JP2013055031A - 非水電解液、非水電解質二次電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム - Google Patents

非水電解液、非水電解質二次電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム Download PDF

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Abstract

【課題】高温環境下においても優れた電池特性を得ることができる非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解液を含む電解質とを備える。非水電解液は、ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含んでいる。リン化合物は、1個以上の不飽和結合を含む置換基を有し、置換基は、リンに結合された炭素を有する。
【選択図】図1

Description

本技術は、非水電解液、非水電解質二次電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムに関する。詳しくは、電解質にリン化合物を含む非水電解質二次電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(Video Tape Recorder)、携帯電話やノートパソコンなどのポータブル電子機器が広く普及し、その小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、電子機器のポータブル電源として、電池、特に軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。中でも、充放電反応にリチウム(Li)の吸蔵および放出を利用する二次電池(いわゆるリチウムイオン二次電池)は、従来の非水系電解液二次電池である鉛電池やニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるため、広く実用化されている。
このようなリチウムイオン二次電池では、炭酸プロピレンや炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系非水溶媒に、電解質塩としてLiPF6を溶解した電解質が、導電率が高く、電位的にも安定であるので広く用いられている。
しかしながら、携帯型電子機器の利用が多くなるに従い、最近では、輸送時や使用時などに二次電池が高温環境下に置かれることが多くなり、それによる電池特性の低下が問題となっている。そこで、室温環境における特性のみならず、高温環境下においても優れた特性を得ることができる電解質および二次電池の開発が望まれている。
そこで、このような要望に応えるべく、電解液にリン化合物を添加することで、高温環境下における保存特性を改善する技術が報告されている(例えば特許文献1〜6参照)。
特開2006−236986号公報
特開2007−250191号公報
特開2008−021624号公報
特開2008−066062号公報
特開2008−130528号公報
特開2009−224258号公報
しかしながら、近年の二次電池に対する高性能化への要求はますます高くなっているため、高温環境下における電池特性もさらに向上することが望まれている。
したがって、本技術の目的は、高温環境下においても優れた電池特性を得ることができる非水電解液、非水電解質二次電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムを提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、
正極と、負極と、非水電解液を含む電解質とを備え、
非水電解液は、ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含み、
ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステルおよびホスフィン酸エステルがそれぞれ、下記の式(I)、式(II)および式(III)で表されるリン化合物である非水電解質二次電池である。
Figure 2013055031
(但し、式(I)中、R1は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR1とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R2、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R1、R2、R3は、互いに結合されていない。)
Figure 2013055031
(但し、式(II)中、R4は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR4とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R5、R6は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R4、R5、R6は、互いに結合されていない。)
Figure 2013055031
(但し、式(III)中、R7は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR7とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R8、R9は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R7、R8、R9は、互いに結合されていない。)
第2の技術は、
ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含み、
ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステルおよびホスフィン酸エステルがそれぞれ、下記の式(I)、式(II)および式(III)で表されるリン化合物である非水電解液である。
Figure 2013055031
(但し、式(I)中、R1は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR1とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R2、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R1、R2、R3は、互いに結合されていない。)
Figure 2013055031
(但し、式(II)中、R4は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR4とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R5、R6は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R4、R5、R6は、互いに結合されていない。)
Figure 2013055031
(但し、式(III)中、R7は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR7とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R8、R9は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R7、R8、R9は、互いに結合されていない。)
第3の技術は、
正極と、負極と、非水電解液を含む電解質とを備え、
非水電解液は、ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含み、
リン化合物は、1個以上の不飽和結合を含む置換基を有し、
置換基は、リンに結合された炭素を有する非水電解質二次電池である。
第4の技術は、
ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含み、
リン化合物は、1個以上の不飽和結合を含む置換基を有し、
置換基は、リンに結合された炭素を有する非水電解液である。
本技術の電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムは、上述の第1または第3の技術の非水電解質二次電池を備えることを特徴とする。
本技術によれば、ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を非水電解液に含有させているので、高温環境下における電極および電解液の副反応を抑制することができる。したがって、高温環境下における電池特性の低下を抑制することができる。
以上説明したように、本技術によれば、高温環境下においても優れた電池特性を得ることができる。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る非水電解質二次電池の一構成例を示す断面図である。 図2は、図1に示した巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 図3は、本技術の第2の実施形態に係る非水電解質二次電池の一構成例を示す分解斜視図である。 図4は、図3に示した巻回電極体のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、本技術の第3の実施形態に係る電池パックの一構成例を示すブロック図である。 図6は、本技術の非水電解質二次電池を用いた住宅用の蓄電システムに適用した例を示す概略図である。 図7は、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の一構成を示す概略図である。
本技術の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。
(1)第1の実施形態(円筒型電池の例)
(2)第2の実施形態(扁平型電池の例)
(3)第3の実施形態(非水電解質二次電池を用いた電池パックの例)
(4)第4の実施形態(非水電解質二次電池を用いた蓄電システムの例)
<1.第1の実施形態>
[電池の構成]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る非水電解質二次電池の一構成例を示す断面図である。この非水電解質二次電池は、負極の容量が、電極反応物質であるリチウム(Li)の吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。この非水電解質二次電池はいわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して積層し巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、ニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、電解液が注入され、セパレータ23に含浸されている。また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12、13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、封口ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられている。これにより、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。封口ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表す断面図である。以下、図2を参照しながら、二次電池を構成する正極21、負極22、セパレータ23、および電解液について順次説明する。
(正極)
正極21は、例えば、正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料の1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてグラファイトなどの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(A)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(B)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられる。リチウム含有化合物としては、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(C)、式(D)もしくは式(E)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(F)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物、または式(G)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1,0<c2<1)、LidMn24(d≒1)あるいはLieFePO4(e≒1)などがある。
LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z ・・・(A)
