JP2013164971A - 二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両 - Google Patents

二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2013164971A
JP2013164971A JP2012027354A JP2012027354A JP2013164971A JP 2013164971 A JP2013164971 A JP 2013164971A JP 2012027354 A JP2012027354 A JP 2012027354A JP 2012027354 A JP2012027354 A JP 2012027354A JP 2013164971 A JP2013164971 A JP 2013164971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
current collector
secondary battery
film
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012027354A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6031774B2 (ja
Inventor
Yuichi Satobi
裕一 佐飛
Susumu Kusanagi
進 草薙
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2012027354A priority Critical patent/JP6031774B2/ja
Publication of JP2013164971A publication Critical patent/JP2013164971A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6031774B2 publication Critical patent/JP6031774B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】負極集電体内の電極反応物質の拡散を抑制することができる二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両を提供する。
【解決手段】固体電解質電池は、基板上に、正極側集電体膜と、正極活物質膜と、固体電解質膜と、第1の負極側集電体膜と、ブロック層と、第2の負極側集電体膜とがこの順で積層された積層体を有するものである。
【選択図】図1

Description

本技術は、二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両に関する。さらに詳しくは、本技術は、二次電池および負極集電体、並びに、二次電池を用いた電子機器および電動車両に関する。
リチウムイオン二次電池は、負極集電体としてCuフィルムが用いられている。Cuは、Liが合金化しづらく、Liの拡散、消失が比較的少ない材料である。そのほか、Liと合金化しにくい材料として、Ti、Niなどが知られている。
しかし、これらの金属材料においても、実際には微小にLiが拡散することも知られている。これが顕著に見られるのはLi−free負極の薄膜電池である。(例えば、非特許文献1参照)このLi−free負極の薄膜電池では、Li金属が負極集電体と固体電解質との間に析出し、これが負極活物質として機能する。放電時には析出したLi金属が全て正極活物質に戻ることで放電容量が得られるが、電池容量はこの析出Liそのものであるため、析出したLiが負極集電体内に拡散して消失すると徐々に電池容量は低下していく。このため、Liが負極集電体内に消失しない集電体構成が必要である。
一方、集電体金属の電位とLiの電位との電位差により、Liが金属内に引き寄せられる効果も一般的に知られている。Liが集電体金属内を透過して反対側の面に到達し、集電体金属の両面にLiが覆われて初めて電位のバランスがとれて安定となる。その際に、負極集電体が大気などを通して水分にさらされる場合、Liは徐々に反応し、失われてゆく。このように、LiとLi以外の集電体金属とが接していると、Liは拡散し、消失してしまう。
B. J. Neudecker et al.,"Lithium-Free Thin-Film Battery with In Situ Plated Li Anode", J. Electrochem. Soc., 147, 517-523 (2000)(Experimental)
二次電池では、Liなどの電極反応物質が負極集電体内で拡散することを抑制する集電体構成が求められている。
したがって、本技術の目的は、負極集電体内の電極反応物質の拡散を抑制することができる二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本技術は、正極と、負極集電体を含む負極と、電解質とを備え、負極集電体は、電極反応物質の移動を抑止するブロック領域を含む二次電池である。
本技術は、電極反応物質の移動を抑止するブロック領域を含む負極集電体である。
本技術は、上述の二次電池を用いた電子機器、電動車両である。
本技術では、負極集電体が、電極反応物質の移動を抑止するブロック領域を含む構成を有する。この構成により、負極集電体内の電極反応物質の拡散を抑制することができる。
本技術によれば、負極集電体内の電極反応物質の拡散を抑制することができる。
図1Aは本技術の固体電解質二次電池の構成を示す平面図である。図1Bは図1Aの線X−Xに沿った断面を示す断面図である。図1Cは図1Aの線Y−Yに沿った断面を示す断面図である。 図2Aは本技術の固体電解質二次電池の構成を示す平面図である。図2Bは図2Aの線X−Xに沿った断面を示す断面図である。図2Cは図1Aの線Y−Yに沿った断面を示す断面図である。 図3は、本技術の二次電池の構成例を示す断面図である。 図4は、図3に示す巻回電極体の一部を拡大して示す拡大断面図である。 図5は、本技術の電池パックの構成例を示すブロック図である。 図6は、本技術の二次電池を用いた住宅用の蓄電システムに適用した例を示す概略図である。 図7は、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す概略図である。 図8は、実施例1について、サイクル数に対して利用率をプロットしたグラフである。 図9は、比較例1について、サイクル数に対して利用率をプロットしたグラフである。 図10は、比較例1の負極集電体の表面を観察したSEM像である。 図11は、比較例1の負極集電体の表面状態を示す写真である。
以下、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(薄膜型の固体電解質二次電池の第1の例)
2.第2の実施の形態(薄膜型の固体電解質二次電池の第2の例)
3.第3の実施の形態(円筒型の非水電解質二次電池の例)
4.第4の実施の形態(電池パック)
5.第5の実施の形態(電子機器や電動車両、蓄電装置など)
6.他の実施の形態(変形例)
1.第1の実施の形態
本技術の第1の実施の形態による固体電解質二次電池について説明する。図1A〜図1Cは本技術の第1の実施の形態による固体電解質二次電池の構成を示す。図1Aは固体電解質二次電池の平面図である。図1Bは図1Aの線X−Xに沿った断面を示す断面図である。図1Cは図1Aの線Y−Yに沿った断面を示す断面図である。この固体電解質二次電池は、例えば、充電および放電可能な二次電池である。この固体電解質二次電池は、例えば、電極反応における反応物質(以下、電極反応物質と称する)であるリチウムが、充放電に伴い、正極および負極間を移動するリチウム二次電池である。なお、本技術では、充電時に負極においてリチウムが析出するものも含めてリチウム二次電池とする。また、この固体電解質二次電池は、例えば、正極、負極、固体電解質などの電池構成部材が薄膜で構成された薄膜型の固体電解質二次電池である。
図1A〜図1Cに示すように、この固体電解質二次電池は、基材である基板10の上に無機絶縁膜20が形成され、無機絶縁膜20上に、正極側集電体膜30と、正極活物質膜40と、固体電解質膜50と、第1の負極側集電体膜60aと、ブロック層60cと、第2の負極側集電体膜60bとがこの順で積層された積層体を有する。この積層体の全体を覆うように、例えば、紫外線硬化樹脂から構成された全体保護膜80が形成されている。なお、全体保護膜80上に無機絶縁膜20が形成されていてもよい。この固体電解二次電池は、正極側層と負極側層と正極側層および負極側層の間にある固体電解質層とを備えたものである。この固体電解質二次電池では、正極側層は、固体電解質層を境界として固体電解質層より正極側にある。図1A〜図1Cに示す例では、正極側層は、例えば、固体電解質層である固体電解質膜50より正極側にある、正極活物質層である正極活物質膜40と、正極側集電体層である正極側集電体膜30とを含む。この固体電解質二次電池では、負極側層は、固体電解質層を境界として固体電解質層より負極側にある。図1A〜図1Cに示す例では、負極側層は、例えば、固体電解質層である固体電解質膜50より負極側にある負極側集電体層である第1の負極側集電体膜60aとブロック層60cと第2の負極側集電体膜60bとを含む。
(基板)
基板10としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂基板、フッ素樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板、ポリブチレンテレフタレート(PBT)基板、ポリイミド(PI)基板、ポリアミド(PA)基板、ポリスルホン(PSF)基板、ポリエーテルスルホン(PES)基板、ポリフェニレンスルフィド(PPS)基板、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基板、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー(COP)などを使用することができる。この基板の材質は特に限定されるものではないが、吸湿性が低く耐湿性を有する基板がより好ましい。
(正極側集電体膜30)
正極側集電体膜30を構成する材料としては、Cu、Mg、Ti、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Ge、In、Au、Pt、Ag、Pdなど、又は、これらの何れかを含む合金を使用することができる。
(正極活物質膜40)
正極活物質膜40を構成する正極活物質材料は、リチウムイオンを離脱および吸蔵させ易く、正極活物質膜に多くのリチウムイオンを離脱および吸蔵させることが可能な材料であればよい。また、電位が高く、電気化学当量の小さい材料がよい。例えば、Mn、Co、Fe、P、Ni、Si、Crの少なくとも1つとLiとを含む酸化物若しくはリン酸化合物、または硫黄化合物が挙げられる。具体的には、例えば、LiMnO2(マンガン酸リチウム)、LiMn24、Li2Mn24などのリチウム−マンガン酸化物、LiCoO2(コバルト酸リチウム)、LiCo24などのリチウム−コバルト酸化物、LiNiO2(ニッケル酸リチウム)、LiNi24などのリチウム−ニッケル酸化物、LiMnCoO4、Li2MnCoO4などのリチウム−マンガン−コバルト酸化物、Li4Ti512、LiTi24などのリチウム−チタン酸化物、その他、LiFePO4(リン酸鉄リチウム)、硫化チタン(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2)、硫化鉄(FeS、FeS2)、硫化銅(CuS)および硫化ニッケル(Ni32)、酸化ビスマス(Bi23)、鉛酸ビスマス(Bi2Pb25)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V613)、セレン化ニオブ(NbSe3)などが挙げられる。また、これらを混合して用いることも可能である。成膜性、電池のサイクル安定性や電位を考慮すると、LiCoO2やLiMnO2などのCoまたはMnとLiとを有するリチウム複合酸化物が好ましい。
正極活物質膜40は、アモルファス状態のリチウムリン酸化合物で構成されていてもよい。例えば、正極活物質膜40は、LiとPとNi、Co、Mn、Au、Ag、Pdから選ばれる何れかの元素M1とOとを含有するアモルファス状態のリチウムリン酸化合物で構成される。
このリチウムリン酸化合物は、正極活物質として以下の優れた特性を有する。すなわち、対Li+/Liに対して高い電位を有する。電位の平坦性に優れる、すなわち組成変化に伴う電位変動が小さい。リチウムの組成比も大きいので高容量である。高い電気伝導性を有する。結晶質の正極活物質のように充放電の繰り返しによる結晶構造の崩壊などもないので、充放電サイクル特性も優れている。また、アニ−ルレスで形成できるため、プロセスの簡素化、歩留まりの向上、樹脂基板の利用を可能とする。
