JP2013175338A - 電池、電池パック、電子機器、蓄電装置および電力システム - Google Patents

電池、電池パック、電子機器、蓄電装置および電力システム Download PDF

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Abstract

【課題】センターピンの飛び出しを抑制できると共に、缶底と負極リードとの溶接性を改善できる電池、これを用いた電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムを提供する。
【解決手段】この電池は、巻回された正極および負極を含む巻回電極体と、巻回電極体の中空にあるセンターピンと、巻回電極体および上記センターピンが収容された外装缶と、厚さ方向に貫通する孔が形成された絶縁板とを備える。絶縁板は、孔の壁面が孔の中心側に突出した1以上の凸部を有し、凸部が接する内接円の直径をB1、基準円の直径をB2、上記センターピンの先端部外径をCとした場合、式B1<C<B2を満たすものである。
【選択図】図1

Description

本技術は、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムに関する。さらに詳しくは、電池、並びにこれを用いた電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムに関する。
リチウムイオン二次電池などの二次電池は、ノートパソコンなどのモバイバル機器の電源用電池、ハイブリッド自動車、電池自動車などの自動車用蓄電池や、太陽電池、風力発電などの新エネルギーシステムと組み合わせた電力貯蔵用蓄電池などとして用いられている。
二次電池では、巻回された正極および負極を有する巻回電極体を電解液などと共に円筒缶などの外装缶に収容した円筒型の二次電池が、一般的に使用されている。この円筒型の二次電池では、巻回電極体の中心の中空に、センターピンが挿入されている。この円筒型の二次電池は、巻回電極体を上下から挟む、巻回電極体とリードおよび電池缶等とを絶縁する絶縁用の絶縁板を1対備えている。
特許文献1〜特許文献3には、電池に配置される絶縁板に関する技術が記載されている。例えば、特許文献1には、絶縁板に、絶縁板の中心方向から周辺方向に60°〜120°の角度を有する円弧状のスリットを形成することにより、電池缶の缶底に接続した負極集電タブと渦巻電極体との短絡を防止する技術が記載されている。例えば、特許文献2には、絶縁板の表面全面に複数個の突起部、または複数本の突起部、または複数本の突起溝部を設けることにより絶縁板の位置ずれを解消する技術が記載されている。例えば、特許文献3には、耐振動対策として、絶縁板の底面にタブ設置用溝を設けることが記載されている。
特開平7−94165号公報 特開平10−284046号公報 特開平11―67186号公報
二次電池では、容量向上の技術として、巻回電極体の巻芯の小径化が行われている。円筒型の二次電池では、巻回電極体の巻芯の小径化に伴い、センターピンの小径化も必要となる。センターピンを小径化すると、絶縁板の中心孔からセンターピンが飛び出すことを防止するため、絶縁板の中心孔の小径化を行う必要がある。絶縁板の中心孔の小径化を行うと、缶と負極リードとの溶接時に用いる溶接棒の先端径も小さくする必要があるため、缶底と負極リードとの溶接性が悪くなってしまう。
したがって、本技術の目的は、センターピンの飛び出しを抑制できると共に、缶底と負極リードとの溶接性を改善できる電池、これを用いた電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本技術は、巻回された正極および負極を含む巻回電極体と、巻回電極体の中空にあるセンターピンと、巻回電極体およびセンターピンが収容された外装缶と、厚さ方向に貫通する孔が形成された絶縁板とを備え、絶縁板は、孔の壁面が該孔の中心側に突出した1以上の凸部を有し、凸部が接する内接円の直径をB1、基準円の直径をB2、センターピンの先端部外径をCとした場合、下記式(1)の関係を満たす電池である。
(1)
B1<C<B2
(式中、B1:凸部が接する内接円の直径、B2:基準円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
本技術は、上述の電池を用いた電池パック、電動車両、蓄電装置および電力システムである。
本技術では、式(1)の関係を満たす絶縁板を備えるため、センターピンの飛び出しを抑制できると共に、缶底と負極リードとの溶接性を改善できる。
である。
本技術によれば、センターピンの飛び出しを抑制できると共に、缶底と負極リードとの溶接性を改善できる。
図1は、本技術の第1の実施の形態による二次電池の構成例を示す断面図である。 図2は、図1に示した巻回電極体の一部を拡大して示す断面図である 図3は、二次電池の底部を拡大した断面図である。 図4Aは、絶縁板の構成例を示す斜視図である。図4Bは、絶縁板の構成例を示す平面図である。 図5は、中心孔の形状を説明するための拡大図である。 図6は、溶接棒の先端径、絶縁板の中心孔径、センターピンの先端部外径の関係を説明するための概略図である。 図7Aは、従来の絶縁板の構成例を示す斜視図である。図7Bは、従来の絶縁板の構成例を示す平面図である。 図8Aは、負極リードと電池缶底面との溶接状態を示す断面図である。図8Bは、負極リードと電池缶底面との溶接状態を示す断面図である。 図9Aは、凸部の配置面積を説明するための概略図である。図9Bは、凸部の面積を説明するための概略図である。 図10Aは、中心孔の形状の他の例を示す拡大図である。図10Bは、中心孔の形状の他の例を示す拡大図である。 図11は、本技術の実施の形態による電池パックの構成例を示すブロック図である。 図12は、本技術の非水電解質電池を用いた住宅用の蓄電システムに適用した例を示す概略図である。 図13は、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す概略図である 図14A〜図14Dは、実施例で用いた絶縁板の中心孔の形状を説明するための拡大図である。 図15A〜図15Dは、実施例で用いた絶縁板の中心孔の形状を説明するための拡大図である。 図16A〜図16Dは、実施例および比較例で用いた絶縁板の中心孔の形状を説明するための拡大図である。 図17は、溶接性試験に使用した測定装置の模式図である。 図18は実施例で使用した絶縁板の中心孔形状を説明するための拡大図である。
以下、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(二次電池の例)
2.第2の実施の形態(二次電池を用いた電池パックの例)
3.第3の実施の形態(二次電池を用いた蓄電システムなどの例)
4.他の実施の形態(変形例)
1.第1の実施の形態
(電池の構成)
本技術の第1の実施の形態による二次電池について図面を参照しながら説明する。図1は、本技術の第1の実施の形態による二次電池の断面構成を示す。図2は、図1に示す巻回電極体の一部を拡大した断面図である。この二次電池は、例えば、充電および放電可能な二次電池であり、例えば、負極22の容量が電極反応物質であるリチウムの吸蔵および放出に基づいて表されるリチウムイオン二次電池である。また、この二次電池は、イオン伝導体として電解質塩および非水溶媒を含む電解液を備えた非水電解質二次電池である。
図1に示すように、この二次電池は、中空円柱状(円筒状)の電池缶11の内部に、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層および巻回された巻回電極体20と、一対の絶縁板12および絶縁板13が収容されたものである。この中空円柱状の電池缶11を用いた電池構造は、円筒型と呼ばれている。なお、図1に示す例では、中空円柱状の電池缶11を用いた例であるが、中空楕円柱状の電池缶11であってもよい。
電池缶11は、例えば、一端部が開放されると共に他端部が閉鎖された中空構造を有している。電池缶11は、巻回電極体20が収容される外装体である。なお、開放された一端部(素子挿入口)を開口部と称し、開口部と反対側にある他端部を底部と称する。電池缶11は、例えば、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)またはそれらの合金などにより構成されている。電池缶11が鉄により構成される場合には、例えば、電池缶の11の表面にニッケル(Ni)などが鍍金されていてもよい。一対の絶縁板12および絶縁板13は、巻回電極体20を上下から挟み、その巻回周面に対して垂直に延在するように配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient:PTC素子)16がガスケット17を介してかしめられており、その電池缶11は、密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。
安全弁機構15および熱感抵抗素子16は、電池蓋14の内側に設けられている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されている。この安全弁機構15では、内部短絡、または外部からの加熱などに起因して内圧が一定以上となった場合に、ディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との間の電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度の上昇に応じて抵抗が増大する(電流を制限する)ことにより、大電流に起因する異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、その表面には、例えば、アスファルトが塗布されている。
(巻回電極体)
巻回電極体20は、少なくとも巻回された正極21および負極22を含む電極体である。図2に示すように、巻回電極体20は、セパレータ23を介して、例えば矩形状などの正極21と矩形状などの負極22とが積層され、中心が中空部を有するように巻回された電極体であり、その外形は例えば円柱状である。この巻回電極体20の中空部には、中空を有する棒状のセンターピン24が挿入されている。センターピン24は、電池内部が高温になった場合にセパレータ23が収縮して巻回電極体20の中空部が、埋まることを防ぐことを目的の一つとして挿入される。巻回電極体20の中空部は、電池内部でガスが発生した場合に、ガスの排出流路として機能する。センターピン24は、電池内部が高温になった際に、巻回電極体の中空部を維持するために配置される。
センターピン24は、例えば、両端にテーパ状のテーパ部を有していてもよい。後述する電池の製造工程において、センターピン24の巻回電極体の中空部への挿入が容易になるからである。センターピン24は、例えば、薄い帯状の板を丸めて管状に成形後、さらに、両端部をテーパ状にすることによって得ることができる。センターピン24は、長手方向の一端から他端にかけて切れ目を有していてもよい。
巻回電極体20では、アルミニウムなどにより構成された正極リード25が正極21に接続されていると共に、ニッケルなどにより構成された負極リード26が負極22に接続されている。正極リード25は、安全弁機構15に溶接などされて電池蓋14と電気的に接続されている。負極リード26は、電池缶11の底面などに溶接などされて電気的に接続されている。
(絶縁板)