(但し、式(A)中、M1は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。Xは、酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。)
LiaM2bPO4 ・・・(B)
(但し、式(B)中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。)
LifMn(1-g-h)NigM3h(2-j)k ・・・(C)
(但し、式(C)中、M3は、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。f、g、h、jおよびkは、0.8≦f≦1.2、0<g<0.5、0≦h≦0.5、g+h<1、−0.1≦j≦0.2、0≦k≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、fの値は完全放電状態における値を表している。)
LimNi(1-n)M4n(2-p)q ・・・(D)
(但し、式(D)中、M4は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。m、n、pおよびqは、0.8≦m≦1.2、0.005≦n≦0.5、−0.1≦p≦0.2、0≦q≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、mの値は完全放電状態における値を表している。)
LirCo(1-s)M5s(2-t)u ・・・(E)
(但し、式(E)中、M5は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。r、s、tおよびuは、0.8≦r≦1.2、0≦s<0.5、−0.1≦t≦0.2、0≦u≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、rの値は完全放電状態における値を表している。)
LivMn2-wM6wxy ・・・(F)
(但し、式(F)中、M6は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、xおよびyは、0.9≦v≦1.1、0≦w≦0.6、3.7≦x≦4.1、0≦y≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。)
LizM7PO4 ・・・(G)
(但し、式(G)中、M7は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。zは、0.9≦z≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、これらの他にも、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどのリチウムを含まない無機化合物も挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記で例示した正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
(負極)
負極22は、例えば、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて正極活物質層21Bと同様の結着剤を含んで構成されている。
なお、この二次電池では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の電気化学当量が、正極21の電気化学当量よりも大きくなっており、充電の途中において負極22にリチウム金属が析出しないようになっている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維あるいは活性炭などの炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。また、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどがある。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れた特性が得られるので好ましい。更にまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。以下、負極材料として炭素材料を用いた負極22を炭素系負極と適宜称する。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本技術において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。また、負極材料としては、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料をイオン伝導体に分散させた複合体を用いるようにしてもよい。この場合、この複合体と炭素材料とを分散させて負極活物質層22Bを作製するようにしてもよい。以下、負極材料として金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料を用いた負極22を非炭素系負極と適宜称する。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素(Si)およびスズ(Sn)の少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素(Si)およびスズ(Sn)は、リチウム(Li)を吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズ(Sn)の合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素(Si)の合金としては、例えば、ケイ素(Si)以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズ(Sn)の化合物あるいはケイ素(Si)の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
中でも、この負極材料としては、コバルト(Co)と、スズ(Sn)と、炭素(C)とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズ(Sn)とコバルト(Co)との合計に対するコバルト(Co)の割合が30質量%以上70質量%以下であるSnCoC含有材料が好ましい。このような組成範囲において高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるからである。
このSnCoC含有材料は、必要に応じて更に他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ガリウム(Ga)またはビスマス(Bi)が好ましく、2種以上を含んでいてもよい。容量またはサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、このSnCoC含有材料は、スズ(Sn)と、コバルト(Co)と、炭素(C)とを含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、このSnCoC含有材料では、構成元素である炭素(C)の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズ(Sn)等が凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素(C)が他の元素と結合することにより、そのような凝集あるいは結晶化を抑制することができるからである。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、更に、他の金属化合物あるいは高分子材料が挙げられる。他の金属化合物としては、MnO2、V25、V613などの酸化物、NiS、MoSなどの硫化物、あるいはLiN3などのリチウム窒化物が挙げられ、高分子材料としてはポリアセチレン、ポリアニリンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
上述の非炭素系負極の負極活物質層22Bとしては、例えば、塗布型または薄膜型の負極活物質層22Bを用いることができる。
薄膜型の負極活物質層22Bの厚さは、例えば70〜80μmの範囲内である。薄膜型の負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質により形成されている。負極活物質は、上述の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極材料である。
塗布型の負極活物質層22Bの厚さは、例えば5〜6μmの範囲内である。塗布型の負極活物質22Bは、例えば、負極活物質と、必要に応じて、導電剤および結着剤とにより形成されている。負極活物質は、上述の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極材料である。
負極22として非炭素系負極を用いる場合、負極活物質層22Bが構成元素として含む材料の一部又は全部が、負極22を構成する負極集電体22Aと合金化していることが好ましい。負極活物質層22Bと負極集電体22Aとの密着性を向上させることができるからである。具体的には、界面において負極集電体22Aの構成元素が負極活物質層22Bに、または負極活物質層22Bの構成元素が負極集電体22Aに、またはそれらが互いに拡散していることが好ましい。充放電により負極活物質層22Bが膨張収縮しても、負極集電体22Aからの脱落が抑制されるからである。なお、本技術では、上述した元素の拡散も合金化の一形態に含める。
負極22として非炭素系負極を用いる場合、リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素の粉末は、1次粒径が、0.1μm以上35μm以下であることが好ましく、0.1μm以上25μm以下であればより好ましい。粒径がこの範囲よりも小さいと、粒子表面と後述の電解液との望ましくない反応が顕著になり、容量または効率が悪化するおそれがあり、一方、粒径がこの範囲よりも大きいとリチウムとの反応が粒子内部で進みにくくなり、容量が低下するおそれがあるからである。なお、粒径測定法としては、光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡による観察法またはレーザー回折法などがあり、粒径域に応じて使い分けることが好ましい。また、所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩いあるいは風力分級機などを乾式法あるいは湿式法で用いることができる。
リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素の粉末は、例えば、粉末冶金などで用いられている従来の方法により作製することができる。従来の方法としては、例えば、アーク溶解炉あるいは高周波誘導加熱炉などの溶解炉で原料を溶融し冷却した後粉砕する方法、または、単ロール急冷法、双ロール急冷法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法あるいは遠心アトマイズ法などのように原料の溶融金属を急速冷却する方法、または、単ロール急冷法あるいは双ロール急冷法などの冷却法により原料の溶融金属を固化したのち、メカニカルアロイング法などの方法で粉砕する方法が挙げられる。特に、ガスアトマイズ法あるいはメカニカルアロイング法が好ましい。なお、これらの合成及び粉砕は、空気中の酸素による酸化を防ぐために、アルゴン、窒素あるいはヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中もしくは真空雰囲気中で行うことが好ましい。
また、負極22として非炭素系負極を用いる場合、負極活物質層22Bを構成する元素として、酸素が含まれているのがよい。酸素は負極活物質層22Bの膨張および収縮を抑制し、放電容量の低下および膨れを抑制することができるからである。負極活物質層22Bに含まれる酸素の少なくとも一部は、リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素の少なくとも1種と結合していることが好ましく、結合の状態は一酸化の状態でも二酸化の状態でも、あるいはそれら以外の準安定状態でもよい。
負極活物質層22Bにおける酸素の含有量は、3原子数%以上、45原子数%以下の範囲内であることが好ましい。酸素含有量が3原子数%よりも少ないと十分な酸素含有効果を得ることができない。また、酸素含有量が45原子数%よりも多いと電池のエネルギー容量が低下してしまうほか、負極活物質層22Bの抵抗値が増大し、局所的なリチウムの挿入により膨れたり、サイクル特性が低下してしまうと考えられるからである。なお、充放電により電解液などが分解して負極活物質層22Bの表面に形成される被膜は、負極活物質層22Bには含めない。よって、負極活物質層22Bにおける酸素含有量とは、この被膜を含めないで算出した数値である。
