JP7264342B2 - オペランド測定用二次電池電極 - Google Patents

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Description

本発明は、Liイオン二次電池などの電池の充放電機構解明に不可欠な電池電極の電子状態解析に関するものである。また、本発明は、そのための薄膜構造を有する電池電極およびその製造方法に関するものである。
持続的発展可能な低炭素社会の実現に向けて、クリーンエネルギーの研究が活発に行われ、その中で、例えば自動車等においても、従来の化石燃料を用いるエンジンに替えて駆動エネルギーとして電気を用いる研究開発が注目されている。このような電気エネルギーを利用する技術においては、特に、高性能二次電池の開発が重要であり、電池用電極などの材料開発に加えて、電池の評価技術の進展もめざましい。このような最先端評価技術の一つに、放射光を利用した、デバイス動作下のオペランド測定が挙げられる。
例えば高電圧動作を特徴とするLiイオン電池等に対しては、電池を分解して個別の材料特性を評価する従来技術では電位状態の維持が困難なことから、充放電メカニズム解明のためには動作状態で構成材料の評価を行うオペランド測定が重要である。
電池の電極活物質の電子状態を測定するためにX線を用いる方法が知られている。電子状態解析の手法としては、比較的エネルギーが高く(約20-100keV)透過性の強い硬X線を用いる方法が一般的であるが、電池の電極活物質としてよく用いられる遷移金属化合物の電子状態の解析には、比較的エネルギーが低く透過性の弱い軟X線(約100eV-2keV)や真空紫外線(約40eV-100eV)(以下、この明細書では、軟X線等と総称することがある)の方が適しており、これにより、遷移金属3d-酸素2p混成軌道の情報を詳細に知ることができる。
軟X線等の利用には高真空が必要とされる。このため、軟X線等を用いて大気圧下で試料の電子状態をオペランド解析するためには、軟X線等を透過させつつ、真空相と大気相の隔離が可能なシリコンナイトライド(Si)やシリコンカーバイド(SiC)を主体とする薄膜窓材を用い、大気相側の試料に当該窓材を介して軟X線等を入射し、試料からの発光X線等を、当該窓材を介して観察し、試料の電子状態を解析する。Liイオン電池のように液体(電解液)を用いる電池の動作下測定(オペランド測定)の場合には、軟X線等が透過可能な厚さ150nm程度のSiやSiC窓にて超高真空を隔て、その上に/集電体/電極活物質膜の作用極と電解液、対極というセル構成が必要とされる。
上記セル構成において、電極活物質の電子状態をオペランド解析するためには、集電体および電極活物質膜は、軟X線等の透過性の窓材に対し密着している必要があり、このためには、電極活物質である遷移金属化合物を高温で集電体上に膜形成させる必要がある。しかしながら、従来のTi、Cr等からなる密着層およびAuからなる集電体層の2層構造を有する集電体薄膜は、この高温処理により劣化し、導電性が低下するため、この方法では、電極活物質の電子状態をオペランド解析することができなかった。
これに対し、本発明者らは、先に、当該集電体薄膜を、Alからなるバッファー層、Ti、Cr等からなる密着層、およびAuからなる集電体層の3層構造とすることにより、電極活物質を膜形成させる際の高温処理により劣化することのない集電体薄膜を提供することに成功し、これを用いることで、電極活物質の電子状態をオペランド解析することを可能とした(特許文献1、非特許文献1)。
特開2016-040763号公報
Electrochemistry Communications 2015, 50, 93-96.
本発明者らが先に開発した上述の技術では、集電体薄膜に酸素が含まれており、軟X線等により当該集電体中の酸素も励起されるため、Liイオン電池等の電極活物質(多くは遷移金属と酸素から構成される。正極の場合は、これらに加えてLi元素、Na電池の場合は、Liの代わりにNa元素が含まれる)のオペランド測定にあたっては、電極活物質中の酸素の電子状態に加えて、当該集電体中の酸素の電子状態も計測されることとなり、電極活物質中の酸素の電子状態のみをそこから取り出して計測することができず、このため、オペランド測定ができるのは、遷移金属の電子状態に限られていた。
しかしながら、Liイオン電池等の充放電メカニズムの解明や、酸素の酸化還元反応を利用した更なる充放電容量拡大を検討するためには、電極活物質中の酸素の電子状態解析も重要である。
酸素を含まず、かつ、電極活物質を膜形成させる際の高温処理により劣化することのない集電体薄膜を提供することができれば、活物質中の酸素の解析が可能となる。
本発明は、このような集電体薄膜を提供することを課題とし、これを用いることで、軟X線等が透過可能な基材上に酸素を含まない集電体薄膜と電極活物質薄膜を積層してなる、電極活物質中の遷移金属の電子状態に加えて、酸素の電子状態をもオペランド測定することが可能な電極構造体を提供することを課題とする。
本発明者らは、軟X線等を透過することができる程度の厚みを有するSi薄膜上に、TiN薄膜またはZrN薄膜を堆積させ、ついで、Au薄膜を堆積させることによって、軟X線を透過することができ、かつ、後の高温加熱を伴う工程でその上に遷移金属酸化物などの遷移金属化合物からなる電極活物質層を形成させても電子伝導性を維持し得る、酸素を含まない集電体薄膜層を形成することができることを見出した。
