JP2010225582A - 電動装置 - Google Patents

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黒川  真一
Shigeo Matsuzaki
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Abstract

【課題】 過放電や転極が起こったリチウム二次電池であっても、その後、正常に使用でき、過充電が起こっても安全であるとともに、リチウム二次電池の低価格化を実現可能とする電動装置の提供を目的とする。
【解決手段】 一のリチウム二次電池10と、このリチウム二次電池10から電力の供給を受ける負荷20とを備え、リチウム二次電池10の電解質13が、無機固体電解質である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウム二次電池と負荷とを備えた電動装置に関し、特に、リチウム二次電池である一つの単電池から負荷に電力を供給する電動装置に関する。
リチウム二次電池は、正極にリチウム金属酸化物を使用し、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う二次電池をいう。
このリチウム二次電池は、繰り返し充放電が可能であるが、過充電又は過放電に至ると電池性能の劣化につながる。
例えば、リチウム二次電池セルの電圧が0.6V以下になると、負極の塗布基材である銅箔の銅がイオンとなって電解液中に溶出し、次の充電時には、電解液中の銅イオンとなって正極に析出すると正極の機能を低下させ、電池性能を低下させる。また、過放電により電池性能が劣化してしまうと電池性能を元に戻すことが困難であるとされてきた。
また、通常、リチウム電池は、電解液が鉄製のセルに入っているので、銅イオンが電解液中に溶出した状態では、銅よりも鉄のほうがイオンになりやすい(イオン化傾向が大きい)ため、銅が金属として析出し、鉄がイオンとなって電解液中に溶出するおそれがある。
つまり、鉄製のセルが電解液中に溶け出し、セルに穴が開き、電解液が漏れ出すおそれがあり、電解液は導電性があり、これがプリント板上に付着した状態で充電すると、充電電流が電解液内を流れ、プリント板が発熱、発煙、発火するおそれがある。
また、過放電状態においては、電解液の分解も起こり、性能劣化やさらには分解ガスにより破裂、発火、発煙が起こるおそれがある。
そのため、リチウム電池を備える装置では、放電時に電池の電圧を監視し、例えば2.3Vに達したときに放電を停止させていた(例えば、特許文献1、2参照。)。
ここで、上記問題が生じないように放電をある一定電圧で停止させ、この際の放電を停止させる電圧を定格下限電圧という。
そして、過放電とは、定格下限電圧〜0Vまでの間で放電させることをいい、転極とは、0V未満になった状態で放電することをいう。
特開2002−223525号公報 特開平4−331425号公報
しかしながら、上述した各特許文献に記載の技術においては、次のような問題があった。
同技術では、放電時の電圧測定にミスがあると、過放電や転極になり、リチウム二次電池の性能が劣化して使用不可能になると考えられていた。
このため、上記技術では、放電時に電池の電圧を監視して過放電を防止するための保護回路を備えていた。この保護回路は高価であるので、リチウム二次電池の低価格化を阻む要因となっていた。また、保護回路を備える場合でも、構成を簡易にして、リチウム二次電池の低価格化に貢献できるようにすることが望まれていた。
また、リチウムイオン二次電池は、充電器の故障などにより過充電になると、正極活物質の分解、負極での金属リチウムの析出や電解液の分解が起こり、充電による発熱や反応熱が重なることで熱暴走して、発火、発煙、破裂等が起こるおそれがある。
そのため、充電時には電池電圧を検出して過充電を防止する必要がある。
しかし、過充電保護回路は高価であり、また故障した場合などにより過充電となると発火、発煙、破裂等のおそれがあった。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、過放電や転極が起こったリチウム二次電池であっても、その後、正常に使用でき、過充電が起こっても安全であるとともに、リチウム二次電池の低価格化を実現可能とする電動装置の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の電動装置は、一の単電池からなるリチウム二次電池と、このリチウム二次電池から電力の供給を受ける負荷とを備え、リチウム二次電池の電解質を、無機固体電解質とする構成としてある。
本発明の電動装置によれば、リチウム二次電池の電解質が無機固体電解質であるので、過放電や転極が起こったリチウム二次電池であっても、また充電することで、その後も正常に使用できる。
また、過放電の発生後においてもリチウム二次電池の使用が可能であるので、過放電保護手段が不要となり、リチウム二次電池の低価格化を実現できる。
本発明の第一実施形態における電動装置の構成を示すブロック図である。 リチウム二次電池の構造を示す断面図である。 リチウム二次電池の充放電特性を示すグラフである。 電動装置の他の構成を示す概略図である。 本発明の第二実施形態における電動装置の構成を示すブロック図である。 過放電保護回路の詳細な構成を示す電子回路図である。 本発明の第三実施形態における電動装置の構成を示すブロック図である。 過充電保護回路の詳細な構成を示す電子回路図である。 電動装置の他の構成を示すブロック図である。 本発明の第四実施形態における電動装置の構成を示すブロック図である。 転極検出回路の詳細な構成を示す電子回路図である。 電動装置の他の構成を示すブロック図である。 実施例1〜5、8〜10、比較例1、2における過放電電圧、初期放電容量、過放電後の放電容量の各値を示す図表である。 実施例6における充放電サイクル数に対する放電容量の変化を示すグラフである。 実施例7及び比較例3における異常発生の有無及び状況と、電圧上昇の値を示す図表である。 実施例7及び比較例3における過充電後の電池の様子を示す外観図である。