図3は、電池の底部を拡大した部分断面図である。図3に示すように、電池の底部側にある絶縁板13は、巻回電極体20と電池缶11の底面との間に配置されている。また、絶縁板13と電池缶11との間に負極リード26が配置されている。絶縁板13は、巻回電極体20と電池缶11および負極リード26とを絶縁するために設けられている。この電池は、センターピン24の先端が、絶縁板13の中心孔13aから抜け出さないような構成とされている。この構成により、センターピン24の先端が、電池缶11の底面や負極リード26にあたり、負極リード26が損傷したり、負極リード26と電池缶11の底面との溶接がはずれたりすることを抑制できる。
図4Aは、絶縁板の一例を示す斜視図であり、図4Bは、絶縁板の一例を示す平面図である。図4Aおよび図4Bに示すように、絶縁板13は、平面外形が円形の板状体であり、中心部には、厚さ方向を貫通する中心孔13aが設けられている。また、絶縁板13は、中心孔13aの壁面が、中心孔13aの中心側に突出した凸部13bを有している。
図5は、孔の貫通方向に対して垂直な面における、中心孔付近を拡大した部分拡大図を示す。図5に示すように、絶縁板13は、基準円P1に対して中心孔の中心側に突出した3つの凸部13bを有する。この3つの凸部13bは、例えば、同一形状であり、孔の貫通方向から観た場合、互いに等間隔を有するように配置されている。なお、図5に示す例では、3つの凸部13bは、同一形状を有するものであるが、互いに異なる形状であってもよく、3つの凸部13bのうちの2つが同一形状であって、1つが異なる形状であってもよい。
絶縁板13は、孔の貫通方向に対して垂直な面において、基準円P1、基準円P1の直径をB2、凸部13bの先端が接する円を内接円P2、内接円P2の直径をB1、センターピン24の先端部外径をCとした場合、下記式(1)の関係を満たす。
式(1)
B1<C<B2
(式中、B1:凸部が接する内接円の直径、B2:基準円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
なお、内接円P2は、中心孔13aの中心から凸部13bの最も中心側までの最短距離(直線)を半径とした円である。形状の異なる凸部13bが複数ある場合もこの基準に変更はない。すなわち、中心孔13aの中心から複数の凸部のうちの最も中心側までの最短距離(直線)を半径とした円である。
絶縁板13が、式(1)の関係を満たさないものである場合には、溶接性の低下、センターピン24の抜け出しを抑制する効果が低下してしまう。式(1)の関係を満たす絶縁板13では、センターピンの先端部外径Cより、凸部13bが接する内接円の直径B1の方が小さいため、凸部13bによりセンターピン24の抜け出しを抑制することができる。
式(1)の関係を満たす絶縁板13では、負極リード26と電池缶底面との溶接時に、溶接棒の端面が凸部13bにあたり、凸部13bが押し上げられることで、溶接棒の先端が絶縁板13の中心孔13aを通り抜けることができる。したがって、中心孔13aの壁面が突出した凸部13bを有さない絶縁板(すなわち、従来構造の絶縁板)を用いた場合のように、小径化した中心孔13aを通り抜けるために溶接棒の先端を小径化する必要もないため、負極リード26との電池缶底面との良好な溶接性を得ることができる。
負極リード26との電池缶底面との溶接性について、図6に示す溶接棒先端Q1の直径(溶接棒先端径A)と、絶縁板の中心孔Q2の直径(絶縁板中心孔径B)と、センターピン先端Q3の外径(センターピンの先端部外径C)との関係の観点から、さらに説明する。
例えば、図7に示すような従来構造(中心孔13aの壁面が突出した凸部13bを有さない絶縁板)では、溶接棒の先端径をA、絶縁板中心孔径をB、センターピン先端部外径をCとした場合に、センターピン24の飛び出しを防止するため、絶縁板中心径Bよりもセンターピン先端部外径Cを大きく設定する必要がある。すなわち、溶接棒の先端径A、絶縁板中心孔径B、センターピンの先端部外径Cは、式(4)A<B<Cの関係を満たす必要がある。
式(4)を満たす必要があるため、従来構造の絶縁板13では、巻回電極体20の巻芯小径化に伴い、センターピン先端部外径Cの小径化がなされると、センターピン先端部外径Cの小径化に伴い、絶縁板中心径Bを小径化する必要がある。すなわち、図8Aに示す従来構造の絶縁板13を用いた溶接状態では、絶縁板13の中心孔径を小径化すると、溶接棒701の先端が、絶縁板13の中心孔13aを通り抜けるためには、溶接棒701の先端径Aを小径化する必要がある。溶接棒701の先端径Aを小径化すると、電池缶11の底面と負極リード26との溶接性が悪くなってしまう。
一方、本技術の絶縁板13では、凸部13bでセンターピン24の飛び出しを抑制できるため、溶接棒の先端径をA、絶縁板中心孔径(基準円の径に相当する)をB、センターピン先端部外径をCとした場合に式(5)A≦C<Bの関係を満たすものとなる。
式(5)A≦C<Bの関係を満たす本技術の絶縁板13では、巻回電極体20の巻芯小径化に伴い、センターピン先端部外径Cが小径化されても、凸部13bでセンターピンの飛び出しを抑制できるため、絶縁板中心孔径Bを小径化する必要がない。また、図8Bに示す本技術の構造の絶縁板13を用いた溶接状態では、凸部13bを押し上げて溶接することが可能なため、溶接棒701の先端径Aを小径化する必要がない。溶接棒701の先端径Aは、センターピン先端部外径Cまで増大することができる。したがって、電池缶11の底面と負極リード26との溶接性が低下しない。すなわち、高エネルギー密度化のため巻回電極体20の巻芯が小径化された場合でも、電池缶11の底面と負極リード26との溶接性が低下しない。
絶縁板13は、上述の式(1)を満たすと共に、式(2)および式(3)を満たすものであることが好ましい。絶縁板13が、式(1)を満たすと共に、式(2)および式(3)を満たすものである場合には、負極リード26と電池缶11の底面との溶接性をより向上できる。
式(2)
0.75≦B1/C≦0.95
(式中、B1:凸部が接する内接円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
式(3)
1.05≦B2/C≦1.25
(式中、B2:凸部が接する内接円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
(凸部の面積)
凸部13bの1個当たりの面積は、凸部13bの配置面積に対して、10%以上20%以下であることが好ましい。また、凸部13bの合計面積は、凸部13bの配置面積に対して、60%以下であることが好ましい。さらに、凸部13bの1個当たりの面積が、凸部13bの配置面積に対して、10%以上20%以下であると共に、凸部13bの合計面積は、凸部13bの配置面積に対して、60%以下であることがより好ましい。
凸部13bの1個当たりの面積が、10%未満では凸部13bの強度が低下するため、センターピンの飛び出しが生じやすくなる傾向にある。一方、凸部1個当たりの凸部面積が20%超であると、凸部13bの強度が増加することで、溶接時に、凸部13bを押し上げにくくなり溶接し難くなる傾向にある。また、凸部の合計面積が、60%超であると、凸部13bの強度が増すことで、凸部13bを押し上げにくくなり溶接し難くなる傾向にある。
ここで、凸部の配置面積は、基準円と内接円との間の面積である。例えば、図9A〜図9Bに示す例では、基準円P1と内接円P2との間の斜線で示す領域Dの面積が、凸部の配置面積である。凸部の面積は、基準円P1から内側(円の中心側)に突出した部分の面積である。領域S1、領域S2、領域S3の面積は、それぞれ凸部1個当たりの面積であり、領域S1、領域S2、領域S3の合計面積が、凸部の合計面積である。
(絶縁板の材料)
絶縁板13の材料としては、熱可塑性樹脂、不織布、セラミックス等の電気絶縁性を有する材料が挙げられる。これらの中でも、負極リードと電池缶底面との溶接性の観点から、凸部の押し上げがより容易である、ポリエステル(Polyester)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂:Poly Phenylene Sulfide Resin)、PBT(ポリブチレンテレフタレート:polybutylene terephthalate)などの樹脂を素材とする繊維からなる不織布、PP(ポリプロピレン (polypropylene)、PET(ポリエチレンテレフタレート poly ethylene terephthalate)、PPSなどの熱可塑性樹脂からなる群から選ばれた少なくとも何れかであることが好ましい。
(絶縁板の厚さ)
絶縁板の厚さは、0.05mm以上1mm以下であることが好ましい。絶縁板の厚さが、この範囲内であると、より成形しやすく、本技術の効果をより発揮できるからである。例えば、絶縁板の厚さの上限値を1mmに設定したのは、セル内の有効体積確保のため、金型打ち抜き精度の低下を避けるため、中心孔に溶接棒を挿入する時に凸部が変形し難くなるのを避けるためである。絶縁板の厚さの下限値を下限値0.05mmに設定したのは、金型打ち抜き精度の低下を避けるため、凸部の強度の低下を避けるためである。
なお、実公昭63−112761号公報では、透孔の周囲に突片が形成された絶縁板を有する電池が記載されているが、この電池は、センターピンを有するものではない。センターピンと、センターピン先端外径Cとの関係で形状が規定される絶縁板とを有する本技術の電池は、実公昭63−112761号公報に記載のものとは全く異なるものである。
(変形例)
絶縁板13は、図4A〜図4Bに示す中心孔13aが形成されたものに限定されるものではない。例えば、図10Aに示すように、中心孔13aの壁面が突出した凸部13bの形状は、1つの凸部13b当たり1つの角を有するような角形状であってもよい。例えば、図10Bに示すように、中心孔13aの壁面が突出した凸部13bの形状は、1つの凸部13b当たり2つの角を有するような多角形状であってもよい。
(凸部の数、凸部の配置)
上述の例では、中心孔13aの壁面が突出した、同一形状の3つの凸部13bが、中心孔13aの貫通方向から観て、互いに等間隔を有する絶縁板13の例について説明したが、絶縁板13は、この例に限定されるものではない。例えば、中心孔13aの壁面が突出した凸部13bの数は、1個または2個、4個以上であってもよい。凸部13bの数は、負極リード26と電池缶底面との溶接性の観点から、3個以上5個以下であることが好ましい。凸部13bを複数有する場合、複数の凸部13bは、中心孔13aの貫通方向から観て、互いに等間隔を有していなくてもよい。負極リード26と電池缶底面との溶接性の観点から、好ましいのは、複数の凸部13bが、中心孔13aの貫通方向から観て、互いに等間隔を有する場合である。
(正極)
正極21は、例えば、一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられたものである。ただし、正極活物質層21Bは、正極集電体21Aの片面だけに設けられていてもよい。
正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料によって構成されている。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(1’)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(2’)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられる。リチウム含有化合物としては、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(3’)、式(4’)もしくは式(5’)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(6’)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物、または式(7’)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1,0<c2<1)、LidMn24(d≒1)あるいはLieFePO4(e≒1)などがある。
LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z・・・(1’)
(式中、M1は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。Xは、酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、r、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。)
LiaM2bPO4・・・(2’)
(式中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。)
LifMn(1-g-h)NigM3h(2-j)k・・・(3’)
(式中、M3は、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。f、g、h、jおよびkは、0.8≦f≦1.2、0<g<0.5、0≦h≦0.5、g+h<1、−0.1≦j≦0.2、0≦k≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、fの値は完全放電状態における値を表している。)
LimNi(1-n)M4n(2-p)q・・・(4’)
(式中、M4は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。m、n、pおよびqは、0.8≦m≦1.2、0.005≦n≦0.5、−0.1≦p≦0.2、0≦q≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、mの値は完全放電状態における値を表している。)
LirCo(1-s)M5s(2-t)u・・・(5’)
(式中、M5は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。r、s、tおよびuは、0.8≦r≦1.2、0≦s<0.5、−0.1≦t≦0.2、0≦u≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、rの値は完全放電状態における値を表している。)
LivMn2-wM6wxy・・・(6’)
(式中、M6は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、xおよびyは、0.9≦v≦1.1、0≦w≦0.6、3.7≦x≦4.1、0≦y≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。)
LizM7PO4・・・(7’)
(式中、M7は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。zは、0.9≦z≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、これらの他にも、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどのリチウムを含まない無機化合物も挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記で例示した正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムまたはエチレンプロピレンジエンなどの合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料または導電性高分子などであってもよい。
(負極)
負極22は、例えば、一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられたものである。ただし、負極活物質層22Bは、負極集電体22Aの片面だけに設けられていてもよい。
負極集電体22Aは、例えば、銅、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料によって構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。この負極活物質層22Bでは、例えば、充放電時において意図せずにリチウム金属が析出することを防止するために、負極材料の充電可能な容量は正極21の放電容量よりも大きくなっていることが好ましい。なお、結着剤および導電剤は、それぞれ正極で説明したものと同様のものを用いることができる。
上述の炭素材料の他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が挙げられる。高いエネルギー密度が得られるからである。このような負極材料は、金属元素または半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本技術における「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。また、「合金」は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、またはそれらの2種以上が共存するものがある。
上記した金属元素または半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素または半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)などである。中でも、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種が好ましく、ケイ素がより好ましい。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。
ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を有する負極材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金または化合物や、スズの単体、合金または化合物や、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物またはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)または炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上記した第2の構成元素を含んでいてもよい。
特に、ケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも1種を含む負極材料としては、例えば、スズ(Sn)を第1の構成元素とし、そのスズ(Sn)に加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。勿論、この負極材料を上記した負極材料と共に用いてもよい。第2の構成元素は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、インジウム(In)、セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)およびケイ素(Si)からなる群のうちの少なくとも1種である。第3の構成元素は、ホウ素(B)、炭素(C)、アルミニウム(Al)およびリン(P)からなる群のうちの少なくとも1種である。第2の元素および第3の元素を含むことにより、サイクル特性が向上するからである。
中でも、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を構成元素として含み、炭素(C)の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下の範囲内、スズ(Sn)およびコバルト(Co)の合計に対するコバルト(Co)の割合(Co/(Sn+Co))が30質量%以上70質量%以下の範囲内であるSnCoC含有材料が好ましい。このような組成範囲において、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られるからである。
このSnCoC含有材料は、必要に応じて、さらに他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ガリウム(Ga)またはビスマス(Bi)などが好ましく、それらの2種以上を含んでいてもよい。容量特性またはサイクル特性がさらに向上するからである。
なお、SnCoC含有材料は、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、SnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素あるいは半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下は、スズ(Sn)などが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集または結晶化が抑制されるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えば、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。このXPSでは、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、グラファイトであれば、炭素の1s軌道(C1s)のピークは284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば、炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素(C)の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPSでは、例えば、スペクトルのエネルギー軸の補正に、C1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPSにおいて、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば、市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
なお、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料は、上記以外のものをさらに含んでいてもよい。また、上記の負極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
