JP5664460B2 - 固体二次電池システム - Google Patents

固体二次電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP5664460B2
JP5664460B2 JP2011127259A JP2011127259A JP5664460B2 JP 5664460 B2 JP5664460 B2 JP 5664460B2 JP 2011127259 A JP2011127259 A JP 2011127259A JP 2011127259 A JP2011127259 A JP 2011127259A JP 5664460 B2 JP5664460 B2 JP 5664460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
solid secondary
solid
active material
electrode active
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011127259A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012256430A (ja
Inventor
祐樹 加藤
祐樹 加藤
重規 濱
重規 濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2011127259A priority Critical patent/JP5664460B2/ja
Publication of JP2012256430A publication Critical patent/JP2012256430A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5664460B2 publication Critical patent/JP5664460B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Description

本発明は、出力特性の低下を回復できる固体二次電池システムに関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム二次電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム二次電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、電池を固体化したリチウム固体二次電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
また、二次電池は繰り返しの充放電が可能であるが、過放電により電池性能が低下することが知られている。そのため、通常の二次電池には、放電時に電池の電圧を測定し、所定の電圧で放電を終止する手段が設けられている。一方、特許文献1には、リチウム二次電池の過放電(定格電圧以下まで放電させることをいう。以下同じ。)を防止する過放電保護手段を備えない電池モジュールが開示されており、特許文献2には、リチウム二次電池の過放電を防止する過放電保護手段を備えない電動装置が開示されている。
特開2010−225581号公報 特開2010−225582号公報
固体二次電池は、充放電を繰り返すことにより内部抵抗が増加し、出力特性が低下するという問題がある。また、固体二次電池は、高温(例えば60℃程度)で保存すると、内部抵抗が増加し、出力特性が低下するという問題がある。さらに、一旦低下した出力特性を回復させることは通常困難である。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、出力特性の低下を回復可能な固体二次電池システムを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、一旦低下した出力特性を回復させるためには、意外にも、積極的(意図的)に過放電を行うことが有効であるとの知見を得た。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
そして、本発明においては、固体二次電池システムは、正極活物質層、負極活物質層、並びに、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された固体電解質層を有する固体二次電池と、前記固体二次電池の外部に設けられ、前記固体二次電池の過放電処理を開始するためのスイッチと、前記スイッチによる入力に基づき、前記固体二次電池の過放電処理を開始することで前記固体二次電池の内部低抗を低減させる過放電処理部と、を備える。
上記固体二次電池システムは、固体二次電池及びスイッチを備える。固体二次電池は、正極活物質層、負極活物質層、並びに、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層を有する。スイッチは、固体二次電池の外部に設けられ、過放電処理を開始させるためのスイッチである。従って、スイッチは、過放電等の実行をユーザが指示するためのインターフェースであればよく、形状等が限定されるものではない。「過放電処理」とは、固体二次電池を過放電させるための処理であり、具体的には、固体二次電池を定格下限電圧などの所定の電圧以下になるまで放電させる処理、又は/及び、放電後の固体二次電池の電圧を維持する処理を指す。従って、固体二次電池を外部短絡させることも過放電処理に含まれる。「外部短絡」とは、固体二次電池の正極活物質層および負極活物質層を外部回路を通じて短絡させることをいう。なお、過放電処理は、電圧を0Vまで放電するものであっても良く、電池が転極する(電圧が負になる)ように放電するものであっても良い。
このように、固体二次電池システムは、ユーザが操作するスイッチを備え、ユーザの操作に基づき、過放電処理を開始することができる。これにより、固体二次電池システムは、ユーザの任意のタイミングに基づき、固体二次電池を過放電状態にさせて、固体二次電池の出力低下の回復及び長寿命化を実現させることができる。
