JP2013225388A - 電池および電解質、並びに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム - Google Patents

電池および電解質、並びに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム Download PDF

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Abstract

【課題】高温下および低温下における特性を向上できる電池および電解質、並びに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムを提供する。
【解決手段】電池は、正極と、負極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解液を有する電解質とを備え、非水溶媒は、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含み、電解質塩は、式(1):M+[(ZY)2N]-で表される化合物の少なくとも1種を含むものである。
【選択図】図1

Description

本技術は、電池および電解質、並びに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムに関する。
近年、二次電池では、高性能化の要求がますます高くなっており、高容量、高出力、高温保存特性、サイクル特性、高安全性等の電池特性を高い水準で達成することが求められている。
二次電池では、鎖状炭酸エステルと環状炭酸エステルとを混合した混合溶媒を主成分とする電解液が、最も汎用的に使用されている。しかしながら、上記混合溶媒を主成分とする電解液では、低温下および高温下において電池特性が不十分な点がある。このため、非水溶媒として、低粘度でありイオン伝導度が大きい鎖状エーテルを用いること等によって、電解液を改質することで、低温下および高温下の電池特性を改善することが提案されている。
例えば、特許文献1には、正極活物質としてリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を含む正極と、炭酸エチレンおよび鎖状エーテルの混合溶媒を含む電解液とを備えた二次電池が記載されている。
特許文献2には、正極活物質としてリチウム含有リン酸化合物を含む正極と、鎖状エーテルおよび環状炭酸エステルを含む電解液とを備えた非水系電解液電池が記載されている。
特許文献3には、フッ素化環状炭酸エステルを含む溶媒と、リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド{(FO2S−N−SO2F)Li、LiFSIと称する場合もある}とを含む二次電池用電解液が記載されている。
特許文献4には、ラクトンからなる非水溶媒と、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドとを含む非水電解質が記載されている。
特開2006−236809号公報 特開2011−096643号公報 特開2010−129449号公報 特開2004−165151号公報
電池では、高温下および低温下における特性を向上することが求められている。
したがって、本技術の目的は、高温下および低温下における特性を向上できる電池および電解質、並びに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本技術は、正極と、負極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解液を有する電解質とを備え、非水溶媒は、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含み、電解質塩は、式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含む電池である。
Figure 2013225388
(式中、Mは1価のカチオンである。YはSO2またはCOである。各置換基Zは、独立して、フッ素原子、または少なくとも1つの重合可能な官能基を含んでもよく、かつ、ペルフルオロ化されていてもよい有機基である。置換基Zの少なくとも1つはフッ素原子である。)
本技術は、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含む非水溶媒と、式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含む電解質塩とを含む電解液を有する電解質である。
また、本技術の電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムは、上述の電池を備えることを特徴とする。
本技術では、電解質が、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含む非水溶媒と、式(1)で表される化合物を含む電解質塩の少なくとも1種とを有する。これにより、高温下および低温下での特性を向上できる。
本技術によれば、高温下および低温下における特性を向上できる。
図1は、本技術の実施の形態による非水電解質電池の構成例を示す断面図である。 図2は、図1に示した巻回電極体の一部を拡大して示す断面図である。 図3は、本技術の実施の形態による非水電解質電池の構成例を示す分解斜視図である。 図4は、図3に示した巻回電極体の断面図である。 図5Aは、本技術の非水電解質電池の外観を示す斜視図である。図5Bは、非水電解質電池の構成を示す斜視分解図である。図5Cは、図5Aに示す非水電解質電池の下面の構成を示す斜視図である。 図6Aは、正極の構成例を示す斜視図である。図6Bは、正極の構成例を示す斜視図である。図6Cは、負極の構成例を示す斜視図である。図6Dは、負極の構成例を示す斜視図である。 図7Aは、本技術の積層電極体の構成例を示す斜視図である。図7Bは、本技術の電池素子の構成例を示す断面図である。図7Cは、本技術の積層電極体の構成例を示す斜視図である。 図8は、図5Aの非水電解質電池のa−a’断面を示す断面図である。 図9A〜図9Eは、本技術の積層電極体の電極タブのU字曲げ工程を示す工程図である。 図10A〜図10Eは、本技術の積層電極体の電極タブのU字曲げ工程を示す工程図である。 図11A〜図11Cは、本技術の積層電極体の電極タブと電極リードとの接続工程を示す工程図である。 図12A〜図12Dは、本技術の積層電極体と接続した電極リードの折り曲げ工程を示す工程図である。 図13A〜図13Bは、本技術の非水電解質電池を用いたバッテリユニットの構成を示す斜視図である。 図14は、本技術の非水電解質電池を用いたバッテリユニットの構成を示す分解斜視図である。 図15は、本技術の非水電解質電池を用いたバッテリモジュールの構成を示す斜視図である。 図16は、本技術の非水電解質電池を用いたバッテリモジュールの構成を示す斜視図である。 図17Aは、並列ブロックの構成例を示す斜視図である。図17Bは、並列ブロックの構成例を示す断面図である。 図18A〜図18Bは、モジュールケースの構成例を示す略線図である。 図19は、本技術の実施の形態による電池パックの構成例を示すブロック図である。 図20は、本技術の非水電解質電池を用いた住宅用の蓄電システムに適用した例を示す概略図である。 図21は、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す概略図である。
以下、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(電池の第1の例)
2.第2の実施の形態(電池の第2の例)
3.第3の実施の形態(電池の第3の例)
4.第4の実施の形態(電池の第4の例)
5.第5の実施の形態(バッテリモジュール等の例)
6.第6の実施の形態(電池を用いた電池パックの例)
7.第7の実施の形態(電池を用いた蓄電システム等の例)
8.他の実施の形態(変形例)
1.第1の実施の形態
(電池の構成)
本技術の第1の実施の形態による非水電解質電池について図1および図2を参照しながら説明する。図1は、本技術の第1の実施の形態による非水電解質電池の断面構成を示す。図2は、図1に示す巻回電極体20の一部を拡大して示す。この非水電解質電池は、例えば、充電および放電可能な二次電池であり、例えば、負極22の容量が電極反応物質であるリチウムの吸蔵および放出に基づいて表されるリチウムイオン二次電池である。
この非水電解質電池は、主に、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層および巻回された巻回電極体20と、一対の絶縁板12,13とが収納されたものである。この円柱状の電池缶11を用いた電池構造は、円筒型と呼ばれている。
電池缶11は、例えば、一端部が閉鎖されると共に他端部が開放された中空構造を有していると共に、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)またはそれらの合金等により構成されている。なお、電池缶11が鉄により構成される場合には、例えば、電池缶11の表面にニッケル(Ni)等が鍍金されていてもよい。一対の絶縁板12、13は、巻回電極体20を上下から挟み、その巻回周面に対して垂直に延在するように配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient:PTC素子)16がガスケット17を介してかしめられており、その電池缶11は、密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15および熱感抵抗素子16は、電池蓋14の内側に設けられている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されている。この安全弁機構15では、内部短絡、または外部からの加熱等に起因して内圧が一定以上となった場合に、ディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との間の電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度の上昇に応じて抵抗が増大する(電流を制限する)ことにより、大電流に起因する異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、その表面には、例えば、アスファルトが塗布されている。
巻回電極体20は、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層および巻回されたものである。この巻回電極体20の中心には、センターピン24が挿入されていてもよい。巻回電極体20では、アルミニウム等により構成された正極リード25が正極21に接続されていると共に、ニッケル等により構成された負極リード26が負極22に接続されている。正極リード25は、安全弁機構15に溶接等されて電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は、電池缶11に溶接等されて電気的に接続されている。
(正極)
正極21は、例えば、一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられたものである。ただし、正極活物質層21Bは、正極集電体21Aの片面だけに設けられていてもよい。
正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルまたはステンレス等の金属材料によって構成されている。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤等の他の材料を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物等のリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(I)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(II)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩(リチウムリン酸化合物)等が挙げられる。リチウム含有化合物としては、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(III)、式(IV)もしくは式(V)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(VI)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物、または式(VII)若しくは式(VIII)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩等が挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1,0<c2<1)、LidMn24(d≒1)あるいはLieFePO4(e≒1)等がある。
LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z ・・・(I)
(式中、M1は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。Xは、酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、r、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。)
LiaM2bPO4 ・・・(II)
(式中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。)
LifMn(1-g-h)NigM3h(2-j)k ・・・(III)
(式中、M3は、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。f、g、h、jおよびkは、0.8≦f≦1.2、0<g<0.5、0≦h≦0.5、g+h<1、−0.1≦j≦0.2、0≦k≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、fの値は完全放電状態における値を表している。)
LimNi(1-n)M4n(2-p)q ・・・(IV)
(式中、M4は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。m、n、pおよびqは、0.8≦m≦1.2、0.005≦n≦0.5、−0.1≦p≦0.2、0≦q≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、mの値は完全放電状態における値を表している。)
LirCo(1-s)M5s(2-t)u ・・・(V)
(式中、M5は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。r、s、tおよびuは、0.8≦r≦1.2、0≦s<0.5、−0.1≦t≦0.2、0≦u≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、rの値は完全放電状態における値を表している。)
LivMn2-wM6wxy ・・・(VI)
(式中、M6は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、xおよびyは、0.9≦v≦1.1、0≦w≦0.6、3.7≦x≦4.1、0≦y≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。)
LixM7PO4 ・・・(VII)
(式中、M7は、元素の周期表の第4周期の4族〜11族の遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である。xは0<x<1.2の範囲内の値である。)
LizM8PO4 ・・・(VIII)
(式中、M8は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。zは、0.9≦z≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、上記リチウム含有化合物のいずれかよりなる芯粒子の表面を、他のリチウム含有化合物のいずれかよりなる微粒子または炭素材料等で被覆した複合粒子を用いてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、これらの他にも、MnO2、V25、V613、NiS、MoS等のリチウムを含まない無機化合物も挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記で例示した正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムまたはエチレンプロピレンジエン等の合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデン等の高分子材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料または導電性高分子等であってもよい。
(負極)
負極22は、例えば、一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられたものである。ただし、負極活物質層22Bは、負極集電体22Aの片面だけに設けられていてもよい。
負極集電体22Aは、例えば、銅、ニッケルまたはステンレス等の金属材料によって構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤等の他の材料を含んでいてもよい。この負極活物質層22Bでは、例えば、充放電時において意図せずにリチウム金属が析出することを防止するために、負極材料の充電可能な容量は正極21の放電容量よりも大きくなっていることが好ましい。なお、結着剤および導電剤は、それぞれ正極で説明したものと同様のものを用いることができる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料が挙げられる。この炭素材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、MCMB(メソカーボンマイクロビーズ)等の人造黒鉛、天然黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、カーボンブラック類、炭素繊維あるいは活性炭が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークス等がある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。
上述の炭素材料の他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が挙げられる。高いエネルギー密度が得られるからである。このような負極材料は、金属元素または半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本技術における「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。また、「合金」は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、またはそれらの2種以上が共存するものがある。
上記した金属元素または半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素または半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)等である。中でも、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種が好ましく、ケイ素がより好ましい。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。
ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を有する負極材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金または化合物や、スズの単体、合金または化合物や、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物またはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)または炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上記した第2の構成元素を含んでいてもよい。
特に、ケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも1種を含む負極材料としては、例えば、スズ(Sn)を第1の構成元素とし、そのスズ(Sn)に加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。勿論、この負極材料を上記した負極材料と共に用いてもよい。第2の構成元素は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、インジウム(In)、セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)およびケイ素(Si)からなる群のうちの少なくとも1種である。第3の構成元素は、ホウ素(B)、炭素(C)、アルミニウム(Al)およびリン(P)からなる群のうちの少なくとも1種である。第2の元素および第3の元素を含むことにより、サイクル特性が向上するからである。