正極活物質膜40は、例えば、上述したようなリチウムリン酸化合物として、式(1)で表されるリチウムリン酸化合物で構成されていてもよい。
式(1)
LixNiyPOz
(式中、xはリチウムの組成比を示す。yはニッケルの組成比を示す。zは酸素の組成比を示す。xは0<x<8.0である。yは2.0≦y≦10である。zは酸素の組成比を示す。zはNi、Pの組成比に応じて酸素が安定に含まれる比となる。)
式(1)において、リチウムの組成比xの範囲は、0<x<8であることが好ましい。
リチウムの組成比xの上限は、特に限定されないが、電位が保たれる限界がリチウムの組成比xの上限値となる。確認できた範囲では、リチウムの組成比xは、8未満であることが好ましい。また、リチウムの組成比xの範囲は、1.0≦x<8であることがより好ましい。リチウムの組成比xが、1.0未満であると、インピーダンスが大きく充放電できなくなるからである。
式(1)において、Niの組成比yの範囲は、十分な充放電容量が得られる点から、2.0≦y≦10.0であることが好ましい。例えば、Niの組成比yが2.0未満であると、充放電容量が急激に小さくなってしまう。Niの組成比yの上限は、特に限定されないが、Niの組成比yが4を超えると徐々に充放電容量が低下してしまう。最大容量の半分程度を目安にすると、Niの組成比yは10以下が好ましい。なお、耐久性、イオン伝導度などの側面で利点がある場合は、充放電容量を犠牲にして、10.0を超えた組成比にしてもよい。
式(1)において、酸素の組成比zは、Niの組成比とPの組成比に応じて安定に含まれる比となる。
正極活物質膜40は、アモルファス状態の式(2)で表されるリチウムリン酸化合物で構成されていてもよい。
式(2)
LixCuyPO4
(式中、xはリチウムの組成比を示す。yは銅の組成比を示す。)
アモルファス状態の式(2)で表されるリチウム複合酸化物は、正極活物質として以下の優れた特性を有する。すなわち、対Li+/Liに対して高い電位を有する。電位の平坦性に優れる、すなわち組成変化に伴う電位変動が小さい。リチウムの組成比も大きいので高容量である。高い電気伝導性を有する。結晶質の正極活物質のように充放電の繰り返しによる結晶構造の崩壊などもないので、充放電サイクル特性も優れている。また、アニ−ルレスで形成できるため、プロセスの簡素化、歩留まりの向上、樹脂基板の利用を可能とする。
式(2)で表されるリチウムリン酸化合物において、リチウムの組成比xの範囲は、例えば、0.5≦x<7.0であり、5<x<7.0であってもよい。
式(2)で表されるリチウムリン酸化合物において、銅の組成比yの範囲は、十分な充放電容量が得られる点から、1.0≦y≦4.0が好ましい。特に銅の組成比yが1.0未満であると、充放電容量が急激に小さくなってしまう。銅の組成比yの上限は、特に限定されないが、組成比yが3を超えると徐々に充放電容量が低下してしまう。最大容量の半分程度を目安とすると4以下が好ましいが、耐久性、イオン伝導度などの側面で利点がある場合は充放電容量を犠牲にして4以上の組成とすることも可能である。また、式(2)で表されるリチウムリン酸化合物において、銅の組成比yの下限は、良好な充放電サイクル特性を得られる点から、2.2≦yであることがより好ましい。
正極活物質膜40を構成するリチウムリン酸化合物の組成は、例えば以下のようにして求める。正極活物質膜40の成膜条件と同一の成膜条件で、正極活物質膜40と同様の単層膜を石英ガラス上に成膜する。そして、この単層膜の組成分析をX線光電子分光法(X線光電子分光法(XPS);X-ray photoelectron spectroscopy)により行う。
ところで、二次電池において、エネルギー密度の向上には正極活物質の高容量化が不可欠である。例えば、リチウムイオン二次電池などに使用される高容量正極活物質としては、岩塩型層状構造、スピネル型構造に大別される金属複合酸化物(例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMn24など)が挙げられ、これにより高容量化が図られている。
しかし、これらの正極活物質は、結晶構造を有するためサイクル数に伴う構造崩壊が進むこと、また、内部インピーダンスが高いため反応電子数を上げることが難しい。また、スピネル型構造に分類されるLixMn24の場合、活物質内に過剰にLiを含有させると1<X<2では、ヤーンテラーイオン(Mn3+)による体積膨張・収縮が起こることで電位が低下することが知られている。(例えば、J.M. Tarascan, J. Electrochem. Soc, 138,2864 (1991)、T.Ohzuku, J. Electrochem. Soc, 137,769 (1990)参照)
これに対して、本技術の正極活物質は、アモルファス状態で充放電駆動が可能であり、Liの挿入脱離による、体積膨張、収縮を緩和でき、構造変化を抑制できる。また、本技術の正極活物質は、例えば、上記の式(1)や式(2)の正極活物質のように、広範囲でLiを含有できるため、高容量化が可能である。例えば、式(1)では、リチウム組成比x=8未満まで含有でき、式(2)では、リチウム組成比x=7未満まで含有できる。
なお、全固体二次電池では、集電体、正極活物質、電解質、負極を堆積する必要があるため、界面抵抗の低減、正極活物質の内部抵抗の低減が不可欠である。界面抵抗は、Liイオンパスの形成が寄与し、Liイオンの拡散が容易なほど低減される。電解質のイオン伝導率の向上が主な解決策であるが、各層の表面均一性、密着性といった界面制御も特性の向上につながる。正極活物質の内部抵抗については、内部インピーダンスを下げなければ、厚膜化ができない。全固体二次電池の場合、膜厚が電池容量に比例することから正極活物質を厚く成膜しなければならない。よって、正極内部のインピーダンスを低減させることが高容量化につながる。本技術の正極活物質は、層状構造を有するLiCoO2よりも内部インピーダンスが低いことがわかっている。
正極活物質膜40は、LiとPとNi、Co、Mn、Au、Ag、Pdから選ばれる何れかの元素M1と、Ni、Co、Mn、Au、Ag、Pd、Cuから選ばれる少なくとも1種の元素M2(ただしM1≠M2である)とOとを含有するアモルファス状態のリチウムリン酸化合物で構成されていてもよい。このようなリチウムリン酸化合物は、例えば、元素M1、元素M2を適切に選択することにより、より特性の優れた正極活物質を得ることができる。例えば、LiとPとNi(元素M1)とCu(元素M2)とOとを含有するアモルファス状態のリチウムリン酸化合物で正極活物質膜40を構成した場合には、充放電サイクル特性をより向上することができる。例えば、LiとPとNi(元素M1)とPd(元素M2)とOとを含有するアモルファス状態のリチウムリン酸化合物で正極活物質膜40を構成した場合には、容量をより向上できると共に充放電サイクル特性をより向上することができる。例えば、LiとPとNi(元素M1)とAu(元素M2)とOとを含有するアモルファス状態のリチウムリン酸化合物で正極活物質膜40を構成した場合には、充放電サイクル特性をより向上することができる。
正極活物質膜40は、LiとPとNi、Co、Mn、Au、Ag、Pdから選ばれる何れかの元素M1と、Ni、Co、Mn、Au、Ag、Pd、Cuから選ばれる少なくとも1種の元素M2(ただしM1≠M2である)とB、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Fe、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、In、Sn、Sb、Te、W、Os、Bi、Gd、Tb、Dy、Hf、Ta、Zrから選ばれる少なくとも1種の添加元素M3とOとを含有するアモルファス状態のリチウムリン酸化合物で構成されていてもよい。
正極活物質膜40は、LiとPとNi、Co、Mn、Au、Ag、Pd、Cuから選ばれる何れかの元素M1’とB、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Fe、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、In、Sn、Sb、Te、W、Os、Bi、Gd、Tb、Dy、Hf、Ta、Zrから選ばれる少なくとも1種の添加元素M3とOとを含有するアモルファス状態のリチウムリン酸化合物で構成されていてもよい。
添加元素M3は、これのみをリチウムリン酸化合物に含有させても、そのリチウムリン酸化合物は正極活物質として使用できない。すなわち、正極活物質膜40をLiとPと添加元素M3のみとOとを含有するアモルファス状態のリチウムリン酸化合物で構成した場合には、電池駆動しない。一方、添加元素M3は、元素M1および元素M2(M1≠M2)または元素M1’と共にリチウムリン酸化合物に含有させた場合、そのリチウムリン酸化合物は、正極活物質として使用でき、さらに添加する元素種の選択によっては、正極活物質としての特性を向上できる。すなわち、添加元素M3を元素M1および元素M2(M1≠M2)または元素M1’と共にリチウムリン酸化合物に含有させたもので正極活物質膜40を構成した場合でも、電池駆動に影響を与えない。さらに、添加元素M3を元素M1および元素M2(M1≠M2)または元素M1’と共にリチウムリン酸化合物に含有させたもので正極活物質膜40を構成した場合、添加する元素種の選択によっては、容量やサイクル特性などの向上や内部インピーダンスの低下などの効果がある。
添加元素M3として好ましいものは、例えば、以下のものが考えられる。すなわち、一般にイオン伝導は、導伝性を含む構造を乱すことでイオンが動きやすくなると考えられている。実際にLi3PO4の固体電解質は、窒素をドープしてLi3PO3.70.3のように一部を置換することでイオン伝導度が上昇することが知られている。一方、結晶材料の場合にはイオンの伝導経路をできるだけ整った構造(結晶)で形成するが、その結晶の内部の材料を一部置換して空孔を生じさせ、イオン伝導を上げる手法がとられている。したがって、固体電解質内部でリチウムが移動しやすい経路を増やすという観点では共通する面があり、結晶材料でイオン伝導度を向上させた材料はアモルファス材料でも有効なことが多く、そのようなイオン伝導度を向上させた材料の添加物(添加元素)は本技術のアモルファス正極活物質(アモルファス状態のリチウムリン酸化化合物)でも同様に有効であることが考えられる。結晶材料でイオン伝導度を向上させた材料であるリチウム酸化物固体電解質材料としては、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43(LATP)の他に、Li0.5La0.5TiO3、Li3.5Zn0.35GeO4など多くの材料が挙げられる。したがって、これらの材料の添加元素であるAl、Ti、La、Zn、Ge、その他Si、V、W、Ga、Ta、Zr、Cr、Pdは、本技術のアモルファス正極活物質でも同様にイオン伝導度などの特性をより改善でき有効であることが考えられる。
例えば、LiとPとNi(元素M1’)と、AlおよびTiの少なくとも1種(添加元素M3)とOとを含有するアモルファス状態のリチウムリン酸化合物で正極活物質膜40を構成した場合には、内部インピーダンスを低下することができると共に、優れた高レートの放電特性が得られる。内部インピーダンスが低下することにより、高速放電時の電位変化が少なくなり、より高電位の電池を実現できる。さらに、内部インピーダンスが低いことで、放電エネルギーと充電エネルギーとの比(放電エネルギー/充電エネルギー)が1に近づくことにより、エネルギーロスが低下しエネルギー効率が高くなり、かつ、充放電時のジュール熱が低下するために発熱が抑えられる効果が見込まれる。
この正極活物質膜40は、結晶質相が含まれず、完全にアモルファス単相の薄膜である。この正極活物質膜40が、アモルファス単相であることは、透過型電子顕微鏡(TEM;transmission electron microscope)で断面を観察することで確認できる。すなわち、この正極活物質膜40を透過型電子顕微鏡(TEM)で断面を観察すると、そのTEM像において、結晶粒が存在しない状態を確認できる。また、電子線回折像からも確認できる。
(固体電解質膜)
固体電解質膜50を構成する材料として、リン酸リチウム(Li3PO4)、リン酸リチウム(Li3PO4)に窒素を添加したLi3PO4-xx(一般に、LiPONと呼ばれている。)、Lix23-yy、Li4SiO4−Li3PO4、Li4SiO4−Li3VO4などを使用することができる。なお、化合物中に使用する添え字のx(x>0)、y(y>0))は、式中の元素の組成比を示す。
(リチウム過剰層)