以下、本発明に係る電動装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の電動装置の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電動装置の構成を示す図である。
(I)電動装置の構成
同図に示すように、本実施形態の電動装置1aは、リチウム二次電池10と、負荷20とを備えている。
リチウム二次電池10は、負荷20に電力を供給するための電源である。
このリチウム二次電池10は、単電池として、電動装置1aに一つのみ設けられている。
なお、リチウム二次電池10は、同図に示すように、電池モジュールB1の構成部品として設けることができる。
(I-1)リチウム二次電池
リチウム二次電池10は、図2に示すように、正極11及び負極12で電解質層13を挟む構成を有している。また、図2に示す例では、正極11には、正極集電体14が接している。さらに、図2に示す例では、負極12に負極集電体15が接している。
リチウム二次電池10の製造方法に関しては、図2に示すような構成をとり得る方法であれば、特に限定されないが、例えば、正極11と正極集電体14とを積層した正極合材シート、負極12と負極集電体15とを積層した負極合材シート及び固体電解質シートを作製しておき、これらを重ね合わせてプレスする方法がある。
また、正極集電体14上に正極11を形成しておき、その上に電解質層13を形成し、さらにその上に負極集電体15に形成された負極12を、電解質層13と負極12が接するように重ね合わせてもよい。
正極合材シート及び負極合材シートの製造方法としては、例えば、正極11及び負極12を正極集電体14及び負極集電体15の少なくとも一部に膜状に形成することで作製できる。
製膜方法としては、例えば、ブラスト法、エアロゾルデポジション法、コールドスプレー法、スパッタリング法、気相成長法又は溶射法等が挙げられる。
また、正極集電体14及び負極集電体15に正極11及び負極12の極材を溶液化し、塗布する方法、あるいは正極11及び負極12の極材を正極集電体14及び負極集電体15上に圧縮して積層させる方法により、正極11及び負極12を形成することもできる。
また、正極11は、金属箔等であってもよい。
(I-11)負極
負極12は、通常、リチウム二次電池10の負極12に使用できるものであれば、特に限定されない。
例えば、下記する負極活物質と固体電解質を混合した負極合材から負極12を製造してもよく、またカーボン負極を用いてもよい。
(I-111)負極活物質
負極活物質としては、市販されているものを特に限定なく使用することができ、炭素材料やSn金属、In金属などを好適に用いることができる。
具体的には、天然黒鉛や各種グラファイト、Sn、Si、Al、Sb、Zn、Biなどの金属粉、SnCu、Sn、Co、SnFeなどの金属合金粉、その他アモルファス合金やメッキ合金が挙げられる。
粒径に関しても特に制限はないが、平均粒径が数μm〜80μmのものを好適に用いることができる。
(I-112)負極合材
負極活物質と固体電解質を所定の割合で混合することにより、負極合材が作製される。
(I-113)負極の製造方法
従来公知の方法により、負極合材から製造することができる。
(I-12)正極
正極11は、通常、リチウム二次電池10の正極11に使用できるものであれば、特に制限されない。
(I-121)正極活物質
正極活物質としては、市販されているものを特に制限なく使用することができ、リチウムと遷移金属の複合酸化物などを好適に用いることができる。
具体的には、例えば、以下に示す各材料及び各元素の組成比が異なる類似の材料が使用でき、LiCoO、LiNiCoO、LiNiO、LiNiMnCoO、LiFeMnO、LiPtO、LiMnNiO、LiMn、LiNiMnO、LiNiVO、LiCrMnO、LiFePO、LiFe(SO、LiCoVO、LiCoPO、Sなどが挙げられる。
粒径に関しても特に制限されないが、平均粒径が数μm〜10μmのものを好適に用いることができる。
(I-122)正極合材
正極活物質と固体電解質を所定の割合で混合することにより正極合材が作製される。
割合としては、正極活物質の固体重量%(wt%)として、20wt%〜95wt%の割合で用いることができる。
(I-123)正極の製造方法
従来公知の方法により正極合材から製造することができる。
(I-13)固体電解質
(I-131)無機固体電解質
無機固体電解質は、LiN、LISICON類、Thio−LISICON類、La0.55Li0.35TiOなどのペロブスカイト構造を有する結晶や、NASICON型構造を有するLiTi12、さらにこれら結晶化させた電解質などを用いることができる。また、LiO−B−P系、LiO−B−ZnO系、LiO−Al−SiO−P−TiO系の酸化物系非晶質固体電解質、LiS−P系、LiI−LiS−P系、LiPO−LiS−SiS系などの硫化物系非晶質固体電解質、さらにこれら結晶化させた結晶性固体電解質、あるいは、LiPO−LiS−SiSなどのような金属酸化物と硫化物が混合された非晶質電解質やそれらを結晶化させた電解質などが好ましい。
リチウムイオン伝導性に優れ、粒子同士の界面を得やすい硫化物系固体電解質である。
(I-132)硫化物系固体電解質
硫化物系固体電解質は、硫黄、りん及びリチウムのみからなるものの他、Al、B、Si、Geなどを含む他の物質を含んでいてもよく、有機化合物、無機化合物、あるいは有機・無機両化合物からなる材料を原材料として製造しても良い。