中でも、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を構成元素として含み、炭素(C)の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下の範囲内、スズ(Sn)およびコバルト(Co)の合計に対するコバルト(Co)の割合(Co/(Sn+Co))が30質量%以上70質量%以下の範囲内であるSnCoC含有材料が好ましい。このような組成範囲において、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られるからである。
このSnCoC含有材料は、必要に応じて、さらに他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ガリウム(Ga)またはビスマス(Bi)等が好ましく、それらの2種以上を含んでいてもよい。容量特性またはサイクル特性がさらに向上するからである。
なお、SnCoC含有材料は、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、SnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素あるいは半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下は、スズ(Sn)等が凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集または結晶化が抑制されるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えば、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。このXPSでは、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、グラファイトであれば、炭素の1s軌道(C1s)のピークは284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば、炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素(C)の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPSでは、例えば、スペクトルのエネルギー軸の補正に、C1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPSにおいて、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば、市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な金属酸化物または高分子化合物等も挙げられる。金属酸化物とは、例えば、チタン酸リチウム(Li4Ti512)、酸化鉄、酸化ルテニウムまたは酸化モリブデン等であり、高分子化合物とは、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンまたはポリピロール等である。
なお、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記の負極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
負極活物質層22Bは、例えば、気相法、液相法、溶射法、焼成法、または塗布のいずれにより形成してもよく、それらの2以上を組み合わせてもよい。負極活物質層22Bを気相法、液相法、溶射法若しくは焼成法、またはそれらの2種以上の方法を用いて形成する場合には、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとが界面の少なくとも一部において合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体22Aの構成元素が負極活物質層22Bに拡散し、あるいは負極活物質層22Bの構成元素が負極集電体22Aに拡散し、またはそれらの構成元素が互いに拡散し合っていることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層22Bの膨張および収縮による破壊を抑制することができると共に、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとの間の電子伝導性を向上させることができるからである。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法または化学堆積法、具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD; Chemical Vapor Deposition)法またはプラズマ化学気相成長法等が挙げられる。液相法としては、電気鍍金または無電解鍍金等の公知の手法を用いることができる。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質を結着剤等と混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、結着剤等の融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法またはホットプレス焼成法が挙げられる。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレン等の合成樹脂からなる多孔質膜や、セラミックからなる多孔質膜等によって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜が積層されたものであってもよい。このセパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。
セパレータ23は、正極21と負極22との間に設置されるイオンが移動可能な絶縁層である。正極21と負極22との間に設置されるイオンが移動可能な絶縁層とは、狭義の意味では、上述したセパレータ23のような、正極21と負極22とを電気的絶縁性で隔離し、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらイオンを通過させる層をいう。
なお、正極21と負極22の間に設置されるイオンが移動可能な絶縁層は、セパレータ23の他にも、単独種または複数種のイオンのみを選択的に透過するガラスセラミックス等の固体電解質も含まれる。セパレータ23の代わりに、固体電解質を使用してもよい。この場合、固体電解質は、多孔質膜である必要はない。
(電解液)
電解液は、液状の電解質であり、非水溶媒および電解質塩を含む。電解液は、電解質塩として、式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含むと共に、非水溶媒として、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含む。
本技術では、電解液が、式(1)で表される化合物の少なくとも1種と共に、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むことによって、高温下および低温下のサイクル特性、高レート特性等の電池特性を改善できる。
式(1)で表される化合物は、熱安定性が高い電解質塩であるため、高温時において電解質塩の分解等によって生じる非水溶媒の分解を抑制することができる。例えば、電解質塩としてLiPF6を含む電解液では、高温時に、LiPF6の分解によって発生するフッ化水素が非水溶媒を分解し、電池特性を劣化させる要因になっていた。
これに対して、本技術の電解液のように、電解質塩として式(1)で表される化合物を含有すれば、より分解されやすい鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを使用することができる。このため、低粘度の鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルによる電気伝導率の向上等の効果を効果的に得ることができる。この結果、高温下および低温下の電池特性を改善することができる。なお、例えば、鎖状カルボン酸エステルは、炭酸ジメチル(DMC)等の低粘度の鎖状炭酸エステルより、より低粘度であるため、例えば、鎖状カルボン酸エステルと式(1)で表される化合物との併用は、炭酸ジメチル(DMC)等の低粘度の鎖状炭酸エステルと式(1)で表される化合物との併用より、より効果が大きい。
電解液は、式(1)で表される化合物以外の他の電解質塩を含んでいてもよい。電解液は、鎖状カルボン酸エステルおよび環状エーテル以外の他の非水溶媒を含んでいてもよい。電解液は、式(1)で表される化合物、他の電解質塩、鎖状カルボン酸エステルおよび環状エーテル、並びに他の溶媒以外の他の化合物を含んでいてもよい。
(電解質塩)
電解液は、電解質塩として、式(1)で表される化合物(電解質塩)の少なくとも1種を含む。
Figure 2013225388
(式中、Mは1価のカチオンである。YはSO2またはCOである。各置換基Zは、独立して、フッ素原子、または少なくとも1つの重合可能な官能基を含んでもよく、かつ、ペルフルオロ化されていてもよい有機基である。置換基Zの少なくとも1つはフッ素原子である。)
式(1)で表される化合物は、熱安定性が高い。例えば、汎用されている電解質塩であるLiPF6に比べて、熱安定性が高い。また、式(1)で表される化合物を含む電解液を用いた電池では、良好な被膜が形成されるため、イオン伝導性を向上できる。
式(1)で表される化合物としては、例えば、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ノナフルオロブチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(フェニルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロフェニルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ビニルスルホニル)イミド等が挙げられ。これらのリチウム塩は、単独または2種類以上を混合して用いることができる。
(式(1)で表される化合物の含有量)
式(1)で表される化合物の含有量は、より優れた効果が得られる点から、電解液に対して、例えば、0.1mol/L以上1.5mol/L以下であることが好ましく、0.1mol/L以上1.0mol/L以下であることがより好ましい。
(他の電解質塩)
電解液は、電解質塩として、式(1)で表される化合物以外の他の電解質塩を含有していてもよい。他の電解質塩としては、例えば、式(1)で表される化合物以外の他の軽金属塩の1種または2種以上が挙げられる。
他の軽金属塩としては、具体的に、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム、六フッ化ヒ酸リチウム、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C654)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)または臭化リチウム(LiBr)、リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド(LiTFSI)等のリチウム塩等が挙げられる。中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、六フッ化リン酸リチウムがより好ましい。電解液の抵抗が低下するからである。
(非水溶媒)
電解液は、非水溶媒として、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含む。なお、鎖状カルボン酸エステルには、炭素、水素、酸素のみの鎖状カルボン酸エステルの水素をハロゲン等の置換基で置換した鎖状カルボン酸エステル誘導体等も含まれる。環状エーテルには、炭素、水素、酸素のみの環状エーテルの水素をハロゲン等の置換基で置換した環状エーテル誘導体等も含まれる。
(鎖状カルボン酸エステル)
鎖状カルボン酸エステルとしては、例えば、式(2)で表される化合物(鎖状カルボン酸エステル)等が挙げられる。
Figure 2013225388
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または、ハロゲン化アルキル基である。)
式(2)において、アルケニル基は、例えば、炭素数2以上6以下のアルケニル基である。式(2)において、アルキニル基は、例えば、炭素数2以上6以下のアルキニル基である。
式(2)で表される化合物としては、より優れた効果が得られる点から、炭素数が4以上7以下であるものが好ましい。R1およびR2は、より優れた効果が得られる点から、それぞれ、炭素数が3以下であること好ましい。式(2)で表される化合物は、より優れた効果が得られる点から、炭素数が4以上7以下であると共に、R1およびR2が、それぞれ、炭素数が3以下であることがより好ましい。
式(2)で表される化合物としては、具体的に、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸−t−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸−n−プロピル、酪酸イソプロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸−n−プロピル、またはイソ酪酸イソプロピル等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等が、粘度低下によってイオン伝導度をより向上できる点からより好ましい。中でも、分子量が小さすぎると化合物の安定性が弱く、分子量が大きすぎると粘度が高くなり、アシル基(R1−CO−)の炭素数より、R2の炭素数が大きいと、分解されやすくなるため、プロピオン酸メチルまたはプロピオン酸エチルが特に好ましい。
(鎖状カルボン酸エステルの含有量)
鎖状カルボン酸エステルの含有量は、例えば、非水溶媒の合計体積に対して、10体積%以上70体積%以下であることが好ましく、10体積%以上60体積%以下であることがより好ましく、20体積%以上50体積%以下であることが特に好ましい。鎖状カルボン酸エステルの含有量が、10体積%未満の場合、電気伝導率の上昇効果が低減する傾向にある。鎖状カルボン酸エステルの含有量が、70体積%を超えると、負極抵抗の増大や放電負荷特性の低下、サイクル特性が低下する傾向がある。
(環状エーテル)
環状エーテルとしては、例えば、式(3)〜式(5)で表される化合物(環状エーテル)のうちの少なくとも1種が挙げられる。
Figure 2013225388
(式中、R3〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2013225388
(式中、R7〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2013225388
(式中、R11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
式(3)〜式(5)で表される化合物の少なくとも1種は、より優れた効果が得られる点から、炭素数が4以上7以下であるものが好ましい。
式(3)で表される化合物としては、1,3−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、2,2−ジエチル−1,3−ジオキサン等、またはこれらのフッ素化合物等が挙げられる。式(4)で表される化合物としては、1,4−ジオキサン等、またはこれらのフッ素化合物等が挙げられる。式(5)で表される化合物としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン等、またはこれらのフッ素化合物等が挙げられる。これらの中でも、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等が、粘性が低く、かつリチウムイオンへの溶媒和能力が高いことからイオン解離性を向上させることから、高いイオン伝導度を与えるため、特に好ましい。
(環状エーテルの含有量)
環状エーテルの含有量は、非水溶媒の合計体積に対して、例えば、10体積%以上70体積%以下であることが好ましく、10体積%以上60体積%以下であることがより好ましく、20体積%以上50体積%以下であることが特に好ましい。環状エーテルの含有量が、10体積%未満の場合、電気伝導率の上昇効果が低減する傾向にあり、70体積%を超える場合、負極抵抗の増大や放電負荷特性低下、サイクル特性が低下する傾向がある。
(他の非水溶媒)
電解液は、非水溶媒として、上述した鎖状カルボン酸エステルおよび環状エーテル以外の他の非水溶媒を含有していてもよい。
(炭酸エステル、フッ素化炭酸エステル)
他の非水溶媒としては、例えば、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルの少なくとも1種等の炭酸エステル、フッ素化炭酸エステル等のハロゲン化炭酸エステル等が挙げられる。フッ素化炭酸エステルは、炭酸エステルの水素の一部をフッ素で置換したものであり、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DFEC)等の炭酸エチレンの一部の水素をフッ素で置換したフッ化炭酸エチレン等が挙げられる。
他の非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、フッ化炭酸エチレン、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)および炭酸エチルメチル(EMC)からなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。十分な効果が得られるからである。
他の非水溶媒としては、特に、高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)である炭酸エチレン(EC)または炭酸プロピレン(PC)と、低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)である炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)または炭酸エチルメチル(EMC)とを混合して含むものが好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するため、より高い効果が得られるからである。
また、他の非水溶媒が炭酸エチレン(EC)を含む場合、他の非水溶媒としては、炭酸エチレン(EC)と共に、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルメチル(EMC)等の鎖状の炭酸エステル(低粘度溶媒)を含むことが好ましい。炭酸エチレン(EC)と鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルとは、相溶性が低いため、相溶性を高める点から好ましいからである。
(他の化合物)
電解液は、上述した非水溶媒および電解質塩以外の他の化合物を1種以上含有していてもよい。他の化合物としては、不飽和環状炭酸エステル、ニトリル化合物またはスルホン酸エステル化合物等が挙げられる。
(不飽和環状炭酸エステル)
電解液は、不飽和環状炭酸エステルを含有していてもよい。不飽和環状炭酸エステルは、不飽和結合を有する環状炭酸エステルである。不飽和結合環状炭酸エステルとしては、例えば、炭酸ビニレン系化合物等が挙げられる。炭酸ビニレン系化合物としては、例えば、炭酸ビニレン{1,3−ジオキソール−2−オン(ビニレンカーボネートともいう)}、炭酸メチルビニレン(4−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、炭酸エチルビニレン(4−エチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4,5−ジエチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソール−2−オン、または4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソール−2−オン等が挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、炭酸ビニレンが好ましい。容易に入手可能であると共に、高い効果が得られるからである。
(ニトリル化合物)
ニトリル基を有するニトリル化合物としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ヘキサンニトリル、オクタンニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、2−メチルグルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、セバコニトリル、1,2,3−プロパントリカルボニトリル、1,2,3−トリス(2−シアノエトキシ)プロパン、1,3,5−シクロヘキサントリカルボニトリル、1,3,5−ペンタントリカルボニトリル、tert−ブチルマロノニトリル、マロノニトリル、3,3’−オキシジプロピオニトリル、3,3’−チオジプロピオニトリル、1,2−ジシアノベンゼン、1,3−ジシアノベンゼンまたは1,4−ジシアノベンゼン等が挙げられる。これらのニトリル化合物は、1種で用いても2種以上を混合して用いても良い。
ニトリル化合物としては、比較的低分子量のニトリル化合物の方が電解液への溶解性、増粘抑制の観点から好ましく、具体的には、例えばアジポニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル等が好ましい。
(スルホン酸エステル類)