なお、負極22として非炭素系負極を用いる場合には、負極活物質層22Bは、気相法、液相法および焼結法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成されたものであることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層22Bの膨張収縮による破壊をより確実に抑制することができると共に、負極集電体22Aと負極活物質層22Bとを一体化することができ、負極活物質層22Bにおける電子伝導性を向上させることができるからである。また、結着剤および空隙などを低減または排除でき、負極22を薄膜化することもできるからである。なお、ここで焼成法とは、活物質を含む粉末とバインダーとを混合し成形した層を、非酸化性雰囲気下等で熱処理することにより、熱処理前よりも体積密度が高く、より緻密な層を形成する手法を意味する。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜を単層で、またはそれらを複数積層したもの用いることができる。特に、セパレータ23としては、ポリオレフィン製の多孔質膜が好ましい。ショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるからである。また、セパレータ23としては、ポリオレフィンなどの微多孔膜上に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの多孔性の樹脂層を形成したものを用いてもよい。
(電解液)
液状の電解質である電解液は、溶媒と、電解質塩と、添加剤であるリン化合物とを含み、電解質塩およびリン化合物は、溶媒に溶解されている。電解液が、必要に応じて、リン化合物以外の添加剤を含んでいてもよい。
(溶媒)
溶媒としては、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、またはジメチルスルホキシドなどの非水溶媒が挙げられる。
例示したこれらの溶媒は、1種で用いてもよく、また2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これらの溶媒の中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。この場合には、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルまたは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
(不飽和またはハロゲン化炭酸エステル)
電解液は、添加剤であるリン化合物と共に、ハロゲン化炭酸エステルおよび不飽和炭酸エステルのうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。
(ハロゲン化炭酸エステル)
ハロゲン化炭酸エステルは、ハロゲンを含む炭酸エステルである。電解液中にハロゲン化炭酸エステルを含有することによって、電極反応時において電極の表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制される。このようなハロゲン化炭酸エステルとしては、例えば、一般式(i)で表わされるハロゲン化鎖状炭酸エステル、一般式(ii)で表わされるハロゲン化環状炭酸エステルなどが挙げられる。
Figure 2013055031
(但し、式(i)中、R11〜R16はそれぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R11〜R16の少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2013055031
(但し、式(ii)中、R17〜R20はそれぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R17〜R20の少なくとも1つはハロゲン基またはハロゲン化アルキル基である。)
一般式(i)で表されるハロゲン化鎖状炭酸エステルとしては、具体的には、例えば、炭酸フルオロメチル(FDMC)、炭酸ビス(フルオロメチル)(DFDMC)などが挙げられる。
一般式(ii)で表されるハロゲン化環状炭酸エステルとしては、具体的には、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DFEC)などが挙げられる。
(不飽和炭酸エステル)
不飽和炭酸エステルは、不飽和結合を有する炭酸エステルである。電解液中に不飽和炭酸エステルを含有することによって、電極反応時において電極の表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制される。このような不飽和炭酸エステルとしては、例えば、一般式(iii)〜(v)で表わされる不飽和環状炭酸エステルなどが挙げられる。
Figure 2013055031
(但し、式(iii)中、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。)
Figure 2013055031
(但し、式(iv)中、R23〜R26は、それぞれ独立して、水素基、アルキル基、ビニル基またはアリル基であり、それらのうちの少なくとも1つはビニル基またはアリル基である。)
Figure 2013055031
(但し、式(v)中、R27はアルキレン基である。)
一般式(iii)で表わされる不飽和環状炭酸エステルは、炭酸ビニレン系化合物である。この炭酸ビニレン系化合物の一例としては、以下のものが挙げられる。炭酸ビニレン、炭酸メチルビニレンまたは炭酸エチルビニレンである。また、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4,5−ジエチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソール−2−オンまたは4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソール−2−オンである。中でも、炭酸ビニレンが好ましい。容易に入手できると共に、高い効果が得られるからである。
一般式(iv)で表わされる不飽和環状炭酸エステルは、炭酸ビニルエチレン系化合物である。この炭酸ビニルエチレン系化合物の一例としては、以下のものが挙げられる。炭酸ビニルエチレン、4−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンまたは4−エチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンである。また、4−n−プロピル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンまたは4,5−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンである。中でも、炭酸ビニルエチレンが好ましい。容易に入手できると共に、高い効果が得られるからである。もちろん、R23〜R26としては、全てがビニル基でもよいし、全てがアリル基でもよいし、ビニル基とアリル基とが混在してもよい。
一般式(v)で表わされる不飽和環状炭酸エステルは、炭酸メチレンエチレン系化合物である。この炭酸メチレンエチレン系化合物の一例としては、以下のものが挙げられる。4−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンまたは4,4−ジエチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンである。この炭酸メチレンエチレン系化合物としては、1つのメチレン基を有するもの(一般式(v)に示した化合物)の他、2つのメチレン基を有するものでもよい。
なお、不飽和炭酸エステルは、ベンゼン環を有する炭酸カテコール(カテコールカーボネート)などであってもよい。
(電解質塩)
電解質塩としては、例えばリチウム塩が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C654、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6、LiCl、ジフルオロ[オキソラト−O,O']ホウ酸リチウム、リチウムビスオキサレートボレート、あるいはLiBrなどが挙げられる。中でも、LiPF6は高いイオン伝導性を得ることができると共に、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
(リン化合物)
添加剤であるリン化合物としては、ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル(ホスホナート)、およびホスフィン酸エステル(ホスフィナート)からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物を用いることができる。この有機リン化合物は、1個以上の不飽和結合を有する置換基を含み、この置換基は、リンに結合された炭素を有している。不飽和結合は、炭素−炭素間の不飽和結合であることが好ましい。ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルはそれぞれ、リンに直接結合する置換基同士が互いに結合していない非環状ホスフィンオキシド、非環状ホスホン酸エステル、および非環状ホスフィン酸エステルであることが好ましい。
本技術においては、不飽和結合(多重結合)を含む有機基とリンとは、リン−炭素結合によって結合されていることが重要である。詳細は不明であるが、不飽和結合を含む有機基とリンとの結合が確保され、両者の共分解に寄与しているものと考えられるからである。
電解液中にリン化合物を含むことによって、初回充電時またはそれ以降の充電時などの電極反応時において、正極および負極の少なくとも一方の表面に、リン化合物に由来する被膜が形成される。これにより、高温保存特性および高温サイクル特性などの電池特性を向上することができる。ここで、リン化合物に由来する被膜は、SEI(Solid Electrolyte Interface:固体電解質膜)である。
電解液に対するリン化合物(ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステルおよびホスフィン酸エステル化合物の総量)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上1質量%以下の範囲内である。0.01質量%未満であると、高温保存特性および高温サイクル特性が低下する傾向にある。一方、5質量%を超えると、高温保存特性および高温サイクル特性が低下する傾向にある。
より具体的には、リン化合物としてのホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルとしてはそれぞれ、下記の一般式(I)〜(III)で示される有機リン化合物を用いることが好ましい。下記の一般式(I)〜(III)で示されるリン化合物が電解液に含まれているか否かは、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、またはマススペクトルなどを用いることにより確認することができる。また、リン化合物の含有量は、上述の分析手法を用いて、検量線を得ることにより測定可能である。
(ホスフィンオキシド)
Figure 2013055031
(但し、式(I)中、R1は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR1とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R2、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R2、R3は同一の有機基であってもよい。R1、R2、R3は、互いに結合されていない。)
(ホスホン酸エステル)
Figure 2013055031
(但し、式(II)中、R4は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR4とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R5、R6は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R5、R6は同一の有機基であってもよい。R4、R5、R6は、互いに結合されていない。)
(ホスフィン酸エステル)
Figure 2013055031
(但し、式(III)中、R7は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR7とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R8、R9は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R8、R9は同一の有機基であってもよい。R7、R8、R9は、互いに結合されていない。)
(R1、R4、R7)
以下、上述の一般式(I)〜(III)におけるR1、R4、R7について説明する。有機基であるR1、R4、R7の不飽和結合は、炭素−炭素間の不飽和結合であることが好ましい。炭素−炭素間の不飽和結合は、二重結合または三重結合であることが好ましく、二重結合および三重結合の両方を1個の置換基内に有していてもよい。置換基内における不飽和結合の位置は特に限定されるものではなく、不飽和結合を形成する炭素がリンと直接結合していてもよいし、置換基の末端にあってもよい。