さらに、固体二次電池システムは、前記スイッチによる入力に基づき、前記固体二次電池の過放電処理を開始することで前記固体二次電池の内部低抗を低減させる過放電処理部をさらに備える。これにより、固体二次電池システムは、ユーザの任意のタイミングに基づき、固体二次電池の過放電処理を行い、固体二次電池の出力低下の回復及び長寿命化を実現させることができる。
上記固体二次電池システムの他の一態様では、前記過放電処理部は、前記固体二次電池の残容量が0となるまで当該固体二次電池の放電を行う放電部と、前記固体二次電池の残容量が0となった場合に前記固体二次電池の外部短絡を行う外部短絡部と、を備える。ここで、「残容量」とは、充電量の残量を指す。このような構成を有することで、固体二次電池システムは、スイッチが操作された場合に、短絡による固体二次電池の破損、発熱、発火、感電等を確実に防ぎつつ、固体二次電池を過放電状態にさせて出力低下を回復させることができる。
上記固体二次電池システムの他の一態様では、前記放電部は、負荷の値が可変である放電用負荷を有する。この構成により、固体二次電池システムは、固体二次電池の残容量が0となるまで放電を行う際に、過度の電流の上昇を抑制して低電流を維持することが可能となり、安全性を高めることができる。
本発明の固体二次電池システムは、ユーザの任意のタイミングに基づき、充放電による出力特性の低下を回復させることができるという効果を奏する。
本実施形態の固体二次電池システムの一例を示す模式図である。 本実施形態における固体二次電池の一例を示す概略断面図である。 制御部が実行する処理手順を示すフローチャートである。 変形例に係る固体二次電池システムの構成を示す模式図である。 変形例に係る固体二次電池システムの構成及び放充電装置の構成を示す模式図である。 実施例1で得られた固体二次電池に対する抵抗率の結果である。 実施例2で得られた固体二次電池に対する抵抗率の結果である。
以下、本発明に係る固体二次電池システムの好適な実施の形態について、詳細に説明する。
[固体二次電池システム]
まず、本実施形態の固体二次電池システムについて説明する。図1は、本実施形態の固体二次電池システムの一例を示す模式図である。図1に示される固体二次電池システム20は、固体二次電池10と、過放電開始スイッチ11と、スイッチ部12と、モータや電装品などの負荷15と、放電用負荷16と、電流計17と、電圧計18と、制御部19と、を備える。
固体二次電池10は、正極活物質層、負極活物質層、並びに、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層を有する。ここで、固体二次電池10の構成について図2を参照して具体的に説明する。図2は、本実施形態における固体二次電池の一例を示す概略断面図である。図2に示される固体二次電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された固体電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5とを有する。
再び図1に戻り、固体二次電池システム20の他の構成要素について説明する。過放電開始スイッチ11は、ユーザが操作可能なインターフェースであり、固体二次電池10を過放電状態にする際にユーザにより押下などの操作がなされる。従って、過放電開始スイッチ11は、ユーザが操作可能なように外部に露出されている。そして、過放電開始スイッチ11へ押下などの一定の操作がなされた場合、過放電開始スイッチ11から制御部19へ所定の入力信号が供給される。これにより、制御部19は、固体二次電池10を過放電状態にするためのスイッチ部12の切り替えなどの制御を開始する。
スイッチ部12は、共通端子120と、第1選択端子121と、第2選択端子122と、第3選択端子123とを有する。スイッチ部12は、制御部19から送信される制御信号S12に基づき、第1選択端子121〜第3選択端子123のいずれかに共通端子120を接続させる。後述するように、スイッチ部12の共通端子120が第2選択端子122に接続された場合、固体二次電池10に残存した充電量が0になるように、固体二次電池10から放電用負荷16に電力が放電される。また、共通端子120が第3選択端子123に接続された場合、固体二次電池10を含む閉回路が形成され、固体二次電池10の外部短絡が行われる。
放電用負荷16は、スイッチ部12の共通端子120が第2選択端子122に接続している場合に、固体二次電池10に残存する電力を消費する。放電用負荷16は、負荷の値が可変である。放電用負荷16は、安全上の観点等から、固体二次電池10から流れる電流が所定値になるように又は所定値以下になるように、負荷の値が設定される。上述の所定値は、例えば安全性が十分に確保できる値に実験等に基づき予め定められる。なお、放電用負荷16の負荷の値は、例えば制御部19から供給される制御信号に基づき定められてもよく、電流が所定値以下になるように放電用負荷16が自律的に制御することで定められてもよい。
電流計17は、スイッチ部12の共通端子120が第2選択端子122と接続している場合に、固体二次電池10から流れる電流を検出する。ここで、電流計17の内部抵抗は、放電用負荷16と比べて無視できる程度に十分に小さい。電流計17は、検出した電流値に相当する検出信号S17を、所定又は不定の周期により制御部19に送信する。電圧計18は、スイッチ部12の共通端子120が第2選択端子122と接続している場合に、固体二次電池10の起電力に相当する電圧を検出する。ここで、電圧計18の内部抵抗は、放電用負荷16と比べて無視できる程度に十分大きい。電圧計18は、検出した電圧値に相当する検出信号S18を、所定又は不定の周期により制御部19へ供給する。
制御部19は、例えばECU(Electronic Control Unit)であり、固体二次電池システム20の全体を制御する。具体的には、制御部19は、電流計17から供給される検出信号S17及び電圧計18から供給される検出信号S18に基づき、スイッチ部12に制御信号S12を送信し、スイッチ部12の共通端子120のスイッチングを行う。