電解液は、電池のより長寿命化を達成する点から、スルホン酸エステル類(スルホン酸エステル化合物)を含んでいてもよい。スルホン酸エステル類としては、例えば、炭素数3以上6以下の環状スルホン酸エステル等の環状スルホン酸エステル、または、炭素数1以上4以下の鎖状スルホン酸エステル等の鎖状スルホン酸エステルが挙げられる。
炭素数3以上6以下の環状スルホン酸エステルとしては、1,3−プロパンスルトン、1−メチル−1,3−プロパンスルトン、2−メチル−1,3−プロパンスルトン、3−メチル−1,3−プロパンスルトン、1−エチル−1,3−プロパンスルトン、2−エチル−1,3−プロパンスルトン、3−エチル−1,3−プロパンスルトン、1−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、2−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、3−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1−メチル−1,4−ブタンスルトン、2−メチル−1,4−ブタンスルトン、3−メチル−1,4−ブタンスルトン、4−メチル−1,4−ブタンスルトン、1−エチル−1,4−ブタンスルトン、2−エチル−1,4−ブタンスルトン、3−エチル−1,4−ブタンスルトン、4−エチル−1,4−ブタンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトン、1−フルオロ−1−プロペン−1,3−スルトン、2−フルオロ−1−プロペン−1,3−スルトン、3−フルオロ−1−プロペン−1,3−スルトン、1,4−ブタンスルトン、または1−ブテン−1,4−スルトン、3−ブテン−1,4−スルトン等が挙げられる。これらは、1種で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、1,3−プロパンスルトン、1−メチル−1,3−プロパンスルトン、2−メチル−1,3−プロパンスルトン、3−メチル−1,3−プロパンスルトン、1−エチル−1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1−メチル−1,4−ブタンスルトン、2−メチル−1,4−ブタンスルトン、3−メチル−1,4−ブタンスルトン、4−メチル−1,4−ブタンスルトン、若しくは、1−プロペン−1,3−スルトン等、またはこれらの2種以上の混合物が、電極表面との相互作用による電極界面保護能が高く、保存特性やサイクル耐久性を向上できる点から、より好ましい。
(電池の製造方法)
この非水電解質電池は、例えば、以下の製造方法によって製造される。
(正極の製造)
まず、正極21を作製する。最初に、正極活物質と、結着剤と、導電剤とを混合して正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータ等によって正極集電体21Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機等によって塗膜を圧縮成型して正極活物質層21Bを形成する。この場合には、圧縮成型を複数回に渡って繰り返してもよい。
(負極の製造)
次に、負極22を作製する。最初に、負極材料と、結着剤と、必要に応じて導電剤とを混合して負極合剤としたのち、これを有機溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータ等によって負極集電体22Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機等によって塗膜を圧縮成型して負極活物質層22Bを形成する。
なお、負極22は以下のようにして製造してもよい。最初に、電解銅箔等からなる負極集電体22Aを準備したのち、蒸着法等の気相法によって負極集電体22Aの両面に負極材料を堆積させて、複数の負極活物質粒子を形成する。こののち、必要に応じて、液相析出法等の液相法によって酸化物含有膜を形成し、または電解鍍金法等の液相法によって金属材料を形成し、または双方を形成することにより、負極活物質層22Bを形成する。
(電池の組み立て)
非水電解質電池の組み立ては、以下のようにして行う。最初に、正極集電体21Aに正極リード25を溶接等して取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接等して取り付ける。続いて、セパレータ23を介して正極21と負極22とを積層および巻回させて巻回電極体20を作製したのち、その巻回中心にセンターピン24を挿入する。続いて、一対の絶縁板12、13で挟みながら巻回電極体20を電池缶11の内部に収納すると共に、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接し、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接する。
続いて、上述の電解液を電池缶11の内部に注入してセパレータ23に含浸させる。最後に、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1および図2に示す非水電解質電池が完成する。
従来の非水電解質電池では、典型的には、正極にLiCoO2、負極に炭素材料、非水電解液には、炭酸エチレン(EC)や炭酸ジメチル(DMC)等の非水溶媒に、LiPF6に代表される電解質塩を溶解させたものが使用される。このような従来の非水電解質電池では、充電状態での熱安定性が低く、電池安全性が低い。また、電極の熱安定性だけではなく、電解質塩であるLiPF6についても、熱安定性は十分確保されているとはいえない。以上を鑑みると、本技術の非水電解質電池では、正極は、正極活物質として、オリビン型の構造を有するリチウムリン酸化合物を用いることが好ましい。これによって、電極の熱的安定性および化学的安定性が向上し、電池のサイクル特性や安全性をより改善できる。
さらに、本技術の非水電解質電池では、電解質塩として、LiPF6に比べて熱安定性が高い、(1)で表される化合物を用いる。式(1)で表される化合物は、熱安定性が高いということに加え、式(1)で表される化合物を含む電解液を電池に用いた場合、良好な被膜が形成されるためイオン伝導性が向上する。さらに、この式(1)で表される化合物を含む電解質塩を低分子量の鎖状カルボン酸エステルや環状エーテルを主成分とする非水溶媒に溶解させることで、電解液を低粘度化して電気伝導率を向上し、その結果、電池特性を改善できる。
2.第2の実施の形態
(電池の構成)
本技術の第2の実施の形態による非水電解質電池について説明する。図3は本技術の第2の実施の形態による非水電解質電池の分解斜視構成を表しており、図4は図3に示す巻回電極体30のI−I線に沿った断面を拡大して示している。
この非水電解質電池は、主に、フィルム状の外装部材40の内部に、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30が収納されたものである。このフィルム状の外装部材40を用いた電池構造は、ラミネートフィルム型と呼ばれている。
正極リード31および負極リード32は、例えば、外装部材40の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極リード31は、例えば、アルミニウム等の金属材料によって構成されており、負極リード32は、例えば、銅、ニッケルまたはステンレス等の金属材料によって構成されている。これらの金属材料は、例えば、薄板状または網目状になっている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムがこの順に貼り合わされたアルミラミネートフィルム等のように、金属箔からなる金属層の両面に樹脂層を設けた構成とされている。外装部材40の一般的な構成は、例えば、外側樹脂層/金属層/内側樹脂層の積層構造を有する。例えば、外装部材40は、例えば、内側樹脂層が巻回電極体30と対向するように、2枚の矩形型のアルミラミネートフィルムの外縁部同士が融着または接着剤によって互いに接着された構造を有している。外側樹脂層および内側樹脂層は、それぞれ複数層で構成されてもよい。
金属層を構成する金属材料としては、耐透湿性のバリア膜としての機能を備えていれば良く、アルミニウム(Al)箔、ステンレス(SUS)箔、ニッケル(Ni)箔およびメッキを施した鉄(Fe)箔等を使用することができる。なかでも、薄く軽量で加工性に優れるアルミニウム箔を好適に用いることが好ましい。特に、加工性の点から、例えば焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)、(JIS A8079P−O)または(JIS A1N30−O)等を用いるのが好ましい。
金属層の厚みは、30μm以上150μm以下とすることが好ましい。30μm未満の場合、材料強度に劣ってしまう。また、150μmを超えた場合、加工が著しく困難になるとともに、ラミネートフィルム52の厚さが増してしまい、非水電解質電池の体積効率の低下につながってしまう。
内側樹脂層は、熱で溶けて互いに融着する部分であり、ポリエチレン(PE)、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が使用可能であり、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
外側樹脂層としては、外観の美しさや強靱さ、柔軟性等からポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル等が用いられる。具体的には、ナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)が用いられ、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。この密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料によって構成されている。このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。
なお、外装部材40は、上記した積層構造を有するアルミラミネートフィルムに代えて、他の積層構造を有するラミネートフィルムによって構成されていてもよいし、ポリプロピレン等の高分子フィルムまたは金属フィルムによって構成されていてもよい。
図4は、図3に示す巻回電極体30のI−I線に沿った断面構成を表している。この巻回電極体30は、セパレータ35および電解質36を介して正極33と負極34とが積層および巻回されたものであり、その最外周部は、保護テープ37によって保護されている。
正極33は、例えば、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bが設けられたものである。負極34は、例えば、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bが設けられたものであり、その負極活物質層34Bが正極活物質層33Bと対向するように配置されている。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34A、負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、夫々第1の実施の形態の正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23の構成と同様である。
電解質36は、上述した第1の実施の形態と同様の電解液と、それを保持する高分子化合物とを含んでいる。電解質36は、例えば、いわゆるゲル状の電解質である。ゲル状の電解質は、高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に漏液が防止されるので好ましい。電解質36は、リチウムイオン伝導性を有すると共に、正極33および負極34の接触を抑制するものでもある。すなわち、電解質36は、セパレータ35と共に、正極33および負極34の接触を抑制するイオンが移動可能な絶縁層である。電解質36およびセパレータ35は、共にイオンが移動可能な絶縁層である。なお、セパレータ35を省略して電解質36のみを正極33および負極34の接触を抑制するイオンが移動可能な絶縁層としてもよい。
高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレン、またはポリカーボネート等が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。中でも、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンまたはポリエチレンオキサイドが好ましい。電気化学的に安定だからである。
(電池の製造方法)
この非水電解質電池は、例えば、以下の3種類の製造方法(第1〜第3の製造方法)によって製造される。
(第1の製造方法)
第1の製造方法では、最初に、例えば、上記した第1の実施の形態の正極21および負極22の作製手順と同様の手順により、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bを形成して正極33を作製する。また、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bを形成して負極34を作製する。
続いて、第1の実施の形態と同様の電解液と、高分子化合物と、溶剤とを含む前駆溶液を調製して正極33および負極34に塗布したのち、溶剤を揮発させてゲル状の電解質36を形成する。続いて、正極集電体33Aに正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34Aに負極リード32を取り付ける。
続いて、電解質36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層させてから長手方向に巻回し、その最外周部に保護テープ37を接着させて巻回電極体30を作製する。最後に、例えば、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込んだのち、その外装部材40の外縁部同士を熱融着等で接着させて巻回電極体30を封入する。この際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間に、密着フィルム41を挿入する。これにより、図3および図4に示す非水電解質電池が完成する。
(第2の製造方法)
第2の製造方法では、最初に、正極33に正極リード31を取り付けると共に、負極34に負極リード32を取り付ける。続いて、セパレータ35を介して正極33と負極34とを積層して巻回させたのち、その最外周部に保護テープ37を接着させて、巻回電極体30の前駆体である巻回体を作製する。
続いて、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回体を挟み込んだのち、一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を熱融着等で接着させて、袋状の外装部材40の内部に巻回体を収納する。続いて、第1の実施の形態と同様の電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤等の他の材料とを含む電解質用組成物を調製して袋状の外装部材40の内部に注入したのち、その外装部材40の開口部を熱融着等で密封する。最後に、モノマーを熱重合させて高分子化合物とすることにより、ゲル状の電解質36を形成する。これにより、図3および図4に示す非水電解質電池が完成する。
(第3の製造方法)
第3の製造方法では、最初に、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ35を用いることを除き、上記した第2の製造方法と同様に、巻回体を形成して袋状の外装部材40の内部に収納する。
このセパレータ35に塗布する高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体、すなわち単独重合体、共重合体または多元共重合体等が挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体や、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体等である。なお、高分子化合物は、上記したフッ化ビニリデンを成分とする重合体と共に、他の1種または2種以上の高分子化合物を含んでいてもよい。
セパレータ35上の高分子化合物は、例えば、以下のようにして、多孔性高分子化合物を形成していてもよい。すなわち、まず、高分子化合物を、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒からなる第1の溶媒に溶解させた溶液を調製し、この溶液をセパレータ63上に塗布する。次に、上記溶液が塗布されたセパレータ63を水、エチルアルコール、プロピルアルコール等の上記極性有機溶媒に対して相溶性があり、上記高分子化合物に対して貧溶媒である第2の溶媒中に浸漬する。このとき、溶媒交換が起こり、スピノーダル分解を伴う相分離が生じ、高分子化合物は多孔構造を形成する。その後、乾燥することにより、多孔構造を有する多孔性高分子化合物を得ることができる。
続いて、第1の実施の形態と同様の電解液を調製して、外装部材40の内部に注入したのち、その外装部材40の開口部を熱融着等で密封する。最後に、外装部材40に加重をかけながら加熱し、高分子化合物を介してセパレータ35を正極33および負極34に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸し、その高分子化合物がゲル化して電解質36が形成されるため、図3および図4に示す非水電解質電池が完成する。
3.第3の実施の形態
本技術の第3の実施の形態による非水電解質電池について説明する。本技術の第3の実施の形態による非水電解質電池は、電解液を高分子化合物に保持させたもの(電解質36)に代えて、電解液をそのまま用いた点以外は、第2の実施の形態による非水電解質電池と同様である。したがって、重複した説明を避けるため、以下では、第2の実施の形態と異なる構成を詳細に説明し、第2の実施の形態と同様の構成の詳細な説明は適宜省略する。
(電池の構成)
本技術の第3の実施の形態による非水電解質電池では、ゲル状の電解質36の代わりに、電解液を用いている。したがって、巻回電極体30は、電解質36が省略された構成を有し、第1の実施の形態と同様の電解液がセパレータ35に含浸されている。
(電池の製造方法)
この非水電解質電池は、例えば、以下のように製造する。
まず、例えば正極活物質と結着剤と導電剤とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させることにより正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを両面に塗布し、乾燥させ圧縮成型して正極活物質層33Bを形成し正極33を作製する。次に、例えば正極集電体33Aに正極リード31を、例えば超音波溶接、スポット溶接等により接合する。
また、例えば負極材料と結着剤とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させることにより負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体34Aの両面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層34Bを形成し、負極34を作製する。次に、例えば負極集電体34Aに負極リード32を例えば超音波溶接、スポット溶接等により接合する。
続いて、正極33と負極34とをセパレータ35を介して巻回して外装部材40の内部に挟み込んだのち、外装部材40の内部に第1の実施の形態と同様の電解液を注入し、外装部材40を密閉する。これにより、非水電解質電池が得られる。
4.第4の実施の形態
(電池の構成)
本技術の第4の実施による形態の非水電解質電池の構成例について説明する。図5Aは、本技術の第4の実施の形態による非水電解質電池の外観を示す斜視図である。図5Bは、本技術の第4の実施の形態による非水電解質電池の構成を示す斜視分解図である。また、図5Cは、図5Aに示す非水電解質電池の下面の構成を示す斜視図である。なお、下記の説明では、非水電解質電池51のうち、正極リード53が導出される部分をトップ部、トップ部に対向し、負極リード54が導出される部分をボトム部、トップ部とボトム部とに挟まれた両辺をサイド部とする。また、電極、電極リード等について、サイド部−サイド部方向を幅として説明する。
図5A〜図5Cに示すように、本技術の非水電解質電池51は、例えば、充電および放電可能な二次電池であり、積層電極体60がラミネートフィルム52にて外装されたものであり、ラミネートフィルム52同士が封止された部分からは、積層電極体60と接続された正極リード53および負極リード54が電池外部に導出されている。正極リード53および負極リード54は、互いに対向する辺から導出されている。
(積層電極体)
図6A〜図6Bは、積層電極体を構成する正極の構成例を示す。図6C〜図6Bは、積層電極体を構成する負極の構成例を示す。図7A〜図7Cは、ラミネートフィルムに外装される前の積層電極体の構成例を示す。積層電極体60は、図6Aまたは図6Bに示す矩形状の正極61と、図6Cまたは図6Dに示す矩形状の負極62とが、セパレータ63を介して積層された構成である。具体的には、図7Aおよび図7Bに示すように、正極61および負極62がつづら折りに折り曲げられたセパレータ63を介して交互に積層された構成である。なお、図7Cに示すように、つづら折りに折り曲げられたセパレータ63の代わりに、複数の矩形状のセパレータ63を用いてもよい。第2の実施の形態では、積層電極体60の最表層がセパレータ63となるように、セパレータ63、負極62、セパレータ63、正極61、・・・負極62、セパレータ63のように順に積層された積層電極体60を用いる。なお、図7Aおよび図7Bに示す積層電極体60は、図6Bに示す正極61と、図6Dに示す負極62を用いた例である。図示は省略するが、図6Bに示す正極61に代えて、図6Aに示す正極61と、図6Dに示す負極62に代えて、図6Bに示す負極62を用いてもよい。