有機基であるR1、R4、R7に含まれる炭素数は、2個以上20個以下であることが好ましい。炭素数が2未満であると、炭素−炭素の不飽和結合を有しないため、本技術で意図するSEIが得られない。一方、炭素数が20個を超えると、電極表面に形成されるSEI中におけるリンの割合が低下し、本技術で意図する良好なSEIが得られにくくなり、高温保存特性および高温サイクル特性が低下する傾向がある。
有機基であるR1、R4、R7は、炭素−炭素間の結合として二重結合または三重結合を1個以上有する不飽和炭化水素基、またはその一部を置換基により置換した基であることが好ましい。但し、R1、R4、R7からフェニル基は除くことが好ましい。
不飽和炭化水素基としては、例えば、鎖状、環状またはそれらの両構造を有する不飽和炭化水素基であり、鎖状としては直鎖状および分岐状のいずれの構造を有していてもよい。不飽和炭化水素基は、例えば、共役構造、非共役構造、またはそれらの両構造を有する不飽和炭化水素基である。不飽和炭化水素基としては、具体的には例えば、アルケニル基、アルカジエニル基、アルカトリエニル基、アルカテトラエニル基、アルキニル基、アルキジエニル基、アルキトリエニル基、アルカテトラエニル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、シクロアルカトリエニル基、シクロアルカテトラエニル基、シクロアルキニル基、シクロアルキジエニル基、シクロアルキトリエニル基、シクロアルカテトラエニル基が挙げられ、アルケニル基、アルカジエニル基、アルキニル基、アルキジエニル基が好ましいが、これに限定されるものではない。
置換基としては、例えば、ハロゲン基、オキシ基、エポキシ基、カルボニル基、エステル基、ニトリル基、カーボネート基、スルフィド基、スルフィニル基、スルホニル基、スルホニルオキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、フェニレン基、アラルキル基およびそれらに含まれる少なくとも一部の水素をハロゲン基により置換した基からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。上記置換基のうち、少なくとも一部の水素をハロゲン基により置換可能な置換基としては、具体的には例えば、水素を有する置換基であるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、フェニレン基およびアラルキル基などが挙げられる。ハロゲン基としては、例えば、フッ素基、塩素基、臭素基、およびヨウ素基からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
不飽和炭化水素基の一部を置換基により置換した基としては、例えば、不飽和炭化水素基に含まれる水素およびメチレン基の少なくとも一方を置換基により置換した基が挙げられる。水素を置換する置換基としては、例えば、ハロゲン基、オキシ基、エポキシ基、ニトリル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびフェニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられるが、これに限定されるものではない。メチレン基を置換する置換基としては、例えば、カルボニル基、エステル基、カーボネート基、スルフィド基、スルフィニル基、スルホニル基、スルホニルオキシ基、およびフェニレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられるが、これに限定されるものではない。
一般式(I)〜(III)におけるR1、R4、R7の具体例としては、下記の構造式(1)〜(26)で示される置換基などが挙げられる。ここで、X1およびX2は、−Rまたは−ORで表される置換基である。より具体的には、X1は、−R2、−O−R5、または−O−R8であり、X2は、R3、−O−R6、またはR9である。
Figure 2013055031
Figure 2013055031
なお、構造式(1)〜(26)は、R1、R4、R7として以下の置換基の具体例を示すものである。
構造式(1)〜(7):アルケニル基の具体例
構造式(8)、(9):アルケニル基に含まれる一部の水素をフェニル基で置換した基の具体例
構造式(10):アルケニル基に含まれる一部のメチレン基をフェニレン基で置換した基の具体例
構造式(11):アルケニル基に含まれる一部の水素をフェニル基で置換した基の具体例
構造式(12)、(13):アルカジエニル基の具体例
構造式(14):アルケニル基に含まれる一部のメチレン基をカルボニル基で置換した基の具体例
構造式(15):アルケニル基に含まれる一部のメチレン基をエステル基で置換した基の具体例
構造式(16):アルケニル基に含まれる一部の水素をエポキシ基で置換した基の具体例
構造式(17)、(18):アルケニル基に含まれる一部のメチレン基をエステル基で置換した基の具体例
構造式(19)、(20):アルカジエニル基の具体例
構造式(21)、(22):アルキニル基の具体例
構造式(23):アルキニル基に含まれる一部の水素をフェニル基で置換した基の具体例
構造式(24):アルカジエニル基に含まれる一部のメチレン基をフェニレン基で置換するとともに、一部の水素をフェニル基で置換した基の具体例
構造式(25):アルキニル基に含まれる一部のメチレン基をフェニレン基で置換した基の具体例
構造式(26):アルキニル基に含まれる一部のメチレン基をカルボニル基で置換するとともに、それに含まれる一部の水素をフェニル基で置換した基の具体例。
(R2〜R3、R5〜R6、R7〜R8)
以下、一般式(I)〜(III)におけるR2〜R3、R5〜R6、R7〜R8について説明する。R2〜R3、R5〜R6、R7〜R8の炭化水素基の炭素数は、例えば、1以上30以下、好ましくは1以上20以下である。
炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。アリール基としては、単環系および多環系のいずれも用いることができる。単環系のアリール基としては、例えばフェニル基が挙げられ、多環系のアリール基としては、例えばナフチル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン基としては、例えば、フッ素基、塩素基、臭素基、およびヨウ素基からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
R2〜R3、R5〜R6、R7〜R8の具体例としては、下記の構造式(27)〜(40)で示される置換基などが挙げられる。
Figure 2013055031
なお、構造式(27)〜(40)は、R2〜R3、R5〜R6、R7〜R8として以下の置換基の具体例を示すものである。
構造式(27)、(28):アルキル基の具体例
構造式(29):アリール基の具体例
構造式(30)、(31):アラルキル基の具体例
構造式(32):アリール基の一部の水素をハロゲン基で置換した基の具体例
構造式(33):アルキル基の具体例
構造式(34):アリール基のすべての水素をハロゲン基で置換した基の具体例
構造式(35):シクロアルキル基の一部の水素をアルキル基で置換した基の具体例
構造式(36)、(37):シクロアルキル基の具体例
構造式(38):シクロアルキル基の一部の水素をアルキル基で置換した基の具体例
構造式(39):アダマンチル基の具体例
構造式(40):アラルキル基の具体例
なお、リン化合物の使用の形態は、電解液の組成、ならびに正極および負極の種類によって制限されるものではない。また、リン化合物以外の添加剤を電解液にさらに添加した場合であっても、リン化合物の添加により発現する効果は、リン化合物以外の添加剤によって通常阻害されるものではなく、またリン化合物以外の添加剤の効果は、リン化合物の添加よって通常阻害されるものではない。
[電池の製造方法]
次に、本技術の第1の実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法の一例について説明する。
まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成し、正極21を形成する。
また、負極22が炭素系負極である場合、例えば、炭素材料である負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
負極22として非炭素系負極を用いる場合には、負極活物質層22Bが塗布型および薄膜型のいずれであるかによって、負極22の作製方法が異なる。したがって、非炭素系負極の作製方法を、塗布型と薄膜型とで分けて以下に説明する。
塗布型の負極活物質層22Bを形成する場合には、例えば、まず、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料(負極活物質)を、微粒子状に粉砕し、必要に応じて導電剤および結着剤(バインダー)と混合し、合剤を調製する。次に、この合剤をN−メチルピロリドン(NMP)などの分散媒に分散させてスラリー状にし、この合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布した後、分散媒を蒸発させ、圧縮成型することにより、負極22を作製する。
塗布法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などを用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
薄膜型の負極活物質層22Bを形成する場合には、まず、負極集電体22Aに、例えば、気相法、溶射法、焼成法あるいは液相法により、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極活物質層22Bを成膜する。気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法が挙げられ、具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、CVD法(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長法)、あるいは溶射法などのいずれを用いてもよい。液相法としては、例えば鍍金が挙げられる。また、それらの2つ以上の方法、更には他の方法を組み合わせて負極活物質層22Bを成膜するようにしてもよい。
負極活物質層22Bに酸素を含有させる場合、酸素の含有量は、例えば、負極活物質層22Bを形成する際の雰囲気中に酸素を含有させたり、焼成時あるいは熱処理時の雰囲気中に酸素を含有させたり、または用いる負極活物質粒子の酸素濃度により調節する。
なお、負極活物質層22Bを形成したのちに、真空雰囲気下または非酸化性雰囲気下で熱処理を行い、負極集電体22Aと負極活物質層22Bとの界面をより合金化させるようにしてもよい。
次に、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。次に、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回する。次に、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み電池缶11の内部に収納する。次に、正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、リン化合物を含む電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。次に、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16を封口ガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が得られる。
この第1の実施形態に係る非水電解質二次電池では、例えば、式(I)で表されるホスフィンオキシド、式(II)で表されるホスホン酸エステル、および式(III)で表されるホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物を、電解質としての電解液に含有させている。これにより、高温環境下における保存(高温保存特性)および使用(高温サイクル特性)において、電極活物質および電解液の副反応を抑制することができる。したがって、高温環境下における容量劣化を抑制し、高温保存特性および高温サイクル特性を改善することができる。
上述のリン化合物を添加した場合の効果は、次の理由により発現していると推測される。すなわち、式(I)〜式(III)の分子内に含まれる不飽和結合基が優先的に分解することにより、高温保存特性および高温サイクル特性の改善に効果のあるリン元素を多く含むSEI(Solid Electrolyte Interface:固体電解質膜)が電極表面(例えば、正極および負極の少なくとも一方の表面)に緻密に生成される。このため、高温環境下において二次電池を保存および使用したときの副反応が抑制される。
また、有機リン化合物として使用されるホスフィンオキシド、ホスホン酸エステルおよびホスフィン酸エステルは、リンに直接結合する水素を有さず、かつ、リンに結合する置換基内にプロトン性水素原子が存在しない。このため、不用意な副反応が抑制され、二次電池の高温特性が向上しているものと推測される。
<2.第2の実施形態>
