JP4412767B2 - リチウム二次電池の保管方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウム二次電池の保管方法に関する。さらに詳しくは、長期間に亘って電池特性の劣化を抑え、安全に電池を保管することができるリチウム二次電池の保管方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポータブル電子機器の登場以来、その電源としての電池の需要が高まり、特に省資源の観点から、充放電の繰返しにより再利用が可能な二次電池のニーズが急速に高まっている。
【0003】
従来、これら再充電可能な二次電池として、鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム二次電池、ニッケル−水素二次電池等が用いられてきたが、近年、さらに高いエネルギー密度を有するものとして、リチウムやリチウム合金、あるいは電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料等を活物質として負極に用い、これを正極と組み合わせ電解液中に配設してなるリチウム二次電池が研究・開発され、一部実用化されている。これらのリチウム二次電池は、上述した他の電池に比べ、電池電圧が高く、重量および体積あたりのエネルギー密度が大きく、今後最も期待される二次電池といわれている。
【0004】
特に近年では、エレクトロニクスのさらなる発展に加え、自然環境の観点から、エネルギー資源としての二次電池への期待がより一層高まるとともに、さらに、従来の小型電子機器の電源から大型電子機器の電源、停電時における非常用電源、さらには電気自動車用、航空機搭載用へと、新たにその適用分野を広げつつある。
【0005】
このように二次電池の使用環境が多様化するにつれ、その運用にも種々の条件が要求されるようになってきた。放電と充電が比較的頻繁に繰り返されて使用されるポータブル機器用電池と異なり、大型電子機器や非常用電源等に用いられる二次電池にあっては、長時間使用されずに待機し、必要時に使用される場合が多くあり、したがって該待機している間、長期に亘って電池特性の劣化を抑え、安全に維持保管する方法が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
二次電池を長時間放置した場合、自己放電の進行により電池容量が低下し、使用時に十分な電力が得られないといった問題が生じる。この対応策として、二次電池に絶えず微小な電流を通電して充電し続けることによって自己放電による電池容量低下を補うトリクル充電方式が提案され、ニッケル−カドミウム二次電池等では実用化に至っている。
【0007】
しかしながら完全充電状態に近い高い電池電圧を保持し続けるこのトリクル充電方式は、リチウム二次電池への適用性が低く、むしろその電池特性の急激な劣化を引き起こしかねないことが報告されている。これは以下の理由によると考えられる。すなわち、リチウム二次電池で用いられる電解液は、完全充電状態に近い高い電圧下では分解しやすく、そのため負極表面上にリチウムイオン拡散性の低い膜が形成され、これがリチウムイオンの脱離、挿入反応を阻害し、電池特性の劣化を引き起こすためと考えられる。
【0008】
したがって本発明の目的は、長期間に亘って電池特性の劣化を抑え、安全に電池を維持保管することができるリチウム二次電池の保管方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、リチウム二次電池に1/4000CA〜1/10CAの微小電流を通電して放電させる工程と、該放電後のリチウム二次電池を所定設定電圧まで充電させる工程とを含み、これら工程を交互に繰り返し行う、リチウム二次電池の保管方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0011】
本発明でいう「リチウム二次電池」とは、電解液として非水溶媒に有機電解質を溶解してなる非水電解液を使用した二次電池で、負極活物質に金属リチウムを用い、正極活物質に例えばTiO2、MnO2、MoO3、V2O5、TiS2、MoS2等のカルコゲン化合物など電気化学的にリチウムを吸蔵・放出できる化合物を用いたリチウム(金属)二次電池;その負極活物質に例えばLi−Al合金、Li−Pb合金等のリチウム合金を用いたリチウム(合金)二次電池;負極活物質にコークス、熱分解炭素、あるいは種々の有機材料の低温焼成体、天然黒鉛、人造黒鉛系材料等の電気化学的にリチウムを吸蔵・放出できる無機材料を用い、正極活物質に例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4等のリチウム含有複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池;等を含むものである。
【0012】
上記非水電解液は、一般にリチウム二次電池に使用できるものであれば限定されるものではなく、リチウム塩を非水溶媒中に溶解してなる非水溶液系電解液のほか、リチウムイオン導電性高分子材料、リチウムイオン導電性ガラス材料等が挙げられる。
【0013】