この固体電解質二次電池では、負極活物質層を形成することなく、負極活物質は充電と共に負極側に生じる。負極側に生じるのは、第1の負極側集電体膜60aと固体電解質膜50との間に生じるLi金属および/またはLiが過剰に含まれる層(Li過剰層)である。この過剰に堆積されるLi(Li過剰層)を負極活物質として利用しながら、充放電特性を損なわずに充放電の繰返しに対して高い耐久性を有する。
(負極側集電体膜)
負極側集電体膜60は、例えば、第1の負極側集電体膜60aと、第2の負極側集電体膜60bと、第1の負極側集電体膜60aと第2の負極側集電体膜60bとの間にあるブロック層60cとを含む。
(第1の負極側集電体膜)
第1の負極側集電体膜60aを構成する材料としては、Cu、Mg、Ti、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Ge、In、Au、Pt、Ag、Pdなど、又は、これらの何れかを含む合金を使用することができる。
(第2の負極側集電体膜)
第2の負極側集電体膜60bを構成する材料としては、Cu、Mg、Ti、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Ge、In、Au、Pt、Ag、Pdなど、又は、これらの何れかを含む合金を使用することができる。なお、第1の負極側集電体膜60aを構成する材料と第2の負極側集電体膜60bを構成する材料とは同一であっても、異なっていてもよい。
(ブロック層)
ブロック層60cは、負極側集電体膜60の内部に形成されており、リチウムの移動を抑止するブロック領域である。負極側集電体膜60の内部に、ブロック層60cを形成することで、リチウムが拡散することを抑制できる
ブロック層60cは、例えば、リチウムイオン伝導体であり、かつ電気伝導性のある材料で構成される。このような材料としては、リチウム二次電池に使用される正極活物質材料が挙げられる。このような正極活物質材料としては、例えば、上述した正極活物質膜40を構成する材料と同一の正極活物質材料などが挙げられる。ブロック層60cは、負極側集電体膜60で覆われているため、大気若しくは電解質にさらされることがないように形成されている。これにより、集電体の導電性は保たれつつ、リチウムの進入に対してリチウム量の保持、あるいは補給が可能となり、リチウム二次電池の充放電繰り返しの耐久性の向上に寄与する。なお、ブロック層60cの材料として、リチウム二次電池に使用される負極活物質材料を用いる場合も、同様に集電体の導電性を保ったままLiを格納することが可能だが、この場合にはLiの格納容量が大きく、初期にLiが含まれていないために拡散したLiが取り込まれるロスが大きくなる。したがって、ブロック60cの材料として、リチウム二次電池に使用される正極活物質材料を用いることが好ましい。
この固体電解質二次電池では、負極側集電体膜60と固体電解質膜50との間に析出するLi金属が、負極活物質として機能する。放電時には、析出したLi金属が全て正極活物質に戻ることで容量が得られるが、電池容量はこの析出したLiそのものであるため、析出したLiが負極集電体膜60内に拡散して消失すると徐々に電池容量が低下してしまう。これに対して、本技術では、負極側集電体膜60の内部に、ブロック層60cを形成することで、リチウムが負極側集電体膜60内に拡散して消失することを抑制し、充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下を抑制できる。
負極側集電体膜60は、例えば、上述の金属材料からなる第1の負極側集電体膜60a上に、ブロック層60cとして正極活物質材料からなる薄膜を、スパッタ法などの薄膜形成方法により形成し、さらにその上に、上述の金属材料からなる第2の負極側集電体膜60bを形成することなどで形成できる。第1の負極側集電体膜60aおよび第2の負極側集電体膜60bの少なくとも何れかの代わりに、金属箔(金属フィルム)を用いてもよい。第1の負極側集電体膜60aと第2の負極側集電体膜60bとの間にブロック層60cが挟まれた構成では、正極活物質材料で構成されるブロック層60cが電気伝導性を有するために、2層に分かれた負極側集電体膜60(第1の負極側集電体膜60aおよび第2の負極側集電体膜60b)の間の電位は同一となると考えられる。すなわち、第1の負極側集電体膜60aおよび第2の負極側集電体膜60bで挟まれたブロック層60cには、一方に電位がかかることがなく、ブロック層60c(すなわち、正極活物質材料内)からリチウムが移動してどちらかの負極側集電体膜で析出することもない。
(無機絶縁膜20)
無機絶縁膜20を構成する材料は、吸湿性が低く耐湿性を有する膜を形成することができる材料であればよい。このような材料として、Si、Cr、Zr、Al、Ta、Ti、Mn、Mg、Znの酸化物又は窒化物又は硫化物の単体、或いは、これらの混合物を使用することができる。より具体的には、Si34、SiO2、Cr23、ZrO2、Al23、TaO2、TiO2、Mn23、MgO、ZnSなど、或いは、これらの混合物を使用する。
(固体電解質二次電池の製造方法)
上述した固体電解質二次電池は例えば以下のようにして製造する。まず、基板10上に無機絶縁膜20を形成する。次に、無機絶縁膜20上に、正極側集電体膜30、正極活物質膜40、固体電解質膜50、第1の負極側集電体膜60a、ブロック層60cおよび第2の負極側集電体膜60bを順次形成し、これにより、積層体が形成される。次に、この積層体および無機絶縁膜20の全体を覆うように、例えば、紫外線硬化樹脂からなる全体保護膜80が、基板10の上に形成される。以上の一連の工程によって、本技術の第1の実施の形態による固体電解質二次電池を製造することができる。
(薄膜の形成方法)
無機絶縁膜20、正極側集電体膜30、正極活物質膜40、固体電解質膜50、第1の負極側集電体膜60a、ブロック層60c、第2の負極側集電体膜60bの形成方法について説明する。
各薄膜は、例えば、PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長)法あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法などの気相法により形成できる。また、電気めっき、無電界めっき、塗布法、ゾル−ゲル法などの液相法により形成できる。また、SPE(固相エピタキシー)法、LB(Langmuir-Blodgett:ラングミュアーブロジェット)法などの固相法により形成することができる。
PVD法は、薄膜化する薄膜原料を熱やプラズマなどのエネルギーで一旦蒸発・気化し、基板上に薄膜化する方法である。PVD法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE(分子線エキピタシー)法、レーザアブレーション法などが挙げられる。
CVD法は、ガスとして供給される薄膜の構成材料に対して、熱、光、プラズマなどのエネルギーを加えて原料ガス分子の分解・反応・中間生成物を形成し、基板表面での吸着、反応、離脱を経て薄膜を堆積させる方法である。
CVD法としては、例えば、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic Chemical Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)法、RFプラズマCVD法、光CVD法、レーザCVD法、LPE(Liquid Phase Epitaxy)法などが挙げられる。
上述の薄膜形成方法によって、所望の構成の薄膜を形成することは当業者にとって容易である。例えば、上述の薄膜形成方法によって、無機絶縁膜20、正極側集電体膜30、正極活物質膜40、固体電解質膜50、第1の負極側集電体膜60a、ブロック層60c、第2の負極側集電体膜60bを形成することは、当業者にとって容易である。すなわち、当業者は、薄膜原料、薄膜形成方法、薄膜形成条件などを適宜選択することによって、所望の構成の無機絶縁膜20、正極側集電体膜30、正極活物質膜40、固体電解質膜50、第1の負極側集電体膜60a、ブロック層60c、第2の負極側集電体膜60bを容易に形成できる。
2.第2の実施の形態
本技術の第2の実施の形態による固体電解質二次電池について説明する。図2A〜図2Cは、本技術の第2の実施の形態による固体電解質二次電池の構成を示す。図2Aは、この固体電解質二次電池の平面図である。図2Bは、図2Aの線X−Xに沿った断面を示す断面図である。図2Cは、図2Aの線Y−Yに沿った断面を示す断面図である。この固体電解質二次電池は、例えば充電および放電可能な二次電池である。この固体電解質二次電池は、例えば、電極反応物質であるリチウムが、充放電に伴い、正極および負極間を移動するリチウム二次電池である。この固体電解質二次電池は、例えば、正極、負極、固体電解質などの電池構成部材が薄膜で構成された薄膜型の固体電解質二次電池である。
この固体電解質二次電池は、基材である基板10の上に無機絶縁膜20が形成され、無機絶縁膜20上に、正極側集電体膜30、正極活物質膜40、固体電解質膜50、負極活物質膜70、第1の負極側集電体膜60aとブロック層60cと第2の負極側集電体膜60bとがこの順で積層された積層体を有する。この積層体および無機絶縁膜20の全体を覆うように例えば、紫外線硬化樹脂から構成された全体保護膜80が形成されている。なお、全体保護膜80上に無機絶縁膜20が形成されていてもよい。この固体電解電池は、正極側層と負極側層と、正極側層と負極側層との間にある固体電解質層とを備えたものである。この固体電解質二次電池では、正極側層は、固体電解質層を境界として固体電解質層より正極側にある。図2A〜図2Cに示す例では、正極側層は、例えば、固体電解質層である固体電解質膜50より正極側にある、正極活物質層である正極活物質膜40と、正極側集電体層である正極側集電体膜30とを含む。この固体電解質二次電池では、負極側層は、固体電解質層を境界として固体電解質層より負極側にある。図2A〜図2Cに示す例では、負極側層は、例えば、固体電解質層である固体電解質膜50より負極側にある負極活物質膜70と、負極側集電体層である負極側集電体膜60とを含む。
基板10、無機絶縁膜20、正極側集電体膜30、正極活物質膜40、固体電解質膜50、第1の負極側集電体膜60a、ブロック層60c、第2の負極側集電体膜60bおよび全体保護膜80は、第1の実施の形態と同様であるので詳細な説明を省略する。負極活物質膜70は以下の構成を有する。
(負極活物質膜)
負極活物質膜70を構成する材料は、リチウムイオンを吸蔵および離脱させ易く、負極活物質膜70に多くのリチウムイオンを吸蔵および離脱させることが可能な材料であればよい。このような材料として、Sn、Si、Al、Ge、Sb、Ag、Ga、In、Fe、Co、Ni、Ti、Mn、Ca、Ba、La、Zr、Ce、Cu、Mg、Sr、Cr、Mo、Nb、VおよびZnの少なくとも何れかを含む材料、例えば上述の元素を含む酸化物などを使用することができる。これらの酸化物などの材料は混合して用いることもできる。
負極活物質膜70の材料は具体的には、例えば、シリコン−マンガン合金(Si−Mn)、シリコン−コバルト合金(Si−Co)、シリコン−ニッケル合金(Si−Ni)、五酸化ニオブ(Nb25)、五酸化バナジウム(V25)、酸化チタン(TiO2)、酸化インジウム(In23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、酸化ニッケル(NiO)、Snが添加された酸化インジウム(ITO)、Alが添加された酸化亜鉛(AZO)、Gaが添加された酸化亜鉛(GZO)、Snが添加された酸化スズ(ATO)、F(フッ素)が添加された酸化スズ(FTO)などである。また、これらを混合して用いることもできる。また、負極活物質膜70を構成する材料として、Li金属を用いてもよい。
(固体電解質二次電池の製造方法)
上述した固体電解質二次電池は例えば以下のようにして製造する。
まず、基板10上に無機絶縁膜20を形成する。次に、無機絶縁膜20上に、正極側集電体膜30、正極活物質膜40、固体電解質膜50、負極活物質膜70、第1の負極側集電体膜60a、ブロック層60c、第2の負極側集電体膜60bを順次形成し、これにより、積層体が形成される。次に、この積層体および無機絶縁膜20の全体を覆うように、例えば、紫外線硬化樹脂からなる全体保護膜80が、基板10の上に形成される。以上の一連の工程によって、本技術の第2の実施の形態による固体電解質二次電池を製造することができる。
3.第3の実施の形態(円筒型のリチウム二次電池)
(電池の構成)
本技術の第3の実施の形態による非水電解質二次電池について図3および図4を参照しながら説明する。図3は、本技術の第3の実施の形態による非水電解質二次電池の断面構成を示す。図4は、図3に示す巻回電極体100の一部を拡大して示す。この非水電解質二次電池は、例えば、充電および放電可能な非水電解質二次電池である。また、この非水電解質二次電池は、例えば、電極反応物質であるリチウムが、充放電に伴い正極および負極間を移動するリチウム二次電池である。