[電池の構成]
図3は、本技術の第2の実施形態に係る非水電解質二次電池の一構成例を示す分解斜視図である。この二次電池は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化、軽量化および薄型化が可能となっている。
正極リード31および負極リード32は、それぞれ、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図4は、図3に示した巻回電極体30のIV−IV線に沿った断面図である。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの片面あるいは両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有している。負極34は、負極集電体34Aの片面あるいは両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層34Bと正極活物質層33Bとが対向するように配置されている。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34A、負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、それぞれ第1の実施形態における正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23と同様である。
電解質層36は、リン化合物を含む電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質層36は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。電解液(すなわち溶媒、電解質塩およびリン化合物など)の組成は、第1の実施形態に係る二次電池と同様である。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンまたはポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的な安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。
[電池の製造方法]
次に、本技術の第2の実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法の一例について説明する。
まず、正極33および負極34のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、添加剤であるリン化合物と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。次に、正極集電体33Aの端部に正極リード31を溶接により取り付けると共に、負極集電体34Aの端部に負極リード32を溶接により取り付ける。次に、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回電極体30を形成する。最後に、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図3および図4に示した二次電池が得られる。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述のようにして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付ける。次に、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。次に、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。次に、溶媒と、電解質塩と、添加剤であるリン化合物と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材40の内部に注入する。
次に、電解質用組成物を外装部材40内に注入したのち、外装部材40の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。次に、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成する。以上により、図3に示した二次電池が得られる。
この第2の実施形態に係る非水電解質二次電池の作用および効果は、第1の実施形態に係る非水電解質二次電池と同様である。
<3.第3の実施の形態>
(電池パックの例)
図5は、本技術の非水電解質二次電池(以下、二次電池と適宜称する)を電池パックに適用した場合の回路構成例を示すブロック図である。電池パックは、組電池301、外装、充電制御スイッチ302aと、放電制御スイッチ303a、を備えるスイッチ部304、電流検出抵抗307、温度検出素子308、制御部310を備えている。
また、電池パックは、正極端子321および負極端子322を備え、充電時には正極端子321および負極端子322がそれぞれ充電器の正極端子、負極端子に接続され、充電が行われる。また、電子機器使用時には、正極端子321および負極端子322がそれぞれ電子機器の正極端子、負極端子に接続され、放電が行われる。
組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続してなる。この二次電池301aは本技術の二次電池である。なお、図5では、6つの二次電池301aが、2並列3直列(2P3S)に接続された場合が例として示されているが、その他、n並列m直列(n、mは整数)のように、どのような接続方法でもよい。
スイッチ部304は、充電制御スイッチ302aおよびダイオード302b、ならびに放電制御スイッチ303aおよびダイオード303bを備え、制御部310によって制御される。ダイオード302bは、正極端子321から組電池301の方向に流れる充電電流に対して逆方向で、負極端子322から組電池301の方向に流れる放電電流に対して順方向の極性を有する。ダイオード303bは、充電電流に対して順方向で、放電電流に対して逆方向の極性を有する。なお、例では+側にスイッチ部を設けているが、−側に設けてもよい。
充電制御スイッチ302aは、電池電圧が過充電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に充電電流が流れないように充放電制御部によって制御される。充電制御スイッチのOFF後は、ダイオード302bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
放電制御スイッチ303aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に放電電流が流れないように制御部310によって制御される。放電制御スイッチ303aのOFF後は、ダイオード303bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
温度検出素子308は例えばサーミスタであり、組電池301の近傍に設けられ、組電池301の温度を測定して測定温度を制御部310に供給する。電圧検出部311は、組電池301およびそれを構成する各二次電池301aの電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換して、制御部310に供給する。電流測定部313は、電流検出抵抗307を用いて電流を測定し、この測定電流を制御部310に供給する。
スイッチ制御部314は、電圧検出部311および電流測定部313から入力された電圧および電流を基に、スイッチ部304の充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aを制御する。スイッチ制御部314は、二次電池301aのいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったとき、また、大電流が急激に流れたときに、スイッチ部304に制御信号を送ることにより、過充電および過放電、過電流充放電を防止する。
ここで、例えば、二次電池301aがリチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧が例えば4.20V±0.05Vと定められ、過放電検出電圧が例えば2.4V±0.1Vと定められる。
充放電スイッチは、例えばMOSFETなどの半導体スイッチを使用できる。この場合MOSFETの寄生ダイオードがダイオード302bおよび303bとして機能する。充放電スイッチとして、Pチャンネル型FETを使用した場合は、スイッチ制御部314は、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aのそれぞれのゲートに対して、制御信号DOおよびCOをそれぞれ供給する。充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aはPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号COおよびDOをローレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをON状態とする。
そして、例えば過充電もしくは過放電の際には、制御信号COおよびDOをハイレベルとし、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをOFF状態とする。
メモリ317は、RAMやROMからなり例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などからなる。メモリ317では、制御部310で演算された数値や、製造工程の段階で測定された各二次電池301aの初期状態における電池の内部抵抗値などが予め記憶され、また適宜、書き換えも可能である。(また、二次電池301aの満充電容量を記憶させておくことで、制御部310とともに例えば残容量を算出することができる。
温度検出部318では、温度検出素子308を用いて温度を測定し、異常発熱時に充放電制御を行ったり、残容量の算出における補正を行う。
<4.第4の実施の形態>
上述した非水電解質二次電池およびこれを用いた電池パックは、例えば電子機器や電動車両、蓄電装置などの機器に搭載または電力を供給するために使用することができる。
電子機器として、例えばノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機などが挙げられる。
また、電動車両としては鉄道車両、ゴルフカート、電動カート、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などが挙げられ、これらの駆動用電源または補助用電源として用いられる。
蓄電装置としては、住宅をはじめとする建築物用または発電設備用の電力貯蔵用電源などが挙げられる。
以下では、上述した適用例のうち、上述した本技術の非水電解質二次電池を適用した蓄電装置を用いた蓄電システムの具体例を説明する。
この蓄電システムは、例えば下記の様な構成が挙げられる。第1の蓄電システムは、再生可能エネルギーから発電を行う発電装置によって蓄電装置が充電される蓄電システムである。第2の蓄電システムは、蓄電装置を有し、蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。第3の蓄電システムは、蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器である。これらの蓄電システムは、外部の電力供給網と協働して電力の効率的な供給を図るシステムとして実施される。
さらに、第4の蓄電システムは、蓄電装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電装置に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。第5の蓄電システムは、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電装置の充放電制御を行う電力システムである。第6の蓄電システムは、上述した蓄電装置から、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から蓄電装置に電力を供給する電力システムである。以下、蓄電システムについて説明する。
(応用例としての住宅における蓄電システム)
本技術の非水電解質二次電池を用いた蓄電装置を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図6を参照して説明する。例えば住宅101用の蓄電システム100においては、火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102cなどの集中型電力系統102から電力網109、情報網112、スマートメータ107、パワーハブ108などを介し、電力が蓄電装置103に供給される。これと共に、家庭内発電装置104などの独立電源から電力が蓄電装置103に供給される。蓄電装置103に供給された電力が蓄電される。蓄電装置103を使用して、住宅101で使用する電力が給電される。住宅101に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅101には、発電装置104、電力消費装置105、蓄電装置103、各装置を制御する制御装置110、スマートメータ107、各種情報を取得するセンサ111が設けられている。各装置は、電力網109および情報網112によって接続されている。発電装置104として、太陽電池、燃料電池などが利用され、発電した電力が電力消費装置105および/または蓄電装置103に供給される。電力消費装置105は、冷蔵庫105a、空調装置105b、テレビジョン受信機105c、風呂105dなどである。さらに、電力消費装置105には、電動車両106が含まれる。電動車両106は、電気自動車106a、ハイブリッドカー106b、電気バイク106cである。