原材料としては、硫化リチウム(LiS)と五硫化二燐(P)、又は硫化リチウムと単体燐及び単体硫黄、さらには硫化リチウム、五硫化二燐、単体燐及び/又は単体硫黄から生成するリチウムイオン伝導性無機固体物質である。
硫化リチウムと、五硫化二燐又は単体燐及び単体硫黄の混合モル比は、通常50:50〜80:20、好ましくは、60:40〜75:25である。
特に好ましくは、LiS:P=70:30(モル比)程度である。
本実施形態におけるリチウムイオン伝導性物質粒子は、上述のように、好適には、硫化リチウムと、五硫化二燐及び/又は、単体燐及び単体硫黄から製造することができる。
具体的には、これらの原料を溶融反応した後、急冷するか、または、原料をメカニカルミリング法(以下、「MM法」という。)により処理して、ガラス状の固定電解質を得る。さらに熱処理することにより結晶性の固体電解質が得られる。イオン伝導性の観点からは、結晶性の固体電解質が好ましい。
(I-14)正極集電、負極集電
正極集電シート及び負極集電シートとしては、例えば、ステンレス鋼、金、白金、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、チタンなどの金属、および、これらの合金にて、シート、箔、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状などに形成されたものが用いられる。
特に、正極集電シートではアルミニウム箔、負極集電シートではアルミニウム箔やスズ箔が、集電性、加工性、コストの点で好ましい。
(I-2)充放電特性
次に、リチウム二次電池の充放電特性について、図3を参照して説明する。
同図は、リチウム二次電池の充放電特性を示すグラフである。
発明者は、本実施形態のリチウム二次電池10の充放電特性を測定した。
リチウム二次電池10を充放電装置(北斗電工株式会社、充放電システムHJ1001、SM8A(図示せず))に接続した。
その充放電装置を用いて、リチウム二次電池10を、0.535mAで、出力電圧Voが4.2Vになるまで定電流充電した。
次いで、1.07mAで2.5Vまで定電流放電し、これを初期放電容量とした。
続いて、1.07mAの定電流で−1Vまで過放電した。ここで、0Vに達した後は、転極した。
さらに、−1Vで定電圧放電を約55時間行った。
約55時間が経過した後、定電圧放電を停止した。
停止直後から、出力電圧Voは、急激に上昇し、1.2Vに達した。
さらに、リチウム二次電池10を約50時間放置しておくと、出力電圧Voは、約1.2V前後を維持した。
50時間の経過後は、1.07mAで4.2Vまでの充電と、1.07mAで2.5Vまでの放電とを繰り返し行った。
図3に示すように、リチウム二次電池10は、出力電圧Voが過放電となり、さらに転極した後であっても、充電後には、定格範囲内で正常に充放電を行うことができた。
これは、本実施形態のリチウム二次電池10の電解質が、固体電解質であるために、銅や鉄の溶出が起こらず、また電解質の分解が起こらないため、過放電による性能劣化が生じにくいことが理由となっているものと思われる。
また、同図に示すように、放電を停止した場合、リチウム二次電池10の出力電圧Voは、約1.2Vまで復帰した。このように、リチウム二次電池10は、過放電後でも開路電圧まで復帰できる。つまり、本実施形態のリチウム二次電池10は、開路電圧Voの回復能力があることから、過放電後でも正常に充放電を行うことができる。
このように、リチウム二次電池10は、過放電を防止する保護回路が接続されていない場合でも、電源としての機能を正常に果たし得る。したがって、過放電を防止する保護回路を省略して、電池モジュールを安価にすることができる。
なお、同図では、放電停止から約50時間後に充電を開始したが、この充電を開始せず、リチウム二次電池10をそのまま放置しておくと、出力電圧Voは、その後も1.2Vを維持し続けるものと思われる。
(II)負荷
負荷20は、リチウム二次電池10から電力の供給を受けて所定の動作を行うものをいう。
この負荷20には、例えば、電動機(モータ)、電子部品、電子回路、発光素子、振動素子、表示装置などが含まれる。
例えば、図4に示すように、電動装置1aが自動車おもちゃの場合、負荷20として電動機が備えられる。この電動機は、リチウム二次電池10から電力供給を受けて既定の方向に回転する。
ところが、電動機は、何らかの理由で逆回転することがある。この場合、リチウム二次電池10に0V未満の電圧(0V未満の過放電)がかかる。
ただし、リチウム二次電池10は、過放電や転極になっても壊れない。よって、電動機が逆回転することによる過放電を防止する回路が不要となる。
(III)充電器
充電器2は、リチウム二次電池10の充電に用いる。
この充電器2は、電動装置1aとは別個に設けられている。
充電する場合、リチウム二次電池10は、電動装置1aから取り外され、充電器2にセット(接続)される。リチウム二次電池10は、充電器2を介して電力を受ける。これにより、リチウム二次電池10は、充電される。
なお、第二実施形態及び第四実施形態においても、電動装置1に充電手段50が設けられていないため、この電動装置1とは別個に充電器2を備えるのが望ましい。
以上説明したように、本実施形態の電動装置は、リチウム二次電池の電解質が固体電解質であるため、過放電や転極になった後も、正常に充放電を行うことができる。
このため、過放電を保護する回路が不要となり、電池モジュールの低価格化を実現できる。
[第二実施形態]
次に、本発明の電動装置の第二の実施形態について、図5を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電動装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、電池モジュールに過放電保護回路を新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図5において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