この非水電解質二次電池は、主に、ほぼ中空円柱状の電池缶91の内部に、セパレータ103を介して正極101と負極102とが積層および巻回された巻回電極体100と、一対の絶縁板92、93とが収納されたものである。この円柱状の電池缶91を用いた電池構造は、円筒型と呼ばれている。
電池缶91は、例えば、一端部が閉鎖されると共に他端部が開放された中空構造を有していると共に、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)またはそれらの合金などにより構成されている。なお、電池缶91が鉄により構成される場合には、例えば、電池缶91の表面にニッケル(Ni)などが鍍金されていてもよい。一対の絶縁板92、93は、巻回電極体100を上下から挟み、その巻回周面に対して垂直に延在するように配置されている。
電池缶91の開放端部には、電池蓋94、安全弁機構95および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient:PTC素子)96がガスケット97を介してかしめられており、その電池缶91は、密閉されている。電池蓋94は、例えば、電池缶91と同様の材料により構成されている。安全弁機構95および熱感抵抗素子96は、電池蓋94の内側に設けられている。安全弁機構95は、熱感抵抗素子96を介して電池蓋94と電気的に接続されている。この安全弁機構95では、内部短絡、または外部からの加熱などに起因して内圧が一定以上となった場合に、ディスク板95Aが反転して電池蓋94と巻回電極体100との間の電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子96は、温度の上昇に応じて抵抗が増大する(電流を制限する)ことにより、大電流に起因する異常な発熱を防止するものである。ガスケット97は、例えば、絶縁材料により構成されており、その表面には、例えば、アスファルトが塗布されている。
巻回電極体100は、セパレータ103を介して正極101と負極102とが積層および巻回されたものである。この巻回電極体100の中心には、センターピン104が挿入されていてもよい。巻回電極体100では、アルミニウムなどにより構成された正極リード105が正極101に接続されていると共に、ニッケルなどにより構成された負極リード106が負極102に接続されている。正極リード105は、安全弁機構95に溶接などされて電池蓋94と電気的に接続されており、負極リード106は、電池缶91に溶接などされて電気的に接続されている。
(正極)
正極101は、例えば、一対の面を有する正極集電体101Aの両面に正極活物質層101Bが設けられたものである。ただし、正極活物質層101Bは、正極集電体101Aの片面だけに設けられていてもよい。
正極集電体101Aは、例えば、Al、NiまたはSUSなどの金属材料などによって構成されている。
正極活物質層101Bは、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質材料は、第1の実施の形態と同様の材料などを用いることができる。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムまたはエチレンプロピレンジエンなどの合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料または導電性高分子などであってもよい。
(負極)
負極102は、例えば、一対の面を有する負極集電体102Aの両面に負極活物質層102Bが設けられたものである。ただし、負極活物質層102Bは、負極集電体102Aの片面だけに設けられていてもよい。
負極集電体102Aは、第1の負極集電体102aと、第2の負極集電体102bと、第1の負極集電体102aと第2の負極集電体102bとの間にあるブロック層102cとを含む。第1の負極集電体102aおよび第2の負極集電体102bは、例えば、Cu、NiまたはSUSなどの箔状の金属材料によって構成されている。第1の負極集電体102aおよび第2の負極集電体102bの材料は、同一であっても異なっていてもよい。ブロック層102cは、第1の実施の形態のブロック層60cと同様である。
負極活物質層102Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。この負極活物質層102Bでは、例えば、充放電時において意図せずにリチウム金属が析出することを防止するために、負極材料の充電可能な容量は正極101の放電容量よりも大きくなっていることが好ましい。なお、結着剤および導電剤は、それぞれ正極101で説明したものと同様のものを用いることができる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料が挙げられる。この炭素材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、MCMB(メソカーボンマイクロビーズ)などの人造黒鉛、天然黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、カーボンブラック類、炭素繊維あるいは活性炭が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。
上述の炭素材料の他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が挙げられる。高いエネルギー密度が得られるからである。このような負極材料は、金属元素または半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本技術における「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。また、「合金」は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、またはそれらの2種以上が共存するものがある。
上記した金属元素または半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素または半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)などである。中でも、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種が好ましく、ケイ素がより好ましい。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。
ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を有する負極材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金または化合物や、スズの単体、合金または化合物や、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物またはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)または炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上記した第2の構成元素を含んでいてもよい。
特に、ケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも1種を含む負極材料としては、例えば、スズ(Sn)を第1の構成元素とし、そのスズ(Sn)に加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。勿論、この負極材料を上記した負極材料と共に用いてもよい。第2の構成元素は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、インジウム(In)、セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)およびケイ素(Si)からなる群のうちの少なくとも1種である。第3の構成元素は、ホウ素(B)、炭素(C)、アルミニウム(Al)およびリン(P)からなる群のうちの少なくとも1種である。第2の元素および第3の元素を含むことにより、サイクル特性が向上するからである。
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な金属酸化物または高分子化合物なども挙げられる。金属酸化物とは、例えば、チタン酸リチウム、酸化鉄、酸化ルテニウムまたは酸化モリブデンなどであり、高分子化合物とは、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンまたはポリピロールなどである。
なお、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記の負極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
負極活物質層102Bは、例えば、気相法、液相法、溶射法、焼成法、または塗布のいずれにより形成してもよく、それらの2以上を組み合わせてもよい。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法または化学堆積法、具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD; Chemical Vapor Deposition)法またはプラズマ化学気相成長法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金または無電解鍍金などの公知の手法を用いることができる。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質を結着剤などと混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法またはホットプレス焼成法が挙げられる。
(セパレータ)
セパレータ103は、正極101と負極102とを隔離し、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ103は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの合成樹脂からなる多孔質膜や、セラミックからなる多孔質膜などによって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜が積層されたものであってもよい。このセパレータ103には、液状の電解質である電解液が含浸されている。
(電解液)
電解液は、溶媒と、電解質塩とを含む。この電解液は、液状の電解質であり、例えば、非水溶媒に電解質塩が溶解された非水電解液である。
(溶媒)
溶媒としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、またはジメチルスルホキシドなどの非水溶媒が挙げられる。
例示したこれらの溶媒は、1種で用いてもよく、また2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これらの他の溶媒の中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。この場合には、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルまたは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
(電解質塩)
電解質塩としては、例えば、リチウム塩などの軽金属塩のいずれか1種または2種以上を用いることができる。
リチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、六フッ化ヒ酸リチウム、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C654)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)、または臭化リチウム(LiBr)などが挙げられる。なお、例示したこれらの電解質塩は、適宜組み合わせて用いてもよい。
(電池の製造方法)
この非水電解質二次電池は、例えば、以下の製造方法によって製造される。
(正極の製造)
まず、正極101を作製する。最初に、正極活物質材料と、結着剤と、導電剤とを混合して正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータなどによって正極集電体101Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して正極活物質層101Bを形成する。この場合には、圧縮成型を複数回に渡って繰り返してもよい。