蓄電装置103に対して、本技術の非水電解質二次電池が適用される。本技術の非水電解質二次電池は、例えば上述したリチウムイオン二次電池によって構成されていてもよい。スマートメータ107は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網109は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせてもよい。
各種のセンサ111は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサなどである。各種のセンサ111により取得された情報は、制御装置110に送信される。センサ111からの情報によって、気象の状態、人の状態などが把握されて電力消費装置105を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置110は、住宅101に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社などに送信することができる。
パワーハブ108によって、電力線の分岐、直流交流変換などの処理がなされる。制御装置110と接続される情報網112の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)などの通信インターフェースを使う方法、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fiなどの無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置110は、外部のサーバ113と接続されている。このサーバ113は、住宅101、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていてもよい。サーバ113が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信してもよいが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機など)から送受信してもよい。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)などに、表示されてもよい。
各部を制御する制御装置110は、CPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置110は、蓄電装置103、家庭内発電装置104、電力消費装置105、各種のセンサ111、サーバ113と情報網112により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能などを備えていてもよい。
以上のように、電力が火力102a、原子力102b、水力102cなどの集中型電力系統102のみならず、家庭内発電装置104(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置103に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置104の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置103に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置103に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置103によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置110が蓄電装置103内に格納される例を説明したが、スマートメータ107内に格納されてもよいし、単独で構成されていてもよい。さらに、蓄電システム100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
(応用例としての車両における蓄電システム)
本技術を車両用の蓄電システムに適用した例について、図7を参照して説明する。図7に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
このハイブリッド車両200には、エンジン201、発電機202、電力駆動力変換装置203、駆動輪204a、駆動輪204b、車輪205a、車輪205b、バッテリー208、車両制御装置209、各種センサ210、充電口211が搭載されている。バッテリー208に対して、上述した本技術の非水電解質二次電池が適用される。
ハイブリッド車両200は、電力駆動力変換装置203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置203の一例は、モータである。バッテリー208の電力によって電力駆動力変換装置203が作動し、この電力駆動力変換装置203の回転力が駆動輪204a、204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ210は、車両制御装置209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
エンジン201の回転力は発電機202に伝えられ、その回転力によって発電機202により生成された電力をバッテリー208に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両200が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置203により生成された回生電力がバッテリー208に蓄積される。
バッテリー208は、ハイブリッド車両200の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、二次電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていてもよい。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、またはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本技術は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1−1>
まず、正極を次にようにして作製した。まず、炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト(CoCO3)とを0.5:1のモル比で混合したのち、空気中において900℃で5時間焼成することにより、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を得た。次に、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物91質量部と、導電剤としてグラファイト6質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合することにより正極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーとした。次に、帯状のアルミニウム箔(12μm厚)からなる正極集電体の両面に正極合剤スラリーを塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、正極活物質層を形成した。次に、正極集電体の一端に、アルミニウム製の正極リードを溶接して取り付けた。
次に、負極を次のようにして作製した。まず、負極活物質として人造黒鉛粉末97質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して負極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の負極合剤スラリーとした。次に、帯状の銅箔(15μm厚)からなる負極集電体の両面に負極合剤スラリーを塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、負極活物質層を形成した。次に、負極集電体の一端に、ニッケル製の負極リードを取り付けた。
次に、正極と、微多孔性ポリプロピレンフィルム(25μm厚)からなるセパレータと、負極とをこの順に積層してから渦巻状に多数回巻回させたのち、巻き終わり部分を粘着テープで固定することにより、巻回電極体を形成した。次に、ニッケルめっきが施された鉄製の電池缶を準備したのち、巻回電極体を一対の絶縁板で挟み、負極リードを電池缶に溶接すると共に正極リードを安全弁機構に溶接して、その巻回電極体を電池缶の内部に収納した。次に、電池缶の内部に、減圧方式により電解液を注入した。電解液としては、炭酸エチレン(EC):炭酸ジメチル(DMC):LiPF6を質量比20:65:15の割合で混合したものに対して、構造式(41)で示される有機リン化合物を0.005質量%添加した。ここで、炭酸エチレン(EC)、炭酸ジメチル(DMC)、LiPF6および有機リン化合物の含有量の合計を100質量%としている。
Figure 2013055031
ここで、構造式(41)で示される有機リン化合物は、一般式(II)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(41)中のビニル基、メチル基、メチル基はそれぞれ、一般式(II)中のR4、R5、R6の具体例である。
次に、表面にアスファルトが塗布されたガスケットを介して電池缶をかしめることにより、安全弁機構、熱感抵抗素子および電池蓋を固定した。これにより、電池缶の内部の気密性が確保され、円筒型の非水電解質二次電池が完成した。
<実施例1−2>
構造式(41)で示される有機リン化合物の含有量を0.01質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
<実施例1−3>
構造式(41)で示される有機リン化合物の含有量を0.1質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
<実施例1−4>
構造式(41)で示される有機リン化合物の含有量を0.5質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
<実施例1−5>
構造式(41)で示される有機リン化合物の含有量を1質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
<実施例1−6>
構造式(41)で示される有機リン化合物の含有量を5質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
<実施例1−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の含有量を10質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
<実施例2−1〜2−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(42)で示される有機リン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(42)で示される有機リン化合物は、一般式(II)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(42)中のビニル基、フェニル基、フェニル基はそれぞれ、一般式(II)中のR4、R5、R6の具体例である。
<実施例3−1〜3−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(43)で示される有機リン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(43)で示される有機リン化合物は、一般式(II)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(43)中のプロパ−1−エン−1−イル基の末端の水素原子をフェニル基で置換した基、メチル基、メチル基はそれぞれ、一般式(II)中のR4、R5、R6の具体例である。
<実施例4−1〜4−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(44)で示される有機リン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(44)で示される有機リン化合物は、一般式(II)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(44)中のブタ−1,3−ジエン−1−イル基、メチル基、メチル基はそれぞれ、一般式(II)中のR4、R5、R6の具体例である。