(I)構成
図5に示すように、本実施形態の電動装置1bは、リチウム二次電池10と、負荷20と、過放電保護回路30とを備えている。
リチウム二次電池10と過放電保護回路30は、同図に示すように、電池モジュールB2の構成部品として設けることができる。
過放電保護回路30は、図6に示すように、比較器31を用いて、リチウム二次電池10の出力電圧Voが所定値より低くなったことを検出する回路である。
比較器31は、例えば、オペアンプで構成することができる。この比較器31は、出力端t31と、+電源端子t32と、−電源端子t33と、+入力端子と、−入力端子とを有している。
出力端t31は、スイッチング素子32(このスイッチング素子32がnチャネルFET(Field Effect Transistor)であるときは、このnチャネルFETのゲート)に接続されている。
+電源端子t32は、リチウム二次電池10の正極側に接続されている。
−電源端子t33は、リチウム二次電池10の負極側に接続されている。
+入力端子は、抵抗R31と抵抗R32との接続点に接続されている。
−入力端子は、基準電圧V32の正極側に接続されている。
抵抗R31と抵抗R32とは、直列に接続されており、この直列の一端(抵抗R31側)がリチウム二次電池10の正極側に接続され、他端(抵抗R32側)がリチウム二次電池10の負極側に接続されている。
基準電圧V32の負極側は、リチウム二次電池10の負極側に接続されている。
スイッチング素子32であるnチャネルFETのソースは、負荷20のマイナス側に接続され、ドレインは、リチウム二次電池10の負極側に接続されている。
なお、過放電保護回路30は、リチウム二次電池10の放電時に、その出力電圧が所定値以下になったことを検出すると、スイッチング素子32をOFFにして放電を停止させて、過放電を防止することから、「過放電を防止する保護手段」としての機能を有している。
(II)動作
過放電保護回路30は、次のように動作する。
比較器31の−入力端子には、基準電圧V32が入力されている。
一方、比較器31の+入力端子には、リチウム二次電池10の出力電圧Voのうち抵抗R31とR32によって分圧された電圧Vro(抵抗R32の両端電圧)が入力されている。
ここで、通常の放電時は、+入力端子の入力電圧Vroが、−入力端子の入力電圧V32よりも大きくなり(Vro>V32)、出力端t31の電圧Vt31は、+電源電圧t32と等しくなる。この出力端t31の電圧Vt31は、nチャネルFETのゲートに印加され、ソース−ドレイン間に電流が流れる。これにより放電が継続される。
一方、リチウム二次電池10の出力電圧Voが所定値よりも小さくなると、+入力端子の入力電圧Vroが、−入力端子の入力電圧V32よりも小さくなり(Vro<V32)、出力端t31の電圧Vt31は、+電源電圧t33と等しくなる。この出力端t31の電圧Vt31は、0となるので、nチャネルFETのゲートに電流が流れず、ソース−ドレイン間に電流が流れなくなる。これにより、放電が停止する。
(III)過放電保護回路で検出される電圧
過放電保護回路30において、スイッチング素子32をON−OFFさせる電圧の閾値(検出電圧)は、基準電圧V32、抵抗R31、抵抗R32の各値により、任意に設定できる。
例えば、過放電状態を回避したい場合は、初期放電容量(図3においては、2.5V)を検出電圧とする。ここで、抵抗R31と抵抗R32の抵抗値の比が1:1の場合には、基準電圧V32は、1.25Vとなる。
また、過放電状態において所定の電圧値以下になることを回避したい場合は、その電圧値を検出電圧とする。ここで、抵抗R31と抵抗R32の抵抗値の比が1:1の場合には、基準電圧V32は、その電圧値の1/2の値となる。
このように、過放電保護回路30は、初期放電容量を検出して、過放電にならないように放電を停止することができ、また、過放電状態における任意の電圧値を検出して、この段階で放電を停止することもできる。
このように、過放電保護回路30が、任意の電圧値を検出電圧とすることができるのは、リチウム二次電池10が過放電状態になったとしても、その後再び通常の充放電が可能だからである。
このため、過放電保護回路30の検出電圧は、リチウム二次電池10の性能に応じて任意に設定できる。
以上説明したように、本実施形態の電動装置は、過放電保護回路を設けたことで、リチウム二次電池が過放電状態となって性能が劣化することを防止できる。
また、過放電保護回路において、検出電圧を任意に設定できる。これにより、リチウム二次電池の性能に応じた検出電圧の設定が可能となる。
さらに、過放電保護回路は、構成が簡易であるため、この過放電保護回路を備えた電池モジュールの低価格化を実現できる。
[第三実施形態]
次に、本発明の電動装置の第三の実施形態について、図7を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電動装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、過充電保護回路と充電手段とを新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図7において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
(I)構成
図7に示すように、本実施形態の電動装置1cは、リチウム二次電池10と、負荷20と、過充電保護回路40と、充電手段50とを備えている。
リチウム二次電池10と過充電保護回路40は、同図に示すように、電池モジュールB3の構成部品として設けることができる。