負極活物質層22Bは、例えば、気相法、液相法、溶射法、焼成法、または塗布のいずれにより形成してもよく、それらの2以上を組み合わせてもよい。負極活物質層22Bを気相法、液相法、溶射法若しくは焼成法、またはそれらの2種以上の方法を用いて形成する場合には、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとが界面の少なくとも一部において合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体22Aの構成元素が負極活物質層22Bに拡散し、あるいは負極活物質層22Bの構成元素が負極集電体22Aに拡散し、またはそれらの構成元素が互いに拡散し合っていることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層22Bの膨張および収縮による破壊を抑制することができると共に、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとの間の電子伝導性を向上させることができるからである。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法または化学堆積法、具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD; Chemical Vapor Deposition)法またはプラズマ化学気相成長法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金または無電解鍍金などの公知の手法を用いることができる。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質を結着剤などと混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法またはホットプレス焼成法が挙げられる。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの合成樹脂からなる多孔質膜や、セラミックからなる多孔質膜などによって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜が積層されたものであってもよい。このセパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。
(電解液)
電解液は、溶媒と、電解質塩とを含む。この電解液は、イオン伝導体である電解質であり、例えば、非水溶媒に電解質塩が溶解された非水電解液である。
(溶媒)
溶媒としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、またはジメチルスルホキシドなどの非水溶媒が挙げられる。
例示したこれらの溶媒は、1種で用いてもよく、また2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これらの他の溶媒の中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。この場合には、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルまたは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
(電解質塩)
電解質塩としては、例えば、リチウム塩などの軽金属塩のいずれか1種または2種以上を用いることができる。
リチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、六フッ化ヒ酸リチウム、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C654)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)、または臭化リチウム(LiBr)などが挙げられる。なお、例示したこれらの電解質塩は、適宜組み合わせて用いてもよい。
(電池の製造方法)
この二次電池は、例えば、以下の製造方法によって製造される。
(正極の製造)
まず、正極21を作製する。最初に、正極活物質と、結着剤と、導電剤とを混合して正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータなどによって正極集電体21Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して正極活物質層21Bを形成する。この場合には、圧縮成型を複数回に渡って繰り返してもよい。
(負極の製造)
次に、負極22を作製する。最初に、負極材料と、結着剤と、必要に応じて導電剤とを混合して負極合剤としたのち、これを有機溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータなどによって負極集電体22Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して負極活物質層22Bを形成する。
なお、負極22は以下のようにして製造してもよい。最初に、電解銅箔などからなる負極集電体22Aを準備したのち、蒸着法などの気相法によって負極集電体22Aの両面に負極材料を堆積させて、複数の負極活物質粒子を形成する。こののち、必要に応じて、液相析出法などの液相法によって酸化物含有膜を形成し、または電解鍍金法などの液相法によって金属材料を形成し、または双方を形成することにより、負極活物質層22Bを形成する。
(電池の組み立て)
二次電池の組み立ては、以下のようにして行う。最初に、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などして取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などして取り付ける。続いて、セパレータ23を介して正極21と負極22とを積層および巻回させて巻回電極体20を作製する。
続いて、絶縁板13と電池缶底面との間に負極リード26が挟まれるように、絶縁板13および巻回電極体20を、電池缶11の内部に収容する。次に、負極リード26の先端部を電池缶11の底面に、溶接棒を用いた抵抗溶接などにより溶接する。負極リード26の溶接は、巻回電極体20の中空部分に挿入した溶接棒を、絶縁板13の中心孔13aに挿通し、その端面を負極リード26を介して電池缶11の底面に押しつけることにより行う。このとき、図8Bに示すように、溶接棒701の先端部は凸部13bにあたるが、溶接棒の先端部により凸部13bが押し上げられ、溶接棒の先端が絶縁板13の中心孔13aを通り抜けることができるため、負極リード26と電池缶11の底面とを良好に溶接することが可能となる。
次に、巻回電極体20の中空にセンターピン24を挿入した後、開口部側の絶縁板12を所定位置に配置し、その後、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接する。
続いて、上述の電解液を電池缶11の内部に注入してセパレータ23に含浸させる。最後に、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1および図2に示す二次電池が完成する。
2.第2の実施の形態
(電池パックの例)
図11は、本技術の二次電池を電池パックに適用した場合の回路構成例を示すブロック図である。電池パックは、組電池301、外装、充電制御スイッチ302aと、放電制御スイッチ303a、を備えるスイッチ部304、電流検出抵抗307、温度検出素子308、制御部310を備えている。
また、電池パックは、正極端子321および負極端子322を備え、充電時には正極端子321および負極端子322がそれぞれ充電器の正極端子、負極端子に接続され、充電が行われる。また、電子機器使用時には、正極端子321および負極端子322がそれぞれ電子機器の正極端子、負極端子に接続され、放電が行われる。
組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続してなる。この二次電池301aは本技術の二次電池である。なお、図11では、6つの二次電池301aが、2並列3直列(2P3S)に接続された場合が例として示されているが、その他、n並列m直列(n,mは整数)のように、どのような接続方法でもよい。
スイッチ部304は、充電制御スイッチ302aおよびダイオード302b、ならびに放電制御スイッチ303aおよびダイオード303bを備え、制御部310によって制御される。ダイオード302bは、正極端子321から組電池301の方向に流れる充電電流に対して逆方向で、負極端子322から組電池301の方向に流れる放電電流に対して順方向の極性を有する。ダイオード303bは、充電電流に対して順方向で、放電電流に対して逆方向の極性を有する。尚、例では+側にスイッチ部を設けているが、−側に設けても良い。
充電制御スイッチ302aは、電池電圧が過充電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に充電電流が流れないように充放電制御部によって制御される。充電制御スイッチのOFF後は、ダイオード302bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
放電制御スイッチ303aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に放電電流が流れないように制御部310によって制御される。放電制御スイッチ303aのOFF後は、ダイオード303bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
温度検出素子308は例えばサーミスタであり、組電池301の近傍に設けられ、組電池301の温度を測定して測定温度を制御部310に供給する。電圧検出部311は、組電池301およびそれを構成する各二次電池301aの電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換して、制御部310に供給する。電流測定部313は、電流検出抵抗307を用いて電流を測定し、この測定電流を制御部310に供給する。
スイッチ制御部314は、電圧検出部311および電流測定部313から入力された電圧および電流を基に、スイッチ部304の充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aを制御する。スイッチ制御部314は、二次電池301aのいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったとき、また、大電流が急激に流れたときに、スイッチ部304に制御信号を送ることにより、過充電および過放電、過電流充放電を防止する。
ここで、例えば、二次電池がリチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧が例えば4.20V±0.05Vと定められ、過放電検出電圧が例えば2.4V±0.1Vと定められる。
充放電スイッチは、例えばMOSFETなどの半導体スイッチを使用できる。この場合MOSFETの寄生ダイオードがダイオード302bおよび303bとして機能する。充放電スイッチとして、Pチャンネル型FETを使用した場合は、スイッチ制御部314は、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aのそれぞれのゲートに対して、制御信号DOおよびCOをそれぞれ供給する。充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aはPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号COおよびDOをローレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをON状態とする。
そして、例えば過充電もしくは過放電の際には、制御信号COおよびDOをハイレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをOFF状態とする。