具体的には、本発明者らは、厚さ150nmのSi薄膜を表面に設けたSi基板をスパッタ装置内に取り付け、5×10-5Paまで減圧することにより、残存大気を排除した後、Arガスを用いた逆スパッタリングにより基板上のSi薄膜表面を清浄化し、ついで、5×10-5Pa程度以下の減圧下、基板を400℃に加熱・保持し、当該温度にて、Arガスを用いたスパッタリングにより厚さ25nmのTiN薄膜またはZrN薄膜を堆積させ、ついで、基板を650℃に加熱して、1×10-4Pa程度まで減圧・保持し、当該温度にて、Arガスを用いたスパッタリングにより厚さ15nmのAu薄膜を堆積させることによって、集電体薄膜層を形成し(実施例1、2)、Si薄膜上に集電体薄膜を設けた当該Si基板をスパッタ装置内に取り付け、5×10-5Paまで減圧することにより、残存大気を排除した後、Arガスを用いた逆スパッタリングにより基板上のAu薄膜表面を清浄化し、ついで、1×10-4Pa程度以下の減圧下、基板を650℃に加熱・保持し、当該温度にて、Arガスを用いたスパッタリングにより当該集電体薄膜層上にLiFePOなどのOlivine型構造を有する遷移金属化合物からなる、厚さ75nm程度の電極活物質層を堆積させ(実施例3、4)、あるいは、1×10-4Pa程度以下の減圧下、基板を600℃に加熱・保持し、当該温度にて、所定の割合のAr及びOガス雰囲気下、スパッタリングにより当該集電体薄膜層上にLiMnなどのSpinel型構造を有する遷移金属酸化物からなる、厚さ50nm程度の電極活物質層を堆積させ(実施例5~7)、これらの層が設けられた反対側からSi基板にSi薄膜に至る窓部を設けることでオペランド測定用電極を形成し(実施例8)、当該電極を電解液及び対向電極と組み合わせて充放電試験を行うと、正常に充放電し、電池として機能すること(実施例9)、また、Si基板上に設けた窓部からSi薄膜を介して軟X線を入射することにより、当該電極に十分な軟X線が入射され、当該電極からの発光を測定することにより、当該電極における酸素の電子状態を測定できること(実施例10)を見出した。
本発明は、本発明者らによるこれらの知見に基づいて、なされたものである。
集電体上に、集電体に密着した遷移金属酸化物などの遷移金属化合物からなる電極活物質を形成するには、通常500℃程度以上の高温の熱処理を行う必要がある。
図1に示した、公知の技術を用いて作成したTi、Cr等の密着層及びAuからなる集電体層の2層構造の集電体膜を用いると、この熱処理工程で電極活物質直下のAuが移動し、Au層が連続した膜からいたるところで分断された構造へと変化してしまうことで、集電体が高抵抗化し、電極活物質を電位操作してオペランド測定を行うことが困難となる。Au膜厚を例えば50nm程度以上にすることで抵抗を低く保つことは可能であるが、これにより軟X線等の透過が妨げられ、スペクトル測定が不可能となる。
図2に示す、本発明者らが先行して開発した技術(特許文献1)では、Au膜厚を厚くせず、かつ熱処理による高抵抗化を抑制するため、軟X線等を透過するSiやSiC薄膜とTi、Cr等の密着層の間に、Alからなるバッファー層を設け、Al、Ti又はCr、及びAuの3層構造とすることで、Au層を強固に固定し、電極活物質を形成する際の高温処理においても、連続した膜構造の維持を可能としている。しかしながら、この方法では、バッファー層のAlに酸素が含まれ、また、密着層のTiが電極活物質を形成する際の高温処理において容易に酸化されることにより、密着層にも酸素が含まれることとなる。このため、この方法で作成された電極について酸素の電子状態をオペランド測定する場合、図3に示すように密着層やバッファー層からの信号が発生し、電極活物質中の酸素の信号との識別が困難であった。
これに対し、図4に示した、本発明の技術では、密着層として、構成元素として酸素を含まないTiNやZrNを用いることで、Alからなるバッファー層を設けることなく、電極活物質形成時の熱処理においてもAu層の移動を抑制することができ、これにより、軟X線等を用い、電極活物質を電位操作することで、電極活物質に含まれる遷移金属のみならず酸素の電子状態についてもオペランド測定を行うことが可能となる。
本発明による上記集電体薄膜は、成膜装置内部の残存大気を排除したのち、基板表面のSiまたはSiCの薄膜上に、清浄で均質な界面を有するTiNやZrNの密着層結晶薄膜を作製し、続いて、当該密着層上に、Au薄膜を作製することにより、製造することができる。
本発明による集電体薄膜は、また、上述の電極活物質を膜形成させる程度の高温にさらされても、導電性が低下することがないという優れた特性を有することから、上述の、電極活物質の電子状態をオペランド測定するための電極に限られず、耐熱性の必要な各種の用途において、用い得るものである。
すなわち、この出願は、以下の発明を提供するものである。
〈1〉Si基板上にSiまたはSiCの薄膜を有し、当該薄膜上に、TiNまたはZrNの薄膜及び当該TiNまたはZrNの薄膜上のAuの薄膜からなる二層構造の薄膜を有する、高温で電極活物質を成膜した後にも低抵抗を示す薄膜集電体。
〈2〉表面にSiまたはSiCの薄膜を設けたSi基板を成膜装置内に配置し、残存大気を排除したのち、基板表面のSi薄膜上に、TiNまたはZrNの密着層薄膜を成膜し、続いて、当該密着層薄膜上にAu薄膜を成膜することを特徴とする、〈1〉に記載の薄膜集電体の作製方法。
〈3〉Si基板表面のSiまたはSiCの薄膜上に、〈1〉に記載の薄膜集電体を有し、その上に電極活物質層を有する、電池用薄膜電極。
〈4〉Si基板表面のSiまたはSiCの薄膜上に設けた〈1〉に記載の薄膜集電体上に、さらに電極活物質を高温で成膜して電極活物質層を設けることを特徴とする、〈3〉に記載の電池用薄膜電極の作製方法。
〈5〉電極活物質がLiイオン電池の正極用活物質である、〈4〉に記載の電池用薄膜電極の作製方法。
〈6〉電極活物質がLiイオン電池の負極用活物質である、〈4〉に記載の電池用薄膜電極の作製方法。
〈7〉〈3〉に記載の電池用薄膜電極の、SiまたはSiCの薄膜、薄膜集電体、及び電極活物質層を有する側と反対側のSi基板表面に、当該表面から当該SiまたはSiCの薄膜に至る部分のSiが取り除かれ、その底面に当該SiまたはSiCの薄膜が露出した、軟X線及び真空紫外線透過性の窓部を有することを特徴とする、電気化学オペランド軟X線及び/又は真空紫外線吸収/発光分光測定用電極。