上記リチウム塩としてはLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、等の無機リチウム塩、LiB(C6H5)4、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiOSO2CF3等の有機リチウム塩等が挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
【0014】
また上記非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等の環状エーテル類;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールージアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエ−テル等の鎖状エ−テル類;ジメチルカ−ボネ−ト、メチルエチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等の鎖状エステル類;等が挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
【0015】
セパレータとしては、ポリプロピレンの微多孔性フィルム等が好ましく用いられる。
【0016】
上記リチウム二次電池は公知の方法により製造することができる。例えば、正・負極板をセパレータを介して所定枚数積層して極板群を構成し、これを金属ケース内に挿入した後、負極板から導出する負極リードを金属ケースの底部にスポット溶接し、次いで、金属ケース内に電解液を注入した後、正極板から導出する正極リードを封口体の底部に溶接して、金属ケースの開口端を封口体によりシールして、リチウム二次電池を製造することができる。
【0017】
本発明の保管方法では、リチウム二次電池に1/4000CA〜1/10CAの微小電流を常時あるいは間欠的に通電することにより放電させて放電する工程と、該放電後のリチウム二次電池を所定設定電圧まで充電させる工程とを含み、これらの工程を交互に繰り返し行う。
【0019】
上記放電工程における放電の程度は、電池容量の10〜100%分を放電させるのが好ましく、10〜50%分程度を放電させるのがより好ましい。放電の程度を上記範囲とすることにより、長期間に亘る電池特性の劣化防止を効果的に奏することができる。さらに、電池特性をより長期に亘って保存するという点からは、小さい放電量で放電処理を行うのが好ましく、この場合、電池容量の10〜20%、あるいは10〜30%分程度の放電量が特に好ましい。放電の程度をこのように低量とすることにより、長期間に亘る電池特性の劣化防止をより一層効果的に奏することができる。なお、ここで言う電池容量とはリチウム二次電池を所定の電圧範囲、例えば4.1Vから2.75Vまで放電させた場合の容量である。
【0020】
本発明では、上述のように放電したリチウム二次電池を、続いて所定設定電圧まで充電させる。ここで「所定設定電圧」は適宜設定し得るものであり、完全充電(100%充電)状態であってもよく、あるいは所定%程度の充電状態であってもよい。具体的には電池の定格容量の10〜100%程度の容量となるよう充電するのが好ましく、特には10〜50%程度の充電状態に設定するのが好ましい。
【0021】
このように充電工程を終えたリチウム二次電池を、再び上記のように放電し、続いて充電工程、放電工程を交互に繰り返す。
【0022】
本発明の保管方法では、上記した放電工程−充電工程を繰り返して電池を保管する。特にリチウム二次電池においては、より高い電池電圧下でより不安定な状態を示す傾向にあることから、電池容量の10〜50%程度の充電状態で保管すると電池特性の劣化をより効果的に防止することができる。
【0023】
本発明では放電工程−充電工程を上記したように交互に繰り返すことにより、電池特性の長期間に亘る維持を図ることができる。特に自己放電または微小電流を通電して小さい放電量で放電を行う工程を設け、該放電工程と充電工程とを交互に行うことにより、常時微小電流を通電して充電するトリクル充電方式における電池特性劣化などの不具合を解消することができ、電池の保存特性の向上をより一層効果的に図ることができる。
【0024】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0025】
(リチウム二次電池の作製)
コバルト酸リチウムを活物質として用い、これとポリフッ化ビニリデン(結着剤)、グラファイト(導電剤)、N−メチルピロリドン(分散剤)からなる合剤をアルミ箔に塗布した後、乾燥・プレスを行い、正極板を作製した。
【0026】
また、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料としてグラファイトを活物質として用い、正極板と同様の処理により構成される合剤を銅箔に塗布した後、乾燥・プレスを行い、負極板を作製した。
【0027】
電解液には、非水溶媒としてエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを重量比で1:1に混合したものに、リチウム塩として六フッ化リン酸リチウムを1mol/lになるように溶解した溶液を用いた。