なお、図1において、過放電開始スイッチ11は、本発明における「スイッチ」の一例であり、制御部19、スイッチ部12、負荷15、放電用負荷16等を含む回路は、本発明における「過放電処理部」の一例である。
ここで、制御部19が実行する処理について、図3を参照してさらに詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。制御部19は、図3に示す処理フローを、例えば所定の周期に従い繰り返し実行する。
まず、制御部19は、過放電開始スイッチ11が操作されたか否か判定する(ステップS101)。例えば、制御部19は、過放電開始スイッチ11から所定の入力信号を検知したか否か判定する。そして、過放電開始スイッチ11が操作されていない場合(ステップS101;No)、即ち、固体二次電池10を過放電状態にする必要がない通常時では、制御部19は、スイッチ部12の共通端子120を第1選択端子121と接続させる(ステップS102)。これにより、固体二次電池10から負荷15に電力が供給され、負荷15にて電力が消費される。
一方、制御部19は、過放電開始スイッチ11が操作されたと判断した場合(ステップS101;Yes)、スイッチ部12の共通端子120を第2選択端子122に接続させる(ステップS103)。これにより、固体二次電池10から放電用負荷16に電力が供給され、放電用負荷16にて電力が消費される。そして、制御部19は、固体二次電池10の残容量が「0」になったか否か判定する(ステップS104)。具体的には、制御部19は、電圧計18から供給される制御信号S18に相当する電圧値及び電流計17から供給される制御信号S17に相当する電流値を監視し、固体二次電池10の残容量が「0」となったか否か判定する。また、好適には、制御部19は、安全上の観点から、電流値が所定値以上にならないように、放電用負荷16の負荷の値を適宜変更する。そして、制御部19は、固体二次電池10の残容量が「0」でない場合には(ステップS104;No)、引き続き、固体二次電池10の残容量が「0」になるか否か監視する。
次に、制御部19は、固体二次電池10の残容量が「0」になったと判断した場合(ステップS104;Yes)、共通端子120を第3選択端子123に接続させる(ステップS105)。これにより、制御部19は、固体二次電池10を外部短絡させ、固体二次電池10を0Vの状態に維持する。このようにすることで、固体二次電池システム20は、固体二次電池10を過放電状態にして出力低下を回復させることができる。
以下、本実施形態に係る固体二次電池システム20の作用効果について補足説明する。
固体二次電池システム20は、固体二次電池10を過放電状態にさせることが可能である。これにより、内部抵抗を低減することができ、出力特性を回復させることができる。そのため、固体二次電池10の長寿命化が図れる。従来、過放電により電池性能が低下することが知られているため、通常の固体二次電池には、過放電を防止する過放電保護手段が設けられている。これに対して、本発明においては、サイクル劣化した固体二次電池を積極的に過放電状態にさせることで、内部抵抗を低減でき、出力特性を回復させることができる。
また、固体二次電池システム20は、ユーザが操作可能な過放電開始スイッチ11を備え、ユーザの任意のタイミングにより固体二次電池10を過放電状態にさせる過放電処理を開始する。これにより、固体二次電池システム20の使用者やメンテナンス担当者などのユーザは、任意のタイミングに基づき、固体二次電池10の出力低下を回復させることができる。
また、制御部19は、固体二次電池10を過放電状態にさせる際、共通端子120を第2選択端子122に接続させて固体二次電池10の残容量を放電用負荷16により消費させた後に共通端子120を第3選択端子123に接続させて外部短絡を行う。これは、過放電を実行すべきであると判断した場合に、共通端子120を直ちに第3選択端子123に接続して外部短絡を行った場合、固体二次電池10から大電流が発生して電池の破損等の危険があるからである。従って、本実施形態では、制御部19は、大電流発生による電池の破損等を確実に抑制することができる。
なお、過放電により内部抵抗が低減できるメカニズムは、以下のように推測される。すなわち、固体二次電池10では、電池反応が固体/固体界面で起こるため、界面に新たな皮膜(SEI:Solid Electrolyte Interphase)が生じ、この皮膜の抵抗が大きいために、結果として内部抵抗の増加が生じる。これに対して、本発明においては、固体二次電池10を過放電状態にさせることで、この皮膜を除去でき、内部抵抗を低減できると考えられる。また、この皮膜は、固体二次電池10における任意の固体/固体界面で生じている可能性があるが、特に活物質と固体電解質材料との界面において多く生じていると考えられる。その理由は、活物質は、その表面で金属イオンの吸蔵放出というアクティブな反応を行い、固体電解質材料は、通常、活物質に接触する面積が大きいからである。中でも、活物質および固体電解質材料が、互いに異なる種類の化合物に由来する組み合わせである場合に、皮膜が生じやすい傾向にあると考えられる。一例を挙げると、酸化物活物質(酸化物に由来)と、硫化物固体電解質材料(硫化物に由来)とは、相対的に反応しやすく、皮膜が生成しやすいと考えられる。
[変形例]
次に、本発明に好適な上述の実施形態の変形例1〜4について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施形態に適用されてもよい。
(1)変形例1
図2、図3の説明では、過放電開始スイッチ11が押下された場合に、制御部19は、電流計17の検出値等に基づきスイッチ部12の切り替えを行った。しかし、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。