〈8〉〈7〉に記載の、軟X線及び真空紫外線透過性の窓部を有することを特徴とする、電気化学オペランド軟X線及び/又は真空紫外線吸収/発光分光測定用電極の作製方法であって、
〈3〉に記載の電池用薄膜電極の、SiまたはSiCの薄膜、薄膜集電体、及び電極活物質層を有する側と反対側のSi基板表面の窓部形成部位を除く部分を保護しながら、当該窓部形成部位のSi基板を当該SiまたはSiCの薄膜層が露出するまでエッチングすることによって、軟X線及び真空紫外線透過性の窓部を形成することを特徴とする、方法。
〈9〉〈7〉に記載の電気化学オペランド軟X線及び/又は真空紫外線吸収/発光分光測定用電極を作用極とし、これと電解質及び対向電極とを組み合わせて電気化学オペランド測定用セルを構成し、当該セルを充放電させ、当該セルの作用極の軟X線及び真空紫外線透過性の窓部を通して、電極活物質中の遷移金属及び酸素を励起させる波長スペクトルの軟X線及び/又は真空紫外線を作用極に照射し、充放電時に電極活物質中の遷移金属及び酸素が発光する軟X線及び/又は真空紫外線の波長スペクトルを、当該窓部を通して測定し、電極活物質中の遷移金属及び酸素の電子状態を解析することを特徴とする、軟X線及び/又は真空紫外線電気化学オペランド分光測定方法。
〈10〉酸素の周辺環境が電極活物質中とは異なる、酸素含有電解質を用いることを特徴とする、〈9〉に記載の軟X線及び/又は真空紫外線電気化学オペランド分光測定方法。
上述のとおり、高電圧動作を特徴とするLiイオン電池などの電池に対しては、充放電メカニズム解明のためには動作状態で構成材料の評価を行うオペランド測定が重要である。
本発明者らが先行して開発した技術では、集電体部分に酸素を含むことから、電極活物質の分光学的分析においては遷移金属のみを対象とすることが可能で、活物質中の酸素を集電体部分の酸素から分離して分析できず、電極の構成要素である遷移金属について元素選択的な軟X線及び/又は真空紫外線発光・吸収スペクトルをオペランド測定し、これに基づきFermi準位近傍の電子状態解析を行っていた。
本発明では、電極活物質中の酸素をも分析対象とすることが可能となり、従来の遷移金属に加え、酸素の軟X線及び/又は真空紫外線発光・吸収スペクトルのオペランド測定と電子状態解析を選択的に行うことができる。
これにより、例えば、遷移金属についてのオペランド測定の結果と酸素についてのオペランド測定の結果を合わせることにより導かれる、Fermi準位近傍の電子状態の解析結果を、想定された遷移金属-酸素からなる分子モデルを用いて計算されたFermi準位近傍の電子状態と対比することで、想定された分子モデルの正誤を検証する等により、電池の充放電の過程における遷移金属-酸素の分子レベルの構造について、より詳細な考察を行うことが可能となる。
これにより、オペランド測定法を、Liイオン電池等におけるエネルギーの貯蔵・利用メカニズム解明に向けたより基礎的な評価手法として発展させることができ、得られた知見を用いた革新材料開発指針の立案への展開を促進させることが期待される。
公知の集電体膜を用いて電極膜を形成する際に、高温熱処理により集電体Au層の電気抵抗が増大する機構を示す図。 本発明者らが先に開発したオペランド測定用電極チップの構成とその作成手順を示す図。 本発明者らが先に開発したオペランド測定用電極チップを用いて分光測定する際の問題点を示す図:集電体膜中に酸素が存在することにより、電極活物質中の酸素の分光データのみを取得することができず、酸素の分光測定が阻害される。 本発明者らが今回開発したオペランド測定用電極チップの構成とその作成手順を示す図:電極膜形成温度と同等の高温で酸素フリーの密着層および集電体層を積層して集電体膜を形成したのち、LiFePO、LiMnFe1-xPO、LiCoFe1-xPO、LiMn4、LiAlMn2-x、LiNi0.5Mn1.5等を基板加熱成膜し電極膜を形成することで、酸素フリー集電体膜を有するオペランド測定用電極チップを実現する。これにより、電極材料中の遷移金属、および酸素の電子状態の分光測定が可能となる。 本発明による電極チップ破断面の走査電子顕微鏡(SEM)像:Si基板上に150nm厚のSi窓材層があり、その上にAu/TiNの2層からなる、全体で40nm程度の厚みの集電体膜が密着形成され、その上に、Olivine型構造のLiFePOの結晶粒子からなる、75nm程度の厚みの電極膜が均質に形成されている。なお、顕微鏡像は、チップの斜め上方から撮影されているため、電極膜の厚みは像中の二本の白線で示された間隔となる。 本発明による電極チップ破断面の走査電子顕微鏡(SEM)像:Si基板上に150nm厚のSi窓材層があり、その上にAu/TiNの2層からなる、全体で40nm程度の厚みの集電体膜が密着形成され、その上に、Olivine型構造のLiMn0.5Fe0.5POの結晶粒子からなる、75nm程度の厚みの電極膜が均質に形成されている。なお、顕微鏡像は、チップの斜め上方から撮影されているため、電極膜の厚みは像中の二本の白線で示された間隔となる。 本発明による電極チップ破断面の走査電子顕微鏡(SEM)像:Si基板上に150nm厚のSi窓材層があり、その上にAu/TiNの2層からなる、全体で40nm程度の厚みの集電体膜が密着形成され、その上に、Spinel型構造のLiMnの結晶粒子からなる、50nm程度の厚みの電極膜が均質に形成されている。なお、顕微鏡像は、チップの斜め上方から撮影されているため、電極膜の厚みは像中の二本の白線で示された間隔となる。 本発明による電極チップ破断面の走査電子顕微鏡(SEM)像:Si基板上に150nm厚のSi窓材層があり、その上にAu/TiNの2層からなる、全体で40nm程度の厚みの集電体膜が密着形成され、その上に、Spinel型構造のLiNi0.5Mn1.5の結晶粒子からなる、50nm程度の厚みの電極膜が均質に形成されている。