メモリ317は、RAMやROMからなり例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などからなる。メモリ317では、制御部310で演算された数値や、製造工程の段階で測定された各二次電池301aの初期状態における電池の内部抵抗値などが予め記憶され、また適宜、書き換えも可能である。(また、二次電池301aの満充電容量を記憶させておくことで、制御部310とともに例えば残容量を算出することができる。
温度検出部318では、温度検出素子308を用いて温度を測定し、異常発熱時に充放電制御を行ったり、残容量の算出における補正を行う。
3.第3の実施の形態
上述した二次電池およびこれを用いた電池パック、バッテリユニットおよびバッテリモジュールは、例えば電子機器や電動車両、蓄電装置などの機器に搭載または電力を供給するために使用することができる。
電子機器として、例えばノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機などが挙げられる。
また、電動車両としては鉄道車両、ゴルフカート、電動カート、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などが挙げられ、これらの駆動用電源または補助用電源として用いられる。
蓄電装置としては、住宅をはじめとする建築物用または発電設備用の電力貯蔵用電源などが挙げられる。
以下では、上述した適用例のうち、上述した本技術の二次電池を適用した蓄電装置を用いた蓄電システムの具体例を説明する。
この蓄電システムは、例えば下記の様な構成が挙げられる。第1の蓄電システムは、再生可能エネルギーから発電を行う発電装置によって蓄電装置が充電される蓄電システムである。第2の蓄電システムは、蓄電装置を有し、蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。第3の蓄電システムは、蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器である。これらの蓄電システムは、外部の電力供給網と協働して電力の効率的な供給を図るシステムとして実施される。
さらに、第4の蓄電システムは、蓄電装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電装置に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。第5の蓄電システムは、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電装置の充放電制御を行う電力システムである。第6の蓄電システムは、上述した蓄電装置から、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から蓄電装置に電力を供給する電力システムである。以下、蓄電システムについて説明する。
(3−1)応用例としての住宅における蓄電システム
本技術の二次電池を用いた蓄電装置を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図12を参照して説明する。例えば住宅401用の蓄電システム400においては、火力発電402a、原子力発電402b、水力発電402cなどの集中型電力系統402から電力網409、情報網412、スマートメータ407、パワーハブ408などを介し、電力が蓄電装置403に供給される。これと共に、家庭内発電装置404などの独立電源から電力が蓄電装置403に供給される。蓄電装置403に供給された電力が蓄電される。蓄電装置403を使用して、住宅401で使用する電力が給電される。住宅401に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅401には、発電装置404、電力消費装置405、蓄電装置403、各装置を制御する制御装置410、スマートメータ407、各種情報を取得するセンサ411が設けられている。各装置は、電力網409および情報網412によって接続されている。発電装置404として、太陽電池、燃料電池などが利用され、発電した電力が電力消費装置405および/または蓄電装置403に供給される。電力消費装置405は、冷蔵庫405a、空調装置405b、テレビジョン受信機405c、風呂405dなどである。さらに、電力消費装置405には、電動車両406が含まれる。電動車両406は、電気自動車406a、ハイブリッドカー406b、電気バイク406cである。
蓄電装置403に対して、本技術の二次電池が適用される。本技術の二次電池は、例えば上述したリチウムイオン二次電池によって構成されていてもよい。スマートメータ407は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網409は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせても良い。
各種のセンサ411は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサなどである。各種のセンサ411により取得された情報は、制御装置410に送信される。センサ411からの情報によって、気象の状態、人の状態などが把握されて電力消費装置405を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置410は、住宅401に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社などに送信することができる。
パワーハブ408によって、電力線の分岐、直流交流変換などの処理がなされる。制御装置410と接続される情報網412の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)などの通信インターフェースを使う方法、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、Wi−Fiなどの無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network)またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置410は、外部のサーバ413と接続されている。このサーバ413は、住宅401、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ413が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機など)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)などに、表示されても良い。
各部を制御する制御装置410は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置410は、蓄電装置403、家庭内発電装置404、電力消費装置405、各種のセンサ411、サーバ413と情報網412により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能などを備えていても良い。
以上のように、電力が火力発電402a、原子力発電402b、水力発電402cなどの集中型電力系統402のみならず、家庭内発電装置404(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置403に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置404の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置403に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置403に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置403によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置410が蓄電装置403内に格納される例を説明したが、スマートメータ407内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム400は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
(3−2)応用例としての車両における蓄電システム
本技術を車両用の蓄電システムに適用した例について、図13を参照して説明する。図13に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
このハイブリッド車両500には、エンジン501、発電機502、電力駆動力変換装置503、駆動輪504a、駆動輪504b、車輪505a、車輪505b、バッテリー508、車両制御装置509、各種センサ510、充電口511が搭載されている。バッテリー508に対して、上述した本技術の二次電池が適用される。
ハイブリッド車両500は、電力駆動力変換装置503を動力源として走行する。電力駆動力変換装置503の一例は、モータである。バッテリー508の電力によって電力駆動力変換装置503が作動し、この電力駆動力変換装置503の回転力が駆動輪504a、504bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置503が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ510は、車両制御装置509を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ510には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
エンジン501の回転力は発電機502に伝えられ、その回転力によって発電機502により生成された電力をバッテリー508に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両500が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置503に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置503により生成された回生電力がバッテリー508に蓄積される。
バッテリー508は、ハイブリッド車両500の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口511を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本技術は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。
本技術の具体的な実施例について詳細に説明するが、本技術はこれに限定されるものではない。
以下の説明では、適宜、図14〜図16を参照しながら説明する。なお、図14〜図16は、実施例および比較例で使用した絶縁板の中心孔の種々の形状を示すものである。図14〜図16において、左記が、孔の貫通方向に対して垂直な面における中心孔形状を示し、中央に記載のものが、左記の中心孔形状のB1、B2、基準円P1、内接円P2を明示したもの、右記が、左記の中心孔形状の凸部領域(斜線に示す領域)を明示したものである。
<実施例1−1>
下記構成の円筒型電池の絶縁板を用意した。センターピンは、両端部をテーパ状にしたものを用いた。このセンターピンの先端部外径Cは1.4mmであった。
(絶縁板)
材質:PPS(ポリフェニレンサルファイド)の繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状1(図14A)