図8は、図5Aの非水電解質電池のa−a’断面を示す断面図である。図8に示すように、非水電解質電池51では、セパレータ63と正極61と、セパレータ63と負極62とが、それぞれ電解質66を介して、配置されている。セパレータ63と正極61と、セパレータ63と負極62とが、それぞれ電解質66を介して接着していてもよい。
積層電極体60からは、複数枚の正極61からそれぞれ延出される正極タブ61Cと、複数枚の負極62からそれぞれ延出される負極タブ62Cとが導出されている。複数枚重ねられた正極タブ61Cは、曲げ部分において適切なたるみを持った状態で断面が略U字状となるように折り曲げられて構成されている。複数枚重ねられた正極タブ61Cの先端部には、超音波溶接または抵抗溶接等の方法により正極リード53が接続されている。
また、正極61と同様に、負極タブ62Cは、複数枚重ねられた上で、曲げ部分において適切なたるみを持った状態で断面が略U字状となるように折り曲げられて構成されている。複数枚重ねられた負極タブ62Cの先端部には、超音波溶接または抵抗溶接等の方法により負極リード54が接続されている。
(正極リード)
正極タブ61Cと接続する正極リード53は、例えばアルミニウム(Al)等からなる金属リード体を用いることができる。本技術の大容量の非水電解質電池51では、大電流を取り出すために、従来に比して正極リード53の幅を太く、厚みを厚く設定する。
正極リード53の厚みは、150μm以上250μm以下とすることが好ましい。正極リード53の厚みが150μm未満の場合、取り出せる電流量が小さくなってしまう。正極リード53の厚みが250μmを超える場合、正極リード53が厚すぎるため、リード導出辺におけるラミネートフィルム52の密封性が低下して、水分浸入が容易になる。
なお、正極リード53の一部分には、ラミネートフィルム52と正極リード53との接着性を向上させるための密着フィルムであるシーラント55が設けられる。シーラント55は、金属材料との接着性の高い樹脂材料により構成され、例えば正極リード53が上述した金属材料から構成される場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
シーラント55の厚みは、70μm以上130μm以下とすることが好ましい。70μm未満では正極リード53とラミネートフィルム52との接着性に劣り、130μmを超えると熱融着時における溶融樹脂の流動量が多く、製造工程上好ましくない。
(負極リード)
負極タブ62Cと接続する負極リード54は、例えばニッケル(Ni)等からなる金属リード体を用いることができる。本技術の大容量の非水電解質電池51では、大電流を取り出すために、従来に比して負極リード54の幅を太く、厚みを厚く設定する。負極リード54の幅は、後述する負極タブ62Cの幅と略同等とすることが好ましい。
負極リード54の幅は任意に設定可能であるが、大電流を取り出せるという点で、負極リード54の幅wbが負極62の幅Wbに対して50%以上100%以下であることが好ましい。
負極リード54の厚みは、正極リード53と同様に150μm以上250μm以下とすることが好ましい。正極リード53の厚みが150μm未満の場合、取り出せる電流量が小さくなってしまう。正極リード53の厚みが250μmを超える場合、正極リード53が厚すぎるため、リード導出辺におけるラミネートフィルム52の密封性が低下して、水分浸入が容易になる。
負極リード54の一部分には、正極リード53と同様に、ラミネートフィルム52と負極リード54との接着性を向上させるための密着フィルムであるシーラント55が設けられる。
(正極)
図6A〜図6Bに示すように、正極61は、正極活物質を含有する正極活物質層61Bが、正極集電体61Aの両面上に形成されてなる。正極集電体61Aとしては、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス(SUS)箔等の金属箔が用いられる。
また、正極集電体61Aから一体に正極タブ61Cが延出されている。複数枚重ねられた正極タブ61Cは、断面が略U字状となるように折り曲げられ、先端部には超音波溶接または抵抗溶接等の方法により正極リード53と接続される。
正極活物質層61Bは、正極集電体61Aの矩形状の主面部上に形成される。正極集電体61Aが露出した状態の延出部は、正極リード53を接続するための接続タブである正極タブ61Cとしての機能を備える。正極タブ61Cの幅は任意に設定可能である。特に、正極リード53および負極リード54を同一辺から導出する場合には、正極タブ61Cの幅は正極61の幅の50%未満とする必要がある。このような正極61は、矩形状の正極集電体61Aの一辺に、正極集電体露出部を設けるようにして正極活物質層61Bを形成し、不要な部分を切断することで得られる。
正極活物質層61Bの構成は、第1の実施の形態の正極活物質層21Bと同様である。すなわち、正極活物質層61Bは、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上とを含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤等の他の材料を含んでいてもよい。正極材料、結着剤、導電剤は、第1の実施の形態と同様である。
(負極)
図6C〜図6Dに示すように、負極62は、負極活物質を含有する負極活物質層62Bが、負極集電体62Aの両面上に形成されてなる。負極集電体62Aとしては、例えば銅(Cu)箔、ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス(SUS)箔等の金属箔により構成されている。
また、負極集電体62Aから一体に負極タブ62Cが延出されている。複数枚重ねられた負極タブ62Cは、断面が略U字状となるように折り曲げられ、先端部には超音波溶接または抵抗溶接等の方法により負極リード54が接続される。
負極活物質層62Bは、負極集電体62Aの矩形状の主面部上に形成される。負極集電体62Aが露出した状態の延出部は、負極リード54を接続するための接続タブである負極タブ62Cとしての機能を備える。負極タブ62Cの幅は任意に設定可能である。特に、正極リード53および負極リード54を同一辺から導出する場合には、負極タブ62Cの幅は負極62の幅の50%未満とする必要がある。このような負極62は、矩形状の負極集電体62Aの一辺に、負極集電体露出部を設けるようにして負極活物質層62Bを形成し、不要な部分を切断することで得られる。
(負極活物質層)
負極活物質層62Bの構成は、第1の実施の形態の負極活物質層22Bと同様である。すなわち、負極活物質層62Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤等の他の材料を含んでいてもよい。負極材料、結着剤、導電剤は、第1の実施の形態と同様である。
電解質66、セパレータ63、ラミネートフィルム52は、第2の実施の形態の、電解質36、セパレータ63、外装部材40と同様である。
積層電極体60は、上述のラミネートフィルム52間にて外装される。このとき、正極タブ61Cと接続された正極リード53および負極タブ62Cと接続された負極リード54がラミネートフィルム52の封止部から電池外部に導出される。図5Bに示されるように、ラミネートフィルム52間には、予め深絞り加工により形成された積層電極体収納部57が設けられている。積層電極体60は、積層電極体収納部57に収納される。
本技術では、積層電極体60の周辺部をヒータヘッドによって加熱することにより、積層電極体60を両面から覆うラミネートフィルム52間同士を熱融着させて封止する。特に、リード導出辺においては、正極リード53および負極リード54を避ける形状に切り欠きが設けられたヒータヘッドによってラミネートフィルム52を熱融着することが好ましい。正極リード53および負極リード54にかかる負荷を小さくして電池を作製することができるためである。この方法により、電池作製時のショートを防ぐことができる。
(電池の製造方法)
上述の非水電解質電池51は、例えば、以下のような工程で作製することができる。
(正極の作製)
正極材料と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させて正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを帯状の正極集電体61Aの両面に塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機等により圧縮成型して正極活物質層61Bを形成し、正極シートとする。この正極シートを所定の寸法に切断し、正極61を作製する。このとき、正極集電体61Aの一部を露出するようにして正極活物質層61Bを形成する。この正極集電体61A露出部分を正極タブ61Cとする。また、必要に応じて正極集電体露出部の不要な部分を切断して正極タブ61Cを形成してもよい。これにより、正極タブ61Cが一体に形成された正極61が得られる。
(負極の作製)
負極材料と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させて負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体62Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機等により圧縮成型して負極活物質層62Bを形成し、負極シートとする。この負極シートを所定の寸法に切断し、負極62を作製する。このとき、負極集電体62Aの一部を露出するようにして負極活物質層62Bを形成する。この負極集電体62A露出部分を負極タブ62Cとする。また、必要に応じて負極集電体露出部の不要な部分を切断して負極タブ62Cを形成してもよい。これにより、負極タブ62Cが一体に形成された負極62が得られる。
(電解質66の形成)
セパレータ63の1主面または両面に高分子化合物を塗布する。このセパレータ63に塗布する高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体、すなわち単独重合体、共重合体または多元共重合体等が挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体や、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体等である。なお、高分子化合物は、上記したフッ化ビニリデンを成分とする重合体と共に、他の1種または2種以上の高分子化合物を含んでいてもよい。なお、セパレータ63上に塗布された高分子化合物に第1の実施の形態と同様の電解液が保持されることにより、電解質66形成される。
セパレータ63上の高分子化合物は、例えば、以下のようにして、多孔性高分子化合物を形成していてもよい。すなわち、まず、高分子化合物を、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒からなる第1の溶媒に溶解させた溶液を調製し、この溶液をセパレータ63上に塗布する。次に、上記溶液が塗布されたセパレータ63を水、エチルアルコール、プロピルアルコール等の上記極性有機溶媒に対して相溶性があり、上記高分子化合物に対して貧溶媒である第2の溶媒中に浸漬する。このとき、溶媒交換が起こり、スピノーダル分解を伴う相分離が生じ、高分子化合物は多孔構造を形成する。その後、乾燥することにより、多孔構造を有する多孔性高分子化合物を得ることができる。
(積層工程)
次に、図7A〜図7Bに示すように、正極61と負極62とを、つづら折りにしたセパレータ63間に交互に挿入し、例えば、セパレータ63、負極62、セパレータ63、正極61、セパレータ63、負極62・・・セパレータ63、負極62、セパレータ63となるように重ね合わせて所定数の正極61および負極62を積層する。続いて、正極61、負極62およびセパレータ63が密着するように押圧した状態で固定し、積層電極体60を作製する。積層電極体60をより強固に固定するには、例えば接着テープ等の固定部材56を用いることができる。固定部材56を用いて固定する場合には、例えば積層電極体60の両サイド部に固定部材56を設ける。
次に、複数枚の正極タブ61Cおよび複数枚の負極タブ62Cを断面U字状となるように折り曲げる。電極タブは、例えば下記のようにして折り曲げられる。
(第1のタブU字曲げ工程)
積層した正極61から引き出された複数の正極タブ61Cおよび積層した負極62から引き出された複数の負極タブ62Cを、断面略U字形状となるように折り曲げる。第1のU字曲げ工程は、予め正極タブ61Cおよび負極タブ62Cに最適なU字曲げ形状を持たせるための工程である。予め最適なU字曲げ形状を持たせることにより、後に正極リード53および負極リード54と接続後の正極タブ61Cおよび負極タブ62Cを折り曲げてU字曲げ部を形成する際に正極タブ61Cおよび負極タブ62Cに引張り応力等のストレスがかからないようにすることができる。
図9A〜図9Eは、負極タブ62Cの第1のU字曲げ工程を説明する側面図である。図9A〜図9Eにおいては、負極タブ62Cについて行われる各工程を説明する。なお、正極集電体61Aについても同様にして第1のU字曲げ工程が行われる。
まず、図9Aに示すように、U字曲げ用薄板71を有するワークセット台70aの上部に積層電極体60を配設する。U字曲げ用薄板71は、積層電極体60の厚みよりもやや小さい分だけ、具体的には、少なくとも複数の負極タブ62C1〜負極タブ62C4の総厚分小さい分だけ、ワークセット台70aから突出するように設置されている。このような構成とすることにより、負極タブ62C4の曲げ外周側が積層電極体60の厚みの範囲内に位置するため、非水電解質電池51の厚みの増大や外観不良が生じるのを防止することができる。
続いて、図9Bに示すように、積層電極体60を下降させるか、もしくはワークセット台70aを上昇させる。このとき、積層電極体60とU字曲げ用薄板71との間隙が小さいほど非水電解質電池51のスペース効率が向上するため、例えば積層電極体60とU字曲げ用薄板71との間隙が徐々に小さくなるようにする。
図9Cに示すように、積層電極体60がワークセット台70a上に載置され、負極タブ62Cに曲げ部を形成した後、図9Dおよび図9Eに示すようにローラ72を下降させて負極タブ62CがU字形状に折り曲げられる。
U字曲げ用薄板71は、厚みが1mm以下、例えば0.5mm程度が好ましい。U字曲げ用薄板71には、このような薄さでも複数の正極タブ61Cまたは負極タブ62Cに曲げ形状を形成するために必要な強度を有する材料を用いることができる。U字曲げ用薄板71に必要な強度は、正極61および負極62の積層枚数や、正極タブ61Cおよび負極タブ62Cに用いる材料の硬度等によって変わる。U字曲げ用薄板71が薄いほど、曲げ最内周の負極タブ62C1の曲率を小さくすることができ、負極タブ62Cの折り曲げに必要なスペースを小さくすることができるため好ましい。U字曲げ用薄板71としては、例えばステンレス(SUS)、強化プラスティック材およびめっきを施した鋼材等を用いることができる。
(集電体露出部切断工程)
次に、U字曲げ部を形成した負極タブ62Cの先端を切り揃える。集電体露出部切断工程では、予め最適な形状を有するU字曲げ部を形成し、そのU字曲げ形状に合わせて正極タブ61Cおよび負極タブ62Cの余剰分を切断する。図10A〜図10Eは、負極タブ62Cの切断工程を説明する側面図である。なお、正極タブ61Cについても同様にして集電体露出部切断工程が行われる。
図10Aに示すように、第1のU字曲げ工程においてU字曲げ部が形成された積層電極体60の上面と底面を反転させ、集電体たるみ用逃げ部73を有するワークセット台70b上に積層電極体60を固定する。
次に、図10Bに示すように、U字曲げ部が形成された負極タブ62C1〜負極タブ62C4のU字曲げ部から先端に至る先端部分がワークセット台70bに沿って略L字形状となるように先端部分を変形させる。このとき、再度U字曲げ部を形成するために必要な形状を維持することにより、曲げ外周側の負極タブ62C4ほど大きなたるみが生じる。このようなたるみがワークセット台70bの集電体たるみ用逃げ部73に入り込むことにより、負極タブ62C1〜負極タブ62C4をストレスなく変形させることができる。なお、負極タブ62C1〜負極タブ62C4の先端部分を固定した状態で負極タブ62C1〜負極タブ62C4を変形させるようにしてもよい。
続いて、図10Cに示すように、集電体押さえ74にて負極タブ62C1〜負極タブ62C4をワークセット台70bに押さえつけた後、図10Dおよび図10Eに示すように、例えば集電体押さえ74に沿うように設けられた切断用刃75で負極タブ62C1〜負極タブ62C4の先端を切り揃える。負極タブ62C1〜負極タブ62C4の切断箇所は、後に再度U字曲げを行った際に負極タブ62C1〜負極タブ62C4の先端が積層電極体60の厚みの範囲内に位置するように、負極タブ62C1〜負極タブ62C4の先端の余剰分を少なくとも切断するようにする。
(電極リード接続工程)
続いて、負極タブ62C1〜負極タブ62C4と、負極リード54との接続を行う。タブ接続工程では、第1のU字曲げ工程で形成した最適なU字曲げ形状を維持しながら正極タブ61Cおよび負極タブ62Cと、正極リード53および負極リード54を固着する。これにより、正極タブ61Cおよび正極リード53と、負極タブ62Cおよび負極リード54が電気的に接続される。図11A〜図11Cは、負極タブ62C1〜負極タブ62C4と、負極リード54との接続工程を説明する側面図である。なお、図示はしないが、負極リード54にはあらかじめシーラント55が設けられているものとする。正極タブ61Cと正極リード53についても同様にして接続工程が行われる。
図11Aに示すように、電極端子切断工程において負極タブ62C1〜負極タブ62C4の先端余剰分を切断した積層電極体60の上面と底面を再度反転させる。次に、図11Bに示すように、集電体形成維持用板76を有するワークセット台70c上に積層電極体60を固定する。負極タブ62C1の曲げ内周側には集電体形成維持用板76の先端が位置しており、負極タブ62C1〜負極タブ62C4の曲げ形状を維持するとともに、固着装置から発生する例えば超音波振動等の外的要因による影響を防止する。
続いて、図11Cに示すように、例えば超音波溶着により負極タブ62C1〜負極タブ62C4と負極リード54とを固着する。超音波溶着には、例えば、負極タブ62C1〜負極タブ62C4の下部に備えられたアンビル77aと、負極タブ62C1〜負極タブ62C4の上部に備えられたホーン77bが用いられる。アンビル77aには予め負極タブ62C1〜負極タブ62C4がセットされ、ホーン77bが下降してアンビル77aとホーン77bとで負極タブ62C1〜負極タブ62C4および負極リード54が挟持される。そして、アンビル77aとホーン77bとにより、負極タブ62C1〜負極タブ62C4および負極リード54に超音波振動が与えられる。これにより、負極タブ62C1〜負極タブ62C4および負極リード54が互いに固着される。
なお、タブ接続工程においては、図11Cを参照して上述した内周側曲げしろRiが形成されるように負極リード54を負極タブ62Cに接続するとよい。なお、内周側曲げしろRiは、正極リード53および負極リード54の厚み以上とする。
次に、負極タブ62C1〜負極タブ62C4と固着した負極リード54を所定の形状に折り曲げる。図12A〜図12Eは、負極リード54のタブ折り曲げ工程を説明する側面図である。また、正極タブ61Cと正極リード53についても同様にしてタブ折り曲げ工程・電極リード接続工程が行われる。
図12Aに示すように、接続工程において負極タブ62C1〜負極タブ62C4と負極リード54とが固着された積層電極体60の上面と底面を再度反転させて、集電体たるみ用逃げ部73を有するワークセット台70d上に積層電極体60を固定する。負極タブ62C1〜負極タブ62C4と負極リード54との接続部分は、タブ折り曲げ台78a上に載置する。
続いて、図12Bに示すように、負極タブ62C1〜負極タブ62C4と負極リード54との接続部分をブロック78bにて押さえ、図12Cに示すようにローラ79を降下させることにより、タブ折り曲げ台78aおよびブロック78bから突出した負極リード54を折り曲げる。
(第2のタブU字曲げ工程)
続いて、図12Dに示すように、積層電極体60と、負極タブ62C1〜負極タブ62C4とを押さえるブロック78bとの間に介在するようにU字曲げ用薄板71を配置する。続いて、図12Eに示すように、負極タブ62C1〜負極タブ62C4を図9A〜図9Eに示す第1のU字曲げ工程で形成したU字曲げ形状に沿って90°折り曲げ、積層電極体60を作製する。このとき、上述したように、図11Cのように内周側曲げしろRiが形成されるように負極リード54と負極タブ62Cとを接続しておく。これにより、第2のタブU字曲げ工程において、負極リード54が積層された正極61および負極62に当接することなく負極タブ62Cを電極面と略垂直の方向にまで折り曲げることができる。
このとき、負極リード54は予め熱溶着されたシーラント55と一緒に折り曲げるのが好ましい。負極リード54の折り曲げ部をシーラント55が被覆することになり、負極リード54とラミネートフィルム52とが直接接触しない構造とすることができる。この構造により、長期的な振動、衝撃等によるラミネートフィルム52内部の樹脂層と負極リード54との擦れ、ラミネートフィルム52の破損、ラミネートフィルム52の金属層との短絡の危険性を大幅に低減することができる。このようにして、積層電極体60が作製される。
(外装工程)
このあと、作製した積層電極体60をラミネートフィルム52で外装し、サイド部の一方と、トップ部およびボトム部をヒータヘッドで加熱して熱融着する。正極リード53および負極リード54が導出されたトップ部およびボトム部は、例えば切り欠きを有するヒータヘッドで加熱して熱融着する。