過充電保護回路40は、図8に示すように、比較器41を用いて、リチウム二次電池10の出力電圧が所定値より高くなったこと(過充電になったこと)を検出する回路である。
比較器41は、例えば、オペアンプで構成することができる。この比較器41は、出力端t41と、+電源端子t42と、−電源端子t43と、+入力端子と、−入力端子とを有している。
出力端t41は、スイッチング素子42(このスイッチング素子42がnチャネルFETであるときは、このnチャネルFETのゲート)に接続されている。
+電源端子t42は、リチウム二次電池10の正極側に接続されている。
−電源端子t43は、リチウム二次電池10の負極側に接続されている。
+入力端子は、基準電圧V42の正極側に接続されている。
−入力端子は、抵抗R41と抵抗R42との接続点に接続されている。
抵抗R41と抵抗R42とは、直列に接続されており、この直列の一端(抵抗R41側)がリチウム二次電池10の正極側に接続され、他端(抵抗R42側)がリチウム二次電池10の負極側に接続されている。
基準電圧V42の負極側は、リチウム二次電池10の負極側に接続されている。
スイッチング素子42であるnチャネルFETのソースは、リチウム二次電池10の負極側に接続され、ドレインは、充電用端子を介して、充電手段50に接続されている。
なお、過充電保護回路40は、リチウム二次電池10の充電時に、その出力電圧が所定値以上になったことを検出すると、スイッチング素子42をOFFにして充電を停止させて、過充電を防止することから、「過充電を防止する保護手段」としての機能を有している。
(II)動作
過充電保護回路40は、次のように動作する。
比較器41の+入力端子には、基準電圧V42が入力されている。
一方、比較器41の−入力端子には、リチウム二次電池10の出力電圧Voのうち抵抗R41とR42によって分圧された電圧Vro(抵抗R42の両端電圧)が入力されている。
ここで、+入力端子の入力電圧V42が、−入力端子の入力電圧Vroよりも大きいときは(V42>Vro)、出力端t41の電圧Vt41は、+電源電圧t42と等しくなる。この出力端t41の電圧Vt41は、nチャネルFETのゲートに印加され、ソース−ドレイン間に電流が流れ、充電が継続される。
一方、+入力端子の入力電圧V42が、−入力端子の入力電圧Vroよりも小さいときは(V42<Vro)、出力端t41の電圧Vt41は、+電源電圧t43と等しくなる。この出力端t41の電圧Vt41は、0となるので、nチャネルFETのゲートに電流が流れず、ソース−ドレイン間に電流が流れなくなって、充電が停止する。
このように、過充電保護回路40は、リチウム二次電池10の出力電圧Voが、所定値よりも高くなったこと(過充電になったこと)を検出すると、スイッチング素子42をOFFにして、過充電を防止する。
なお、本実施形態の過充電保護回路40は、図8に示すような回路構成としたが、過充電保護回路は、同図に示す構成に限るものではなく、例えば、放電量を積算し放電量に応じた電気量を充電する電気量積算手段を備えたもの、温度検出する温度検出手段を備えたもの、温度ヒューズを備えたものなどであってもよい。
例えば、電気量積算手段を備えたものは、リチウム二次電池10からの放電量を積算し、この放電量に応じた充電量で充電するものである。
温度検出手段を備えたものは、リチウム二次電池10の温度を検出し、この温度の高低によって、充電を制御するものである。
温度ヒューズを備えたものは、リチウム二次電池10の温度が上昇し、所定の温度に達すると温度ヒューズが切断して、充電を停止するものである。
以上説明したように、本実施形態の電動装置は、過充電保護回路を設けたので、リチウム二次電池が過充電状態となることを回避できる。
さらに、過充電保護回路は、構成が簡易であるため、この過充電保護回路を備えた電池モジュールの低価格化を実現できる。
なお、第二実施形態における過放電保護回路30と、本実施形態における過充電保護回路40は、図9に示すように、一つの電動装置1d(一つの電池モジュールB4)に備えることができる。
これにより、リチウム二次電池10が過放電状態になることと、過充電状態になることの両方を防止できる。
[第四実施形態]
次に、本発明の電動装置の第四の実施形態について、図10を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電動装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、転極検出回路を新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図10において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の電動装置1eは、リチウム二次電池10と、負荷20と、転極検出回路60とを備えている。
リチウム二次電池10と転極検出回路60は、同図に示すように、電池モジュールB5の構成部品として設けることができる。
転極検出回路60は、図11に示すように、比較器61を用いて、リチウム二次電池10の出力電圧Voが転極した状態で所定値より低くなったことを検出する回路である。
比較器61は、例えば、オペアンプで構成することができる。この比較器61は、出力端t61と、+電源端子t62と、−電源端子t63と、+入力端子と、−入力端子とを有している。
出力端t61は、スイッチング素子62(このスイッチング素子62がnチャネルFET(Field Effect Transistor)であるときは、このnチャネルFETのゲート)に接続されている。
+電源端子t62は、リチウム二次電池10の正極側に接続されている。
−電源端子t63は、リチウム二次電池10の負極側に接続されている。