これに代えて、固体二次電池システム20は、車両の使用者やメンテナンス担当者などのユーザが操作により、スイッチ部12の状態を直接切り替える態様であってもよい。この場合、ユーザは、固体二次電池10を過放電状態にさせたい場合に、共通端子120を第2選択端子122へ接続させるようにスイッチ部12を操作する。その後、ユーザは、電圧計18又は/及び電流計17をモニタリングして固体二次電池10の残容量が「0」になったと判断した場合に、共通端子120を第3選択端子123へ接続させるようにスイッチ部12を操作してもよい。これによっても、固体二次電池システム20は、ユーザの任意のタイミングで固体二次電池10を過放電状態にさせることができる。なお、変形例1では、スイッチ部12は、本発明における「スイッチ」の一例である。
(2)変形例2
図1に示す固体二次電池システム20は、固体二次電池10の残容量を放電するための放電用負荷16を備えた。しかし、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。これについて図4を参照して説明する。
図4は、変形例2に係る固体二次電池システム20Aの構成を示す。図4に示すように、固体二次電池システム20Aは、充電用の二次電池50と、二次電池50を充電させるための二次電池充電装置51と、を備える。この場合、制御部19は、過放電開始スイッチ11が操作された場合に、共通端子120を第2選択端子122に接続させて固体二次電池10と二次電池充電装置51とを電気的に接続させる。これにより、二次電池充電装置51は、固体二次電池10から二次電池50へ電力の供給を行う。そして、制御部19は、固体二次電池10の残容量が「0」になったと判断した場合に、共通端子120を第3選択端子123に接続させて固体二次電池10を外部短絡させる。これによっても、好適に本発明を実施することができる。なお、二次電池充電装置51は、本発明における「過放電処理部」の一例である。
(3)変形例3
図1に示す固体二次電池システム20は自ら過放電処理を行ったが、本発明の適用可能な構成はこれに限定されない。これについて図5を参照して説明する。
図5は、変形例3に係る固体二次電池システム20Bの構成を示す。図5に示すように、固体二次電池システム20Bは、固体二次電池10と、負荷15と、共通端子120と、第1選択端子121と、接続用端子125と、を備える。充放電装置62は、例えば充電スタンド等に設置される充電器であり、交流電源61と接続し、かつ、共通端子120と接続可能な第2選択端子122と、接続用端子125と接続可能な接続用端子126とを有する。そして、充放電装置62は、過放電処理を行うためのプログラムが搭載されており、第2選択端子122と共通端子120とが接続し、かつ、接続用端子125、126が接続した場合に、固体二次電池10の過放電処理を行う。具体的には、放充電装置62は、固体二次電池10を所定の電圧まで放電する処理と、定電圧放電(CV放電)などにより上記電圧に維持する処理とを行うことが好ましい。
ここで、スイッチ部12Bの共通端子120は、スイッチ部12Bへのユーザの操作に応じて第1選択端子121又は第2選択端子122のいずれかに接続する。従って、固体二次電池システム20Bは、ユーザの任意のタイミングに基づき、固体二次電池10を過放電状態にさせて出力低下を回復させることができる。
(4)変形例4
固体二次電池システム20は、電流計17及び電圧計18を備えたが、これに代えて、これらのうちいずれか一方のみを有してもよい。この場合であっても、固体二次電池システム20は、当該一方の検出値に基づき固体二次電池10の残容量が「0」になったか否か判定することが可能である。
[固体二次電池についての詳細]
次に、本発明における固体二次電池について詳細に説明する。本発明における固体二次電池は、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層を少なくとも有するものであり、通常は、さらに正極集電体および負極集電体を有する。
(1)正極活物質層
本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。正極活物質の種類は、固体二次電池の種類に応じて適宜選択され、例えば酸化物活物質、硫化物活物質等を挙げることができる。また、例えば、リチウム固体二次電池に用いられる正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiVO、LiCrO等の層状正極活物質、LiMn、Li(Ni0.25Mn0.75、LiCoMnO、LiNiMn等のスピネル型正極活物質、LiCoPO、LiMnPO、LiFePO等のオリビン型正極活物質、Li12等のNASICON型正極活物質等を挙げることができる。
正極活物質の形状としては、例えば粒子状、薄膜状等を挙げることができる。正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10nm〜30μmの範囲内であることがより好ましい。また、正極活物質層における正極活物質の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば40重量%〜99重量%の範囲内であることが好ましい。
正極活物質層は、固体電解質材料を含有していても良い。固体電解質材料を添加することにより、正極活物質層のイオン伝導性を向上させることができる。なお、固体電解質材料については、後述する「(3)固体電解質層」に記載する。正極活物質層における固体電解質材料の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましい。
正極活物質層は、導電化材を含有していても良い。導電化材を添加することにより、正極活物質層の電子伝導性を向上させることができる。導電化材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。正極活物質層は、結着材を含有することが好ましい。可撓性に優れた正極活物質層を得ることができるからである。結着材としては、例えば、PTFE、PVDF等のフッ素含有結着材を挙げることができる。正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
(2)負極活物質層