(負極の製造)
次に、負極102を作製する。最初に、負極材料と、結着剤と、必要に応じて導電剤とを混合して負極合剤としたのち、これを有機溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータなどによって負極集電体102Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して負極活物質層102Bを形成する。
(電池の組み立て)
非水電解質二次電池の組み立ては、以下のようにして行う。最初に、正極集電体101Aに正極リード105を溶接などして取り付けると共に、負極集電体102Aに負極リード106を溶接などして取り付ける。続いて、セパレータ103を介して正極101と負極102とを積層および巻回させて巻回電極体100を作製したのち、その巻回中心にセンターピン104を挿入する。続いて、一対の絶縁板92、93で挟みながら巻回電極体100を電池缶91の内部に収納すると共に、正極リード105の先端部を安全弁機構95に溶接し、負極リード106の先端部を電池缶91に溶接する。
続いて、上述の電解液を電池缶91の内部に注入してセパレータ103に含浸させる。最後に、電池缶91の開口端部に電池蓋94、安全弁機構95および熱感抵抗素子96をガスケット97を介してかしめることにより固定する。これにより、図3および図4に示す非水電解質二次電池が完成する。
4.第4の実施の形態
(電池パックの例)
図5は、本技術の非水電解質二次電池(以下、二次電池と適宜称する)を電池パックに適用した場合の回路構成例を示すブロック図である。電池パックは、組電池301、外装、充電制御スイッチ302aと、放電制御スイッチ303a、を備えるスイッチ部304、電流検出抵抗307、温度検出素子308、制御部310を備えている。
また、電池パックは、正極端子321および負極端子322を備え、充電時には正極端子321および負極端子322がそれぞれ充電器の正極端子、負極端子に接続され、充電が行われる。また、電子機器使用時には、正極端子321および負極端子322がそれぞれ電子機器の正極端子、負極端子に接続され、放電が行われる。
組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続してなる。この二次電池301aは本技術の二次電池である。なお、図5では、6つの二次電池301aが、2並列3直列(2P3S)に接続された場合が例として示されているが、その他、n並列m直列(n,mは整数)のように、どのような接続方法でもよい。
スイッチ部304は、充電制御スイッチ302aおよびダイオード302b、ならびに放電制御スイッチ303aおよびダイオード303bを備え、制御部310によって制御される。ダイオード302bは、正極端子321から組電池301の方向に流れる充電電流に対して逆方向で、負極端子322から組電池301の方向に流れる放電電流に対して順方向の極性を有する。ダイオード303bは、充電電流に対して順方向で、放電電流に対して逆方向の極性を有する。尚、例では+側にスイッチ部を設けているが、−側に設けても良い。
充電制御スイッチ302aは、電池電圧が過充電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に充電電流が流れないように充放電制御部によって制御される。充電制御スイッチのOFF後は、ダイオード302bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
放電制御スイッチ303aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に放電電流が流れないように制御部310によって制御される。放電制御スイッチ303aのOFF後は、ダイオード303bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
温度検出素子308は例えばサーミスタであり、組電池301の近傍に設けられ、301組電池301の温度を測定して測定温度を制御部310に供給する。電圧検出部311は、組電池301およびそれを構成する各二次電池301aの電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換して、制御部310に供給する。電流測定部313は、電流検出抵抗307を用いて電流を測定し、この測定電流を制御部310に供給する。
スイッチ制御部314は、電圧検出部311および電流測定部313から入力された電圧および電流を基に、スイッチ部304の充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aを制御する。スイッチ制御部314は、二次電池301aのいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったとき、また、大電流が急激に流れたときに、スイッチ部304に制御信号を送ることにより、過充電および過放電、過電流充放電を防止する。
ここで、例えば、二次電池がリチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧が例えば4.20V±0.05Vと定められ、過放電検出電圧が例えば2.4V±0.1Vと定められる。
充放電スイッチは、例えばMOSFETなどの半導体スイッチを使用できる。この場合MOSFETの寄生ダイオードがダイオード302bおよび303bとして機能する。充放電スイッチとして、Pチャンネル型FETを使用した場合は、スイッチ制御部314は、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aのそれぞれのゲートに対して、制御信号DOおよびCOをそれぞれ供給する。充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aはPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号COおよびDOをローレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをON状態とする。
そして、例えば過充電もしくは過放電の際には、制御信号COおよびDOをハイレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをOFF状態とする。
メモリ317は、RAMやROMからなり例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などからなる。メモリ317では、制御部310で演算された数値や、製造工程の段階で測定された各二次電池301aの初期状態における電池の内部抵抗値などが予め記憶され、また適宜、書き換えも可能である。(また、二次電池301aの満充電容量を記憶させておくことで、制御部310とともに例えば残容量を算出することができる。
温度検出部318では、温度検出素子308を用いて温度を測定し、異常発熱時に充放電制御を行ったり、残容量の算出における補正を行う。
5.第5の実施の形態
上述した非水電解質二次電池およびこれを用いた電池パックは、例えば電子機器や電動車両、蓄電装置などの機器に搭載又は電力を供給するために使用することができる。
電子機器として、例えばノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機などが挙げられる。
また、電動車両としては鉄道車両、ゴルフカート、電動カート、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などが挙げられ、これらの駆動用電源又は補助用電源として用いられる。
蓄電装置としては、住宅をはじめとする建築物用又は発電設備用の電力貯蔵用電源などが挙げられる。
以下では、上述した適用例のうち、上述した本技術の非水電解質二次電池を適用した蓄電装置を用いた蓄電システムの具体例を説明する。
この蓄電システムは、例えば下記の様な構成が挙げられる。第1の蓄電システムは、再生可能エネルギーから発電を行う発電装置によって蓄電装置が充電される蓄電システムである。第2の蓄電システムは、蓄電装置を有し、蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。第3の蓄電システムは、蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器である。これらの蓄電システムは、外部の電力供給網と協働して電力の効率的な供給を図るシステムとして実施される。
さらに、第4の蓄電システムは、蓄電装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電装置に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。第5の蓄電システムは、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電装置の充放電制御を行う電力システムである。第6の蓄電システムは、上述した蓄電装置から、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から蓄電装置に電力を供給する電力システムである。以下、蓄電システムについて説明する。
(5−1)応用例としての住宅における蓄電システム
本技術の非水電解質二次電池を用いた蓄電装置を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図6を参照して説明する。例えば住宅401用の蓄電システム400においては、火力発電402a、原子力発電402b、水力発電402cなどの集中型電力系統402から電力網409、情報網412、スマートメータ407、パワーハブ408などを介し、電力が蓄電装置403に供給される。これと共に、家庭内発電装置404などの独立電源から電力が蓄電装置403に供給される。蓄電装置403に供給された電力が蓄電される。蓄電装置403を使用して、住宅401で使用する電力が給電される。住宅401に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅401には、発電装置404、電力消費装置405、蓄電装置403、各装置を制御する制御装置410、スマートメータ407、各種情報を取得するセンサ411が設けられている。各装置は、電力網409および情報網412によって接続されている。発電装置404として、太陽電池、燃料電池などが利用され、発電した電力が電力消費装置405および/または蓄電装置403に供給される。電力消費装置405は、冷蔵庫405a、空調装置405b、テレビジョン受信機405c、風呂405dなどである。さらに、電力消費装置405には、電動車両406が含まれる。電動車両406は、電気自動車406a、ハイブリッドカー406b、電気バイク406cである。
蓄電装置403に対して、本技術の非水電解質二次電池が適用される。本技術の非水電解質二次電池は、例えば上述したリチウムイオン二次電池によって構成されていてもよい。スマートメータ407は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網409は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせても良い。
各種のセンサ411は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサなどである。各種のセンサ411により取得された情報は、制御装置410に送信される。センサ411からの情報によって、気象の状態、人の状態などが把握されて電力消費装置405を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置410は、住宅401に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社などに送信することができる。
パワーハブ408によって、電力線の分岐、直流交流変換などの処理がなされる。制御装置410と接続される情報網412の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)などの通信インターフェースを使う方法、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fiなどの無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network)またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置410は、外部のサーバ413と接続されている。このサーバ413は、住宅401、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ413が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機など)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)などに、表示されても良い。