+入力端子は、抵抗R61と抵抗R62との接続点に接続されている。
−入力端子は、基準電圧V62の負極側に接続されている。
抵抗R61と抵抗R62とは、直列に接続されており、この直列の一端(抵抗R61側)がリチウム二次電池10の正極側に接続され、他端(抵抗R62側)がリチウム二次電池10の負極側に接続されている。
基準電圧V62の正極側は、リチウム二次電池10の負極側に接続されている。
スイッチング素子62であるnチャネルFETのソースは、負荷20に接続され、ドレインは、リチウム二次電池10の負極側に接続されている。
ダイオード63は、アノードが負荷20に接続され、カソードが、リチウム二次電池10の負極側に接続されている。
(II)動作
転極検出回路60は、次のように動作する。
比較器61の−入力端子には、基準電圧V62の負極側が接続されている。つまり、その−入力端子には、−の基準電圧−V62が入力される。
一方、比較器61の+入力端子には、リチウム二次電池10の出力電圧Voのうち抵抗R61とR62によって分圧された電圧Vro(抵抗R62の両端電圧)が入力される。
この分圧電圧Vroは、リチウム二次電池10が通常の放電を行っている限り、0Vを下回ることはない。このため、比較器61の+入力端子の入力電圧Vroは、−入力端子の入力電圧−V62よりも大きくなり、出力端t61の電圧Vt61は、+電源端子の電圧t62と同じになって、スイッチング素子62であるnチャネルFETのゲートに電流が流れる。
ただし、nチャネルFETは、ソースがリチウム二次電池10の負極側に接続され、ドレインが負荷20の負極側に接続されている。このため、nチャネルFETのソース−ドレイン間には電流が流れず、ダイオード63に電流が流れる。
これに対し、リチウム二次電池10が過放電状態となり、さらに転極した場合、抵抗R61とR62には、−の電圧−Voが印加される。
抵抗R61とR62は、その電圧−Voを分圧する。この分圧電圧−Vro(抵抗R62の両端電圧)は、比較器61の+入力端子に入力される。
ここで、+入力端子の入力電圧−Vroが、−入力端子の入力電圧−V62よりも大きいときは(−Vro>−V62)、出力端t61の電圧Vt61は、+電源電圧t62と等しくなる。この場合、出力端t61の電圧Vt61は、nチャネルFETのゲートに印加され、ソース−ドレイン間に電流が流れる。なお、ダイオード63Dは、逆方向接続となるため、電流は流れない。
一方、+入力端子の入力電圧−Vroが、−入力端子の入力電圧−V62よりも小さいときは(−Vro<−V62)、出力端t61は、+電源電圧t63と等しくなる。この出力端t61の電圧Vt61は、0となるので、nチャネルFETのゲートに電流が流れず、ソース−ドレイン間に電流が流れなくなり、放電が停止する。
これにより、転極したリチウム二次電池10の出力電圧Voが、所定値よりも低くなることを防止できる。
(III)転極検出回路で検出される電圧
転極検出回路60において、スイッチング素子62をON−OFFさせる電圧の閾値(検出電圧)は、基準電圧V62、抵抗R61、抵抗R62の各値により、任意に設定できる。
例えば、転極になるのを回避したい場合は、0Vを検出電圧とする。このとき、基準電圧V62は、0Vとする。
また、転極の状態において所定の電圧値以下になることを回避したい場合は、その電圧値を検出電圧とする。このとき、抵抗R61と抵抗R62の抵抗値の比が1:1の場合には、基準電圧V62は、その所定の電圧値の1/2の値となる。
このように、転極検出回路60は、0Vを検出して、転極にならないように放電を停止することができ、また、転極の状態における任意の電圧値を検出して、この段階で放電を停止することもできる。
このように、転極検出回路60が、任意の電圧値を検出電圧とすることができるのは、リチウム二次電池10が転極の状態になったとしても、その後再び通常の充放電が可能だからである。
このため、転極検出回路60の検出電圧は、リチウム二次電池10の性能に応じて任意に設定できる。
以上説明したように、本実施形態の電動装置は、転極検出回路を設けたことで、リチウム二次電池の出力電圧が転極したこと、又は転極して所定の電圧値になったことを検出できる。そして、これらを検出したときは、転極検出回路は、回路を切断して、過剰な放電を回避することができる。
また、転極検出回路において、検出電圧を任意に設定できる。これにより、リチウム二次電池の性能に応じた検出電圧の設定が可能となる。
さらに、転極検出回路は、構成が簡易であるため、この転極検出回路を備えた電池モジュールの低価格化を実現できる。
なお、第三実施形態における過充電保護回路40と、本実施形態における転極検出回路60は、図12に示すように、一つの電動装置1f(一つの電池モジュールB6)に備えることができる。
これにより、リチウム二次電池10が過充電状態になることと、転極して所定の電圧値になることの両方を防止できる。
[実施例]
以下、本発明を実施例を基に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
〔実施例1〕
(硫化リチウムの調製)
硫化リチウムは、特開平7−330312号公報における第一の態様(2工程法)の方法に従って製造した。以下、具体的に説明する。
まず、攪拌翼についた10リットルオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)、及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した水硫化リチウムを脱硫化水素化し、硫化リチウムを得た。尚、昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮して系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。水硫化リチウムの脱硫化水素反応が終了後(約80分)に反応を終了し、流化リチウムを調製した。