なお、顕微鏡像は、チップの斜め上方から撮影されているため、電極膜の厚みは像中の二本の白線で示された間隔となる。 放射光施設(KEK-PF BL4C)を用いて測定した、本発明による電極チップのX線回折(XRD)図:集電体薄膜上に成膜した代表的なLiイオン電池正極材料LiFePOおよびLiMn0.5Fe0.5POのX線回折図形から、当該成膜した正極材料は不純物相を含まないことが確認できる。 LiFePOおよびLiMn0.5Fe0.5PO電極膜では、●印で示したOlivine型構造に由来する回折ピークに加え、Au(▼)およびTiN(▽)に由来する回折ピークが観察され、所定の結晶薄膜がAl/TiN2層膜上に形成されていることが確認された。 放射光施設(KEK-PF BL4C)を用いて測定した、本発明による電極チップのX線回折(XRD)図:集電体薄膜上に成膜した代表的なLiイオン電池正極材料LiMn、LiAl0.2Mn1.8、LiNi0.5Mn1.5のX線回折図形から、当該成膜した正極材料は不純物相を含まないことが確認できる。 LiMn、LiAl0.2Mn1.8、LiNi0.5Mn1.5電極膜では、●印で示したSpinel型構造に由来する回折ピークが観察され、所定の結晶薄膜がAu/TiN2層膜上に形成されていることが確認された。 本発明の電極チップを用いて構成された電気化学セルのサイクリックボルタンメトリ図:本発明による集電体薄膜上に成膜した正極材料を作用極とし、金属Li箔を対向電極および電位参照極として、電位走査時の測定電流を記録。 代表的な正極材料であるLiFePO及びLiMn0.5Fe0.5POについて、Liイオンの引き抜き・挿入時に生じる遷移金属元素の酸化還元反応電流ピークが見られ、電池動作していることが確認できる。 本発明の電極チップを用いて構成された電気化学セルのサイクリックボルタンメトリ図:本発明による集電体薄膜上に成膜した正極材料を作用極とし、金属Li箔を対向電極および電位参照極として、電位走査時の測定電流を記録。代表的な正極材料であるLiMnについて、Liイオンの引き抜き・挿入時に生じる遷移金属元素の酸化還元反応電流ピークが見られ、電池動作していることが確認できる。 本発明の電極チップを用いて構成された電気化学セルのサイクリックボルタンメトリ図:本発明による集電体薄膜上に成膜した正極材料を作用極とし、金属Li箔を対向電極および電位参照極として、電位走査時の測定電流を記録。代表的な正極材料であるLiAl0.2Mn1.8について、Liイオンの引き抜き・挿入時に生じる遷移金属元素の酸化還元反応電流ピークが見られ、電池動作していることが確認できる。 本発明の電極チップを用いて構成された電気化学セルのサイクリックボルタンメトリ図:本発明による集電体薄膜上に成膜した正極材料を作用極とし、金属Li箔を対向電極および電位参照極として、電位走査時の測定電流を記録。代表的な正極材料であるLiNi0.5Mn1.5について、Liイオンの引き抜き・挿入時に生じる遷移金属元素の酸化還元反応電流ピークが見られ、電池動作していることが確認できる。 本発明の電極膜の軟X線吸収分光試験の結果を示す図。 本発明のオペランド測定用電極を用いた電気化学オペランドセルの軟X線発光分光測定試験の結果を示す図。
本発明の集電体薄膜は、Si基板上にSiまたはSiCの薄膜を有し、当該薄膜上に、TiNまたはZrNの薄膜及び当該TiNまたはZrNの薄膜上のAuの薄膜からなる二層構造の薄膜を有することを特徴とする。
Si基板上に設けられたSiまたはSiCの薄膜は、Si基板に軟X線及び/又は真空紫外線吸収/発光分光測定用の窓部を設けた際に、当該窓部において、軟X線及び/又は真空紫外線測定を行う外部の真空相と測定対象を収納する内部の大気圧相の間の隔壁として十分な強度を有することが必要であり、一方で、その上に設けるTiNまたはZrNの薄膜及びAuの薄膜から構成される多層膜が、外部から内部の試料を励起するために入射する軟X線及び/又は真空紫外線の十分な量が透過し、また、内部から励起された試料が発光する軟X線及び/又は真空紫外線の十分な量が外部へと透過する程度の、例えば10%以上の、軟X線及び真空紫外線の透過性を有する必要がある。
このような観点から、SiまたはSiCの薄膜は、100~200nm程度の厚さであることが適当であり、特に150nm程度の厚さであることが好ましい。
上記SiまたはSiCの薄膜上に設けられるTiNまたはZrNの薄膜及びAuの薄膜からなる二層構造の薄膜において、TiNまたはZrNの薄膜は、その上に設けられるAuの薄膜をSiまたはSiCの薄膜に密着させる機能を有し、導電性はもっぱらAuの薄膜によってもたらされる。したがって、より高い導電性を得るためには、Auの薄膜をできるだけ厚くし、TiNまたはZrNの薄膜は当該Auの薄膜の密着に必要最小限の厚さとすることが適切であるが、一方で、上述のとおり、これらとSiまたはSiCの薄膜から構成される多層膜が所定の軟X線及び真空紫外線の透過性を有する必要がある。
このような観点から、TiNまたはZrNの薄膜は、15~35nm程度の厚さであることが適当であり、特に25nm程度の厚さであることが好ましく、また、Auの薄膜は、5~25nm程度の厚さであることが適当であり、特に15nm程度の厚さであることが好ましい。
上述のTiNまたはZrNの薄膜、及びAuの薄膜からなる二層構造の薄膜は、成膜装置内部の残存大気を排除したのち、Si基板表面に設けられたSiまたはSiCの薄膜上に、清浄で均質な界面を有するTiNやZrNの密着層薄膜を作製し、続いて、当該密着層上に、Au薄膜を作製することにより、製造することができる。
残存大気の排除は、例えば、成膜装置内部を1x10-4Pa以下の高真空とすることで、あるいは、1×10-3Pa程度の高真空に減圧し乾燥不活性ガスを導入する過程を複数回繰り返すことで、行うことができる。