凸部:有り、凸部の数:1個、
内接円直径B1:1.0mm、基準円直径B2:1.45mm、(センターピン先端部外径C:1.4mm)
式(1):○、式(2):×、式(3):×
式(1)、式(2)、式(3)は、上記と同様である。すなわち、下記の式である。○は式の関係を満たすことを意味し、×は式の関係を満たさないことを意味する。
式(1)
B1<C<B2
(式中、B1:凸部が接する内接円の直径、B2:基準円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
式(2)
0.75≦B1/C≦0.95
(式中、B1:凸部が接する内接円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
式(3)
1.05≦B2/C≦1.25
(式中、B2:凸部が接する内接円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
次に、上記の絶縁板を用いて、以下のようにして、円筒型電池を作製した。
(正極の作製)
まず、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、このコバルト酸リチウム94質量部と、導電剤としてグラファイト3質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを均一に混合して正極合剤を調製した。続いて、正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを得た。この正極合剤スラリーを、正極集電体となるアルミニウム(Al)箔の両面に均一に塗布し、100℃で24時間減圧乾燥した後、ロールプレス機で加圧成形することにより正極活物質層を形成した。この後、正極集電体の露出部分にアルミニウム(Al)製の正極端子を接続した。
(負極の作製)
また、負極活物質として粉砕した黒鉛粉末を用い、この黒鉛粉末90重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10質量部とを均一に混合して負極合剤を調製した。続いて、負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。この負極合剤スラリーを、負極集電体となる銅(Cu)箔の両面に均一に塗布し、120℃で24時間減圧乾燥した後、ロールプレス機で加圧成形することにより負極活物質層を形成した。この後、負極集電体の一端の負極活物質層未形成部にニッケル(Ni)製の正極端子を接続した。
(円筒型電池の組み立て)
続いて、微孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータを用意し、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層したのち、渦巻状に多数回巻回して巻回電極体を作製した。続いて、底部側の絶縁板と電池缶底面との間に負極リードが挟まれるように、絶縁板および巻回電極体を、電池缶の内部に収容した。次に、負極リードの先端部を電池缶の底面に、溶接棒を用いた抵抗溶接により溶接した。負極リードの溶接は、巻回電極体の中空部分に挿入した溶接棒を、絶縁板の中心孔に挿通し、その端面を負極リードを介して電池缶の底面に押しつけることにより行った。次に、巻回電極体の中空にセンターピンを挿入した後、開口部側の絶縁板を所定位置に配置し、その後、正極リードの先端部を安全弁機構に溶接した。
続いて、電池缶の内部に、開口部側の絶縁板の上から電解液を注入した。電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを等質量比で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1mol/Lの含有量で溶解させたものを用いた。続いて、電池缶の開放部に、安全弁、ディスクホルダ、遮断ディスクからなる安全弁機構、PTC素子ならびに電池蓋を絶縁封口ガスケットを介してかしめることにより固定していわゆる18650サイズの円筒型電池を作製した。
<実施例1−2>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状1(図14A)
凸部:有り、凸部の数:1個、
内接円直径B1:1.2mm、基準円直径B2:1.5mm、(センターピン先端部外径C:1.4mm)
式(1):○、式(2):○、式(3):○
<実施例1−3>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状2−1(図14B)
凸部:有り、凸部の数:2個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されていない。
内接円直径B1:1.2mm、基準円直径B2:1.5mm、(センターピン先端部外径C:1.4mm)
式(1):○、式(2):○、式(3):○
<実施例1−4>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状3−1(図14D)
凸部:有り、凸部の数:3個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されていない。
内接円直径B1:1.2mm、基準円直径B2:1.5mm、(センターピン先端部外径C:1.4mm)
式(1):○、式(2):○、式(3):○
<実施例1−5>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状2−2(図14C)
凸部:有り、凸部の数:2個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されている。
内接円直径B1:1.2mm、基準円直径B2:1.5mm、(センターピン先端部外径C:1.4mm)
式(1):○、式(2):○、式(3):○
<実施例1−6>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状3−2(図15A)
凸部:有り、凸部の数:3個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されている。
内接円直径B1:1.2mm、基準円直径B2:1.5mm、(センターピン先端部外径C:1.4mm)
式(1):○、式(2):○、式(3):○
<比較例1−1>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。なお、比較例1−1では、負極リードと電池缶底面との溶接の際に、溶接棒の先端が絶縁板の中心孔を通り抜けることができるようにするため、負極リードと電池缶底面との溶接に用いる溶接棒の先端径を、先端径:1.25mmに変更した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状7(図16D)
凸部:なし
基準円直径B2:1.3mm、(センターピン先端部外径C:1.4mm)
式(1):×、式(3):×
<比較例1−2>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状1(図14A)
凸部:有り、凸部の数:1個、
内接円直径B1:1.0mm、基準円直径B2:1.4mm、(センターピン先端部外径C:1.4mm)
式(1):×、式(2):×、式(3):×
(評価)
実施例1−1〜実施例1−6および比較例1−1〜比較例1−2について、溶接性試験を行った。
(溶接性試験)
溶接性試験として、上述の電池製造工程において、電池缶の底面と負極リードとを溶接した後、引っ張り試験(溶接強度測定)を実施した。引っ張り試験は、以下のように行った。なお、溶接性試験は、各実施例、各比較例について10サンプルずつ行った。
図17に示すように、固体治具601に、負極リード26が溶接された電池缶11の底部を固定した。電池缶11の底面に溶接されていない負極リード26の他端を測定器603((デジタルフォースゲージ(IMADA製、DS2−200N))の固定治具602に固定して、電池缶11の底部を固定した状態で、負極リード26を引っ張った。
以上を行い、下記の基準でOK、NGを判定し、10サンプル中のOK数を確認した。
OK:所定の強度(溶接強度:0.7kgf)以上でも、負極リードが缶底面から外れないおよび溶接時にスパッタ等が発生していない。なお、所定の強度は、民生用の円筒型のリチウムイオン二次電池求められる強度(振動安全試験でリード溶接部が缶底から外れない強度)である。
NG:所定の強度(溶接強度:0.7kgf)未満の強度で、負極リードが缶底面から外れた場合または溶接時にスパッタ等が発生している場合
表1に試験結果を示す。
Figure 2013175338
表1に示すように、実施例1−1〜実施例1−6によれば、中心孔の形状が式(1)を満たす絶縁板を用いているため、中心孔の形状が式(1)を満たさない、比較例1−1〜比較例1−2よりも、負極リードと電池缶底面との溶接性が良好であった。また、実施例1−1と、実施例1−2〜実施例1−6との比較によれば、中心孔の形状が式(1)のみを満たす絶縁板よりも、中心孔の形状が式(1)と共に、式(2)および式(3)を満たす絶縁板を用いた方が、負極リードと電池缶底面との溶接性が良好であった。また、実施例1−1と、実施例1−2〜実施例1−6との比較によれば、中心孔の形状の凸部数が1個よりも、2個以上である方が、負極リードと電池缶底面との溶接性が良好であった。また、実施例1−3〜実施例1−4と、実施例1−5〜実施例1−6との比較によれば、中心孔の形状の凸部が均等間隔で配置されている方が、凸部が均等間隔で配置されていないものよりも、溶接性が良好であった。
(実施例2−1〜実施例2−11)
実施例2−1〜実施例2−11および比較例2−1では、凸部合計面積を適宜変えた場合の特性について評価した。
<実施例2−1>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状1(図14A)
凸部:有り、凸部の数:1個、凸部合計面積:11%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−2>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状2−1(図14B)
凸部:有り、凸部の数:2個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されていない、凸部合計面積:22%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−3>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状2−2(図14C)
凸部:有り、凸部の数:2個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されている、凸部合計面積:22%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−4>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状3−1(図14D)
凸部:有り、凸部の数:3個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されていない、凸部合計面積:33%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−5>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状3−2(図15A)