本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。負極活物質の種類は、金属イオンを吸蔵放出できるものであれば特に限定されるものではない。負極活物質としては、例えば、カーボン活物質、酸化物活物質および金属活物質等を挙げることができる。カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。酸化物活物質としては、例えばNb、LiTi12、SiO等を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。
負極活物質の形状としては、例えば粒子状、薄膜状等を挙げることができる。負極活物質の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10nm〜30μmの範囲内であることがより好ましい。また、負極活物質層における負極活物質の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば40重量%〜99重量%の範囲内であることが好ましい。
負極活物質層は、固体電解質材料を含有していても良い。固体電解質材料を添加することにより、負極活物質層のイオン伝導性を向上させることができる。なお、固体電解質材料については、後述する「(3)固体電解質層」に記載する。負極活物質層における固体電解質材料の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましい。なお、負極活物質層に用いられる導電化材および結着材については、上記「(1)正極活物質層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
(3)固体電解質層
本発明における固体電解質層は、少なくとも固体電解質材料を含有する層である。固体電解質材料としては、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等の無機固体電解質材料を挙げることができる。硫化物固体電解質材料は、酸化物固体電解質材料に比べて、イオン伝導性が高い点で好ましく、酸化物固体電解質材料は、硫化物固体電解質材料に比べて、化学的安定性が高い点で好ましい。なお、ハロゲン化物固体電解質材料とは、ハロゲンを含有する無機固体電解質材料をいう。
硫化物固体電解質材料は、通常は、伝導するイオンとなる金属元素(M)と、硫黄(S)とを含有する。上記Mとしては、例えばLi、Na、K、Mg、Ca等を挙げることができ、中でもLiが好ましい。特に、硫化物固体電解質材料は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、Al、Bからなる群から選択される少なくとも一種である)、Sを含有することが好ましい。また、硫化物固体電解質材料は、Cl、Br、I等のハロゲンを含有していても良い。ハロゲンを含有することにより、イオン伝導性を向上させることができる。また、硫化物固体電解質材料はOを含有していても良い。Oを含有することにより、化学的安定性を向上させることができる。
Liイオン伝導性を有する硫化物固体電解質材料としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)等を挙げることができる。なお、上記「LiS−P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質材料を意味し、他の記載についても同様である。
また、硫化物固体電解質材料は、LiSを実質的に含有しないことが好ましい。化学的安定性の高い硫化物固体電解質材料とすることができるからである。LiSは水と反応することで、硫化水素が発生する。例えば、原料組成物に含まれるLiSの割合が大きいと、LiSが残存しやすい。「LiSを実質的に含有しない」ことは、X線回折により確認することができる。具体的には、LiSのピーク(2θ=27.0°、31.2°、44.8°、53.1°)を有しない場合は、LiSを実質的に含有しないと判断することができる。
また、硫化物固体電解質材料は、架橋硫黄を実質的に含有しないことが好ましい。化学的安定性の高い硫化物固体電解質材料とすることができるからである。「架橋硫黄」とは、LiSと、上記Aの硫化物とが反応してなる化合物における架橋硫黄をいう。例えば、LiSおよびPが反応してなるSP−S−PS構造の架橋硫黄が該当する。このような架橋硫黄は、水と反応しやすく、硫化水素が発生しやすい。さらに、「架橋硫黄を実質的に含有しない」ことは、ラマン分光スペクトルの測定により、確認することができる。例えば、LiS−P系の硫化物固体電解質材料の場合、SP−S−PS構造のピークが、通常402cm−1に現れる。そのため、このピークが検出されないことが好ましい。また、PS 3−構造のピークは、通常417cm−1に現れる。本発明においては、402cm−1における強度I402が、417cm−1における強度I417よりも小さいことが好ましい。より具体的には、強度I417に対して、強度I402は、例えば70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましい。
また、硫化物固体電解質材料が、LiSおよびPを含有する原料組成物を用いてなるものである場合、LiSおよびPの合計に対するLiSの割合は、例えば70mol%〜80mol%の範囲内であることが好ましく、72mol%〜78mol%の範囲内であることがより好ましく、74mol%〜76mol%の範囲内であることがさらに好ましい。オルト組成またはその近傍の組成を有する硫化物固体電解質材料とすることができ、化学的安定性の高い硫化物固体電解質材料とすることができるからである。ここで、オルトとは、一般的に、同じ酸化物を水和して得られるオキソ酸の中で、最も水和度の高いものをいう。本発明においては、硫化物で最もLiSが付加している結晶組成をオルト組成という。LiS−P系ではLiPSがオルト組成に該当する。LiS−P系の硫化物固体電解質材料の場合、オルト組成を得るLiSおよびPの割合は、モル基準で、LiS:P=75:25である。なお、上記原料組成物におけるPの代わりに、AlまたはBを用いる場合も、好ましい範囲は同様である。LiS−Al系ではLiAlSがオルト組成に該当し、LiS−B系ではLiBSがオルト組成に該当する。