各部を制御する制御装置410は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成され、この例では、蓄電装置403に格納されている。制御装置410は、蓄電装置403、家庭内発電装置404、電力消費装置405、各種のセンサ411、サーバ413と情報網412により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能などを備えていても良い。
以上のように、電力が火力402a、原子力402b、水力402cなどの集中型電力系統402のみならず、家庭内発電装置404(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置403に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置404の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置403に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置403に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置403によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置410が蓄電装置403内に格納される例を説明したが、スマートメータ407内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム400は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
(5−2)応用例としての車両における蓄電システム
本技術を車両用の蓄電システムに適用した例について、図7を参照して説明する。図7に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
このハイブリッド車両500には、エンジン501、発電機502、電力駆動力変換装置503、駆動輪504a、駆動輪504b、車輪505a、車輪505b、バッテリー508、車両制御装置509、各種センサ510、充電口511が搭載されている。バッテリー508に対して、上述した本技術の非水電解質二次電池が適用される。
ハイブリッド車両500は、電力駆動力変換装置503を動力源として走行する。電力駆動力変換装置503の一例は、モータである。バッテリー508の電力によって電力駆動力変換装置503が作動し、この電力駆動力変換装置503の回転力が駆動輪504a、504bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置503が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ510は、車両制御装置509を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ510には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
エンジン501の回転力は発電機502に伝えられ、その回転力によって発電機502により生成された電力をバッテリー508に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両500が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置503に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置503により生成された回生電力がバッテリー508に蓄積される。
バッテリー508は、ハイブリッド車両500の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口511を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、二次電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本技術は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
図1A〜図1Cに示す構成を有する固体電解質二次電池を作製した。基板10として厚さ1.1mmのポリカーボネート(PC)基板を用いた。基板10上に無機絶縁膜20として、SiNを成膜した。
無機絶縁膜20上に金属マスクを配して、所定領域に、正極側集電体膜30、正極活物質膜40、固体電解質膜50、第1の負極側集電体膜60a、ブロック層60c、第2の負極側集電体膜60bの順に成膜し積層体を形成した。具体的には、正極側集電体膜30としてTi膜、正極活物質膜40としてLixNiyPOz膜、固体電解質膜50としてLi3PO4-xx膜、第1の負極側集電体膜60aとしてNi膜、ブロック層60cとしてLixNiyPOz膜、第2の負極側集電体膜60bとしてNi膜を形成した。なお、化合物中に使用する添え字のx(x>0)、y(y>0)、z(z>0)、)は、式中の元素の組成比を示す。
無機絶縁膜20および積層体を構成する各薄膜の成膜条件は、以下のようにした。なお、基板10は基板加熱をせずに成膜を行った。
(無機絶縁膜20)
無機絶縁膜20の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アネルバ社製、C−3103)
ターゲット組成:Si
ターゲットサイズ:Φ6インチ
スパッタリングガス:Ar60sccm、N230sccm、0.11Pa
スパッタリングパワー:1500W(DC)
膜厚:50nm
(正極側集電体膜30)
正極側集電体膜30の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Ti
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar70sccm、0.45Pa
スパッタリングパワー:1000W(DC)
膜厚:100nm
(正極活物質膜40)
正極活物質膜の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Li3PO4およびNiのコスパッタ
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar(80%)+O2(20%) 20sccm、0.20Pa
スパッタリングパワー:Li3PO4600W(RF)、Ni150W(DC)
膜厚:400nm
(固体電解質膜50)
固体電解質膜50の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Li3PO4
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar20sccm+N2 20sccm、0.26Pa
スパッタリングパワー:600W(RF)
膜厚:400nm
(負極側集電体膜60;(第1の負極側集電体膜60a/ブロック層60c/第2の負極側集電体膜60b)
(第1の負極側集電体膜)
第1の負極側集電体膜60aの成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Ni
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar70sccm、0.46Pa
スパッタリングパワー:Ni 250W(DC)
膜厚:100nm
(ブロック層)
ブロック層60cであるLixNiyPOz膜の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Li3PO4およびNiのコスパッタ
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar(80%)+O2(20%) 20sccm、0.20Pa
スパッタリングパワー:Li3PO4 600W(RF)、Ni 150W(DC)
膜厚:130nm
(第2の負極側集電体膜)
第2の負極側集電体膜60bの成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で行った。
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Ni
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar 70sccm、0.46Pa
スパッタリングパワー:Ni 250W(DC)
膜厚:100nm
最後に、全体保護膜80を、紫外線硬化樹脂(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス製、型番SK3200)を用いて形成し、さらに全体保護膜80上に無機絶縁膜を形成した。以上により、実施例1の薄膜型の固体電解質二次電池を得た。すなわち、下記の膜構成を有する薄膜型の固体電解質二次電池を得た。
(薄膜型の固体電解質二次電池の膜構成)
ポリカーボネート基板/SiN(50nm)/Ti(100nm)/LixNiyPOz(400nm)/Li3PO4-xx(400nm)/Ni(100nm)/LixNiyPOz(130nm)/Ni(100nm)/紫外線硬化樹脂(20μm)/SiN(50nm)
<比較例1>
以下のように第1の負極側集電体膜60a/ブロック層60c/第2の負極側集電体膜60bに代えて、Ni膜1層からなる負極側集電体膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の薄膜型の固体電解質二次電池を得た。
(負極側集電体膜)
負極側集電体膜の成膜は、下記のスパッタリング装置および成膜条件で、2回の成膜により行った。
(1回目の成膜)
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Ni
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar 70sccm、0.46Pa
スパッタリングパワー:Ni 250W(DC)
膜厚:100nm
(2回目の成膜)
スパッタリング装置(アルバック社製、SMO−01特型)
ターゲット組成:Ni
ターゲットサイズ:Φ4インチ
スパッタリングガス:Ar 70sccm、0.46Pa
スパッタリングパワー:Ni 250W(DC)
膜厚:100nm
(薄膜型の固体電解質二次電池の膜構成)
なお、比較例1の薄膜型の固体電解質二次電池の膜構成は、以下である。
ポリカーボネート基板/SiN(50nm)/Ti(100nm)/LixNiyPOz(400nm)/Li3PO4-xx(400nm)/Ni(200nm)/紫外線硬化樹脂(20μm)/SiN(50nm)
(充放電試験)
実施例1および比較例1について、以下の条件で充放電を繰り返す充放電試験を行った。
充電:充電電流100μA、5.0VでCV、充電停止電流50μA、充電後のOCV待機時間2分、
放電:放電電流100μA、カットオフ電圧2.0V、放電後のOCV待機時間2分
図8に、実施例1について、サイクル数に対して、利用率(Utilization)をプロットしたグラフを示す。なお、利用率とは一般的には正極活物質膜から算出した理論容量に対する容量の百分率を指すが、ここではこれと等価な数値として、初期の充放電容量を基準とした容量の百分率とした。図9に、比較例1について、サイクル数に対して、利用率をプロットしたグラフを示す。なお、図8、図9において、線cは充電についてのグラフであり、線dは放電についてのグラフである。
(SEM観察)
実施例1および比較例1について、真空中で1回の充放電後にNi集電体(負極側集電体)表面をSEM(走査型電子顕微鏡;Scanning Electron Microscope)によって観察した。図10に、この比較例1についてのSEM像を示す。
実施例1では、負極側集電体に用いたNiは、Liを透過しやすいたことがわかっており、耐久性に問題があることが予想されたが、この予想に反し、図8に示すように、実施例1の充放電試験では、50サイクルの充放電で80%以上の容量が保持されていた。
比較例1での充放電試験では、20サイクル程度の充放電により容量が急激に悪化し、40サイクル程度でほぼ電池として機能しなくなった。この結果は、電池として、ショートしているわけではなく、Li量が低下し、電池容量が劣化していることによるものである。