密着層薄膜の成膜は、例えば室温でも行うことができるが、SiまたはSiCの薄膜が表面に設けられたSi基板を200℃以上に加熱して行うことにより、TiNやZrNの結晶薄膜を得ることができ、これにより膜厚を低減することができる。
Au薄膜の成膜は、上記密着層がSiまたはSiCの薄膜上に設けられたSi基板を、電極活物質成膜の際の熱処理温度に対し-50℃以上の、密着層を劣化させない温度に加熱して行うことができる。このように、室温より十分高温に基板を加熱して成膜することによりAuを固定化することで、電極活物質膜を形成したのちも、Au集電体層の抵抗を、オペランド測定に供することが可能な、例えば1000Ω以下の、十分低い値に保つことができる。
上記TiNまたはZrNの密着層薄膜、及びAu薄膜の作製は、不活性雰囲気において、スパッタリング、蒸着等、公知の適宜の方法を用いて行うことができ、例えば、Arガスを用いたスパッタリングにより作製することができる。
なお、スパッタリング法を用いる場合は、TiN等の薄膜化される素材のターゲットを用いる前に、予めArガスのみを用いた逆スパッタリングを行うことにより、薄膜を作製する基材表面の、不純物を含み得る表層を除去することによって、基材表面を清浄化させることができる。
本発明の電池用薄膜電極は、上述の、Si基板表面のSiまたはSiCの薄膜上に設けた本発明の薄膜集電体上に、さらに電極活物質を高温で成膜して電極活物質層を設けることにより、作製することができる。
上記薄膜とする電極活物質としては、例えば、Liイオン電池については、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等の金属酸化物正極材料、LiFeMn1-xPO等のポリアニオン系正極材料、Fe等の金属酸化物負極材料を用いることができる。
上記電極活物質層は、オペランド測定の対象となる電極反応は電極活物質と電解液ないし電解液中のLiイオンとの接触により生じることから、集電体薄膜と電極活物質層の界面にまで電解液ないし電解液中のLiイオンが浸透することが適切であるとの観点から、25~100nm程度の厚さ、好ましくは50~75nm程度の厚さであること、そして、当該厚さと同程度の粒径の結晶粒子が集合した形態からなることが好ましく、また、当該電極活物質層は、電池の充放電反応に際し、集電体薄膜から脱落することがないように、集電体薄膜に密着していることが必要である。
このような電極活物質薄膜は、500℃~700℃程度の高温条件下、スパッタリング、蒸着等の、公知の方法を用いて、電極活物質を本発明の集電体薄膜表面に成膜することにより作成することができる。
成膜は、Arガスなどの不活性雰囲気において行うが、電極活物質が金属酸化物からなる場合は、一部の金属成分が還元されるのを防ぐため、10%程度以下のOガスを加えることができる。
本発明の集電体薄膜は、上記高温下での電極活物質薄膜の成膜によっても、オペランド測定に必要な低抵抗、例えば1000Ω程度以下の低抵抗を保つことができる。
上述のとおり、オペランド測定の対象となる電極反応は電極活物質と電解液ないし電解液中のLiイオンとの接触により生じることから、オペランド測定により電極活物質中の酸素の電子状態を知るためには、電解液は酸素を含まないものであることが好ましい。しかしながら、例えば、電解液の有機溶媒として用いるプロピレンカーボネートなどの有機物における酸素や試験用電池に用いる水性電解液中のHOにおける酸素は、遷移金属酸化物などの電極活物質における酸素とは、酸素の周辺環境が異なるため、励起される軟X線等の波長域が異なるので、電極活物質の軟X線及び/又は真空紫外線電気化学オペランド分光測定にあたり、このような電解液を用いても、電極活物質における酸素の電子状態を測定することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]酸素フリー集電体膜1の形成
以下の手順で、酸素を含有しない集電体膜を形成した。
1)洗浄・乾燥を行った厚さ150nmのSi層を表面に有するSi基板を、RFマグネトロンスパッタ装置に取り付け、装置内部を5×10-5Pa以下まで減圧した後、Ar流量10cc/min、圧力0.7Pa程度で基板表面をArにて逆スパッタし、清浄化を行う。
2)清浄化後、装置内部を5×10-5Pa程度まで減圧した後、基板を400℃に加熱・保持する。
3)基板温度400℃にてArガスを導入し、TiNターゲットを用いてTiN薄膜を25nm堆積させる。
4)基板を650℃に加熱・1×10-4Pa程度まで減圧し、保持する。
5)基板温度650℃にてArガスを導入し、Auターゲットを用いてAu薄膜を15nm堆積させる。
このようにしてSi層上に形成した、TiN薄膜及びAu薄膜からなる2層構造の薄膜を、以下、酸素フリー集電体膜1と呼ぶ。
[実施例2]酸素フリー集電体膜2の形成
以下の手順で、酸素を含有しない集電体膜を形成した。
1)洗浄・乾燥を行った厚さ150nmのSi層を表面に有するSi基板を、RFマグネトロンスパッタ装置に取り付け、装置内部を5×10-5Pa以下まで減圧した後、Ar流量10cc/min、圧力0.7Pa程度で基板表面をArにて逆スパッタし、清浄化を行う。
2)清浄化後、装置内部を5×10-5Pa程度まで減圧した後、基板を400℃に加熱・保持する。
3)基板温度400℃にてArガスを導入し、ZrNターゲットを用いてZrN薄膜を25nm堆積させる。
4)基板を650℃に加熱・1×10-4Pa程度まで減圧し、保持する。
5)基板温度650℃にてArガスを導入し、Auターゲットを用いてAu薄膜を15nm堆積させる。
このようにしてSi層上に形成した、ZrN薄膜及びAu薄膜からなる2層構造の薄膜を、以下、酸素フリー集電体膜2と呼ぶ。
[実施例3]Olivine型構造を有する電極膜1の形成
以下の手順で、酸素フリー集電体膜1上に、電極活物質がOlivine型構造を有する電極膜を形成した。