続いて、熱融着していない他のサイド部の開口から、第1の実施の形態と同様の電解液を注液する。最後に、注液を行ったサイド部のラミネートフィルム52を熱融着し、積層電極体60をラミネートフィルム52内に封止する。この後、ラミネートフィルム52の外部から、積層電極体60に対して、加圧するとともに加熱するヒートプレスを行い、これにより、電解液が高分子化合物に含浸し、その高分子化合物がゲル化して、電解液が高分子化合物に保持された電解質66が形成される。なお、高分子化合物が多孔性高分子化合物の場合、ヒートプレス時において、電解質66では、電解液により、多孔性高分子化合物が膨潤するが、多孔性高分子化合物の空孔構造は崩れずに、その空孔が維持されていてもよい。以上により、非水電解質電池が完成する。
5.第5の実施の形態
(バッテリーモジュールの例)
本技術の第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では、上述の非水電解質電池を用いたバッテリユニットおよびバッテリユニットが組み合わされたバッテリモジュールについて説明する。なお、第5の実施の形態では、第4の実施の形態の正極リード53と負極リード54とが異なる辺から導出された非水電解質電池を用いた場合について説明する。
(バッテリユニット)
図13A〜図13Bは、本技術の非水電解質電池を用いたバッテリユニットの構成例を示す斜視図である。図13Aおよび図13Bには、それぞれ異なる側から見たバッテリユニット100が示されており、図13Aに主に示されている側をバッテリユニット100の正面側とし、図13Bに主に示されている側をバッテリユニット100の背面側とする。図13A〜図13Bに示すように、バッテリユニット100は、非水電解質電池1−1および1−2、ブラケット110、並びに、バスバー120−1および120−2を備えて構成される。非水電解質電池1−1および1−2は、例えば、第4の実施の形態による非水電解質電池である。
ブラケット110は、非水電解質電池1−1および1−2の強度を確保するための支持具であり、ブラケット110の正面側に非水電解質電池1−1が装着され、ブラケット110の背面側に非水電解質電池1−2が装着される。なお、ブラケット110は、正面側および背面側のどちらから見ても、ほぼ同じ形状をしているが、下側の一方の角部分に面取り部111が形成されており、面取り部111が右下に見える側を正面側とし、面取り部111が左下に見える側を背面側とする。
バスバー120−1および120−2は、略L字形状をした金属の部材であり、非水電解質電池1−1および1−2のタブに接続される接続部分がブラケット110の側面側に配置され、バッテリユニット100の外部と接続されるターミナルがブラケット110の上面に配置されるように、ブラケット110の両側面にそれぞれ装着される。
図14は、バッテリユニット100が分解された状態を示す斜視図である。図14の上側をバッテリユニット100の正面側とし、図14の下側をバッテリユニット100の背面側とする。以下、非水電解質電池1−1において内部に積層電極体が収容された凸状部分を電池本体1−1Aと称する。同様に、非水電解質電池1−2において内部に積層電極
体が収容された凸状部分を電池本体1−2Aと称する。
そして、非水電解質電池1−1および1−2は、凸形状となっている電池本体1−1Aおよび1−2A側を互いに向い合せた状態で、ブラケット110に装着される。つまり、非水電解質電池1−1は正極リード3−1および負極リード4−1が設けられる面が正面側を向き、非水電解質電池1−2は正極リード3−2および負極リード4−2が設けられる面が背面側を向くように、ブラケット110に装着される。
ブラケット110は、外周壁112およびリブ部113を有している。外周壁112は、非水電解質電池1−1および1−2の電池本体1−1Aおよび1−2Aの外周よりも若干広く、即ち、非水電解質電池1−1および1−2が装着された状態で電池本体1−1Aおよび1−2Aを囲うように形成される。リブ部113は、外周壁112の内側の側面に外周壁112の厚み方向の中央部分から内側に向かって伸びるように形成される。
図14の構成例では、非水電解質電池1−1および1−2が、ブラケット110の正面側および背面側から外周壁112内に挿入され、両面に粘着性を有する両面テープ130−1および130−2により、ブラケット110のリブ部113の両面に貼着される。両面テープ130−1および130−2は、非水電解質電池1−1および1−2の外周端に沿った所定の幅の略ロ字形状をしており、ブラケット110のリブ部113は、両面テープ130−1および130−2が貼着する面積だけ設けられていればよい。
このように、リブ部113は、非水電解質電池1−1および1−2の外周端に沿った所定の幅だけ、外周壁112の内側の側面から内側に向かって伸びるように形成されており、リブ部113よりも内側は、開口部となっている。従って、ブラケット110の正面側から両面テープ130−1によりリブ部113に貼着される非水電解質電池1−1と、ブラケット110の背面側から両面テープ130−2によりリブ部113に貼着される非水電解質電池1−2との間では、この開口部によって隙間が生じている。
即ち、ブラケット110の中央部分に開口部が形成されていることで、非水電解質電池1−1および1−2は、リブ部113の厚みと両面テープ130−1および130−2の厚みとを合計した寸法の隙間を有してブラケット110に装着される。例えば、非水電解質電池1−1および1−2には、充放電やガスの発生等により多少の膨らみが生じることがあるが、この開口部により設けられる間隙が、非水電解質電池1−1および1−2の膨らみを逃がす空間となる。従って、非水電解質電池1−1および1−2が膨らんだ部分によってバッテリユニット100全体の厚みが増加する等の影響を排除することができる。
また、非水電解質電池1−1および1−2をリブ部113に接着する際に、接着面積が広い場合にはかなりの圧力が必要となるが、リブ部113の接着面を外周端に限定することにより、効率よく圧力をかけて、容易に接着することができる。これにより、製造時に非水電解質電池1−1および1−2にかかるストレスを軽減することができる。
図14に示すように、1つのブラケット110に2つの非水電解質電池1−1および1−2を取り付けることにより、例えば、1つのブラケットに1つの非水電解質電池を取り付ける場合よりも、ブラケット110の厚みと空間を削減することができる。これにより、エネルギー密度を向上させることができる。
また、バッテリユニット100の厚み方向の剛性を、2枚の非水電解質電池1−1および1−2を貼り合わせる相乗効果により得られるため、ブラケット110のリブ部113を薄肉化することができる。即ち、例えば、リブ部113の厚みを1mm以下(樹脂成型の限界の厚み程度)にしても、非水電解質電池1−1および1−2をリブ部113の両側から貼り合わせることで、バッテリユニット100全体として十分な剛性を得ることができる。そして、リブ部113の厚みを薄くすることにより、バッテリユニット100の厚みが薄くなり容積が縮小することになる結果、バッテリユニット100のエネルギー密度を向上させることができる。
また、バッテリユニット100は、外的なストレスに対する耐性を高めるため、非水電解質電池1−1および1−2の外周面(両側面および上下面)が、ブラケット110の外周壁112の内周面と接触しない構造とし、非水電解質電池1−1および1−2が有する広い面でリブ部113に貼り合わされる構造となっている。
このような構成により、エネルギー密度が高く、かつ、外的なストレスに強いバッテリユニット100を実現することができる。
(バッテリモジュール)
次に、図15〜図18を参照して、バッテリユニット100が組み合わされたバッテリモジュール200の構成例について説明する。図15は、バッテリモジュールの構成例を示す分解斜視図である。図15に示すように、バッテリモジュール200は、モジュールケース210、ゴムシート部220、電池部230、電池カバー240、固定シート部250、電気パーツ部260、およびボックスカバー270を備えて構成されている。
モジュールケース210は、バッテリユニット100を収納して使用機器に搭載するためのケースであり、図15の構成例では、24個のバッテリユニット100が収納可能なサイズとされている。
ゴムシート部220は、バッテリユニット100の底面に敷かれて、衝撃等を緩和するためのシートである。ゴムシート部220では、3個のバッテリユニット100ごとに1枚のゴムシートが設けられ、24個のバッテリユニット100に対応するために8枚のゴムシートが用意される。
電池部230は、図15の構成例では、24個のバッテリユニット100が組み合わされて構成されている。また、電池部230では、3個のバッテリユニット100が並列に接続されて並列ブロック231を構成し、8個の並列ブロック231が直列に接続される接続構成となっている。
電池カバー240は、電池部230を固定するためのカバーであり、非水電解質電池1のバスバー120に対応した開口部が設けられている。
固定シート部250は、電池カバー240の上面に配置され、ボックスカバー270がモジュールケース210に固定されたときに、電池カバー240およびボックスカバー270に密着して固定するシートである。
電気パーツ部260は、バッテリユニット100の充放電を制御する充放電制御回路等の電気的な部品を有する。充放電制御回路は、例えば、電池部230において2本の列をなすバスバー120の間の空間に配置される。
ボックスカバー270は、モジュールケース210に各部が収納された後に、モジュールケース210を閉鎖するためのカバーである。
ここで、バッテリモジュール200では、3個のバッテリユニット100が並列に接続された並列ブロック231が直列に接続されて電池部230が構成されており、この直列の接続が、電気パーツ部260が有する金属板材で行われる。従って、電池部230では、並列ブロック231ごとに端子の向きが交互になるように、即ち、隣り合う並列ブロック231どうしでプラスの端子とマイナスの端子とが並ぶように、並列ブロック231がそれぞれ配置される。そこで、バッテリモジュール200では、隣り合う並列ブロック231で同極の端子が並ぶことを回避させるような工夫が必要である。
例えば、図16に示すように、3つのバッテリユニット100により構成される並列ブロック231−1と、3つのバッテリユニット100により構成される並列ブロック231−2とでは、プラスの端子とマイナスの端子とが隣り合うような配置で、モジュールケース210に収納される。このような配置となるように規制するために、バッテリユニット100のブラケット110の下側の一方の角部分に形成されている面取り部111が利用される。
図17Aは、並列ブロックの構成例を示す斜視図であり、図17Bは、並列ブロックの構成例を示す断面図である。図17A〜図17Bに示すように、並列ブロック231−1のバッテリユニット100は、それぞれの面取り部111が同じ向きとなるように組み合わされており、面取り領域280が形成されている。なお、図示は省略するが並列ブロック231−2も、並列ブロック231−1と同様である。
図18A〜図18Bは、モジュールケースの構成例を示す。図18A〜図18Bに示すように、モジュールケース210には、面取り領域280の傾斜に応じた傾斜部290が形成されており、傾斜部290は、非水電解質電池の3個分の厚みに応じた長さで、交互に配置されている。並列ブロック231−1の面取り領域280と、モジュールケース210の傾斜部290とにより、並列ブロック231−1を間違った向きでモジュールケース210に収納しようとした場合には、並列ブロック231−1の底側の角部がモジュールケース210の傾斜部290に当接することになる。この場合、並列ブロック231−1がモジュールケース210の底面から浮き上がった状態となるため、並列ブロック231−1がモジュールケース210に完全に収納されなくなる。また、並列ブロック231−2の面取り領域280と、モジュールケース210の傾斜部290とにより、並列ブロック231−2を間違った向きでモジュールケース210に収納しようとした場合には、並列ブロック231−2の底側の角部がモジュールケース210の傾斜部290に当接することになる。この場合、並列ブロック231−2がモジュールケース210の底面から浮き上がった状態となるため、並列ブロック231−2がモジュールケース210に完全に収納されなくなる。したがって、バッテリモジュール200では、隣り合う並列ブロックの同極の端子が隣り合って並ぶことが回避される。
以上説明したように、本技術の非水電解質電池を用いたバッテリユニットおよびバッテリモジュールが構成される。
6.第6の実施の形態
(電池パックの例)
図19は、本技術の非水電解質電池(以下、二次電池と適宜称する)を電池パックに適用した場合の回路構成例を示すブロック図である。電池パックは、組電池301、外装、充電制御スイッチ302aと、放電制御スイッチ303a、を備えるスイッチ部304、電流検出抵抗307、温度検出素子308、制御部310を備えている。
また、電池パックは、正極端子321および負極端子322を備え、充電時には正極端子321および負極端子322がそれぞれ充電器の正極端子、負極端子に接続され、充電が行われる。また、電子機器使用時には、正極端子321および負極端子322がそれぞれ電子機器の正極端子、負極端子に接続され、放電が行われる。
組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続してなる。この二次電池301aは本技術の二次電池である。なお、図19では、6つの二次電池301aが、2並列3直列(2P3S)に接続された場合が例として示されているが、その他、n並列m直列(n,mは整数)のように、どのような接続方法でもよい。
スイッチ部304は、充電制御スイッチ302aおよびダイオード302b、ならびに放電制御スイッチ303aおよびダイオード303bを備え、制御部310によって制御される。ダイオード302bは、正極端子321から組電池301の方向に流れる充電電流に対して逆方向で、負極端子322から組電池301の方向に流れる放電電流に対して順方向の極性を有する。ダイオード303bは、充電電流に対して順方向で、放電電流に対して逆方向の極性を有する。尚、例では+側にスイッチ部を設けているが、−側に設けても良い。
充電制御スイッチ302aは、電池電圧が過充電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に充電電流が流れないように充放電制御部によって制御される。充電制御スイッチ302aのOFF後は、ダイオード302bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
放電制御スイッチ303aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に放電電流が流れないように制御部310によって制御される。放電制御スイッチ303aのOFF後は、ダイオード303bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
温度検出素子308は例えばサーミスタであり、組電池301の近傍に設けられ、組電池301の温度を測定して測定温度を制御部310に供給する。電圧検出部311は、組電池301およびそれを構成する各二次電池301aの電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換して、制御部310に供給する。電流測定部313は、電流検出抵抗307を用いて電流を測定し、この測定電流を制御部310に供給する。
スイッチ制御部314は、電圧検出部311および電流測定部313から入力された電圧および電流を基に、スイッチ部304の充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aを制御する。スイッチ制御部314は、二次電池301aのいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったとき、また、大電流が急激に流れたときに、スイッチ部304に制御信号を送ることにより、過充電および過放電、過電流充放電を防止する。
ここで、例えば、二次電池がリチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧が例えば4.20V±0.05Vと定められ、過放電検出電圧が例えば2.4V±0.1Vと定められる。
充放電スイッチは、例えばMOSFET等の半導体スイッチを使用できる。この場合MOSFETの寄生ダイオードがダイオード302bおよび303bとして機能する。充放電スイッチとして、Pチャンネル型FETを使用した場合は、スイッチ制御部314は、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aのそれぞれのゲートに対して、制御信号DOおよびCOをそれぞれ供給する。充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aはPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号COおよびDOをローレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをON状態とする。
そして、例えば過充電もしくは過放電の際には、制御信号COおよびDOをハイレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをOFF状態とする。
メモリ317は、RAMやROMからなり例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等からなる。メモリ317では、制御部310で演算された数値や、製造工程の段階で測定された各二次電池301aの初期状態における電池の内部抵抗値等が予め記憶され、また適宜、書き換えも可能である。(また、二次電池301aの満充電容量を記憶させておくことで、制御部310とともに例えば残容量を算出することができる。
温度検出部318では、温度検出素子308を用いて温度を測定し、異常発熱時に充放電制御を行ったり、残容量の算出における補正を行う。
7.第7の実施の形態
上述した非水電解質電池およびこれを用いた電池パック、バッテリユニットおよびバッテリモジュールは、例えば電子機器や電動車両、蓄電装置等の機器に搭載または電力を供給するために使用することができる。
電子機器として、例えばノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機等が挙げられる。
また、電動車両としては鉄道車両、ゴルフカート、電動カート、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)等が挙げられ、これらの駆動用電源または補助用電源として用いられる。
蓄電装置としては、住宅をはじめとする建築物用または発電設備用の電力貯蔵用電源等が挙げられる。
以下では、上述した適用例のうち、上述した本技術の非水電解質電池を適用した蓄電装置を用いた蓄電システムの具体例を説明する。
この蓄電システムは、例えば下記の様な構成が挙げられる。第1の蓄電システムは、再生可能エネルギーから発電を行う発電装置によって蓄電装置が充電される蓄電システムである。第2の蓄電システムは、蓄電装置を有し、蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。第3の蓄電システムは、蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器である。これらの蓄電システムは、外部の電力供給網と協働して電力の効率的な供給を図るシステムとして実施される。
さらに、第4の蓄電システムは、蓄電装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電装置に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。第5の蓄電システムは、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電装置の充放電制御を行う電力システムである。第6の蓄電システムは、上述した蓄電装置から、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から蓄電装置に電力を供給する電力システムである。以下、蓄電システムについて説明する。
(7−1)応用例としての住宅における蓄電システム
本技術の非水電解質電池を用いた蓄電装置を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図20を参照して説明する。例えば住宅401用の蓄電システム400においては、火力発電402a、原子力発電402b、水力発電402c等の集中型電力系統402から電力網409、情報網412、スマートメータ407、パワーハブ408等を介し、電力が蓄電装置403に供給される。これと共に、家庭内の発電装置404等の独立電源から電力が蓄電装置403に供給される。蓄電装置403に供給された電力が蓄電される。蓄電装置403を使用して、住宅401で使用する電力が給電される。住宅401に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅401には、発電装置404、電力消費装置405、蓄電装置403、各装置を制御する制御装置410、スマートメータ407、各種情報を取得するセンサ411が設けられている。各装置は、電力網409および情報網412によって接続されている。発電装置404として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置405および/または蓄電装置403に供給される。電力消費装置405は、冷蔵庫405a、空調装置405b、テレビジョン受信機405c、風呂405d等である。さらに、電力消費装置405には、電動車両406が含まれる。電動車両406は、電気自動車406a、ハイブリッドカー406b、電気バイク406cである。