図10中の矢印q1〜q4に示すように、Ni集電体(負極側集電体)表面を観察したSEM像では、シミが確認でき、このシミ部分についてXPS測定を行ったところLiが検出された。すなわち、比較例1では、1回の充放電後、Ni集電体上においてLiが拡散していた。一方、実施例1では、1回の充放電後において、比較例1でみられるようなシミが確認できず、1回の充放電後、Ni集電体上においてLiの拡散は確認できなかった。また、図11中の矢印pに示すように、比較例1の電池では、60サイクル後の表面状態は、負極側集電体金属表面が光り散乱している状態であった。一方、実施例1の電池では、同サイクル数で負極側集電体金属の金属光沢が保たれていた。したがって、比較例1の電池と、実施例1の電池との60サイクル後の表面状態の違いは、明確であった。比較例1では、60サイクル後の負極側集電体の表面状態は、Liが集電体に拡散し反応した形跡と考えられる。すなわち、実施例1の構成(負極側集電体膜中にブロック層がある構成)により、Liが負極側集電体膜内で拡散することが、抑制されていることが明らかである。
6.他の実施の形態
本技術は、上述した本技術の実施の形態に限定されるものでは無く、本技術の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施の形態および実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
例えば、実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムまたはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる電池についても、本技術を適用することができる。
例えば、固体電解質二次電池の膜構成は、上述したものに限定されるものではない。例えば、第1〜第2の実施の形態において、無機絶縁膜を省略した構成としてもよい。第1の実施の形態において、負極側集電体膜60と固体電解質膜50との間に、保護膜を形成してもよい。この保護膜は、例えば、正極活物質膜40を構成する正極活物質材料と同一の材料で構成されていてもよい。
例えば、上述の実施の形態および実施例では、負極側集電体膜60は、第1の負極側集電体膜60aと第2の負極側集電体膜60bと間にブロック層60cがある構造を有しているが、負極側集電体膜60は、この構成に限定されるものではない。例えば、負極側集電体膜60は、固体電解質膜の側から第1の負極側集電体膜60aとブロック層60cとがこの順で積層された構造を有していてもよい。この場合でも、ブロック層60cにより、負極側集電体膜60内のリチウムの拡散、消失が抑制される。
また、積層体の複数が順次、積層されて形成され、直列に電気的に接続され、全体保護膜80によって被覆された構成とすることもできる。また、基板の上に、積層体の複数が並置されて形成され、並列または直列に電気的に接続され、全体保護膜80によって被覆された構成とすることもできる。
また、例えば、固体電解質二次電池の構造は、上述の例に限定されるものではない。例えば、基板10に導電性材料を用いて正極側集電体膜30を省略した構造を有する固体電解質二次電池などにも適用が可能である。また、固体電解質二次電池を構成する各部材は薄膜状でなくてもよい。例えば、正極側集電体膜30を、正極集電体材料からなる金属板、金属箔などに代えてもよい。負極側集電体膜60を、負極集電体材料からなる金属板、金属箔などに代えてもよい。
本技術は、以下の構成をとることができる。
[1]
正極と、
負極集電体を含む負極と、
電解質と
を備え、
上記負極集電体は、電極反応物質の移動を抑止するブロック領域を含む二次電池。
[2]
上記電極反応物質は、リチウムである[1]に記載の二次電池。
[3]
上記電解質は、固体電解質である[1]〜[2]の何れかに記載の二次電池。
[4]
上記正極は、正極層であり、
上記負極は、負極層であり、
上記負極集電体は、負極集電体層であり、
上記固体電解質は、固体電解質層である[3]に記載の二次電池。
[5]
上記負極集電体層は、
第1の負極集電体層と、
第2の負極集電体層と、
上記ブロック領域であるブロック層と
を含む[4]に記載の二次電池。
[6]
上記ブロック層は、上記第1の負極集電体層と上記第2の負極集電体層との間にある[5]に記載の二次電池。
[7]
充電により、上記固体電解質層の負極側にリチウム過剰層が形成される[4]〜[6]の何れかに記載の二次電池。
[8]
上記ブロック領域は、電気伝導性およびリチウムイオン伝導性を有する材料を含む[1]〜[7]の何れかに記載の二次電池。
[9]
上記電気伝導性およびリチウムイオン伝導性を有する材料は、正極活物質材料である[8]に記載の二次電池。
[10]
上記第1の負極集電体層と上記第2の負極集電体層とが、同一材料または異なる材料で構成された[5]〜[9]の何れかに記載の二次電池。
[11]
基材をさらに備え、
上記基材上に、上記正極層と上記負極層と上記固体電解質層とを含む積層体が形成された[4]〜[10]の何れかに記載の二次電池。
[12]
上記正極層は、上記正極集電体層と上記正極活物質層とを含み、
上記正極層を構成する各層、上記負極層を構成する各層、および上記固体電解質層の少なくとも何れかの層が、薄膜で形成された[4]〜[11]の何れかに記載の二次電池。
[13]
電極反応物質の移動を抑止するブロック領域を含む負極集電体。
[14]
[1]に記載の二次電池を有し、
上記二次電池から電力の供給を受ける電子機器。
[15]
[1]に記載の二次電池と、
上記二次電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
上記二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を有する電動車両。
10・・・基板、20・・・無機絶縁膜、30・・・正極側集電体膜、40・・・正極活物質膜、50・・・固体電解質膜、60・・・負極側集電体膜、60a・・・第1の負極側集電体膜、60b・・・第2の負極側集電体膜、60c・・・ブロック層、70・・・負極活物質膜、80・・・全体保護膜、91・・・電池缶、92、93・・・絶縁板、94・・・電池蓋、95・・・安全弁機構、95A・・・ディスク板、96・・・熱感抵抗素子、97・・・ガスケット、100・・・巻回電極体、101・・・正極、101A・・・正極集電体、101B・・・正極活物質層、102・・・負極、102A・・・負極集電体、102a・・・第1の負極集電体層、102b・・・第2の負極集電体層、102c・・・ブロッキング層、102B・・・負極活物質層、103・・・セパレータ、104・・・センターピン、105・・・正極リード、106・・・負極リード、301・・・組電池、301a・・・二次電池、302・・・充電制御スイッチ、302a・・・充電制御スイッチ、302b・・・ダイオード、303a・・・放電制御スイッチ、303b・・・ダイオード、304・・・スイッチ部、307・・・電流検出抵抗、308・・・温度検出素子、310・・・制御部、311・・・電圧検出部、313・・・電流測定部、314・・・スイッチ制御部、317・・・メモリ、318・・・温度検出部、321・・・正極端子、322・・・負極端子、400・・・蓄電システム、401・・・住宅、402・・・集中型電力系統、402a・・・火力発電、402b・・・原子力発電、402c・・・水力発電、403・・・蓄電装置、404・・・発電装置、405・・・電力消費装置、405a・・・冷蔵庫、405b・・・空調装置、405c・・・テレビジョン受信機、405d・・・風呂、406・・・電動車両、406a・・・電気自動車、406b・・・ハイブリッドカー、406c・・・電気バイク、407・・・スマートメータ、408・・・パワーハブ、409・・・電力網、410・・・制御装置、411・・・センサ、412・・・情報網、413・・・サーバ、500・・・ハイブリッド車両、501・・・エンジン、502・・・発電機、503・・・電力駆動力変換装置、504a・・・駆動輪、504b・・・駆動輪、505a・・・車輪、505b・・・車輪、508・・・バッテリー、509・・・車両制御装置、510・・・各種センサ、511・・・充電口

Claims (15)

  1. 正極と、
    負極集電体を含む負極と、
    電解質と
    を備え、
    上記負極集電体は、電極反応物質の移動を抑止するブロック領域を含む二次電池。
  2. 上記電極反応物質は、リチウムである請求項1に記載の二次電池。
  3. 上記電解質は、固体電解質である請求項2に記載の二次電池。
  4. 上記正極は、正極層であり、
    上記負極は、負極層であり、
    上記負極集電体は、負極集電体層であり、
    上記固体電解質は、固体電解質層である請求項3に記載の二次電池。
  5. 上記負極集電体層は、
    第1の負極集電体層と、
    第2の負極集電体層と、
    上記ブロック領域であるブロック層と
    を含む請求項4に記載の二次電池。
  6. 上記ブロック層は、上記第1の負極集電体層と上記第2の負極集電体層との間にある請求項5に記載の二次電池。
  7. 充電により、上記固体電解質層の負極側にリチウム過剰層が形成される請求項4に記載の二次電池。
  8. 上記ブロック領域は、電気伝導性およびリチウムイオン伝導性を有する材料を含む請求項1に記載の二次電池。
  9. 上記電気伝導性およびリチウムイオン伝導性を有する材料は、正極活物質材料である請求項8に記載の二次電池。
  10. 上記第1の負極集電体層と上記第2の負極集電体層とが、同一材料または異なる材料で構成された請求項5に記載の二次電池。
  11. 基材をさらに備え、
    上記基材上に、上記正極層と上記負極層と上記固体電解質層とを含む積層体が形成された請求項4に記載の二次電池。
  12. 上記正極層は、上記正極集電体層と上記正極活物質層とを含み、
    上記正極層を構成する各層、上記負極層を構成する各層、および上記固体電解質層の少なくとも何れかの層が、薄膜で形成された請求項4に記載の二次電池。
  13. 電極反応物質の移動を抑止するブロック領域を含む負極集電体。
  14. 請求項1に記載の二次電池を有し、
    上記二次電池から電力の供給を受ける電子機器。
  15. 請求項1に記載の二次電池と、
    上記二次電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
    上記二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
    を有する電動車両。
JP2012027354A 2012-02-10 2012-02-10 二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両 Active JP6031774B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012027354A JP6031774B2 (ja) 2012-02-10 2012-02-10 二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012027354A JP6031774B2 (ja) 2012-02-10 2012-02-10 二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013164971A true JP2013164971A (ja) 2013-08-22
JP6031774B2 JP6031774B2 (ja) 2016-11-24

Family

ID=49176217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012027354A Active JP6031774B2 (ja) 2012-02-10 2012-02-10 二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6031774B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017010816A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 トヨタ自動車株式会社 全固体電池の製造方法
WO2018012376A1 (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 パナソニック株式会社 リチウム二次電地
WO2018181379A1 (ja) * 2017-03-28 2018-10-04 Tdk株式会社 全固体二次電池