【0028】
上記のように作製した正極板、および負極板の合剤層の一部を剥離させた無地部に、集電端子を超音波溶接した。これら正・負極板をセパレータを介して積層させ、渦巻き状に捲回させて極板群を作製した。
【0029】
この極板群を金属製のケース(電槽内)に収納し、次いで非水電解液を注入後、施蓋封口してリチウム二次電池を作製した。
【0030】
(リチウム二次電池の活性化)
上記のようにして作製したリチウム二次電池に、0.1CAで10サイクルの充放電試験を行ってリチウム二次電池を活性化させた。
【0031】
この活性化処理を施したリチウム二次電池を用い、下記の実施例1〜4、比較例1〜2に示す各保管方法により電池の保存特性を調べた。結果を表1〜6に示す。なお、表1〜6中、「試験前電池容量」とは、上記活性化処理後の電池容量をそれぞれ示す。実施例1は参考例として示す。
【0032】
(実施例1)
上記活性化処理したリチウム二次電池を、100%充電状態(「100%SOC」;SOC=state of charge)、および60%充電状態(「60%SOC」)に設定したものをそれぞれ用意した。これらの電池を開回路で放置して自然放電させた。電池容量の10%を自己放電(それぞれ、90%SOC、50%SOC)した後、再び100%SOC、60%SOCとなるよう、1CAの電流で充電を行い、100%SOCと90%SOCとの間での自己放電と再充電処理、および60%SOCと50%SOCの範囲での自己放電と再充電処理を、20℃にて3000時間繰り返し行った。これら放電−充電処理後、それぞれ100%、60%の充電状態にある電池を0.5CAの電流で2.75Vまで放電した放電容量を「試験後残存容量」として測定した。さらに、この放電した電池を0.5CAの電流で4.1Vまで充電(1サイクル目)を行った後の電池の放電容量を「試験後電池容量」として測定した。結果を表1に示す。なお、自己放電量は電池電圧を例えば1週間ごとに測定して電池電圧の低下具合から求めた。
【0033】
(実施例2)
上記活性化処理したリチウム二次電池を、100%から10%までの各SOCにそれぞれ設定した。これらの電池を1/4000CA(0.00025CA)の微小電流でゆっくりと放電した。各々の電池を、電池容量の10%をそれぞれ放電した後、再び所定の設定SOCとなるよう、0.5CAの電流で充電を行い、100%〜10%SOCと90%〜0%SOCとの間での微小電流通電放電と再充電処理を、20℃にて3000時間繰り返し行った。これら放電−充電処理後、それぞれ所定の設定SOCの充電状態にある電池を0.5CAの電流で2.75Vまで放電した放電容量を「試験後残存容量」として測定した。さらに、この放電した電池を0.5CAの電流で4.1Vまで充電(1サイクル目)を行った後の電池の放電容量を「試験後電池容量」として測定した。結果を表2に示す。
【0034】
(実施例3)
上記活性化処理したリチウム二次電池を、90%SOCに設定した。これらの電池を開放路で放置、あるいは1/10CAから1/4000CAの微小電流でゆっくりと放電した。各々の電池を、電池容量の10%が自己放電、あるいは放電(80%SC)した後、再び90%SOCとなるよう、0.5CAの電流で充電を行い、90%SOCと80%SOCとの間での開回路での放置と再充電処理、および微小電流通電放電と再充電処理を、20℃にて3000時間繰り返し行った。これら放電−充電処理後、それぞれ所定の設定SOCの充電状態にある電池を0.5CAの電流で2.75Vまで放電した放電容量を「試験後残存容量」として測定した。さらに、この放電した電池を0.5CAの電流で4.1Vまで充電(1サイクル目)を行った後の電池の放電容量を「試験後電池容量」として測定した。結果を表3に示す。なお、自己放電量は電池電圧を例えば1週間ごとに測定して電池電圧の低下具合から求めた。
【0035】
(実施例4)
上記活性化処理したリチウム二次電池を、100%SOCに設定した。これらの電池を1/250CAの微小電流でゆっくりと放電した。これらの電池を、定格容量の10%〜100%を放電した後、再び所定の設定SOCとなるよう、0.5CAの電流で充電を行い、100%SOCと10〜100%SOCとの間での微小電流通電放電と再充電処理を、20℃にて3000時間繰り返し行った。これら放電−充電処理後、それぞれ所定の設定SOCの充電状態にある電池を0.5CAの電流で2.75Vまで放電した放電容量を「試験後残存容量」として測定した。さらに、この放電した電池を0.5CAの電流で4.1Vまで充電(1サイクル目)を行った後の電池の放電容量を「試験後電池容量」として測定した。結果を表4に示す。なお、自己放電量は電池電圧を例えば1週間ごとに測定して電池電圧の低下具合から求めた。
【0036】
(比較例1)
上記活性化処理したリチウム二次電池を、100%SOC、および50%SOCにそれぞれ設定した。これらの電池に100%SOCの場合には0.000075CAの電流で、また、50%のSOCの場合には0.000067CAの電流でトリクル充電を行い、20℃にて3000時間、100%SOC、50%SOCに維持し続けた。トリクル充電試験後、充電状態にある電池を0.5CAの電流で2.75Vまで放電した放電容量を「試験後残存容量」として測定した。さらに、この放電した電池を0.5CAの電流で4.1Vまで充電(1サイクル目)を行った後の電池の放電容量を「試験後電池容量」として測定した。結果を表5に示す。