(硫化リチウムの精製)
調製した500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間攪拌した。そのままの温度でNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間攪拌し、そのままの温度でNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。
得られた精製硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)、チオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物、及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。
その結果、精製硫化リチウムの硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。
(硫化物系固体電解質の調製)
調製した平均粒径30μm程度の精製硫化リチウム(LiS)32.54gと、平均粒径50μm程度のP(アルドリッチ社製)67.46gを、10mmφアルミナボール175個が入った500mlアルミナ製容器に入れ密閉した。尚、上記計量及び密閉作業はすべてグローブボックス内で実施し、使用する器具類はすべて乾燥機で事前に水分除去した。
密閉したアルミナ製容器を、遊星ボールミル(レッチェ社製PM400)にて、室温下、36時間メカニカルミリング処理することで、白黄色の固体電解質ガラス粒子を得た。このときの回収率は78%であった。
得られた固体電解質ガラス粒子のX線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)を行った結果、原料LiSのピークは観測されず、固体電解質ガラスに起因するハローパターンであった。
上記固体電解質ガラス粒子を、グローブボックス内Ar雰囲気下で、SUS製チューブに密閉し、300℃、2時間の加熱処理を施して固体電解質ガラスセラミック粒子(平均粒径14.52μm)を得た。得られた固体電解質ガラスセラミック粒子のX線回折測定では、2θ=17.8、18.2、19.8、21.8、23.8、25.9、29.5、30.0degにピークが観測された。
この固体電解質ガラスセラミック粒子の伝導度は、1.3×10−3S/cmであった。
(電池の作製)
得られた固体電解質ガラスセラミック粒子と正極活物質であるLiNi0.8Co0.15A10.05を重量比で30wt%:70wt%で混合して正極合材とした。
また、得られた固体電解質ガラスセラミック粒子と負極活物質である黒鉛粉末を重量比で40wt%:60wt%で混合して負極合材とした。
作製した固体電解質ガラスセラミック粒子204mgを直径16.5mmの金属金型に投入して加圧成型した。この金属金型に上記正極合材117mgを投入して再び加圧成型し、さらに正極合材と反対側から上記負極合材を99mg投入して加圧成型した。得られた圧粉体を厚さ調整用の0.5mm厚さのSUS製スペーサ2枚の間に挟んだ後、SUS製バネを積層したものを、ポリプロピレン製ガスケットを用いた宝泉株式会社製コイン電池2032用ケースに入れ、宝泉株式会社製コイン電池かしめ機でかしめてコイン電池を作製した。
作製例の電池を0.535mAで4.2Vまで定電流充電した後、1.07mAで2.5Vまで定電流放電し、初期放電容量とした。引き続いて、1.07mAで1Vまで定電流で過放電し、さらに1Vにて定電圧放電を55時間行った。この状態で放電を停止し、50時間放置した。その後、1.07mAで4.2Vまでの充電と1.07mAで2.5Vまでの放電を行った。
初期放電容量と、過放電後の充放電試験での放電容量を図13に示す。なお、図13は、実施例1とともに、実施例2〜5、8〜10、比較例1、2における過放電電圧、初期放電容量、過放電後の放電容量を示す。
〔実施例2〕
過放電の電圧を0Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔実施例3〕
過放電の電圧を−1Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔実施例4〕
過放電の電圧を−5Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔実施例5〕
過放電の電圧を−10Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔比較例1〕
放電の電圧を2.5Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
〔比較例2〕
非水系電解液を用いて電池を作製した。
正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05とアセチレンブラック、PVDFを重量比で83wt%:10wt%:7wt%で混合して正極材とした。この正極材24mgをφ15のシートとして用いた。
負極活物質である黒鉛粉末とPVDFを重量比で90wt%:10wt%で混合して負極材とした。この負極材28mgをφ16のシートとして用いた。
セパレータとしてセルガード製セルガードC480を用い、非水系電解液としてエチレンカーボネートとヂメチルカーボネートを30wt%:70wt%で混合して用いた。これらを実施例1と同様に、ポリプロピレン製ガスケットを用いた宝泉株式会社製コイン電池2032用ケースに入れ、宝泉株式会社製コイン電池かしめ機でかしめてコイン電池を作製した。厚さ調整用として1.5mm厚さのSUS製スペーサ1枚とSUS製バネを用いた。