また、硫化物固体電解質材料が、LiSおよびSiSを含有する原料組成物を用いてなるものである場合、LiSおよびSiSの合計に対するLiSの割合は、例えば60mol%〜72mol%の範囲内であることが好ましく、62mol%〜70mol%の範囲内であることがより好ましく、64mol%〜68mol%の範囲内であることがさらに好ましい。オルト組成またはその近傍の組成を有する硫化物固体電解質材料とすることができ、化学的安定性の高い硫化物固体電解質材料とすることができるからである。LiS−SiS系ではLiSiSがオルト組成に該当する。LiS−SiS系の硫化物固体電解質材料の場合、オルト組成を得るLiSおよびSiSの割合は、モル基準で、LiS:SiS=66.6:33.3である。なお、上記原料組成物におけるSiSの代わりに、GeSを用いる場合も、好ましい範囲は同様である。LiS−GeS系ではLiGeSがオルト組成に該当する。
また、硫化物固体電解質材料が、LiX(X=Cl、Br、I)を含有する原料組成物を用いてなるものである場合、LiXの割合は、例えば1mol%〜60mol%の範囲内であることが好ましく、5mol%〜50mol%の範囲内であることがより好ましく、10mol%〜40mol%の範囲内であることがさらに好ましい。また、硫化物固体電解質材料が、LiOを含有する原料組成物を用いてなるものである場合、LiOの割合は、例えば、1mol%〜25mol%の範囲内であることが好ましく、3mol%〜15mol%の範囲内であることがより好ましい。
また、硫化物固体電解質材料は、硫化物ガラスであっても良く、結晶化硫化物ガラスであっても良く、固相法により得られる結晶質材料であっても良い。なお、硫化物ガラスは、例えば原料組成物に対してメカニカルミリング(ボールミル等)を行うことにより得ることができる。また、結晶化硫化物ガラスは、例えば硫化物ガラスを結晶化温度以上の温度で熱処理を行うことにより得ることができる。また、硫化物固体電解質材料がLiイオン伝導体である場合、常温におけるLiイオン伝導度は、例えば1×10−5S/cm以上であることが好ましく、1×10−4S/cm以上であることがより好ましい。
一方、Liイオン伝導性を有する酸化物固体電解質材料としては、例えばNASICON型構造を有する化合物等を挙げることができる。NASICON型構造を有する化合物の一例としては、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される化合物を挙げることができる。中でも、上記酸化物固体電解質材料は、Li1.5Al0.5Ge1.5(POであることが好ましい。また、NASICON型構造を有する化合物の他の例としては、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦2)で表される化合物を挙げることができる。中でも、上記酸化物固体電解質材料は、Li1.5Al0.5Ti1.5(POであることが好ましい。また、酸化物固体電解質材料の他の例としては、LiLaTiO(例えば、Li0.34La0.51TiO)、LiPON(例えば、Li2.9PO3.30.46)、LiLaZrO(例えば、LiLaZr12)等を挙げることができる。
固体電解質材料の形状としては、例えば粒子状、薄膜状等を挙げることができる。固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。固体電解質層における固体電解質材料の含有量は、例えば60重量%以上、中でも70重量%以上、特に80重量%以上であることが好ましい。固体電解質層は、結着材を含有していても良く、固体電解質材料のみから構成されていても良い。固体電解質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
(4)その他の部材
本発明における固体二次電池は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体をさらに有していても良い。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的な固体二次電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。
(5)固体二次電池
本発明における固体二次電池としては、例えば、リチウム固体二次電池、ナトリウム固体二次電池、カリウム固体二次電池、マグネシウム固体二次電池、カルシウム固体二次電池等を挙げることができ、中でも、リチウム固体二次電池が好ましい。また、本発明における固体二次電池は、繰り返し充放電できるため、例えば車載用電池として有用である。固体二次電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、固体二次電池の製造方法は、上述した固体二次電池を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な固体二次電池の製造方法と同様の方法を用いることができる。例えば、プレス法、塗工法、蒸着法、スプレー等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(硫化物固体電解質材料の合成)
出発原料として、硫化リチウム(LiS、日本化学工業社製)および五硫化二リン(P、アルドリッチ社製)を用いた。次に、Ar雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、LiSおよびPを、75LiS・25Pのモル比(LiPS、オルト組成)となるように秤量した。この混合物2gを、メノウ乳鉢で5分間混合した。その後、得られた混合物2gを、遊星型ボールミルの容器(45cc、ZrO製)に投入し、脱水ヘプタン(水分量30ppm以下)4gを投入し、さらにZrOボール(φ=5mm)53gを投入し、容器を完全に密閉した(Ar雰囲気)。この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、台盤回転数500rpmで、40時間メカニカルミリングを行った。その後、得られた試料を、ホットプレート上でヘプタンを除去するように乾燥させ、硫化物固体電解質材料(75LiS・25Pガラス)を得た。