蓄電装置403に対して、本技術の非水電解質電池が適用される。本技術の非水電解質電池は、例えば上述したリチウムイオン二次電池によって構成されていてもよい。スマートメータ407は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網409は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせても良い。
各種のセンサ411は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサ等である。各種のセンサ411により取得された情報は、制御装置410に送信される。センサ411からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置405を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置410は、住宅401に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
パワーハブ408によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置410と接続される情報網412の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェースを使う方法、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fi等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network)またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置410は、外部のサーバ413と接続されている。このサーバ413は、住宅401、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ413が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等に、表示されても良い。
各部を制御する制御装置410は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置410は、蓄電装置403、家庭内の発電装置404、電力消費装置405、各種のセンサ411、サーバ413と情報網412により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていても良い。
以上のように、電力が火力発電402a、原子力発電402b、水力発電402c等の集中型電力系統402のみならず、家庭内の発電装置404(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置403に蓄えることができる。したがって、家庭内の発電装置404の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置403に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置403に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置403によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置410が蓄電装置403内に格納される例を説明したが、スマートメータ407内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム400は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
(7−2)応用例としての車両における蓄電システム
本技術を車両用の蓄電システムに適用した例について、図21を参照して説明する。図21に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
このハイブリッド車両500には、エンジン501、発電機502、電力駆動力変換装置503、駆動輪504a、駆動輪504b、車輪505a、車輪505b、バッテリー508、車両制御装置509、各種センサ510、充電口511が搭載されている。バッテリー508に対して、上述した本技術の非水電解質電池が適用される。
ハイブリッド車両500は、電力駆動力変換装置503を動力源として走行する。電力駆動力変換装置503の一例は、モータである。バッテリー508の電力によって電力駆動力変換装置503が作動し、この電力駆動力変換装置503の回転力が駆動輪504a、504bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置503が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ510は、車両制御装置509を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ510には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサ等が含まれる。
エンジン501の回転力は発電機502に伝えられ、その回転力によって発電機502により生成された電力をバッテリー508に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両500が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置503に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置503により生成された回生電力がバッテリー508に蓄積される。
バッテリー508は、ハイブリッド車両500の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口511を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置等がある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本技術は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。
本技術の具体的な実施例について詳細に説明するが、本技術はこれに限定されるものではない。
<実施例1−1>
(正極の作製)
まず、以下のようにして、正極合剤スラリーを調製した。正極活物質として、表面が炭素で被覆されたリン酸鉄リチウム(LiFePO4)90質量%と、導電剤としてグラファイト5質量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%と、溶媒としてN−メチルピロリドンとを混合してスラリー化し、これにより正極合剤スラリーを得た。
この正極合剤スラリーを、正極集電体(厚さ15μmの帯状のアルミニウム箔)の両面に塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、正極活物質層を形成した。こののち、正極集電体の一端に、アルミニウム製の正極リードを溶接して取り付けた。以上により、正極を得た。
(負極の作製)
負極活物質として平均粒径20μmの粒状黒鉛粉末96質量%と、スチレン−ブタジエン共重合体のアクリル酸変性体1.5質量%と、カルボキシメチルセルロース1.5質量%と、適量の水とを攪拌し、負極スラリーを調製した。
この負極合剤スラリーを、負極集電体(厚さ15μmの帯状銅箔)の両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層を形成した。以上により、負極を得た。
(電解液の調製)
電解液は、以下のように調製した。まず、炭酸エチレン(EC)と酢酸エチルとを、体積比(EC:酢酸エチル)が5:5となるように混合した混合溶媒を調製した。次に、この混合溶媒に、電解質塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、LiFSIと略称する場合もある)を1.0mol/L溶解し、これにより、目的とする電解液を得た。なお、酢酸エチルの含有量は、非水溶媒の合計体積に対して、50体積%である。
(電池の組み立て)
セパレータとして厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用意した。正極と、上記セパレータと、負極とをこの順に積層してから渦巻状に多数回巻回させたのち、巻き終わり部分を粘着テープで固定することにより、巻回電極体を形成した。
次に、ニッケルめっきが施された鉄製の電池缶を準備した。巻回電極体を一対の絶縁板で挟み、負極リードを電池缶に溶接すると共に正極リードを安全弁機構に溶接した後、その巻回電極体を電池缶の内部に収納した。続いて、電池缶の内部に、減圧方式により電解液を注入した。
次に、表面にアスファルトが塗布されたガスケットを介して、電池缶をかしめることにより、安全弁機構、熱感抵抗素子および電池蓋を固定した。これにより、電池缶の内部の気密性が確保され、目的とする円筒型の二次電池(非水電解質二次電池)が完成した。
<実施例1−2>
電解液の調製の際に、炭酸エチレン(EC)の代わりに炭酸プロピレン(PC)を用いた点以外は、実施例1−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−3>
電解液の調製の際に、炭酸エチレン(EC)の代わりに4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)を用いた点以外は、実施例1−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−4〜実施例1−6>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに酢酸プロピルを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−7〜実施例1−9>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにプロピオン酸メチルを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−10〜実施例1−12>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにプロピオン酸エチルを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−13〜実施例1−15>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに酪酸エチルを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−16〜実施例1−18>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに酪酸−n−プロピルを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−19〜実施例1−21>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−22〜実施例1−24>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに2−メチル−1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−25〜実施例1−27>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに1,4−ジオキサンを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−28〜実施例1−30>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにテトラヒドロフランを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−31〜実施例1−33>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに2−メチルテトラヒドロフランを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例1−34〜実施例1−36>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに2,2−ジエチル−1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例1−1〜比較例1−3>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに、同様に粘度の低い溶媒である炭酸ジメチル(DMC)を用いた点以外は、実施例1−1〜実施例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例1−4〜比較例1−6>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、実施例1−7〜実施例1−9のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例1−7〜比較例1−9>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、実施例1−22〜実施例1−24のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例1−10〜比較例1−12>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、比較例1−1〜比較例1−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
(評価)
実施例1−1〜実施例1−36および比較例1−1〜比較例1−12の各二次電池について、以下の低温サイクル特性の測定および高温サイクル特性の測定を行った。
(低温サイクル特性の測定)
まず、23℃の環境下において1mA/cm2の定電流密度で電池電圧が3.6Vに達するまで充電した後、3.6Vの定電圧で電流密度が0.02mA/cm2に達するまで充電した。続いて、1mA/cm2の定電流密度で電池電圧が3.0Vに達するまで放電した。以上により、1サイクル目の充放電を行った。
次に、−25℃の環境下において、上述の電流密度条件で2サイクル目の充放電を行い、この時点での放電容量(2サイクル目の放電容量)を確認した。その後、下記の計算式により、低温サイクル特性として、低温サイクルの放電容量維持率を求めた。
(計算式)
放電容量維持率(%)={(2サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)}×100(%)
(高温サイクル特性の測定)
23℃の環境下において1mA/cm2の定電流密度で電池電圧が3.6Vに達するまで充電した後、3.6Vの定電圧で電流密度が0.02mA/cm2に達するまで充電した。続いて、1mA/cm2の定電流密度で電池電圧が3.0Vに達するまで放電し、1サイクル目の充放電を行った。次に、65℃の環境下において、上述の電流密度条件で2サイクル目の充放電を行い、この時点での放電容量(2サイクル目の放電容量)を確認した。その後、下記の計算式により、高温サイクル特性として、高温サイクルの放電容量維持率を求めた。
(計算式)
放電容量維持率(%)={(2サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)}×100(%)
実施例1−1〜実施例1−36および比較例1−1〜比較例1−12の各二次電池について、低温サイクル特性の測定および高温サイクル特性の測定の測定結果を表1に示す。
Figure 2013225388
Figure 2013225388
表1に示すように、実施例1−1〜実施例1−36では、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むと共に、電解質塩としてLiFSIを含むため、低温サイクル特性および高温サイクル特性を向上できた。
一方、比較例1−1〜比較例1−3では、電解液が、電解質塩としてLiFSIを含むが、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルおよび環状エーテルのどちらも含まないため、低温サイクル特性および高温サイクル特性が、実施例1−1〜実施例1−36より低かった。比較例1−4〜比較例1−6では、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルを含むが、電解質塩としてLiFSIを含まないため、低温サイクル特性および高温サイクル特性が、実施例1−1〜実施例1−36より低かった。比較例1−7〜比較例1−9では、電解液が、非水溶媒として環状エーテルを含むが、電解質塩としてLiFSIを含まないため、低温サイクル特性および高温サイクル特性が、実施例1−1〜実施例1−36より低かった。比較例1−10〜比較例1−12では、電解液が、電解質塩としてLiFSIを含まず、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルおよび環状エーテルのどちらも含まないため、低温サイクル特性および高温サイクル特性が、実施例1−1〜実施例1−36より低かった。
<実施例2−1>
電解液を以下のようにして調製した。すなわち、まず、炭酸エチレン(EC)と酢酸エチルと炭酸ジメチル(DMC)とを、体積比(EC:酢酸エチル:DMC)が2:3:5となるように混合した混合溶媒を調製した。次に、この混合溶媒に対して、電解質塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を1.0mol/L溶解し、これにより、目的とする電解液を得た。以上の点以外は、実施例2−1と同様にして、二次電池を作製した。なお、酢酸エチルの含有量は、非水溶媒の合計体積に対して、30体積%である。
<実施例2−2>
電解液の調製の際に、炭酸ジメチル(DMC)の代わりに炭酸エチルメチル(EMC)を用いた点以外は、実施例2−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−3>
電解液の調製の際に、炭酸ジメチル(DMC)の代わりに炭酸ジエチル(DEC)を用いた点以外は、実施例2−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−4〜実施例2−6>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに酢酸プロピルを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−7〜実施例2−9>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにプロピオン酸メチルを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−10〜実施例2−12>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにプロピオン酸エチルを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−13〜実施例2−15>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに酪酸エチルを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−16〜実施例2−18>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに酪酸−n−プロピルを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−19〜実施例2−21>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−22〜実施例2−24>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに2−メチル−1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−25〜実施例2−27>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに1,4−ジオキサンを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−28〜実施例2−30>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにテトラヒドロフランを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−31〜実施例2−33>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに2−メチルテトラヒドロフランを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例2−34〜実施例2−36>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに2,2−ジエチル−1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例2−1〜比較例2−3>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、実施例2−1〜実施例2−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例2−4〜比較例2−6>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、実施例2−7〜実施例2−9のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例2−7〜比較例2−9>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、実施例2−22〜実施例2−24のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