<実施例5−1〜5−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(45)で示されるリン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(45)で示される有機リン化合物は、一般式(II)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(45)中のプロパ−1−イン−1−イル基、メチル基、メチル基はそれぞれ、一般式(II)中のR4、R5、R6の具体例である。
<実施例6−1〜6−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(46)で示される有機リン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(46)で示される有機リン化合物は、一般式(II)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(46)中のビニル基、フェニル基のすべての水素をフッ素基で置換した基、フェニル基のすべての水素をフッ素基で置換した基はそれぞれ、一般式(II)中のR4、R5、R6の具体例である。
<実施例7−1〜7−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(47)に示される有機リン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(47)で示される有機リン化合物は、一般式(II)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(47)中のビニル基、メチル基、アリル基のメチレン基をカルボニル基で置換した基はそれぞれ、一般式(II)中のR4、R5、R6の具体例である。
<実施例8−1〜8−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(48)で示される有機リン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(48)で示される有機リン化合物は、一般式(III)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(48)中のビニル基、エチル基、フェニル基はそれぞれ、一般式(III)中のR7、R8、R9の具体例である。
<実施例9−1〜9−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(49)で示される有機リン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(49)で示される有機リン化合物は、一般式(III)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(49)中のビニル基、フェニル基、フェニル基はそれぞれ、一般式(III)中のR7、R8、R9の具体例である。
<実施例10−1〜10−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(50)で示される有機リン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(50)で示される有機リン化合物は、一般式(III)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(50)中のプロパ−1−エン−1−イル基の末端の水素をフェニル基で置換した基、エチル基、フェニル基はそれぞれ、一般式(III)中のR7、R8、R9の具体例である。
<実施例11−1〜11−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(51)で示される有機リン化合物を用いた以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
ここで、構造式(51)で示される有機リン化合物は、一般式(I)で示される有機リン化合物の一例であり、構造式(51)中のビニル基、フェニル基、フェニル基はそれぞれ、一般式(I)中のR1、R2、R3の具体例である。
<比較例1−1>
電解液として、炭酸エチレン(EC):炭酸ジメチル(DMC):LiPF6を質量比20:65:15の割合で混合したものを用いた以外は、実施例1−1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
<比較例1−2>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(52)で示される亜リン酸トリメチルを用いた以外は、実施例1−5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
<比較例1−3>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(53)で示される亜リン酸トリフェニルを用いた以外は、実施例1−5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
<比較例1−4>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(54)で示されるメトキシジフェニルホスフィンを用いた以外は、実施例1−5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
<比較例1−5>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(55)で示される、環状ホスフィン酸エステルである2-Ethoxy-5H-[1,2]oxaphosphole-2-oxideを用いた以外は、実施例1−5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
<比較例1−6>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(56)で示されるビニルホスフィン酸エチルエステルを用いた以外は、実施例1−5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
<比較例1−7>
構造式(41)で示される有機リン化合物の代わりに、構造式(57)で示されるビニルフェニルホスフィン酸を用いた以外は、実施例1−5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
Figure 2013055031
(評価)
実施例1−1〜11−7および比較例1−1〜1−7の非水電解質二次電池について、以下に説明するようにして高温特性を評価した。その結果を表1〜表3に示す。
(高温保存試験)
まず、23℃雰囲気下で充放電を2サイクル行い、2サイクル目の放電容量を求めた。次に、3サイクル目の充電を23℃雰囲気下で行った後、60℃雰囲気下において2週間保存した。次に、23℃雰囲気に戻し放電を行い、3サイクル目の放電容量を求めた。次に、以下の式から容量残存維持率を求めた。
容量残存率(%)=(3サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100
次に、23℃雰囲気下で充放電を行い、4サイクル目の放電容量を求めた。次に、以下の式から容量回復率を求めた。
容量回復率(%)=(4サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100
なお、上述の高温保存試験において1サイクルの充放電は、以下の条件で行った。すなわち、1mA/cm2の定電流で電池電圧が所定電圧に達するまで充電し、さらに所定電圧での定電圧で電流が0.02mA/cm2に達するまで充電したのち、1mA/cm2の定電流で電池電圧が3Vに達するまで放電した。
(高温サイクル試験)
まず、23℃雰囲気下で2サイクルの充放電を行ったのち、45℃雰囲気下で3サイクル目の充放電を行い、3サイクル目の放電容量を測定した。次に、同雰囲気下においてサイクル数の合計が100サイクルとなるまで充放電を行い、100サイクル目の放電容量を測定した。次に、以下の式から放電容量維持率を求めた。
放電容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/3サイクル目の放電容量)×100
なお、上述の高温サイクル試験において1サイクルの充放電は、上述の高温保存試験と同様の条件で行った。
表1は、実施例1−1〜6−7に係る非水電解質二次電池の評価結果を示す。
Figure 2013055031
表2は、実施例7−1〜11−7、および比較例1−1〜1−7に係る非水電解質二次電池の評価結果を示す。
Figure 2013055031
表3は、実施例7−1〜11−7、および比較例1−1〜1−7に係る非水電解質二次電池のうち、有機リン化合物の添加量を1質量%とした二次電池の評価結果を示す。
Figure 2013055031
表3から以下のことがわかる。
一般式(I)〜(III)で表される有機リン化合物を電解液に添加した実施例1−5、2−5、・・・、11−5では、有機リン化合物を添加していない比較例1−1に比して、高温保存特性および高温サイクル特性を向上できる。
一般式(I)〜(III)では表されない有機リン化合物を電解液に添加した比較例1−2〜1−5では、有機リン化合物を添加していない比較例1−1に比して、高温保存特性および高温サイクル特性を向上できる。しかしながら、その向上の度合いは、実施例1−5、2−5、・・・、11−5に比して小さくなる。
一般式(I)〜(III)では表されない有機リン化合物を電解液に添加した比較例1−6〜1−7では、有機リン化合物を添加していない比較例1−1に比して、高温保存特性および高温サイクル特性が低下してしまう。具体的には、比較例1−6〜1−7では、比較例1−1に比して容量残存率を多少向上できるが、容量回復率および高温サイクル維持率は比較例1−1に比して低下してしまう。
上述のようにリン化合物の種類によって高温特性改善の効果に違いがあるのは、比較例1−1〜1−7で用いた有機リン化合物が以下の構造を有するためと考えられる。
比較例1−1では、構造式(52)で表されるように、有機リン化合物が置換基として不飽和結合を有する有機基を含んでいない。
比較例1−2では、構造式(53)で表されるように、いずれの置換基においてもリンと置換基とがリン−炭素(P−C)で結合されておらず、リン−炭素間に酸素(−O−)が介在している。
比較例1−3では、構造式(54)で表されるように、不飽和結合を有する有機基が芳香族のみで構成されている。
比較例1−4では、構造式(55)で表されるように、分子内に不飽和結合を有しているが、置換基同士が互いに結合している有機リン化合物、すなわち、環状ホスホン酸エステルを用いている。
比較例1−5では、構造式(56)で表されるように、リンに直接結合する水素が存在している。
比較例1−6では、構造式(57)で表されるように、リンに結合する置換基にプロトン性水素が存在する。
以上により、一般式(I)〜(III)で表される、不飽和結合を分子内に有するホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、またはホスフィン酸エステルを添加することで、高温保存特性および高温サイクル特性を向上できる。また、ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルのうちの2種以上を組み合わせた場合にも、高温保存特性および高温サイクル特性向上の効果を期待できる。
表1、表2から以下のことがわかる。
構造式(41)で表される有機リン化合物を電解液に添加した実施例1−1〜1−7では、有機リン化合物の添加量に応じて、高温保存特性および高温サイクル特性向上の効果の度合いが変化する。具体的には、有機リン化合物の添加量を0.005質量%〜0.1質量%の間で増加させるに従って、高温保存特性および高温サイクル特性が向上するのに対して、0.1質量%〜10質量%の間で増加させるに従って、高温保存特性および高温サイクル特性が低下する傾向にある。
したがって、高温保存特性および高温サイクル特性向上の観点からすると、構造式(41)で表される有機リン化合物の添加量は、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
構造式(42)〜(51)で表される有機リン化合物を電解液に添加した実施例2−1〜11−7でも、実施例1−1〜1−7と同様に、有機リン化合物の添加量に対して高温保存特性および高温サイクル特性向上の効果の度合いが変化する。また、その特性の度合いの変化も実施例1−1〜1−7とほぼ同様の挙動を示し、同様の添加量の範囲が好ましい。
以上により、高温保存特性および高温サイクル特性向上の観点からすると、一般式(I)〜(III)で表される有機リン化合物の添加量は、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
<実施例12−1〜22−7、比較例2−1〜2−7>
銅箔(15μm厚)からなる負極集電体の両面に、電子ビーム蒸着法によりケイ素(Si)からなる負極活物質層を形成することにより、負極を作製した以外は、実施例1−1〜11−7、比較例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