1)Si層上に酸素フリー集電体膜1を形成したSi基板を、RFマグネトロンスパッタ装置に取り付け、装置内部を5×10-5Pa以下まで減圧した後、Ar流量10cc/min、圧力0.7Pa程度で基板表面をArにて逆スパッタし、清浄化を行う。
2)清浄化後、装置内部を5×10-5Pa程度まで減圧した後、基板を650℃に加熱・保持する。
3)基板温度650℃にてArガスを導入し、LiFePOターゲットを用いてLiFePO薄膜を50nm程度堆積させる。
このようにして酸素フリー集電体膜1上に形成した、Olivine型電極活物質LiFePOからなる電極膜を、以下、Olivine型構造を有する電極膜1と呼ぶ。
[実施例4]Olivine型構造を有する電極膜2の形成
以下の手順で、酸素フリー集電体膜1上に、電極活物質がOlivine型構造を有する電極膜を形成した。
1)Si層上に酸素フリー集電体膜1を形成したSi基板を、RFマグネトロンスパッタ装置に取り付け、装置内部を5×10-5Pa以下まで減圧した後、Ar流量10cc/min、圧力0.7Pa程度で基板表面をArにて逆スパッタし、清浄化を行う。
2)清浄化後、装置内部を5×10-5Pa程度まで減圧した後、基板を650℃に加熱・保持する。
3)基板温度650℃にてArガスを導入し、LiFePOターゲットとLiMnPOターゲット双方に所定の比率のRF入力を加えて、LiMn0.5Fe0.5PO薄膜を50nm程度堆積させる。
このようにして酸素フリー集電体膜1上に形成した、Olivine型電極活物質LiMn0.5Fe0.5POからなる電極膜を、以下、Olivine型構造を有する電極膜2と呼ぶ。
なお、LiMn0.5Fe0.5PO薄膜の堆積は、LiFePOターゲットとLiMnPOターゲットを交互に用いて行うことも可能であり、また、所定の組成のLiMnFe1-xPOターゲットを用いて行うことも可能である。
[実施例5]Spinel型構造を有する電極膜1の形成
以下の手順で、酸素フリー集電体膜1上に、電極活物質がSpinel型構造を有する電極膜を形成した。
1)Si層上に酸素フリー集電体膜1を形成したSi基板を、RFマグネトロンスパッタ装置に取り付け、装置内部を5×10-5Pa以下まで減圧した後、Ar流量10cc/min、圧力0.7Pa程度で基板表面をArにて逆スパッタし、清浄化を行う。
2)清浄化後、装置内部を5×10-5Pa程度まで減圧した後、基板を600℃に加熱・保持する。
3)基板温度600℃にて、ArガスとOガスを19:1の割合で同時に導入し、LiMnターゲットを用いてLiMn薄膜を50nm程度堆積させる。
(Au上に基板温度600℃程度にて、LiMnなどのSpinel型構造を有する酸化物電極膜を堆積させる場合は、金属が部分的に還元されることを防ぐため、スパッタリングを10%程度以下の酸素を含む雰囲気で行う必要がある。)
このようにして酸素フリー集電体膜1上に形成した、Spinel型電極活物質LiMnからなる電極膜を、以下、Spinel型構造を有する電極膜1と呼ぶ。
[実施例6]Spinel型構造を有する電極膜2の形成
以下の手順で、酸素フリー集電体膜1上に、電極活物質がSpinel型構造を有する電極膜を形成した。
1)Si層上に酸素フリー集電体膜1を形成したSi基板を、RFマグネトロンスパッタ装置に取り付け、装置内部を5×10-5Pa以下まで減圧した後、Ar流量10cc/min、圧力0.7Pa程度で基板表面をArスパッタし、清浄化を行う。
2)清浄化後、装置内部を5×10-5Pa程度まで減圧した後、基板を600℃に加熱・保持する。
3)基板温度600℃にて、ArガスとOガスを19:1の割合で同時に導入し、LiMnターゲットとAlターゲット双方に所定の比率のRF入力を加えて、LiAl0.2Mn1.8薄膜を50nm程度堆積させる。
このようにして酸素フリー集電体膜1上に形成した、Spinel型電極活物質LiAl0.2Mn1.8からなる電極膜を、以下、Spinel型構造を有する電極膜2と呼ぶ。
なお、LiAl0.2Mn1.8薄膜の堆積は、LiMnターゲットとAlターゲットを交互に用いて行うことも可能であり、Alターゲットの代わりにAlターゲットを用いて堆積させることも可能である。また、所定の組成のLiAlMn2-xターゲットを用いてLiAlMn2-x薄膜を堆積させることも可能である。
[実施例7]Spinel型構造を有する電極膜3の形成
以下の手順で、酸素フリー集電体膜1上に、電極活物質がSpinel型構造を有する電極膜を形成した。
1)Si層上に酸素フリー集電体膜1を形成したSi基板を、RFマグネトロンスパッタ装置に取り付け、装置内部を5×10-5Pa以下まで減圧した後、Ar流量10cc/min、圧力0.7Pa程度で基板表面をArにて逆スパッタし、清浄化を行う。
2)清浄化後、装置内部を5×10-5Pa程度まで減圧した後、基板を600℃に加熱・保持する。
3)基板温度600℃にて、ArガスとOガスを19:1の割合で同時に導入し、LiNi0.5Mn1.5ターゲットを用いてLiNi0.5Mn1.5薄膜を50nm程度堆積させる。
このようにして酸素フリー集電体膜1上に形成した、Spinel型電極活物質LiNi0.5Mn1.5からなる電極膜を、以下、Spinel型構造を有する電極膜3と呼ぶ。
図5a-bに、上記実施例3~5及び7において、Si基板表面のSi層上に実施例1に従い成膜した酸素フリー集電体膜1の上に、更にOlivine型若しくはSpinel型構造を有する電極膜を成膜して得られた、各電極チップの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。