凸部:有り、凸部の数:3個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されている、凸部合計面積:33%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−6>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状4−1(図15B)
凸部:有り、凸部の数:4個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されていない、凸部合計面積:44%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−7>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状4−2(図15C)
凸部:有り、凸部の数:4個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されている、凸部合計面積:44%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−8>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状5−1(図15D)
凸部:有り、凸部の数:5個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されていない、凸部合計面積:55%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−9>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状5−2(図16A)
凸部:有り、凸部の数:5個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されている、凸部合計面積:55%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−10>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状6−1(図16B)
凸部:有り、凸部の数:6個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されていない、凸部合計面積:66%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例2−11>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状6−2(図16C)
凸部:有り、凸部の数:6個、凸部の配置:凸部は均等な間隔で配置されている、凸部合計面積:66%
なお、内接円直径B1、基準円直径B2、(センターピン先端部外径C)は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<比較例2−1>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状7(図16D)
凸部:なし、凸部の数:0個、凸部合計面積:0%
(評価)
実施例2−1〜実施例2−11および比較例2−1について、「溶接性試験」、「センターピン飛び出し確認」、「生産性評価」を行った。
(溶接性試験)
上記と同様にして、溶接性試験を行った。
(センターピン飛び出し確認)
円筒型電池について、JIS規格にあるJIS C 8712に基づく振動安全性試験を行った後、電池を確認し、下記の基準でセンターピン飛び出し確認を行った。
OK:絶縁板からのセンターピンの飛び出しがない、および、正極リードまたは負極リードに損傷がない。
NG:絶縁材からのセンターピンの飛び出しがある、または、正極リードまたは負極リードに損傷がある。
(生産性評価)
以下の基準で絶縁板の生産性を評価して、10サンプル中のOK数を確認した。
OK:絶縁板の製造工程内で金型打ち抜き性に問題がない。
NG:絶縁板の製造工程内で金型打ち抜き性に問題がある。
なお、金型打ち抜き性に問題があるとは、絶縁板の中心孔を金型で打ち抜いて作製した場合において、凸部の寸法NGや金型寿命が低下し、生産性が低下することである。
評価結果を表2に示す。なお、表2中の判定は以下の基準に基づくものである。(なお、以下の表3、表4でも同様である)
◎:溶接性試験、センターピン飛び出し確認、生産性評価でNGサンプルが1つも生じなかった。
○:溶接性試験のOKサンプル数が2以上、センターピン飛び出し確認OK数2以上またはセンターピン飛び出し確認OK数2以上
×:溶性性試験のOKサンプル数が1以下、センターピン飛び出し確認OK数1以下またはセンターピン飛び出し確認OK数1以下
Figure 2013175338
表2に示すように、絶縁板の中心孔形状の凸部の数が、3個以上5個以下の場合、溶接性がより優れていた。凸部数が1個以上2個以下の場合、溶接棒による溶接の際に、凸部を均一に押し上げることができないためである。また、凸部が互いに等間隔を有している方が、凸部が互いに等間隔を有していないものよりも、溶接性がより優れていた。すなわち、絶縁板の中心孔形状の凸部の数は、溶接性の観点から、3個以上5個以下が好ましく、また、3個以上5個以下の凸部が互いに等間隔を有している方が、より好ましいことがわかった。
(実施例3−1〜実施例3−6)
実施例3−1〜実施例3−6では、凸部の1個当たりの面積、凸部の合計面積を変えて特性を評価した。図18は、実施例3−1〜実施例3−6の中心孔形状を説明するための図である。以下の説明では、適宜、図18を参照する。図18中、凸部T1は、凸部面積が10%未満のものであり、凸部T2は、凸部面積が10%以上20%以下のものであり、凸部T3は、凸部面積が20%超のものである。
<実施例3−1>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:図18に示す凸部T1を3個、均等配置で設けた形状、
合計凸部面積:60%以下
内接円直径B1、基準円直径B2は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例3−2>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:図18に示す凸部T1を7個、均等配置で設けた形状、
合計凸部面積:60%超
内接円直径B1、基準円直径B2は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例3−3>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:図18に示す凸部T2を3個、均等配置で設けた形状、
合計凸部面積:60%以下
内接円直径B1、基準円直径B2は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例3−4>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:図18に示す凸部T2を7個、均等配置で設けた形状、
合計凸部面積:60%超
内接円直径B1、基準円直径B2は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例3−5>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:図18に示す凸部T3を2個、均等配置で設けた形状、
合計凸部面積:60%以下
内接円直径B1、基準円直径B2は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
<実施例3−6>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
材質:PPSの繊維からなる不織布
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:図18に示す凸部T3を3個、均等配置で設けた形状、
合計凸部面積:60%超
内接円直径B1、基準円直径B2は、式(1)〜式(3)を全て満たすように設定した。
(評価)
実施例3−1〜実施例3−6について、上記と同様の「溶接性試験」、「センターピン飛び出し確認」および「生産性評価」を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 2013175338
表3に示すように、実施例3−1〜実施例3−6の比較によれば、凸部1個当たりの凸部面積は、凸部配置面積に対して、10%以上20%以下であることが好ましいことが確認できた。凸部1個当たりの凸部面積が、10%未満では凸部の強度が低下するため、センターピン飛び出しが生じてしまった。一方、凸部1個当たりの凸部面積が20%超であると、凸部の強度が増加することで、凸部を押し上げて溶接し難くなる傾向にあるため、溶接性OK数が減少してしまった。
また、実施例3−1〜実施例3−6の比較によれば、凸部の合計面積は、凸部配置面積に対して、60%以下が好ましいことが確認できた。凸部の合計面積が、60%超であると、凸部の強度が増すことで、凸部を押し上げて溶接し難くなる傾向にあるため、溶接性OK数が減少してしまった。
凸部1個当たりの凸部面積を小さくすれば、凸部数は増やせるが、凸部の強度が低下するため、センターピンの飛び出しが生じやすくなり、凸部1個当たりの凸部面積が大きすぎると、凸部の強度が増加することで、溶接性が悪化してしまう。
凸部1個当たりの凸部面積の最適値が、10%以上20%以下であるため、6個以上の配置が困難になる傾向にある、また、凸部数が増大すると、金型打ち抜き性の低下(寸法NG品が多く生じてしまう)、金型寿命の低下も生じてしまう。
(実施例4−1〜実施例4−3)
<実施例4−1>
下記絶縁板を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(絶縁板)
外径:17.5mm
厚み:0.1mm
中心孔形状:形状3−2
凸部:有り、凸部の数:3個、凸部の配置:均等配置、
内接円直径B1:1.2mm、基準円直径B2:1.5mm、(センターピン先端部外径C:1.4mm)
材質:樹脂(PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド))
式(1):○、式(2):○、式(3):○
<実施例4−2>
材質を不織布(ポリエステルの繊維からなる不織布、PPSの繊維からなる不織布)に変え、その他を実施例4−1と同様にした絶縁板を用いた。以上のこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
<実施例4−3>
材質をセラミックス(アルミナ系セラミックス、ジルコニア系セラミックス)に変え、その他を実施例4−1と同様にした絶縁板を用いた。以上のこと以外は、実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(評価)
実施例4−1〜実施例4−3について、上記と同様の「溶接性試験」、「センターピン飛び出し確認」および「生産性評価」を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 2013175338
表4に示すように、溶接性、生産性の観点から、絶縁板の材質は、熱可塑性樹脂、不織布が好ましいことが確認できた。絶縁板の材質がセラミックスでは、溶接時の凸部が押し上げ難くなり溶性性も悪く、また、金型打ち抜きが困難であるため、生産性も悪かった。