(評価)
実施例2−1〜実施例2−36および比較例2−1〜比較例2−9の各二次電池について、上記と同様の「低温サイクル特性の測定」および「高温サイクル特性の測定」を行った。測定結果を表2に示す。
Figure 2013225388
Figure 2013225388
表2に示すように、実施例2−1〜実施例2−36では、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むと共に、電解質塩としてLiFSIを含むため、低温サイクル特性および高温サイクル特性を向上できた。一方、比較例2−1〜比較例2−9では、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むが、電解質塩としてLiFSIを含まないため、低温サイクル特性および高温サイクル特性が、実施例2−1〜実施例2−36より低かった。
<実施例3−1>
電解液は、以下のように調製した。すなわち、まず、炭酸エチレン(EC)とプロピオン酸メチルと炭酸ジメチル(DMC)とを、体積比(EC:プロピオン酸メチル:DMC)が2:1:7となるように混合した混合溶媒を調製した。次に、この混合溶媒に対して、電解質塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を1.0mol/L溶解し、これにより、目的とする電解液を得た。なお、プロピオン酸メチルの含有量は、非水溶媒の合計体積に対して、10体積%である。以上の点以外は、実施例1−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例3−2>
電解液の調製の際に、溶媒の体積比(EC:プロピオン酸メチル:DMC)を、2:3:5の割合に変えた点以外は、実施例3−1と同様にして、二次電池を作製した。なお、プロピオン酸メチルの含有量は、溶媒の合計体積に対して、30体積%である。
<実施例3−3>
電解液の調製の際に、溶媒の体積比(EC:プロピオン酸メチル:DMC)を、2:5:3の割合に変えた点以外は、実施例3−1と同様にして、二次電池を作製した。なお、プロピオン酸メチルの含有量は、溶媒の合計体積に対して、50体積%である。
<実施例3−4>
電解液の調製の際に、溶媒の体積比(EC:プロピオン酸メチル:DMC)を、2:7:1の割合に変えた点以外は、実施例3−1と同様にして、二次電池を作製した。なお、プロピオン酸メチルの含有量は、溶媒の合計体積に対して、70体積%である。
<実施例3−5〜実施例3−8>
電解液の調製の際に、プロピオン酸メチルの代わりに1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例3−1〜実施例3−4のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例3−9〜実施例3−12>
電解液の調製の際に、プロピオン酸メチルの代わりにテトラヒドロフランを用いた点以外は、実施例3−1〜実施例3−4のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
(評価)
実施例3−1〜実施例3−12の各二次電池について、上記と同様の「低温サイクル特性の測定」および「高温サイクル特性の測定」を行った。測定結果を表3に示す。
Figure 2013225388
表3に示すように、実施例3−1〜実施例3−12によれば、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルの含有量が、非水溶媒の合計体積に対して、10体積%以上70体積%以下である場合において、低温サイクル特性および高温サイクル特性が良好であった。
<実施例4−1>
電解液は、以下のように調製した。すなわち、まず、炭酸エチレン(EC)と酢酸エチルとを、体積比(EC:酢酸エチル)が5:5となるように混合した混合溶媒を調製した。次に、この混合溶媒に対して、電解質塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を1.0mol/L溶解し、これにより、目的とする電解液を得た。なお、酢酸エチルの含有量は、非水溶媒の合計体積に対して、50体積%である。以上の点以外は、実施例1−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例4−2>
電解液の調製の際に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)の量を、0.3mol/Lに変えた点以外は、実施例4−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例4−3>
電解液の調製の際に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)の量を、0.5mol/Lに変えた点以外は、実施例4−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例4−4>
電解液の調製の際に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)の量を、1.0mol/Lに変えた点以外は、実施例4−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例4−5>
電解液の調製の際に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)の量を、1.5mol/Lに変えた点以外は、実施例4−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例4−6〜実施例4−10>
電解液の調製の際、酢酸エチルの代わりに酢酸プロピルを用いた点以外は、実施例4−1〜実施例4−5のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例4−11〜実施例4−15>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにプロピオン酸メチルを用いた点以外は、実施例4−1〜実施例4−5のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例4−16〜実施例4−20>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにプロピオン酸エチルを用いた点以外は、実施例4−1〜実施例4−5のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例4−21〜実施例4−25>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに2−メチル−1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例4−1〜実施例4−5のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
(評価)
実施例4−1〜実施例4−25の各二次電池について、上記と同様の「低温サイクル特性の測定」および「高温サイクル特性の測定」を行った。測定結果を表4に示す。
Figure 2013225388
表4に示すように、実施例4−1〜実施例4−25によれば、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むと共に、電解質塩としてLiFSIを0.1mol/L以上1.5mol/L以下含む場合において、低温サイクル特性および高温サイクル特性を向上できた。
<実施例5−1>
実施例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例5−2>
電解液の調製の際に、プロピオン酸メチルの代わりに、1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例5−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例5−3>
実施例1−28と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例5−1〜比較例5−3>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、実施例5−1〜実施例5−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した
<比較例5−4〜比較例5−6>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiBF4を用いた点以外は、実施例5−1〜実施例5−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した
(評価)
実施例5−1〜実施例5−3および比較例5−1〜比較例5−6の各二次電池について、上記と同様の「高温サイクル特性の測定」を行った。測定結果を表5に示す。
Figure 2013225388
表5に示すように、実施例5−1〜実施例5−3によれば、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むと共に、電解質塩としてLiFSIを含むため、低温サイクル特性および高温サイクル特性を向上できた。一方、比較例5−1〜比較例5−3によれば、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むが、電解質塩としてLiFSIに代えてLiPF6を含むため、高温サイクル特性が低下した。比較例5−4〜比較例5−6によれば、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むが、電解質塩としてLiFSIに代えてLiBF4を含むため、高温サイクル特性が低下した。以上の結果は、LiFSIが、LiPF6およびLiBF4と比べて、熱安定性が高いことによるものであると考えられる。
<実施例6−1〜実施例6−3>
実施例5−1〜実施例5−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例6−1〜比較例6−3>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにリチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド(以下、LiTFSIと略称することもある)を用いた点以外は、実施例6−1〜実施例6−3のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した
(評価)
実施例6−1〜実施例6−3および比較例6−1〜比較例6−3の各二次電池について、以下のようにして、「高レートサイクル特性の測定」を行った。測定結果を表6に示す。
(高レートサイクル特性の測定)
高レートサイクル特性は、以下のようにして測定した。作製した二次電池について、室温(23℃)で1000サイクルの充放電を行い、1サイクル目の充放電の放電容量と、1000サイクル目の充放電の放電容量とを確認した。充放電は、以下の条件で行った。すなわち、充電は、電流値2.0ItA、電圧3.6Vの定電流定電圧方式で行い、放電は、電流値2.0ItA、電圧3.0Vで行った。なお、ItAは電流の大きさを示す。例えば2.0ItAの電流値は、例えば電池容量G[mAh]の電池において、2.0×G=2.0G[mA]の電流値に相当する。
次に、下記の計算式により、高レートサイクル特性として、放電容量維持率を求めた。
(計算式)
放電容量維持率(%)={(1000サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)}×100(%)
Figure 2013225388
表6に示すように、実施例6−1〜実施例6−3によれば、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むと共に、電解質塩としてLiFSIを含むため、高レートサイクル特性を向上できた。一方、比較例6−1〜比較例6−3によれば、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むが、電解質塩としてLiFSIの代わりにLiTFSIを含むため、高レートサイクル特性が低下した。以上の結果は、LiFSIが、LiTFSIと比べて、抵抗が小さいことによるものであると考えられ、低粘度の鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルと併用することにより、より優れた効果が得られた。
<実施例7−1>
電解液の調製の際に、混合溶媒に対して、電解質塩として、LiFSI0.3mol/LおよびLiPF60.7mol/Lを溶解した。以上の点以外は、実施例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例7−2>
電解液の調製の際に、LiFSIの量を0.5mol/Lに変え、LiPF6の量を0.5mol/Lに変えた。以上の点以外は、実施例7−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例7−3>
電解液の調製の際に、LiFSIの量を0.7mol/Lに変え、LiPF6の量を0.3mol/Lに変えた。以上の点以外は、実施例7−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例7−4>
電解液の調製の際に、混合溶媒に対して、電解質塩として、LiFSI0.3mol/LおよびLiBF40.7mol/Lを溶解した。以上の点以外は、実施例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例7−5>
電解液の調製の際に、LiFSIの量を0.5mol/Lに変え、LiBF4の量を0.5mol/Lに変えた。以上の点以外は、実施例7−4と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例7−6>
電解液の調製の際に、LiFSIの量を0.7mol/Lに変え、LiBF4の量を0.3mol/Lに変えた。以上の点以外は、実施例7−4と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例7−7>
電解液の調製の際に、混合溶媒に対して、電解質塩として、LiFSI0.3mol/LおよびLiTFSI0.7mol/Lを溶解した。以上の点以外は、実施例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例7−8>
電解液の調製の際に、LiFSIの量を0.5mol/Lに変え、LiTFSIの量を0.5mol/Lに変えた。以上の点以外は、実施例7−6と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例7−9>
電解液の調製の際に、LiFSIの量を0.7mol/Lに変え、LiTFSIの量を0.3mol/Lに変えた。以上の点以外は、実施例7−6と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例7−10>
電解液の調製の際に、混合溶媒に対して、電解質塩として、LiFSIを1.0mol/L溶解した。以上の点以外は、実施例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例7−2>
電解液の調製の際に、混合溶媒に対して、電解質塩として、LiPF6を1.0mol/L溶解した。以上の点以外は、実施例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例7−3>
電解液の調製の際に、混合溶媒に対して、電解質塩として、LiBF4を1.0mol/L溶解した。以上の点以外は、実施例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例7−4>
電解液の調製の際に、混合溶媒に対して、電解質塩として、LiTFSIを1.0mol/L溶解した。以上の点以外は、実施例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
(評価)
実施例7−1〜実施例7−10および比較例7−1〜比較例7−3の各二次電池について、上記と同様の「高温サイクル特性の測定」を行った。測定結果を表7に示す。
Figure 2013225388
表7に示すように、実施例7−1〜実施例7−9によれば、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルを含むと共に、電解質塩としてLiFSIと共にLiPF6、LiBF4、およびLiTFSI等の他の電解質塩を含む場合でも、高温サイクル特性を向上できた。実施例7−10では、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルを含むと共に、電解質塩としてLiFSIを単独で含むため、より高温サイクル特性を向上できた。一方、比較例7−1〜比較例7−3では、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルを含むが、電解質塩としてLiFSIを含まないため、高温サイクル特性が低かった。
<実施例8−1>
電解液の調製の際に、添加剤として、さらにビニレンカーボネート(VC)を、電解液の全体量に対して3質量%となるように添加した点以外は、実施例1−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−2>
電解液の調製の際に、添加剤として、さらにスクシノニトリルを、電解液の全体量に対して3質量%となるように添加した点以外は、実施例1−1と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−3〜実施例8−4>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに酢酸プロピルを用いた点以外は、実施例8−1〜実施例8−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−5〜実施例8−6>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにプロピオン酸メチルを用いた点以外は、実施例8−1〜実施例8−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−7>
電解液の調製の際に、添加剤として、ビニレンカーボネート(VC)の代わりに、プロパンスルトンを用いた点以外は、実施例8−5と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−8〜実施例8−9>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにプロピオン酸エチルを用いた点以外は、実施例8−1〜実施例8−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−10〜実施例8−11>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例8−1〜実施例8−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−12〜実施例8−13>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに2−メチル−1,3−ジオキサンを用いた点以外は、実施例8−1〜実施例8−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−14〜実施例8−15>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに1,4−ジオキサンを用いた点以外は、実施例8−1〜実施例8−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−16〜実施例8−17>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりにテトラヒドロフランを用いた点以外は、実施例8−1〜実施例8−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例8−18〜実施例8−19>
電解液の調製の際に、酢酸エチルの代わりに2−メチルテトラヒドロフランを用いた点以外は、実施例8−1〜実施例8−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例8−1>
電解液の調製の際に、添加剤として、さらにビニレンカーボネート(VC)を、電解液の全体量に対して3質量%となるように添加した点以外は、比較例1−4と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例8−2>