<実施例23−1〜33−7、比較例3−1〜3−7>
負極を以下のようにして作製した。まず、スズ(Sn)・コバルト(Co)・インジウム(In)・チタン(Ti)合金粉末と、炭素(C)粉末とを混合したのち、メカノケミカル反応を利用してSnCoC含有材料を合成した。このSnCoC含有材料の組成を分析したところ、スズ(Sn)の含有量は48質量%、コバルト(Co)の含有量は23質量%、炭素(C)の含有量は20質量%であり、スズ(Sn)とコバルト(Co)との合計に対するコバルト(Co)の割合Co/(Sn+Co)は32質量%であった。
次に、負極活物質として、上述のSnCoC含有材料粉末80質量部と、導電剤として黒鉛12質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン8質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させた。最後に、銅箔(15μm厚)からなる負極集電体に塗布して乾燥させたのちに圧縮成形することにより、負極活物質層を形成した。
以上の点以外は、実施例1−1〜実施例11−7および比較例1−1〜1−7と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(評価)
実施例12−1〜22−7、比較例2−1〜2−7、実施例23−1〜33−7および比較例3−1〜3−7の非水電解質二次電池について、実施例1−1〜11−7、比較例1−1〜1−7と同様にして高温特性を評価した。その結果を表4〜9に示す。
表4は、実施例12−1〜17−7に係る非水電解質二次電池の評価結果を示す。
Figure 2013055031
表5は、実施例18−1〜22−7、および比較例2−1〜2−7に係る非水電解質二次電池の評価結果を示す。
Figure 2013055031
表6は、実施例12−1〜22−7、および比較例2−1〜2−7に係る非水電解質二次電池のうち、有機リン化合物の添加量を1質量%とした二次電池の評価結果を示す。
Figure 2013055031
表7は、実施例23−1〜28−7に係る非水電解質二次電池の評価結果を示す。
Figure 2013055031
表8は、実施例29−1〜33−7、および比較例3−1〜3−7に係る非水電解質二次電池の評価結果を示す。
Figure 2013055031
表9は、実施例23−1〜33−7、および比較例3−1〜3−7に係る非水電解質二次電池のうち、有機リン化合物の添加量を1質量%とした二次電池の評価結果を示す。
Figure 2013055031
表6および表9から以下のことがわかる。
負極材料としてSiおよびSnCoC含有材料を用いた非水電解質二次電池にも、一般式(I)〜(III)で表される、不飽和結合を分子内に有するホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、またはホスフィン酸エステルを添加することで、高温保存特性および高温サイクル特性を向上できる。この効果の発現は負極材料の種類に依存するものではない。なお、ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルのうちの2種以上を組み合わせた場合にも、高温保存特性および高温サイクル特性向上の効果を期待できる。また、負極材料としてSi以外の金属およびSnCoC含有材料以外の合金を用いたい場合にも、高温保存特性および高温サイクル特性向上の効果を期待できる。
一方、同じリン化合物であっても不飽和結合を分子内に有していないリン化合物や、リン原子に直接結合する水素原子を有するリン化合物、リン原子に結合する置換基にプロトン性水素原子が存在するリン化合物を添加した場合には、高温特性にあまり改善が見られない。また、分子内に不飽和結合を有している場合でも環状ホスホン酸エステルでは、十分な効果が得られない。このことから、この特性改善効果は、不飽和結合を分子内に有するホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルに特異的に見られる効果であると言える。
表4、表5、表7および表8から以下のことがわかる。
高温保存特性および高温サイクル特性向上の観点からすると、一般式(I)〜(III)で表される有機リン化合物の添加量は、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態では、巻回構造を有する電池に対して本技術を適用した例について説明したが、電池の構造はこれに限定されるものではなく、正極および負極を折り畳んだ構造、または積み重ねた構造を有する電池などに対しても本技術は適用可能である。
また、上述の実施形態では、円筒型または扁平型を有する電池に対して本技術を適用した例について説明したが、電池の形状はこれに限定されるものではなく、コイン型、ボタン型、または角型などの電池に対しても本技術は適用可能である。
11 電池缶
12、13 絶縁板
14 電池蓋
15 安全弁機構
15A ディスク板
16 熱感抵抗素子
17 ガスケット
20、30 巻回電極体
21、33 正極
21A、33A 正極集電体
21B、33B 正極活物質層
22、34 負極
22A、34A 負極集電体
22B、34B 負極活物質層
23、35 セパレータ
24 センターピン
25、31 正極リード
26、32 負極リード
36 電解質層
37 保護テープ
40 外装部材
41 密着フィルム

Claims (18)

  1. 正極と、負極と、非水電解液を含む電解質とを備え、
    上記非水電解液は、ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含み、
    上記ホスフィンオキシド、上記ホスホン酸エステルおよび上記ホスフィン酸エステルがそれぞれ、下記の式(I)、式(II)および式(III)で表されるリン化合物である非水電解質二次電池。
    Figure 2013055031
    (但し、式(I)中、R1は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR1とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R2、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R1、R2、R3は、互いに結合されていない。)
    Figure 2013055031
    (但し、式(II)中、R4は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR4とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R5、R6は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R4、R5、R6は、互いに結合されていない。)
    Figure 2013055031
    (但し、式(III)中、R7は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR7とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R8、R9は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R7、R8、R9は、互いに結合されていない。)
  2. 上記有機基R1、R4、R7が有する不飽和結合は、炭素間の不飽和結合である請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 上記有機基R1、R4、R7は、不飽和炭化水素基、またはそれに含まれる一部を置換基により置換した基である請求項2記載の非水電解質二次電池。
  4. 上記不飽和炭化水素基は、アルケニル基、アルカジエニル基、アルキニル基またはアルキジエニル基である請求項3記載の非水電解質二次電池。
  5. 上記置換基は、ハロゲン基、オキシ基、エポキシ基、カルボニル基、エステル基、ニトリル基、カーボネート基、スルフィド基、スルフィニル基、スルホニル基、スルホニルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、フェニレン基、アラルキル基およびそれらに含まれる少なくとも一部の水素をハロゲン基により置換した基からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の非水電解質二次電池。
  6. 上記有機基R1、R4、R7の炭素数は、2個以上20個以下である請求項3記載の非水電解質二次電池。
  7. 上記非水電解液に対する上記リン化合物の含有量が、0.01質量%以上5質量%以下である請求項1記載の非水電解質二次電池。
  8. 上記非水電解液は、不飽和炭酸エステルおよびハロゲン化炭酸エステルのうちの少なくとも1種を含む請求項1記載の非水電解質二次電池。
  9. 上記正極および上記負極の少なくとも一方が、上記リン化合物に由来する被膜が形成された表面を有する請求項1記載の非水電解質二次電池。
  10. ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含み、
    上記ホスフィンオキシド、上記ホスホン酸エステルおよび上記ホスフィン酸エステルがそれぞれ、下記の式(I)、式(II)および式(III)で表されるリン化合物である非水電解液。
    Figure 2013055031
    (但し、式(I)中、R1は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR1とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R2、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R1、R2、R3は、互いに結合されていない。)
    Figure 2013055031
    (但し、式(II)中、R4は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR4とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R5、R6は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R4、R5、R6は、互いに結合されていない。)
    Figure 2013055031
    (但し、式(III)中、R7は、1個以上の不飽和結合を有する有機基であり、リンとR7とは、リン−炭素(P−C)で結合されている。R8、R9は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基またはそれらの少なくとも一部の水素をハロゲン基で置換した基を表す。R7、R8、R9は、互いに結合されていない。)
  11. 正極と、負極と、非水電解液を含む電解質とを備え、
    上記非水電解液は、ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含み、
    上記リン化合物は、1個以上の不飽和結合を含む置換基を有し、
    上記置換基は、リンに結合された炭素を有する非水電解質二次電池。
  12. ホスフィンオキシド、ホスホン酸エステル、およびホスフィン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含み、
    上記リン化合物は、1個以上の不飽和結合を含む置換基を有し、
    上記置換基は、リンに結合された炭素を有する非水電解液。
  13. 請求項1記載の非水電解質二次電池と、
    上記非水電解質二次電池について制御する制御部と、
    上記非水電解質二次電池を内包する外装と
    を備える電池パック。
  14. 請求項1記載の非水電解質二次電池を備え、
    上記非水電解質二次電池から電力の供給を受ける電子機器。
  15. 請求項1記載の非水電解質二次電池と、
    上記非水電解質二次電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
    上記非水電解質二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
    を備える電動車両。
  16. 請求項1記載の非水電解質二次電池を備え、
    上記非水電解質二次電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
  17. 他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え
    上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記非水電解質二次電池の充放電制御を行う請求項16記載の蓄電装置。
  18. 請求項1記載の非水電解質二次電池から電力の供給を受け、または、発電装置もしくは電力網から上記非水電解質二次電池に電力が供給される電力システム。
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