WO2019102668A1 (ja) * 2017-11-24 2019-05-31 昭和電工株式会社 リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池の積層構造、リチウムイオン二次電池の製造方法
CN110582886A (zh) * 2017-05-01 2019-12-17 株式会社村田制作所 固体电池、电池组、电动车辆、蓄电系统、电动工具以及电子设备
JP2020107427A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 国立研究開発法人産業技術総合研究所 オペランド測定用二次電池電極
JP2023503746A (ja) * 2020-06-02 2023-02-01 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司 電極アセンブリ、ならびにその関連する電池、デバイス、製造方法、および製造装置
JP2023512743A (ja) * 2019-11-15 2023-03-29 ダイソン・テクノロジー・リミテッド 電池用固体電池カソードを製造する方法
JP2023512744A (ja) * 2019-11-15 2023-03-29 ダイソン・テクノロジー・リミテッド 結晶層を形成する方法、電池ハーフセルを形成する方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009004363A (ja) * 2007-05-24 2009-01-08 Nissan Motor Co Ltd 非水溶媒二次電池用集電体並びにこれを用いた電極および電池
JP2009509289A (ja) * 2005-06-15 2009-03-05 インフィニット パワー ソリューションズ, インコーポレイテッド 障壁層保護基板を有する電気化学装置
WO2009131184A1 (ja) * 2008-04-24 2009-10-29 シャープ株式会社 非水系二次電池
JP2010205718A (ja) * 2009-02-03 2010-09-16 Sony Corp 薄膜固体リチウムイオン二次電池及びその製造方法
JP2010277862A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Nissan Motor Co Ltd 双極型電池用集電体
JP2011108533A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Sony Corp 固体電解質電池および正極活物質
JP2011108532A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Sony Corp 固体電解質電池および正極活物質
JP2011138693A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Sharp Corp 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用の電極

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009509289A (ja) * 2005-06-15 2009-03-05 インフィニット パワー ソリューションズ, インコーポレイテッド 障壁層保護基板を有する電気化学装置
JP2009004363A (ja) * 2007-05-24 2009-01-08 Nissan Motor Co Ltd 非水溶媒二次電池用集電体並びにこれを用いた電極および電池
WO2009131184A1 (ja) * 2008-04-24 2009-10-29 シャープ株式会社 非水系二次電池
JP2010205718A (ja) * 2009-02-03 2010-09-16 Sony Corp 薄膜固体リチウムイオン二次電池及びその製造方法
JP2010277862A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Nissan Motor Co Ltd 双極型電池用集電体
JP2011108533A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Sony Corp 固体電解質電池および正極活物質
JP2011108532A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Sony Corp 固体電解質電池および正極活物質
JP2011138693A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Sharp Corp 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用の電極

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017010816A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 トヨタ自動車株式会社 全固体電池の製造方法
US10651474B2 (en) 2016-07-14 2020-05-12 Panasonic Corporation Lithium secondary battery
WO2018012376A1 (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 パナソニック株式会社 リチウム二次電地
JPWO2018012376A1 (ja) * 2016-07-14 2019-05-09 パナソニック株式会社 リチウム二次電地
CN110268572B (zh) * 2017-03-28 2022-09-06 Tdk株式会社 全固体二次电池
CN110268572A (zh) * 2017-03-28 2019-09-20 Tdk株式会社 全固体二次电池
JPWO2018181379A1 (ja) * 2017-03-28 2019-07-11 Tdk株式会社 全固体二次電池
WO2018181379A1 (ja) * 2017-03-28 2018-10-04 Tdk株式会社 全固体二次電池
US11069898B2 (en) 2017-03-28 2021-07-20 Tdk Corporation All-solid-state secondary battery
CN110582886B (zh) * 2017-05-01 2022-07-08 株式会社村田制作所 固体电池、电池组、电动车辆、蓄电系统、电动工具以及电子设备
CN110582886A (zh) * 2017-05-01 2019-12-17 株式会社村田制作所 固体电池、电池组、电动车辆、蓄电系统、电动工具以及电子设备
WO2019102668A1 (ja) * 2017-11-24 2019-05-31 昭和電工株式会社 リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池の積層構造、リチウムイオン二次電池の製造方法
JP2020107427A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 国立研究開発法人産業技術総合研究所 オペランド測定用二次電池電極
JP7264342B2 (ja) 2018-12-26 2023-04-25 国立研究開発法人産業技術総合研究所 オペランド測定用二次電池電極
JP2023512743A (ja) * 2019-11-15 2023-03-29 ダイソン・テクノロジー・リミテッド 電池用固体電池カソードを製造する方法
JP2023512744A (ja) * 2019-11-15 2023-03-29 ダイソン・テクノロジー・リミテッド 結晶層を形成する方法、電池ハーフセルを形成する方法
JP2023503746A (ja) * 2020-06-02 2023-02-01 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司 電極アセンブリ、ならびにその関連する電池、デバイス、製造方法、および製造装置
JP7520042B2 (ja) 2020-06-02 2024-07-22 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司 電極アセンブリ、ならびにその関連する電池、デバイス、製造方法、および製造装置
US12119455B2 (en) 2020-06-02 2024-10-15 Contemporary Amperex Technology Co., Limited Electrode assembly and related battery, battery module

Also Published As

Publication number Publication date
JP6031774B2 (ja) 2016-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6070067B2 (ja) 電池、電極、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
JP7338010B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6155605B2 (ja) リチウムイオン二次電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
JP6031774B2 (ja) 二次電池、負極集電体、電子機器および電動車両
JP6069821B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6303260B2 (ja) 正極活物質およびその製造方法、正極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置ならびに電力システム
WO2016017077A1 (ja) 正極活物質、正極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
JP2016001615A (ja) 二次電池ならびに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
CN109314283B (zh) 电池、电池组、电子设备、电动车辆、蓄电装置及电力系统
KR20170091015A (ko) 축전지, 전지 제어 유닛, 및 전자 기기
JP2020013798A (ja) 負極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
JP2013134861A (ja) 電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
KR102160332B1 (ko) 전지, 전지 팩, 전자 기기, 전동 차량, 축전 장치 및 전력 시스템
WO2018008248A1 (ja) 電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置及び電力システム
JP2013191414A (ja) 電池、センターピン、電池パック、電子機器、電動工具、電動車両、蓄電装置および電力システム
KR20220155566A (ko) 이차 전지, 이차 전지의 제작 방법, 전자 기기, 및 차량
JP2015156307A (ja) 電池ならびに電池パック、電子機器、蓄電装置、電力システムおよび電動車両
EP3579309A1 (en) Negative electrode for secondary battery, secondary battery, battery pack, electric vehicle, power storage system, electric tool, and electronic apparatus
WO2015166622A1 (ja) 電池、負極、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
JP2013175338A (ja) 電池、電池パック、電子機器、蓄電装置および電力システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161010

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6031774

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350