各画像から、Si基板上に150nm厚のSi層があり、その上に膜厚30nm程度のAu/TiNの二層からなる集電体膜が密着形成され、さらにその上に、図5aでは、Olivine型構造のLiFePOの、図5bでは、同じくLiMn0.5Fe0.5POの、図5cでは、Spinel型構造のLiMnの、そして、図5dでは、同じくLiNi0.5Mn1.5の、それぞれ結晶からなる膜厚50nm~75nm程度の電極膜が均質に密着して形成されていることが見て取れる。
また、最上面の電極活物質の結晶は50nm程度の径を有する粒子状であるため、Liイオンが電極活物質の結晶中に拡散し、また、Liイオンを含む電解液が粒子間に存在する空隙を通じて浸透することで、電極膜の電解液層と接する表面だけでなく電極膜と集電体膜との界面近傍でもリチウムの脱挿入反応が生じうる断面構造となっている。このため、Si層下部から照射される軟X線ビームは、脱挿入反応が生じている部位に到達し、当該部位の情報を反映しうることが確認できる。
図6a-bに、上記実施例3~7において作成した各電極チップのX線回折(XRD)図を示す。X線回折は、放射光施設(KEK-PF BL4C)を用いて測定した。
図6aのLiFePOおよびLiMn0.5Fe0.5PO電極膜を用いたチップでは、●印で示したOlivine型構造に由来する回折ピークに加え、集電体膜に由来するAu(▼)およびTiN(▽)に由来する回折ピークのみが観察され、所定の結晶薄膜がAl/TiN二層膜上に形成されていることが確認された。
また、図6bのLiMn、LiAl0.2Mn1.8、およびLiNi0.5Mn1.5電極膜では、上記集電体膜に由来する回折ピークのほかには、●印で示したSpinel型構造に由来する回折ピークのみが観察され、所定の結晶薄膜がAu/TiN二層膜上に形成されていることが確認された。
これらの結果から、当該成膜した電極材料は不純物相を含まないことが確認できる。
[実施例8]オペランド測定用電極の作成
(電極膜/酸素フリー集電体膜/Si膜多層膜直下のSi/Si層の除去)
実施例4で作成した、Si基板表面のSi層上に実施例1に従い成膜した酸素フリー集電体膜1の上にOlivine型電極活物質LiMn0.5Fe0.5POからなるOlivine型電極膜2を成膜して得られた電極チップから、以下の手順で、オペランド測定に用いる電極を作成した。
1)実施例4で得られた電極チップにおけるSi基板の、酸素フリー集電体膜1およびOlivine型電極膜2を形成したSi層と反対側のSi層(注.このような基板では、通常、両面がSiにより被膜されている)を、幅1mm×長さ5mm程度の範囲にわたって除去し、Siを部分的に露出させる。
2)Si露出部以外をポリエチレンシートなどで保護したのち、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いてウェットエッチング処理を施し、酸素フリー集電体膜1を形成した側のSi層をエッチストップ層として、Siをスリット状に溶解し取り除くことで、Si基板にダイアフラム型窓構造を形成する。
3)Siのスリットにフッ化水素アンモニウム水溶液を滴下し、エッチストップ層としたシリコンナイトライド層表面や、Si壁表面のシリカ被膜を除去する。
同様の手順により、実施例3及び5~7で作成した各電極チップからも、オペランド測定用電極を作成することができる。
なお、上述のSiのウェットエッチングは、水酸化ナトリウム水溶液を用いても行うことができ、シリカ被膜の除去は、HF水溶液や、緩衝HF溶液を滴下することでも、行うことが可能である。
[実施例9]電極基板のサイクリックボルタンメトリ(CV)試験
実施例3において作成されたLiFePO電極活物質膜が成膜された電極チップを作用電極とし、参照極および対極にLi金属、電解液に1MのLiClOを溶解したエチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート溶液を使用した3極式の電気化学セルについて、0.5mV/sの電圧掃引速度、3.0V-4.3Vのカットオフ電圧でサイクリックボルタンメトリ(CV)試験を行った。
また、実施例4~7において作成された各電極活物質膜が成膜された各電極チップを作用電極として、同様のCV試験を行った。
その結果を、図7に示す。
図7aに、LiFePO膜のCV試験の結果を示す。3.4-3.5V付近に上下に生じているピークがFe2+/Fe3+酸化還元反応に対応する。あわせて示したLiMn0.5Fe0.5PO膜のCV試験結果では、3.45V-3.55V付近に上下に生じているピークがFe2+/Fe3+酸化還元反応に、4.0V-4.15V付近に上下に生じているピークがMn3+/Mn4+酸化還元反応に対応する。
図7bは、LiMn膜のCV試験の結果である。4.0V-4.15V付近に上下に生じている2組のピークがMn3+/Mn4+酸化還元反応に対応する。
図7cは、LiAl0.2Mn1.8膜のCV試験の結果である。4.0V-4.15V付近に上下に生じている2組のピークがMn3+/Mn4+酸化還元反応に対応する。
図7dは、LiNi0.5Mn1.5膜のCV試験の結果である。4.1V付近に上下になだらかに生じているピークがMn3+/Mn4+酸化還元反応に、4.7-4.75V付近に上下に生じているピークがNi2+/Ni4+酸化還元反応に対応する。
CV試験曲線の形状や反応電位から、本発明による電極チップを電極として構成されるリチウム二次電池において、Liイオンの引き抜き・挿入時に生じる遷移金属元素の酸化還元反応の電流ピークが見られ、電極活物質が正常に充放電動作していることが確認されるとともに、本発明による集電体薄膜の電気抵抗は、電池動作に支障のない程度に低いことが確認された。
[実施例10]本発明の電極膜の軟X線吸収分光試験および本発明の電極膜を用いた電気化学オペランドセルの軟X線発光分光測定試験