4.他の実施の形態
本技術は、上述した本技術の実施の形態に限定されるものでは無く、本技術の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、構造、形状、材料、原料、製造プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、形状、材料、原料、製造プロセスなどを用いてもよい。
また、上述の実施の形態および実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
例えば、実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムまたはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる電池についても、本技術を適用することができる。
上述の実施の形態では、電極体は、正極および負極と、正極および負極との間に正極と負極との短絡を防止するセパレータとを含むものであるが、セパレータの代わりに、ゲル状電解質や固体電解質などのイオン伝導体を用いてもよい。また、電極体は、セパレータと共に、電解液により高分子化合物が膨潤されたゲル状電解質や固体電解質などのイオン伝導体を含んでいてもよい。さらに、二次電池に限定されず、一次電池にも適用可能である。絶縁板の中心孔の位置は、厳密な意味での絶縁板の中心でなくてもよい。
本技術は、以下の構成をとることもできる
[1]
巻回された正極および負極を含む巻回電極体と、
上記巻回電極体の中空にあるセンターピンと、
上記巻回電極体および上記センターピンが収容された外装缶と、
厚さ方向に貫通する孔が形成された絶縁板と
を備え、
上記絶縁板は、上記孔の壁面が該孔の中心側に突出した1以上の凸部を有し、
上記凸部が接する内接円の直径をB1、基準円の直径をB2、上記センターピンの先端部外径をCとした場合、下記式(1)の関係を満たす電池。
式(1)
B1<C<B2
(式中、B1:凸部が接する内接円の直径、B2:基準円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
[2]
上記絶縁板は、上記式(1)と共に、下記式(2)および下記式(3)の関係を満たす[1]に記載の電池。
式(2)
0.75≦B1/C≦0.95
(式中、B1:接する内接円の直径、B2:基準円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
式(3)
1.05≦B2/C≦1.25
(式中、B1:接する内接円の直径、B2:基準円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
[3]
上記絶縁板は、互いに等間隔を有する上記凸部を2以上有する[1]〜[2]の何れかに記載の電池。
[4]
上記凸部の数は、3個以上5個以下である[1]〜[3]の何れかに記載の電池。
[5]
上記凸部の1個当たりの面積は、上記凸部の配置面積に対して、10%以上20%以下である[1]〜[4]の何れかに記載の電池。
[6]
上記凸部の合計面積は、上記凸部の配置面積に対して、60%以下である[1]〜[5]の何れかに記載の電池。
[7]
上記絶縁板の材料は、不織布または熱可塑性樹脂である[1]〜[7]の何れかに記載の電池。
[8]
上記不織布は、ポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維およびポリブチレンテレフタレート繊維のうちの少なくとも1種である[7]に記載の電池。
[9]
上記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂およびポリフェニレンサルファイド樹脂のうちの少なくとも1種である[7]に記載の電池。
[10]
上記絶縁板の厚さは、0.05mm以上1mm以下である[1]〜[9]の何れかに記載の電池。
[11]
上記センターピンは、両端にテーパ部を有する[1]〜[10]の何れかに記載の電池。
[12]
上記巻回電極体は、上記正極と上記負極との間にあるセパレータをさらに備えた[1]〜[11]の何れかに記載の電池。
[13]
[1]に記載の電池と、
上記電池について制御する制御部と、
上記電池を内包する外装を有する電池パック。
[14]
[1]に記載の電池を有し、
上記電池から電力の供給を受ける電子機器。
[15]
[1]に記載の電池と、
前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
上記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を有する電動車両。
[16]
[1]に記載の電池を有し、
上記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
[17]
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え
上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記電池の充放電制御を行う[16]に記載の蓄電装置。
[18]
[1]に記載の電池から電力の供給を受け、または、発電装置若しくは電力網から上記電池に電力が供給される電力システム。
11・・・電池缶、12・・・絶縁板、13・・・絶縁板、13a・・・中心孔、13b・・・凸部、14・・・電池蓋、15・・・安全弁機構、15A・・・ディスク板、16・・・熱感抵抗素子、17・・・ガスケット、20・・・巻回電極体、21・・・正極、21A・・・正極集電体、21B・・・正極活物質層、22・・・負極、2A・・・負極集電体、22B・・・負極活物質層、23・・・セパレータ、24・・・センターピン、25・・・正極リード、26・・・負極リード、301・・・組電池、301a・・・二次電池、302・・・充電制御スイッチ、302a・・・充電制御スイッチ、302b・・・ダイオード、303a・・・放電制御スイッチ、303b・・・ダイオード、304・・・スイッチ部、307・・・電流検出抵抗、308・・・温度検出素子、310・・・制御部、311・・・電圧検出部、313・・・電流測定部、314・・・スイッチ制御部、317・・・メモリ、318・・・温度検出部、321・・・正極端子、322・・・負極端子、400・・・蓄電システム、401・・・住宅、402・・・集中型電力系統、402a・・・火力発電、402b・・・原子力発電、402c・・・水力発電、403・・・蓄電装置、404・・・発電装置、405・・・電力消費装置、405a・・・冷蔵庫、405b・・・空調装置、405c・・・テレビジョン受信機、405d・・・風呂、406・・・電動車両、406a・・・電気自動車、406b・・・ハイブリッドカー、406c・・・電気バイク、407・・・スマートメータ、408・・・パワーハブ、409・・・電力網、410・・・制御装置、411・・・センサ、412・・・情報網、413・・・サーバ、500・・・ハイブリッド車両、501・・・エンジン、502・・・発電機、503・・・電力駆動力変換装置、504a・・・駆動輪、504b・・・駆動輪、505a・・・車輪、505b・・・車輪、508・・・バッテリー、509・・・車両制御装置、510・・・各種センサ、511・・・充電口

Claims (18)

  1. 巻回された正極および負極を含む巻回電極体と、
    上記巻回電極体の中空にあるセンターピンと、
    上記巻回電極体および上記センターピンが収容された外装缶と、
    厚さ方向に貫通する孔が形成された絶縁板と
    を備え、
    上記絶縁板は、上記孔の壁面が該孔の中心側に突出した1以上の凸部を有し、
    上記凸部が接する内接円の直径をB1、基準円の直径をB2、上記センターピンの先端部外径をCとした場合、下記式(1)の関係を満たす電池。
    式(1)
    B1<C<B2
    (式中、B1:凸部が接する内接円の直径、B2:基準円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
  2. 上記絶縁板は、上記式(1)と共に、下記式(2)および下記式(3)の関係を満たす請求項1に記載の電池。
    式(2)
    0.75≦B1/C≦0.95
    (式中、B1:接する内接円の直径、B2:基準円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
    式(3)
    1.05≦B2/C≦1.25
    (式中、B1:接する内接円の直径、B2:基準円の直径、C:センターピンの先端部外径である。)
  3. 上記絶縁板は、互いに等間隔を有する上記凸部を2以上有する請求項1に記載の電池。
  4. 上記凸部の数は、3個以上5個以下である請求項1に記載の電池。
  5. 上記凸部の1個当たりの面積は、上記凸部の配置面積に対して、10%以上20%以下である請求項1に記載の電池。
  6. 上記凸部の合計面積は、上記凸部の配置面積に対して、60%以下である請求項1に記載の電池。
  7. 上記絶縁板の材料は、不織布または熱可塑性樹脂である請求項1に記載の電池。
  8. 上記不織布は、ポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維およびポリブチレンテレフタレート繊維のうちの少なくとも1種である請求項7に記載の電池。
  9. 上記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂およびポリフェニレンサルファイド樹脂のうちの少なくとも1種である請求項7に記載の電池。
  10. 上記絶縁板の厚さは、0.05mm以上1mm以下である請求項1に記載の電池。
  11. 上記センターピンは、両端にテーパ部を有する請求項1に記載の電池。
  12. 上記巻回電極体は、上記正極と上記負極との間にあるセパレータをさらに備えた請求項1に記載の電池。
  13. 請求項1に記載の電池と、
    上記電池について制御する制御部と、
    上記電池を内包する外装を有する電池パック。
  14. 請求項1に記載の電池を有し、
    上記電池から電力の供給を受ける電子機器。
  15. 請求項1に記載の電池と、
    前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
    上記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
    を有する電動車両。
  16. 請求項1に記載の電池を有し、
    上記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
  17. 他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え
    上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記電池の充放電制御を行う請求項16に記載の蓄電装置。
  18. 請求項1に記載の電池から電力の供給を受け、または、発電装置若しくは電力網から上記電池に電力が供給される電力システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109755589A (zh) * 2019-01-21 2019-05-14 南平华孚电器有限公司 一种防漏、方便组装的碱性环保锌锰电池双节集流体

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