電解液の調製の際に、添加剤として、さらにスクシノニトリルを、電解液の全体量に対して3質量%となるように添加した点以外は、比較例1−4と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例8−3>
電解液の調製の際に、添加剤として、さらにビニレンカーボネート(VC)を、電解液の全体量に対して3質量%となるように添加した点以外は、比較例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例8−4>
電解液の調製の際に、添加剤として、さらにスクシノニトリルを、電解液の全体量に対して、3質量%となるように添加した点以外は、比較例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
(評価)
実施例8−1〜実施例8−19および比較例8−1〜比較例8−4の各二次電池について、以下のようにして、「高温保存後のサイクル特性の測定」を行った。測定結果を表8に示す。
(高温保存後のサイクル特性)
60℃フロート充電後の放電容量維持率を評価した。具体的には、まず室温で2サイクル充放電し放電容量を確認した。その後、60℃雰囲気下で所定の充電電圧(3.6V)で1週間フロート充電した。フロート充電後、室温にて2サイクル充放電を行い、フロート前の放電容量を100としてフロート充電後の容量維持率とした。充放電条件としては、1mA/cm2の定電流密度で電池電圧が所定の電圧(3.6V)に達するまで充電し、さらに所定電圧(3.6V)での定電圧で電流密度が0.02mA/cm2に達するまで充電したのち、1mA/cm2の定電流密度で電池電圧が3Vに達するまで放電した。
Figure 2013225388
表8に示すように、実施例8−1〜実施例8−20によれば、以下のことが確認できた。すなわち、電解液が、溶媒として鎖状カルボン酸エステルまた環状エーテルを含むと共に、電解質塩としてLiFSIと、さらに添加剤としてビニレンカーボネート(VC)、スクシノ二トル、2−メチル−1,3−ジオキサンとを含む場合において、高温保存後のサイクル特性を向上できた。一方、比較例8−1によれば、電解液が、電解質塩としてLiFSIを含まないため、高温保存後のサイクル特性が低かった。
<実施例9−1>
実施例1−7と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例9−2>
実施例1−19と同様にして、二次電池を作製した。
<実施例9−3〜実施例9−4>
正極の作製の際に、LiFePO4の代わりに、LiCoO2を用いた。正極活物質の量と負極活物質の量とを調整し、完全充電時における開回路電圧(すなわち電池電圧)を4.35Vになるように設計した。以上の点以外は、実施例9−1〜実施例9−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<実施例9−5〜実施例9−6>
正極の作製の際に、LiFePO4の代わりに、LiNiO2を用いた。正極活物質の量と負極活物質の量とを調整し、完全充電時における開回路電圧(すなわち電池電圧)を4.3Vになるように設計した。以上の点以外は、実施例9−1〜実施例9−2のそれぞれと同様にして、二次電池を作製した。
<比較例9−1>
電解液の調製の際に、プロピオン酸メチルの代わりに、同様に粘度の低い溶媒である炭酸ジメチル(DMC)を用いた点以外は、実施例9−1と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例9−2>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、実施例9−1と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例9−3>
電解液の調製の際に、プロピオン酸メチルの代わりに、同様に粘度の低い溶媒である炭酸ジメチル(DMC)を用いた点以外は、実施例9−3と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例9−4>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、実施例9−4と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例9−5>
電解液の調製の際に、プロピオン酸メチルの代わりに、同様に粘度の低い溶媒である炭酸ジメチル(DMC)を用いた点以外は、実施例9−5と同様にして、二次電池を作製した。
<比較例9−6>
電解液の調製の際に、LiFSIの代わりにLiPF6を用いた点以外は、実施例9−6と同様にして、二次電池を作製した。
(評価)
実施例9−1〜実施例9−6および比較例9−1〜比較例9−6の各二次電池について、上記と同様の「低温サイクル特性の測定」および「高温サイクル特性の測定」を行った。なお、上記の測定の際、実施例9−3〜実施例9−4および比較例9−3〜比較例9−4では、充電電圧を4.35Vとし、実施例9−5〜実施例9−6および比較例9−5〜比較例9−6では4.3Vとした。測定結果を表9に示す。
Figure 2013225388
表9に示すように、実施例9−1〜実施例9−6によれば、正極活物質としてLiFePO4、LiCoO2、LiNiO2を用いた場合において、電解液が、非水溶媒として鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含むと共に、電解質塩としてLiFSIを含むため、低温サイクル特性および高温サイクル特性を向上できた。
8.他の実施の形態
本技術は、上述した本技術の実施の形態に限定されるものでは無く、本技術の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、構造、形状、材料、原料、製造プロセス等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、形状、材料、原料、製造プロセス等を用いてもよい。
また、上述の実施の形態および実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
本技術の二次電池では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の電気化学当量が、正極の電気化学当量よりも大きくなっており、充電の途中において負極にリチウム金属が析出しないようになっている方が好ましい。
本技術の二次電池は、完全充電時における開回路電圧(すなわち電池電圧)が、例えば3.60V以上6.00V以下、好ましくは4.25V以上6.00V以下、さらに好ましくは4.30V以上4.55V以下の範囲内になるように設計されていてもよい。完全充電時における開回路電圧が、例えば正極活物質としてNiやCoを含む層状岩塩型リチウム複合酸化物を用いた電池において4.25V以上とされる場合は、4.20Vの電池と比較して、同じ正極活物質であっても単位質量当たりのリチウムの放出量が多くなるので、それに応じて正極活物質と負極活物質との量が調整され、高いエネルギー密度が得られるようになっている。なお、電池電圧は、上記の電池電圧の範囲に限定されるものではない。
第4の実施の形態において、電解質66の形成に、第2の実施の形態の第1〜第3の製造方法を適用してもよい。また、電解質66を省略して、液状の電解質である電解液を用いてもよい。第2の実施の形態〜第4の実施の形態の非水電解質電池において、正極リード53および負極リード54を同一辺から導出した構成としてもよい。また、第4の実施の形態では、積層電極体60の最表層がセパレータ63となるように構成したが、最表層が正極61または負極62になるように構成してもよい。また、積層電極体60の一方の最表層がセパレータ63で他方の最表層が正極61または負極62となるように構成してもよい。
また、本技術は、以下の構成をとることもできる。
[1]
正極と、
負極と、
非水溶媒および電解質塩を含む電解液を有する電解質と
を備え、
上記非水溶媒は、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含み、
上記電解質塩は、式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含む電池。
Figure 2013225388
(式中、Mは1価のカチオンである。YはSO2またはCOである。各置換基Zは、独立して、フッ素原子、または少なくとも1つの重合可能な官能基を含んでもよく、かつ、ペルフルオロ化されていてもよい有機基である。置換基Zの少なくとも1つはフッ素原子である。)
[2]
上記鎖状カルボン酸エステルは、式(2)で表される化合物の少なくとも1種である[1]に記載の電池。
Figure 2013225388
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または、ハロゲン化アルキル基である。)
[3]
上記環状エーテルは、式(3)〜式(5)で表される化合物の少なくとも1種である[1]〜[2]の何れかに記載の電池。
Figure 2013225388
(式中、R3〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2013225388
(式中、R7〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2013225388
(式中、R11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
[4]
上記鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルの含有量は、上記非水溶媒の合計体積に対して、10体積%以上70体積%以下である[1]〜[3]の何れかに記載の電池。
[5]
上記式(1)で表される化合物の含有量は、上記電解液に対して、0.1mol/L以上1.5mol/L以下である[1]〜[4]の何れかに記載の電池。
[6]
上記式(1)で表される化合物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである[1]〜[5]の何れかに記載の電池。
[7]
上記非水溶媒は、鎖状炭酸エステル、環状炭酸エステルおよびフッ素化環状炭酸エステルの少なくとも何れかをさらに含む[1]〜[6]の何れかに記載の電池。
[8]
上記電解液は、さらに、不飽和環状炭酸エステル、ニトリル化合物、およびスルホン酸エステル化合物のうちの少なくとも1種を含む[1]〜[7]の何れかに記載の電池。
[9]
上記正極は、正極活物質として、オリビン型の構造を有するリチウムリン酸化合物を含む[1]〜[8]の何れかに記載の電池。
[10]
上記オリビン型の構造を有するリチウムリン酸化合物は、下記式で表されるリチウムリン酸化合物である[9]に記載の電池。
(式):LixMPO4
(式中、Mは、元素の周期表の第4周期の4族〜11族の遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である。xは0<x<1.2の範囲内の値である。)
[11]
上記電解質塩は、六フッ化リン酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、および四フッ化ホウ酸リチウムのうちの少なくとも1種をさらに含む[1]〜[10]の何れかに記載の電池。
[12]
上記正極および上記負極の間に、イオン移動が可能な絶縁層がある[1]〜[11]の何れかに記載の電池。
[13]
鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含む非水溶媒と、
式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含む電解質塩と
を含む電解液を有する電解質。
Figure 2013225388
(式中、Mは1価のカチオンである。YはSO2またはCOである。各置換基Zは、独立して、フッ素原子、または少なくとも1つの重合可能な官能基を含んでもよく、かつ、ペルフルオロ化されていてもよい有機基である。置換基Zの少なくとも1つはフッ素原子である。)
[14]
[1]に記載の電池と、
上記電池について制御する制御部と、
上記電池を内包する外装と
を有する電池パック。
[15]
[1]に記載の電池を有し、
上記電池から電力の供給を受ける電子機器。
[16]
[1]に記載の電池と、
上記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
上記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を有する電動車両。
[17]
[1]に記載の電池を有し、
上記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
[18]
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え
上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記電池の充放電制御を行う[17]に記載の蓄電装置。
[19]
[1]に記載の電池から電力の供給を受け、または、発電装置若しくは電力網から上記電池に電力が供給される電力システム。
11・・・電池缶、12,13・・・絶縁板、14・・・電池蓋、15A・・・ディスク板、15・・・安全弁機構、16・・・熱感抵抗素子、17・・・ガスケット、20・・・巻回電極体、21・・・正極、21A・・・正極集電体、21B・・・正極活物質層、22・・・負極、22A・・・負極集電体、22B・・・負極活物質層、23・・・セパレータ、24・・・センターピン、25・・・正極リード、26・・・負極リード、27・・・ガスケット、30・・・巻回電極体、31・・・正極リード、32・・・負極リード、33・・・正極、33A・・・正極集電体、33B・・・正極活物質層、34・・・負極、34A・・・負極集電体、34B・・・負極活物質層、35・・・セパレータ、36・・・電解液保持層、37・・・保護テープ、39・・・絶縁層、40・・・外装部材、41・・・密着フィルム、42c・・・内側樹脂層、51・・・非水電解質電池、52・・・ラミネートフィルム、52a・・・金属層、52b・・・外側樹脂層、52c・・・内側樹脂層、53・・・正極リード、54・・・負極リード、55・・・シーラント、56・・・固定部材、57・・・積層電極体収納部、60・・・積層電極体、61・・・正極、61A・・・正極集電体、61B・・・正極活物質層、61C・・・正極タブ、62・・・負極、62C・・・負極タブ、62A・・・負極集電体、62B・・・負極活物質層、63・・・セパレータ、66・・・電解質、100・・・バッテリユニット、200・・・バッテリモジュール、301・・・組電池、301a・・・二次電池、302・・・充電制御スイッチ、302a・・・充電制御スイッチ、302b・・・ダイオード、303a・・・放電制御スイッチ、303b・・・ダイオード、304・・・スイッチ部、307・・・電流検出抵抗、308・・・温度検出素子、310・・・制御部、311・・・電圧検出部、313・・・電流測定部、314・・・スイッチ制御部、317・・・メモリ、318・・・温度検出部、321・・・正極端子、322・・・負極端子、400・・・蓄電システム、401・・・住宅、402・・・集中型電力系統、402a・・・火力発電、402b・・・原子力発電、402c・・・水力発電、403・・・蓄電装置、404・・・発電装置、405・・・電力消費装置、405a・・・冷蔵庫、405b・・・空調装置、405c・・・テレビジョン受信機、405d・・・風呂、406・・・電動車両、406a・・・電気自動車、406b・・・ハイブリッドカー、406c・・・電気バイク、407・・・スマートメータ、408・・・パワーハブ、409・・・電力網、410・・・制御装置、411・・・センサ、412・・・情報網、413・・・サーバ、500・・・ハイブリッド車両、501・・・エンジン、502・・・発電機、503・・・電力駆動力変換装置、504a・・・駆動輪、504b・・・駆動輪、505a・・・車輪、505b・・・車輪、508・・・バッテリー、509・・・車両制御装置、510・・・各種センサ、511・・・充電口

Claims (19)

  1. 正極と、
    負極と、
    非水溶媒および電解質塩を含む電解液を有する電解質と
    を備え、
    上記非水溶媒は、鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含み、
    上記電解質塩は、式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含む電池。
    Figure 2013225388
    (式中、Mは1価のカチオンである。YはSO2またはCOである。各置換基Zは、独立して、フッ素原子、または少なくとも1つの重合可能な官能基を含んでもよく、かつ、ペルフルオロ化されていてもよい有機基である。置換基Zの少なくとも1つはフッ素原子である。)
  2. 上記鎖状カルボン酸エステルは、式(2)で表される化合物の少なくとも1種である請求項1に記載の電池。
    Figure 2013225388
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または、ハロゲン化アルキル基である。)
  3. 上記環状エーテルは、式(3)〜式(5)で表される化合物の少なくとも1種である請求項1に記載の電池。
    Figure 2013225388
    (式中、R3〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
    Figure 2013225388
    (式中、R7〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
    Figure 2013225388
    (式中、R11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
  4. 上記鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルの含有量は、上記非水溶媒の合計体積に対して、10体積%以上70体積%以下である請求項1に記載の電池。
  5. 上記式(1)で表される化合物の含有量は、上記電解液に対して、0.1mol/L以上1.5mol/L以下である請求項1に記載の電池。
  6. 上記式(1)で表される化合物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである請求項1に記載の電池。
  7. 上記非水溶媒は、鎖状炭酸エステル、環状炭酸エステルおよびフッ素化環状炭酸エステルの少なくとも何れかをさらに含む請求項1に記載の電池。
  8. 上記電解液は、さらに、不飽和環状炭酸エステル、ニトリル化合物、およびスルホン酸エステル化合物のうちの少なくとも1種を含む請求項1に記載の電池。
  9. 上記正極は、正極活物質として、オリビン型の構造を有するリチウムリン酸化合物を含む請求項1に記載の電池。
  10. 上記オリビン型の構造を有するリチウムリン酸化合物は、下記式で表されるリチウムリン酸化合物である請求項9に記載の電池。
    (式):LixMPO4
    (式中、Mは、元素の周期表の第4周期の4族〜11族の遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である。xは0<x<1.2の範囲内の値である。)
  11. 上記電解質塩は、六フッ化リン酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、および四フッ化ホウ酸リチウムのうちの少なくとも1種をさらに含む請求項1に記載の電池。
  12. 上記正極および上記負極の間に、イオン移動が可能な絶縁層がある請求項1に記載の電池。
  13. 鎖状カルボン酸エステルまたは環状エーテルを含む非水溶媒と、
    式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含む電解質塩と
    を含む電解液を有する電解質。
    Figure 2013225388
    (式中、Mは1価のカチオンである。YはSO2またはCOである。各置換基Zは、独立して、フッ素原子、または少なくとも1つの重合可能な官能基を含んでもよく、かつ、ペルフルオロ化されていてもよい有機基である。置換基Zの少なくとも1つはフッ素原子である。)
  14. 請求項1に記載の電池と、
    上記電池について制御する制御部と、
    上記電池を内包する外装と
    を有する電池パック。
  15. 請求項1に記載の電池を有し、
    上記電池から電力の供給を受ける電子機器。
  16. 請求項1に記載の電池と、
    上記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
    上記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
    を有する電動車両。
  17. 請求項1に記載の電池を有し、
    上記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
  18. 他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え
    上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記電池の充放電制御を行う請求項17に記載の蓄電装置。
  19. 請求項1に記載の電池から電力の供給を受け、または、発電装置若しくは電力網から上記電池に電力が供給される電力システム。
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