以下の要領で、LiMn0.5Fe0.5PO電極活物質膜、及び、1MのLiPFを溶解したプロピレンカーボネート溶液(以下、1M LiPF/PC電解液という)、及び、実施例4で作成したOlivine型構造を有する電極膜2について実施例7の方法で作成したオペランド電極を使用し、対極にLi金属、電解液に1M LiPF/PC電解液を使用した2極式電気化学セルに対し、軟X線発光分光試験を行った。実験は、(財)高輝度光科学センターの大型放射光施設Spring-8の軟X線ビームラインにて行った。軟X線発光分光試験に先立ち、LiMn0.5Fe0.5PO電極活物質膜、及び、1M LiPF/PC電解液について、それぞれ軟X線吸収分光試験を行い、軟X線発光分光試験に用いるのに適切な励起軟X線のエネルギーを選定した。
図8aに、軟X線吸収分光試験により得られた、LiMn0.5Fe0.5PO電極活物質膜および1M LiPF/PC電解液の酸素原子1s内殻励起エネルギー近傍の軟X線吸収スペクトルを示す。LiMn0.5Fe0.5PO膜に対しては531.4eVに、1M LiPF/PC電解液に対しては533.0eVに酸素原子1s内殻励起に対応する吸収ピークが確認された。後者の533.0eVのエネルギーに対しては電極膜と電解液両者ともに吸収を示すのに対し、前者の531.4eVのエネルギーでは電極膜での吸収と比較して、電解液での吸収が大幅に少ないことが判明した。
図8bに、LiMn0.5Fe0.5PO電極活物質膜、1M LiPF/PC電解液、および、両者を用いて構成した電気化学オペランドセルを開回路状態とした際の、軟X線発光スペクトルを示す。
図中下段に示したスペクトルは、励起エネルギーを531.4eVとした場合であり、開回路状態のオペランドセルと電極膜単体の発光スペクトル形状は類似し、かつ、電解液単体の発光スペクトル形状とは異なる。このことから、この励起エネルギーを選択することで、電極活物質膜中の酸素の電子状態解析が、充放電動作下で評価可能であることが確認された。
一方、図中上段に示したスペクトルは、励起エネルギーを533.0eVとした場合であり、開回路状態のオペランドセルの発光スペクトル形状は、電極膜単体と電解液単体の発光スペクトルの形状を足し合わせたものとなっている。このことから、この励起エネルギーを選択した場合は、充放電動作下での発光スペクトルから電解液の発光スペクトルを減じることで、電極活物質膜中の酸素の電子状態解析が可能であることが確認された。
これにより、これらの励起エネルギーを用い、オペランドセルを本発明の集電体を介し閉回路として充放電させることで、充放電動作下での発光スペクトルの異同から、電極活物質膜中の酸素の電子状態の異同を解析することができる。
本発明のオペランド電極は、Liイオン電池に限らず、Naイオン電池などの二次電池を含め、電解液を利用した電気化学反応を主とするデバイスの様々なオペランド測定に利用可能である。

Claims (10)

  1. Si基板上にSiまたはSiCの薄膜を有し、当該薄膜上に、TiNまたはZrNの薄膜及び当該TiNまたはZrNの薄膜上のAuの薄膜からなる二層構造の薄膜を有する、500℃~700℃の高温で電極活物質を成膜した後にも1000Ω以下の低抵抗を示す薄膜集電体。
  2. 表面にSiまたはSiCの薄膜を設けたSi基板を成膜装置内に配置し、残存大気を排除したのち、基板表面のSi薄膜上に、TiNまたはZrNの密着層薄膜を成膜し、続いて、当該密着層薄膜上にAu薄膜を成膜することを特徴とする、請求項1に記載の薄膜集電体の作製方法。
  3. 求項1に記載の薄膜集電体を有し、その上に電極活物質層を有する、電池用薄膜電極。
  4. 求項1に記載の薄膜集電体上に、さらに電極活物質を500℃~700℃の高温で成膜して電極活物質層を設けることを特徴とする、請求項3に記載の電池用薄膜電極の作製方法。
  5. 電極活物質がLiイオン電池の正極用活物質である、請求項4に記載の電池用薄膜電極の作製方法。
  6. 電極活物質がLiイオン電池の負極用活物質である、請求項4に記載の電池用薄膜電極の作製方法。
  7. 請求項3に記載の電池用薄膜電極の、SiまたはSiCの薄膜、薄膜集電体、及び電極活物質層を有する側と反対側のSi基板表面に、当該表面から当該SiまたはSiCの薄膜に至る部分のSiが取り除かれ、その底面に当該SiまたはSiCの薄膜が露出した、軟X線及び真空紫外線透過性の窓部を有することを特徴とする、電気化学オペランド軟X線及び/又は真空紫外線吸収/発光分光測定用電極。
  8. 請求項7に記載の、軟X線及び真空紫外線透過性の窓部を有することを特徴とする、電気化学オペランド軟X線及び/又は真空紫外線吸収/発光分光測定用電極の作製方法であって、
    請求項3に記載の電池用薄膜電極の、SiまたはSiCの薄膜、薄膜集電体、及び電極活物質層を有する側と反対側のSi基板表面の窓部形成部位を除く部分を保護しながら、当該窓部形成部位のSi基板を当該SiまたはSiCの薄膜層が露出するまでエッチングすることによって、軟X線及び真空紫外線透過性の窓部を形成することを特徴とする、方法。
  9. 請求項7に記載の電気化学オペランド軟X線及び/又は真空紫外線吸収/発光分光測定用電極を作用極とし、これと電解質及び対向電極とを組み合わせて電気化学オペランド測定用セルを構成し、当該セルを充放電させ、当該セルの作用極の軟X線及び真空紫外線透過性の窓部を通して、電極活物質中の遷移金属及び酸素を励起させる波長スペクトルの軟X線及び/又は真空紫外線を作用極に照射し、充放電時に電極活物質中の遷移金属及び酸素が発光する軟X線及び/又は真空紫外線の波長スペクトルを、当該窓部を通して測定し、電極活物質中の遷移金属及び酸素の電子状態を解析することを特徴とする、軟X線及び/又は真空紫外線電気化学オペランド分光測定方法。
  10. 酸素の周辺環境が電極活物質中とは異なる、酸素含有電解質を用いることを特徴とする、請求項9に記載の軟X線及び/又は真空紫外線電気化学オペランド分光測定方法。
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