393mAの充電と0.393mAの放電を18サイクル繰り返した。
充放電サイクルでの放電容量の変化を図12に示す。
過放電後に充放電を繰り返すと、放電容量はほぼ回復した。
〔実施例7〕
実施例1と同様に作製した電池10個を用いて、0.535mAで4.2Vまで定電流充電した後、3mAで定電流で過充電を行った。過充電での異常の有無を図13に、過充電後の電池の様子を図14(a)に示す。
〔比較例3〕
比較例2と同様に作製した非水系電解液電池10個を用いて、実施例7と同様に過充電を行った。過充電後の電池の様子を図14(b)に示す。
過充電により実施例7では21Vまで電圧が上昇しても全数で変化が見られなかったが、比較例3では膨れが発生するものがあった。
〔実施例8〕
電池作製時に厚さ調整用のSUS製スペーサと負極との間に厚さ0.1mmの銅板を入れた以外は実施例1と同様に電池作製を行い、過放電電圧を−2Vとした以外は実施例1と同様に充放電を行った。
〔実施例9〕
正極活物質をLiCoO2とし、過放電電圧を−2Vとした以外は、実施例1と同様に電池作製を行い、充放電を行った。
〔実施例10〕
硫化物系固体電解質の調整において調製した平均粒径30μm程度の精製硫化リチウム(LiS)54.31gと、平均粒径50μm程度のP(アルドリッチ社製)65.69gとした以外は、実施例1と同様に調整した硫化物系固体電解質を用いて、実施例1と同様に電池を作製し、過放電電圧を−2Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
これら実施例8〜10における過放電電圧、初期放電容量、過放電後の放電容量を図11に示す。
また、電動装置において、例えば自動車などの用途によっては過放電保護回路によって出力を急にカットすると事故などの危険を生じる可能性がある。そのため従来は電池が劣化、破損したとしても緊急時には過放電電圧まで放電することがあった。その際は電池の交換を要していたが、本実施形態においては、そのような緊急時の放電を行ったとしても、そのまま電池を使用することが可能である。
以上、本発明の電池モジュール及び電動装置の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明に係る電池モジュール及び電動装置は上述した実施形態又は実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した各実施形態では、電動装置として自動車を示したが、電動装置は、自動車に限定されるものではなく、組電池を搭載可能な種々の装置、例えば、携帯電子機器により構成することができる。この携帯電子機器には、例えば、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、パームトップ(ポケット)パソコン、携帯電話、PHS、携帯ファックス、携帯プリンタ、ヘッドフォンステレオ、ビデオカメラ、携帯テレビ、ポータブルCD、ポータブルMD、電動髭剃り機、電子手帳、トランシーバ、電動工具、ラジオ、テープレコーダ、デジタルカメラ、携帯コピー機、携帯ゲーム機等に用いることができる。
また、電動装置は、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、自動販売機、電動カート、ロードレベリング用蓄電システム、家庭用蓄電器、分散型電力貯蔵機システム(据置型電化製品に内蔵)、非常時電力供給システム等により構成することができる。
さらに、リチウム二次電池は、例えば、電池パックや電池ユニットとして電気自動車に搭載することができる。
また、本発明の電動装置が電気自動車である場合、リチウム二次電池は、高い放電密度において十分な放電容量を有していることから、電気自動車は、高出力で長時間走行が可能である。
なお、本発明の電池モジュール及び電動装置は、第一実施形態〜第五実施形態のそれぞれにおける電池モジュール及び電動装置を任意に組み合わせたものであってもよい。
本発明は、リチウム二次電池の過充電、過放電の保護に関する発明であるため、リチウム二次電池を用いた機器や装置に利用可能である。
1a〜1e 電動装置
10 組電池
11 単電池
20 負荷
30b、30c、30e 放電制御手段
35 転極検出回路
40 充放電制御手段
50 充電手段

Claims (11)

  1. リチウム二次電池の単電池を複数接続した組電池を備える電池モジュールと、前記組電池から電力の供給を受けて所定の動作を行う負荷とを備えた電動装置であって、
    前記リチウム二次電池の電解質が、無機固体電解質であり、
    前記リチウム二次電池は、過放電又は転極が所定時間継続し、充電後、定格範囲内で充放電が行なわれる動作を行うものであり、
    前記組電池と前記負荷との間には、前記リチウム二次電池の過放電を防止する過放電保護手段を備えていない
    ことを特徴とする電動装置。
  2. 前記リチウム二次電池の過充電を防止する過充電保護手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の電動装置。
  3. 前記過充電保護手段は、組電池全体の電圧を検出して制御する電圧測定手段、放電量を積算し放電量に応じた電気量を充電する電気量積算手段、又は、温度検出する温度検出手段又は温度ヒューズを備える
    ことを特徴とする請求項2記載の電動装置。
  4. 前記無機固体電解質が、硫化物系固体電解質である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動装置。
  5. 前記無機固体電解質が、硫黄、りん、及びリチウムを含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動装置。
  6. 前記無機固体電解質が、
    Li S−P 系、LiI−Li S−P 系、若しくは、Li PO −Li S−SiS 系の硫化物系非晶質固体電解質、又は、これを結晶化させた結晶性固体電解質である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動装置。
  7. 前記複数の単電池が直列に接続されている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動装置。
  8. 前記単電池が転極した場合に当該単電池の放電を停止する転極検出回路を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電動装置。
  9. リチウム二次電池の単電池を複数接続した組電池を備える電池モジュールと、前記組電池から電力の供給を受けて所定の動作を行う負荷とを備え、前記リチウム二次電池の電解質が、無機固体電解質であり、前記組電池と前記負荷との間には、前記リチウム二次電池の過放電を防止する過放電保護手段を備えていない電動装置を、
    過放電又は転極を所定時間継続し、充電後、定格範囲内で充放電を行う
    ことを特徴とする電動装置の使用方法。
  10. 前記無機固体電解質が、硫黄、りん、及びリチウムを含む
    ことを特徴とする請求項9記載の電動装置の使用方法。
  11. 前記無機固体電解質が、
    Li S−P 系、LiI−Li S−P 系、若しくは、Li PO −Li S−SiS 系の硫化物系非晶質固体電解質、又は、これを結晶化させた結晶性固体電解質である
    ことを特徴とする請求項9又は10記載の電動装置の使用方法。
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