【0037】
(比較例2)
上記活性化処理したリチウム二次電池を、100%SOC、50%SOC、および完全放電状態(0%SOC)にそれぞれ設定した。これらの電池を20℃にて3000時間、開回路で放置し自然放電させた。自然放電後の電池を0.5CAの電流で2.75Vまで放電した放電容量を「試験後残存容量」として測定した。さらに、この放電した電池を0.5CAの電流で4.1Vまで充電(1サイクル目)を行った後の電池の放電容量を「試験後電池容量」として測定した。結果を表6に示す。なお、自己放電量は電池電圧を例えば1週間ごとに測定して電池電圧の低下具合から求めた。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
表1〜2に示すように、実施例1、2の保管方法では試験後の電池容量を90%超(100%SCと90%SCの間の充放電)〜98%(10%SCと0%SCの間の充放電)と高い状態に保存することができ、高い保存特性が得られた。
【0045】
一方、トリクル充電を行った比較例1では、試験後の電池特性の劣化が顕著であった。また、開回路で放置した比較例2では自己放電によって電池の試験後残存容量が大きく低下した。特に完全放電状態で放置した電池は、3000時間到達前に自己放電により電池電圧が低下し、内部短絡を生じた。
【0046】
実施例1、2は、トリクル充電を行った比較例1に比べ、電池が高充電状態におかれる時間が少ないため電池特性の劣化が少ない。また、自己放電による損失分を補う充電処理を行っているため、開回路で放置した比較例2に比べて容量保存性に優れ、電圧低下による内部短絡の危険性も非常に低い。
【0047】
また実施例2によれば、完全充電状態に近い状態を保つ電池設定で保管する方法よりも、低い充電状態を保つ電池設定で保管する方法の方が容量保存特性に優れることが明らかとなった。
【0048】
また実施例3から、放電工程時、開回路で放置した状態で保管する方法よりも、微小電流で放電処理を行った場合、より一層電池特性を良好に保存できることが確認される。1/10CAから1/4000CAの各微小電流で放電処理を行った場合、これら微小電流の中でも比較的高めの電流で放電した場合の方が、若干ではあるが、低めの電流で放電した場合に比べ電池特性の劣化が大きい傾向にある。1/100CA以下の小さい電流による放電では、試験後の電池特性に大きな差は認められない。
【0049】
さらに実施例4から、電池を大きい放電量で放電−再充電処理して保管する方法よりも、小さい放電量で放電−再充電処理した場合の方が、電池特性を一層良好に保存できることが確認される。また、定格容量の10%から100%の放電量で放電−再充電処理を行った場合、10〜20%程度の微小な放電量では、試験後の電池特性に大きな差は認められない。
【0050】
上記実施例、比較例から明らかなように、開回路での放置と、所定設定電圧までの充電工程を繰り返す保管方法を用いた電池は、長期にわたって劣化が少なく、良好な電池特性を保存することができる。また、微小電流で放電処理を行った場合、さらに良好な電池特性を保存できることが確認される。特に1/10CA以下の電流で放電処理を行った場合、より一層良好な電池特性を保存できることが確認される。
【0051】
所定設定電圧までの充電は、非常用電源として電池の保管を考える場合、完全充電に近い状態を保つ設定で保管する方法が有利である。この場合、特に電池の定格容量の80〜100%容量の充電が好ましい。
【0052】
また、電池特性の保存性を考える場合、低い充電状態を保つ設定で保管する方法の方が有利である。この場合、特に電池の定格容量の10%容量程度の充電が好ましい。さらに小さい放電量で放電処理を行った場合、特に10〜20%、あるいは10〜30%程度の放電量で放電処理を行った場合、より一層良好な電池特性の保存できることが確認される。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、長期間に亘って電池特性の劣化を抑え、安全に電池を保管することができるリチウム二次電池の保管方法が提供される。
Claims (4)
- リチウム二次電池に1/4000CA〜1/10CAの微小電流を通電して放電させる工程と、該放電後のリチウム二次電池を所定設定電圧まで充電させる工程とを含み、これら工程を交互に繰り返し行う、リチウム二次電池の保管方法。
- 前記充電工程での所定設定電圧までの充電が、電池の定格容量の10〜100%容量となるよう充電するものである、請求項1記載のリチウム二次電池の保管方法。
- 放電工程において、電池の定格容量の10〜100%容量を放電させる、請求項1または2記載のリチウム二次電池の保管方法。
- 電池容量の10〜20%の放電量で放電−再充電処理を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池の保管方法。
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