(固体二次電池の作製)
LiNi1/3Co1/3Mn1/3(正極活物質、日亜化学社製)を12.03mg、VGCF(気相成長炭素繊維、導電化材、昭和電工社製)を0.51mg、上記の硫化物固体電解質材料を5.03mg秤量し、これらを混合することで正極合材を得た。また、グラファイト(負極活物質、三菱化学社製)を9.06mg、上記の硫化物固体電解質材料を8.24mg秤量し、これらを混合することで負極合材を得た。
次に、上記の硫化物固体電解質材料18mgを、1cmの金型に添加し、1ton/cmの圧力でプレスすることにより、固体電解質層を形成した。得られた固体電解質層の一方の表面側に、上記の正極合材を17.57mg添加し、1ton/cmの圧力でプレスすることにより、正極活物質層を形成した。次に、固体電解質層の他方の表面側に、上記の負極合材を17.3mg添加し、4ton/cmの圧力でプレスすることにより、発電要素を得た。得られた発電要素の両面に、SUS304(正極集電体、負極集電体)を配置し、固体二次電池を得た。
(初期抵抗の測定)
得られた固体二次電池に対して、0.3mAで4.2VまでCC(定電流)充電し、その後、0.3mAで2.5VまでCC放電を行った。次に、3.6Vに充電して電圧を調整し、インピーダンスアナライザ(ソーラトロン社製)でインピーダンス解析を行い、抵抗(初期)を求めた。
(保存試験および過放電処理)
初期抵抗測定後、4.2VまでCV(定電圧)充電し、60℃で30日保存した。保存後、上記と同様の方法により、抵抗(30日後)を求めた。次に、1.5mAで0VまでCC放電し、0Vで10時間CV放電を行った。その後、開回路電圧が0.5V以下であることを確認して、25℃で24時間保持した。保持後、上記と同様の方法により、抵抗(30日後、過放電処理)を求めた。
(抵抗率)
抵抗(初期)を基準として、抵抗(30日後)および抵抗(30日後、過放電処理)の抵抗率を算出した。その結果を図6に示す。図6に示すように、抵抗(30日後)は、抵抗(初期)に対して大きくなったが、抵抗(30日後、過放電処理)は、抵抗(初期)とほぼ同等にまで回復した。すなわち、過放電処理を行うことにより、内部抵抗が低下し、出力特性が向上することが確認された。
[実施例2]
(固体二次電池の作製)
正極集電体としてAl箔(日本製箔社製)を用い、負極集電体としてCu箔(日本製箔社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして固体二次電池を得た。
(初期抵抗の測定)
実施例1と同様にして、抵抗(初期)を求めた。
(サイクル試験および過放電処理)
初期抵抗測定後、60℃にて、6mAでCC充放電(2.5V−4.2V)を300サイクルおよび500サイクル行った。この充放電後、上記と同様の方法により、抵抗(300サイクル後)、抵抗(500サイクル後)を求めた。次に、1.5mAで0VまでCC放電し、0Vで10時間CV放電を行った。その後、開回路電圧が0.5V以下であることを確認して、25℃で24時間保持した。保持後、上記と同様の方法により、抵抗(500サイクル後、過放電処理)を求めた。
(抵抗率)
抵抗(初期)を基準として、抵抗(300サイクル後)、抵抗(500サイクル後)および抵抗(500サイクル後、過放電処理)の抵抗率を算出した。その結果を図7に示す。図7に示すように、抵抗(300サイクル後)および抵抗(500サイクル後)は、抵抗(初期)に対して大きくなったが、抵抗(500サイクル後、過放電処理)は、抵抗(300サイクル後)よりも低くなるまで回復した。すなわち、過放電処理を行うことにより、内部抵抗が低下し、出力特性が向上することが確認された。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 固体電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
10 … 固体二次電池
11 … 過放電開始スイッチ
12、12B … スイッチ部
15 … 負荷
16 … 放電用負荷
17 … 電流計
18 … 電圧計
19 … 制御部
20、20A、20B … 固体二次電池システム

Claims (3)

  1. 正極活物質層、負極活物質層、並びに、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された固体電解質層を有する固体二次電池と、
    前記固体二次電池の外部に設けられ、前記固体二次電池の過放電処理を開始するためのスイッチと、
    前記スイッチによる入力に基づき、前記固体二次電池の過放電処理を開始することで前記固体二次電池の内部低抗を低減させる過放電処理部と、
    を備えることを特徴とする固体二次電池システム。
  2. 前記過放電処理部は、
    前記固体二次電池の残容量が0となるまで当該固体二次電池の放電を行う放電部と、
    前記固体二次電池の残容量が0となった場合に前記固体二次電池の外部短絡を行う外部短絡部と、
    を備える請求項1に記載の固体二次電池システム。
  3. 前記放電部は、負荷の値が可変である放電用負荷を有する請求項2に記載の固体二次電
    池システム。
JP2011127259A 2011-06-07 2011-06-07 固体二次電池システム Active JP5664460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011127259A JP5664460B2 (ja) 2011-06-07 2011-06-07 固体二次電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011127259A JP5664460B2 (ja) 2011-06-07 2011-06-07 固体二次電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012256430A JP2012256430A (ja) 2012-12-27