過放電の電圧を0Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
実施例1〜5では、過放電後においても充放電が可能であり、比較例1の通常放電とほぼ同等の放電容量となっているのに対し、比較例2の非水系電解液電池では過放電後は充放電しなかった。
〔実施例6〕
実施例1と同様に得られた固体電解質ガラス粒子と正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05を重量比で30wt%:70wt%で混合して正極合材とした。
また、得られた固体電解質ガラス粒子と負極活物質である黒鉛粉末を重量比で40wt%:60wt%で混合して負極合材とした。
作製した固体電解質ガラス粒子50mgを直径10mmの金型に投入して加圧成型した。この金型に上記正極合材14mgを投入して再び加圧成型し、さらに正極合材と反対側から上記負極合材を9mg投入して加圧成型した。
この成形体を300℃の熱プレスにて10分間予熱した後、20分間加圧し、さらに冷プレスで冷却して電池を作製した。
得られた電池を0.393mAの充電と0.393mAの放電を42サイクル繰り返した後、負極に対する正極の電位として−17Vを1時間印加した。さらに、0.393mAの充電と0.393mAの放電を18サイクル繰り返した。
充放電サイクルでの放電容量の変化を図14に示す。
過放電後に充放電を繰り返すと、放電容量はほぼ回復した。
〔実施例7〕
実施例1と同様に作製した電池10個を用いて、0.535mAで4.2Vまで定電流充電した後、3mAで定電流で過充電を行った。過充電での異常の有無を図15に、過充電後の電池の様子を図16(a)に示す。
〔比較例3〕
比較例2と同様に作製した非水系電解液電池10個を用いて、実施例7と同様に過充電を行った。過充電後の電池の様子を図16(b)に示す。
過充電により実施例7では21Vまで電圧が上昇しても全数で変化が見られなかったが、比較例3では膨れが発生するものがあった。
〔実施例8〕
電池作製時に厚さ調整用のSUS製スペーサと負極との間に厚さ0.1mmの銅板を入れた以外は実施例1と同様に電池作製を行い、過放電電圧を−2Vとした以外は実施例1と同様に充放電を行った。
〔実施例9〕
正極活物質をLiCoO2とし、過放電電圧を−2Vとした以外は、実施例1と同様に電池作製を行い、充放電を行った。
〔実施例10〕
硫化物系固体電解質の調整において調製した平均粒径30μm程度の精製硫化リチウム(LiS)54.31gと、平均粒径50μm程度のP(アルドリッチ社製)65.69gとした以外は、実施例1と同様に調整した硫化物系固体電解質を用いて、実施例1と同様に電池を作製し、過放電電圧を−2Vとした以外は、実施例1と同様に充放電を行った。
これら実施例8〜10における過放電電圧、初期放電容量、過放電後の放電容量を図13に示す。
また、電動装置において、例えば自動車などの用途によっては過放電保護回路によって出力を急にカットすると事故などの危険を生じる可能性がある。そのため従来は電池が劣化、破損したとしても緊急時には過放電電圧まで放電することがあった。その際は電池の交換を要していたが、本実施形態においては、そのような緊急時の放電を行ったとしても、そのまま電池を使用することが可能である。
以上、本発明の電動装置の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明に係る電動装置は上述した実施形態又は実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した第一実施形態では、電動装置の例として自動車おもちゃを示したが、この電動装置は、自動車おもちゃに限るものではなく、例えば、モーターボート、電気シェーバ、電動鉛筆削り、扇風機など、リチウム二次電池と電動機とを備えた種々の装置が該当する。
なお、本発明の電動装置は、第一実施形態〜第四実施形態のそれぞれにおける電動装置を任意に組み合わせたものであってもよい。
本発明は、リチウム二次電池の過充電、過放電の検出に関する発明であるため、リチウム二次電池を用いた機器や装置に利用可能である。
1a〜1f 電動装置
10 リチウム二次電池
20 負荷
30 過放電保護回路
40 過充電保護回路
50 充電手段
60 転極検出回路

Claims (7)

  1. 一の単電池からなるリチウム二次電池と、このリチウム二次電池から電力の供給を受ける負荷とを備え、
    前記リチウム二次電池の電解質を、無機固体電解質とする
    ことを特徴とする電動装置。
  2. 前記リチウム二次電池の過放電を防止するための過放電保護手段を備えない
    ことを特徴とする請求項1記載の電動装置。
  3. 前記リチウム二次電池の過放電を防止するための過放電保護手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の電動装置。
  4. 前記リチウム二次電池の過充電を防止するための過充電保護手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動装置。
  5. 前記過放電保護手段は、電圧を検出し制御することを特徴とする請求項3記載の電動装置。
  6. 前記過充電保護手段は、放電量を積算し放電量に応じた電気量を充電する電気量積算手段、または、温度検出する温度検出手段、または温度ヒューズを備える
    ことを特徴とする請求項4記載の電動装置。
  7. 前記無機固体電解質が、硫化物系固体電解質である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動装置。
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