JP5664460B2 true JP5664460B2 (ja) 2015-02-04

Family

ID=47527839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011127259A Active JP5664460B2 (ja) 2011-06-07 2011-06-07 固体二次電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5664460B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102249094B1 (ko) 2013-01-16 2021-05-10 블루 솔루션즈 캐나다 인크. 임피던스가 감소된 전기화학 셀 또는 배터리 및 그들을 제작하는 방법
WO2015136683A1 (ja) * 2014-03-14 2015-09-17 株式会社日立製作所 リチウムイオン二次電池
WO2018074021A1 (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 株式会社村田製作所 充放電装置、充放電方法、電子機器、電動車両及び電力システム

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3079382B2 (ja) * 1990-05-17 2000-08-21 旭化成工業株式会社 非水系二次電池
JP2961853B2 (ja) * 1990-09-26 1999-10-12 ソニー株式会社 二次電池の保護装置
JPH0998542A (ja) * 1995-09-29 1997-04-08 Daikin Ind Ltd 電源装置
JP3721690B2 (ja) * 1997-02-10 2005-11-30 日産自動車株式会社 2次電池の保護装置
JP2949705B2 (ja) * 1997-11-17 1999-09-20 日本電気株式会社 非水電解液二次電池の放電容量回復方法とそのための回路
JP4412767B2 (ja) * 1998-08-04 2010-02-10 古河電池株式会社 リチウム二次電池の保管方法
JP2005327516A (ja) * 2004-05-13 2005-11-24 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 非水電解液二次電池の充電方法
JP2008103130A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池包装部材とそれを用いたリール
JP5419743B2 (ja) * 2009-02-24 2014-02-19 出光興産株式会社 電動装置及び電動装置の使用方法
JP5158008B2 (ja) * 2009-04-28 2013-03-06 トヨタ自動車株式会社 全固体電池
JP5508646B2 (ja) * 2011-05-27 2014-06-04 トヨタ自動車株式会社 固体二次電池システムおよび再生固体二次電池の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012256430A (ja) 2012-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5508646B2 (ja) 固体二次電池システムおよび再生固体二次電池の製造方法
JP5673826B2 (ja) リチウム固体二次電池システム
US8968939B2 (en) Solid electrolyte material, electrode element that includes solid electrolyte material, all-solid battery that includes solid electrolyte material, and manufacturing method for solid electrolyte material
JP5637309B2 (ja) 固体二次電池システム
JP5552974B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、硫化物固体電解質材料の製造方法およびリチウム固体電池
US10141607B2 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
JP2011165467A (ja) 固体電池
KR101928143B1 (ko) 전고체 전지
CN115799601A (zh) 锂离子电池
JP2013084499A (ja) 硫化物固体電池システム
JP5141805B1 (ja) 固体二次電池、および電池システム
JP5609773B2 (ja) 固体二次電池の製造方法
JPWO2012169066A1 (ja) 電池の充電方法、及び電池の充電制御装置
CN110720149B (zh) 二次电池、电池包、电动车辆、电力储存系统、电动工具以及电子设备
JP5664460B2 (ja) 固体二次電池システム
JP6295966B2 (ja) 全固体電池
JP2017045594A (ja) 全固体電池
KR20160018369A (ko) 전고체 전지 시스템
CN108292781B (zh) 二次电池、电池组、电动车辆、电力储存系统、电动工具以及电子设备
JP5333658B2 (ja) 電池用活物質および電池
WO2012157047A1 (ja) 全固体二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141124

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5664460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151